JP2004008566A - 乗物用防災設備 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】乗物の防火対象に関連付けられた火災センサと、上記防火対象を監視して映像信号を発生するTVカメラと、上記乗物の乗室に設けられ、上記TVカメラからの上記映像信号により上記防火対象の映像を映し出すTVモニタと、上記火災センサからの発報信号を受信したときに、関連付けられた上記防火対象の映像を上記乗室の上記TVモニタに映し出す制御装置とを備えた。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗物用防災設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の乗物用防災設備としては、例えば新幹線の防災設備としても消火器や火災感知器程度しか備えていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、列車および飛行機およびヘリコプタおよびロケットなどの乗物では、走行中に乗物の外部火災が発生すると、走行中には風圧で消火ができず、また、特に高速であれば、乗物を停止させるまでに時間がかかる。
【0004】
高速乗物では、空気抵抗を考慮に入れ、極限的に軽量化された設計となっているため、消火剤および消火水を貯蔵するスペースに限りがあり、消火剤および消火水が量的に極めて制限されており、これら消火剤および消火水を有効に使用する必要がある。また、乗物の外部で発生する外部火災は、走行中は消火剤散布が困難のため消火することができず、走行中は炎が吹き消されるが、火災焦熱範囲が進行していることがあり、停止時点でフラッシュオーバーすることがある。
【0005】
また、乗物の内部火災については乗物は停車させるのに時間がかかるため、乗室が一室の乗物の場合、停車させるまでに乗室内に煙や有毒ガスが拡散してしまう。また、乗室が複数でドアで区画された乗物の場合、出火室から隣室へ避難移動する際、出火室と隣室との間のドアから煙や有毒ガスが隣室へ侵入し、隣室も安全でなくなることがある。また、乗物を停車させ避難する際には、乗物の出入口が限られており、火災が出入口に回り込む場合があり、強い磁場等がかかる乗物では、出入口に磁場等がかかっていると、乗客の所持品である鉄製品などが出入口で飛散し思わぬ怪我をすることがある。
【0006】
更に、乗室が複数でドアで区画された乗物の場合、一室での出火に対して全室にベル報知等をすると不要な混乱をもたらす。また、出火時の対応責任者が乗客に状況説明アナウンス等をしていると、確認や消火作業など他の必要な対応に支障をきたすことがある。
【0007】
従ってこの発明の目的は、乗物が走行中は、消火剤および消火水を有効に利用し、出火点から発生する煙や有毒ガスから乗客を保護し、出火状況等を乗客に適切に伝え、乗物が停止した際は、乗客を安全に避難させる乗物用の防災設備を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記目的を達成するために、次の構成を有する乗物用防災設備である。すなわち、
(1)乗物の防火対象に関連付けられた火災センサと、上記防火対象を監視して映像信号を発生するTVカメラと、上記乗物の乗室に設けられ、上記TVカメラからの上記映像信号により上記防火対象の映像を映し出すTVモニタと、上記火災センサからの発報信号を受信したときに、関連付けられた上記防火対象の映像を上記乗室の上記TVモニタに映し出す制御装置とを備えたことを特徴とする。
【0009】
(2)乗物内に設けられた互いに扉で仕切られた複数の乗室と、上記乗物の防火対象に関連付けられた火災センサと、上記火災センサからの発報信号を受信し火災場所を表示し、乗物外部からの出火においては出火場所に最近接の乗室とその後方の乗室とに火災報知し、あるいは乗物内部からの出火においては、出火場所に最近接の乗室とその隣接乗室とに火災報知する火災受信機とを備えていてもよい。
【0010】
(3)少なくとも火災場所に隣接する区画を火災場所に対して陽圧にする差圧装置を備えていてもよい。
【0011】
(4)乗室と、上記乗室に扉を介して隣接し、外部への出口を有し乗室に対し陽圧にされる避難室とを備えていてもよい。
【0012】
(5)避難室を冷却するようにしてもよい。
【0013】
(6)避難口と、上記避難口に至る通路に消火水を散布して避難経路を確保する消火水散布装置とを備えていてもよい。
【0014】
(7)外部への出口に消火水を散布して避難経路を確保する消火水散布装置とを備えていてもよい。
(8)水を溜める貯水タンクを備えてこの貯水タンクの中の水を室内に散布する消火水散布装置と、上記消火水散布装置により散布された水を回収して上記貯水タンクに戻す循環装置とを備えていてもよい。
【0015】
(9)乗室と、上記乗室を区画する防煙壁を形成する防煙壁形成装置とを備えていてもよい。
【0016】
(10)乗物は、上記乗物の防火対象に臨むノズルに接続された配管と、上記配管の基端部が接続する上記乗物の外部に臨む消火剤注入口とを備え、上記乗物が停留しうる停留所は、上記消火剤注入口に連結して消火剤を上記乗物に注入可能な消火剤注入部を有する連結式消火剤供給設備とを備えていてもよい。
【0017】
(11)乗物が停留し得る停留所と、上記停留所に設けられ、上記乗物の出口に消火水を散布して避難経路を確保する消火水散布装置とを備えていてもよい。
【0018】
(12)上記停留所に設けられ、上記出口近傍を磁場、電場、電磁場に対する遮蔽装置を備えていてもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の防災設備が適用され得る乗物としては船やバス、列車等が考えられ、特に高速乗物としては、超高速列車、レーシングカー、飛行機、ヘリコプタ、ロケット等が考えられるが、本発明では、従来の新幹線の速度が更に高速化され、時速500Kmを越える速度で走行するホバークラフトの様な乗物を全ての実施形態の一例として採用する。
【0020】
実施の形態1.
