JP2004065417A - トンネル防災システム - Google Patents

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Abstract

【課題】火災発生ゾーンをゾーンニングし、高温のガス、煙等の拡散を確実に抑制するとともに、効率的な排煙動作と火災期間中を通して排煙設備の稼動を確保できるトンネル防災システムを提供する。
【解決手段】トンネル長手方向に沿って敷設された火災発生検知手段4と、トンネル長手方向に沿って所定間隔で設置され、水幕を形成してトンネル内空間を所定間隔毎にゾーンニングするウォータースクリーン装置5と、ゾーンニングされる空間毎に設置される水噴霧設備6と、トンネル内を強制的に換気する換気装置3とを備え、火災発生検知手段4で検知した火災発生ゾーンAをウォータースクリーン装置5によってゾーンニングするとともに、火災発生ゾーンA及びその隣接するゾーンBを換気装置3により所定の時期に換気し、更に火災発生ゾーンAに対して水噴霧設備6により自動散水するようにしたトンネル防災システム。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄道トンネル、道路トンネル、洞道等の各種トンネル(以下単にトンネルという)において、その内部で発生した列車、自動車等の走行車両の火災事故を含む火災発生に対応するための、トンネルにおける防災システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トンネルにおいては、外気と接する空間がごく限られているため、トンネル内部での火災発生等の非常時には、避難、救援、消防等の防災活動に大きな制約を受けるという問題がある。また、火災発生時にはその発生源周辺の空気及び構造体が高温に熱せられて破壊し易くなり、その上、高温の燃焼ガス、煙がトンネルの延長方向(長手方向)に拡散し易い等の特徴を有している。
【0003】
一方、トンネルにおいて、非常時のトンネル内空間の換気に限ってみれば、縦流換気方式、横流換気方式、半横流換気方式、及びその他の換気方式(組合せ換気方式を含む)等多くの換気システムが提案されており、火災発生時の燃焼ガス及び煙等を速やかに排気(排煙)できるようにしている。また、トンネル躯体の冷却のために散水用の水噴霧設備を設け、火災発生源の消火促進、燃焼抑制、並びに構造体壁の冷却等を行うようにしている。
なお、道路トンネルにおいては、トンネルの長さと交通量によってランク分けされ、非常用の設備の設置義務が規定されている。
【0004】
このような非常用設備の一例が図8に示されている。
図8中において、50はトンネルの本線であり、その床版下空間51には避難空間52が設けられ、該避難空間52と本線50はトンネルの長手方向に沿って所定間隔で複数箇所に設けられたスロープ、階段等の避難連絡路53を介して連絡されている。該トンネルの本線50は縦流換気方式の換気装置54により換気されるよう構成されているとともに、該本線50にはその長手方向に沿って所定間隔で水噴霧設備55が設置されている。また、必要に応じて避難空間52には非常時に加圧空気を給気できるようになっている。
【0005】
火災発生時には、避難者は車両より退避し、近隣の避難連絡路53より避難空間52に避難する。その後水噴霧設備55より自動散水して構造体壁の冷却するとともに、避難空間52に対して加圧空気を給気し、避難空間52を確保するようにしている。その上で避難空間52より自走救援車両が進入し、避難者を安全な定点へ輸送し、更に避難連絡路53より本線50に消防隊が突入して消防活動ができるようにしている。
【0006】
また、特開昭57−153671号公報に示されているように、トンネルの両端出口にトンネルの外側に向かうジェット水流を形成するノズルをトンネル断面全体を覆うように設置するとともに、トンネル内部の天井の中心線に沿って釣鐘状に水膜を噴出するノズルを設け、熱気流、煙、燃焼ガスを区域的に遮断し、消火を行うようにし、延焼拡大を防止できるようにしたものが提案されている。
【0007】
更に、特開平9−271526号公報においては、トンネル内空間をその長さ方向に沿ってゾーンニング(区画化)するとともに、各ゾーンの境界部に火災発生時にトンネル内空間に降下し、ゾーン毎に空間を遮断して他のゾーンから区画された空間を形成する不燃性壁部材を設けることにより、火災及び高温領域の拡大と煙の拡散を防止して、それらを限られた空間内に封じ込めることができるようにものが提案されている。
【0008】
しかしながら、上記した従来の技術にあっては、高温の燃焼ガス、空気、煙の拡散を充分に抑制することはできなかった。また、排煙とともに給気が行われていたため、燃焼が継続され、燃焼ガス温度や排煙温度が高温(トンネルの冷却設備においては100℃、建築設備では280℃程度)となり、火災ゾーンから隣接ゾーンに漏れた燃焼ガス、排煙の温度を低下させることができず、排煙を継続することができなくなることがあった。
