JP5930794B2 - スタータ駆動装置 - Google Patents
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Description
また本発明では、主制御装置と第1駆動回路との間にのみ主制御装置からの信号を所定時間にわたって保持する遅延回路を設け、副制御装置と第2駆動回路とはこのような保持機構を介さずに直接接続する。これによりリレーの駆動を2系統化したことに伴って、単純に両系統に保持機構を設けた場合と比較すれば、コストを低減することができる。なお、副制御装置を含む系には保持機構を設けないことにより、クランキング中に副制御装置がリセットしてしまった場合には、第2リレーがOFFとなりクランキングを継続できなくなる可能性は残る。しかしながらこの場合、例えば低電圧の下でも作動し続けるような副制御装置を用いることにより、副制御装置からなる系に保持機構を設けずとも、蓄電装置の電圧の低下によらず確実にクランキングを継続できる。
以下、本発明の第1実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、図示しないエンジンを始動するスタータ9及びその駆動装置1の構成を示す図である。本実施形態のスタータ駆動装置1は、所定条件の自動停止条件が成立したことに応じてエンジンを停止し、所定の自動再始動条件が成立したことに応じて停止したエンジンを再始動する所謂アイドルストップ機能を備えた、MT(Manual Transmission)車と呼称される車両に適用される。ここで、MT車とは、手動変速機を備えた車両、すなわちドライバのクラッチペダル及びシフトレバーの操作によって所望の減速比を選択できる車両を言う。
第1クラッチスイッチ71は、クラッチペダルの踏込み量が所定の第1踏込み量以上である間はクラッチペダルが踏込まれていることを示すON信号を出力し、クラッチペダルの踏込み量が第1踏込み量より小さい間はクラッチペダルが踏込まれていないことを示すOFF信号を出力する。
第2クラッチスイッチ72は、クラッチペダルの踏込み量が上記第1踏込み量よりも大きな第2踏込み量以上である間はクラッチペダルが踏込まれていることを示すON信号を出力し、クラッチペダルの踏込み量が第2踏込み量より小さい間はクラッチペダルが踏込まれていないことを示すOFF信号を出力する。すなわち、第1クラッチスイッチ71は、第2クラッチスイッチ72と比較して、より浅い踏込みでONとOFFが切り替わる。つまり、これらスイッチ71,72は、共通のクラッチペダルの踏込みに応じてON信号又はOFF信号を出力するものであるが、これら信号をECU5へ出力する契機が異なっている。なお、これらOFF信号及びON信号のうち何れかは無信号としてもよい。
第2リレー駆動回路54は、FETなどのスイッチング素子で構成されており、サブマイコン52からスタータ9に対する作動許可信号が送信されている場合に、出力端子STRLY02を介して接続された第2リレー32を駆動する。
運転者の操作によって図示しないクラッチペダルが踏込まれると、2つの第1、第2クラッチスイッチ71,72がそれぞれ独立してこれを検出し、異なるタイミングでON信号をECU5に送信する。この状態で、さらに運転者によってスタータボタンやキースイッチが操作されると、スタータスイッチ6はこれを検出し、ON信号をECU5に送信する。
一方、サブマイコン52は、第2クラッチスイッチ72からのON信号、及びメインマイコン51を介したスタータスイッチ6からのON信号の両方を受信している間のみ、スタータ9を駆動可能であると判断し、作動許可信号を第2リレー駆動回路54へ送信する。第2リレー駆動回路54は、サブマイコン52からの作動許可信号を受信している間のみ、第2リレー32を駆動する。
また、クランキング中に2つのリレー31,32及び2つのクラッチスイッチ71,72のうちの何れかがON故障した場合を想定する。この場合、運転者がクラッチペダルの踏込みを解除したとしても、ON故障した系のリレーはONに維持されたままとなる。しかしながら、ON故障していない系のリレーは、クラッチペダルの踏込みを解除したことに応じて適切にOFFにされるため、バッテリ2とスタータ9との導通は確実に遮断され、スタータ9が回り続けるのを防止することができる。
走行中の車両において上述の自動停止条件が成立すると、エンジンは自動停止する。その後、運転者の操作によってクラッチペダルが踏み込まれると、2つの第1、第2クラッチスイッチ71,72がそれぞれ独立してこれを検出し、異なるタイミングでON信号をECU5に送信する。