図1において、本発明の実施の形態1を説明する。
図1は本発明が適用される乗物および乗物用防災設備である。
【0021】
図1において、1は本発明の防災設備が適用され得る高速乗物であり、時速500Kmを越える速度で走行する。本発明の防災設備が適用され得る高速乗物1は、高速乗物1内に設けられ、外気圧とは独立した室内圧を持ち、気密を保つため互いに隔壁4(扉)で仕切られた乗室2と、本実施の形態の様に、高速乗物1がホバークラフトの様な乗物である場合、高速乗物1を空中に浮かせるためのエアクッション装置3とを備えている。
ここで乗室とは、乗物1の走行中に乗務員や乗客が立ち入ることができ扉などの仕切りで仕切られた空間であり、例えば乗客室、運転室、ロビー、食堂、厨房、売店、喫煙室、遊技室、通路、給湯室、個室、トイレ、浴室、医務室、乗務員室、物置などである。
乗室2は内部床面に高速乗物1の進行方向に向けて乗客を座らせる椅子8を備えている。エアクッション装置3は高速乗物1の車体下部に設けられており、車体下部から地面に向けてエアーを噴射することによって、高速乗物1を地面から空中に浮かび上がらせる。
【0022】
本発明の防災設備は、高速乗物1の外部の動力部や図示しない配電盤や高速乗り物1の内部の御機器等図示しない給湯室や喫煙所などの他の全ての防火対象Sに関連付けられ、防火対象Sからの火災を検知して発報信号を発信する火災センサ5と、防火対象Sを監視できる位置に設けられ、常時、防火対象Sの映像信号を発生するTVカメラ6を備えている。火災センサ5は煙感知器および熱感知器および炎感知器あるいはガスセンサ等からなり、図示しない配電盤や制御機器あるいは椅子8等の防火対象S近辺に設けられている。TVカメラ6は乗室2ごとに、各乗室2外部の前後に1台ずつ上記防火対象に向けて配置されている。従って、1台のTVカメラが故障もしくは火災の煙等で映像を送れなくても、もう1台のTVカメラで映像を送ることができ、また、異なる2方向からの映像を送ることにより、火災の様子をより客観的に判断することができる。
なお、乗室2が乗物1又は車両に複数ある場合には、乗室の規模に応じてTVカメラを所定の室数ごとにその範囲の前後に設けるようにしてもよい。
【0023】
本発明の防災設備は、TVカメラ6からの映像信号を受信して、常時、防火対象Sの映像を映し出すTVモニタ7とを備えている。TVモニタ7は各乗室2に1台ずつ乗室2の進行方向前方の天井部に画面を進行方向後方に向けて配置されている。従って、進行方向前方に向って着席する乗室2内の全ての乗客からTVモニタ7の画面を見ることができる。
【0024】
本発明の防災設備は、火災センサ5が防火対象Sからの火災を検知して発信する発報信号を受信し、火災場所を表示し、防火対象Sの映像を乗室2に設けられたTVモニタ7に自動的に映し出す制御装置9を備えている。制御装置9は、例えば高速乗物1の進行方向前方の運転制御室10床下部に設けられ、図示しないブザーや表示部および操作部を備えた操作盤9Aを運転制御室10などに有し、火災センサ5およびTVカメラ6およびTVモニタ7と電気的に接続しており、操作盤9Aによって各乗室2ごとに、各乗室2外部の前後に1台ずつ上記防火対象Sに向けて配置されたTVカメラ6の映像を自由に切り替えることができる。従って、制御装置9による火災報知について外部火災の場合は、進行方向後方に延焼し易いので、出火場所に最近接の乗室と進行方向後方にのみ自動的に火災報知するようにすると進行方向前方乗室における不要な混乱を避けることができ、内部火災の場合は、延焼が隣室に及んでいくので出火場所に最近接の乗室とその隣の乗室に自動的に火災報知していくと他の乗室における不要な混乱を避けることができる。ここで内部火災の出火場所に最近接の乗室というのは、出火場所が乗室の場合はその出火乗室をいう。また、乗室以外の内部出火場所というのは、例えば人が立ち入れない機械室などであって、その最近接の乗室というのは、例えば出火給湯室の前後の乗室のうち近い方の乗室であり、二つの乗室が出火給湯室からほぼ同程度の距離ならば両方の乗室をさす。
なお、火災報知はTVモニタ7で行なうことができ、火災警報の所定のアナウンス及び文字表示と共に火災検知した防災対象を映し出すようにしてもよい。上記の制御装置9による火災報知は自動的に行ったが、これを操作盤9Aによる操作で報知先を選択して行っても良い。
