JP2004066875A - 車両のパーキングブレーキ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】センサに依存することなく電動パーキングブレーキ装置の監視を行うことができる車両のパーキングブレーキ装置を提供する。
【解決手段】パーキングブレーキ装置の回路30は、通常パーキング用回路31と増し引き用回路32とリリース回路33と、マニュアルスイッチ20に関連したリレースイッチ34とを含む。CPU52には、各スイッチを挟むポイントから電圧信号a〜gが入力され、CPU52は、これらの信号の任意の組み合わせと、回路30が正常に動作しているときの信号a〜gの対応する組み合わせとを対比して異なっているなど、通常であれば考えられない状態のときには異常と判定し、発光ダイオード50を点灯する。
【選択図】 図10
【解決手段】パーキングブレーキ装置の回路30は、通常パーキング用回路31と増し引き用回路32とリリース回路33と、マニュアルスイッチ20に関連したリレースイッチ34とを含む。CPU52には、各スイッチを挟むポイントから電圧信号a〜gが入力され、CPU52は、これらの信号の任意の組み合わせと、回路30が正常に動作しているときの信号a〜gの対応する組み合わせとを対比して異なっているなど、通常であれば考えられない状態のときには異常と判定し、発光ダイオード50を点灯する。
【選択図】 図10
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は車両のパーキングブレーキ装置に関し、より詳しくは、電動パーキングブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
実開昭63−189874号、実開昭64−26569号、特開2001―106060号などに見られるように、電動モータを用いてパーキングブレーキを締結するパーキングブレーキ装置が提案されており、また、実用化され始めている。
【0003】
電動パーキングブレーキ装置は、専らモータの作動によりブレーキ締結及び解放を行うことから、適当な締結力及び解放状態を監視することが必要となる。実開昭63−189874号は、モータに供給される電流値によってモータの作動状態を監視することを提案している。
【0004】
また、特開2001−106060号は、モータに供給される電流値とモータの回転角度によってブレーキ締結力を監視することを提案している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
電動パーキングブレーキ装置は、モータ及びこれに関連した回路を含み、スイッチの切り替えによってモータの作動開始及び作動停止が制御されることから、特開2001−106060号公報に見られるように、各種のセンサを配置してシステム全体の監視を行うのが一般的である。
【0006】
本発明の目的は、センサに依存することなく電動パーキングブレーキ装置の監視を行うことができる車両のパーキングブレーキ装置を提供することにある。
【0007】
本発明の別の目的は、センサに依存することなく、ブレーキ締結の適否を監視することができる車両のパーキングブレーキ装置を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、回路に含まれるスイッチやモータなどの要素の故障や不適当な動作を監視することのできる車両のパーキングブレーキ装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる技術的課題は、本発明によれば、
パーキングブレーキを第1の締結力で締結する駐車モードと、該第1の締結力よりも大きな第2の締結力で締結する増し引きモードと、パーキングブレーキを解放するリリースモードとを選択するためのマニュアルスイッチをドライバーが操作することにより、モータの作動によりパーキングブレーキを第1又は第2の締結力で締結する、又はパーキングブレーキを解放する車両のパーキングブレーキ装置であって、
前記マニュアルスイッチによって切り替え可能な通常パーキング用回路、増し引き用回路、リリース回路と、
前記パーキングブレーキ装置の異常を判定する異常判定手段とを含み、
前記通常パーキング用回路には、ドライバーが前記マニュアルスイッチを操作して前記駐車モードを選択したときに、前記モータへの給電を開始して、前記パーキングブレーキが締結する方向に前記モータが回転し、前記パーキングブレーキが前記第1の締結力を発揮した状態になったときに前記モータへの給電を停止するための通常パーキング検出スイッチが設けられ、
前記増し引き用回路には、ドライバーが前記マニュアルスイッチを操作して前記増し引きモードを選択したときに、前記モータへの給電を開始して、前記パーキングブレーキが締結する方向に前記モータが回転し、前記パーキングブレーキが前記第2の締結力を発揮した状態になったときに前記モータへの給電を停止するためのパーキング限界検出スイッチが設けられ、
前記リリース回路には、ドライバーが前記マニュアルスイッチを操作して前記リリースモードを選択したときに、前記モータへの給電を開始して、前記パーキングブレーキが解放する方向に前記モータが回転し、前記パーキングブレーキが解放した状態になったときに前記モータへの給電を停止するためのリリース検出スイッチが設けられ、
前記異常判定手段には、前記通常検出スイッチを挟む2つのポイントから電圧信号が入力され、また、前記パーキング限界検出スイッチを挟む2つのポイントから電圧信号が入力され、また、前記リリース検出スイッチを挟む2つのポイントから電圧信号が入力され、
前記異常判定手段は、該異常判定手段に入力された前記電圧信号の組み合わせが、前記マニュアルスイッチの各モードで正常に動作したときの前記電圧信号の組み合わせと同じであっても一定時間以上継続したとき、又は、前記マニュアルスイッチの各モードで正常に動作したときの前記電圧信号の組み合わせと異なるときに、異常と判定することを特徴とする車両のパーキングブレーキ装置を提供することにより達成される。
【0010】
本発明によるパーキングブレーキ装置によれば、センサに依存することなく、駐車モードなどの各モード及びモード切り替えに伴う各スイッチを挟むポイントの電圧信号の組み合わせと、正常に動作しているときの組み合わせとを対比することによりパーキングブレーキ装置の異常発生の監視を行うことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施の形態では、前記パーキング限界検出スイッチが前記通常パーキング用回路の一部を構成し、該通常パーキング用回路で、前記パーキング限界検出スイッチと前記通常パーキング検出スイッチとが直列に接続される。これにより、通常パーキング検出スイッチに不具合が発生したときのバックアップ用スイッチとしてパーキングブレーキ限界検出スイッチを使用することができる。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態では、モータを挟む2つのポイントから電圧信号が更に入力され、モータを挟む2つのポイントの電圧信号を更に含めて、異常判定手段が異常判定することが好ましい。これによれば、モータの動作の適否を含めて監視することができる。
【0013】
また、異常判定手段に入力される電圧信号の組み合わせが正常であったとしても、例えば、駐車モードで、モータがいつまでも回転し続けることは、パーキングブレーキ装としては異常である。したがって、異常判定手段に入力された電圧信号の組み合わせが、マニュアルスイッチの各モードでモータの回転動作が一定時間以上継続している組み合わせ状態にあるときに、前記異常判定手段が異常判定するのが好ましい。
【0014】
本発明の上記目的及び他の目的並びに作用効果は、以下の本発明の好ましい実施例の詳しい説明から明らかになろう。
【0015】
【実施例】
添付の図面を参照して本発明の好ましい実施例を以下に詳しく説明する。
【0016】
図1〜図4は、電動パーキングブレーキシステムの機械的な構成の要部を示す。電動パーキングブレーキシステム1は、後に詳しく説明するように、通常の力でブレーキを締結する通常パーキングモードと、例えば急な坂道に駐車する場合に、増大した力でブレーキを締結する増引きモードとを有する。
【0017】
パーキングブレーキシステム1は、アクチュエータとしての電動モータ2を有し、モータ2の出力は、歯車列3を介して出力軸3aから出力される。出力軸3aにはベアリング4を介して回転円板5が回転自在に取り付けられている。また、出力軸3aにはアーム6の一端が固定され、アーム6は、回転円板5の外面に沿って出力軸3aから半径外方に延びている。
【0018】
回転円板5の外周部分にはピン7が固設され、このピン7に一端が固定されたケーブル8を介して、図外のパーキングブレーキが連結されている。このパーキングブレーキは、図面を参照して、ケーブル8が右方向に引っ張られるとブレーキ締結状態になり、ケーブル8が左方向に移動するとブレーキ解放状態になる。すなわち、回転円板5が図3において時計方向に回転するとブレーキが締結され、これとは逆方向、つまり反時計方向に回転するとブレーキが解放される。
【0019】
アーム6と回転円板5との間には引っ張りバネ9が介装され、このバネ9によって、アーム6は反時計方向(ブレーキを解放する方向)に付勢されている。すなわち、バネ9は、その一端がアーム6の先端部に固定され、他端が回転円板5に固定されており、この回転円板5に固定されている位置は、アーム6よりもブレーキ解放側である。引っ張りバネ9に置換して圧縮バネを設けるのであれば、この圧縮バネをアーム6よりもブレーキ締結側に配置すればよい。
【0020】
回転円板5の外周部分には、アーム6の先端部分を挟んで反時計方向の側に第1の位置検出スイッチ10が配設され、時計方向の側に第2の位置検出スイッチ11が配設されており、これら第1、第2の位置検出スイッチ10、11は共に回転円板5に固設されている。後の説明から明らかになるように、第1の位置検出スイッチ10は、通常のパーキングブレーキ力を発生する状態を検出するものであり、以下の説明では通常パーキング検出スイッチという。第2の位置検出スイッチ11は、最大パーキングブレーキ力を発生する状態を検出するものであり、以下の説明ではパーキング限界検出スイッチという。
【0021】
通常パーキング検出スイッチ10は作動子10aを有し、この作動子10aはアーム6に臨むようにして配置されている。同様に、パーキング限界検出スイッチ11の作動子11aはアーム6に臨むようにして配置されている。すなわち、両作動子10a、11aは、アームを挟んで、アーム6の揺動域内で互いに間隔を隔てて配置されている。
【0022】
作動子10a、11aは、共に、スイッチ本体から突出する方向にバネ付勢されている。通常パーキング検出スイッチ10は、作動子10aがバネ力に抗してスイッチ本体の中に押し込まれるとON状態になる。パーキング限界検出スイッチ11は、作動子10aがバネ力に抗してスイッチ本体の中に押し込まれるとOFF状態になる。
【0023】
回転円板5は全体として円形の外周輪郭を有するが、その一部が外方に隆起したカム部分13を有する。
【0024】
車体(図示せず)には、回転円板5のカム部分13に隣接して第3の位置検出スイッチ15が設けられ、この第3の位置検出スイッチ15の作動子15aの先端が、カムフェース13aに当接されている。第3の位置検出スイッチ15においても、作動子15aはスイッチ本体から突出する方向にバネ付勢されており、作動子15aがバネ力に抗してスイッチ本体の中に押し込まれるとOFF状態になる。この第3の位置検出スイッチ15は、後の説明から明らかになるように、パーキングブレーキが解放(リリース)する状態を検出するものであり、以下の説明ではリリース検出スイッチという。
