JP2010137921A - ガラス基板のパックおよびアンパック方法、ならびにガラス基板搬送用ボックス - Google Patents
ガラス基板のパックおよびアンパック方法、ならびにガラス基板搬送用ボックス Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】相対向する内壁に溝(g)が形成された構造を有するポリオレフィン系製のボックス本体(1)と、ガラス基板(G)のボックス本体(1)からの突出部分を保護する溝(g)付きのサポート部材(3)と、ポリオレフィン系発泡体製の蓋体(2)と、これらのサポート部材(3)および蓋体(2)に相対応するように設けた雌雄の面ファスナ(4),(4)とからなるガラス基板搬送用ボックスである。
【選択図】図1
Description
ガラスメーカー、カラーフィルターメーカー、デバイスメーカーの相互間におけるガラス基板(完成パネルを含む)の搬送のために、ABS樹脂、ポリ塩化ビニルをはじめとする種々の樹脂の射出成形体やその組立品からなるガラス基板搬送用ボックスが使用されている。TFT(薄膜トランジスタ)形成済みのガラス基板や液晶セルの完成パネルのように回路を組み込んであるガラス基板の搬送用の場合には、導電性ポリマーや帯電防止性物質を含有させた樹脂射出成形体や組立品が使用される。これらのガラス基板搬送用ボックスは、典型的には有底のボックス本体と蓋体とからなり、ボックス本体の相対向する1対の側板には、基板を縦姿勢でかつ互いに接触しないように平行保持するために溝を形成してある。ガラス基板搬送用ボックスには、一般に10〜30枚程度あるいはそれ以上の枚数のガラス基板が収容される。
射出成形体でできたガラス基板搬送用ボックスの上記のような問題点を克服するため、本出願人は下記の(イ)、(ロ)のような樹脂発泡体製のガラス基板搬送用ボックスを開発しており、この業界で好評を得ている。
ボックスの少なくとも本体部が発泡倍率3〜30倍の樹脂発泡体で構成され、かつ本体部内面の相対向する1対の面がガラス基板支持用の溝に形成されているガラス基板搬送用ボックス。
発泡倍率3〜30倍の発泡体でできたボックスの内部に、基板支持用の溝を有する板状または箱状の溝付き内挿部材を配置してなる基板搬送用ボックス。
(構成部材)
本発明のガラス基板搬送用ボックスは、ボックス本体(1)と、サポート部材(3)と、ボックス状の蓋体(2)と、雌雄の面ファスナ(4),(4)とで構成される。
ボックス本体(1)は、ポリエチレン系(低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマーなど、あるいはこれらのブレンド物)発泡体、ポリプロピレン系発泡体などのポリオレフィン系発泡体で作られ、強度の大きいポリプロピレン系発泡体が特に好適である。ポリオレフィン系発泡体の発泡倍率は3〜30倍、好ましくは4〜25倍、さらに好ましくは5〜20倍、なかんずく7〜18倍の範囲に設定される。発泡倍率が余りに小さいときはガラス基板の保護性(クッション性)などが充分には達成しえず、一方発泡倍率が余りに大きいときは強度が不足し、弾力性も過多となる。ボックス本体(1)の厚みは、強度、耐加重性、硬さと弾力性とのバランスなどを考慮して、15〜100mm程度、殊に20〜80mm程度に設定するのが適当である。
サポート部材(3)は、上記ボックス本体(1)の相対向する溝(g),(g)間に縦挿したガラス基板(G)のボックス本体(1)からの突出部分を保護するものであり、がたつき防止、取り扱い時の危険防止の役割を果たす。
蓋体(2)は、ボックス状の形状を有し、上記ボックス本体(1)に縦挿したガラス基板(G)のボックス本体(1)からの突出部分にサポート部材(3)を装着した状態で、そのサポート部材(3)を内包するように、上記ボックス本体(1)の上部の開口部側に係合するためのものである。
そして、本発明においては、上記サポート部材(3)の水平板(3a)の上面側および上記蓋体(2)の天面(2a)の内面側に、雌雄の面ファスナ(4),(4)を相対応するように設ける。どちらの面に雌または雄の面ファスナ(4)を設けるかは自由であり、片方の面に雌および雄の面ファスナ(4)の双方を設け、他方の面にそれに対応するように雄および雌雄の面ファスナ(4)の双方を設けることもできる。
遠方への輸送(たとえば輸出)に際しては、ガラス基板(G)を収容した本発明のガラス基板搬送用ボックス全体を、ポリオレフィンフィルムやアルミニウムラミネートフィルムなどの防湿性を有する包材で包装したり、全体をテープ掛けしたりすることができる。包装に際しては、このボックスの内部にシリカゲル等の吸湿剤を入れておくこともできる。
