JP2004066512A - 状袋形態の袋体を円筒形容器に成形する方法 - Google Patents

状袋形態の袋体を円筒形容器に成形する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】外容器内へ装填する前の偏平な袋体を円筒形内容器に成形することで保形性を持たせ、円筒形内容器の外容器内への装填作業を能率よく行うことができる状袋形態の袋体を円筒形容器に成形する方法を提供する。
【解決手段】一部切り離しとなる輪状体12の一方端部にこの輪状体12の軸心方向に延びる軸状部14を設けた成形治具11を用い、可撓性材料を用いた筒状胴部の両端がシールされ、一方端部側に口金5を有する偏平な状袋形態の袋体1を、口金5から内部に挿入した成形治具11の輪状体12と、この輪状体12を定規とする袋体1の両端の折り畳みによって円筒形容器1aに成形する。
【選択図】  図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、合成樹脂製の偏平な状袋形態の袋体を円筒形容器に成形する方法、更に詳しくは、製袋状態の偏平な袋体を、定形性を有する外容器内に収め、その内部に各種液体や粉体を収納してこれらの保存や輸送を行う円筒形容器に成形するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、各種液体や粉体のような流動性のある材料を保管したり輸送する場合、ドラム缶のような定形性を有する外容器の内部に、合成樹脂の可撓性と気密性や遮水性を有する材料からなる円筒形容器を収め、この円筒形容器内に各種液体や粉体を収納して密封することで、この液体や粉体の漏れや、液体や粉体による外容器の汚れの発生を防止しつつ、外容器の定形性で液体や粉体の収納状態を保つようにすることが行われている。
【0003】
ところで、成形後に上記円筒形容器となる袋体は、膨満時に外容器の内径に適合する直径を有する可撓性の合成樹脂チューブを所定長さに切断し、これを偏平に折り重ねた状態でその両端を直線熱シールで封止すると共に、上端となる一方端部に口金を取り付けて製袋され、このため、製袋時の袋体は偏平な状袋形態となっている。
【0004】
従来、このような袋体は、偏平な状袋形態のままで外容器内に挿入し、この後、口金から袋体内に空気を送り込んで膨満させることにより、円筒形容器に成形し、その内部に液体や粉体を収納するようにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、偏平な状袋形態のままの袋体は、薄くて保形性が悪く取り扱いにくいものであり、袋体の全長を外容器内に収めて円筒形容器に成形するまでの挿入作業が極めて行いにくく、外容器内への袋体の装填に手間がかかるという問題がある。
【0006】
そこで、この発明の課題は、外容器内へ装填する前の袋体を円筒形容器に成形することで保形性を持たせ、円筒形容器の外容器内への装填作業を能率よく行うことが可能になる状袋形態の袋体を円筒形容器に成形する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記のような課題を解決するため、この発明は、一部切り離しとなる輪状体の一方端部に、この輪状体の軸心方向に延びる軸状部を設けた成形治具を用い、可撓性材料を用いた筒状胴部の両端がシールされ、一方端部側に口金を有する偏平な状袋形態の袋体を円筒形容器に成形するための方法であり、成形治具の輪状体をその切り離し端部から口金に挿入して輪状体を袋体の内部に入れ込み、この輪状体で袋体の一方端部を内側から押し広げ、袋体の一方端部における両側コーナ部分を輪状体に沿うよう袋体の一方端面に折り込んで重ね合わせ、一方端面に円形板を接着して一方端部を円筒形に保形し、次に、輪状体で袋体の胴部を押し広げながらこの輪状体を袋体の他方端部側に移動させ、輪状体で袋体の他方端部を内側から押し広げ、袋体の他方端部における両側コーナ部分を輪状体に沿うよう袋体の他方端面に折り込んで重ね合わせ、他方端面に円形板を接着して他方端部を円筒形に保形することで円筒形容器に成形し、この後、円筒形容器内から成形治具を抜き取る構成を採用したものである。
【0008】
上記袋体は、ポリエチレンのような熱可塑性と気密性や遮水性を有する可撓性合成樹脂材料を用い、膨満時に外容器の内径に適合する直径のチューブを所定長さに切断し、これで筒状胴部を形成し、この筒状胴部を偏平に折り重ねた状態でその両端を直線熱シールで封止すると共に、上端となる一方端部に口金を取り付けて製袋され、筒状胴部の上端部と下端部には、周方向の腰線が施してあり、袋体の上下端の折り畳み処理をこの腰線を基準に行うようになっている。
