JP3325385B2 - ガラス基板搬送用ボックス - Google Patents

ガラス基板搬送用ボックス

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JP3325385B2
JP3325385B2 JP8244694A JP8244694A JP3325385B2 JP 3325385 B2 JP3325385 B2 JP 3325385B2 JP 8244694 A JP8244694 A JP 8244694A JP 8244694 A JP8244694 A JP 8244694A JP 3325385 B2 JP3325385 B2 JP 3325385B2
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俊雄 吉田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、素板ガラス、液晶表示
用ガラス基板、プラズマ表示体用ガラス基板、蛍光表示
管、サーマルヘッド用ガラス基板、カラーフィルター等
のガラス基板(完成パネルを含む)を搬送するための
ラス基板搬送用ボックスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ガラスメーカー、カラーフィルターメー
カー、デバイスメーカーの相互間におけるガラス基板
(完成パネルを含む)の搬送のために、ABS樹脂、ポ
リ塩化ビニルをはじめとする種々の樹脂の射出成形体や
その組立品からなるガラス基板搬送用ボックスが使用さ
れている。TFT(薄膜トランジスタ)形成済みのガラ
ス基板や液晶セルの完成パネルのように回路を組み込ん
であるガラス基板の搬送用の場合には、導電性ポリマー
や帯電防止性物質を含有させた樹脂射出成形体や組立品
が使用される。
【0003】これらのガラス基板搬送用ボックスは、典
型的には、有底のボックス本体と蓋体とからなり、ボッ
クス本体の相対向する1対の側板には、ガラス基板を縦
姿勢でかつ互いに接触しないように平行保持するために
溝を形成してある。
【0004】ガラス基板搬送用ボックスには、一般に1
0〜30枚程度あるいはそれ以上の枚数のガラス基板が
収容される。なおこのボックスには、内部の雰囲気を窒
素ガス等の不活性ガスで置換するためのガス置換口を設
けることもある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上に述べた樹脂射出成
形体やその組立品からなる従来のガラス基板搬送用ボッ
クスは、ガラス基板を密閉状態で搬送することができる
ものであるが、ボックス自身の重量だけでたとえば5〜
6kgもあるため、移動・積み重ね・輸送に際し取り扱い
にくいという不利がある。またクッション性を有しない
ため、衝撃や振動が加わったときにショックを吸収する
能力がほとんどなく、その結果、収容してあるガラス
板が損傷しやすいという問題点がある。輸送時にはクッ
ション材を入れて梱包するなどの対策を講じることもで
きるが、適用できる場が限られる。
【0006】また樹脂射出成形体でできたボックスは、
熱伝導率がたとえば0.26Kcal/m・hr・℃程度と大きいの
で、断熱性不良により収容基板が高温となったり、ガラ
基板に結露を生じたりしやすく、その結果、ガラス
板に水滴痕である「しみ」がついたり、回路が破壊した
りするなど、ガラス基板の信頼性を損なうおそれもあ
る。
【0007】そのほか、ボックスの本体と蓋体とを合わ
せた射出成形金型のコストが高いこと、ボックス1個当
りの樹脂使用量がたとえば5〜6kgにもなるので、樹脂
コストの点でも負担が大きいことなどの不利もある。
【0008】本発明は、このような背景下において、取
り扱い性、搬送性、ガラス基板の保護性にすぐれ、しか
も従来に比し製造コストを小さくすることのできるガラ
基板搬送用ボックスを提供することを目的とするもの
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のガラス基板搬送