【0025】
第1〜第3の位置検出スイッチ10、11、15のON、OFFと各作動子10a、11a、15aの動作との関係の一覧は次のとおりである。
【0026】
【0027】
電動パーキングブレーキシステム1は、図5に例示するように、ドライバーが操作するマニュアルスイッチ20を含み、マニュアルスイッチ20を操作することにより、ブレーキを解放するリリースモードと、通常パーキングモードと、増引きモードとに択一的に切り替えることができる。マニュアルスイッチ20の形式及びその配置位置は任意であり、特に制限されるものではないが、図示の例を説明すれば、マニュアルスイッチ20は、インストルメントパネル21の中央部分に配置されている(図6)。
【0028】
図示のマニュアルスイッチ20は、例えばプッシュ式のスイッチであってもよいが、ここでは、3つの位置をとることができるスライドスイッチで構成され、スライドスイッチは操作ノブ22を備えている。すなわち、図5を参照して説明すると、マニュアルスイッチ20は、第1位置である解放位置P1(ブレーキ解放SW:ON)と、次に、第2位置である駐車位置P2(駐車SW:ON)と、次に、第3位置である増引き位置P3(増引きSW:ON)とを有し、これらの位置P1〜P3は直線状に配置され、ユーザが操作ノブ22をスライド動作させることにより、操作ノブ22を第1〜第3の各位置にセットすることができる。
【0029】
変形例として、操作ノブ22を付勢するバネ(図示せず)を設けることにより、ドライバが駐車位置P2から増引き位置P3まで操作ノブ22をスライドさせると増引きSWがONになり、次いで、操作ノブ22から手を離すと、バネ力によって操作ノブ22が駐車位置P2に復帰するようにしてもよい(図7)。また、その際、増引きモードにする場合は、操作ノブ22が増引き位置P3に位置している間だけブレーキ締結力が増大するように構成するのがよく、これによりドライバが増引きモードのブレーキ締結力を任意に調整することができる。
【0030】
図8は、電動パーキングブレーキシステム1に含まれる回路30を示す。回路30は、第1回路つまり通常パーキング用回路31と、第2回路つまり増引き用回路32と、第3回路つまりブレーキ解放用回路33と、マニュアルスイッチ20に関連したリレースイッチ34とを含み、これら第1〜第3の回路31〜33は、マニュアルスイッチ20及びリレースイッチ34の切り替え操作によって択一的に選択される。
【0031】
図9をも参照して、通常パーキング用回路31は、バッテリーBと電動モータ2の第1端子とを接続する結線35を有し、この結線35には、バッテリーB側から順に、パーキング限界検出スイッチ11、通常パーキング検出スイッチ10、マニュアルスイッチ20の駐車位置(駐車SW)の接点P2が直列に接続されている。第1回路31は、また、電動モータ2の他の端子とアースGndとを接続する結線36を有し、この結線36には、モータ2側から順に、保護抵抗R1、リレースイッチ34の接点P2が直列に接続されている。
【0032】
すなわち、通常パーキング用回路31は、パーキング限界検出スイッチ11と通常パーキング検出スイッチ10とが直列に配置されており、例えば、通常パーキング回路31に異常が発生して、通常パーキングモードで作動させているにもかかわらず、第1の締結力でモータ2の動作を停止できないような状況になったときでも、第1の締結力よりも大きな第2の締結力になれば、パーキング限界検出スイッチ11によりモータへの給電を停止させることができる。
【0033】
図10をも参照して、増引き用回路32は、通常パーキング用回路31の一部を共用することにより構成されている。すなわち、通常パーキング用回路31における結線35のパーキング限界検出スイッチ11と通常パーキング検出スイッチ10との間と、マニュアルスイッチ20と、を連絡する結線37を有し、この結線37の他端はマニュアルスイッチ20の増引き位置(増引きSW)の接点P3に接続されている。また、リレースイッチ34の接点P3は結線38によって接地されている。
【0034】
図11をも参照して、ブレーキ解放回路33は、イグニッション(Ig)SWとリレースイッチ34の接点P1とを連絡する結線38を含み、この結線38にはリリース検出スイッチ15が介装されている。また、第3回路33に含まれるマニュアルスイッチ20の解放位置(ブレーキ解放SW)の接点P1は結線39によって接地されている。
【0035】
なお、図8に見られる、モータ2と並列関係にある抵抗R2及びコンデンサCは、モータ2の回転停止する際に発生する起電力を吸収するための保護素子である。
【0036】
電動パーキングブレーキシステム1の回路30は警報システム50及び表示システム51(図8)に連係され、警報システム50によって異常発生をドライバに知らせるようになっている。すなわち、警報システム50及び表示システム51はCPU52を含み、CPU52にはパーキングブレーキシステム回路30から次の信号がインターフェース53を介して入力される。
【0037】
(a)信号a:イグニッション(Ig)SWとリリース検出スイッチ15との間の電圧Va;
(b)信号b:リリース検出検出スイッチ15とリレースイッチ34の接点P1との間の電圧Vb;
(c)信号c:モータ2とリレースイッチ34との間の電圧Vc;
(d)信号d:マニュアルスイッチ20とモータ2との間の電圧Vd;
(e)信号e:通常パーキング検出スイッチ10とマニュアルスイッチ20の接点P2との間の電圧Ve;
(f)信号f:パーキング限界検出スイッチ11と通常パーキング検出スイッチ10との間の電圧Vf;
(g)信号g:バッテリーBとパーキング限界検出スイッチ11との間の電圧Vg;
【0038】
CPU52からは、警報手段50としての第1発光ダイオードに制御信号が出力され、表示手段51として第2発光ダイオードに制御信号が出力される。
【0039】
次に、上記電動パーキングブレーキシステム1の動作を、マニュアルスイッチ20の操作に関連して▲1▼ブレーキ解放(リリース)、▲2▼通常パーキングブレーキ締結、▲3▼最大パーキングブレーキ締結(増引き)に分けて説明する。
【0040】
ブレーキ解放(リリース)
マニュアルスイッチ20の操作ノブ22がリリース位置P1にセットされて実際にパーキングブレーキが解放された後の状態つまりリリース後の状態は、図12をも参照して、次のとおりである。
【0041】
(1)マニュアルスイッチ20の端子P1がON状態にある。
(2)アーム6がバネ9によって相対的に通常パーキング検出スイッチ10側に引き寄せされた状態にあり、この結果、通常パーキング検出スイッチ10はON状態にある。
(3)パーキング限界検出スイッチ11はアーム6が係合していないため、作動子11aが伸長した状態あり、したがってON状態にある。
(4)第3の位置検出スイッチ12は、回転円板5のカム部分13によって、その作動子15aがスイッチ本体の中に押し込まれた状態にあり、これにより、リリース検出スイッチ15はOFF状態にある。
【0042】
通常パーキングモード
ドライバーがマニュアルスイッチ20の操作ノブ22を動かして駐車位置P2にセットすると、次の動作を行う。
【0043】
通常パーキング検出スイッチ10がON、パーキング限界検出スイッチ11がON、リリース検出スイッチ15がOFFの状態で、マニュアルスイッチ20の端子P2がON状態になる。
【0044】
したがって、マニュアルスイッチ20の駐車端子P2がONされることにより、第1回路31(図9)が通電状態となってモータ2への給電が開始され、これによりモータ2がケーブル8を引っ張る方向(図示の例では時計方向)に回転し、パーキングブレーキを締結する動作が始まる。
【0045】
次いで、モータ2が所定の回転角度まで回転するまでの間は、バネ9の力によって、アーム6と一緒に回転円板5が供回りする。しがたって、モータ2の回転開始に伴う回転円板5の回転により、カム部分13がリリース検出スイッチ15から離れ、これにより、リリース検出スイッチ15はON状態に変化する。
【0046】
モータ2の回転角度が所定値以上になると、ケーブル8に働く張力により、バネ9が回転円板5を介して引っ張られてバネ9が伸長し、これにより回転円板5とアーム6との供回りが解放され、アーム6が回転円板5に対して相対的に時計方向に回転し始め、これにより、アーム6は通常パーキング検出スイッチ10から離れ、パーキング限界検出スイッチ11に向けて回転し始める。
【0047】
アーム6が通常パーキング検出スイッチ10から離れると、この通常パーキング検出スイッチ10はOFF状態に変化して、モータ2への給電を停止する(図12)。これにより、パーキングブレーキシステム1は、通常のパーキングブレーキ力を発生した状態でモータ2が回転停止する。
【0048】
通常パーキングブレーキの状態で、ドライバが操作ノブ21をスライドさせて、ブレーキ締結力解放つまりリリース位置に戻すと、リリース検出スイッチ15がON状態のまま、マニュアルスイッチ20の端子P1がON状態に変化するため、リリース用回路33(図11)が通電状態になり、モータ2がケーブル8を戻す方向(図示の例では反時計方向)に回転する(ブレーキ解放)。
【0049】
増引きモード
ドライバーがマニュアルスイッチ20の操作ノブ22を増引き位置P3にセットすると、このマニュアルスイッチ20の端子P3(増引きSW)がON状態になり、増引き位置P3から離れると、端子P3(増引きSW)がOFF状態になる。
【0050】
したがって、マニュアルスイッチ20の端子P3がONされることにより、増引き用回路32(図10)が通電状態となり、モータ2への給電が開始され、ケーブル8を引っ張る方向(図示の例では時計方向)に回転する。
【0051】
モータ2の回転は、先の通常パーキングの状態を超えて更に回転を継続し、この回転動作に伴ってバネ9が更に伸長し、これにより、アーム6は、回転円板5との供回りが解放された状態で独立して時計方向に回転する。
【0052】
端子P3のON状態が継続されてアーム6はパーキング限界検出スイッチ11に当接するまで回転すると、パーキング限界検出スイッチ11の作動子11aが押し込まれ、このパーキング限界検出スイッチ11はOFF状態に変化し、モータ2への給電が停止する(図12)。これにより、パーキングブレーキは、最大パーキングブレーキ力を発生した状態でモータ2の回転動作が停止する。
【0053】
なお、この最大パーキングブレーキの状態で、ドライバが操作ノブ21をスライドさせて、ブレーキ締結力解放つまりリリース位置にセットすると、リリース検出スイッチ15がONの状態で、マニュアルスイッチ20の端子P1がON状態に変化するため、第3回路33が通電状態になり、モータ2がケーブル8を戻す方向(図示の例では反時計方向)に回転する。
【0054】
また、例えば、通常パーキングモードで作動させているにも関わらず、通常パーキング検出スイッチ10が固着して、通常のパーキングブレーキ力(第1の締結力)でモータ2の動作を停止できないような状況になった場合は、アーム6がパーキング限界検出スイッチ11に当接するまで回転し、パーキング限界検出スイッチ11をOFF状態に変化させる。このとき、通常パーキング用回路31において、パーキング限界検出スイッチ11と通常パーキング検出スイッチ10とが直列に配置されているため、通常パーキング検出スイッチ10によりモータ2への給電を停止させることができない場合であっても、パーキング限界検出スイッチ11がバックアップとして機能して、このパーキング限界検出スイッチ11によってモータ2への給電を停止させることができる。
【0055】
上述した、通常のパーキングブレーキの締結動作及び増引き動作が正常に行われると、CPUから表示手段51に点灯信号が出力され、これにより表示手段51(発光ダイオード)が点灯され、パーキングブレーキが締結状態にあることをドライバーに視覚的に知らせる。