【0009】
また、筒状胴部を形成するチューブは薄くて腰が弱いため、筒状胴部の外周には、口金側の腰線に沿って保形用エプロンが巻着してある。
【0010】
上記成形治具は、一本の金属線材を用い、輪状体の外径は筒状胴部を円筒形にしたときの内径に適合するように設定され、この輪状体の一方端部に折り曲げ連成した内向き片を介して、輪状体の軸心方向に延びる軸状部が設けられ、この軸状部は袋体の上下寸法よりも長くなっている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0012】
図1は、製袋後の袋体1の構造を示し、ポリエチレンのような熱可塑性と気密性や遮水性を有する可撓性合成樹脂材料を用い、膨満時に外容器の内径に適合する直径のチューブを所定長さに切断して筒状胴部を形成し、この筒状胴部2を偏平に折り重ねた状態でその両端を直線熱シール3、4で封止すると共に、上端となる一方端部に口金5を取り付けて偏平な状袋形態に形成され、上記筒状胴部2の上端部と下端部には、袋体1の上下端の折り畳み処理を外容器の高さ位置になる周方向の腰線6、7が施されている。
【0013】
また、筒状胴部2を形成するチューブは薄くて腰が弱いため、筒状胴部2の外周には、口金5側の腰線6に沿ってテープ状の保形用エプロン8が粘着テープ等によって巻着されている。
【0014】
図2は、上記袋体1を円筒形容器1aに成形するために用いる成形治具11示し、口金5に挿入できる直径を有する一本の金属線材を用い、一部切り離しとなる輪状体12と、この輪状体12の一方端部に折り曲げ連成した内向き片13と、内向き片13の端部から上記輪状体12の軸心方向に延びる軸状部14を連成して形成され、上記輪状体12の外径は筒状胴部2を円筒形にしたときの内径に適合するように設定され、軸状部14は袋体1の上下寸法よりも長くなっている。
【0015】
また、上記袋体1を円筒形容器1aに成形するために、成形した円筒形容器1aの両端面に接着する厚紙や樹脂板製の円形板15が用意され、少なくとも円筒形容器1aの上端に接着する円形板15は軸状部14の挿通孔16が設けられている。
【0016】
次に、上記袋体1を円筒形容器1aに成形する方法を、図3乃至図13を用いて説明する。
【0017】
図3と図4のように、偏平な状袋形態に製袋された袋体1を口金5が上になるよう配置すると共に、成形治具11の軸状部14を保持し、この成形治具11の輪状体12をその切り離し端部から口金5に挿入して該輪状体12を袋体1の内部に入れ込み、図5のごとく軸状部14を袋体1の上下方向に沿わせることで、上記輪状体12によって袋体1の一方端部を内側から押し広げ、この状態で、図6のように、成形治具11の軸状部14を固定配置した支持部材17で保持し、成形治具11と袋体1を吊り下げ状とする。
【0018】
図7のように、袋体1は上部腰線6を輪状体12に位置合わせした状態で、袋体1の一方端部における両側コーナ部分を輪状体12に沿うよう、該輪状体12を定規にして袋体1の上面側端面に折り込んで重ね合わせ、袋体1の一方端部を輪状体12の外径に沿って円形に成形し、この状態で袋体1の上部端面に円形板15を重ね、円形板15を袋体1の腰線6の部分に接着テープを用いて貼り付け、図8のように、袋体1の一方端部の円形状態を保形する。
【0019】
次に、図9のように、支持部材17から成形治具11を取り外し、成形治具11と袋体1を上下反転し、図9のように、袋体1に対して成形治具11を移動させ、輪状体12で袋体1の胴部2を押し広げながらこの輪状体12を袋体1の他方端部側に移動させ、輪状体12で袋体1の他方端部を内側から押し広げ、袋体1の腰線7に輪状体12を位置合わせした状態で、袋体1の他方端部における両側コーナ部分を輪状体12に沿うよう袋体1の上面に折り込んで重ね合わせ、袋体1の他方端部を輪状体12の外径に沿って円形に成形し、この上部端面に円形板16を重ね、円形板16を袋体1の腰線7の部分に接着テープを用いて貼り付け、袋体1の他方端部の円形状態を保形する。
【0020】
上記のような工程を経ることにより、袋体1は円筒形容器1aに成形され、この後、図11のように、口金5の部分から成形治具11を挿入時とは逆の手順で外部に引き出すことにより、円筒形容器1a内から抜き取ると、図12で示すように、胴部2が円筒状でその上下両端が閉鎖され、上端面に口金5を有し、胴部2の上端周囲が保形用エプロン8で保形された円筒形容器1aが完成する。