また、上記では制御装置9で火災報知したが、その代わりに専用の火災受信機で行うようにしても良い。すなわち、火災センサ5からの発報信号を受信し火災場所を表示し、出火場所が乗物1の外部ならば出火場所に最も近い乗室とその後方の乗室とに火災報知する、あるいは出火場所が乗物1の内部ならば出火場所に最近接の乗室とその隣接乗室とに火災報知する専用の火災受信機で行うようにしても良い。火災報知はベルや所定のアナウンス等いかなる方法でもよい。
なお、出火場所が乗物の内部の場合で、火災報知すべき隣接する乗室が常時乗客、乗務員等の人がいるとは限らない乗室、例えば、喫煙室、遊技室、通路、給湯室、個室、トイレ、浴室、医務室、物置などであった場合は、この隣接する乗室に通報するだけでなく、隣接する乗室のところから更に先の多数の乗客がいる乗客室などの乗室のところまで、報知するようにしてもよい。このようにすると、出火場所に近い乗客室など多数の乗客のいる乗室にまで報知できるので、乗客が誤報を含め状況を正確に知ることができ、危険の少ない乗客の不要な混乱を避けることができる。
【0025】
本発明の防災設備は、乗室2内に火災が発生した場合、乗室2内に散水する消火水散布装置11と、乗室2内に散布された消火水を回収して循環させる循環装置12とを備えている。消火水散布装置11は消火水を貯めておく貯水タンク13および貯水タンク13の消火水を高圧で送り出すポンプ14およびポンプ14から送り出された消火水を乗室2内に案内する配管15および配管15に連結した噴射ノズル16とから構成される。各噴射ノズル16は、火災センサ5からの火災信号に基づき、所定の区画毎、例えば乗室2毎に制御装置9により開閉制御される図示しない選択弁を介して配管15に連結している。
また、貯水タンク13は例えば高速乗物1の進行方向前方の運転制御室10の床下部に設けられている。ポンプ14は貯水タンク13同様、高速乗物1の進行方向前方の運転制御室10の床下部に貯水タンク13に隣接して設けられており、操作盤9Aにて起動され貯水タンク13の消火水を高圧で配管15に送り出す。
配管15はポンプ14と連結し、乗室2の天井部外側に天井部に沿って乗室2内の進行方向前方から後方まで設けられている。噴射ノズル16は配管15の乗室2内の進行方向前方から後方まで所定の間隔を空けて設けられており、消火水を噴射したときは乗室2内のすべての場所に消火水が行き渡るように配置されている。
循環装置12は乗室2内に散布された消火水を回収して貯水タンク13に戻し、再利用させるためのものである。例えば乗室2内の床部左右は中央部よりも若干低く、また、床部左右には進行方向後方から前方にかけてすこしずつ深くなる溝(図示しない)が設けられており、この溝は進行方向前方で貯水タンク13につながっている。従って、乗室2内に噴射された消火水は床部左右の溝(図示しない)に集められ、その後、進行方向前方および貯水タンク13へと回収される。この様に、消火水を循環させるので、散水されて消火や延焼防止等に有効に働かなかった水が繰り返し消火水として使用できるため、限られた少量の消火水を有効に利用することができる。循環装置12から消火水が貯水タンク13に回収される時にフィルタを介するようにしてもよい。
本発明の防災設備は、避難口に至る通路に消火水を散布する消火水散布装置11を備えている。避難口は、乗物外に出るための出口Dであり、避難室Rが備えられている場合は乗室2から避難室Rに入るための避難室口DRである。
乗室2には、避難室口DRあるいは出口Dに至る通路すなわち避難経路に、消火水を散布する噴射ノズル16が設けられている。消火水散布装置11は、この噴射ノズル16と噴射ノズル16が連結した配管15と配管15に消火水を高圧で送り出すポンプ14と消火水をポンプ14に供給する貯水タンク13とで構成されている。
このようにすると、乗室2内の火災で乗客が避難する際、少なくとも避難口に至る通路における火炎は消される、あるいはこの通路を通る時ぬれるので火炎が迫った場合でも乗客が火から守られる。すなわち避難経路が確保され、乗客の安全が確保される。