用ボックスは、発泡体でできたボックス(1) の内部に、
ガラス基板支持用の溝(2a)を有する板状または箱状の溝
付き内挿部材(2) を配置した構造を有するガラス基板搬
送用のボックスであって、 前記ボックス(1) は、有底の
本体部(11)と蓋体(12)とで構成されているか、無底の本
体部(11)と蓋体(12)と底体(13)とで構成されているこ
と、 前記ボックス(1) は、ビーズ法により製造されかつ
内外両表面が内部よりも緻密なスキン構造に形成された
発泡倍率3〜30倍のポリプロピレン系発泡体からなる
こと、 前記ボックス(1) は、ガラス基板支持用の溝を有
しないこと、および、 前記溝付き内挿部材(2) は、前記
ボックス(1) に対する取り付けおよび取り外しが可能と
されていること、を特徴とするものである。
【0010】以下本発明を詳細に説明する。
【0011】ボックス(1) は、有底の本体部(11)と蓋体
(12)とで構成されるか、無底の本体部(11)と蓋体(12)と
底体(13)とで構成される。各部間の係合は嵌め込みによ
り行ってもよく、適当な係合手段を用いてもよい。
【0012】ボックス(1) の本体部(11)、蓋体(12)、底
体(13)は、ポリプロピレン系発泡体で構成される。
【0013】ポリプロピレン系発泡体の発泡倍率は3〜
30倍、好ましくは4〜25倍、さらに好ましくは5〜
20倍の範囲に設定される。発泡倍率が余りに小さいと
きは基板保護性(クッション性)の付与の目的を充分に
は達成しえず、一方発泡倍率が余りに大きいときは強度
が不足し、弾力性も過多となる。
【0014】そして、ポリプロピレン系発泡体は、ビー
ズ法により製造される。ビーズ法とは、発泡剤を含む
リプロピレン系ビーズまたはその一次発泡体を金型内充
填し、所定の温度に加熱する方法であって、発泡剤とし
ては揮発性発泡剤、化学分解型発泡剤などが用いられ、
2種以上の発泡剤を組み合わせて用いることもできる。
ビーズ発泡法は低圧発泡法であるので、金型としてはア
ルミニウム型のような低コストの金型を用いることがで
きる。
【0015】このポリプロピレン系発泡体の表面は、内
部よりも緻密なスキン構造に形成される。たとえば
泡成形に際し、後加熱を行えば、金型内面に接触してい
る表面のみを緻密なスキン構造に形成することができ
る。表面のみを緻密なスキン構造にすることは、発塵防
止、強度向上の点でも有利となる。
【0016】上記のポリプロピレン系発泡体からなるボ
ックス(1) は、ガラス基板支持用の溝を有しない。
【0017】上記ボックス(1) の内部には、ガラス基板
支持用の溝(2a)を有する板状または箱状の溝付き内挿部
材(2) が配置される。この溝付き内挿部材(2) は、ボッ
クス(1) に対する取り付けおよび取り外しが可能とされ
る。板状とは、2枚の分離した板状体のほか、コの字形
のような板状体も含まれる。溝付き内挿部材(2) の好ま
しい構成は次の如くである。
【0018】溝付き内挿部材(2) の一つは、発泡体(殊
に発泡倍率3〜30倍の発泡体)でできた板状または箱
状の発泡成形体である。このときの発泡体は、ポリオレ
フィン系樹脂発泡体が適当であり、なかんずくポリプロ
ピレン系発泡体が好適である。発泡成形法としては、ビ
ーズ法、押出発泡法などが採用される。
【0019】溝付き内挿部材(2) の他の一つは、樹脂シ
ートを圧空成形して得た板状または箱状の圧空成形体で
ある。圧空成形とは、樹脂シートを金型にセットし、加
熱下に真空吸引して所定の形状に成形する方法である。
樹脂シートとしては、圧空成形可能な種々の樹脂が用い
られる。
【0020】溝付き内挿部材(2) のさらに他の一つは、
樹脂を溶融成形して得た板状または箱状の溶融成形体で
ある。溶融成形法としては、押出成形法や射出成形法が
採用される。溶融成形に供する樹脂としては、溶融成形
可能な種々の樹脂が用いられる。
【0021】溝付き内挿部材(2) の他の一つは、樹脂板
などの板体を機械加工(切削加工等)して得た板状また
は箱状の機械加工品である。
【0022】上記いずれの場合も、成形体または機械加