このため、防災用避難路の確実な確保や救援活動・消防活動等の防災活動の領域確保の面、あるいは効率的な排煙動作やその設備の火災期間中の稼動確保、集中的な散水による燃焼抑制と消火促進並びに構造体壁の冷却等の面から改善の余地が多々残されていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した状況に対処するためになされたものであり、その第一の課題は、火災発生ゾーンをゾーンニングし、高温のガス、煙等の拡散を確実に抑制することができるとともに、効率的な排煙動作と火災期間中を通して排煙設備の稼動を確保できるトンネル防災システムを提供することにある。
また、本発明の他の課題は、火災発生ゾーンをゾーンニングして集中的に散水し、消火促進と燃焼抑制を図るとともに、周辺の空気温度及び構造体壁を効果的に冷却できるトンネル防災システムを提供することにある。
【0010】
本発明の更なる課題は、火災事故を起こした走行車両の搭乗者等の避難者が安全な区域へ避難するための避難路(避難空間)を確実に確保することができるトンネル防災システムを提供することにある。
本発明のもう一つの課題は、消防隊が救援活動・消防活動等の防災活動をする領域を容易に確保することができるトンネルにおける防災システムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するため、請求項1に記載された発明に係るトンネル防災システムは、トンネルの長手方向に沿って敷設され、該トンネル内での火災発生を検知する火災発生検知手段と、前記トンネルの長手方向に沿って所定間隔で設置され、該トンネルを横断する方向に水幕を形成してトンネル内空間を所定間隔毎にゾーンニングするウォータースクリーン装置と、前記ウォータースクリーン装置によりゾーンニングされる空間毎に設置される水噴霧設備と、前記トンネル内を強制的に換気する換気装置とを備え、前記火災発生検知手段で検知した火災発生ゾーンを前記ウォータースクリーン装置によってゾーンニングするとともに、前記火災発生ゾーン及び当該火災発生ゾーンに隣接するゾーンを前記換気装置により所定の時期に換気し、更に前記火災発生ゾーンに対して前記水噴霧設備により自動散水するようにしたことを特徴とするものである。
上記に構成によれば、トンネル内で火災が発生したことを火災発生検知手段が検知すると、避難者の退避を待って避難の制御が上手く行く場合は検知とともにウォータースクリーン装置が作動され、トンネルを横断する方向に水幕を形成して火災発生ゾーンを他のゾーンから区画してゾーンニングし、当該ゾーンに燃焼ガス及び煙等を封じ込め、その拡散を抑制することができる。次いで、水噴霧設備により火災発生ゾーンに対し集中的に自動散水し、消火促進、燃焼抑制、構造体壁の冷却、燃焼ガス及び煙の温度低下を図ることができる。その後、換気装置によりトンネル内を強制的に換気して排煙することによって、消防隊が入り消防活動、救援活動等の防災活動を実施することができるようになる。
【0012】
また、請求項2に記載された発明に係るトンネル防災システムは、請求項1に記載の発明において、前記換気装置として、縦流換気方式、横流換気方式、半横流換気方式、及びその他換気方式の少なくとも一種を具備したことを特徴とするものである。
上記のような換気方式は、通常トンネルの換気装置として既設されていることが多く、それを防災システムにおいて有効に利用することができる。
【0013】
更に、請求項3に記載された発明に係るトンネル防災システムは、請求項1又は2に記載の発明において、前記トンネルが、トンネル本線に対して区画形成された避難空間を備え、前記火災発生ゾーン及び該火災発生ゾーンに隣接するゾーンを前記ウォータースクリーン装置によりゾーンニングし、前記避難空間に対して加圧空気を供給することにより、該避難空間を介して前記トンネル本線の前記隣接ゾーンに給気するとともに、避難終了後前記トンネル本線を縦流換気方式により排気して強制的に排煙するようにしたことを特徴とするものである。
上記のようにトンネル本線と区画された避難空間を設け、該避難空間に対して加圧空気を供給することにより、避難空間側からトンネル本線側に給気するようにしているため、上述した防災機能の発揮と併せ、避難者が安全な区域へ避難するための避難路を確実に確保することができる。
【0014】
また、請求項4に記載された発明に係るトンネル防災システムは、請求項1又は2に記載の発明において、前記換気装置が、前記トンネルの長手方向に沿って敷設された排気ダクトを備え、前記火災発生ゾーンを前記ウォータースクリーン装置によりゾーンニングし、前記トンネルに対して縦流換気方式により給気するとともに、前記トンネルを前記排気ダクトを介して横流換気方式により排気して強制的に排煙するようにしたことを特徴とするものである。
上記のようにトンネル内を縦流換気方式の給気により換気しながら、排気ダクトを設けた横流換気方式により火災発生ゾーンを排気して強制的に排煙することができるため、ウォータースクリーン装置による煙拡散抑制との相乗効果によって、効率よく排煙できるとともに、火災期間中を通して排煙設備の稼動を確保することができる。