また、本発明の防災設備は、乗物外への出口Dに消火水を散布する消火水散布装置11Bを備えている。出口Dの周辺には出口Dに消火水を散布するヘッダーHが備えられている。消火水散布装置11Bは、このヘッダーHとヘッダーHが選択弁Vを介して連結する配管15と配管15に消火水を高圧で送り出すポンプ14と消火水をポンプ14に供給する貯水タンク13とで構成されている。なお選択弁Vは制御装置9により開閉が制御されている。
例えば消火水散布装置11Bは、配管15から選択弁Vを介して分岐したヘッダーHを乗物外に出るための出口Dの室内側周囲に設け、このヘッダーHに、出口Dに向けて、例えば矩形の出口の4辺に沿って内部から外部に向かって角筒状に水幕が形成されるように消火水を散布する多数の噴射ノズル16Bを備えている。このように構成すると、水幕に守られて乗客が出口Dから出た途端に外部火炎に襲われるということがなく、乗客の避難経路が確保される。
なお、火災や事故時、避難する乗客が出口Dを開く際に、例えば出口Dの手動の緊急開放機構によって出口Dが開くのに連動して選択弁Vが開き且つポンプ14が起動するように構成し、ポンプ14から供給される高圧の消火水が噴射ノズル16Bから出口Dに向け水を散布してもよい。
なお、上記ヘッダーHの噴射ノズル16Bは1個でもよく、ヘッダーHの配置も出口D内側に設けたが、出口Dの近傍の外壁や出口Dの縁のいずれに備えられてもよく、散布機は上記以外であってもよい。要するに外部から出口を襲う火炎が有る場合、それに抗して霧と共に散布気流により火炎を退けるようにヘッダーHを配置し噴霧すればよい。
また、例えば、上記選択弁Vは出口D連動でなく手動開閉式にしてもよい。また、噴射ノズル16Bは、固定配管でなく配管15に接続されたホースの先端に取りつけられた手式選択弁V付の噴射ノズルとしてもよい。この噴射ノズルは扇状や円錐状の頂角すなわち射角度を自在に変えられる可変噴霧ノズルでもよい。このようにすると、必要に応じて現の人がホースを繰り出し、噴射ノズル16Bを使用できて消火水が無駄にならない。
また、本発明の防災設備は、乗室2につながり外部への出口Dを有する冷却装置Cを備えた避難室Rである。この冷却装置Cは、たとえば、配管15に設けられ避難室Rの天井面成する。避難室Rの壁は耐火断熱壁構造で、外壁にはグラスウールのような耐火性保水材取り付けるようにしてもよい。加熱された冷却水としての消火水は外気で熱交換して冷やようにしてもよい。
火災時、乗客が避難室Rに退避し、高速乗物が最寄りの停留所までに到着する間、あるいは高速乗物が移動できず外にも脱出できない状態で救助されるのを待っているような場合など、必要に応じて乗務員が操作盤9Aを操作し冷却装置Cを稼働させると、避難室R内の常昇温を回避できる。冷却装置Cは循環式なので冷却用の消火水は蒸発以外は消費することはない。
避難室Rが耐火性断熱材に覆われているだけならば、高温に長時間さらされると避難室内は時間が経つにつれて外部温度に近づくが、避難室Rを冷却装置で冷却すると、避難室内の昇温を回避することができ、待機している避難室R内の乗客の安全を長い時間確保できる。
なお、他の冷却装置として避難室Rの壁内に消火水を還流させるようにしてもよい。
また、循環装置12や消火水散布装置11は、各車両又は各乗室2ごとに備えるようにしてもよい。
【0026】
次に本実施の形態の動作について説明する。図1において、防火対象Sから煙り又は異常熱あるいはガス等が発生すると、火災センサ5が防火対象Sからの火災を検知して発報信号を発信する。発報信号が制御装置9に送られると、制御装置9は防火対象Sを監視しているTVカメラ6の映像を全乗室2の進行方向前方の天井部に設けられたTVモニタ7に映し出す。このとき、制御装置9で出火場所が外部あるいは内部いずれでも、全乗室のTVモニタ7に火災センサ5の検知現場の映像を映し出すようにすることにより、全乗客は誤報を含め状況を早急に正確に知ることができ、出火時の対応責任者は状況説明することなく、消火対応など必要な処置を即座にとることができる。
また、制御装置9で全乗室ではなく一部の乗室に選択的にTVモニタで報知するようにした場合は、出火場所が乗物1の外部のときは出火場所に最も近い乗室とその後方の乗室のTVモニタ7に、出火場所が乗物1の内部のときは出火場所に最も近い乗室とその隣りの乗室のTVモニタ7に検知現場の映像を映し出すようにすることにより、他の乗室にいる乗客の不要な混乱を避けることができ、出火時の対応責任者は状況説明することなく必即座にとることができる。