【0056】
ブレーキ解放(リリース)のための電源は、イグニッションSWを経由してモータ2に供給されるため、イグニッションSWがON状態(エンジン始動又はエンジン運転中)であることを条件にパーキングブレーキ解放の動作が行われることになり、エンジン停止中に不用意にパーキングブレーキが解放されることを防止することができる。
【0057】
パーキングブレーキシステム1に関し、上述した3段階に切り替え可能なマニュアルスイッチ20を操作することによる動作手順を図13を参照して以下に説明する。なお、下記の動作手順は、パーキングブレーキシステム1に図外のCPUを付加した例である。
【0058】
ドライバーが操作ノブ22をスライドさせてブレーキ解放位置P1にセット(リリースSW:ON)すると、ステップS1でYESと判定されて、ステップS2に進み、モータ2がパーキングブレーキを解放する方向(ケーブル8を戻す方向)に回転動作する。これに伴い、通常パーキング検出スイッチ10にアーム6が当接した状態が維持又は当接した状態に変化して、この通常パーキング検出スイッチ10がON状態になる(ステップS3)。次いで、ステップS4で、リリース検出スイッチ15がOFF状態であるか否かを判定する。ブレーキ締結状態からリリースされた初期には、リリース検出スイッチ15の作動子15aが伸長した状態にあることからリリース検出スイッチ15はON状態にある。したがって、ステップS5でNOと判定されて、ステップS1に戻り、モータ2は回転し続けて、ブレーキのリリース動作が継続される。
【0059】
リリース動作が終期になると、回転円板5のカムフェース13aがリリース検出スイッチ15の作動子15aをスイッチ本体の中に押し込み、これにより、リリース検出スイッチ15はOFFに変化し、これにより、ステップS5に進んで、モータ2の回転が停止される。これにより、パーキングブレーキの解放が完了する。
【0060】
次に、ドライバーがマニュアルスイッチ20を操作して、駐車位置P2(駐車SW:ON)にセットすると、ステップS1からステップS6を経てステップS7に進み、モータ2がパーキングブレーキを締結する方向(ケーブル8を引っ張る方向)に回転動作する。このモータ2の回転動作に伴い、回転円板5がアーム6と一緒に供回りすることから、リリース検出スイッチ15はON状態に変化する(ステップS8)。アーム6は、当初は、通常パーキング検出スイッチ10と当接した状態にあり、この通常パーキング検出スイッチ10はON状態にある。
【0061】
この通常パーキング検出スイッチ10のON/OFF状態はステップS9で判定され、通常パーキング検出スイッチ10がON状態にあるときには、ステップS1、S6、S7に戻って、モータ2の回転動作が継続される。パーキングブレーキが通常のブレーキ力で締結される状態になると、バネ9が伸長して回転円板5とアーム6との供回りが解除され、アーム6が通常パーキング検出スイッチ10から離れる。これにより、通常パーキング検出スイッチ10はOFF状態に変化する。これにより、ステップS9でYES(通常パーキングブレーキ検出スイッチ:OFF)と判定されて、ステップS10に進み、モータ2の回転が停止される。これにより、パーキングブレーキの締結が完了する(通常パーキングブレーキ状態)。
【0062】
ドライバーがマニュアルスイッチ20を操作して、増引き位置P3(増引きSW:ON)にセットすると、ステップS1、ステップS6を経てステップS11に進み、このステップS11でYESと判定されて、ステップS12に進み、モータ2がパーキングブレーキを更に強力に締結する方向(ケーブル8を更に引っ張る方向)に回転動作する。
【0063】
このモータ2の回転動作に伴い、アーム6は、通常パーキング検出スイッチ10から離れてパーキング限界検出スイッチ11に向けて回転する。アーム6がパーキング限界検出スイッチ11と当接するまでは、通常パーキング検出スイッチ10はOFF状態にあり、また、パーキング限界検出スイッチ11はON状態にある。パーキング限界検出スイッチ11の状態はステップS13で判定され、当初は、パーキング限界検出スイッチ11がON状態にあることから、NOと判定されて、ステップS1、S6、S11を経てステップS12でモータ2の回転が継続される。
【0064】
アーム6がパーキング限界検出スイッチ11に当接すると、このパーキング限界検出スイッチ11がOFF状態に変化し、この状態変化は、ステップS13によって判定されて、ステップS14に進み、モータ2の回転が停止される。これにより、パーキングブレーキの増引きが完了する(最大パーキングブレーキ状態)。
【0065】
次に、ドライバーが操作ノブ22をスライドさせてブレーキ解放位置P1にセット(リリースSW:ON)すると、ステップS15からステップS16に進み、モータ2がパーキングブレーキを解放する方向(ケーブル8を戻す方向)に回転動作する。これに伴い、パーキング限界検出スイッチ11からアーム6が離れることから、このパーキング限界検出スイッチ11がON状態に変化し(ステップS17)、最終的には、リリース検出スイッチ15がOFFとなることでモータの動作が停止する(ステップS18)。なお、ステップS14の後に、リリースSWのON/OFFを監視するステップS15を設けたことにより、最大パーキングブレーキ状態になった後は、パーキングブレーキの解放操作だけを行うことができるように構成されている。
【0066】
パーキングブレーキの動作の変形例(図14)
パーキングブレーキシステム1に関し、マニュアルスイッチ20として、図7を用いて先に説明した、ドライバが第2位置から第3位置まで操作ノブ22をスライドさせると増引きSWがONになり、次いで、操作ノブ22から手を離すと、バネ力によって操作ノブ22が第2位置に復帰する形式のスイッチや、解放位置と駐車位置の2段階のスイッチを用意し、これに加えて例えばプッシュ式のボタンスイッチを用意して、このボタンスイッチをプッシュしてONさせることにより、最大パーキングブレーキ力が得られるまでケーブル8を増引きする動作手順を図14を参照して以下に説明する。
【0067】
先ずステップS20で、例えばフラグのリセットなどの初期設定を行った後、ステップS21で、増引きフラグがセット状態にあるか否かの判定を行う。なお、この増引きフラグの技術的意味は後の説明から明らかになろう。
【0068】
次のステップS22〜S31の動作は、上述したステップS1〜S10と同じであり、ステップS22〜S31は、夫々、ステップS1〜S10に相当するので、その説明を省略する。
【0069】
ドライバーが増引き用のボタンスイッチをプッシュすると、ステップS32からステップS33に進んで、ボタンスイッチのON動作が行われた(YES)として、モータ2がブレーキを更に強力に締結する方向(ケーブル8を増引きする方向)に回転動作する。次いで、ステップS34で、増引きフラグをセットする。
【0070】
モータ2の回転動作の開始に伴い、アーム6は、第1位置(通常パーキングブレーキ)検出スイッチ10から離れて第2位置(増引きパーキングブレーキ)検出スイッチ11に向けて回転する。アーム6がパーキング限界検出スイッチ11と当接するまでは、通常パーキング検出スイッチ10はOFF状態にあり、また、パーキング限界検出スイッチ11はON状態にある。
【0071】
パーキング限界検出スイッチ11の状態はステップS35で判定され、当初は、パーキング限界検出スイッチ11がON状態にあることから、NOと判定されて、ステップS21に戻る。いま、増引きフラグはセットされた状態にあることから、このステップS21でYESと判定されて、ステップS35、S21のループを描いて、モータ2の回転動作(ブレーキの増引き)が継続される。
【0072】
モータ2の回転によりアーム6がパーキング限界検出スイッチ11に当接すると、このパーキング限界検出スイッチ11がOFF状態に変化し、この状態変化はステップS35によって判定されて、ステップS36に進み、モータ2の回転が停止される。これにより、パーキングブレーキの増引きが完了する(最大パーキングブレーキ状態)。
【0073】
次に、ドライバーが操作ノブ22をスライドさせてブレーキ解放位置P1にセットすると(リリースSW:ON)、ステップS37からステップS38に進み、モータ2がパーキングブレーキを解放する方向(ケーブル8を戻す方向)に回転動作する。次いで、ステップS39で増引きフラグをリセットする。モータ2の回転動作により、パーキング限界検出スイッチ11からアーム6が離れることから、このパーキング限界検出スイッチ11がON状態に変化し(ステップS40)、最終的には、リリース検出スイッチ15がOFFとなることでモータの動作が停止する(ステップS41)。
【0074】
パーキングブレーキの動作の他の変形例(図15、図16)
パーキングブレーキシステム1に関し、マニュアルスイッチ20として、図7を用いて先に説明した、ドライバが第2位置から第3位置まで操作ノブ22をスライドさせて、操作ノブ22が第3位置(増引き位置)に位置している間だけブレーキ締結力を増大させる形式の機構を採用した場合の動作手順を図15、図16を参照して以下に説明する。
【0075】
なお、以下に説明する動作手順は、ドライバが操作ノブ22を駐車位置P2にセットして、通常のブレーキ力で締結状態になった後に、ドライバが更に強いブレーキ力が必要であると判断して、操作ノブ22を増引き位置(第3位置)までスライドさせる使用態様を前提としたものである。仮に、ドライバが操作ノブ22を最初から第3位置(増引き位置)までスライドさせるような使用態様まで含めて動作手順を考えるのであれば、これに見合った動作手順に変形すればよいことは勿論である。
【0076】
図15において、ステップS50〜S56の動作は、上述したステップS20〜S26(図14)と実質的に同じであり、ステップS50〜S56は、夫々、ステップS20〜S26に相当するのであり、その説明を省略するが、ステップS50での初期化ステップ及び、ステップS56の次のステップS57では、作動フラグのリセットが行われる。この作動フラグの技術的意味は後の説明から明らかになろう。
【0077】
ステップS58〜ステップS62は、ドライバが操作ノブ22を操作して駐車位置P2にセットしたときの動作手順であり、この動作手順は、前述したステップS27〜S31(図14)と実質的に同じであり、ステップS58〜S62は、夫々、ステップS27〜S31に相当する。この駐車モードでの動作が完了して、通常のブレーキ力で締結状態になると、ステップS63で作動フラグがセットされる。
【0078】
例えば、坂道で強力なブレーキ締結力が必要であるとして、ドライバが操作ノブ22をスライドさせて増引き位置P3にセットすると、ステップS58からステップS64に移行して、作動フラグがセット状態にあるか否かの判定を行う。既にステップS63で作動フラグがセットされていることから、ステップS64でYESと判断されて、ステップS65に進んで、増引きスイッチがON状態にあるか否かの判定を行う。いま、操作ノブ22が増引き位置P3にセットされたときであるから、YESと判定されて、スイッチのステップS66に進み、モータ2がブレーキを更に強力に締結する方向(ケーブル8を増引きする方向)に回転動作し、この回転動作の開始と共に次のステップS67で増引きフラグをセットする。
【0079】
次のステップS68では、パーキング限界検出スイッチ11がOFF状態にあるか否かの判定が行われる。モータ2の回転動作が開始されると、アーム6は、第1位置(通常パーキングブレーキ)検出スイッチ10から離れて第2位置(パーキング限界検出)検出スイッチ11に向けて回転する。したがって、モータ2の回転動作の初期段階では、アーム6がパーキング限界検出スイッチ11と当接しておらず、上述したように、この状態では、パーキング限界検出スイッチ11がON状態にあることから、ステップS68でNOと判定されて、ステップS51からステップS69に進む。
