JP2004066656A - 熱転写印刷物 - Google Patents
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Abstract
【課題】すぐれた金属光沢を発現する高品位なフルカラー印刷物を提供すること。
【解決手段】光透過性受像シートの一方の面に感熱転写法により画像を形成して、前記光透過性受像シートの他方の面側から前記形成画像を認識ないし鑑賞し得るようにした熱転写印画物であって、前記光透過性受像シート上に、昇華型熱転写により形成された着色画像、易接着性保護層、および金属光沢を有する熱転写画像がこの順序で形成されてなることを特徴とする熱転写印刷物。
【選択図】 なし
【解決手段】光透過性受像シートの一方の面に感熱転写法により画像を形成して、前記光透過性受像シートの他方の面側から前記形成画像を認識ないし鑑賞し得るようにした熱転写印画物であって、前記光透過性受像シート上に、昇華型熱転写により形成された着色画像、易接着性保護層、および金属光沢を有する熱転写画像がこの順序で形成されてなることを特徴とする熱転写印刷物。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、昇華転写による感熱転写法によって作製されたカラー画像印刷物に関し、さらに感熱転写法によって高輝度の金属光沢を有する画像が形成された熱転写印刷物に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
近年、高輝度の蒸着銀層を有するカラー印刷物は、特に表示用パネル、照明パネル、広告用印刷パネル、装飾パネル、スイッチパネル、キーボード操作パネル、押し釦スイッチパネルなどの比較的高品位の印刷物としてその需要が高まりつつある。
【0003】
通常、これらのカラー印刷パネルとしては、高品位のフルカラー印刷物が求められていると同時に、さらに金属光沢を有する高輝度印刷物が求められている。
【0004】
従来、このような金属光沢を有するフルカラー印刷物を製造する場合、金属光輝色を持つインクを用いて、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷などの印刷方法で樹脂シートに印刷する方法が一般的である。
【0005】
しかしながら、このような従来の技術では、十分な金属光輝色を発現するインク組成物を調製することが困難であるばかりでなく、中間調の色を印刷しようとする場合には面積階調方式で表現しなければならず、そのためフルカラー印刷と呼び得る印刷物を製作することは困難であった。
【0006】
本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、すぐれた金属光沢を発現する高品位なフルカラー印刷物を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決する手段】
本発明に係る熱転写印刷物は、光透過性受像シートの一方の面に感熱転写法により画像を形成して、前記光透過性受像シートの他方の面側から前記形成画像を認識ないし鑑賞し得るようにした熱転写印画物であって、前記光透過性受像シート上に、昇華型熱転写により形成された着色画像、易接着性保護層、および金属光沢を有する熱転写画像がこの順序で形成されてなることを特徴とするものである。
【0008】
本発明の好ましい態様においては、上記前記易接着性保護層が少なくとも1層以上の組み合わせによって構成することができる。この場合、易接着保護層の厚さは、0.5〜10μmの範囲にあることが好ましい。
【0009】
また、上記易接着保護層としては、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系系樹脂、アクリル系共重合樹脂、芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリアミドイミド樹脂、およびこれらの混合物からなる群から選ばれた樹脂成分を1つ以上含有していることが好ましい。
【0010】
さらに、本発明の好ましい態様においては、上記易接着保護層を構成する樹脂のTg(ガラス転移温度)は、70℃以上300℃未満である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に係る熱転写印刷物は、光透過性受像シートの一方の面に感熱転写法により画像を形成して、前記光透過性受像シートの他方の面側から前記形成画像を認識ないし鑑賞し得るようにした熱転写印画物において、前記光透過性受像シート上に、昇華型熱転写により形成された着色画像、易接着性保護層、および金属光沢を有する熱転写画像がこの順序で形成されてなることを特徴とする。
【0012】
以下、本発明のこれら各層を形成する態様、材料につき説明する。
【0013】
光透過性受像シート
本発明において、光透過性受像シートは、透明性を有する支持体とこの支持体上に形成された昇華性染料受容層とからなる。
【0014】
受像シートの支持体としては、ポリエステル、ポリカーボネート、アクリル、アクリロニトリル、スチレン、塩化ビニル、オレフィンなどの光透過性熱可塑性樹脂シートが用いられ得る。厚みは、0.05〜0.5mm程度が好ましい。なお、本発明において、光透過性とは、透明のみならず半透明の場合をも含む。
【0015】
透明樹脂シートの一方の面には昇華型熱転写印刷適正を高めるため受容層が形成される。
【0016】
また、受容層の反対の面には必要に応じてハードコートや光低反射コートなどを施してもよい。
【0017】
昇華性染料受容層については、特開平9−11645などに例示されるような、昇華型印刷方式に適用される公知の受容層であれば良く、特に限定されるものではないが、塩化ビニルと酢酸ビニルを主単量体とする共重合体が好ましく、他の単量体成分としては、ビニルアルコール、プロピオン酸ビニルなどのビニルアルコール誘導体、アクリル酸およびメタクリル酸およびそれらのメチル、エチル、プロピル、ブチル、2−エチルヘキシルエステルなどのアクリル酸およびメタクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジオクチルなどのマレイン酸誘導体、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテルなどのビニルエーテル誘導体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレンなどがあげられる。
【0018】
染料受容層は任意の厚さでよいが、一般的には3〜50μm程度の厚さが適当である。又、このような染料受容層は連続被覆であるのが好ましいが、樹脂エマルジョンや樹脂分散液を使用して、不連続の被覆として形成してもよい。このような受像シートは基本的には上記の如くで、そのままでも十分に使用することができるものであるが、上記受像シート又はその染料受容層中に、粘着防止用の無機粉末を包含させることができ、このようにすれば熱転写時の温度をより高めても熱転写シートと受像シートとの粘着を防止して、更に優れた熱転写を行うことが出来る。特に好ましいのは、微粉末のシリカである。
【0019】
又、上記のシリカの如き無機粉末に代えて、又は併用して、離型性の良好な前述の如き樹脂を添加してもよい。特に好ましい離型性ポリマーは、シリコーン化合物の硬化物、例えば、エポキシ変性シリコーンオイルとアミノ変性シリコーンオイルからなる硬化物等が挙げられる。このような離型剤は、染料受容層の重量の約0.5〜30重量%を占める割合が良い。又、使用する受像シートは、その染料受容層の表面に、上記の如き無機粉体を付着させて粘着防止効果を高めてもよいし、又、前述の如き離型性に優れた離型剤からなる層を設けてもよい。このような離型層は約0.01〜5μmの厚さで十分な効果を発揮して、熱転写シートの染料受容層との粘着を防止しつつ、一層染料受容性を向上させることができる。
【0020】
染料熱転写シート
上記光透過性受像シート上に昇華転写画像を形成するために用いられる熱転写シートは、基本的には従来公知の材料と同様に基材フイルム上に必要に応じて中間層を介して染料層を形成してなる。
【0021】
熱転写シートの基材フイルムとしては、従来公知のある程度の耐熱性と強度を有するものであればいずれのものでもよく、例えば、0.5〜50μm、好ましくは3〜10μm程度の厚さの紙、各種加工紙、ポリエステルフイルム、ポリスチレンフイルム、ポリプロピレンフイルム、ポリサルホンフイルム、アラミドフイルム、ポリカーボネートフイルム、ポリビニルアルコールフイルム、セロファン等であり、特に好ましいものはポリエステルフイルムである。これらの基材フイルムは枚葉式であってもよいし、連続フイルムであってもよく特に限定されない。
【0022】
さらにこれらの基材は、染料層と反対の面にサーマルヘッドの熱によるステッキングや印字しわなどの悪影響を防止するため、必要ならばプライマー層を介して耐熱層を設けてもよい。耐熱層は、従来公知のものであればよく、例えば、熱硬化性樹脂やシリコーン樹脂等の変性樹脂単独、または各種架橋剤を併用し、界面活性剤、オイル、有機金属塩あるいはワックスなどの滑剤やタルク等の充填剤等を添加し、適当な溶剤により、溶解又は分散させて、耐熱層形成用インキを調製し、これを、上記の基材シートの一方の面に、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースコーティング法等
の形成手段により塗布し、乾燥して耐熱層を形成することができる。
【0023】
上記基材フイルムの表面に形成する染料層は、染料を任意のバインダー樹脂で担持させた層である。染料バインダーとしては、従来公知の樹脂バインダーがいずれも使用でき、好ましいものを例示すれば、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。これらの中で、耐熱性、染料の移行性等の観点からセルロース系、アセタール系、ブチラール系及びポリエステル系等が特に好ましい。
【0024】