一方、サブマイコン52は、エンジンが自動停止した状態において第2クラッチスイッチ72からのON信号を受信すると、スタータ9を駆動させる必要があると判断し、作動許可信号を第2リレー駆動回路54へ送信する。第2リレー駆動回路54は、サブマイコン52からの作動許可信号を受信している間のみ、第2リレー32を駆動する。
また、このようなシフトポジションセンサを備える場合、例えば、シフトポジションセンサ及びクラッチスイッチの何れか一方を第1信号出力手段としてメインマイコンに接続し、他方を第2信号出力手段としてサブマイコンに接続してもよい。この場合、アイドルストップ復帰始動の際には、クラッチスイッチが接続された方のマイコンでは、クラッチスイッチからのON信号を受信したことに応じて作動許可信号をリレー駆動回路へ送信し、シフトポジションセンサが接続された方のマイコンではシフトポジションセンサからシフトポジションがニュートラルポジションであることを示す信号を受信したことに応じて作動許可信号をリレー駆動回路へ送信するようにしてもよい。
次に、本発明の第2実施形態を、図面を参照して説明する。なお以下では、上記第1実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
ECU5Aの入力端子BRKSW1には、ECU5Aの外部から第1ブレーキスイッチ71Aが接続され、入力端子BRKSW2には、ECU5Aの外部から第2ブレーキスイッチ72Aが接続される。
第1ブレーキスイッチ71Aは、ブレーキペダルの踏込み量が所定の第1踏込み量以上である間はブレーキペダルが踏込まれていることを示すON信号を出力し、ブレーキペダルの踏込み量が第1踏込み量より小さい間はブレーキペダルが踏込まれていないことを示すOFF信号を出力する。
第2ブレーキスイッチ72Aは、ブレーキペダルの踏込み量が上記第1踏込み量よりも大きな第2踏込み量以上である間はブレーキペダルが踏込まれていることを示すON信号を出力し、ブレーキペダルの踏込み量が第2踏込み量より小さい間はブレーキペダルが踏込まれていないことを示すOFF信号を出力する。すなわち、第1ブレーキスイッチ71Aは、第2ブレーキスイッチ72Aと比較して、より浅い踏込みでONとOFFが切り替わる。つまり、これらスイッチ71A,72Aは、共通のブレーキペダルの踏込みに応じてON信号又はOFF信号を出力するものであるが、これら信号をECU5Aに出力する契機がことなっている。なお、これらOFF信号及びON信号のうち何れかは無信号としてもよい。
サブマイコン52Aは、第2ブレーキスイッチ72A及びメインマイコン51Aを介して接続されたスタータスイッチ6からの入力に基づいてスタータ9の駆動可否又は駆動要否を判断した上で、スタータ9に対する作動許可信号を、第2リレー駆動回路54に直接送信する。
運転者の操作によって図示しないブレーキペダルが踏み込まれると、2つの第1、第2ブレーキスイッチ71A,72Aがそれぞれ独立してこれを検出し、異なるタイミングでON信号をECU5Aに送信する。この状態で、さらに運転者によってスタータボタンやキースイッチが操作されると、スタータスイッチ6はこれを検出し、ON信号をECU5Aに送信する。
一方、サブマイコン52Aは、第2ブレーキスイッチ72AからのON信号、及びメインマイコン51Aを介したスタータスイッチ6からのON信号の両方を受信している間のみ、スタータ9を駆動可能であると判断し、作動許可信号を第2リレー駆動回路54へ送信する。第2リレー駆動回路54は、サブマイコン52からの作動許可信号を受信している間のみ、第2リレー32を駆動する。
走行中の車両において上述の自動停止条件が成立すると、エンジンは自動停止する。その後、運転者の操作によってブレーキペダルの踏込みが解除されると、2つの第1、第2ブレーキスイッチ71A,72Aがそれぞれ独立してこれを検出し、ブレーキペダルの踏込みが解除されたことを示すOFF信号をECU5Aに送信する。
一方、サブマイコン52Aは、エンジンが自動停止した状態において第2ブレーキスイッチ72AからのOFF信号を受信すると、スタータ9を駆動させる必要があると判断し、作動許可信号を第2リレー駆動回路54へ送信する。第2リレー駆動回路54は、サブマイコン52Aからの作動許可信号を受信している間のみ、第2リレー32を駆動する。
