JP2004067154A - ガラス板搬送用コンテナ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のガラス板搬送用コンテナは、上面が開口した本体と、該本体の底部の下側に配置されたパレットとを有し、該本体の内部には複数のガラス板を収容する空間が形成されているガラス板搬送コンテナにおいて、前記本体が2つ以上の部材に分解可能に形成されており、該2つ以上の部材の内の2つの部材が、底部と水平断面がコ字状の側壁部を有する第一分割体と第二分割体からなる一対の分割体であり、該第一分割体と該第二分割体とが相対向する一対の面にはガラス板を支持する複数の溝が形成されている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フラットパネルディスプレイの構成基板等、精密部材が組み込まれたガラス板を搬送する際に用いる搬送用コンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】
プラズマディスプレイや液晶ディスプレイなどのフラットパネルディスプレイには、薄いガラス板に半導体素子等の電子機能素子や各種薄膜等精密部材を組み込んだものが構成基板として用いられている。このようなガラス板を搬送する際は、ガラス板や組み込まれた精密部材を損傷しないように、プラスチック板や樹脂発泡体等からなる搬送用コンテナが使用されてきた。
【0003】
上記搬送用コンテナの一つとして、発泡樹脂成形体からなる本体に、ガラス板端部を把持する溝部を複数本形成した側面パッドを、溝部に側面板を差し込んで着脱可能に収納し、側面部を溝部内で前後させることによって、ガラス板の大きさに対応させ、本体の側面には底台を複数配置させて底面下に空間を形成し、フォークリフトによる取扱いを可能にしたものが開示されている(特開2001−31165号公報)。該搬送箱を使用すれば、ガラス板等を傷つけないで輸送することはできる。
【0004】
しかしながら、上記搬送箱は本体部が一体として形成されているため、ガラス板を収容していない状態であっても大きな保管スペースを必要とするので保管費用が高く、通い箱として使用するには返送にかかる費用が高いものであった。また、本体部が部分的に破損した場合、本体部全体を取り替えなければならないので、無駄が多く、取り替え費用が高いという問題があった。
【0005】
また、搬送用コンテナの他の一つとして、パレットの表面に少なくとも三方を囲むように立設された固定側板と、該各固定側板の上端に、着脱自在に、しかもコンテナの内側に向けて回動自在に装着された第1回動側板と、該第1回動側板の上端に、コンテナの外側に向けて回動自在に装着された第2回動側板とを有するコンテナが開示されている(特開平10−194277号公報)。該コンテナは、第1回動側板と第2回動側板を折りたたんで高さを低くすることができるので、保管スペースがその分小さくなり返送時に若干コンパクト化された状態で輸送することはできる。しかしながら、完全に分解できるわけではないので、そのコンパクト化は不十分なものであった。また、本体部が部分的に破損した場合は、やはり本体部全体を取り替えなければならないので、無駄が多く、取り替え費用が高いという問題を有していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、ガラス板を収容していないときの保管スペースが縮小化され、本体部が部分的に破損しても破損した部分だけの交換が可能な、半導体素子等の電子機能素子が組み込まれたガラス板を搬送するためのガラス板搬送用コンテナを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本件発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、特定の形状に分断して本体部を形成し、使用時にはそれらを組み立て、使用していないときには分解することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。即ち、本件発明によれば、次のガラス板搬送用コンテナが提供される。
(1)上面が開口した本体と、該本体の底部の下側に配置されたパレットとを有し、該本体の内部には複数のガラス板を収容する空間が形成されているガラス板搬送コンテナにおいて、前記本体が2つ以上の部材に分解可能に形成されており、該2つ以上の部材の内の2つの部材が、底部と水平断面がコ字状の側壁部を有する第一分割体と第二分割体からなる一対の分割体であり、該第一分割体と該第二分割体とが相対向する一対の面にはガラス板を支持する複数の溝が形成されていることを特徴とするガラス板搬送用コンテナ。
(2)前記本体が、第一分割体と第二分割体の側壁部どうしを連結する第一連結体と第二連結体からなる一対の連結体を含むことを特徴とする前記(1)に記載のガラス板搬送用コンテナ。
(3)前記本体が、第一分割体と第二分割体からなる箱体と、該箱体の側壁の上縁に連結する側壁体とを含むことを特徴とする前記(1)又は(2)に記載のガラス板搬送用コンテナ。