また、上記の樹脂バインダーに代えて、次のような離型性グラフトコポリマーを離型剤またはバインダーとして用いることができる。この離型性グラフトコポリマーは、ポリマー主鎖にポリシロキサンセグメント、フッ化炭素セグメント、フッ化炭化水素セグメント、または長鎖アルキルセグメントから選択された少なくとも1種の離型性セグメントをグラフト重合させてなるものである。これらのうち、特に好ましいのはポリビニルアセタール樹脂からなる主鎖にポリシロキサンセグメントをグラフトさせて得られたグラフトコポリマーである。
【0025】
この場合に使用する染料としては、従来公知の熱転写シートに使用されている染料はいずれも本発明に有効に使用可能であり特に限定されない。例えば、幾つかの好ましい染料としては、赤色染料として、MS Red G、Macrolex Red Violet R、CeresRed7B、Samaron Red HBSL、Resolin Red F3BS等が挙げられ、又、黄色の染料としては、ホロンブリリアントイエロー6GL、PTY−52、マクロレックスイエロー6G等が挙げられ、又、青色染料としては、カヤセットブルー714、ワクソリンブルーAP−FW、ホロンブリリアントブルーS−R、MSブルー100等が挙げられる。また、上記染料層は、その他必要に応じてポリエチレンパウダー等の有機フィラーや従来公知と同様な各種の添加剤をも包含することができる。
【0026】
易接着保護層転写シート
上記の昇華転写画像上に、易接着保護層転写シートを用いて易接着保護層を転写することによって、後述する金属光沢を有する熱転写印刷層を転写可能にし、これにより接着性が向上する。また、金属光沢を有する熱転写印刷層を印刷するときの熱などにより先に形成された染料画像のにじみを抑制することができる。さらに金属光沢を持つ熱転写印刷をするため下地を平滑にするなどして転写層の密着を補助することが可能となる。
【0027】
通常、フルカラー印刷物を形成する場合、昇華型熱転写印刷の印刷面に直接、アルミなどを蒸着したり、金属蒸着膜をホットスタンプなどの手法で形成したり、あるいは金属光沢を有するインクを塗布する方法などが考えられるが、昇華印刷層は一般に耐熱性、耐溶剤性に乏しいため、昇華印刷層の印刷品位を著しく劣化させるという問題があるが、本発明においては、易接着保護層を設けるようにしたので、このような問題を解消することができる。
【0028】
なお、本発明において、易接着保護層転写シートの易接着保護層は単層でも多層構造をとってもよい。
【0029】
保護層形成用樹脂としては、上記に示す理由によりポリエステル系樹脂、芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系共重合樹脂、ポリアミドイミド樹脂、これらの各樹脂を少なくとも1つ含有する混合物が好ましい。
【0030】
ポリエステル樹脂としては、例えば、ジオール成分および酸成分が一種類以上の脂環族化合物を有する脂環族ポリエステル樹脂である。上記の脂環族化合物の例としては、酸成分の場合、2個以上のカルボキシル基を有し、ジオール成分の場合、2個以上の水酸基を有する限りいずれの脂環族化合物を用いてもよいが、本発明において好適な例としては、例えば、トリシクロデカンジメタノール(TCD−M)、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサンジメタノール、および、シクロヘキサンジオール等が挙げられ、特に好適なジオールの例は、トリシクロ[5.2.1.02.6]デカン−4,8−ジメタノールである。上記のような脂環族化合物を必須成分としたジオール成分または酸成分を使用する限り、他のジオール成分および酸成分を併用することができる。このような他のジオールとしては、例えば、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングルコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、2,3,4−トリメチル−1.3−ペンタンジオール、3−メチルペンテン−1,5−ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAまたは水素化ビスフェノールAのエチレンオキシドあるいはプロピレンオキシド付加物、ポリエチレングルコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングルコール、ポリブチレングリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−n−ブチル−エチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。これらの他のジオールは、ジオール成分全体のうちで0〜90重量%の範囲で使用することができる。上記ジオールと反応させるシクロヘキサンジカルボン酸以外の他の酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、2,6−ナフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸、p−(ヒドロキシエトキシ)安息香酸等の芳香族オキシカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セパシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、トテラヒドロフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の不飽和脂肪族及び脂環族ジカルボン酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等のトリおよびテトラカルボン酸等が使用可能である。これらのポリカルボン酸のうちでは特に芳香族ジカルボン酸が好ましい。ポリエステルの製造方法自体は、脱水縮合、エステル交換縮合等の公知の方法でよい。これらのポリエステル樹脂は、粘度平均分子量を1,000〜10,000の範囲内、ガラス転移温度Tgを80℃以上とすることが好ましい。粘度平均分子量が1,000未満であると、ポリマーの特性が小さくなりオリゴマーの特性がでてくるため、塗膜の機械強度が乏しく保護層として不充分であり、また、10,000を超えると、箔切れ性が低下し、好ましくない。また、ガラス転移温度Tgが80℃未満であると、印画物作製時または印画物保存時に画像のにじみが生じ好ましくない。さらに、本発明では、上記の脂環族ポリエステルはそのままでもよいし、また、ウレタン化等の変性を施して使用してもよく、さらに、単独でも混合物としても使用することができる。
【0031】
芳香族ポリカーボネート樹脂としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン〔ビスフェノールC〕から誘導された下記一般式1で表されるホモポリカーボネート樹脂(上記式1中、nは整数を表す)や1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン〔ビスフェノールZ〕から誘導された下記一般式3で表されるホモポリカーボネート樹脂(上記式4中、nは整数を表す)や上記一般式1で表される構成単位と、2,2−ビス(4−ヒドリキシフェニル)プロパン〔ビスフェノールA〕から誘導された下記一般式2で表される構成単位とのランダム共重合ポリカーボネート樹脂(一般式2で表される構成単位が70モル%以下の範囲で含有される)等を挙げることができる。
【0032】
【化1】
(上記式中、nは、18〜354の整数を表す)
【化2】
(上記式中、nは、19〜393の整数を表す)
【化3】
(上記式中、nは、18〜340の整数を表す)
これらの芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は、5,000〜100,000、より好ましくは10,000〜50,000である。5,000未満であると、得られた塗膜の機械強度に乏しく保護膜として不充分であり、また100,000を超えると、汎用溶剤への溶解性や、他の樹脂とブレンドして用いる際の相容性が損なわれるという問題がある。
【0033】
ポリスチレン樹脂としては、下記構造式で表されるスチレン系モノマーが単独で重合したスチレン系ホモポリマーであり、耐光性、耐熱性に優れ、充分な透明性を有したものである。スチレン系ホモポリマーは、転写性、切れ性の点から、その分子量は重量平均で10,000〜500,000程度のものが好ましい。
【0034】