TVモニタ7を通して出火が乗務員により確認されるが、このとき操作盤9Aでは、例えば制御装置9の発報信号受信と同時に制御装置9により図示しない火災報知ブザーの鳴動と発報場所表示が行われる。乗務員により必要と判断された場合、例えば発報火災センサ5の近傍の噴射ノズル16が開弁するように操作盤9Aの図示しない消火水散布地区選択スイッチが押され、かつ図示しない消火起動スイッチが操作されると、制御装置9は消火水散布装置11を始動させる。
消火水散布装置11が始動すると、ポンプ14が貯水タンク13から消火水を吸い込み高圧で配管15に供給する。高圧で配管15に供給された消火水は乗室2の天井部外部に天井に沿って乗室2内の進行方向前方から後方へ設けられた配管15のすみずみまでいきわたる。配管15のすみずみまでいきわたった消火水は、配管15の乗室2内の進行方向前方から後方まで所定の間隔を空けて設けられた噴射ノズル16から乗室2内の所定範囲又は全てに向けて勢い良く噴射され、消火水は乗室2内の所定範囲又はすべての場所に散布される。
乗室2内のすべての場所に散布された消火水は、乗室2内床部の中央部よりも若干低くなった床部左右に設けられた溝に集められる。この溝は進行方向後方から前方にかけてすこしずつ深くなっており、進行方向前方で貯水タンク13につながっているため、溝に集められた消火水は、再び貯水タンク13へと集められる。このようにして、消火水は貯水タンク13およびポンプ14および配管15および噴射ノズル16および乗室2内および乗室2内床部左右に設けられた溝(図示しない)そして再び貯水タンク13へというように循環する。従って、高速乗物1の進行方向前方の運転制御室10の床下部という限られたスペースに設けられた貯水タンク13の水を有効に利用することができる。
出火が乗室2内で起こった場合、乗室2には避難口に至る通路すなわち避難経路に、消火水を散布する噴射ノズル16が設けられているので、乗客が避難する際、少なくとも避難口に至る通路における火炎は消される、あるいはこの通路を通る時ぬれるので火炎が迫った場合でも乗客が火から守られる。すなわち避難経路が確保され、乗客の安全が確保される。
また、乗客が避難室Rに逃げ込んだあと長時間避難室Rが火炎に晒される場合は、避難室Rを冷却装置で冷却すると、避難室R内の昇温を回避することができ、待機している避難室R内の乗客の安全を長い時間確保できる。
また、出口Dに消火水を散布する噴射ノズル16Bが備えられているので、そこから出口Dに向けて消火水を散布すると、乗客が出口Dから出た途端に外部火炎に襲われるということがなく、乗客の避難経路が確保される。
なお、上記では火災センサ5の発報で制御装置9を介してTVカメラ6の映像をTVモニタに映し出したが、制御装置9を介さなくてもよい。
また、消火水として冷却水を用いるようにしてもよい。
なお、火災センサ5としてガスセンサを用いる場合は、例えば一酸化炭素センサや二酸化炭素センサでもよいが、水素センサや、例えば、ベンゼン、フタレン、トルエンなどの芳香族炭化水素のセンサなどを用いることができる。火災時の燃焼対象物が椅子8のシートなど、ガスセンサを設ける場所に応じてある程度特定されることから、ガスセンサ設置場所において特定された可燃物の燃焼生成ガスを感知するガスセンサを選んでもよい。例えば想定される燃焼対象物が樹脂系のものならば塩素センサなどを用いてもよい。
ガスセンサは信頼性を高めたり特定ガスを識別するために、複数種類を設けるようにしてもよい。例えば、前記の一酸化炭素センサ、二酸化炭素センサ、水素センサや芳香族炭化水素系センサは全ての燃焼に対して感知するが、塩素センサはタバコに対しては感知しないので、塩素センサと水素センサ等をANDで組んだ複合ガスセンサを用いたり、タバコの燃焼ガスを感知するニコチンセンサと水素センサなどを併置すると、喫煙所などにおいてタバコと火災との区別をつけることができる。
上記のようにガスセンサを選ぶと、乗室内の特定の可燃物の燃焼生成物を感知したり、タバコと火災との区別がつくので誤報が少なく信頼性があり、かつ早期に感知する火災センサが得られる。
【0027】
実施の形態2.