また、上記第2実施形態では、メインマイコン51A及びサブマイコン52Aには、それぞれ2値信号を出力するスイッチ71A,72Aを接続したが、本発明はこれに限らない。スイッチ71A,72Aは、ブレーキペダルの踏込み量を0〜100%の間で連続的に検出し、検出値に略比例したレベルの信号を出力するストロークセンサで代用することもできる。ただしこの場合、メインマイコン51Aとサブマイコン52Aとでは、ストロークセンサの検出値と閾値とを比較することでスタータ9の駆動可否又は駆動要否を判断することとなるが、メインマイコン51Aとサブマイコン52Aとで閾値を違う値にすることにより、メインマイコン51Aでスタータ9の駆動を許可する条件とサブマイコン52Aでスタータ9の駆動を許可する条件を違うものにできるので、上記第2実施形態と同じ効果を得ることができる。また、メインマイコン51A及びサブマイコン52Aのうち、何れか一方のみに上述のようなストロークセンサを接続し、他方にクラッチスイッチを接続しても同じ効果を得ることができる。
また、ブレーキスイッチの他このようなシフトポジションセンサやパーキングブレーキセンサを備える場合、例えば、ブレーキスイッチ、シフトポジションセンサ、パーキングブレーキセンサの何れかを第1信号出力手段としてメインマイコンに接続し、残りの何れかを第2信号出力手段としてサブマイコンに接続してもよい。この場合、アイドルストップ復帰始動の際には、メインマイコンとサブマイコンとでそれぞれ異なる入力に応じて作動許可信号をリレー駆動回路へ送信するようにしてもよい。
2…バッテリ(蓄電装置)
31…第1リレー
32…第2リレー
5,5A…ECU
51,51A…メインマイコン(主制御装置)
52,52A…サブマイコン(副制御装置)
53…第1リレー駆動回路(第1駆動装置)
54…第2リレー駆動回路(第2駆動装置)
55…ディレイ回路(遅延回路)
6…スタータスイッチ
71…第1クラッチスイッチ(第1信号出力手段)
71A…第1ブレーキスイッチ(第1信号出力手段)
72…第2クラッチスイッチ(第2信号出力手段)
72A…第2ブレーキスイッチ(第2信号出力手段)
9…スタータ
Claims (5)
- エンジンのスタータに電力を供給する蓄電装置と、
前記スタータと前記蓄電装置とを接続する第1リレー及び第2リレーと、
前記第1、第2リレーを制御する主制御装置及び副制御装置と、
前記主制御装置と接続され、当該主制御装置から前記スタータに対する作動許可信号が送信されている場合に前記第1リレーを駆動する第1駆動装置と、
前記副制御装置と接続され、当該副制御装置から前記スタータに対する作動許可信号が送信されている場合に前記第2リレーを駆動する第2駆動装置と、
所定の第1条件が成立したことを契機として第1条件成立信号を出力する第1信号出力手段と、
前記第1条件とは別の第2条件が成立したことを契機として第2条件成立信号を出力する第2信号出力手段と、を備え、
前記第1リレー及び前記第2リレーの両方を駆動すると前記蓄電装置と前記スタータとが導通し、前記エンジンを始動させるスタータ駆動装置であって、
前記主制御装置と前記第1駆動装置とは前記主制御装置から送信された信号を所定時間保持する遅延回路を介して接続され、
前記副制御装置と前記第2駆動装置とは遅延回路を介さずに直接接続され、
前記主制御装置は、前記第1信号出力手段からの入力に基づいて、前記スタータを駆動可能である又は駆動させる必要があると判断した場合には、作動許可信号を前記第1駆動装置へ送信し、
前記副制御装置は、前記第2信号出力手段からの入力に基づいて、前記スタータを駆動可能である又は駆動させる必要があると判断した場合には、作動許可信号を前記第2駆動装置へ送信することを特徴とするスタータ駆動装置。 - 前記副制御装置は、前記蓄電装置から前記スタータに電力を供給し前記エンジンを始動している間も継続して作動できることを特徴とする請求項1に記載のスタータ駆動装置。
- 前記副制御装置の最低作動電圧は、前記主制御装置の最低作動電圧よりも低いことを特徴とする請求項2に記載のスタータ駆動装置。
- 前記第1信号出力手段は、クラッチペダルの踏込みに応じて信号を出力する第1クラッチスイッチであり、
前記第2信号出力手段は、クラッチペダルの踏込みに応じて信号を出力する第2クラッチスイッチであることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のスタータ駆動装置。 - 前記第1信号出力手段は、ブレーキペダルの踏込みに応じて信号を出力する第1ブレーキスイッチであり、
前記第2信号出力手段は、ブレーキペダルの踏込みに応じて信号を出力する第2ブレーキスイッチであることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のスタータ駆動装置。
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