アクリル系共重合樹脂としては、メチルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルアクリレート、エチルメタアクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタアクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタアクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタアクリレート、ターシャリーブチルアクリレート、ターシャリーブチルメタアクリレート、イソデシルアクリレート、イソデシルメタアクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタアクリレート、ラウリルトリデシルアクリレート、ラウリルトリデシルメタアクリレート、トリデシルアクリレート、トリデシルメタアクリレート、セリルステアリルアクリレート、セリルステアリルメタアクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタアクリレート、エチルヘキシルアクリレート、エチルヘキシルメタアクリレート、オクチルアクリレート、オクチルメタアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタアクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタアクリレート等の非官能性モノマー並びに一官能性モノマー、例えば、メタクリル酸、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタアクリレート、ターシャリーブチルアミノエチルアクリレート、ターシャリーブチルアミノエチルメタアクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタアクリレート等が挙げられる。また、多官能性モノマーでは、例えば、エチレンジアクリレート、エチレンジメタアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタアクリレート、デカエチレングリコールジアクリレート、デカエチレングリコールジメタアクリレート、ペンタデカエチレングリコールジアクリレート、ペンタデカエチレングリコールジメタアクリレート、ペンタコンタヘクタエチレングリコールジアクリレート、ペンタコンタヘクタエチレングリコールジメタアクリレート、ブチレンジアクリレート、ブチレンジメタアクリレート、アリルアクリレート、アリルメタアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジメタアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジメタアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジメタアクリレート、ネオペンチルグリコールペンタアクリレート、ネオペンチルグリコールペンタメタアクリレート、ホスファゼンヘキサアクリレート、ホスファゼンヘキサメタアクリレート等が挙げられる。更に、アクリル酸、メタアクリル酸またはその官能基誘導体を反応させてなるポリエステルアクリレート、ポリエステルメタアクリレート、エポキシアクリレート、エポキシメタアクリレート、ウレタンアクリレート、ウレタンメタアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエーテルメタアクリレート等の反応性重合体も使用できる。アクリル系共重合樹脂に導入される極性基としては、アンモニウム塩、スルホン酸塩、酢酸塩等が挙げられるが、好ましくは、アンモニウム塩が導入されているものがよい。また、これらの極性基が導入されたアクリル系共重合樹脂、或いは、極性基が導入されていないアクリル系共重合樹脂等はエポキシ樹脂等の架橋剤で架橋してもよい。
【0035】
ポリアミドイミド樹脂としては、下記構造式で示される耐光性、耐熱性に優れ、充分な透明性を有したものである。
【0036】
本発明においては、耐光性を向上させるため、上記樹脂と併用して紫外線遮断性樹脂を含有してもよい。紫外線遮断性樹脂としては、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、ニッケルキレート系、ヒンダートアミン系のような従来公知の非反応性の有機系紫外線吸収剤に、付加重合性二重結合(例えばビニル基、アクリロイル基、メタアクリロイル基など)、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基のような反応性基を導入したものを用いることができる。
【0037】
保護層形成用樹脂の種類、層数にもよるが、通常は0.5〜10μm程度の厚さに形成する。
【0038】
好ましくは、1〜5μmの厚さに形成する。0.5μm以下の場合は、染料画像のにじみが発生しやすくなる傾向がみられ、10μm以上の厚さでは、転写性、切れ性が不充分となるので好ましくない。
【0039】
金属光沢層転写シート
本発明における金属蒸着層を形成するための熱転写シートは、特開平9−207463号に例示されるような金属蒸着の熱転写シートを使用することができ、また、以下に示すような金属インク転写シートを使用してもよく、特に限定されるものではない。
【0040】
金属光沢層転写シートの構成としては、基材シート上に、金属蒸着保護層、金属蒸着層、接着層の順に積層してなるものが使用可能である。
【0041】
金属蒸着層は、例えばアルミニウム、亜鉛、スズ、クロム、金、銀などの金属、あるいは真ちゅうなどの合金などを真空蒸着法、スパッタリング法などの真空下によるメタライジング法、すなわち、物理蒸着法(PVD:PhysicalVapor Deposion)で形成した薄膜の金属膜層がある。金属蒸着層4の厚みは、200〜400Åが好ましい。厚みが200Å未満の場合、金属光沢が不足し、400Åを越えると、箔切れ、印字(記録)感度が悪くなる。
【0042】
金属蒸着層の上には金属蒸着保護層として、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂等の架橋樹脂を使用することが望ましい。これらは金属蒸着層を形成する際、基材フィルムなどを蒸着時の熱から保護し、また転写記録後に金属蒸着層の上層に位置し、金属蒸着層に対する擦り傷や腐食などの機械的および化学的強度を向上させる保護層として機能し、かつ、金属蒸着層の下地を提供し、蒸着面の平滑性を付与させて、金属光沢を実現させるものである。
【0043】
また、金属蒸着保護層に染料、顔料の着色剤を添加することにより、色付きの金属光沢を有する記録物が得られる。但し、金属蒸着層の金属光沢を阻害させないように、上記の着色剤は、蒸着保護層の透明性を維持すればよく、種類など限定させるものではない。尚、着色剤は、金属光沢性を向上させるため、染料が好ましいが、耐候性を上げるため、光、熱、温度などにより、変退色しない顔料を使用してもよい。金属蒸着保護層は、従来公知のグラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の形成手段により、塗布し、乾燥して得られる。ハクリ層の塗布量は、乾燥状態で0.5〜2.5g/m2程度が好ましい。塗布量が0.5g/m2未満では金属蒸着層に対する擦り傷や腐食などの機械的および化学的強度を向上させ、また金属光沢を実現させることができない。また、塗布量が2.5g/m2を越えると、印字(記録)感度が低下してくる。
【0044】
金属光沢層転写シートの接着層は、金属蒸着層および易接着保護層との接着を付与させるものであり、従来公知の熱可塑性樹脂を使用することが可能であるが、金属蒸着層および易接着保護層との接着性が良好である、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエステル、アクリルなどが好ましい。接着層は、従来公知のグラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の形成手段により、塗布し、乾燥して得られる。接着層5の塗布量は、乾燥状態で0.5〜1.0g/m2程度が好ましい。塗布量が0.5g/m2未満では、十分な接着力が得られず、1.0g/m2を越えると、箔切れ、印字(記録)感度が悪くなり、好ましくない。また、接着層は熱転写シートを巻形状で保存する際に、接触面の背面層ないし、基材フィルムとのブロッキング防止剤として、高級脂肪酸のアミド、エステルおよび塩、フッ素樹脂、無機物質の粉末などを添加してもよい。
【0045】
金属インク転写シートの構成としては、基材シート上に、剥離層、金属インキ層の順に積層してなる。また、易接着保護層との接着性を向上させるために、更に接着層を設けても良い。
【0046】
剥離層上に設ける金属インキ層は、熱可塑性樹脂と金属粉から構成され熱溶融性ワックス成分を含有しないものが良い。熱可塑性樹脂としては、サーマルヘッドの熱では完全な溶融状態は示さないが、50〜200℃の軟化点を有するものが好ましく、具体的には、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体等のポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、石油系樹脂、フェノール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ゴム系樹脂等が挙げられる。さらにこれらの中でも、基材シートと相溶性の良好なポリエステル系樹脂が好ましく用いられる。
【0047】
金属粉としては、金、銀、銅、ブロンズ、アルミニウム、クロム、錫、鉛、亜鉛、鉄、マグネシウム、コバルトおよびこれらの合金類が用いられる。これら金属粉の中では、光沢性やコストの点を考慮するとアルミニウム粉末およびブロンズ粉が好ましい。一般に、銀色はアルミニウム、金色はブロンズが用いられる。ブロンズには、5号色(銅90%、亜鉛10%の合金)及び7号色(銅75%、亜鉛25%の合金)があり、これらを単独または、色調に合わせて適宜混合して用いることができる。 また、これらの金属粉の粒径は、印字画像の隠蔽性、転写感度、輝度等を考慮して任意に選択することができる。金属粉は粒径が大きくなるに従い輝度は増すが、印字物の隠蔽力が低下して被転写紙の地色が透けてみえるといった問題がある。また印字自体にも高い印字エネルギーが必要となってしまう。逆に粒径が小さくなると隠蔽性が増し、低エネルギーでの印字が可能となるが輝度低下の問題がある。従って粒径は、平均粒径(レーザー法で測定)で1〜20μmが好ましく、特に1〜10μmが好ましい。1μm以下の場合輝度低下の問題があるし、20μm以上の場合、隠蔽性、転写性が低下する。
【0048】
金属粉と熱可塑性樹脂の割合は、金属粉100重量%に対し、熱可塑性樹脂10〜1000重量%の割合で用いられるが、より薄膜で輝度を出すため、好ましくは金属粉100重量%に対し、熱可塑性樹脂10〜50重量%の割合で用いられる。その他、金色はアルミニウムを分散した熱可塑性樹脂中に黄色染料、又は黄色顔料を混合して用いることもできる。この場合、アルミニウム100重量%に対し、熱可塑性樹脂10〜1000重量%、黄色染料、又は黄色顔料は1〜100重量%が好ましい。又、黄色染料、又は黄色顔料は上記剥離層中に含有させることも可能であり、その場合剥離層の主成分であるワックス成分100重量%に対し1〜50重量%の割合で含有させることが好ましい。