(4)前記第一分割体と前記第二分割体の各々が、その底部の下側に配置されたパレットと同じ高さの足部を有し、該足部によって形成されてなる空間部にパレットが収納されてなることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載のガラス板搬送用コンテナ。
(5)前記本体が、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子成形体からなることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載のガラス板搬送用コンテナ。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明を図面に基づいて詳細に説明する。
図1はガラス板搬送用コンテナの一例を示す一部破断斜視図である。図1において、1は本体を、2は第一分割体を、3は第二分割体を、4a、4bは分割体の側壁部を、4は側壁部の総称を、5は底部を、6a、6bはガラス板を支持する複数の溝を、6はガラス板支持用の複数の溝の総称を、7は底部5に設けられた溝を、8はパレットをそれぞれ示す。
【0009】
本発明のガラス板搬送用コンテナ(以下、本コンテナという)は、図1に示すように、上面が開口した本体1と、該本体1の底部5の下側に配置されたパレット8とを有し、該本体1の内部には複数のガラス板を収容する空間が形成されている。本コンテナはこのように構成されているので、本体1の内部に、半導体素子等の電子機能素子が組み込まれたガラス板を収納して搬送することができる。又、パレット8にはフォークリフトの爪部を差し込むことができるリフト用孔10が設けられているので、フォークリフトで容易に運ぶことができる。
【0010】
本コンテナにおいては、本体1が2つ以上の部材に分解可能に形成されており、該2つ以上の部材の内の2つの部材が、底部5と水平断面がコ字状の側壁部4を有する第一分割体2と第二分割体3からなる一対の分割体である。本コンテナの本体1は、このように2つ以上の部材、即ち第一分割体2と第二分割体3に分解可能に形成されているので、ガラス板を収容していない場合は、分解して保管することや体積を小さくすることができる。従って、保管費用や輸送にかかる費用が従来のコンテナと比較すると安くなる。また、いずれの部材が破損した場合であっても、その部材だけを交換することができるので、取り替え費用が安くて済む。
尚、本明細書において、第一分割体2と第二分割体3を総称する場合は、端に分割体という。
【0011】
又、本コンテナにおいては、図2に示すように、第一分割体2と第二分割体3をガラス板Pの寸法に対応させて、必要な距離だけ離して組み立てることができる。従って、分割する前の長さよりも長い寸法のガラス板であっても容易に梱包することができる。
【0012】
上記第一分割体2、第二分割体3は、共に側壁部4と底部5を有し、該側壁部4の水平断面はコ字状である。又、第一分割体2と第二分割体3とを図1、図2に示すように組み合わせた場合、両者が相対向する一対の面の各々にはガラス板を支持する複数の溝6a、6bが形成されている。従って、相対向する溝6aと溝6bにガラス板Pの対向するエッジ部を挿入してガラス板Pを保持することにより、本体1の内部に複数のガラス板Pを立てた状態で傷つけることなく収容することができる。
なお、ガラス板Pの寸法に応じて該第一分割体と該第二分割体を連結又は分割できるが、上記「該第一分割体と該第二分割体とが相対向する一対の面」とは、この連結方向(分割方向とも一致)における第一分割体の側壁部内面と第二分割体の側壁部内面とにより構成される一対の面(図1に示される側壁部4aの内面、側壁部4bの内面)を意味する。
【0013】
尚、上記溝6を形成する場合、第一分割体2と第二分割体3の側壁部4の相対向する一対の内面のみならず、底部5の内壁面にも溝7が形成されていることが好ましい。このように溝7が形成されていると、ガラス板Pの保持性がより優れたものとなる。
【0014】
上記溝6は、ガラス板Pのエッジ部を挿入できる深さ及び幅に形成し、かつガラス板Pを挿入した状態で若干の余裕があるように設定する。溝数は任意に設定できるが、基板を挿入した状態で容易に運ぶことができることを考慮して、15〜50の条数とすることが好ましい。上記溝7は、溝6の数にあわせて、ガラス板Pの底辺部の据わりがよくなるように形成することが好ましい。
【0015】
上記溝6は、分割体と一体に形成されていることが好ましいが、溝6が形成された内挿部材を取り付け、配置してもよい。溝6の部分は他よりも破損される可能性が高いので交換可能になっていると好都合である。
【0016】
前記本体1は、第一分割体2と第二分割体3と、該第一分割体2と第二分割体3の側壁部4aと側壁部4bとを連結する一対の第一連結体9a及び第二連結体9bとを含むことが好ましい。即ち、図2に示すように、第一分割体2と第二分割体3をガラス板Pの寸法に対応させて、必要な距離だけ離して組み立てる際に、図3に示すように、第一連結体9aと第二連結体9bを側壁部4aと側壁部4bとの間に挿入し、第一分割体2と第二分割体3を連結することにより、一体化した本体1として組み立てることが好ましい。このように構成すると、側壁部から埃が入ることを防ぎ、ガラス板が汚れないようにすることができる。