【0080】
もし、この段階で、ドライバが操作ノブ22を増引き位置P3から駐車位置P2に戻していれば、ステップS69でNOと判定されて、ステップS70でモータ2の作動が停止される。これにより、操作ノブ22が増引き位置P3にセットされている時間に応じて増大された締結力が生成される。
【0081】
上記ステップS70でモータ2の回転を停止した後、ステップS71及びS72で、ドライバが操作ノブ22を、再度、増引き位置P3にセットするか否かを監視し続け、もし、操作ノブ22が、再度、増引き位置P3にセットされると、ステップS73に進んで、モータ2がブレーキを更に強力に締結する方向(ケーブル8を増引きする方向)に回転動作し、これにより、ブレーキ締結力の追加が行われる。
【0082】
このブレーキ締結力の追加の結果、アーム6がパーキング限界検出スイッチ11に当接して、このパーキング限界検出スイッチ11がOFFに変化すると、ステップS68でYESと判定されてステップS74に進んで、モータ2の増引き回転が停止される。
【0083】
上記ステップS71、S72でドライバが操作ノブ22を再度増引き位置P3にセットするか否かを監視している最中に、ドライバが操作ノブ22をリリース位置P1に戻すと、リリーススイッチがONに変化したとして、ステップS76に進み、モータ2がブレーキを解放する方向に回転する。次いで、ステップS77で増引きフラグをリセットし、また、ステップS78で作動フラグをリセットする。
【0084】
モータ2の回転に伴い、リリース検出スイッチ15がカム面13aによってON状態からOFF状態に変化して(ステップS79)、ブレーキの解放が完了すると、ステップS80に進んで、モータ2の作動が停止される。
【0085】
図17は、パーキングブレーキシステム1の警報システム50の制御を説明するためのフローチャートを示す。
【0086】
ステップS40で、CPU52に入力される信号a〜gによって、異常発生が検出されると、ステップS41に進んで、警報手段(発光ダイオード)50が点灯される。また、次のステップS42で、図外のメモリに故障の履歴が記憶される。
【0087】
異常の発生は、パーキングブレーキシステム1が正常に動作したときの信号a〜gの状態の組合せを基準として、これとは異なる状態が検出されたときに、パーキングブレーキシステム1が異常(故障)であると判定される。
【0088】
例えば、図5に例示した、リリース位置、駐車位置、増引き位置の3段階のポジションを有するマニュアルスイッチ20を組み込んだシステム1における信号a〜gの組合せは図18及び図19に列挙した通りである。また、図15、図16を参照して説明した、ドライバが操作ノブ22を増引き位置にセットしている時間に応じてブレーキ締結力を増大させるシステム1における信号a〜gの組み合わせは図20に列挙した通りである。
【0089】
ここに、図18、図20は、イグニッションSWがOFF状態のときの組み合わせであり、図19は、イグニッションSWがON状態のときの組み合わせである。ここに、「リリース→Park移動」の欄は、ブレーキ解放状態から通常パーキングブレーキ状態への操作中を意味し、「Park→増引き移動」の欄は、通常パーキングブレーキ状態から増引きブレーキ状態への操作中を意味する。
【0090】
例えば、信号aが12V、bが12V、cがOpen、dがGnd、eが12V、fが12V、gが12Vとなる組み合わせは、正常状態ではあり得ない組み合わせであることから、「異常」と判定される。また、信号a〜gの中から特定の一対の信号の組み合わせを判断することにより、異常部位を検出することも可能である。例えば、信号cとdが共に12Vであると検出されれば、モータ2が異常であると判定することができる。なお、図18、図19などに見られる「Open」の文字は、いずれかのスイッチが解放状態にあるため、12VとGndの中間の電位が検出されたことを示す。このような正常状態での組み合わせを基準にして、これとは異なる組み合わせ状態が発生したときに「異常」と判定することにより、パーキングブレーキ装置の異常状態を別途センサを用意することなく検出することができる。
【0091】
これに加えて、モータ2がブレーキ解放方向又はブレーキ締結方向に回転動作を開始し、通常であれば、この回転動作は一定時間で完了してモータ2の回転動作が停止される。したがって、回転動作の一定時間を超えて継続されるということは通常では考えられないことから、「異常」と判定される。なお、図18〜図20に付記した「但し、一定時間」はこのことを意味している。また、ドライバがスイッチを操作する時間が一定時間を超えて継続されるということも通常では考えれないことから、これを「異常」と判定してもよい。
【0092】
電圧信号a〜gの各々の状態で異常を判定することに関して例示すれば、
(1)信号aが、イグニッションONであるにもかかわらず、12Vにならない場合;
(2)信号aが、イグニッションOFFであるにもかかわらず、12Vである場合;
(3)信号aがGndである場合;
(4)信号bがGndである場合;
(5)信号dがGndである場合;
(6)信号fがGndである場合;
(7)信号gがGnd又はOpenである場合などであれば、回路30で短絡などの問題が発生している可能性を含むことから、システム1が異常であると判定することができる。
【0093】
電圧信号a〜gの任意の組み合わせで異常を判定することに関して例示すれば、
(1)信号bと信号cが共にGndであるというように、図18〜図20に示す組み合わせ以外の組み合わせの場合;
(2)信号cと信号dが共にOpenである時間が一定時間以上継続する場合、つまり、マニュアルスイッチ操作が一定時間以上継続する場合;
(3)モータ2を挟む信号cと信号dが共にGndであるというように、図18〜図20に示す組み合わせ以外の組み合わせの場合;
(4)信号cがOpenで、信号dが12Vである時間が一定時間以上継続する場合;
(5)3以上の信号の組み合わせで正常のときであればあり得ない組み合わせの場合などであれば、スイッチ類やモータの動作不良や短絡などの可能性を含むことから、システム1が異常であると判定することができる。
【0094】
また、検出スイッチ10、11、15の動作は、次の電圧信号の組み合わせで異常を判定することができる。
(1)信号aと信号bの組み合わせでリリース検出スイッチ15の動作異常を判定できる。
(2)信号fと信号gの組み合わせでパーキング限界検出スイッチ11の動作異常を判定できる。
(3)信号eと信号fの組み合わせで通常パーキング検出スイッチ10の動作異常を判定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のパーキングブレーキ装置の要部の概略を示す斜視図である。
【図2】図1のパーキングブレーキ装置の要部を反対側から見た斜視図である。
【図3】実施例のパーキングブレーキ装置の要部の概略を示す正面図である。
【図4】一部断面した、図3に対応した側面図である。
【図5】実施例のパーキングブレーキ装置の一部を構成するマニュアルスイッチの概略図である。
【図6】マニュアルスイッチの配置位置の一例を説明するためのインストルメントパネルの正面図である。
【図7】実施例のパーキングブレーキ装置の一部を構成するマニュアルスイッチの他の例を説明するための図である。
【図8】実施例のパーキングブレーキ装置の一部を構成する回路の構成を示す図である。
【図9】マニュアルスイッチを駐車位置にセットしたときにモータの動作に関連した回路の構成を説明するための図である。
【図10】マニュアルスイッチを増引き位置にセットしたときにモータの動作に関連した回路の構成を説明するための図である。
【図11】マニュアルスイッチをリリース位置にセットしたときにモータの動作に関連した回路の構成を説明するための図である。
【図12】実施例のパーキングブレーキ装置のモータの回転停止に関連したスイッチの動作を説明するための図である。
【図13】マニュアルスイッチがリリース位置と駐車位置と増引き位置とを取り得るスイッチの場合に、ドライバーが各位置にセットしたときの動作の手順を説明するためのフローチャートである。
【図14】マニュアルスイッチがリリース位置と駐車位置とを取り得るスイッチと、これに加えて、マニュアルの増引きスイッチとを用意した場合に、ドライバーがマニュアルスイッチを操作することに伴う動作の手順を説明するためのフローチャートである。
【図15】ドライバが増引きスイッチをONしている時間に応じて、追加のブレーキ締結力を実現する動作の手順を説明するためのフローチャートである。
【図16】ドライバが増引きスイッチをONしている時間に応じて、追加のブレーキ締結力を実現する動作の手順を説明するための、図15に関連したフローチャートである。
【図17】実施例のパーキングブレーキ装置の異常検出及びこれに伴う警報などの動作を説明するためのフローチャートである。
【図18】リリース位置、駐車位置、増引き位置の3つのポジションを有するスイッチを備えたシステムで異常判定の基準となる、イグニッションSWがOFF状態での正常な代表的な組み合わせ状態の一例を例示した図である。
【図19】リリース位置、駐車位置、増引き位置の3つのポジションを有するスイッチを備えたシステムで異常判定の基準となる、イグニッションSWがON状態での正常な代表的な組み合わせ状態の一例を例示した図である。
【図20】増引き位置にセットした時間に応じて追加のブレーキ締結力を実現するシステムで異常判定の基準となる、イグニッションSWがOFF状態での正常な代表的な組み合わせ状態の一例を例示した図である。
【符号の説明】
1 電動パーキングブレーキシステム
2 モータ
3 歯車列
3a 歯車列の出力軸
4 ベアリング
5 回転円板
6 アーム
9 引っ張りバネ
10 通常パーキング検出スイッチ
11 パーキング限界検出スイッチ
13 回転円板のカム部分
15 リリース検出スイッチ
20 マニュアルスイッチ
31 通常パーキング用回路
32 増し引き用回路
33 ブレーキ解放回路
34 マニュアルスイッチに関連したリレースイッチ
P1 マニュアルスイッチの解放位置
P2 マニュアルスイッチの駐車位置
P3 マニュアルスイッチの増し引き位置
【発明の属する技術分野】
この発明は車両のパーキングブレーキ装置に関し、より詳しくは、電動パーキングブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
実開昭63−189874号、実開昭64−26569号、特開2001―106060号などに見られるように、電動モータを用いてパーキングブレーキを締結するパーキングブレーキ装置が提案されており、また、実用化され始めている。
【0003】
電動パーキングブレーキ装置は、専らモータの作動によりブレーキ締結及び解放を行うことから、適当な締結力及び解放状態を監視することが必要となる。実開昭63−189874号は、モータに供給される電流値によってモータの作動状態を監視することを提案している。
【0004】
また、特開2001−106060号は、モータに供給される電流値とモータの回転角度によってブレーキ締結力を監視することを提案している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
電動パーキングブレーキ装置は、モータ及びこれに関連した回路を含み、スイッチの切り替えによってモータの作動開始及び作動停止が制御されることから、特開2001−106060号公報に見られるように、各種のセンサを配置してシステム全体の監視を行うのが一般的である。
【0006】
本発明の目的は、センサに依存することなく電動パーキングブレーキ装置の監視を行うことができる車両のパーキングブレーキ装置を提供することにある。
