JP2004066315A - ビス座形成方法とビス座形成装置 - Google Patents

ビス座形成方法とビス座形成装置 Download PDF

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藤原 研一
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Abstract

【課題】ビス座を整形する際に余肉の盛り上がりがなく、しかもビス座を整形する際にバリを除去できるビス座の形成方法を提供する。
【解決手段】穴あけ工程と整形工程とを経てビス座を形成する。穴あけ工程では、第1パンチ10に設けた除肉突起14でパンチ領域とその周辺の肉壁とをダイ穴19内へ押し込む。この状態のパンチ領域をせん断部15でせん断して貫通穴2を形成する。さらに前段整形部16で貫通穴2を整形して前段ビス座4を形成し、ダイ穴19の上端の受穴20にリング部3を形成する。整形工程では、リング部3を押し潰して貫通穴2側へ押し戻す。第2パンチの整形部で、前段ビス座4と、塑性変形されたリング部3とを同時に整形してビス座とする。一連の過程を経ることにより、整形部で押し除けられる肉壁の量を最小限化して、余肉の盛り上がりを解消できる。整形加工時にバリを吸収して除去できる。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属板材に下すぼまりテーパー状のビス座を形成するための加工方法、なかでもパンチとダイとを用いてプレス加工のみによってビス座を形成する加工法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プレス加工のみでビス座を形成する加工法は、例えば特開昭62−8483号公報や特開平7−32064号公報に公知である。前者では、図9に示すように、金属板30を打ち抜いて貫通穴31を形成し、この貫通穴31に円錐台形状の整形金型32を押し当ててビス座33を形成している。つまり、打ち抜き工程と、整形工程との2工程でビス座を形成している。
【0003】
後者の特開平7−32064号公報では、1工程で貫通穴とビス座とを同時に形成する点が上記の加工法と異なる。詳しくは、図10に示すように半球状の突部34と、打ち抜き用の切刃35と、上広がりテーパー状の整形部36とでパンチ37を構成している。加工時には、金属板30を突部34でダイ側に押し込んで肉壁を押し出し、次いで押し出された肉壁の周囲を切刃35で切断して貫通穴31をあける。さらに整形部36で貫通穴31の周囲をコイニングして、下すぼまりテーパー状のビス座33を形成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前者の加工方法で形成したビス座は、貫通穴31を整形金型32でいきなり整形するので、図9に示すように、整形工程においてビス座33の上周縁に符号40で示す肉の盛り上がりを生じやすいうえ、打ち抜き加工時に貫通穴31の下周縁にバリが生じるのを避けられず、肉の盛り上がりやバリを除去するための仕上げ工程が別途必要となる。
【0005】
後者では、1工程で貫通穴31とビス座33とを順に形成するが、貫通穴31内に切刃35が嵌合した状態のままで整形加工が行われる。そのため、整形部36で押し除けられる肉部は板材の上面側へ逃げるしかなく、貫通穴31の上面開口縁の周囲に肉が盛り上がりやすい。
【0006】
盛り上がった余肉41は、整形部36に連続する段部42で整形する以外にないが、貫通穴31、および形成途中のビス座33の内面が、切刃35および整形部36で塞がれているため、全ての余肉41を除去するのは難しく、前者の加工法に比べて、ビス座33の上面開口縁における肉の盛り上がり量がさらに増加する。整形部36で押し除けられた肉の一部は貫通穴31の下周縁からはみ出るが、このはみ出し部分は一般的な打ち抜き加工に伴うバリに比べて、大きく明確に形成される不利もある。