尚、本明細書において、第一連結体9aと第二連結体9bを総称する場合は、連結体9という。
【0017】
第一分割体2と第二分割体3の間に第一連結体9a、第二連結体9bを挟んで組み立てる場合に、分割体と連結体9が互いに接する端面は、例えば、図2、図3に示すように、階段状に形成して分割体と連結体9が互いに噛み合うように形成されていることが好ましい。このように構成されていると、分割体と連結体9が強固に一体化するので、強度的に好ましい本体1となる。
尚、本発明において、分割体と連結体9が互いに接する端面は階段状に形成することに限定するものではなく、例えば互いに嵌合しうる凸部や凹部に形成してもよい。
【0018】
本コンテナにおいては、第一分割体2と第二分割体3とが同形状に、第一連結体9a、第二連結体9bとが同形状に形成されていることが好ましい。このように形成されていると、分割体、連結体9の製造が容易であり、管理も容易である。
【0019】
本コンテナにおいては、図4に示すように、該本体が、底部5とコ字状の水平断面を有する側壁部4を有する第一分割体2と第二分割体3とからなる箱体と、該箱体の側壁の上縁に連結する水平断面がロ字状の側壁体11とを含むことが好ましい。本体がこのように構成されていると、上部の側壁体11を取り除くとガラス板の上部が露出するので、ガラス板を取り出しやすくなることや側壁体11を取り付ける前の箱体における高さ方向の寸法が長いガラス板であっても容易に梱包できる。又、第一分割体2、第二分割体3の高さが低くなるので、そのぶんだけ保管スペースが縮小化される。
なお、図4では側壁体11が一体となっているが本体1のように複数に分割された側壁体であっても構わない。
【0020】
上記側壁体11を第一分割体2と第二分割体3とからなる箱体の上縁に連結させるには、例えば、第一分割体2と第二分割体3の上縁の外側を階段状に形成し、該階段状の形状に対応する階段状を、側壁体11の内側に形成し、第一分割体2と第二分割体3とからなる箱体と、側壁体11とを嵌合させればよい。
【0021】
尚、図4に示すように構成する場合も、前記図3に示すような連結体9を、第一分割体2と第二分割体3の間に挿入してもよい。
【0022】
本コンテナにおいては、図1に示すように、第一分割体2と第二分割体3の各々が、その底部5の下側に配置されたパレット8と同じ高さの足部12を有し、足部12によって形成されてなる空間部にパレット8が収納されていることが好ましい。足部12がこのように構成されていると、搬送中、コンテナの揺れが小さくなり、ガラス板の破損が防止される。
【0023】
本コンテナにおいては、本体がポリオレフィン系樹脂発泡粒子成形体からなることが好ましい。該発泡粒子成形体は、柔軟で緩衝性に優れしかも軽量なので、本コンテナの取扱いが容易になり、ガラス板を搬送する際に、ガラス板の破損を容易に防止することができる。
【0024】
上記ポリオレフィン系樹脂発泡粒子成形体を構成するポリオレフィン系樹脂としては、次の(a)〜(e)のいずれかに該当するものが挙げられる。
(a)エチレン、プロピレン、ブテン等のα−オレフィンの単独重合体。
(b)2種以上のα−オレフィン同士の共重合体。
(c)α−オレフィン成分と他のモノマー成分とからなる共重合体であってかつα−オレフィン単位成分比率が50重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上、更に好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上の共重合体。
(d)上記(a)、(b)及び(c)の群から選ばれた2種以上の混合物。
(e)上記(a)、(b)、(c)及び(d)の群から選ばれた1種又は2種以と、上記(a)、(b)、(c)又は(d)とは異なる他の合成樹脂成分又は/及び他の合成エラストマー成分との混合樹脂組成物であって、該組成物中のα−オレフィン成分単位比率が50重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上、更に好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上の混合樹脂組成物。
【0025】
本発明においては、これらのポリオレフィン系樹脂の中でも、ポリプロピレン系樹脂で本体を構成することが好ましい。ポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体は強度に優れるため、例えばポリエチレン系樹脂発泡粒子成形体に比べ、同じ強度をより軽量で実現できる。
【0026】
尚、上記ポリプロピレン系樹脂としては、次の(f)〜(i)のいずれかに該当するものが挙げられる。
(f)プロピレンの単独重合体。
(g)プロピレン成分と他のモノマー成分とからなる共重合体であってかつプロピレン単位成分比率が50重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上、更に好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上の共重合体。