【0049】
金属インキ層の形成は、上記材料を用いて、ホットメルトコート、ホットラッカーコート、ロールコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、ナイフコート等のコーティング法により基材シート上に塗工することにより厚さ0.2〜10μmの金属インキ層を形成する。金属インキ層の厚さが0.2μm以下の場合、受像紙の隠蔽性、金属光沢感の低下という点で好ましくない。厚さが10μm以上の場合、転写の際、過多のエネルギーを必要とし、印字感度が低下するという点で好ましくない。尚、金属インキ層は、水分が金属粉と反応して水素を発生するため水系インキとして用いることは好ましくない。
【0050】
また、金属インキ層中には必要に応じて、分散剤や沈降防止剤等の添加剤を加えることができる。これらの物質を添加することにより、金属インキ層中での金属顔料の分散性が向上し、その結果印字物の輝度を効果的に向上させることができる。
【0051】
さらに、金属インキ層上に易接着保護層との接着性を向上させ、印字品質を良好にするための接着層を設けることも可能である。接着層は、従来公知のいずれの接着剤でもよいが、好ましい接着剤は最低成膜温度が50〜100℃、粒径が0.1〜10μmである熱可塑性樹脂粒子を熱溶融性ワックス中に分散させたものが好ましい。ワックス中に微粒子を分散させておくことにより印字時、その部分だけが成膜して転写され、その結果、解像度が向上するという利点がある。最低成膜温度が50℃以下の場合保存性が低下する。最低成膜温度が100℃以上の場合転写の際、過多のエネルギーを必要とし、印字感度が低下するという問題が生じる。また、粒径が0.1μm以下のものを用いた場合、種々の受像紙に対応できない。粒径が10μm以上のものを用いた場合、前述同様に印字エネルギー不足という問題が生じる。ここで、熱可塑性樹脂粒子としてはポリオレフィン系微粒子が最適な成膜温度を有する点で好ましく用いられる。熱溶融性ワックスとしては、前述のワックス類が用いられる。接着層の形成は、上記材料を用いて、ホットメルトコート、ホットラッカーコート、ロールコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、ナイフコート等のコーティング法により基材シート上に塗工することにより厚さ0.1〜3μmの接着層を形成する。接着層の厚さ0.1μm以下の場合、種々の受像紙に対して良好な接着が困難となる可能性があるので、好ましくない。また、厚さ3μm以上の場合は、前述と同様に印字感度が低下するので好ましくない。
【0052】
【実施例】
以下、本発明を製造例に基づいて具体的に説明する。
【0053】
光透過性受像シートの作製
基材シートとして、厚さ125μmのPET(東レ(株)製 ルミラーT60)を用い、その一方の面に下記組成の受容層用塗工液をワイヤーバーコーティング法により塗布(5.0g/m2:固形分)した後、110℃で30秒間乾燥して熱転写受像シートを得た。
【0054】
(受容層用塗工液)
・塩化ビニル酢酸ビニル共重合体 … 10重量部
(電気化学工業(株)製 電化ビニル#1000A)
・エポキシ変性シリコーン … 1重量部
(信越化学工業(株)製 X−22−3000T)
・メチルエチルケトン/トルエン=1/1(重量比) … 40重量部
昇華転写画像形成用シートン
JVC社製カラープリンター(Trueprint3500)用メディアを使用した。
【0055】
易接着保護シートの作製
厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製ルミラー)の一方の面に下記の背面層用インキをワイヤーバーコーティング法により塗布、乾燥後、さらに加熱熟成して硬化処理を施し、背面層(厚さ1μm)を形成した。
【0056】
(背面層用インキの組成)
・ ポリビニルブチラール樹脂 3.6重量部
(積水化学工業(株)製 エスレックBX−1)
・ ポリイソシアネート 19.2重量部
(大日本インキ化学工業(株)製パーノックD750−45)
・ リン酸エステル系界面活性剤 2.9重量部
(第一工業製薬(株)製 プライサーフA208S)
・リン酸エステル系界面活性剤 0.3重量部
(東邦化学(株)製 フォスファノールRD720)
・ タルク 0.2重量部
(日本タルク(株)製:Y/X=0.03)
・メチルエチルケトン 33.0重量部
・トルエン 33.0重量部
次に、下記に示す塗工液を調整し、上記のポリエチレンテレフタレートフィルムの耐熱滑性層を設けた面とは反対の面にワイヤーバーコーティング法を用いて、乾燥後の総厚4μmになるように塗布した。乾燥はドライヤーで仮乾燥後、100℃のオーブンで2分間乾燥させた。このようにして、易接着保護層転写シートを作製した。
【0057】
実施例1
ポリエステル系樹脂
下記の酸成分とジオール成分から定法により合成したガラス転移温度92℃であるポリエステル樹脂
塗工液1
PES−1 10重量部
メチルエチルケトン/トルエン=1/1 90重量部
実施例2
ポリスチレン系樹脂
PS−1 市販ポリスチレン樹脂(重量平均分子量 250,000) Tg 90℃
塗工液2
PS−1 10重量部
メチルエチルケトン/トルエン=1/1 90重量部
実施例3
アクリル系樹脂
AC−1 三菱レイヨン(株)製 ダイアナールBR−75 Tg 85℃
塗工液3
AC−1 10重量部
メチルエチルケトン/トルエン=1/1 90重量部
実施例4
アクリル系樹脂
AC−2 三菱レイヨン(株)製 ダイアナールBR−83 Tg 105℃
塗工液4
AC−2 10重量部
メチルエチルケトン/トルエン=1/1 90重量部
実施例5
ポリカーボネート樹脂
PC−1 出光石油化学(株)製 タフロンA2500 Tg 150℃
塗工液5
PC−1 10重量部
メチルエチルケトン/トルエン=1/1 90重量部
実施例6
ポリカーボネート樹脂
PC−2 一般式2で示される構成単位を40モル%、一般式1で示される構成単位を60モル%含むランダム共重合体(Tg130℃)
塗工液6
PC−2 10重量部
メチルエチルケトン/トルエン=1/1 90重量部
実施例7(易接着保護層を2層とした場合)
1層目 ポリアミドイミド樹脂
PAI−1 東洋紡(株)製 MT5050 Tg260℃
2層目 ポリエステル樹脂
実施例1で使用したTg92℃のポリエステル樹脂(PES−1)
1層目
塗工液7
PAI−1 10重量部
エタノール/トルエン=1/1 90重量部
2層目
塗工液1
PES−1 10重量部
メチルエチルケトン/トルエン=1/1 90重量部
1層目及び2層目それぞれ2μの厚さで重ね塗りした。(総厚4μ)
比較例
実施例と同じ方法で下記インキ組成物を調整し易接着保護層熱転写シートを作製した。
【0058】
実施例8
塩ビ酢ビ共重合体樹脂(電気化学工業(株)製、#1000D、Tg64℃)
塗工液8
PVC−1 10重量部
メチルエチルケトン/トルエン=1/1 90重量部
比較例1
易接着保護層を設けなかった。
【0059】
なお、作製した樹脂のTgは示差走査熱量計DSC−5O((株)島津製作所製)を用い、JISK7121に基づき測定した。
【0060】
金属光沢層転写シート
上記易接着保護層に使用したポリエチレンテレフタレートフィルムの耐熱滑性層を設けた面とは反対の面にワイヤーバーコーティング法を用いて、乾燥後の総厚0.5μmになるように下記に示されるハクリ層塗工液を塗布した。次に、真空蒸着法により、アルミニウムを膜厚300Åになるように蒸着した。さらに、この金属蒸着層の上に、下記に示される接着層用塗工液をワイヤーバーコーティング法で、乾燥後の総厚1μmになるように塗布した。
【0061】
剥離層用塗工液
ポリアミドイミド樹脂 20重量部
(東洋紡(株)製、Tg:260℃)
トルエン 80重量部
接着層用塗工液
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂 20重量部
(平均重合度:330)
トルエン 80重量部
印画方法
上記のようにして得られた透明受像シート上に、昇華画像形成用熱転写シート、易接着保護層転写シート、金属光沢層転写シートを用いて、順次転写積層し、本発明の印画物を得た。なお、各転写シートの転写条件は以下の範囲内で最適値を用いた。
【0062】
転写条件
テストプリンター
サーマルヘッド3139オーム 300dpiヘッド
ラインスピード 10msec
パルスデューティ 70%
電圧 16V
印加エネルギー 0〜0.57mj/dot間で変化させた。
【0063】
評価項目
(1)画像のにじみ
透明受像シート上に、昇華転写画像を形成後、上記実施例1〜8、比較例1に基づき、易接着保護層を転写させた(比較例1の場合は、易接着保護層を転写せず)後の段階(この段階においては、未だ金属光沢層を転写していない)の印画物を90℃で10日間保存後のにじみの有無を黙視、確認した。
【0064】
評価基準
○:画像のにじみなし
△:画像のにじみがやや見られる
×:画像がにじむ
(2)金属光沢層の接着性
透明受像シート上に、昇華転写画像を形成後、上記実施例1〜8、比較例1に基づき易接着保護層を転写させた(比較例1の場合は、易接着保護層を転写せず)後、ニチバン(株)製セロテープ(R)、エルパックLP−12を該金属光沢画像上に貼り付け、90°方向に手で剥離して、金属光沢層の接着性を目視にて確認した。
【0065】
評価基準
○:印字部に変化なし(金属光沢画像が良好に接着している)
×:印字部の一部または全部が剥離する
結果を下記表1に示す。
【0066】
【0067】
【発明の効果】
上記実施例、比較例の結果からも明らかなように、本発明によれば、すぐれた金属光沢を発現する高品位なフルカラー印刷物を提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、昇華転写による感熱転写法によって作製されたカラー画像印刷物に関し、さらに感熱転写法によって高輝度の金属光沢を有する画像が形成された熱転写印刷物に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