【0015】
更に、請求項5に記載された発明に係るトンネル防災システムは、請求項1又は2に記載の発明において、前記換気装置が、前記トンネルの長手方向に沿って敷設された給・排気ダクトを備え、前記火災発生ゾーンを前記ウォータースクリーン装置によりゾーンニングし、前記トンネルを前記給・排気ダクトを介した横流換気方式により給・排気して強制的に排煙するようにしたことを特徴とするものである。
上記のようにトンネル内を給・排気ダクトを設けた横流換気方式により換気しながら、火災発生ゾーンを排気して強制的に排煙することができるため、ウォータースクリーン装置による煙拡散抑制との相乗効果によって、効率的な排煙と火災期間中を通して排煙設備の稼動を確保することができる。
【0016】
また、請求項6に記載された発明に係るトンネル防災システムは、請求項5に記載の発明において、火勢が強い段階では、前記火災発生ゾーンに対する前記給気ダクトからの直接給気を停止するようにしたことを特徴とするものである。
火勢が強い段階で給気ダクトから直接給気すると、火勢を強める可能性があるため、給気ダクトからの直接給気を停止することにより、ウォータースクリーン装置により形成される左右の水幕を通して給気することが望ましい。
【0017】
更にまた、請求項7に記載された発明に係るトンネル防災システムは、請求項3に記載の発明において、前記換気装置として、立坑送排気方式の換気装置を組合せ、前記火災発生ゾーンを挟んで位置する一方の立坑の排気系を給気系として機能させ、前記他方の立坑の排気系から排気して強制的に排煙するとともに、前記立坑の給気系から前記避難空間に給気するようにしたことを特徴とするものである。
上記のように立坑送排気方式の換気装置と組合せることにより、火災発生ゾーンに対しての立坑からの縦流換気方式による給・排気によって強制的に排煙することができるため、ウォータースクリーン装置による煙拡散抑制との相乗効果で効率的な排煙と火災期間中を通して排煙設備の稼動を確保することができる。
また、避難空間に対する加圧空気の供給を立坑送排気式の給気系を利用することにより簡易に実現することができる。
【0018】
さらに、請求項8に記載された発明に係るトンネル防災システムは、請求項4に記載の発明において、前記換気装置として、立坑送排気方式の換気装置を組合せ、前記火災発生ゾーンを挟んで位置する一方の立坑の排気系を給気系として機能させ、前記他方の立坑の排気系から排気して強制的に排煙するとともに、前記立坑の排気系に連結された前記排気ダクトの長手方向に沿って所定間隔で開閉ダンパーを設け、火災発生源に近い側の前記立坑から排煙されるよう前記排気ダクト中に設けられた当該立坑から遠い側のダンパーを閉じるようにしたことを特徴とするものである。
上記のように立坑送排気方式の換気装置と組合せることにより、火災発生ゾーンに対する立坑からの縦流換気方式による給気によって、火災発生ゾーンに燃焼ガス、煙等を封じ込め、それを排気ダクトから排気して強制的に排煙することができるため、ウォータースクリーン装置による煙拡散抑制との相乗効果によって効率よく排煙できるとともに、火災期間中を通して排煙設備の稼動を確保することができる。
【0019】
更にまた、請求項9に記載された発明に係るトンネル防災システムは、請求項4に記載の発明において、前記換気装置として、立坑送排気方式の換気装置を組合せ、前記火災発生ゾーンを挟んで位置する一方の立坑の排気系を給気系として機能させ、前記他方の立坑の排気系から排気して強制的に排煙するとともに、前記立坑の排気系に連結された前記排気ダクトの長手方向に沿って所定間隔で開閉ダンパーを設け、火災発生源に近い側の前記立坑から排煙されるよう前記排気ダクト中に設けられた当該立坑から遠い側のダンパーを閉じるようにし、更に前記立坑の給気系から前記トンネルの本線と区画形成された避難空間に対して給気するようにしたことを特徴とするものである。
上記のように立坑送排気方式の換気装置と組合せることにより、火災発生ゾーンに対する立坑からの縦流換気方式による給気によって、火災発生ゾーンに燃焼ガス、煙等を封じ込め、それを排気ダクトから排気して強制的に排煙することができるため、ウォータースクリーン装置による煙拡散抑制との相乗効果によって効率よく排煙できるとともに、火災期間中を通して排煙設備の稼動を確保することができる。また、避難空間に対する加圧空気の供給を立坑送排気式の給気系を利用することにより簡易に実現することができる。
【0020】
さらに、請求項10に記載された発明に係るトンネル防災システムは、請求項3、7及び9のいずれかに記載の発明において、前記避難空間を、トンネル本線の床版下空間に設け(又は、別途設けた避難トンネル)、該避難空間とトンネル本線とを避難連絡路を介して連絡したことを特徴とするものである。