【0007】
本発明の目的は、ビス座の上周縁における余肉の盛り上がりがなく、しかも貫通穴の下周縁におけるバリを解消でき、従って余肉やバリを除去するための仕上げ加工が省略でき、その分だけ作業効率と生産性とが向上するビス座の形成方法とその装置を提供することにある。
【0008】
本発明の目的は、ビス座を整形する際に整形部で押し除けられる肉壁の量を最小限化でき、従って余肉の盛り上がりがなく、しかも貫通穴の形成時にバリを生じたとしても、ビス座を整形する際にバリを除去できるビス座の形成方法とその装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のビス座形成方法は、金属板材1を打ち抜いて貫通穴2を形成する穴あけ工程と、穴あけ工程を経たブランク材1aの貫通穴2を、下すぼまりテーパー状に整形してビス座Sを形成する整形工程とからなる。穴あけ工程においては、図1(a)に示すごとく貫通穴2の形成に並行して、貫通穴2の下周縁にリング部3を突出形成する。整形工程においては、図1(b)に示すごとく貫通穴2の整形に並行して、リング部3をブランク材1aの下面と面一状に塑性変形させ、かつ、塑性変形されたリング部3をビス座Sのテーパー面に連続させることになる。
【0010】
上記の穴あけ工程においては、パンチ領域の殆どをダイ穴19内へ押し込んだ状態で貫通穴2を形成し、図2(c)に示すごとく貫通穴2の上開口縁を下すぼまりテーパー状に塑性変形させて前段ビス座4を形成する。本発明でのパンチ領域とは、せん断部15で打ち抜かれる板面領域を意味する。
【0011】
本発明のビス座形成装置は、図2に示すごとく金属板材1に貫通穴2を形成する第1パンチ10および第1ダイ11と、図3に示すごとく前記貫通穴2を下すぼまりテーパー状に整形してビス座Sを形成する第2パンチ12および第2ダイ13とからなる。第1ダイ11のダイ穴19の上開口縁には、貫通穴2の下開口縁から下向きに突出するリング部3を形成するための受穴20が形成されている。第2パンチ12は、ブランク材1aの貫通穴2を下すぼまりテーパー状に整形してビス座Sを形成する整形部22を備えている。以て、第2ダイ13の上面にリング部3の下縁を載置した状態で、第2パンチ12を貫通穴2に押圧して、リング部3をブランク材1aの下面と面一に塑性変形させ、同時に、塑性変形されたリング部3をビス座Sのテーパー面に連続させることができるようになっている。
【0012】
上記のビス座形成装置において、第1パンチ10には、図2(a)に示すごとくパンチ領域を他に先行して押圧変形させる除肉突起14と、押圧変形されたパンチ領域をせん断して貫通穴2を形成するせん断部15と、貫通穴2の上開口縁を下すぼまりテーパー状に塑性変形させて、前段ビス座4を形成する下すぼまりテーパー状の前段整形部16とが設けられており、第2パンチ12の整形部22の下面には、ブランク材1aの下面と面一に塑性変形されたリング部3の内縁形状を規定する規制軸23が設けられている。
【0013】
【発明の作用効果】
本発明では、貫通穴2の下面周縁にリング部3を形成しておき、貫通穴2を整形してテーパー穴状のビス座3を形成する際に、リング部3の全体を貫通穴2側へ押し戻すことにより、リング部3をブランク材1aの下面と面一状に塑性変形させ、同時に、貫通穴2側へ押し戻されたリング部3の内面を貫通穴2と共に下すぼまりテーパー状に整形してビス座Sを形成するようにした。
【0014】
このように、整形過程において、リング部3を貫通穴2とともにテーパー穴状に整形してビス座Sを形成すると、整形用の第2パンチ12で塑性変形されて押し除けられる肉壁の全体量が、少なくともリング部3の体積分だけ減るので、形成されたビス座Sの上周縁に余肉が盛り上がるのをよく防止できる。さらに、貫通穴2を形成した時点でバリが生じていたとしても、バリはリング部3と共に塑性変形されて、ブランク材1aの下面と面一状に整形されてしまうので、ビス座3が完成した状態でバリが生じる余地はなく、従って余肉やバリを除去するための仕上げ加工を省略でき、その分だけ作業効率と生産性とが向上する。