(h)上記(f)及び(g)の群から選ばれた2種以上の混合物。
(i)上記(f)、(g)及び(h)の群から選ばれた1種又は2種以上と、上記(f)、(g)又は(h)とは異なる他の合成樹脂成分又は/及び他の合成エラストマー成分との混合樹脂組成物であって、該組成物中のプロピレン成分単位比率が50重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上、更に好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上の混合樹脂組成物。
【0027】
また、ポリエチレン系樹脂としては、次の(j)〜(m)のいずれかに該当するものが挙げられる。
(j)エチレンの単独重合体。
(k)エチレン成分と他のモノマー成分とからなる共重合体であってかつエチレン単位成分比率が50重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上、更に好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上の共重合体。
(l)上記(j)及び(k)の群から選ばれた2種以上の混合物。
(m)上記(j)、(k)及び(l)の群から選ばれた1種又は2種以上と、上記(j)、(k)又は(l)とは異なる他の合成樹脂成分又は/及び他の合成エラストマー成分との混合樹脂組成物であって、該組成物中のエチレン成分単位比率が50重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上、更に好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上の混合樹脂組成物。
【0028】
前記ポリオレフィン系樹脂発泡体を構成する基材樹脂には、帯電防止剤、気泡調節剤、難燃剤、難燃助剤、無機充填剤等の各種添加剤を必要に応じて必要量を添加することができる。
【0029】
本発明の本体は従来公知の方法で製造することができる。但し、好ましくは、いわゆる型内成形方法により製造することが好ましい。即ち、押出機を用いてポリオレフィン系樹脂から樹脂粒子を形成し、該樹脂粒子を発泡させて発泡粒子を形成し、該発泡粒子を金型内に充填し、所定の温度に加熱し、次いで冷却する方法が好ましい。該型内成形方法は、射出発泡成形方法に比べ低圧で実施できるので、金型としてはアルミニウム型のような低コストの金型を用いることができる。
【0030】
上記ポリオレフィン系樹脂発泡体の発泡倍率(基材樹脂の密度÷発泡体の見掛け密度)は、基材樹脂であるポリオレフィン系樹脂の種類、収納する基板の大きさや重さ、本体の壁厚み等に応じて決定されるが、通常は、3〜50倍、好ましくは4〜40倍である。発泡倍率が小さすぎると、緩衝性がなくなって基板を充分に保護することができなったり、発泡体特有の軽量性がなくなる虞がある。また、発泡倍率が大きすぎると、強度が不足しやすくなるのでそれを補うために壁厚みを厚くしなければならない。その結果、必要以上に壁厚みの厚い大きな本体になる虞がある。また、発泡倍率があまりにも大きすぎると、本体自体が変形しやすくなり、内部に収納されたガラス板が損傷する虞もある。
【0031】
本コンテナの本体をポリオレフィン系樹脂発泡体で構成する場合、ガラス板と接する面(好ましくはポリオレフィン系樹脂発泡体の全面)の表面は、壁内部よりも見掛け密度が大きいスキン構造に形成されていることが望ましい。例えば、型内成形に際し、加熱時間を長くしたり又は後加熱を行うことにより、金型内面に接触している表面のみをスキン構造に形成することができる。
【0032】
この場合のスキン構造の見掛け密度(表面から1mm深さまでの部分の見掛け密度)は、内部の見掛け密度(表面から1mm深さのところを切除して残った内部を測定した見掛け密度)よりも1.1倍以上、好ましくは1.3倍以上、より好ましくは1.5〜3.5倍大きくすることが好ましい。
【0033】
本コンテナにおいては、ガラス板Pのエッジ部を第一分割体2と第二分割体3の各々の溝6に挿入して保持させてから、第一分割体2と第二分割体3の水平方向周囲を紐状物で固定することが好ましい(図示はしない)。このように構成すると、本体1の形状安定性が高まり、ガラス板Pを傷つけることなく搬送することができる。
【0034】
また、本コンテナにおいては、その内部に複数のガラス板を収容した状態で、その上下方向周囲を紐状物で固定することが好ましい(図示はしない)。このように構成すると、ガラス板をしっかりと固定することができる。
【0035】
また、遠方への輸送(例えば輸出)に際しては、ガラス板を収容したコンテナ全体を、ポリオレフィンフィルムやアルミニウムラミネートフィルムなどの防湿性を有する包材で包装することが好ましい。包装に際しては内部にシリカゲル等の吸湿剤を入れておくこともできる。
【0036】
また、本体の内部に複数のガラス板を収容し、本体の上部に蓋体を用いることもできる(図示はしない。)。この蓋体は、側壁体と蓋体が一体となったものでも構わない。さらに、蓋体は、複数に分割されたものでも構わない。