本発明の異なる実施の形態を説明する。
【0028】
本実施の形態においても、本発明の防災設備が適用され得る乗物1としてホバークラフトの様な乗物を採用する。
【0029】
図2において、本実施の形態の防災設備は、防火対象Sに関連付けられた火災センサ5からの発報信号により作動されて、高膨張泡消火剤を発泡放出し、消火剤の泡の壁Wを設ける高膨張泡発生装置Gを備えている。
高膨張泡発生装置Gは高速乗物1の乗室2の天井部中央部に泡噴出口を乗室2内に向けて設置されている。また、高膨張泡原液タンク17が例えば高速乗物1の進行方向前方の運転制御室10床下部貯水タンク13に隣接して設けられたポンプ14にさらに隣接して設けられている。このポンプ14と高膨張泡原液タンク17との間には貯水タンク13の水と高膨張泡原液タンク17の泡原液とを混合する泡原液混合装置18が設けられている。泡原液混合装置18によって混合された溶液は、ポンプ14から供給される高圧の水の勢いによって高膨張泡発生装置Gへと送られる。また、泡原液混合装置18と高膨張泡発生装置Gとの間には、乗室2の天井部を伝わってこれらを結ぶ配管が設けられている。高膨張泡発生装置Gは内部に複数のノズルを有しており、送られてきた混合溶液を図示しない発泡ネットに吹きつけることによって泡噴出口から乗室2に向けて生成された泡を噴出する。
乗室2の中央部に噴出された泡は高膨張泡消火剤の防火及び防煙壁Wを形成し、乗室2を中央部で区画する。従って、炎や煙が他方の退避区画に拡散するのを阻止でき、逃げ遅れた人も泡の中を通過して煙を侵入させることなく退避区画に避難できる。また、当然泡は人体に無害であり水損も少なく、半透明なので泡の中の人の有無や出火点側の火災の大まかな様子が分かるため、対応の判断をし易い。
また、火災が高膨張泡発生装置の下方で発生した時は発生した高膨張泡の消火作用により消火される。
なお、上記の高膨張泡発生装置に加えて高膨張泡発生装置の前後に高膨張泡の厚さ規制用の幕を降ろすようにしてもよい。こうすれば、二枚の幕の間に高膨張泡が積もり、天井と床の間を速やかに泡で塞いで、煙が通過するようなことがない。あるいは、上記の高膨張泡発生装置に加えて防煙垂れ壁を併用するようにしてもよい。
なお、上記では防煙壁形成装置として高膨張泡発生装置Gの例を示したが、この代わりに、火災時に乗室天井から耐火性の防煙シートを床まで降ろし乗室を分断する防煙壁形成装置を用いてもよい。この防煙シートが透明又は半透明であると向こう側の様子が分かり、対応の判断がし易い。必要に応じて防煙シートに散水するようにして耐火性や断熱性を向上させるようにしてもよい。
なお、上記実施の形態では防煙壁形成装置によって乗室を二分しているが、防煙壁形成装置を複数用いて3区分以上に区画してもよい。その場合にその区画毎にアドレスを有する火災センサ5を備えてもよい。また、火災センサ5はアドレスを有しないで、各区画毎に回線を備えるようにして出火場所を知るようにしてもよい。
また、上記実施の形態では防煙壁形成装置である高膨張泡発生装置Gの作動を火災センサ5に連動させていたが、これを連動させずに制御装置9の制御信号によって防煙壁形成装置を作動させるようにしてもよい。
【0030】
本実施の形態の防災設備は、消火ガス装置19を備えている。消火ガス装置19は消火ガスボンベ20および選択弁21および22およびガスノズル23および24とから構成される。例えば消火ガスボンベ20は乗室2の中央部床下に設けられており、火災センサ5が火災を検知して発信する発報信号を制御装置9が受信し、人の判断を介して制御装置9から送られる制御信号によって、消火ガスを噴出する。
なお、火災感知器5a、選択弁21、ガスノズル23が対応関係にあり、火災感知器5b、選択弁22、ガスノズル24が対応関係にある。
消火ガスボンベ20の噴出口付近には、選択弁21および22が設けられており、制御装置9から送られる制御信号によって開閉が可能であり、どちらか一方のみが開いて消火ガスを通過させる。乗室2の進行方向前方床下部および進行方向後方床下部には乗室2内に向けて開口部を持つガスノズル23および24が設けられており、選択弁21および22を通過した消火ガスを乗室2内に噴出する。消火ガスボンベ20および選択弁21および22およびガスノズル23および24の間は乗室2の床下部でガス配管で結ばれている。従って、乗室2の進行方向前方で火災が発生したことを火災センサ5aが検知すると、火災センサ5aが発信する発報信号を制御装置9が受信することにより操作盤9Aには出火場所が表示される。乗務員の確認と判断の上、操作盤9Aにて前記防煙壁形成装置が作動され防煙壁が形成され、出火乗室2にいる乗客が防煙壁を経て退避区画へ移動したことがTVモニタなどで確認されてから、操作盤9Aにてガス消火実行が操作される。すると、制御装置9から送られる制御信号によって、消火ガスボンベ20が消火ガスを噴出し、選択弁21を開き、選択弁22を閉じるので、消火ガスはガスノズル23から噴出し、乗室2の進行方向前方の火災を消火する。また、乗室2の進行方向後方で火災が発生したことを火災センサ5bが検知すると、火災センサ5bが発信する発報信号を制御装置9が受信し、乗務員の判断を介して制御装置9から送られる制御信号によって、消火ガスボンベ20が消火ガスを噴出し、選択弁22を開き、選択弁21を閉じるので、消火ガスはガスノズル24から噴出し、乗室2の進行方向後方の火災を消火する。