工品が板状の場合には、ボックス(1) の相対向する少な
くとも1対の面の内面側に溝付き内挿部材(2), (2)を挿
し込み配置する。相対向する1対の面とは、ボックス
(1) が平面視で長方形であるときは、短辺側の1対の面
でも長辺側の1対の面でもよい。場合によっては、異な
る2種の寸法のガラス基板の収容に対処するように、短
辺側の1対の面および長辺側の1対の面の双方に板状の
溝付き内挿部材(2), (2)を配置することもできる。
【0023】なお、ボックス(1) の本体部(11)の相対向
する1対の面の内面側に係合用の凸条(11a) を形成し、
板状の溝付き内挿部材(2), (2)の裏面側に前記凸条(11
a) に係合する条溝(2b)を形成すると、ボックス(1) に
対する板状の溝付き内挿部材(2), (2)の取り付けおよび
取り外しをより円滑に行うことができる。
【0024】成形体または機械加工品が箱状の場合に
は、溝付き内挿部材(2) をそのままボックス(1) 内に嵌
め込めばよい。
【0025】板状または箱状の溝付き内挿部材(2) に設
けるガラス基板支持用の溝(2a)は、ガラス基板のエッジ
部を挿入できる深さおよび巾とし、かつガラス基板を挿
入した状態で若干の余裕があるように設定する。溝数は
任意に設定できるが、ガラス基板の収容数やガラス基板
を収容した状態で人が運ぶことのできる重量も考慮し
て、溝付き内挿部材(2) の1面当り10〜30条程度あ
るいはそれ以上の溝数とすることが多い。溝構造の山部
の形状は、ガラス基板との接触を小さくするため、アー
ルやテーパーを付すことが好ましい。
【0026】TFT(薄膜トランジスタ)形成済みのガ
ラス基板や液晶セルの完成パネルを収容する目的のとき
は、溝付き内挿部材(2) の少なくともボックス内部側の
表面の体積固有抵抗値は103 〜1012Ω・cm、殊に1
4 〜1011Ω・cmの範囲内に設定されていることが望
ましい。このような体積固有抵抗値を有するようにする
には、成形体や機械加工品の製造用の原料樹脂として本
来導電性を有する樹脂を用いる方法や原料樹脂に帯電防
止性物質(導電性ポリマーや界面活性剤を含む)を数%
〜数10%含有させる方法、導電性フィルムを金型に設
置して成形と同時にその導電性フィルムを成形体の表面
に一体化する方法などが採用される。
【0027】ボックス(1) についても、その少なくとも
表面の体積固有抵抗値が103 〜1012Ω・cmに設定さ
れていることが望ましい。
【0028】上に述べたボックス(1) の蓋体(12)の天板
内方または/および底体(13)の底板内方には、収容した
ガラス基板のがたつきを防止する押え部材(3) を装着す
ることができる。押え部材(3) の例としては、ポリテト
ラフルオロエチレン、高分子量ポリエチレンなどの単
体、あるいはこれらが表面側となるように積層した各種
のゴムまたはエラストマーの成形物との積層体などがあ
げられ、形状はシート、板、柱状物、筒状物などとす
る。押え部材(3) を装着可能にするため、蓋体(12)の天
板内方(または底体(13)の底板内方)には係合用の突起
を設け、それに対応して押え部材(3) には係合用の孔を
設けるなどの工夫を講じることができる。
【0029】ボックス(1) 内部を不活性ガスで置換する
使い方をするときは、ボックス(1)の適当な個所にガス
導入口(5) を設置する。この場合、適当なシール手段を
講じて密封性を高めることができる。
【0030】遠方への輸送(たとえば輸出)に際して
は、ガラス基板を収容したボックス(1) 全体を、ポリオ
レフィンフィルムやアルミニウムラミネートフィルムな
どの防湿性を有する包材で包装したり、全体をテープ掛
けしたりすることができる。包装に際しては、ボックス
(1) の内部にシリカゲル等の吸湿剤を入れておくことも
できる。
【0031】
【作用】本発明の基板搬送用ボックスを使用するにあた
っては、予めボックス(1) の内部に板状または箱状の溝
付き内挿部材(2) を配置しておいてから、その溝付き内
挿部材(2) の対向する溝(2a), (2a)間にガラス基板を装