【0007】
本発明の別の目的は、センサに依存することなく、ブレーキ締結の適否を監視することができる車両のパーキングブレーキ装置を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、回路に含まれるスイッチやモータなどの要素の故障や不適当な動作を監視することのできる車両のパーキングブレーキ装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる技術的課題は、本発明によれば、
パーキングブレーキを第1の締結力で締結する駐車モードと、該第1の締結力よりも大きな第2の締結力で締結する増し引きモードと、パーキングブレーキを解放するリリースモードとを選択するためのマニュアルスイッチをドライバーが操作することにより、モータの作動によりパーキングブレーキを第1又は第2の締結力で締結する、又はパーキングブレーキを解放する車両のパーキングブレーキ装置であって、
前記マニュアルスイッチによって切り替え可能な通常パーキング用回路、増し引き用回路、リリース回路と、
前記パーキングブレーキ装置の異常を判定する異常判定手段とを含み、
前記通常パーキング用回路には、ドライバーが前記マニュアルスイッチを操作して前記駐車モードを選択したときに、前記モータへの給電を開始して、前記パーキングブレーキが締結する方向に前記モータが回転し、前記パーキングブレーキが前記第1の締結力を発揮した状態になったときに前記モータへの給電を停止するための通常パーキング検出スイッチが設けられ、
前記増し引き用回路には、ドライバーが前記マニュアルスイッチを操作して前記増し引きモードを選択したときに、前記モータへの給電を開始して、前記パーキングブレーキが締結する方向に前記モータが回転し、前記パーキングブレーキが前記第2の締結力を発揮した状態になったときに前記モータへの給電を停止するためのパーキング限界検出スイッチが設けられ、
前記リリース回路には、ドライバーが前記マニュアルスイッチを操作して前記リリースモードを選択したときに、前記モータへの給電を開始して、前記パーキングブレーキが解放する方向に前記モータが回転し、前記パーキングブレーキが解放した状態になったときに前記モータへの給電を停止するためのリリース検出スイッチが設けられ、
前記異常判定手段には、前記通常検出スイッチを挟む2つのポイントから電圧信号が入力され、また、前記パーキング限界検出スイッチを挟む2つのポイントから電圧信号が入力され、また、前記リリース検出スイッチを挟む2つのポイントから電圧信号が入力され、
前記異常判定手段は、該異常判定手段に入力された前記電圧信号の組み合わせが、前記マニュアルスイッチの各モードで正常に動作したときの前記電圧信号の組み合わせと同じであっても一定時間以上継続したとき、又は、前記マニュアルスイッチの各モードで正常に動作したときの前記電圧信号の組み合わせと異なるときに、異常と判定することを特徴とする車両のパーキングブレーキ装置を提供することにより達成される。
【0010】
本発明によるパーキングブレーキ装置によれば、センサに依存することなく、駐車モードなどの各モード及びモード切り替えに伴う各スイッチを挟むポイントの電圧信号の組み合わせと、正常に動作しているときの組み合わせとを対比することによりパーキングブレーキ装置の異常発生の監視を行うことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施の形態では、前記パーキング限界検出スイッチが前記通常パーキング用回路の一部を構成し、該通常パーキング用回路で、前記パーキング限界検出スイッチと前記通常パーキング検出スイッチとが直列に接続される。これにより、通常パーキング検出スイッチに不具合が発生したときのバックアップ用スイッチとしてパーキングブレーキ限界検出スイッチを使用することができる。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態では、モータを挟む2つのポイントから電圧信号が更に入力され、モータを挟む2つのポイントの電圧信号を更に含めて、異常判定手段が異常判定することが好ましい。これによれば、モータの動作の適否を含めて監視することができる。
【0013】
また、異常判定手段に入力される電圧信号の組み合わせが正常であったとしても、例えば、駐車モードで、モータがいつまでも回転し続けることは、パーキングブレーキ装としては異常である。したがって、異常判定手段に入力された電圧信号の組み合わせが、マニュアルスイッチの各モードでモータの回転動作が一定時間以上継続している組み合わせ状態にあるときに、前記異常判定手段が異常判定するのが好ましい。
【0014】
本発明の上記目的及び他の目的並びに作用効果は、以下の本発明の好ましい実施例の詳しい説明から明らかになろう。
【0015】
【実施例】
添付の図面を参照して本発明の好ましい実施例を以下に詳しく説明する。
【0016】
図1〜図4は、電動パーキングブレーキシステムの機械的な構成の要部を示す。電動パーキングブレーキシステム1は、後に詳しく説明するように、通常の力でブレーキを締結する通常パーキングモードと、例えば急な坂道に駐車する場合に、増大した力でブレーキを締結する増引きモードとを有する。
【0017】
パーキングブレーキシステム1は、アクチュエータとしての電動モータ2を有し、モータ2の出力は、歯車列3を介して出力軸3aから出力される。出力軸3aにはベアリング4を介して回転円板5が回転自在に取り付けられている。また、出力軸3aにはアーム6の一端が固定され、アーム6は、回転円板5の外面に沿って出力軸3aから半径外方に延びている。
【0018】
回転円板5の外周部分にはピン7が固設され、このピン7に一端が固定されたケーブル8を介して、図外のパーキングブレーキが連結されている。このパーキングブレーキは、図面を参照して、ケーブル8が右方向に引っ張られるとブレーキ締結状態になり、ケーブル8が左方向に移動するとブレーキ解放状態になる。すなわち、回転円板5が図3において時計方向に回転するとブレーキが締結され、これとは逆方向、つまり反時計方向に回転するとブレーキが解放される。
【0019】
アーム6と回転円板5との間には引っ張りバネ9が介装され、このバネ9によって、アーム6は反時計方向(ブレーキを解放する方向)に付勢されている。すなわち、バネ9は、その一端がアーム6の先端部に固定され、他端が回転円板5に固定されており、この回転円板5に固定されている位置は、アーム6よりもブレーキ解放側である。引っ張りバネ9に置換して圧縮バネを設けるのであれば、この圧縮バネをアーム6よりもブレーキ締結側に配置すればよい。
【0020】
回転円板5の外周部分には、アーム6の先端部分を挟んで反時計方向の側に第1の位置検出スイッチ10が配設され、時計方向の側に第2の位置検出スイッチ11が配設されており、これら第1、第2の位置検出スイッチ10、11は共に回転円板5に固設されている。後の説明から明らかになるように、第1の位置検出スイッチ10は、通常のパーキングブレーキ力を発生する状態を検出するものであり、以下の説明では通常パーキング検出スイッチという。第2の位置検出スイッチ11は、最大パーキングブレーキ力を発生する状態を検出するものであり、以下の説明ではパーキング限界検出スイッチという。
【0021】
通常パーキング検出スイッチ10は作動子10aを有し、この作動子10aはアーム6に臨むようにして配置されている。同様に、パーキング限界検出スイッチ11の作動子11aはアーム6に臨むようにして配置されている。すなわち、両作動子10a、11aは、アームを挟んで、アーム6の揺動域内で互いに間隔を隔てて配置されている。
【0022】
作動子10a、11aは、共に、スイッチ本体から突出する方向にバネ付勢されている。通常パーキング検出スイッチ10は、作動子10aがバネ力に抗してスイッチ本体の中に押し込まれるとON状態になる。パーキング限界検出スイッチ11は、作動子10aがバネ力に抗してスイッチ本体の中に押し込まれるとOFF状態になる。
【0023】
回転円板5は全体として円形の外周輪郭を有するが、その一部が外方に隆起したカム部分13を有する。
【0024】
車体(図示せず)には、回転円板5のカム部分13に隣接して第3の位置検出スイッチ15が設けられ、この第3の位置検出スイッチ15の作動子15aの先端が、カムフェース13aに当接されている。第3の位置検出スイッチ15においても、作動子15aはスイッチ本体から突出する方向にバネ付勢されており、作動子15aがバネ力に抗してスイッチ本体の中に押し込まれるとOFF状態になる。この第3の位置検出スイッチ15は、後の説明から明らかになるように、パーキングブレーキが解放(リリース)する状態を検出するものであり、以下の説明ではリリース検出スイッチという。
【0025】
第1〜第3の位置検出スイッチ10、11、15のON、OFFと各作動子10a、11a、15aの動作との関係の一覧は次のとおりである。
【0026】
【0027】
電動パーキングブレーキシステム1は、図5に例示するように、ドライバーが操作するマニュアルスイッチ20を含み、マニュアルスイッチ20を操作することにより、ブレーキを解放するリリースモードと、通常パーキングモードと、増引きモードとに択一的に切り替えることができる。マニュアルスイッチ20の形式及びその配置位置は任意であり、特に制限されるものではないが、図示の例を説明すれば、マニュアルスイッチ20は、インストルメントパネル21の中央部分に配置されている(図6)。
【0028】
図示のマニュアルスイッチ20は、例えばプッシュ式のスイッチであってもよいが、ここでは、3つの位置をとることができるスライドスイッチで構成され、スライドスイッチは操作ノブ22を備えている。すなわち、図5を参照して説明すると、マニュアルスイッチ20は、第1位置である解放位置P1(ブレーキ解放SW:ON)と、次に、第2位置である駐車位置P2(駐車SW:ON)と、次に、第3位置である増引き位置P3(増引きSW:ON)とを有し、これらの位置P1〜P3は直線状に配置され、ユーザが操作ノブ22をスライド動作させることにより、操作ノブ22を第1〜第3の各位置にセットすることができる。
【0029】
変形例として、操作ノブ22を付勢するバネ(図示せず)を設けることにより、ドライバが駐車位置P2から増引き位置P3まで操作ノブ22をスライドさせると増引きSWがONになり、次いで、操作ノブ22から手を離すと、バネ力によって操作ノブ22が駐車位置P2に復帰するようにしてもよい(図7)。また、その際、増引きモードにする場合は、操作ノブ22が増引き位置P3に位置している間だけブレーキ締結力が増大するように構成するのがよく、これによりドライバが増引きモードのブレーキ締結力を任意に調整することができる。
【0030】
図8は、電動パーキングブレーキシステム1に含まれる回路30を示す。回路30は、第1回路つまり通常パーキング用回路31と、第2回路つまり増引き用回路32と、第3回路つまりブレーキ解放用回路33と、マニュアルスイッチ20に関連したリレースイッチ34とを含み、これら第1〜第3の回路31〜33は、マニュアルスイッチ20及びリレースイッチ34の切り替え操作によって択一的に選択される。
【0031】
図9をも参照して、通常パーキング用回路31は、バッテリーBと電動モータ2の第1端子とを接続する結線35を有し、この結線35には、バッテリーB側から順に、パーキング限界検出スイッチ11、通常パーキング検出スイッチ10、マニュアルスイッチ20の駐車位置(駐車SW)の接点P2が直列に接続されている。第1回路31は、また、電動モータ2の他の端子とアースGndとを接続する結線36を有し、この結線36には、モータ2側から順に、保護抵抗R1、リレースイッチ34の接点P2が直列に接続されている。
【0032】