防煙壁形成装置を作動させ防煙壁が形成したあと、消火ガスの噴出を行うとガスの希釈は少なく効率的に且つ早期に消火がなされ、またガスが漏洩しない防煙壁が形成されると乗室が一つしかない乗物であっても、煙のみならず消火ガスおよび消火反応生成物などの有害物質にからも、防煙壁を介して退避している乗客の安全が確保される。
【0031】
本実施の形態の防災設備は、乗室2の中央部に設けられた防煙形成装置で形成された高膨張泡消火剤などの防煙壁で区画された出火点側に対し反対側の乗客避難側を陽圧にするための差圧装置25を備えている。差圧装置25は高速乗物1の天井部に設けられたダクト26およびダクト27およびダクト28およびダクト29とそれぞれのダクトおよび乗室2内との間で空気の流通を支配する電動開閉弁30および電動開閉弁31および電動開閉弁32および電動開閉弁33とから構成される。ダクト26は進行方向前方部の乗室2の天井部に外部開口部を風下に向けて、ダクト27は乗室2の天井中央部に設けられた防煙壁形成装置よりやや前寄り天井部に外部開口部を風上に向けて設けられている。また、ダクト26の真下にはダクト26と乗室2内とを結ぶ通路及び電動開閉弁30が、ダクト27の真下にはダクト27と乗室2内とを結ぶ通路及び電動開閉弁31がそれぞれ設けられている。
また、ダクト28は乗室2の天井中央部に設けられた防煙壁形成装置よりやや後ろ寄り天井部に外部開口部を風下に向けて、ダクト29は進行方向後方部の乗室2の天井部に外部開口部を風上に向けて設けられている。また、ダクト28の真下にはダクト28と乗室2内とを結ぶ通路及び電動開閉弁32が、ダクト29の真下にはダクト29と乗室2内とを結ぶ通路及び電動開閉弁33がそれぞれ設けられている。
ダクト27、29は乗物の走行によって発生する気流を受けてそれぞれ電動開閉弁31、33を開くことにより車外の空気を乗室2内に入れることができるが、乗室2内の空気を車外に出すことはできない。また、ダクト26、28は乗物の走行によって発生する気流を受けてそれぞれ電動開閉弁30、32を開くことにより乗室2内の空気を車外に出すことができるが、車外の空気を乗室2内に入れることはできない。
乗室2で火災が発生すると、まず、前述したように高膨張泡発生装置Gで乗室2の中央部に形成された高膨張泡消火剤の防煙壁で出火点側とその反対側とに区画される。乗室2の進行方向前方の区画で火災が発生した場合、電動開閉弁27、28を閉じて、電動開閉弁33を開くと、ダクト29を介して乗室2の防煙壁の後方側に外部の空気が入り込んで出火点側の反対側、すなわち進行方向後方の区画が加圧され、出火点側である進行方向前方の区画よりも陽圧にすることができる。従って、出火点側の煙は陽圧にされた進行方向後方の区画には及ばず乗客の安全が確保できる。なお、このとき、電動開閉弁30を開くと、出火点側乗室2内で発生した煙をダクト26を介して車外に出すことができる。
また、乗室2の進行方向後方の区画で火災が発生した場合は、電動開閉弁30、33を閉じて、電動開閉弁31を開くことによって、ダクト27を介して乗室2の防煙壁の前方側に外部の空気が入り込んで出火点側の反対側、すなわち進行方向前方の区画が加圧され、出火点側よりも陽圧にすることができる。従って、出火点側の煙は陽圧にされた進行方向前方の区画には及ばず乗客の安全が確保できる。なお、このとき、電動開閉弁32を開くと、出火点側乗室2内で発生した煙をダクト28を介して車外に出すことができる。
上記では、防煙壁を境にして火災が発生した乗室2とは逆の進行方向後方又は前方の区画を陽圧にする方法を示したが、例えば、火災発生側を減圧することによって、他方の区画を一方の区画に対して陽圧にすることができる。さらに、火災発生区画を減圧し、反対側の区画を加圧する方法を用いても他方の区画を一方の区画に対して陽圧にすることができる。
上記実施の形態では、ダクト27、29の給気の機構及びダクト26、28の排気の機構を単にダクトの向きによって実現したが、ダクト27、29に給気ファンを、ダクト26、28に排気ファンを設けるようにしてもよく、この場合乗物の停止中であっても上述のように一方を陽圧にすることができる。また、ダクトを給気用と排気用に分けずに、給排気両用のダクトを乗室2の進行方向前方と後方にそれぞれ設けるようにしてもよい。
【0032】
次に本実施の形態の動作について説明する。
【0033】