本発明の基板搬送用ボックスを使用するにあたっては、ボックス本体(1)にそこに形成した溝(g)を利用してガラス基板(G)が縦挿されるようにしておいてから、そのガラス基板(G)のボックス本体(1)からの突出部分をサポート部材(3)で保護し、ついでそのサポート部材(3)を内包するように、ボックス本体(1)の上部の開口部側に蓋体(2)を係合すればよい。ガラス基板(G)の出入は、ボックスを縦姿勢にした状態で行ってもよく、横姿勢にした状態で行ってもよい。搬送や保管はボックスを縦姿勢で行うのが通常である。
・そのすぐれたクッション性により衝撃・振動などが加わったときであってもガラス基板(G) の損傷が有効に防止されること、
・強度が大きく、引き裂きや摩擦に対しても大きな抵抗性を有し、発塵もなく、水洗等の洗浄も可能であること、
・ガラス基板(G)の支持が確実になされること、
・すぐれた断熱性を有するため(たとえば15倍発泡のポリオレフィン系発泡体の場合で熱伝導率は0.036〜0.038Kcal/m・hr・℃程度となる)、収容ガラス基板(完成パネルを含む)(G)が高温となったり、ガラス基板(G)に結露を生じたりすることがなく、水滴痕の発生や回路の破壊など基板の信頼性を損なうおそれもないこと、
・ボックス1個当りの樹脂使用量が著減するので、樹脂消費量の点でも製造コスト上有利となること、
・発泡体の成形はアルミニウム金型などの安価な金型を用いて低圧で行うことができるので、金型コストの点でも有利となること、
・少なくとも表面の体積固有抵抗値が103〜1012Ω・cmのものを用いたときは、ガラス基板(G)の出入や搬送中における帯電が有効に防止されると共に、たとえ帯電しても体積固有抵抗値が上記範囲内にあるので減衰時間が0.5〜1秒というように一定時間保たれるため、減衰が適度の範囲でゆっくりと行われ、回路障害を起こすおそれがないこと、などの作用効果が奏される。
発泡性ポリプロピレン粒子を一旦予備発泡させた後、放置して内包ガスを空気に置換した。これをアルミニウム製の金型に充填して4kg/cm2の水蒸気を一気に吹き込むことにより発泡成形し、ついで温度60℃で後加熱を行って、図1,2に示してあるような有底のボックス本体(1)を得た。金型を工夫することにより、ボックス本体(1)の相対向する1対の面の内面側には、ガラス基板支持用の溝(g)が縦方向に形成されるようにした。この発泡体は実質的に独立気泡を有し、発泡体全体の発泡倍率は12倍であったが、内外の表面から1mm深さまでの発泡倍率は4〜5倍であり、両表面にはスキン層が形成されていた。
サポート部材(3)として、実施例1で述べた逆さL字板状に代えて、その下面側にガラス基板支持用の溝(g)を形成した発泡倍率30倍、厚み26mmの水平板(3a)からなるポリエチレン系発泡体(両表面には先に述べた逆さL字板の場合と同様にスキン層が形成)を用いたほかは、実施例1と同様にして、ガラス基板搬送用ボックスを製造した。
Claims (2)
- ポリオレフィン系発泡体製のボックス本体(1)であって、その相対向する内壁に直接に、あるいはその相対向する内壁に挿入する内挿部材(1a)に、ガラス基板支持用の溝(g)が形成された構造を有するボックス本体(1)と、
前記ボックス本体(1)の相対向する溝(g),(g)間に縦挿したガラス基板(G)のボックス本体(1)からの突出部分を保護するサポート部材(3)であって、水平板(3a)からなるかあるいは水平板(3a)の1辺から垂直板(3b)が垂下した逆さL字板からなり、その水平板(3a)の下面側、あるいは逆さL字板の水平板(3a)の下面側および垂直板(3b)の内面側のうち少なくとも水平板(3a)の下面側に、ガラス基板支持用の溝(g)が設けられたサポート部材(3)と、
前記ボックス本体(1)に縦挿したガラス基板(G)のボックス本体(1)からの突出部分にサポート部材(3)を装着した状態で、そのサポート部材(3)を内包するように、前記ボックス本体(1)の上部の開口部側に係合するためのポリオレフィン系発泡体製のボックス状の蓋体(2)と、
前記サポート部材(3)の水平板(3a)の上面側および前記蓋体(2)の天面(2a)の内面側に、相対応するように設けた雌雄の面ファスナ(4),(4)
とから構成されてなることを特徴とするガラス基板搬送用ボックス。 - 前記サポート部材(3)もポリオレフィン系発泡体でできている請求項1記載のガラス基板搬送用ボックス。
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