【0015】
穴あけ工程において、パンチ領域の殆どをダイ穴19内へ押し込んだ状態で貫通穴2を形成すると、単に貫通穴2を打ち抜き形成する場合に比べて、パンチ領域の周囲の肉壁をダイ穴19側へ流動させて減肉できる。さらに、貫通穴2の上開口縁を下すぼまりテーパー状に塑性変形させて前段ビス座4を形成すると、前段ビス座4を形成する際に押された肉壁の一部を受穴20側へ逃がして減肉できる。従って、整形工程でビス座Sを形成する際に、第2パンチ12で塑性変形される肉壁の体積が大幅に減少して、余分な肉壁のはみ出しを確実に防止でき、余肉の盛り上がりのないビス座Sを形成できる。
【0016】
第1パンチ10と第1ダイ11とで、貫通穴2とリング部3とを同時に形成し、第2パンチ12と第2ダイ13とで、貫通穴2を下すぼまりテーパー状に整形してビス座Sを形成するビス座形成装置によれば、2工程の塑性加工のみでビス座Sを適正に形成でき、しかも仕上げ加工を省略できるので、ビス座Sの加工に要するコストを削減できる。通常のプレス機でビス座Sを加工できる利点もある。
【0017】
第1ダイ11のダイ穴19の上開口縁に受穴20を形成し、この受穴20と第1パンチ10との協同作用でリング部3を形成するので、リング部3を確実に形成できるうえ、受穴20の大きさを変更することにより、整形加工時に整形部22で押し除けられる肉壁の量を加減できる。
【0018】
第2パンチ12を貫通穴2に押圧してビス座Sを形成する際に、リング部3をブランク材1aの下面と面一に塑性変形させるので、ブランク材1aの下面が面一に仕上がる。従って、例えばアルミニウ条材からなるガイドレールの締結壁にビス座Sを形成するような場合に、ガイドレールの断面構造を簡略化して、そのコストダウンに寄与できる。
【0019】
第1パンチ10が、パンチ領域を押圧変形する除肉突起14と、せん断部15と、前段ビス座4を形成する前段整形部16とで構成されていると、第1パンチ10のみで除肉、せん断、前段整形の一連の加工を能率よく行える。第2パンチ12の整形部22の下面に、ブランク材1aの下面と面一に塑性変形されたリング部3の内縁形状を規定する規制軸23が設けられていると、整形過程において整形部22で穴中心側へ押し除けられた肉部を規制軸23で受け止めて整形でき、ビス座Sの穴形状がいびつにばらつくのを防止し、穴径寸法を均一に揃えることができる。
【0020】
【実施例】
図1ないし図4に、本発明に係るビス座形成方法とその装置の第1実施例を示す。ビス座は、図1(a)に示すごとく金属板材1を打ち抜いて貫通穴2を形成する穴あけ工程と、図1(b)に示すごとく穴あけ工程を経たブランク材1aの貫通穴2を、下すぼまりテーパー状に整形してビス座Sを形成する整形工程とからなる。
【0021】
図1(a)の穴あけ工程においては、貫通穴2の形成に並行して、貫通穴2の下周縁に断面が直角三角形状のリング部3を突出形成し、さらに貫通穴2の上開口縁を下すぼまりテーパー状に塑性変形させて前段ビス座4を形成する。穴あけ工程が終了した時点におけるリング部3の外周面は、下すぼまりテーパー状になっている。
【0022】
図1(b)の整形工程においては、貫通穴2を下すぼまりテーパー状に整形するのに並行して、リング部3をブランク材1aの下面と面一状に塑性変形させ、同時にリング部3の内面をビス座Sのテーパー面に連続させて、ビス座Sを完成する。
【0023】
図2および図3はビス座形成装置とその加工工程を示す。ビス座形成装置は、図2に示すごとく金属板材1に貫通穴2を形成する第1パンチ10および第1ダイ11と、図3に示すごとく前記貫通穴2を下すぼまりテーパー状に整形してビス座Sを形成する第2パンチ12および第2ダイ13とからなる。