近年、高輝度の蒸着銀層を有するカラー印刷物は、特に表示用パネル、照明パネル、広告用印刷パネル、装飾パネル、スイッチパネル、キーボード操作パネル、押し釦スイッチパネルなどの比較的高品位の印刷物としてその需要が高まりつつある。
【0003】
通常、これらのカラー印刷パネルとしては、高品位のフルカラー印刷物が求められていると同時に、さらに金属光沢を有する高輝度印刷物が求められている。
【0004】
従来、このような金属光沢を有するフルカラー印刷物を製造する場合、金属光輝色を持つインクを用いて、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷などの印刷方法で樹脂シートに印刷する方法が一般的である。
【0005】
しかしながら、このような従来の技術では、十分な金属光輝色を発現するインク組成物を調製することが困難であるばかりでなく、中間調の色を印刷しようとする場合には面積階調方式で表現しなければならず、そのためフルカラー印刷と呼び得る印刷物を製作することは困難であった。
【0006】
本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、すぐれた金属光沢を発現する高品位なフルカラー印刷物を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決する手段】
本発明に係る熱転写印刷物は、光透過性受像シートの一方の面に感熱転写法により画像を形成して、前記光透過性受像シートの他方の面側から前記形成画像を認識ないし鑑賞し得るようにした熱転写印画物であって、前記光透過性受像シート上に、昇華型熱転写により形成された着色画像、易接着性保護層、および金属光沢を有する熱転写画像がこの順序で形成されてなることを特徴とするものである。
【0008】
本発明の好ましい態様においては、上記前記易接着性保護層が少なくとも1層以上の組み合わせによって構成することができる。この場合、易接着保護層の厚さは、0.5〜10μmの範囲にあることが好ましい。
【0009】
また、上記易接着保護層としては、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系系樹脂、アクリル系共重合樹脂、芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリアミドイミド樹脂、およびこれらの混合物からなる群から選ばれた樹脂成分を1つ以上含有していることが好ましい。
【0010】
さらに、本発明の好ましい態様においては、上記易接着保護層を構成する樹脂のTg(ガラス転移温度)は、70℃以上300℃未満である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に係る熱転写印刷物は、光透過性受像シートの一方の面に感熱転写法により画像を形成して、前記光透過性受像シートの他方の面側から前記形成画像を認識ないし鑑賞し得るようにした熱転写印画物において、前記光透過性受像シート上に、昇華型熱転写により形成された着色画像、易接着性保護層、および金属光沢を有する熱転写画像がこの順序で形成されてなることを特徴とする。
【0012】
以下、本発明のこれら各層を形成する態様、材料につき説明する。
【0013】
光透過性受像シート
本発明において、光透過性受像シートは、透明性を有する支持体とこの支持体上に形成された昇華性染料受容層とからなる。
【0014】
受像シートの支持体としては、ポリエステル、ポリカーボネート、アクリル、アクリロニトリル、スチレン、塩化ビニル、オレフィンなどの光透過性熱可塑性樹脂シートが用いられ得る。厚みは、0.05〜0.5mm程度が好ましい。なお、本発明において、光透過性とは、透明のみならず半透明の場合をも含む。
【0015】
透明樹脂シートの一方の面には昇華型熱転写印刷適正を高めるため受容層が形成される。
【0016】
また、受容層の反対の面には必要に応じてハードコートや光低反射コートなどを施してもよい。
【0017】
昇華性染料受容層については、特開平9−11645などに例示されるような、昇華型印刷方式に適用される公知の受容層であれば良く、特に限定されるものではないが、塩化ビニルと酢酸ビニルを主単量体とする共重合体が好ましく、他の単量体成分としては、ビニルアルコール、プロピオン酸ビニルなどのビニルアルコール誘導体、アクリル酸およびメタクリル酸およびそれらのメチル、エチル、プロピル、ブチル、2−エチルヘキシルエステルなどのアクリル酸およびメタクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジオクチルなどのマレイン酸誘導体、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテルなどのビニルエーテル誘導体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレンなどがあげられる。
【0018】
染料受容層は任意の厚さでよいが、一般的には3〜50μm程度の厚さが適当である。又、このような染料受容層は連続被覆であるのが好ましいが、樹脂エマルジョンや樹脂分散液を使用して、不連続の被覆として形成してもよい。このような受像シートは基本的には上記の如くで、そのままでも十分に使用することができるものであるが、上記受像シート又はその染料受容層中に、粘着防止用の無機粉末を包含させることができ、このようにすれば熱転写時の温度をより高めても熱転写シートと受像シートとの粘着を防止して、更に優れた熱転写を行うことが出来る。特に好ましいのは、微粉末のシリカである。
【0019】
又、上記のシリカの如き無機粉末に代えて、又は併用して、離型性の良好な前述の如き樹脂を添加してもよい。特に好ましい離型性ポリマーは、シリコーン化合物の硬化物、例えば、エポキシ変性シリコーンオイルとアミノ変性シリコーンオイルからなる硬化物等が挙げられる。このような離型剤は、染料受容層の重量の約0.5〜30重量%を占める割合が良い。又、使用する受像シートは、その染料受容層の表面に、上記の如き無機粉体を付着させて粘着防止効果を高めてもよいし、又、前述の如き離型性に優れた離型剤からなる層を設けてもよい。このような離型層は約0.01〜5μmの厚さで十分な効果を発揮して、熱転写シートの染料受容層との粘着を防止しつつ、一層染料受容性を向上させることができる。
【0020】
染料熱転写シート
上記光透過性受像シート上に昇華転写画像を形成するために用いられる熱転写シートは、基本的には従来公知の材料と同様に基材フイルム上に必要に応じて中間層を介して染料層を形成してなる。
【0021】
熱転写シートの基材フイルムとしては、従来公知のある程度の耐熱性と強度を有するものであればいずれのものでもよく、例えば、0.5〜50μm、好ましくは3〜10μm程度の厚さの紙、各種加工紙、ポリエステルフイルム、ポリスチレンフイルム、ポリプロピレンフイルム、ポリサルホンフイルム、アラミドフイルム、ポリカーボネートフイルム、ポリビニルアルコールフイルム、セロファン等であり、特に好ましいものはポリエステルフイルムである。これらの基材フイルムは枚葉式であってもよいし、連続フイルムであってもよく特に限定されない。
【0022】
さらにこれらの基材は、染料層と反対の面にサーマルヘッドの熱によるステッキングや印字しわなどの悪影響を防止するため、必要ならばプライマー層を介して耐熱層を設けてもよい。耐熱層は、従来公知のものであればよく、例えば、熱硬化性樹脂やシリコーン樹脂等の変性樹脂単独、または各種架橋剤を併用し、界面活性剤、オイル、有機金属塩あるいはワックスなどの滑剤やタルク等の充填剤等を添加し、適当な溶剤により、溶解又は分散させて、耐熱層形成用インキを調製し、これを、上記の基材シートの一方の面に、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースコーティング法等
の形成手段により塗布し、乾燥して耐熱層を形成することができる。
【0023】
上記基材フイルムの表面に形成する染料層は、染料を任意のバインダー樹脂で担持させた層である。染料バインダーとしては、従来公知の樹脂バインダーがいずれも使用でき、好ましいものを例示すれば、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。これらの中で、耐熱性、染料の移行性等の観点からセルロース系、アセタール系、ブチラール系及びポリエステル系等が特に好ましい。
【0024】
また、上記の樹脂バインダーに代えて、次のような離型性グラフトコポリマーを離型剤またはバインダーとして用いることができる。この離型性グラフトコポリマーは、ポリマー主鎖にポリシロキサンセグメント、フッ化炭素セグメント、フッ化炭化水素セグメント、または長鎖アルキルセグメントから選択された少なくとも1種の離型性セグメントをグラフト重合させてなるものである。これらのうち、特に好ましいのはポリビニルアセタール樹脂からなる主鎖にポリシロキサンセグメントをグラフトさせて得られたグラフトコポリマーである。
【0025】
この場合に使用する染料としては、従来公知の熱転写シートに使用されている染料はいずれも本発明に有効に使用可能であり特に限定されない。例えば、幾つかの好ましい染料としては、赤色染料として、MS Red G、Macrolex Red Violet R、CeresRed7B、Samaron Red HBSL、Resolin Red F3BS等が挙げられ、又、黄色の染料としては、ホロンブリリアントイエロー6GL、PTY−52、マクロレックスイエロー6G等が挙げられ、又、青色染料としては、カヤセットブルー714、ワクソリンブルーAP−FW、ホロンブリリアントブルーS−R、MSブルー100等が挙げられる。また、上記染料層は、その他必要に応じてポリエチレンパウダー等の有機フィラーや従来公知と同様な各種の添加剤をも包含することができる。
【0026】
易接着保護層転写シート