着し、蓋体(12)(および底体(13))を係合して搬送や保
管に供すればよい。ガラス基板の取り出しは、本体部(1
1)から蓋体(12)(および底体(13))を外して行えばよ
い。ガラス基板の出入は、手動によりまたはロボットに
より行う。なおガラス基板の出入は、ボックスを縦姿勢
にした状態で行ってもよく、横姿勢にした状態で行って
もよい。搬送や保管はボックスを縦姿勢で行うのが通常
である。
【0032】本発明の基板搬送用ボックスにあっては、
ボックス(1) の内部に板状または箱状の溝付き内挿部材
(2) を配置しているのでガラス基板の支持が確実になさ
れることはもとより、ボックス(1) が発泡倍率3〜30
倍のポリプロピレン系発泡体でできているため、そのす
ぐれたクッション性により衝撃・振動などが加わったと
きであってもガラス基板の損傷が有効に防止される。
して発泡体がポリプロピレン系発泡体でできているの
で、強度が大きく、引き裂きや摩擦に対しても大きな抵
抗性を有し、発塵もなく、水洗等の洗浄も可能である。
【0033】また、上記発泡体はすぐれた断熱性を有す
るため(たとえば15倍発泡のポリプロピレン系発泡体
の場合で熱伝導率は 0.036〜0.038 Kcal/m・hr・℃程度
となる)、収容ガラス基板(完成パネルを含む)が高温
となったり、ガラス基板に結露を生じたりすることがな
く、水滴痕の発生や回路の破壊などガラス基板の信頼性
を損なうおそれもない。
【0034】ボックス(1) としてポリプロピレン系発泡
体を用いたことは、ボックス1個当りの樹脂使用量が著
減することを意味し、樹脂消費量の点でも製造コスト上
有利となる。加えて、ポリプロピレン系発泡体の成形は
アルミニウム金型などの安価な金型を用いて低圧で行う
ことができるので、金型コストの点でも有利となる。
【0035】溝付き内挿部材(2) についても、発泡成形
体の場合にはボックス(1) の場合と同様の製造上の利点
があり、圧空成形体の場合にも金型コストは安価であ
り、溶融成形体の場合も特に押出成形を採用するときに
は製造コストが安価となる。機械加工品の場合も同様に
製造コストが安価である。
【0036】ボックス(1) の内部に溝付き内挿部材(2)
を配置する方式は、使用により溝付き内挿部材(2) の
ラス基板支持用の溝(2a)が損傷したときに、搬送用ボッ
クス全体ではなく溝付き内挿部材(2) のみを取り換える
ことができるので有利である。
【0037】溝付き内挿部材(2) (さらにはボックス
(1) )としてその少なくとも表面の体積固有抵抗値が1
3 〜1012Ω・cmのものを用いたときは、ガラス基板
の出入や搬送中における帯電が有効に防止されると共
に、たとえ帯電しても体積固有抵抗値が上記範囲内にあ
るので減衰時間が 0.5〜1秒というように一定時間保た
れるため、減衰が適度の範囲でゆっくりと行われ、回路
障害を起こすおそれがない。
【0038】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。
【0039】実施例1 図1は本発明のガラス基板搬送用ボックスの一例を示し
た斜視図であり、蓋体(12)は一部を切り欠き表示してあ
る。
【0040】発泡性ポリプロピレン粒子をガスで一旦予
備発泡させた後、空気に置換した。これをアルミニウム
製の金型に充填して4kg/cm2の水蒸気を一気に吹き込む
ことにより発泡成形し、ついで温度60℃で後加熱を行
って、図1に示してあるような有底のボックス(1) の本
体部(11)を得た。このとき、本体部(11)の相対向する1
対の面の内面側には3条の縦方向の係合用の凸条(11a)
が形成されるようにした。同様にしてボックス(1) の蓋
体(12)も発泡成形した。これらの発泡体は実質的に独立
気泡を有し、発泡体全体の発泡倍率は12倍であった
が、内外両表面にはスキン層が形成されていた。発泡体
の両表面はテーバー摩耗試験機による摩耗試験で良好な
耐摩耗性を示した。
【0041】さらに、上記ボックス(1) の成形法と同様
にして発泡性ポリプロピレン粒子を発泡成形することに