蓋体を本体に被せた後、前述した紐状物でその上下方向周囲を紐状物で固定したり、フィルムなどの防湿性を有する包材で包装しても構わない。蓋体の材質としては、例えば、前述したポリオレフィン系樹脂発泡粒子成形体製、金属製、合成樹脂製等が挙げられる。
【0037】
本発明のパレットの材質としては、例えば、前述したポリオレフィン系樹脂発泡粒子成形体製、金属製、合成樹脂製及び木製等が挙げられる。
【0038】
【発明の効果】
本発明のガラス板搬送用コンテナは、上面が開口した本体と、該本体の底部の下側に配置されたパレットとを有するので、フォークリフトで容易に運ぶことができる。また、前記本体が2つ以上の部材に分解可能に形成されており、該2つ以上の部材の内の2つの部材が、特定構造を有する第一分割体と第二分割体からなる一対の分割体なので、ガラス板を収容していない場合は、分解して保管することや体積を小さくすることができる。従って、保管費用や輸送にかかる費用が従来のコンテナと比較すると安くなり、いずれの部材が破損した場合であっても、その部材だけを交換することができるので、取り替え費用が安くて済む。また、第一分割体と第二分割体とが相対向する一対の面にはガラス板を支持する複数の溝が形成されているので、ガラス板を傷つけることなく収容することができる。
【0039】
本発明のガラス板搬送用コンテナにおいては、上記第一分割体と第二分割体の側壁部どうしを連結する第一連結体と第二連結体からなる一対の連結体とを含む場合、側壁部から埃が入ることを防ぎ、ガラス板が汚れないようにすることができる。
【0040】
本発明のガラス板搬送用コンテナにおいては、第一分割体と第二分割体からなる箱体と、該箱体の側壁の上縁に連結する側壁体とを含む場合、上部の側壁体を取り除くとガラス板の上部が露出するので、ガラス板を取り出しやすくなることや側壁体を取り付ける前の高さ方向が高い寸法のガラス板であっても容易に梱包できる。又、第一分割体、第二分割体の高さが低くなるので、そのぶんだけ保管スペースが縮小化される。
【0041】
本発明のガラス板搬送用コンテナにおいては、第一分割体と第二分割体が、その底部の下側に配置されたパレットと同じ高さの足部を有し、該足部によって形成されてなる空間部にパレットが収納されてなる場合、搬送中、コンテナの揺れが小さくなり、ガラス板の破損が防止される。
【0042】
本発明のガラス板搬送用コンテナにおいては、本体がポリオレフィン系樹脂発泡粒子成形体からなる場合、取扱いが容易なコンテナとなり、ガラス板を搬送する際に、ガラス板の破損を容易に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるガラス板搬送用コンテナの構成例を示す一部破断斜視図である。
【図2】第一分割体と第二分割体を離して、本発明のガラス板搬送用コンテナを構成する例を示す斜視図である。
【図3】連結体を用いて、本発明のガラス板搬送用コンテナを構成する例を示す斜視図である。
【図4】側壁体を用いて、本発明のガラス板搬送用コンテナを構成する例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 本体
2 第一分割体
3 第二分割体
4、4a、4b 分割体の側壁部
5、5a、5b 底部
6、6a、6b 溝
8 パレット
9 連結体
11 側壁体
12 足部
P ガラス板
Claims (5)
- 上面が開口した本体と、該本体の底部の下側に配置されたパレットとを有し、該本体の内部には複数のガラス板を収容する空間が形成されているガラス板搬送コンテナにおいて、前記本体が2つ以上の部材に分解可能に形成されており、該2つ以上の部材の内の2つの部材が、底部と水平断面がコ字状の側壁部を有する第一分割体と第二分割体からなる一対の分割体であり、該第一分割体と該第二分割体とが相対向する一対の面にはガラス板を支持する複数の溝が形成されていることを特徴とするガラス板搬送用コンテナ。
- 該本体が、第一分割体と第二分割体の側壁部どうしを連結する第一連結体と第二連結体からなる一対の連結体を含むことを特徴とする請求項1に記載のガラス板搬送用コンテナ。
- 該本体が、第一分割体と第二分割体からなる箱体と、該箱体の側壁の上縁に連結する側壁体とを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス板搬送用コンテナ。
- 該第一分割体と該第二分割体の各々が、その底部の下側に配置されたパレットと同じ高さの足部を有し、該足部によって形成されてなる空間部にパレットが収納されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガラス板搬送用コンテナ。
- 該本体が、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子成形体からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガラス板搬送用コンテナ。
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