上記のようにトンネル本線の床版下空間を有効に利用して避難空間を設けることによって、トンネル本線と区画された避難空間を容易に形成することができ、より安全な避難路を確保することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図1乃至図7に基づいて説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係るトンネル防災システムの構成図で、(A)はトンネル長手方向に沿う縦断面図、(B)は横断方向の縦断面図、図2は本発明の第2実施形態に係るトンネル防災システムの構成図で、(A)はトンネル長手方向に沿う縦断面図、(B)は横断方向の縦断面図、図3は本発明の第3実施形態に係るトンネル防災システムの構成図で、(A)はトンネル長手方向に沿う縦断面図、(B)は横断方向の縦断面図、図4は本発明の第4実施形態に係るトンネル防災システムの構成を示すトンネル長手方向に沿う縦断面図、図5は本発明の第5実施形態に係るトンネル防災システムの構成を示すトンネル長手方向に沿う縦断面図、図6は本発明の第6実施形態に係るトンネル防災システムの構成を示すトンネル長手方向に沿う縦断面図、図7は本発明に係るトンネル防災システムの制御フロー図である。
【0022】
図1中において、1はトンネルの本線であり、該トンネルは車両の走行面の下部に床版下空間2を有する構成となっている。
また、該トンネルには既知の縦流換気方式、横流換気方式、半横流換気方式及びその他換気方式の少なくとも一種の換気装置3を具備しており、トンネル内を強制的に換気できるように構成されている。この実施形態では、縦流換気方式が採用されている。
【0023】
なお、上記縦流換気方式の代表的型式として、ジェットファン式、サッカルド式、集中排気式等の方式があり、横流換気方式の代表的型式として、送排気両方トンネルダクト式があり、半横流換気方式の代表的型式として、トンネル内送気ダクトによる送気式、トンネル内排気ダクトによる排気式があり、更には立坑送排気方式による縦流換気、電気集塵機付きの縦流換気、電気集塵機付き立坑送排気方式の縦流換気、送気半横流集中排気式の換気等種々の方式、型式があり、何れの換気装置を用いてもよい。
【0024】
トンネルの本線1内には、熱、煙、炎、温度等から火災の発生を検知する、例えば光ファイバーセンサーを用いた火災発生検知手段4が、トンネルの長手方向に沿ってその全長にわたって敷設されており、車両火災事故、その他トンネル内での火災発生の情報を火災源の位置及び火災領域情報として逐次確認できるようになっている。
なお、火災発生検知手段4により検知された上記の火災情報は監視センターに送られ、コンピューターに入力されて以下に記す防災システムの制御に用いられるようになっている。
【0025】
また、トンネル本線1内には、その長手方向に沿って所定の間隔でウォータースクリーン装置5が設置されており、該ウォータースクリーン装置5はトンネル横断方向に水を噴出し、これによって形成される水幕によりトンネル内空間を所定間隔毎にゾーンニングできるようになっている。なお、このゾーンの長さ方向寸法は、トンネルの用途によって異なるよう設定され、鉄道トンネル、道路トンネル等その用途に応じた寸法に適宜設定される。
【0026】
更に、トンネル本線1の天井部分には、ウォータースクリーン装置5によりゾーンニングされるトンネル内空間毎に所定間隔で多数の水噴霧設備6が設置されており、火災発生時に消火水を自動散水できるようになっている。
一方、トンネル本線両脇には避難路11が形成されるとともに、トンネルの床版下空間2を利用して避難空間7が形成されており、該避難空間7とトンネル本線1とは、所定間隔で設けられたスロープ(滑り台)、階段等の避難連絡路8を介して連絡されている。この避難空間7は、避難した人間が通行できるだけではなく、自走救援車両等が走行可能なように整備されている。
また、避難空間7には、加圧された空気(5Pa以上の差圧を付けた)が給気され、この加圧空気が避難連絡路8を介してトンネル本線1内に給気されるようになっている。更に、避難連絡路8には図示省略の開閉式の扉兼ダンパーが設けられているものとする。
【0027】
しかして、上記の実施形態において、トンネル内で車両火災が発生した場合を想定すると、その火災発生源の位置及び火災領域が光ファイバーセンサー等を用いた火災発生検知手段4により検知され、監視センターに送られる。火災事故を起こした車両の搭乗者は、速やかに車両から退避する。
この段階でウォータースクリーン装置5を作動させ、トンネルを横断する水幕を形成して、火災発生ゾーンA及び当該火災発生ゾーンに隣接するゾーンBを水幕によりゾーンニクングすることにより、燃焼ガス、煙等の拡散を防止し、火災発生ゾーンAに封じ込めることができるようになっている。
【0028】
これによって避難経路を確保することができ、車両からの退避者は近隣の避難連絡路8よりスロープ等を使って避難空間7に避難することができる。