上記の昇華転写画像上に、易接着保護層転写シートを用いて易接着保護層を転写することによって、後述する金属光沢を有する熱転写印刷層を転写可能にし、これにより接着性が向上する。また、金属光沢を有する熱転写印刷層を印刷するときの熱などにより先に形成された染料画像のにじみを抑制することができる。さらに金属光沢を持つ熱転写印刷をするため下地を平滑にするなどして転写層の密着を補助することが可能となる。
【0027】
通常、フルカラー印刷物を形成する場合、昇華型熱転写印刷の印刷面に直接、アルミなどを蒸着したり、金属蒸着膜をホットスタンプなどの手法で形成したり、あるいは金属光沢を有するインクを塗布する方法などが考えられるが、昇華印刷層は一般に耐熱性、耐溶剤性に乏しいため、昇華印刷層の印刷品位を著しく劣化させるという問題があるが、本発明においては、易接着保護層を設けるようにしたので、このような問題を解消することができる。
【0028】
なお、本発明において、易接着保護層転写シートの易接着保護層は単層でも多層構造をとってもよい。
【0029】
保護層形成用樹脂としては、上記に示す理由によりポリエステル系樹脂、芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系共重合樹脂、ポリアミドイミド樹脂、これらの各樹脂を少なくとも1つ含有する混合物が好ましい。
【0030】
ポリエステル樹脂としては、例えば、ジオール成分および酸成分が一種類以上の脂環族化合物を有する脂環族ポリエステル樹脂である。上記の脂環族化合物の例としては、酸成分の場合、2個以上のカルボキシル基を有し、ジオール成分の場合、2個以上の水酸基を有する限りいずれの脂環族化合物を用いてもよいが、本発明において好適な例としては、例えば、トリシクロデカンジメタノール(TCD−M)、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサンジメタノール、および、シクロヘキサンジオール等が挙げられ、特に好適なジオールの例は、トリシクロ[5.2.1.02.6]デカン−4,8−ジメタノールである。上記のような脂環族化合物を必須成分としたジオール成分または酸成分を使用する限り、他のジオール成分および酸成分を併用することができる。このような他のジオールとしては、例えば、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングルコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、2,3,4−トリメチル−1.3−ペンタンジオール、3−メチルペンテン−1,5−ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAまたは水素化ビスフェノールAのエチレンオキシドあるいはプロピレンオキシド付加物、ポリエチレングルコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングルコール、ポリブチレングリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−n−ブチル−エチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。これらの他のジオールは、ジオール成分全体のうちで0〜90重量%の範囲で使用することができる。上記ジオールと反応させるシクロヘキサンジカルボン酸以外の他の酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、2,6−ナフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸、p−(ヒドロキシエトキシ)安息香酸等の芳香族オキシカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セパシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、トテラヒドロフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の不飽和脂肪族及び脂環族ジカルボン酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等のトリおよびテトラカルボン酸等が使用可能である。これらのポリカルボン酸のうちでは特に芳香族ジカルボン酸が好ましい。ポリエステルの製造方法自体は、脱水縮合、エステル交換縮合等の公知の方法でよい。これらのポリエステル樹脂は、粘度平均分子量を1,000〜10,000の範囲内、ガラス転移温度Tgを80℃以上とすることが好ましい。粘度平均分子量が1,000未満であると、ポリマーの特性が小さくなりオリゴマーの特性がでてくるため、塗膜の機械強度が乏しく保護層として不充分であり、また、10,000を超えると、箔切れ性が低下し、好ましくない。また、ガラス転移温度Tgが80℃未満であると、印画物作製時または印画物保存時に画像のにじみが生じ好ましくない。さらに、本発明では、上記の脂環族ポリエステルはそのままでもよいし、また、ウレタン化等の変性を施して使用してもよく、さらに、単独でも混合物としても使用することができる。
【0031】
芳香族ポリカーボネート樹脂としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン〔ビスフェノールC〕から誘導された下記一般式1で表されるホモポリカーボネート樹脂(上記式1中、nは整数を表す)や1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン〔ビスフェノールZ〕から誘導された下記一般式3で表されるホモポリカーボネート樹脂(上記式4中、nは整数を表す)や上記一般式1で表される構成単位と、2,2−ビス(4−ヒドリキシフェニル)プロパン〔ビスフェノールA〕から誘導された下記一般式2で表される構成単位とのランダム共重合ポリカーボネート樹脂(一般式2で表される構成単位が70モル%以下の範囲で含有される)等を挙げることができる。
【0032】
【化1】
(上記式中、nは、18〜354の整数を表す)
【化2】
(上記式中、nは、19〜393の整数を表す)
【化3】
(上記式中、nは、18〜340の整数を表す)
これらの芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は、5,000〜100,000、より好ましくは10,000〜50,000である。5,000未満であると、得られた塗膜の機械強度に乏しく保護膜として不充分であり、また100,000を超えると、汎用溶剤への溶解性や、他の樹脂とブレンドして用いる際の相容性が損なわれるという問題がある。
【0033】
ポリスチレン樹脂としては、下記構造式で表されるスチレン系モノマーが単独で重合したスチレン系ホモポリマーであり、耐光性、耐熱性に優れ、充分な透明性を有したものである。スチレン系ホモポリマーは、転写性、切れ性の点から、その分子量は重量平均で10,000〜500,000程度のものが好ましい。
【0034】
アクリル系共重合樹脂としては、メチルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルアクリレート、エチルメタアクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタアクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタアクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタアクリレート、ターシャリーブチルアクリレート、ターシャリーブチルメタアクリレート、イソデシルアクリレート、イソデシルメタアクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタアクリレート、ラウリルトリデシルアクリレート、ラウリルトリデシルメタアクリレート、トリデシルアクリレート、トリデシルメタアクリレート、セリルステアリルアクリレート、セリルステアリルメタアクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタアクリレート、エチルヘキシルアクリレート、エチルヘキシルメタアクリレート、オクチルアクリレート、オクチルメタアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタアクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタアクリレート等の非官能性モノマー並びに一官能性モノマー、例えば、メタクリル酸、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタアクリレート、ターシャリーブチルアミノエチルアクリレート、ターシャリーブチルアミノエチルメタアクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタアクリレート等が挙げられる。また、多官能性モノマーでは、例えば、エチレンジアクリレート、エチレンジメタアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタアクリレート、デカエチレングリコールジアクリレート、デカエチレングリコールジメタアクリレート、ペンタデカエチレングリコールジアクリレート、ペンタデカエチレングリコールジメタアクリレート、ペンタコンタヘクタエチレングリコールジアクリレート、ペンタコンタヘクタエチレングリコールジメタアクリレート、ブチレンジアクリレート、ブチレンジメタアクリレート、アリルアクリレート、アリルメタアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジメタアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジメタアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジメタアクリレート、ネオペンチルグリコールペンタアクリレート、ネオペンチルグリコールペンタメタアクリレート、ホスファゼンヘキサアクリレート、ホスファゼンヘキサメタアクリレート等が挙げられる。更に、アクリル酸、メタアクリル酸またはその官能基誘導体を反応させてなるポリエステルアクリレート、ポリエステルメタアクリレート、エポキシアクリレート、エポキシメタアクリレート、ウレタンアクリレート、ウレタンメタアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエーテルメタアクリレート等の反応性重合体も使用できる。アクリル系共重合樹脂に導入される極性基としては、アンモニウム塩、スルホン酸塩、酢酸塩等が挙げられるが、好ましくは、アンモニウム塩が導入されているものがよい。また、これらの極性基が導入されたアクリル系共重合樹脂、或いは、極性基が導入されていないアクリル系共重合樹脂等はエポキシ樹脂等の架橋剤で架橋してもよい。