【0024】
図2において、第1パンチ10は、パンチ領域を他に先行して押圧変形させる除肉突起14と、押圧変形されたパンチ領域をせん断して貫通穴2を形成するせん断部15と、貫通穴2の上開口縁を下すぼまりテーパー状に塑性変形させて前段ビス座4を形成する下すぼまりテーパー状の前段整形部16とを多段状に備えている。
【0025】
除肉突起14は、下端が半球状に丸められた突起からなり、その突出寸法は金属板材1の厚み寸法より十分に大きく設定してある。除肉突起14の突出基端部の直径は、せん断部15の直径寸法(貫通穴2の内径)の7割前後に設定してある。せん断部15は丸軸状に形成する。前段整形部16のテーパー角度は90度である。
【0026】
第1ダイ11には、先のせん断部15に対応するダイ穴19を形成してあり、その上開口縁に下すぼまりテーパー状の受穴20が形成されている。受穴20は、第1パンチ10で押し出された余肉を受け入れてリング部3を形成するために存在する。
【0027】
図3において第2パンチ12は、下すぼまりテーパー状の整形部22を有し、その下面に丸軸状の規制軸23が突設されている。整形部22は前段ビス座4および貫通穴2を塑性変形させてビス座Sを形成し、その際にリング部3も同時に整形して、ブランク材1aの下面と面一に塑性変形させ、塑性変形されたリング部3をビス座Sのテーパー面に連続させる。このとき、塑性変形されるリング部3の内縁形状を規定するために、前記規制軸23が存在する。
【0028】
第2ダイ13には、規制軸23に対応するダイ穴24を形成する。このダイ穴24の直径寸法は貫通穴2の直径寸法より小さく設定しておく。
【0029】
次にビス座Sの加工過程の詳細を説明すると、先に述べたように、穴あけ工程では、図2(a)に示すように第1ダイ11に金属板材1を載置して位置決めし、第1パンチ10で貫通穴2を打ち抜き形成する。このとき、図2(b)に示すように貫通穴2が打ち抜かれるのに先行して、パンチ領域の殆どが除肉突起14でダイ穴19内へ押し込まれる。除肉突起14で板面を押し込むことにより、パンチ領域の周囲の肉壁をダイ穴19側へ流動させて減肉でき、後工程において貫通穴2を塑性変形させてビス座Sを形成する際の肉壁の体積を減少できる。同時に、パンチ領域の下面周囲の肉壁を受穴20に流動させることができる。
【0030】
この後に、下凹み状のパンチ領域がせん断部15で打ち抜き除去されて、図2(c)に示すごとく貫通穴2が形成される。
【0031】
パンチ領域の打ち抜きに連続して、図2(c)に示すように貫通穴2の上半部を前段整形部16で塑性変形させて前段ビス座4を形成する。このとき、前段整形部16で押された肉壁の一部を受穴20側へ逃がすことができるので、整形工程で前段整形部16を再度塑性変形させてビス座Sを形成する際の肉壁の体積を減少できる。肉壁の一部は前段ビス座Sの上開口縁に盛り上がるが、この余肉は整形工程で整形される。
【0032】
図2(c)においてブランク材1aの下面に突出するリング部3は、せん断時、あるいは前段ビス座4の圧印加工時の塑性変形によって形成される。リング部3はバーリング加工で形成したボスと見た目は似ているが、第1パンチ10の圧印作用で形成される点で本質的に異なる。
【0033】
整形工程では、図3(a)に示すように、穴あけ工程を経たブランク材1aを第2ダイ13上に載置し、貫通穴2をダイ穴24と同心状に位置決めした状態で、第2パンチ12によって整形加工を施す。このとき、リング部3の下端縁のみが第2ダイ13の上面で受け止められているので、整形部22で前段ビス座4を押圧すると、第2パンチ12の押圧力がリング部3の下端縁に集中する。その結果、リング部3は図1(b)に示すように全体が貫通穴2側へ押し戻されて、ブランク材1aの下面と面一状に塑性変形される。
【0034】