より、図1に示してあるような2枚の板状の溝付き内挿
部材(2) を得た。この発泡体は実質的に独立気泡を有
し、発泡体全体の発泡倍率は12倍であったが、内外両
表面にはスキン層が形成されていた。発泡体の両表面は
テーバー摩耗試験機による摩耗試験で良好な耐摩耗性を
示した。この溝付き内挿部材(2), (2)の片面側には多数
ガラス基板支持用の溝(2a)が形成され、また反対面側
には3条の縦方向の条溝(2b)が形成されるようにした。
【0042】上記ボックス(1) の本体部(11)の相対向す
る1対の面の内面側に、上記で得た溝付き内挿部材(2),
(2)をそのガラス基板支持用の溝(2a)が対向するように
挿し込んだ。この場合、本体部(11)の係合用の凸条(11
a) に、溝付き側板(2), (2)の裏面側に形成した条溝(2
b)が係合するようにした。
【0043】このようにして組み立てた搬送用ボックス
は、必要な強度を有する上、軽量性、取り扱い性、搬送
性、ガラス基板の保護性、製造コストの全て点で、従来
の樹脂射出成形体またはその組立品製の搬送用ボックス
に比し有利であった。
【0044】この搬送用ボックスの溝付き内挿部材(2),
(2)の対応する溝(2a), (2a)間に基板を装着し、蓋体(1
2)を係合して搬送に供したが、取り扱い中に衝撃や振動
が加わっても、ガラス基板の損傷は起こらず、また発塵
も認められなかった。
【0045】実施例2 20重量%のカーボンブラックを含む導電性グレードの
発泡性ポリプロピレン(帯電防止グレードの界面活性剤
を内添した発泡性ポリプロピレンでもよい)を用いたほ
かは実施例1と同様にして、発泡体でできたボックス
(1) (本体部(11)および蓋体(12))と溝付き内挿部材
(2), (2)とを製造した。これらの発泡体の両表面の体積
抵抗値(ASTM D257準拠)はいずれも104
1011Ω・cmの範囲内にあった。
【0046】この溝付き内挿部材(2), (2)をボックス
(1) に装着したガラス基板搬送用ボックスは、TFT形
成済みガラス基板や液晶セルの完成パネルを収容し、搬
送や保管に供する目的に好適である。
【0047】実施例3 図2は本発明のガラス基板搬送用ボックスの他の一例を
示した正面図であり、一部を切り欠き表示してある。
【0048】この実施例3においては、実施例1または
2におけるボックス(1) を無底の本体部(11)と蓋体(12)
と底体(13)との3部材で構成すると共に、蓋体(12)およ
び底体(13)には成形時に突起(4) を形成させ、そこに別
途作製した角板状の押え部材(3) (ボックス内面側がポ
リテトラフルオロエチレン、反対側がアクリロニトリル
−ブタジエンゴムからなる積層体)を、その押え部材
(3) に形成した係合用の孔(3a)の部分が上記の突起(4)
と係合するように装着した。また蓋体(12)には、ガス導
入口(5) を事後的に設置した。
【0049】実施例4 図3は本発明のガラス基板搬送用ボックスのさらに他の
一例を示した斜視図であり、一部を切り欠き表示してあ
る。
【0050】ボックス(1) は本体部(11)と蓋体(12)とか
らなり、いずれも実施例1と同じ発泡体からなる。
【0051】この実施例4においては、溝付き内挿部材
(2) として、樹脂シート(ABS樹脂シート等)を金型
にセットし、加熱下に真空吸引して一挙に箱状に形成し
た圧空成形体を用いている。溝付き内挿部材(2) の相対
向する1対の面は、ガラス基板支持用の溝(2a)となるよ
うに波形に形成されている。
【0052】この箱状の溝付き内挿部材(2) は、発泡体
でできた上記のボックス(1) の本体部(11)内に嵌め込む
だけでよい。
【0053】実施例5 溝付き内挿部材(2), (2)として、樹脂(ポリエーテルイ
ミド等)をガラス基板支持用の溝(2a)が形成されるよう
に異形押出成形(切削加工品でもよい)した板状の溶融
成形体を用いた。この溝付き内挿部材(2), (2)を実施例
1または実施例2のボックス(1) の本体部(11)の相対向
する1対の面の内面側に挿し込めば、搬送用ボックスと