退避者が避難した後、水噴霧設備6を作動させることにより、ゾーンニングされた火災発生ゾーンAに対して消火水を自動散水し、燃焼の抑制、消火の促進を図ることができる。
その後、避難空間7にトンネルの本線1側と5Pa程度の差圧が付くよう加圧された空気を供給し、避難路側の安全確保を図るとともに、避難連絡路8を介してトンネル本線1の火災発生ゾーンAに隣接するゾーンBに給気する。この際、火災発生ゾーンAに直接給気すると燃焼を促進する可能性があるため、該ゾーンにある避難連絡路8の扉兼ダンパーは閉じた状態としておく方が望ましい。
【0029】
本坑での避難が完了された事が確認された後、ウォータースクリーン装置5を停止して水幕によるゾーンニングを解除した上、トンネル本線1内を縦流換気方式により強制的に換気することによって、火災発生ゾーンA及び隣接ゾーンBに封じ込められていた煙、燃焼ガス等を排気(排煙)することができる。
一方、この段階で避難空間7に自走救援車両を進入させることにより、避難者を安全な定点へ輸送することができるとともに、避難空間7より避難連絡路8を介して本線1に消防隊を突入させることにより、縦流換気の給気側に消防活動の拠点を設けて、以降の消防活動、救援活動等の防災活動を行うことができる。
【0030】
上述したように、本実施形態によると、火災発生を検知し避難者が車両から退避して避難路に避難するまでの間、ウォータースクリーン装置5により水幕を形成して火災発生ゾーンAをゾーンニングし、他のゾーンBと区画して煙、燃焼ガス等を封じ込めることができるため、煙等のトンネル長手方向への拡散を効果的に抑制することができるとともに、周辺の空気温度や構造体壁の温度上昇を抑えることができる。
【0031】
また、水幕の水滴等により火災発生ゾーンAでの火災領域の燃焼を小さくすることができるとともに、その後の水噴霧設備6からの散水によって、燃焼の抑制や消火の促進を図って速やかに火災を鎮火し、更には燃焼ガスや構造体壁の冷却を促進することができる。
【0032】
他方において、避難者は避難路11,避難連絡路8を経ての避難空間7に避難する間、煙、炎に曝されないで避難することができ、しかも一時的な避難空間としてトンネルの本線1と区画された避難空間7を用いることができるため、安心感を持って避難してもらうことができる。また、避難空間7に避難した後は、通常の自走車両を用いて避難輸送することができるとともに、その他の救援活動や消防活動等の防災活動を行うことができる。
【0033】
次に、第2の実施形態を図2に基いて説明する。
第2の実施形態は、トンネル内に排気ダクト9を設けた半横流換気方式の換気装置3を採用した例であり、トンネルの本線1内に、第1実施形態と同様、光ファイバーセンサーを用いた火災発生検知手段4、ウォータースクリーン装置5、水噴霧設備6等が敷設されている。
なお、排気ダクト9の長手方向に沿って設けられた排気口10には、該排気口10を開閉できるダンパーが設けられているものとする。
一方、本実施形態では、本線1内のトンネル両側壁と本線1の間のスペースに避難路11が設けられたトンネル構成となっている。
【0034】
しかして、第2実施形態において、トンネル内で火災が発生すると、その火災発生源の位置及び火災領域が光ファイバーセンサー等を用いた火災発生検知手段4により検知され、監視センターに送られる。火災事故を起こした車両の搭乗者は、速やかに車両から避難路11に退避する。
この段階でウォータースクリーン装置5が作動され、トンネルを横断する水幕を形成して、火災発生ゾーンAを水幕によりゾーンニクングすることにより、燃焼ガス、煙等の拡散を防止し、火災発生ゾーンAに封じ込めることができるようになっている。
【0035】
一方、トンネル内は半横流換気方式の換気装置3による縦流方式の給気と排気ダクト9を用いた横流方式の強制排気とによって換気され、煙、燃焼ガス等は速やかに排気ダクト9を経て排気(排煙)される。
なお、煙、燃焼ガス等の排気(排煙)に当って、その温度が高い場合は、火災発生ゾーンAの排気口10のダンパーを閉じ、隣接のゾーンBから排煙するようにし、温度が低い場合は、可燃物の燃焼状況により火災発生ゾーンAから排煙するようにしてもよい。
【0036】
この間において、車両の搭乗者等はトンネルの側壁に沿った避難路11を通って安全な区域に避難することができる(場合によっては、トンネル本線1内に設けられた避難広場に避難する)。
そして、搭乗者等が避難した後、水噴霧設備6を作動させ、火災発生ゾーンAに自動散水することにより、燃焼の抑制、消火の促進を図って火災を鎮火させることができる。
続いて、トンネルの本線1を使って自走救援車両を火災発生ゾーンA近くの避難区域まで乗り入れることにより、避難者を乗せて安全な定点まで避難輸送することができる。同様に本線1より自走車両にて消防隊を突入させ、以降の救援活動、消防活動等の防災活動を行わせることができる。
【0037】