【0035】
ポリアミドイミド樹脂としては、下記構造式で示される耐光性、耐熱性に優れ、充分な透明性を有したものである。
【0036】
本発明においては、耐光性を向上させるため、上記樹脂と併用して紫外線遮断性樹脂を含有してもよい。紫外線遮断性樹脂としては、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、ニッケルキレート系、ヒンダートアミン系のような従来公知の非反応性の有機系紫外線吸収剤に、付加重合性二重結合(例えばビニル基、アクリロイル基、メタアクリロイル基など)、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基のような反応性基を導入したものを用いることができる。
【0037】
保護層形成用樹脂の種類、層数にもよるが、通常は0.5〜10μm程度の厚さに形成する。
【0038】
好ましくは、1〜5μmの厚さに形成する。0.5μm以下の場合は、染料画像のにじみが発生しやすくなる傾向がみられ、10μm以上の厚さでは、転写性、切れ性が不充分となるので好ましくない。
【0039】
金属光沢層転写シート
本発明における金属蒸着層を形成するための熱転写シートは、特開平9−207463号に例示されるような金属蒸着の熱転写シートを使用することができ、また、以下に示すような金属インク転写シートを使用してもよく、特に限定されるものではない。
【0040】
金属光沢層転写シートの構成としては、基材シート上に、金属蒸着保護層、金属蒸着層、接着層の順に積層してなるものが使用可能である。
【0041】
金属蒸着層は、例えばアルミニウム、亜鉛、スズ、クロム、金、銀などの金属、あるいは真ちゅうなどの合金などを真空蒸着法、スパッタリング法などの真空下によるメタライジング法、すなわち、物理蒸着法(PVD:PhysicalVapor Deposion)で形成した薄膜の金属膜層がある。金属蒸着層4の厚みは、200〜400Åが好ましい。厚みが200Å未満の場合、金属光沢が不足し、400Åを越えると、箔切れ、印字(記録)感度が悪くなる。
【0042】
金属蒸着層の上には金属蒸着保護層として、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂等の架橋樹脂を使用することが望ましい。これらは金属蒸着層を形成する際、基材フィルムなどを蒸着時の熱から保護し、また転写記録後に金属蒸着層の上層に位置し、金属蒸着層に対する擦り傷や腐食などの機械的および化学的強度を向上させる保護層として機能し、かつ、金属蒸着層の下地を提供し、蒸着面の平滑性を付与させて、金属光沢を実現させるものである。
【0043】
また、金属蒸着保護層に染料、顔料の着色剤を添加することにより、色付きの金属光沢を有する記録物が得られる。但し、金属蒸着層の金属光沢を阻害させないように、上記の着色剤は、蒸着保護層の透明性を維持すればよく、種類など限定させるものではない。尚、着色剤は、金属光沢性を向上させるため、染料が好ましいが、耐候性を上げるため、光、熱、温度などにより、変退色しない顔料を使用してもよい。金属蒸着保護層は、従来公知のグラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の形成手段により、塗布し、乾燥して得られる。ハクリ層の塗布量は、乾燥状態で0.5〜2.5g/m2程度が好ましい。塗布量が0.5g/m2未満では金属蒸着層に対する擦り傷や腐食などの機械的および化学的強度を向上させ、また金属光沢を実現させることができない。また、塗布量が2.5g/m2を越えると、印字(記録)感度が低下してくる。
【0044】
金属光沢層転写シートの接着層は、金属蒸着層および易接着保護層との接着を付与させるものであり、従来公知の熱可塑性樹脂を使用することが可能であるが、金属蒸着層および易接着保護層との接着性が良好である、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエステル、アクリルなどが好ましい。接着層は、従来公知のグラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の形成手段により、塗布し、乾燥して得られる。接着層5の塗布量は、乾燥状態で0.5〜1.0g/m2程度が好ましい。塗布量が0.5g/m2未満では、十分な接着力が得られず、1.0g/m2を越えると、箔切れ、印字(記録)感度が悪くなり、好ましくない。また、接着層は熱転写シートを巻形状で保存する際に、接触面の背面層ないし、基材フィルムとのブロッキング防止剤として、高級脂肪酸のアミド、エステルおよび塩、フッ素樹脂、無機物質の粉末などを添加してもよい。
【0045】
金属インク転写シートの構成としては、基材シート上に、剥離層、金属インキ層の順に積層してなる。また、易接着保護層との接着性を向上させるために、更に接着層を設けても良い。
【0046】
剥離層上に設ける金属インキ層は、熱可塑性樹脂と金属粉から構成され熱溶融性ワックス成分を含有しないものが良い。熱可塑性樹脂としては、サーマルヘッドの熱では完全な溶融状態は示さないが、50〜200℃の軟化点を有するものが好ましく、具体的には、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体等のポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、石油系樹脂、フェノール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ゴム系樹脂等が挙げられる。さらにこれらの中でも、基材シートと相溶性の良好なポリエステル系樹脂が好ましく用いられる。
【0047】
金属粉としては、金、銀、銅、ブロンズ、アルミニウム、クロム、錫、鉛、亜鉛、鉄、マグネシウム、コバルトおよびこれらの合金類が用いられる。これら金属粉の中では、光沢性やコストの点を考慮するとアルミニウム粉末およびブロンズ粉が好ましい。一般に、銀色はアルミニウム、金色はブロンズが用いられる。ブロンズには、5号色(銅90%、亜鉛10%の合金)及び7号色(銅75%、亜鉛25%の合金)があり、これらを単独または、色調に合わせて適宜混合して用いることができる。 また、これらの金属粉の粒径は、印字画像の隠蔽性、転写感度、輝度等を考慮して任意に選択することができる。金属粉は粒径が大きくなるに従い輝度は増すが、印字物の隠蔽力が低下して被転写紙の地色が透けてみえるといった問題がある。また印字自体にも高い印字エネルギーが必要となってしまう。逆に粒径が小さくなると隠蔽性が増し、低エネルギーでの印字が可能となるが輝度低下の問題がある。従って粒径は、平均粒径(レーザー法で測定)で1〜20μmが好ましく、特に1〜10μmが好ましい。1μm以下の場合輝度低下の問題があるし、20μm以上の場合、隠蔽性、転写性が低下する。
【0048】
金属粉と熱可塑性樹脂の割合は、金属粉100重量%に対し、熱可塑性樹脂10〜1000重量%の割合で用いられるが、より薄膜で輝度を出すため、好ましくは金属粉100重量%に対し、熱可塑性樹脂10〜50重量%の割合で用いられる。その他、金色はアルミニウムを分散した熱可塑性樹脂中に黄色染料、又は黄色顔料を混合して用いることもできる。この場合、アルミニウム100重量%に対し、熱可塑性樹脂10〜1000重量%、黄色染料、又は黄色顔料は1〜100重量%が好ましい。又、黄色染料、又は黄色顔料は上記剥離層中に含有させることも可能であり、その場合剥離層の主成分であるワックス成分100重量%に対し1〜50重量%の割合で含有させることが好ましい。
【0049】
金属インキ層の形成は、上記材料を用いて、ホットメルトコート、ホットラッカーコート、ロールコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、ナイフコート等のコーティング法により基材シート上に塗工することにより厚さ0.2〜10μmの金属インキ層を形成する。金属インキ層の厚さが0.2μm以下の場合、受像紙の隠蔽性、金属光沢感の低下という点で好ましくない。厚さが10μm以上の場合、転写の際、過多のエネルギーを必要とし、印字感度が低下するという点で好ましくない。尚、金属インキ層は、水分が金属粉と反応して水素を発生するため水系インキとして用いることは好ましくない。
【0050】
また、金属インキ層中には必要に応じて、分散剤や沈降防止剤等の添加剤を加えることができる。これらの物質を添加することにより、金属インキ層中での金属顔料の分散性が向上し、その結果印字物の輝度を効果的に向上させることができる。
【0051】