することができる。
【0054】実施例6 溝付き内挿部材(2), (2)として、樹脂(ポリカーボネー
ト等)をガラス基板支持用の溝(2a)が形成されるように
射出成形した板状の溶融成形体を用いた。成形に際して
は、体積抵抗値が104 〜1011Ω・cmの範囲内にある
導電性フィルムを金型に設置し、成形と同時にその導電
性フィルムが成形体の表面に一体化されるようにした。
この溝付き内挿部材(2), (2)を実施例1または実施例2
のボックス(1) の本体部(11)の相対向する1対の面の内
面側に挿し込めば、搬送用ボックスとすることができ
る。
【0055】
【発明の効果】本発明のガラス基板搬送用ボックスは、
取り扱い性、搬送性、ガラス基板の保護性にすぐれ、し
かも従来に比し製造コストを小さくすることができる。
【0056】そしてポリプロピレン系発泡体製のボック
ス(1) の内部に溝付き内挿部材(2)を配置する方式を採
用しているので、使用により溝付き内挿部材(2) のガラ
基板支持用の溝(2a)が損傷したときには、搬送用ボッ
クス全体ではなく溝付き内挿部材(2) のみを取り換える
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガラス基板搬送用ボックスの一例を示
した斜視図であり、蓋体(12)は一部切り欠き表示してあ
る。
【図2】本発明のガラス基板搬送用ボックスの他の一例
を示した正面図であり、一部を切り欠き表示してある。
【図3】本発明のガラス基板搬送用ボックスのさらに他
の一例を示した斜視図であり、一部を切り欠き表示して
ある。
【符号の説明】
(1) …ボックス、(11)…本体部、(12)…蓋体、(13)…底
体、(11a) …凸条、(2) …溝付き内挿部材、(2a)…溝、
(2b)…条溝、(3) …押え部材、(3a)…係合用の孔、(4)
…突起、(5) …ガス導入口

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発泡体でできたボックス(1) の内部に、
    ラス基板支持用の溝(2a)を有する板状または箱状の溝付
    き内挿部材(2) を配置した構造を有するガラス基板搬送
    用のボックスであって、 前記ボックス(1) は、有底の本体部(11)と蓋体(12)とで
    構成されているか、無底の本体部(11)と蓋体(12)と底体
    (13)とで構成されていること、 前記ボックス(1) は、ビーズ法により製造されかつ内外
    両表面が内部よりも緻密なスキン構造に形成された発泡
    倍率3〜30倍のポリプロピレン系発泡体からなるこ
    と、 前記ボックス(1) は、ガラス基板支持用の溝を有しない
    こと、および、 前記溝付き内挿部材(2) は、前記ボックス(1) に対する
    取り付けおよび取り外しが可能とされていること、 を特徴とするガラス 基板搬送用ボックス。
  2. 【請求項2】溝付き内挿部材(2) が、 発泡体でできた板状または箱状の発泡成形体 ・樹脂シートを圧空成形して得た板状または箱状の圧空
    成形体、 ・樹脂を溶融成形して得た板状または箱状の溶融成形
    体、および、 ・板体を機械加工して得た板状または箱状の機械加工品
    から選ばれたもの である請求項1記載のガラス基板搬送
    用ボックス。
  3. 【請求項3】溝付き内挿部材(2) の少なくともボックス
    内部側の表面の体積固有抵抗値が103 〜1012Ω・cm
    に設定されている請求項1記載のガラス基板搬送用ボッ
    クス。
  4. 【請求項4】ボックス(1) の本体部(11)の相対向する1
    対の面の内面側に係合用の凸条(11a ) を形成すると共
    に、板状の溝付き内挿部材(2) の裏面側に前記凸条(11
    a) に係合する条溝(2b)を形成してある請求項1記載の
    ガラス基板搬送用ボックス。
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