従って、第2実施形態によっても、第1の実施形態と同様、ウォータースクリーン装置5により水幕を形成して火災発生ゾーンAをゾーンニングして、煙、燃焼ガス等を封じ込め、速やかに排気ダクト9を用いた横流換気方式により強制排気することによって排煙できるため、煙等のトンネル長手方向への拡散を気にせず確実に排煙することができるとともに、周辺の空気温度や構造体壁の温度上昇を抑制することができる。
特に、火災発生ゾーンAが高温煙に曝されることがなくなるため、トンネル構造体の耐火被覆を不要にできるかあるいは大幅に低減することが可能となる。
【0038】
また、水幕により火災発生ゾーンAでの火災領域の燃焼を小さくできるとともに、水噴霧設備6からの散水により、燃焼ガスや構造体壁の冷却を促進でき、更には燃焼の抑制と消火の促進を図って速やかに火災を鎮火できる。
一方、火災発生ゾーンAをゾーンニングして他のゾーンと区画し、避難路11を確保できるため、避難者には煙、炎に曝されずに安心感を持って避難してもらうことができる。また、安全な区域に避難した後は、通常の自走車両を用いて避難輸送ができるとともに、その他の救援活動や消防活動等の防災活動を行うことができる。
【0039】
図3は第3の実施形態を示すもので、この実施形態はトンネル内に排気ダクト12と給気ダクト13を設けた横流方式の換気装置3を採用した例である。
トンネルの本線1内には、排気ダクト12、給気ダクト13以外に第1実施形態と同様、光ファイバーセンサー等を用いた火災発生検知手段4、ウォータースクリーン装置5、水噴霧設備6等が敷設されている。
なお、排気ダクト12及び給気ダクト13の長手方向に沿って設けられた排気口14及び給気口15には、各々排気口14及び給気口15を開閉するためのダンパーが設けられているものとする。
また、本線1内のトンネル両側壁と本線1の間のスペースには避難路11が設けられたトンネル構成となっている。
【0040】
しかして、上記の第3実施形態においても、第2実施形態と同様、トンネル内で火災が発生すると、その火災発生源の位置及び火災領域が光ファイバーセンサー等からなる火災発生検知手段4により検知され、監視センターに送られる。火災事故を起こした車両の搭乗者は、速やかに車両から避難路11に退避する。
この段階でウォータースクリーン装置5が作動され、トンネルを横断する水幕を形成して、火災発生ゾーンAを水幕によりゾーンニクングすることにより、燃焼ガス、煙等の拡散を防止し、火災発生ゾーンAに封じ込めることができるようになっている。
【0041】
一方、トンネル内は横流方式の換気装置3による給気ダクト13からの給気と排気ダクト12を用いた横流方式の強制排気とによって換気され、煙、燃焼ガス等は速やかに排気ダクト12を経て排気(排煙)される。
なお、煙、燃焼ガス等の排気(排煙)に当って、その温度が高い場合は、火災発生ゾーンAの排気ダクト12における排気口14のダンパーを閉じ、隣接のゾーンBから排煙するようにし、温度が低い場合は、可燃物の燃焼状況により火災発生ゾーンAから排煙するようにしてもよい。
【0042】
この間において、車両の搭乗者等はトンネルの側壁に沿った避難路11を通って安全な区域に避難することができる。
そして、搭乗者等が避難した後、水噴霧設備6を作動させ、火災発生ゾーンAに自動散水することにより、燃焼の抑制、消火の促進を図って火災を鎮火させることができる。
続いて、トンネルの本線1を使って自走救援車両を火災発生ゾーンA近くの避難区域まで乗り入れることにより、避難者を乗せて安全な定点まで避難輸送することができる。同様に本線1より自走車両にて消防隊を突入させ、以降の救援活動、消防活動等の防災活動を行わせることができる。
【0043】
以上のように、第3の実施形態においても第2の実施形態と同様の効果を期待することができる。
なお、この第3の実施形態において、火勢が強い段階で給気ダクト13の給気口15から火災発生ゾーンA内に直接給気すると、火勢を強める可能性があるため、給気ダクト13の給気口15に設けられている開閉ダンパーを火勢が強い間は閉じておき、隣接のゾーンBから火災発生ゾーンAをゾーンニングするウォータースクリーンの水幕を通して給気するようにすることが望ましい。
【0044】
次に、図4に示す第4の実施形態について説明する。
第4実施形態は、前記した第1実施形態の縦流式の換気装置3に立坑送排気式の換気装置16を組合せたものであり、火災発生ゾーンAを挟んで位置する一方の立坑17の排気系18を給気系として機能させ、他方の立坑19の排気系20から排気して強制的に排煙するとともに、立坑17、19の給気系21、22からそれぞれ避難空間7に加圧空気を給気する給気路23、24を設けた構成としている。
【0045】
この第4実施形態では、立坑送排気式の換気装置16の特徴を生かして、トンネルの適用延長についての制限を受けることなく実施することができる。
また、昇圧された噴流送気を利用して該噴流送気の一部を給気路23、24を介して避難空間7に導くようにしているため、これによって避難空間7の加圧と避難空間7側からトンネル本線1への給気を行うことができる。
なお、上記以外は第1の実施形態と同様であるため、説明は省略する。