さらに、金属インキ層上に易接着保護層との接着性を向上させ、印字品質を良好にするための接着層を設けることも可能である。接着層は、従来公知のいずれの接着剤でもよいが、好ましい接着剤は最低成膜温度が50〜100℃、粒径が0.1〜10μmである熱可塑性樹脂粒子を熱溶融性ワックス中に分散させたものが好ましい。ワックス中に微粒子を分散させておくことにより印字時、その部分だけが成膜して転写され、その結果、解像度が向上するという利点がある。最低成膜温度が50℃以下の場合保存性が低下する。最低成膜温度が100℃以上の場合転写の際、過多のエネルギーを必要とし、印字感度が低下するという問題が生じる。また、粒径が0.1μm以下のものを用いた場合、種々の受像紙に対応できない。粒径が10μm以上のものを用いた場合、前述同様に印字エネルギー不足という問題が生じる。ここで、熱可塑性樹脂粒子としてはポリオレフィン系微粒子が最適な成膜温度を有する点で好ましく用いられる。熱溶融性ワックスとしては、前述のワックス類が用いられる。接着層の形成は、上記材料を用いて、ホットメルトコート、ホットラッカーコート、ロールコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、ナイフコート等のコーティング法により基材シート上に塗工することにより厚さ0.1〜3μmの接着層を形成する。接着層の厚さ0.1μm以下の場合、種々の受像紙に対して良好な接着が困難となる可能性があるので、好ましくない。また、厚さ3μm以上の場合は、前述と同様に印字感度が低下するので好ましくない。
【0052】
【実施例】
以下、本発明を製造例に基づいて具体的に説明する。
【0053】
光透過性受像シートの作製
基材シートとして、厚さ125μmのPET(東レ(株)製 ルミラーT60)を用い、その一方の面に下記組成の受容層用塗工液をワイヤーバーコーティング法により塗布(5.0g/m2:固形分)した後、110℃で30秒間乾燥して熱転写受像シートを得た。
【0054】
(受容層用塗工液)
・塩化ビニル酢酸ビニル共重合体 … 10重量部
(電気化学工業(株)製 電化ビニル#1000A)
・エポキシ変性シリコーン … 1重量部
(信越化学工業(株)製 X−22−3000T)
・メチルエチルケトン/トルエン=1/1(重量比) … 40重量部
昇華転写画像形成用シートン
JVC社製カラープリンター(Trueprint3500)用メディアを使用した。
【0055】
易接着保護シートの作製
厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製ルミラー)の一方の面に下記の背面層用インキをワイヤーバーコーティング法により塗布、乾燥後、さらに加熱熟成して硬化処理を施し、背面層(厚さ1μm)を形成した。
【0056】
(背面層用インキの組成)
・ ポリビニルブチラール樹脂 3.6重量部
(積水化学工業(株)製 エスレックBX−1)
・ ポリイソシアネート 19.2重量部
(大日本インキ化学工業(株)製パーノックD750−45)
・ リン酸エステル系界面活性剤 2.9重量部
(第一工業製薬(株)製 プライサーフA208S)
・リン酸エステル系界面活性剤 0.3重量部
(東邦化学(株)製 フォスファノールRD720)
・ タルク 0.2重量部
(日本タルク(株)製:Y/X=0.03)
・メチルエチルケトン 33.0重量部
・トルエン 33.0重量部
次に、下記に示す塗工液を調整し、上記のポリエチレンテレフタレートフィルムの耐熱滑性層を設けた面とは反対の面にワイヤーバーコーティング法を用いて、乾燥後の総厚4μmになるように塗布した。乾燥はドライヤーで仮乾燥後、100℃のオーブンで2分間乾燥させた。このようにして、易接着保護層転写シートを作製した。
【0057】
実施例1
ポリエステル系樹脂
下記の酸成分とジオール成分から定法により合成したガラス転移温度92℃であるポリエステル樹脂
塗工液1
PES−1 10重量部
メチルエチルケトン/トルエン=1/1 90重量部
実施例2
ポリスチレン系樹脂
PS−1 市販ポリスチレン樹脂(重量平均分子量 250,000) Tg 90℃
塗工液2
PS−1 10重量部
メチルエチルケトン/トルエン=1/1 90重量部
実施例3
アクリル系樹脂
AC−1 三菱レイヨン(株)製 ダイアナールBR−75 Tg 85℃
塗工液3
AC−1 10重量部
メチルエチルケトン/トルエン=1/1 90重量部
実施例4
アクリル系樹脂
AC−2 三菱レイヨン(株)製 ダイアナールBR−83 Tg 105℃
塗工液4
AC−2 10重量部
メチルエチルケトン/トルエン=1/1 90重量部
実施例5
ポリカーボネート樹脂
PC−1 出光石油化学(株)製 タフロンA2500 Tg 150℃
塗工液5
PC−1 10重量部
メチルエチルケトン/トルエン=1/1 90重量部
実施例6
ポリカーボネート樹脂
PC−2 一般式2で示される構成単位を40モル%、一般式1で示される構成単位を60モル%含むランダム共重合体(Tg130℃)
塗工液6
PC−2 10重量部
メチルエチルケトン/トルエン=1/1 90重量部
実施例7(易接着保護層を2層とした場合)
1層目 ポリアミドイミド樹脂
PAI−1 東洋紡(株)製 MT5050 Tg260℃
2層目 ポリエステル樹脂
実施例1で使用したTg92℃のポリエステル樹脂(PES−1)
1層目
塗工液7
PAI−1 10重量部
エタノール/トルエン=1/1 90重量部
2層目
塗工液1
PES−1 10重量部
メチルエチルケトン/トルエン=1/1 90重量部
1層目及び2層目それぞれ2μの厚さで重ね塗りした。(総厚4μ)
比較例
実施例と同じ方法で下記インキ組成物を調整し易接着保護層熱転写シートを作製した。
【0058】
実施例8
塩ビ酢ビ共重合体樹脂(電気化学工業(株)製、#1000D、Tg64℃)
塗工液8
PVC−1 10重量部
メチルエチルケトン/トルエン=1/1 90重量部
比較例1
易接着保護層を設けなかった。
【0059】
なお、作製した樹脂のTgは示差走査熱量計DSC−5O((株)島津製作所製)を用い、JISK7121に基づき測定した。
【0060】
金属光沢層転写シート
上記易接着保護層に使用したポリエチレンテレフタレートフィルムの耐熱滑性層を設けた面とは反対の面にワイヤーバーコーティング法を用いて、乾燥後の総厚0.5μmになるように下記に示されるハクリ層塗工液を塗布した。次に、真空蒸着法により、アルミニウムを膜厚300Åになるように蒸着した。さらに、この金属蒸着層の上に、下記に示される接着層用塗工液をワイヤーバーコーティング法で、乾燥後の総厚1μmになるように塗布した。
【0061】
剥離層用塗工液
ポリアミドイミド樹脂 20重量部
(東洋紡(株)製、Tg:260℃)
トルエン 80重量部
接着層用塗工液
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂 20重量部
(平均重合度:330)
トルエン 80重量部
印画方法
上記のようにして得られた透明受像シート上に、昇華画像形成用熱転写シート、易接着保護層転写シート、金属光沢層転写シートを用いて、順次転写積層し、本発明の印画物を得た。なお、各転写シートの転写条件は以下の範囲内で最適値を用いた。
【0062】
転写条件
テストプリンター
サーマルヘッド3139オーム 300dpiヘッド
ラインスピード 10msec
パルスデューティ 70%
電圧 16V
印加エネルギー 0〜0.57mj/dot間で変化させた。
【0063】
評価項目
(1)画像のにじみ
透明受像シート上に、昇華転写画像を形成後、上記実施例1〜8、比較例1に基づき、易接着保護層を転写させた(比較例1の場合は、易接着保護層を転写せず)後の段階(この段階においては、未だ金属光沢層を転写していない)の印画物を90℃で10日間保存後のにじみの有無を黙視、確認した。
【0064】
評価基準
○:画像のにじみなし
△:画像のにじみがやや見られる
×:画像がにじむ
(2)金属光沢層の接着性
透明受像シート上に、昇華転写画像を形成後、上記実施例1〜8、比較例1に基づき易接着保護層を転写させた(比較例1の場合は、易接着保護層を転写せず)後、ニチバン(株)製セロテープ(R)、エルパックLP−12を該金属光沢画像上に貼り付け、90°方向に手で剥離して、金属光沢層の接着性を目視にて確認した。
【0065】
評価基準
○:印字部に変化なし(金属光沢画像が良好に接着している)
×:印字部の一部または全部が剥離する
結果を下記表1に示す。
【0066】
【0067】
【発明の効果】
上記実施例、比較例の結果からも明らかなように、本発明によれば、すぐれた金属光沢を発現する高品位なフルカラー印刷物を提供することができる。
Claims (5)
- 光透過性受像シートの一方の面に感熱転写法により画像を形成して、前記光透過性受像シートの他方の面側から前記形成画像を認識ないし鑑賞し得るようにした熱転写印画物であって、
前記光透過性受像シート上に、昇華型熱転写により形成された着色画像、易接着性保護層、および金属光沢を有する熱転写画像がこの順序で形成されてなることを特徴とする、熱転写印刷物。 - 前記易接着性保護層が少なくとも1層以上の組み合わせによって構成されている、請求項1に記載の熱転写印刷物。
- 前記易接着保護層の厚さが、0.5〜10μmの範囲にある、請求項1に記載の熱転写印刷物。
- 前記易接着保護層が、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系系樹脂、アクリル系共重合樹脂、芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリアミドイミド樹脂、およびこれらの混合物からなる群から選ばれた樹脂成分を1つ以上含有している、請求項1に記載の熱転写印刷物。
- 前記易接着保護層を構成する樹脂のTg(ガラス転移温度)が、70℃以上300℃未満である、請求項1に記載の熱転写印刷物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002229717A JP2004066656A (ja) | 2002-08-07 | 2002-08-07 | 熱転写印刷物 |
Applications Claiming Priority (1)
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