この押し戻しを確実に行ううえで、リング部3の外周面が下すぼまりテーパー状で、内面がストレート穴になっていることが役立っている。同時に、貫通穴2側へ押し戻されたリング部3が、前段ビス座4と同時に整形部22で塑性変形されて、下すぼまりテーパー状に整形されてビス座Sを形成する。
【0035】
貫通穴2側へ押し戻され、整形部22で再度押圧されたリング部3は、ビス座Sの下面穴の中心方向へ圧延変形する。このときの圧延部内縁の形状を規制軸23で規定することにより、ビス座Sの下面開口の直径寸法を一定にし、穴形状がいびつにばらつくのを防止する。図1(b)において符号26は、貫通穴2であった個所と、塑性変形されたリング部3との接合部分を示している。
【0036】
かかる本発明のビス座形成方法によれば、ビス座Sを整形する際に整形部22で押し除けられる肉壁の量を最小限化できるので、余肉の盛り上がりがない。しかも、貫通穴2の形成時にバリが生じても、ビス座Sを整形する際にバリが吸収除去されるので、仕上げ加工を施す必要がなく、全体として適正な構造のビス座Sを低コストで形成できる。
【0037】
図4は加工対象の一例であるアルミニウム条材からなるガイドレール27を示す。ガイドレール27は、断面C字状に形成してあり、その締結壁28の適所にビス座Sが形成される。本出願人は、先に述べたビス座形成装置を用いてガイドレール27に問題なくビス座Sを形成できた。
【0038】
また、締結壁28を開口枠の上枠に締結した状態において、ビス座Sと上枠との接合面側に突起が出ないので、ガイドレール27の構造を簡素化し、その分だけレールの製造コストを削減できる。因みに、従来のガイドレールでは、図4に想像線で示すように、締結壁28の外面に一対のリブ29を設けて、バーリング加工で形成したビス座が上枠に部分接触するのを防止していたが、本発明のビス座Sによれば、かかるリブ29を省略してレールの製造コストを削減できる。
【0039】
図5は本発明の第1パンチ10に関する第2実施例を示す。そこでは、除肉突起14と、前段整形部16とを省略して、第1パンチ10がせん断部15のみで形成されている。但し、せん断部15の上部基端を拡径状に丸めて、下すぼまり状の除肉部25を設けた。除肉部25は整形工程で塑性変形される肉壁の体積を減らすために設けてある。この第2実施例からも理解できるように、第1パンチ10と第1ダイ11とは、少なくとも貫通穴2とリング部3とを形成できる構造であればよい。なお、第2実施例においては、第1実施例と同じ部材には同じ符号を付してその説明を省略する。以下の実施例においても同様に取り扱うこととする。
【0040】
図6は第1パンチ10を変更した第3実施例を示す。そこでは、裁頭円錐台状の除肉突起14とせん断部15とで第1パンチ10を構成した。この場合の除肉突起14の基端部直径はせん断部15の直径に一致させた。この実施例の第1パンチ10によれば、図2で説明した第1パンチに比べて、除肉突起14の基端部直径寸法が大きいので、効果的に除肉を行えるうえ、肉壁の一部を受穴20内に流動させて、リング部3を確実に形成できる。前段整形部16を省略した分だけ第1パンチ10の構造を簡素化できる利点もある。
【0041】
図7は第1パンチ10および第1ダイ11を変更した第4実施例を示す。そこでは、第1パンチ10をせん断部15のみで形成した。また、受穴20をダイ穴19より大径の同心状の凹部で形成して、リング部3をバーリング加工で形成したボスと同様の筒壁で形成した。但し、貫通穴2がせん断部15で規定されるストレート穴として形成される点が、バーリング加工で形成したボスと若干異なる。
【0042】
図8は第2パンチ12および第2ダイ13を変更した第5実施例を示す。そこでは、第2パンチ12を、整形部22と、整形部22の上縁周囲に設けられる段部26とで構成して規制軸23を省略した。段部26は、貫通穴2あるいは前段ビス座4の開口周縁壁を押さえ付けて、リング部3が貫通穴2側へ押し戻されるのを促進し、押し戻された肉壁がブランク材1aの下面と面一状に塑性変形されるのを助けるために設けてある。この実施例では規制軸23を省略するので、ダイ穴24を省略して、平坦な第2ダイ13でリング部3を受け止めるようにした。