【0046】
また、図5に第5の実施形態が示されている。
この第5の実施形態は、図2に示した第2実施形態の半横流換気方式の換気装置3に立坑送排気式の換気装置16を組合せたものであり、火災発生ゾーンAを挟んで位置する一方の立坑17の排気系18を給気系として機能させ、他方の立坑19の排気系20から排気して強制的に排煙するようにしている。
【0047】
なお、排気ダクト9の長手方向に沿って所定間隔で開閉ダンパー25を設置しておき、火災発生時、排気系18を給気系として機能させる側の立坑17と火災発生ゾーンAとの間に位置する開閉ダンパー25を閉じ、火災発生ゾーンAに近い方の立坑19から排煙するようにしている。
係る実施形態によっても、立坑送排気式の換気装置16の特徴点を生かすことができるとともに、第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0048】
更に、図6に第6の実施形態が示されている。
この第6の実施形態は、第5の実施形態のように排気ダクト9を具備した半横流換気方式の換気装置3に立坑送排気式の換気装置16を組合せるだけに止まらず、トンネルの本線1と区画形成された避難空間7をトンネルの床版下空間2に構成し、当該避難空間7に対して立坑17、19の給気系21、22からそれぞれ避難空間7に加圧空気を給気する給気路23、24を接続した構成としている。
【0049】
この場合、第2実施形態の特徴を有する他に、立坑送排気式の換気装置16の特徴点を生かすことができるとともに、避難空間7をトンネルの本線1から区画して設けたことによる前述効果も併せて期待することができる。
なお、上記した各種の換気装置の適用は、一方通行トンネル、対面通行トンネルの何れかによっても異なり、トンネルの長さ、設置環境等によっても異なることは勿論であり、最適なものを選択して適用することは言うまでもない。
【0050】
また、図7は上記した各実施形態におけるトンネル防災システムの制御フローの一例をまとめたものであり、実施形態毎に多少の差異はあるが、監視センターのコンピュータによる監視・指令の下で、進入禁止処置等の交通制御や消防関係等の関係諸部門への情報伝達も含めて同図に示すような内容、ステップでコントロールされる。
ただし、本発明に係るトンネル防災システムの制御フローは、これに限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【0051】
【発明の効果】
以上に詳細に説明したように、本発明に係るトンネル防災システムによると、火災発生ゾーンをゾーンニングし、高温のガス、煙等の拡散を確実に抑制することができるとともに、効率的な排煙動作と火災期間中を通して排煙設備の稼動を確保することができる。
また、火災発生ゾーンをゾーンニングして集中的に散水し、消火促進と燃焼抑制を図ることができるとともに、周辺の空気温度及び構造体壁を効果的に冷却することができる。
【0052】
更に、火災事故を起こした走行車両の搭乗者等の避難者が安全な区域へ避難するための避難路を確実に確保することができる。
その上、消防隊が救援活動・消防活動等の防災活動をするたるの領域を容易に確保することができるトンネルにおける防災システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るトンネル防災システムの構成図で、(A)はトンネル長手方向に沿う縦断面図、(B)は横断方向の縦断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係るトンネル防災システムの構成図で、(A)はトンネル長手方向に沿う縦断面図、(B)は横断方向の縦断面図である。
【図3】本発明の第3実施形態に係るトンネル防災システムの構成図で、(A)はトンネル長手方向に沿う縦断面図、(B)は横断方向の縦断面図である。
【図4】本発明の第4実施形態に係るトンネル防災システムの構成を示すトンネル長手方向に沿う縦断面図である。
【図5】本発明の第5実施形態に係るトンネル防災システムの構成を示すトンネル長手方向に沿う縦断面図である。
【図6】本発明の第6実施形態に係るトンネル防災システムの構成を示すトンネル長手方向に沿う縦断面図である。
【図7】本発明に係るトンネル防災システムの制御フローの一例を示す図である。
【図8】従来のトンネル防災システムの構成図で、(A)はトンネル長手方向に沿う縦断面図、(B)は横断方向の縦断面図である。
【符号の説明】
1…トンネル本線、2…床版下空間、3…換気装置、4…火災発生検知手段、5…ウォータースクリーン装置、6…水噴霧設備、7…避難空間、8…避難連絡路、9…排気ダクト、10…排気口、11…避難路、12…排気ダクト、13…給気ダクト、14…排気口、15…給気口、16…立坑送排気式の換気装置、17…立坑、18…排気系、19…立坑、20…排気系、21…給気系、22…給気系、23…給気路、24…給気路、25…開閉ダンパー、A…火災発生ゾーン、B…隣接ゾーン