すなわち、通常パーキング用回路31は、パーキング限界検出スイッチ11と通常パーキング検出スイッチ10とが直列に配置されており、例えば、通常パーキング回路31に異常が発生して、通常パーキングモードで作動させているにもかかわらず、第1の締結力でモータ2の動作を停止できないような状況になったときでも、第1の締結力よりも大きな第2の締結力になれば、パーキング限界検出スイッチ11によりモータへの給電を停止させることができる。
【0033】
図10をも参照して、増引き用回路32は、通常パーキング用回路31の一部を共用することにより構成されている。すなわち、通常パーキング用回路31における結線35のパーキング限界検出スイッチ11と通常パーキング検出スイッチ10との間と、マニュアルスイッチ20と、を連絡する結線37を有し、この結線37の他端はマニュアルスイッチ20の増引き位置(増引きSW)の接点P3に接続されている。また、リレースイッチ34の接点P3は結線38によって接地されている。
【0034】
図11をも参照して、ブレーキ解放回路33は、イグニッション(Ig)SWとリレースイッチ34の接点P1とを連絡する結線38を含み、この結線38にはリリース検出スイッチ15が介装されている。また、第3回路33に含まれるマニュアルスイッチ20の解放位置(ブレーキ解放SW)の接点P1は結線39によって接地されている。
【0035】
なお、図8に見られる、モータ2と並列関係にある抵抗R2及びコンデンサCは、モータ2の回転停止する際に発生する起電力を吸収するための保護素子である。
【0036】
電動パーキングブレーキシステム1の回路30は警報システム50及び表示システム51(図8)に連係され、警報システム50によって異常発生をドライバに知らせるようになっている。すなわち、警報システム50及び表示システム51はCPU52を含み、CPU52にはパーキングブレーキシステム回路30から次の信号がインターフェース53を介して入力される。
【0037】
(a)信号a:イグニッション(Ig)SWとリリース検出スイッチ15との間の電圧Va;
(b)信号b:リリース検出検出スイッチ15とリレースイッチ34の接点P1との間の電圧Vb;
(c)信号c:モータ2とリレースイッチ34との間の電圧Vc;
(d)信号d:マニュアルスイッチ20とモータ2との間の電圧Vd;
(e)信号e:通常パーキング検出スイッチ10とマニュアルスイッチ20の接点P2との間の電圧Ve;
(f)信号f:パーキング限界検出スイッチ11と通常パーキング検出スイッチ10との間の電圧Vf;
(g)信号g:バッテリーBとパーキング限界検出スイッチ11との間の電圧Vg;
【0038】
CPU52からは、警報手段50としての第1発光ダイオードに制御信号が出力され、表示手段51として第2発光ダイオードに制御信号が出力される。
【0039】
次に、上記電動パーキングブレーキシステム1の動作を、マニュアルスイッチ20の操作に関連して▲1▼ブレーキ解放(リリース)、▲2▼通常パーキングブレーキ締結、▲3▼最大パーキングブレーキ締結(増引き)に分けて説明する。
【0040】
ブレーキ解放(リリース)
マニュアルスイッチ20の操作ノブ22がリリース位置P1にセットされて実際にパーキングブレーキが解放された後の状態つまりリリース後の状態は、図12をも参照して、次のとおりである。
【0041】
(1)マニュアルスイッチ20の端子P1がON状態にある。
(2)アーム6がバネ9によって相対的に通常パーキング検出スイッチ10側に引き寄せされた状態にあり、この結果、通常パーキング検出スイッチ10はON状態にある。
(3)パーキング限界検出スイッチ11はアーム6が係合していないため、作動子11aが伸長した状態あり、したがってON状態にある。
(4)第3の位置検出スイッチ12は、回転円板5のカム部分13によって、その作動子15aがスイッチ本体の中に押し込まれた状態にあり、これにより、リリース検出スイッチ15はOFF状態にある。
【0042】
通常パーキングモード
ドライバーがマニュアルスイッチ20の操作ノブ22を動かして駐車位置P2にセットすると、次の動作を行う。
【0043】
通常パーキング検出スイッチ10がON、パーキング限界検出スイッチ11がON、リリース検出スイッチ15がOFFの状態で、マニュアルスイッチ20の端子P2がON状態になる。
【0044】
したがって、マニュアルスイッチ20の駐車端子P2がONされることにより、第1回路31(図9)が通電状態となってモータ2への給電が開始され、これによりモータ2がケーブル8を引っ張る方向(図示の例では時計方向)に回転し、パーキングブレーキを締結する動作が始まる。
【0045】
次いで、モータ2が所定の回転角度まで回転するまでの間は、バネ9の力によって、アーム6と一緒に回転円板5が供回りする。しがたって、モータ2の回転開始に伴う回転円板5の回転により、カム部分13がリリース検出スイッチ15から離れ、これにより、リリース検出スイッチ15はON状態に変化する。
【0046】
モータ2の回転角度が所定値以上になると、ケーブル8に働く張力により、バネ9が回転円板5を介して引っ張られてバネ9が伸長し、これにより回転円板5とアーム6との供回りが解放され、アーム6が回転円板5に対して相対的に時計方向に回転し始め、これにより、アーム6は通常パーキング検出スイッチ10から離れ、パーキング限界検出スイッチ11に向けて回転し始める。
【0047】
アーム6が通常パーキング検出スイッチ10から離れると、この通常パーキング検出スイッチ10はOFF状態に変化して、モータ2への給電を停止する(図12)。これにより、パーキングブレーキシステム1は、通常のパーキングブレーキ力を発生した状態でモータ2が回転停止する。
【0048】
通常パーキングブレーキの状態で、ドライバが操作ノブ21をスライドさせて、ブレーキ締結力解放つまりリリース位置に戻すと、リリース検出スイッチ15がON状態のまま、マニュアルスイッチ20の端子P1がON状態に変化するため、リリース用回路33(図11)が通電状態になり、モータ2がケーブル8を戻す方向(図示の例では反時計方向)に回転する(ブレーキ解放)。
【0049】
増引きモード
ドライバーがマニュアルスイッチ20の操作ノブ22を増引き位置P3にセットすると、このマニュアルスイッチ20の端子P3(増引きSW)がON状態になり、増引き位置P3から離れると、端子P3(増引きSW)がOFF状態になる。
【0050】
したがって、マニュアルスイッチ20の端子P3がONされることにより、増引き用回路32(図10)が通電状態となり、モータ2への給電が開始され、ケーブル8を引っ張る方向(図示の例では時計方向)に回転する。
【0051】
モータ2の回転は、先の通常パーキングの状態を超えて更に回転を継続し、この回転動作に伴ってバネ9が更に伸長し、これにより、アーム6は、回転円板5との供回りが解放された状態で独立して時計方向に回転する。
【0052】
端子P3のON状態が継続されてアーム6はパーキング限界検出スイッチ11に当接するまで回転すると、パーキング限界検出スイッチ11の作動子11aが押し込まれ、このパーキング限界検出スイッチ11はOFF状態に変化し、モータ2への給電が停止する(図12)。これにより、パーキングブレーキは、最大パーキングブレーキ力を発生した状態でモータ2の回転動作が停止する。
【0053】
なお、この最大パーキングブレーキの状態で、ドライバが操作ノブ21をスライドさせて、ブレーキ締結力解放つまりリリース位置にセットすると、リリース検出スイッチ15がONの状態で、マニュアルスイッチ20の端子P1がON状態に変化するため、第3回路33が通電状態になり、モータ2がケーブル8を戻す方向(図示の例では反時計方向)に回転する。
【0054】
また、例えば、通常パーキングモードで作動させているにも関わらず、通常パーキング検出スイッチ10が固着して、通常のパーキングブレーキ力(第1の締結力)でモータ2の動作を停止できないような状況になった場合は、アーム6がパーキング限界検出スイッチ11に当接するまで回転し、パーキング限界検出スイッチ11をOFF状態に変化させる。このとき、通常パーキング用回路31において、パーキング限界検出スイッチ11と通常パーキング検出スイッチ10とが直列に配置されているため、通常パーキング検出スイッチ10によりモータ2への給電を停止させることができない場合であっても、パーキング限界検出スイッチ11がバックアップとして機能して、このパーキング限界検出スイッチ11によってモータ2への給電を停止させることができる。
【0055】
上述した、通常のパーキングブレーキの締結動作及び増引き動作が正常に行われると、CPUから表示手段51に点灯信号が出力され、これにより表示手段51(発光ダイオード)が点灯され、パーキングブレーキが締結状態にあることをドライバーに視覚的に知らせる。
【0056】
ブレーキ解放(リリース)のための電源は、イグニッションSWを経由してモータ2に供給されるため、イグニッションSWがON状態(エンジン始動又はエンジン運転中)であることを条件にパーキングブレーキ解放の動作が行われることになり、エンジン停止中に不用意にパーキングブレーキが解放されることを防止することができる。
【0057】
パーキングブレーキシステム1に関し、上述した3段階に切り替え可能なマニュアルスイッチ20を操作することによる動作手順を図13を参照して以下に説明する。なお、下記の動作手順は、パーキングブレーキシステム1に図外のCPUを付加した例である。
【0058】
ドライバーが操作ノブ22をスライドさせてブレーキ解放位置P1にセット(リリースSW:ON)すると、ステップS1でYESと判定されて、ステップS2に進み、モータ2がパーキングブレーキを解放する方向(ケーブル8を戻す方向)に回転動作する。これに伴い、通常パーキング検出スイッチ10にアーム6が当接した状態が維持又は当接した状態に変化して、この通常パーキング検出スイッチ10がON状態になる(ステップS3)。次いで、ステップS4で、リリース検出スイッチ15がOFF状態であるか否かを判定する。ブレーキ締結状態からリリースされた初期には、リリース検出スイッチ15の作動子15aが伸長した状態にあることからリリース検出スイッチ15はON状態にある。したがって、ステップS5でNOと判定されて、ステップS1に戻り、モータ2は回転し続けて、ブレーキのリリース動作が継続される。
【0059】
リリース動作が終期になると、回転円板5のカムフェース13aがリリース検出スイッチ15の作動子15aをスイッチ本体の中に押し込み、これにより、リリース検出スイッチ15はOFFに変化し、これにより、ステップS5に進んで、モータ2の回転が停止される。これにより、パーキングブレーキの解放が完了する。
【0060】
次に、ドライバーがマニュアルスイッチ20を操作して、駐車位置P2(駐車SW:ON)にセットすると、ステップS1からステップS6を経てステップS7に進み、モータ2がパーキングブレーキを締結する方向(ケーブル8を引っ張る方向)に回転動作する。このモータ2の回転動作に伴い、回転円板5がアーム6と一緒に供回りすることから、リリース検出スイッチ15はON状態に変化する(ステップS8)。アーム6は、当初は、通常パーキング検出スイッチ10と当接した状態にあり、この通常パーキング検出スイッチ10はON状態にある。
【0061】
この通常パーキング検出スイッチ10のON/OFF状態はステップS9で判定され、通常パーキング検出スイッチ10がON状態にあるときには、ステップS1、S6、S7に戻って、モータ2の回転動作が継続される。パーキングブレーキが通常のブレーキ力で締結される状態になると、バネ9が伸長して回転円板5とアーム6との供回りが解除され、アーム6が通常パーキング検出スイッチ10から離れる。これにより、通常パーキング検出スイッチ10はOFF状態に変化する。これにより、ステップS9でYES(通常パーキングブレーキ検出スイッチ:OFF)と判定されて、ステップS10に進み、モータ2の回転が停止される。これにより、パーキングブレーキの締結が完了する(通常パーキングブレーキ状態)。