【0021】
このように成形された円筒形容器1aは、図13のように、ドラム缶のような外容器18内に挿入し、内容器となる円筒形容器1a内に口金5の部分から各種液体や粉体を充填し、口金5を閉じた後、外容器18を蓋19で閉じることにより、上記各種液体や粉体の保管や輸送に供するものである。
【0022】
上記円筒形容器1aは、外容器18の内部に納まるように予め成形されているので、外容器18内への組み込みが、円筒形容器1aを外容器18の内部に上から単に差し込むだけで行えるので、上記組み込み作業が簡単に能率よく行うことができることになる。
【0023】
【発明の効果】
以上のように、この発明によると、一部切り離しとなる輪状体の一方端部にこの輪状体の軸心方向に延びる軸状部を設けた成形治具を用い、可撓性材料を用いた筒状胴部の両端がシールされ、一方端部側に口金を有する偏平な袋体を、口金から内部に挿入した成形治具と、輪状体を定規とする袋体両端の折り畳みによって円筒形容器に成形するようにしたので、偏平な状袋形態に製袋された袋体を簡単な操作で円筒形容器に成形でき、外容器内へ装填する前の袋体を円筒形容器に成形することで保形性を持たせ、その取り扱いが容易になるので、円筒形容器の外容器内への装填作業を能率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】袋体の正面図
【図2】成形治具の斜視図
【図3】袋体の口金に成形治具の輪状体を挿入した初期の状態の斜視図
【図4】袋体の口金に成形治具の輪状体を挿入した途中の状態の斜視図
【図5】袋体の口金に成形治具の輪状体を挿入した状態の斜視図
【図6】袋体の一方端部における両側の折り込み前の状態を示す斜視図
【図7】袋体の一方端部における両側の折り込み状態を示す斜視図
【図8】袋体の一方端部に円形板を接着した状態を示す斜視図
【図9】袋体と成形治具を上下反転させた状態を示す斜視図
【図10】袋体の他方端部における両側の折り込み前の状態を示す斜視図
【図11】袋体の他方端部における両側の折り込み状態を示す斜視図
【図12】成形された円筒形容器の斜視図
【図13】成形された円筒形容器を外容器内に収納した状態を示す斜視図
【符号の説明】
1   袋体
1a  円筒形容器
2   筒状胴部
3   直線熱シール
4   直線熱シール
5   口金
6   腰線
7   腰線
8   保形用エプロン
11  成形治具
12  輪状体
13  内向き片
14  軸状部
15  円形板
16  挿通孔
17  支持部材
18  外容器
19  蓋

Claims (1)

  1. 一部切り離しとなる輪状体の一方端部に、この輪状体の軸心方向に延びる軸状部を設けた成形治具を用い、可撓性材料を用いた筒状胴部の両端がシールされ、一方端部側に口金を有する偏平な状袋形態の袋体を円筒形容器に成形するための方法であり、
    成形治具の輪状体をその切り離し端部から口金に挿入して輪状体を袋体の内部に入れ込み、この輪状体で袋体の一方端部を内側から押し広げ、袋体の一方端部における両側コーナ部分を輪状体に沿うよう袋体の一方端面に折り込んで重ね合わせ、一方端面に円形板を接着して一方端部を円筒形に保形し、
    次に、輪状体で袋体の胴部を押し広げながらこの輪状体を袋体の他方端部側に移動させ、輪状体で袋体の他方端部を内側から押し広げ、袋体の他方端部における両側コーナ部分を輪状体に沿うよう袋体の他方端面に折り込んで重ね合わせ、他方端面に円形板を接着して他方端部を円筒形に保形することで円筒形容器に成形し、この後、円筒形容器内から成形治具を抜き取ることを特徴とする状袋形態の袋体を円筒形容器に成形する方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011194840A (ja) * 2010-03-23 2011-10-06 Nisshin Sansho Kk 内装袋の製造方法とそれに用いる治具
CN108792049A (zh) * 2018-06-29 2018-11-13 上海航天化工应用研究所 用于撑开袋口的装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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