Claims (10)

  1. トンネルの長手方向に沿って敷設され、該トンネル内での火災発生を検知する火災発生検知手段と、
    前記トンネルの長手方向に沿って所定間隔で設置され、該トンネルを横断する方向に水幕を形成してトンネル内空間を所定間隔毎にゾーンニングするウォータースクリーン装置と、
    前記ウォータースクリーン装置によりゾーンニングされる空間毎に設置される水噴霧設備と、
    前記トンネル内を強制的に換気する換気装置とを備え、
    前記火災発生検知手段で検知した火災発生ゾーンを前記ウォータースクリーン装置によってゾーンニングするとともに、
    前記火災発生ゾーン及び該火災発生ゾーンに隣接するゾーンを前記換気装置により所定の時期に換気し、
    更に前記火災発生ゾーンに対して前記水噴霧設備により自動散水するようにした
    ことを特徴とするトンネル防災システム。
  2. 前記換気装置として、縦流換気方式、横流換気方式、半横流換気方式、及びその他換気方式の少なくとも一種を具備した
    ことを特徴とする請求項1に記載のトンネル防災システム。
  3. 前記トンネルが、トンネル本線内の避難路に対して区画形成された避難空間を備え、
    前記火災発生ゾーン及び該火災発生ゾーンに隣接するゾーンを前記ウォータースクリーン装置によりゾーンニングし、
    前記避難路に対して加圧空気を供給することにより、該避難路を介して前記トンネル本線の前記隣接ゾーンに給気するとともに、
    前記トンネル本線を縦流換気方式により排気して強制的に排煙するようにした
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のトンネル防災システム。
  4. 前記換気装置が、前記トンネルの長手方向に沿って敷設された排気ダクトを備え、
    前記火災発生ゾーンを前記ウォータースクリーン装置によりゾーンニングし、
    前記トンネルに対して縦流換気方式により給気するとともに、
    前記トンネルを前記排気ダクトを介して横流換気方式により排気して強制的に排煙するようにした
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のトンネル防災システム。
  5. 前記換気装置が、前記トンネルの長手方向に沿って敷設された給・排気ダクトを備え、
    前記火災発生ゾーンを前記ウォータースクリーン装置によりゾーンニングし、
    前記トンネルを前記給・排気ダクトを介した横流換気方式により給・排気して強制的に排煙するようにした
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のトンネル防災システム。
  6. 火勢が強い段階では、前記火災発生ゾーンに対する前記給気ダクトからの直接給気を停止するようにした
    ことを特徴とする請求項5に記載のトンネル防災システム。
  7. 前記換気装置として、立坑送排気方式の換気装置を組合せ、
    前記火災発生ゾーンを挟んで位置する一方の立坑の排気系を給気系として機能させ、前記他方の立坑の排気系から排気して強制的に排煙するとともに、
    前記立坑の給気系から前記避難空間に給気するようにした
    ことを特徴とする請求項3に記載のトンネル防災システム。
  8. 前記換気装置として、立坑送排気方式の換気装置を組合せ、
    前記火災発生ゾーンを挟んで位置する一方の立坑の排気系を給気系として機能させ、前記他方の立坑の排気系から排気して強制的に排煙するとともに、
    前記立坑の排気系に連結された前記排気ダクトの長手方向に沿って所定間隔で開閉ダンパーを設け、火災発生源に近い側の前記立坑から排煙されるよう前記排気ダクト中に設けられた当該立坑から遠い側のダンパーを閉じるようにした
    ことを特徴とする請求項4に記載のトンネル防災システム。
  9. 前記換気装置として、立坑送排気方式の換気装置を組合せ、
    前記火災発生ゾーンを挟んで位置する一方の立坑の排気系を給気系として機能させ、前記他方の立坑の排気系から排気して強制的に排煙するとともに、
    前記立坑の排気系に連結された前記排気ダクトの長手方向に沿って所定間隔で開閉ダンパーを設け、火災発生源に近い側の前記立坑から排煙されるよう前記排気ダクト中に設けられた当該立坑から遠い側のダンパーを閉じるようにし、
    更に前記立坑の給気系から前記トンネルの本線と区画形成された避難空間に対して給気するようにした
    ことを特徴とする請求項4に記載のトンネル防災システム。
  10. 前記避難空間を、トンネル本線の床版下空間に設け、該避難空間とトンネル本線とを避難連絡路を介して連絡した、又は避難用補助トンネルを別途設置し避難連絡路を介して連絡した
    ことを特徴とする請求項3、7及び9のいずれか1つに記載のトンネル防災システム。
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