【0062】
ドライバーがマニュアルスイッチ20を操作して、増引き位置P3(増引きSW:ON)にセットすると、ステップS1、ステップS6を経てステップS11に進み、このステップS11でYESと判定されて、ステップS12に進み、モータ2がパーキングブレーキを更に強力に締結する方向(ケーブル8を更に引っ張る方向)に回転動作する。
【0063】
このモータ2の回転動作に伴い、アーム6は、通常パーキング検出スイッチ10から離れてパーキング限界検出スイッチ11に向けて回転する。アーム6がパーキング限界検出スイッチ11と当接するまでは、通常パーキング検出スイッチ10はOFF状態にあり、また、パーキング限界検出スイッチ11はON状態にある。パーキング限界検出スイッチ11の状態はステップS13で判定され、当初は、パーキング限界検出スイッチ11がON状態にあることから、NOと判定されて、ステップS1、S6、S11を経てステップS12でモータ2の回転が継続される。
【0064】
アーム6がパーキング限界検出スイッチ11に当接すると、このパーキング限界検出スイッチ11がOFF状態に変化し、この状態変化は、ステップS13によって判定されて、ステップS14に進み、モータ2の回転が停止される。これにより、パーキングブレーキの増引きが完了する(最大パーキングブレーキ状態)。
【0065】
次に、ドライバーが操作ノブ22をスライドさせてブレーキ解放位置P1にセット(リリースSW:ON)すると、ステップS15からステップS16に進み、モータ2がパーキングブレーキを解放する方向(ケーブル8を戻す方向)に回転動作する。これに伴い、パーキング限界検出スイッチ11からアーム6が離れることから、このパーキング限界検出スイッチ11がON状態に変化し(ステップS17)、最終的には、リリース検出スイッチ15がOFFとなることでモータの動作が停止する(ステップS18)。なお、ステップS14の後に、リリースSWのON/OFFを監視するステップS15を設けたことにより、最大パーキングブレーキ状態になった後は、パーキングブレーキの解放操作だけを行うことができるように構成されている。
【0066】
パーキングブレーキの動作の変形例(図14)
パーキングブレーキシステム1に関し、マニュアルスイッチ20として、図7を用いて先に説明した、ドライバが第2位置から第3位置まで操作ノブ22をスライドさせると増引きSWがONになり、次いで、操作ノブ22から手を離すと、バネ力によって操作ノブ22が第2位置に復帰する形式のスイッチや、解放位置と駐車位置の2段階のスイッチを用意し、これに加えて例えばプッシュ式のボタンスイッチを用意して、このボタンスイッチをプッシュしてONさせることにより、最大パーキングブレーキ力が得られるまでケーブル8を増引きする動作手順を図14を参照して以下に説明する。
【0067】
先ずステップS20で、例えばフラグのリセットなどの初期設定を行った後、ステップS21で、増引きフラグがセット状態にあるか否かの判定を行う。なお、この増引きフラグの技術的意味は後の説明から明らかになろう。
【0068】
次のステップS22〜S31の動作は、上述したステップS1〜S10と同じであり、ステップS22〜S31は、夫々、ステップS1〜S10に相当するので、その説明を省略する。
【0069】
ドライバーが増引き用のボタンスイッチをプッシュすると、ステップS32からステップS33に進んで、ボタンスイッチのON動作が行われた(YES)として、モータ2がブレーキを更に強力に締結する方向(ケーブル8を増引きする方向)に回転動作する。次いで、ステップS34で、増引きフラグをセットする。
【0070】
モータ2の回転動作の開始に伴い、アーム6は、第1位置(通常パーキングブレーキ)検出スイッチ10から離れて第2位置(増引きパーキングブレーキ)検出スイッチ11に向けて回転する。アーム6がパーキング限界検出スイッチ11と当接するまでは、通常パーキング検出スイッチ10はOFF状態にあり、また、パーキング限界検出スイッチ11はON状態にある。
【0071】
パーキング限界検出スイッチ11の状態はステップS35で判定され、当初は、パーキング限界検出スイッチ11がON状態にあることから、NOと判定されて、ステップS21に戻る。いま、増引きフラグはセットされた状態にあることから、このステップS21でYESと判定されて、ステップS35、S21のループを描いて、モータ2の回転動作(ブレーキの増引き)が継続される。
【0072】
モータ2の回転によりアーム6がパーキング限界検出スイッチ11に当接すると、このパーキング限界検出スイッチ11がOFF状態に変化し、この状態変化はステップS35によって判定されて、ステップS36に進み、モータ2の回転が停止される。これにより、パーキングブレーキの増引きが完了する(最大パーキングブレーキ状態)。
【0073】
次に、ドライバーが操作ノブ22をスライドさせてブレーキ解放位置P1にセットすると(リリースSW:ON)、ステップS37からステップS38に進み、モータ2がパーキングブレーキを解放する方向(ケーブル8を戻す方向)に回転動作する。次いで、ステップS39で増引きフラグをリセットする。モータ2の回転動作により、パーキング限界検出スイッチ11からアーム6が離れることから、このパーキング限界検出スイッチ11がON状態に変化し(ステップS40)、最終的には、リリース検出スイッチ15がOFFとなることでモータの動作が停止する(ステップS41)。
【0074】
パーキングブレーキの動作の他の変形例(図15、図16)
パーキングブレーキシステム1に関し、マニュアルスイッチ20として、図7を用いて先に説明した、ドライバが第2位置から第3位置まで操作ノブ22をスライドさせて、操作ノブ22が第3位置(増引き位置)に位置している間だけブレーキ締結力を増大させる形式の機構を採用した場合の動作手順を図15、図16を参照して以下に説明する。
【0075】
なお、以下に説明する動作手順は、ドライバが操作ノブ22を駐車位置P2にセットして、通常のブレーキ力で締結状態になった後に、ドライバが更に強いブレーキ力が必要であると判断して、操作ノブ22を増引き位置(第3位置)までスライドさせる使用態様を前提としたものである。仮に、ドライバが操作ノブ22を最初から第3位置(増引き位置)までスライドさせるような使用態様まで含めて動作手順を考えるのであれば、これに見合った動作手順に変形すればよいことは勿論である。
【0076】
図15において、ステップS50〜S56の動作は、上述したステップS20〜S26(図14)と実質的に同じであり、ステップS50〜S56は、夫々、ステップS20〜S26に相当するのであり、その説明を省略するが、ステップS50での初期化ステップ及び、ステップS56の次のステップS57では、作動フラグのリセットが行われる。この作動フラグの技術的意味は後の説明から明らかになろう。
【0077】
ステップS58〜ステップS62は、ドライバが操作ノブ22を操作して駐車位置P2にセットしたときの動作手順であり、この動作手順は、前述したステップS27〜S31(図14)と実質的に同じであり、ステップS58〜S62は、夫々、ステップS27〜S31に相当する。この駐車モードでの動作が完了して、通常のブレーキ力で締結状態になると、ステップS63で作動フラグがセットされる。
【0078】
例えば、坂道で強力なブレーキ締結力が必要であるとして、ドライバが操作ノブ22をスライドさせて増引き位置P3にセットすると、ステップS58からステップS64に移行して、作動フラグがセット状態にあるか否かの判定を行う。既にステップS63で作動フラグがセットされていることから、ステップS64でYESと判断されて、ステップS65に進んで、増引きスイッチがON状態にあるか否かの判定を行う。いま、操作ノブ22が増引き位置P3にセットされたときであるから、YESと判定されて、スイッチのステップS66に進み、モータ2がブレーキを更に強力に締結する方向(ケーブル8を増引きする方向)に回転動作し、この回転動作の開始と共に次のステップS67で増引きフラグをセットする。
【0079】
次のステップS68では、パーキング限界検出スイッチ11がOFF状態にあるか否かの判定が行われる。モータ2の回転動作が開始されると、アーム6は、第1位置(通常パーキングブレーキ)検出スイッチ10から離れて第2位置(パーキング限界検出)検出スイッチ11に向けて回転する。したがって、モータ2の回転動作の初期段階では、アーム6がパーキング限界検出スイッチ11と当接しておらず、上述したように、この状態では、パーキング限界検出スイッチ11がON状態にあることから、ステップS68でNOと判定されて、ステップS51からステップS69に進む。
【0080】
もし、この段階で、ドライバが操作ノブ22を増引き位置P3から駐車位置P2に戻していれば、ステップS69でNOと判定されて、ステップS70でモータ2の作動が停止される。これにより、操作ノブ22が増引き位置P3にセットされている時間に応じて増大された締結力が生成される。
【0081】
上記ステップS70でモータ2の回転を停止した後、ステップS71及びS72で、ドライバが操作ノブ22を、再度、増引き位置P3にセットするか否かを監視し続け、もし、操作ノブ22が、再度、増引き位置P3にセットされると、ステップS73に進んで、モータ2がブレーキを更に強力に締結する方向(ケーブル8を増引きする方向)に回転動作し、これにより、ブレーキ締結力の追加が行われる。
【0082】
このブレーキ締結力の追加の結果、アーム6がパーキング限界検出スイッチ11に当接して、このパーキング限界検出スイッチ11がOFFに変化すると、ステップS68でYESと判定されてステップS74に進んで、モータ2の増引き回転が停止される。
【0083】
上記ステップS71、S72でドライバが操作ノブ22を再度増引き位置P3にセットするか否かを監視している最中に、ドライバが操作ノブ22をリリース位置P1に戻すと、リリーススイッチがONに変化したとして、ステップS76に進み、モータ2がブレーキを解放する方向に回転する。次いで、ステップS77で増引きフラグをリセットし、また、ステップS78で作動フラグをリセットする。
【0084】
モータ2の回転に伴い、リリース検出スイッチ15がカム面13aによってON状態からOFF状態に変化して(ステップS79)、ブレーキの解放が完了すると、ステップS80に進んで、モータ2の作動が停止される。
【0085】
図17は、パーキングブレーキシステム1の警報システム50の制御を説明するためのフローチャートを示す。
【0086】
ステップS40で、CPU52に入力される信号a〜gによって、異常発生が検出されると、ステップS41に進んで、警報手段(発光ダイオード)50が点灯される。また、次のステップS42で、図外のメモリに故障の履歴が記憶される。
【0087】
異常の発生は、パーキングブレーキシステム1が正常に動作したときの信号a〜gの状態の組合せを基準として、これとは異なる状態が検出されたときに、パーキングブレーキシステム1が異常(故障)であると判定される。
【0088】
例えば、図5に例示した、リリース位置、駐車位置、増引き位置の3段階のポジションを有するマニュアルスイッチ20を組み込んだシステム1における信号a〜gの組合せは図18及び図19に列挙した通りである。また、図15、図16を参照して説明した、ドライバが操作ノブ22を増引き位置にセットしている時間に応じてブレーキ締結力を増大させるシステム1における信号a〜gの組み合わせは図20に列挙した通りである。
【0089】
