JPH0233662Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、活きた魚（以下活魚という）を活き
たままの状態で運搬するための袋（以下活魚輸送
用袋という）に関するものである。

〔従来の技術〕

従来は、活魚輸送用の特別な袋は使用されてお
らず、通常の軟質の合成樹脂フイルム製の袋、例
えばポリエチレンやポリスチレン製の袋に活魚と
海水とを入れ、必要に応じて空気や酸素を封入し
て上端開口部を引き絞り、ゴム紐で結んで運搬し
ていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従つて、袋の上端開口部を引き絞つてゴム紐等
で結束する縦の引き締め方によつて袋の形状が変
り、しばしば袋の両端が引の上げられて中の活魚
が不自然な姿勢で収納されるために活魚が弱りや
すいという欠点を有しており、また、活魚を投入
し、又は海水と空気や酸素を注入して封止する際
にも袋の形状が変りやすく、作業が非常にやり難
いものであつた。

本考案は、これらの欠点を解消して、活魚を投
入し、海水と空気や酸素を封入する際の作業を容
易にするとともに、活魚が自然な安定した姿勢で
保持されることを保証して活魚が弱りやすい欠点
を解消する活魚輸送用袋を提供しようとするもの
である。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、これら問題点を解決するために、耐
水性を有する軟質のシートで形成された袋状の活
魚輸送用袋に、袋の側面上部に設けた活魚を投入
するに充分な大きさの第１開口部と、袋の上面か
ら下方に向かつて設けた細管状の第２開口部とを
設け、該第１及び第２開口部を除く袋の全周を気
密に接合するように構成したものである。

〔作用〕

本考案の活魚輸送用袋は、前述のように構成さ
れているので、活魚と海水を投入するときには、
袋の側面上部に設けた活魚を投入するに充分な大
きさの第１開口部から投入し、海水の量の調整や
空気又は酸素の封入の際には、袋の上面から下方
に向かつて設けた細管状の第２開口部から行うの
で作業が容易となり、また、開口部を引き締める
ことによつて袋が変形することがないので、収納
された活魚は袋の下部に自然な安定した姿勢で保
持され、活魚が不自然な姿で収納されることによ
る活魚が弱りやすい欠点をも解消する。

〔実施例〕

以下、本考案を図面に基づいて説明する。

第１図は、本考案の活魚輸送用袋の１実施例を
示す。図において、１は活魚輸送用袋であつて、
図の右側の側面上部に第１開口部２が設けられて
いる。この第１開口部２は、活魚を海水と共に投
入するに充分な大きさを有しており、袋の上下方
向の長さのほぼ半分に達し、その下方は接合され
て接合部５が形成されている。左側上部には、袋
の上面から下方に向かつて設けた細管状の第２開
口部３が設けられている。この第２開口部３は、
側面の接合部とこの接合部に平行に下降する接合
部４とによつて細管状に形成されている。

活魚輸送用袋１その他の外周部は、図面で斜線
部として指示されているように全面が気密に接合
されており、これらの接合部６によつて活魚を輸
送するための袋を構成している。活魚輸送用袋１
の左右方向の幅は、収納される活魚の体長より広
いことが要求され、上下方向の長さは、第１開口
部２の下側の接合部５が活魚の体幅より充分長い
ことが望ましい。そして、この接合部５，６によ
つて囲まれた袋状の部分に、図に想像線で示すよ
うに活魚と海水とが投入されるので、開口部の引
き締めによつて変形することがなく、自然で安定
した姿勢で収納される。

本実施例では、活魚輸送用袋１の上端部の接合
部７を幅広に形成し、ここに、活魚と海水の投入
時や、手でぶら下げて運搬する際に容易に取り扱
うための抜き穴８が設けられている。

第１及び第２開口部２，３の内面には、空気又
は酸素を封入した後に密封出来るように封止する
ことが望ましい。このように封止することによつ
て内部の海水や空気又は酸素が洩れることが防止
され、保冷ケース等に入れて輸送することが可能
となる。この封止は、周知の開閉可能なシール手
段であつてもよく、熱シール等によつて完全に密
封することによつても目的を達成することができ
る。一方、手でぶら下げて運搬するための袋のと
きには、第１及び第２の開口部２，３の内面を平
滑にするのみで、収納された活魚と海水の重さに
よつて相互に密着し、気密を保つようにすること
もできる。このときは、袋の内面を単に平滑にす
るのみで海水を介して相互に密着し、気密となる
ので安価に製造することができる。

本考案の活魚輸送用袋は前述のように構成され
ているので、活魚と海水とを投入する際には、抜
き穴８に手を掛けて持ち、第１開口部２を開いて
ここから活魚と海水とを投入し、第１開口部２を
封止した後、劾２開口部３から細管を挿入し、こ
の細管を通して海水の量を調整し、次いで必要な
量の空気又は酸素を注入する。輸送に要する時間
が長い時には、一旦空気を押し出して酸素のみを
注入することによつて長時間の輸送を可能にする
ことができる。この後、第２開口部３を封止して
全体が気密となるようにする。

この活魚輸送用袋１を製造するシート１の材質
はOPPにポリエチレン又はポリエステル等をラ
ミネートしたものが、耐水性と強度及び剛さの面
で適当であり、その少なくとも一部を透明にして
おくことによつて、活魚を投入して第１開口部を
封止した後でも、外部から海水や空気又は酸素の
量を見ることができるので、作業がさらに容易に
なる。

〔考案の効果〕

以上に詳述したように、本考案の活魚輸送用袋
によれば、活魚を投入し、海水と空気や酸素を封
入する際の作業を容易にするとともに、活魚が自
然な安定した姿勢で保持されることが保証され、
従来の袋では活魚が不自然な姿勢で輸送されるこ
とによつて弱りやすいという欠点を解消し、多大
な効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の活魚輸送用袋の１実施例を
示す。 １……活魚輸送用袋、２……第１開口部、３…
…第１開口部、４〜７……接合部、８……抜き
穴。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 耐水性を有する軟質のシートで形成された袋
   状の活魚輸送用袋において、袋の側面上部に設
   けた活魚を投入するに充分な大きさの第１開口
   部と、袋の上面から下方に向かつて設けた細管
   状の第２開口部とを有し、該第１及び第２開口
   部を除く袋の全周を気密に接合したことを特徴
   とする活魚輸送用袋。 (2) 第１開口部が袋の側面長さのほぼ半分だけ開
   口していることを特徴とする実用新案登録請求
   の範囲第１項記載の活魚輸送用袋。 (3) 第１及び第２開口部が気密にシール可能であ
   ることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   １項記載の活魚輸送用袋。 (4) 第１及び第２開口部の内面が平滑であつて、
   相互に密着したときに気密となることを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第３項記載の活魚
   輸送用袋。 (5) 袋の上面の接合部が幅広となつており、把手
   用の抜き穴が設けられていることを特徴とする
   実用新案登録請求の範囲第１項記載の活魚輸送
   用袋。 (6) 耐水性を有する軟質のシートが合成樹脂のフ
   イルムであり少なくともその一部が透明である
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の活魚輸送用袋。