【0043】
上記以外に、受穴20はテーパー面で形成する必要はなく、例えば断面突弧状や、断面凹弧状に形成することができる。本発明は、アルミニウム製のレールやモール、あるいは板材にビス座Sを形成するのに好適であるが、銅板や鋼板等の他の金属成形品や、金属板材にビス座Sを形成する場合にも適用できる。リング部3はバーリング加工によって形成することができ、その場合には、ダイ穴19の直径寸法を、図7で説明した受穴20の直径寸法に一致させるとよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】ビス座の形成過程を示す断面図
【図2】穴あけ工程を示す断面図
【図3】整形工程を示す断面図
【図4】ビス座の加工例を示す斜視図
【図5】第1パンチに関する第2実施例を示す断面図
【図6】第1パンチに関する第3実施例を示す断面図
【図7】第1ダイに関する第4実施例を示す断面図
【図8】第2パンチに関する第5実施例を示す断面図
【図9】ビス座形成法の従来例を示す断面図
【図10】ビス座形成法の別の従来例を示す断面図
【符号の説明】
1 金属板材
1a ブランク材
2 貫通穴
3 リング部
4 前段ビス座
10 第1パンチ
11 第1ダイ
12 第2パンチ
13 第2ダイ
14 除肉突起
15 せん断部
16 前段整形部
22 整形部
23 規制軸
S ビス座

Claims (4)

  1. 金属板材1を打ち抜いて貫通穴2を形成する穴あけ工程と、穴あけ工程を経たブランク材1aの貫通穴2を、下すぼまりテーパー状に整形してビス座Sを形成する整形工程とからなり、
    穴あけ工程において、貫通穴2の形成に並行して、貫通穴2の下周縁にリング部3を突出形成し、
    整形工程において、貫通穴2の整形に並行して、リング部3をブランク材1aの下面と面一状に塑性変形させ、かつ、塑性変形されたリング部3をビス座Sのテーパー面に連続させることを特徴とするビス座形成方法。
  2. 穴あけ工程において、パンチ領域の殆どをダイ穴19内へ押し込んだ状態で貫通穴2を形成し、貫通穴2の上開口縁を下すぼまりテーパー状に塑性変形させて前段ビス座4を形成する請求項1記載のビス座形成方法。
  3. 金属板材1に貫通穴2を形成する第1パンチ10および第1ダイ11と、
    前記貫通穴2を下すぼまりテーパー状に整形してビス座Sを形成する第2パンチ12および第2ダイ13とを含み、
    第1ダイ11のダイ穴19の上開口縁には、貫通穴2の下開口縁から下向きに突出するリング部3を形成するための受穴20が形成されており、
    第2パンチ12は、ブランク材1aの貫通穴2を下すぼまりテーパー状に整形してビス座Sを形成する整形部22を備えており、
    第2ダイ13の上面にリング部3の下縁を載置した状態で、第2パンチ12を貫通穴2に押圧して、リング部3をブランク材1aの下面と面一に塑性変形させ、同時に、塑性変形されたリング部3をビス座Sのテーパー面に連続させることを特徴とするビス座形成装置。
  4. 第1パンチ10には、パンチ領域を他に先行して押圧変形させる除肉突起14と、押圧変形されたパンチ領域をせん断して貫通穴2を形成するせん断部15と、貫通穴2の上開口縁を下すぼまりテーパー状に塑性変形させて、前段ビス座4を形成する下すぼまりテーパー状の前段整形部16とが設けられており、
    第2パンチ12の整形部22の下面には、ブランク材1aの下面と面一に塑性変形されたリング部3の内縁形状を規定する規制軸23が設けられている請求項3記載のビス座形成装置。
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