ここに、図18、図20は、イグニッションSWがOFF状態のときの組み合わせであり、図19は、イグニッションSWがON状態のときの組み合わせである。ここに、「リリース→Park移動」の欄は、ブレーキ解放状態から通常パーキングブレーキ状態への操作中を意味し、「Park→増引き移動」の欄は、通常パーキングブレーキ状態から増引きブレーキ状態への操作中を意味する。
【0090】
例えば、信号aが12V、bが12V、cがOpen、dがGnd、eが12V、fが12V、gが12Vとなる組み合わせは、正常状態ではあり得ない組み合わせであることから、「異常」と判定される。また、信号a〜gの中から特定の一対の信号の組み合わせを判断することにより、異常部位を検出することも可能である。例えば、信号cとdが共に12Vであると検出されれば、モータ2が異常であると判定することができる。なお、図18、図19などに見られる「Open」の文字は、いずれかのスイッチが解放状態にあるため、12VとGndの中間の電位が検出されたことを示す。このような正常状態での組み合わせを基準にして、これとは異なる組み合わせ状態が発生したときに「異常」と判定することにより、パーキングブレーキ装置の異常状態を別途センサを用意することなく検出することができる。
【0091】
これに加えて、モータ2がブレーキ解放方向又はブレーキ締結方向に回転動作を開始し、通常であれば、この回転動作は一定時間で完了してモータ2の回転動作が停止される。したがって、回転動作の一定時間を超えて継続されるということは通常では考えられないことから、「異常」と判定される。なお、図18〜図20に付記した「但し、一定時間」はこのことを意味している。また、ドライバがスイッチを操作する時間が一定時間を超えて継続されるということも通常では考えれないことから、これを「異常」と判定してもよい。
【0092】
電圧信号a〜gの各々の状態で異常を判定することに関して例示すれば、
(1)信号aが、イグニッションONであるにもかかわらず、12Vにならない場合;
(2)信号aが、イグニッションOFFであるにもかかわらず、12Vである場合;
(3)信号aがGndである場合;
(4)信号bがGndである場合;
(5)信号dがGndである場合;
(6)信号fがGndである場合;
(7)信号gがGnd又はOpenである場合などであれば、回路30で短絡などの問題が発生している可能性を含むことから、システム1が異常であると判定することができる。
【0093】
電圧信号a〜gの任意の組み合わせで異常を判定することに関して例示すれば、
(1)信号bと信号cが共にGndであるというように、図18〜図20に示す組み合わせ以外の組み合わせの場合;
(2)信号cと信号dが共にOpenである時間が一定時間以上継続する場合、つまり、マニュアルスイッチ操作が一定時間以上継続する場合;
(3)モータ2を挟む信号cと信号dが共にGndであるというように、図18〜図20に示す組み合わせ以外の組み合わせの場合;
(4)信号cがOpenで、信号dが12Vである時間が一定時間以上継続する場合;
(5)3以上の信号の組み合わせで正常のときであればあり得ない組み合わせの場合などであれば、スイッチ類やモータの動作不良や短絡などの可能性を含むことから、システム1が異常であると判定することができる。
【0094】
また、検出スイッチ10、11、15の動作は、次の電圧信号の組み合わせで異常を判定することができる。
(1)信号aと信号bの組み合わせでリリース検出スイッチ15の動作異常を判定できる。
(2)信号fと信号gの組み合わせでパーキング限界検出スイッチ11の動作異常を判定できる。
(3)信号eと信号fの組み合わせで通常パーキング検出スイッチ10の動作異常を判定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のパーキングブレーキ装置の要部の概略を示す斜視図である。
【図2】図1のパーキングブレーキ装置の要部を反対側から見た斜視図である。
【図3】実施例のパーキングブレーキ装置の要部の概略を示す正面図である。
【図4】一部断面した、図3に対応した側面図である。
【図5】実施例のパーキングブレーキ装置の一部を構成するマニュアルスイッチの概略図である。
【図6】マニュアルスイッチの配置位置の一例を説明するためのインストルメントパネルの正面図である。
【図7】実施例のパーキングブレーキ装置の一部を構成するマニュアルスイッチの他の例を説明するための図である。
【図8】実施例のパーキングブレーキ装置の一部を構成する回路の構成を示す図である。
【図9】マニュアルスイッチを駐車位置にセットしたときにモータの動作に関連した回路の構成を説明するための図である。
【図10】マニュアルスイッチを増引き位置にセットしたときにモータの動作に関連した回路の構成を説明するための図である。
【図11】マニュアルスイッチをリリース位置にセットしたときにモータの動作に関連した回路の構成を説明するための図である。
【図12】実施例のパーキングブレーキ装置のモータの回転停止に関連したスイッチの動作を説明するための図である。
【図13】マニュアルスイッチがリリース位置と駐車位置と増引き位置とを取り得るスイッチの場合に、ドライバーが各位置にセットしたときの動作の手順を説明するためのフローチャートである。
【図14】マニュアルスイッチがリリース位置と駐車位置とを取り得るスイッチと、これに加えて、マニュアルの増引きスイッチとを用意した場合に、ドライバーがマニュアルスイッチを操作することに伴う動作の手順を説明するためのフローチャートである。
【図15】ドライバが増引きスイッチをONしている時間に応じて、追加のブレーキ締結力を実現する動作の手順を説明するためのフローチャートである。
【図16】ドライバが増引きスイッチをONしている時間に応じて、追加のブレーキ締結力を実現する動作の手順を説明するための、図15に関連したフローチャートである。
【図17】実施例のパーキングブレーキ装置の異常検出及びこれに伴う警報などの動作を説明するためのフローチャートである。
【図18】リリース位置、駐車位置、増引き位置の3つのポジションを有するスイッチを備えたシステムで異常判定の基準となる、イグニッションSWがOFF状態での正常な代表的な組み合わせ状態の一例を例示した図である。
【図19】リリース位置、駐車位置、増引き位置の3つのポジションを有するスイッチを備えたシステムで異常判定の基準となる、イグニッションSWがON状態での正常な代表的な組み合わせ状態の一例を例示した図である。
【図20】増引き位置にセットした時間に応じて追加のブレーキ締結力を実現するシステムで異常判定の基準となる、イグニッションSWがOFF状態での正常な代表的な組み合わせ状態の一例を例示した図である。
【符号の説明】
1 電動パーキングブレーキシステム
2 モータ
3 歯車列
3a 歯車列の出力軸
4 ベアリング
5 回転円板
6 アーム
9 引っ張りバネ
10 通常パーキング検出スイッチ
11 パーキング限界検出スイッチ
13 回転円板のカム部分
15 リリース検出スイッチ
20 マニュアルスイッチ
31 通常パーキング用回路
32 増し引き用回路
33 ブレーキ解放回路
34 マニュアルスイッチに関連したリレースイッチ
P1 マニュアルスイッチの解放位置
P2 マニュアルスイッチの駐車位置
P3 マニュアルスイッチの増し引き位置
Claims (5)
- パーキングブレーキを第1の締結力で締結する駐車モードと、該第1の締結力よりも大きな第2の締結力で締結する増し引きモードと、パーキングブレーキを解放するリリースモードとを選択するためのマニュアルスイッチをドライバーが操作することにより、モータの作動によりパーキングブレーキを第1又は第2の締結力で締結する、又はパーキングブレーキを解放する車両のパーキングブレーキ装置であって、
前記マニュアルスイッチによって切り替え可能な通常パーキング用回路、増し引き用回路、リリース回路と、
前記パーキングブレーキ装置の異常を判定する異常判定手段とを含み、
前記通常パーキング用回路には、ドライバーが前記マニュアルスイッチを操作して前記駐車モードを選択したときに、前記モータへの給電を開始して、前記パーキングブレーキが締結する方向に前記モータが回転し、前記パーキングブレーキが前記第1の締結力を発揮した状態になったときに前記モータへの給電を停止するための通常パーキング検出スイッチが設けられ、
前記増し引き用回路には、ドライバーが前記マニュアルスイッチを操作して前記増し引きモードを選択したときに、前記モータへの給電を開始して、前記パーキングブレーキが締結する方向に前記モータが回転し、前記パーキングブレーキが前記第2の締結力を発揮した状態になったときに前記モータへの給電を停止するためのパーキング限界検出スイッチが設けられ、
前記リリース回路には、ドライバーが前記マニュアルスイッチを操作して前記リリースモードを選択したときに、前記モータへの給電を開始して、前記パーキングブレーキが解放する方向に前記モータが回転し、前記パーキングブレーキが解放した状態になったときに前記モータへの給電を停止するためのリリース検出スイッチが設けられ、
前記異常判定手段には、前記通常検出スイッチを挟む2つのポイントから電圧信号が入力され、また、前記パーキング限界検出スイッチを挟む2つのポイントから電圧信号が入力され、また、前記リリース検出スイッチを挟む2つのポイントから電圧信号が入力され、
前記異常判定手段は、該異常判定手段に入力された前記電圧信号の組み合わせが、前記マニュアルスイッチの各モードで正常に動作したときの前記電圧信号の組み合わせと同じであっても一定時間以上継続したとき、又は、前記マニュアルスイッチの各モードで正常に動作したときの前記電圧信号の組み合わせと異なるときに、異常と判定することを特徴とする車両のパーキングブレーキ装置。 - 前記異常判定手段には、前記モータを挟む2つのポイントから電圧信号が更に入力され、
該モータを挟む2つのポイントの電圧信号を更に含めて、前記異常判定手段が異常判定することを特徴とする請求項1に記載の車両のパーキングブレーキ装置。 - 前記パーキング限界検出スイッチが前記通常パーキング用回路の一部を構成し、該通常パーキング用回路で、前記パーキング限界検出スイッチと前記通常パーキング検出スイッチとが直列に接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両のパーキングブレーキ装置。
- 前記異常判定手段に入力された前記電圧信号の組み合わせが、前記マニュアルスイッチの各モードで前記モータの回転動作が一定時間以上継続している組み合わせ状態にあるときに、前記異常判定手段が異常判定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両のパーキングブレーキ装置。
- 前記異常判定手段からの信号を受けて、該異常判定手段が異常判定したときに点灯する警報手段を更に含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両のパーキングブレーキ装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2019060292A1 (en) * | 2017-09-23 | 2019-03-28 | Bendix Commercial Vehicle Systems Llc | ELECTRONIC PARKING BRAKE INTERFACE MODULE, CONTROL DEVICE AND PARKING BRAKE SYSTEM |
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2002
- 2002-08-02 JP JP2002225698A patent/JP2004066875A/ja active Pending
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