乗室2の進行方向前方で火災が発生した場合、防火対象Sに関連付けられた火災センサ5aからの発報信号が制御装置9に送られると、制御装置9からの指令により、泡原液混合装置18には、ポンプ14から貯水タンク13の水および高膨張泡原液タンク17から高膨張泡原液が送られ、これら2つの液体が混合される。混合された液体は、ポンプ14から供給される高圧の水の勢いによって高膨張泡発生装置Gへと送られる。高膨張泡発生装置Gへ送られた混合された液体は、高膨張泡発生装置Gによって発泡して泡噴出口から乗室2の中央部に噴出される。乗室2の中央部に噴出された泡は高膨張泡消火剤の防煙壁Wを形成し、乗室2を中央部で区画する。この場合、乗室2の進行方向前方で火災が発生しているので、乗室2の進行方向後方が退避区画となり、防煙壁Wは煙が退避区画に拡散するのを阻止できる。また、火災センサ5aが発信する発報信号を制御装置9が受信し、乗務員の判断を介して制御装置9から送られる消火命令の制御信号があれば、消火ガスボンベ20が消火ガスを噴出し、選択弁21を開き、選択弁22を閉じるので、消火ガスはガスノズル23から噴出し、乗室2の進行方向前方の火災を消火する。また、火災センサ5aが発信する発報信号を制御装置9が受信し、乗務員の判断を介して制御装置9から送られる制御信号によって、差圧装置25が作動し、電動開閉弁27、28、30を閉じ、電動開閉弁33を開くことによって、車外の空気を乗室2内に入れることにより、乗室2の中央部に形成された高膨張泡消火剤の防煙壁Wで区画された出火点F側に対して反対側の乗客避難側、この場合乗室2の進行方向後方を陽圧にすることができる。従って、防煙壁を挟んで出火点Fと反対側の退避区画は、高膨張泡発生装置Gが形成する防煙壁によって煙の侵入を防ぎ、また、差圧装置25によって出火点Fに対して陽圧にされるため煙が侵入することはない。また、消火ガスボンベ20によって出火点Fは消火されるため乗客の安全が確保される。なお、上記では、電動開閉弁30は電動開閉弁27,28と共に閉じていたが、電動開閉弁33と共に開くようにすると、乗室2の進行方向後方を陽圧にするばかりでなく、乗室2の煙を含む空気を排気することも出来て、煙の害が少なくなり、出火点F側の人による消火活動や避難がしやすくなって都合がよい。
【0034】
乗室2の進行方向後方で火災が発生した場合、高膨張泡発生装置Gは乗室2の中央部に高膨張泡消火剤の泡を噴出し防煙壁を形成し、乗室2を中央部で区画する。この場合、乗室2の進行方向後方で火災が発生しているので、乗室2の進行方向前方が退避区画となり、また、火災センサ5bが発信する発報信号を制御装置9が受信され、その後制御装置9から送られる消火命令の制御信号があれば、消火ガスボンベ20が消火ガスを噴出し、選択弁22を開き、選択弁21を閉じるので、消火ガスはガスノズル24から噴出し、乗室2の進行方向後方の火災を消火する。また、火災センサ5bが発信する発報信号を制御装置9が受信することにより制御装置9から送られる制御信号によって、差圧装置25が作動し、電動開閉弁30、32,33を閉じ、電動開閉弁31を開くことによって、車外の空気を乗室2内に入れることにより、乗室2の中央部に形成された高膨張泡消火剤の防煙壁で区画された出火点側に対して反対側の乗客避難側、この場合乗室2の進行方向前方を陽圧にすることができる。従って、防煙壁を挟んで出火点と反対側の退避区画は、高膨張泡発生装置16が形成する防煙壁によって煙の侵入を防ぎ、また、差圧装置25によって出火点に対して陽圧にされるため煙が侵入することはない。また、消火ガスボンベ20によって出火点は消火されるため乗客の安全が確保される。
なお、上記において、出火点側を負圧にし退避側を陽圧にするタイミングは、消火ガス放出以前に実施するのがよい。そのようにすれば、出火点側が消火ガスの放出により退避区画側に対して陽圧となることはなく、防煙壁の隙間から有害な煙等が吹き込むということはない。
【0035】
実施の形態3.
図3において、本発明の異なる実施の形態を説明する。
【0036】
本実施の形態では、本発明の防災設備が適用され得る乗物で複数の車両を有し、各車両に乗室を有する高速乗物を採用し、進行方向前方から乗室34および乗室35および乗室36とするが、乗室36の後にさらに複数の乗室を有しても良い。各乗室34,35,36又は各車両T間には、閉止時ほぼ気密を保つ扉D3を設ける。
【0037】
本実施の形態の防災設備は、差圧装置80を備えている。差圧装置80はそれぞれの乗室の天井部に設けられたダクト37およびダクト39およびダクト41、すなわち減圧用のダクトと、ダクト38およびダクト40およびダクト42、すなわち加圧用のダクトと、それぞれのダクトおよび乗室内との間で空気の流通を支配するダクト電動開閉弁43および電動開閉弁45および電動開閉弁47、すなわち減圧用の電動開閉弁と、電動開閉弁44および電動開閉弁46および電動開閉弁48、すなわち加圧用の電動開閉弁と、それぞれの電動開閉弁と関連付けられた気圧計49および気圧計50および気圧計51と、制御装置9とから構成される。ダクト37は、乗室34の進行方向前方部の天井部に外部開口部を風下に向けて、ダクト38は、乗室34の進行方向後方部の天井部に外部開口部を風上に向けて設けられている。また、ダクト37の真下にはダクト37と乗室34内とを結ぶ通路及び電動開閉弁43が、ダクト38の真下にはダクト38と乗室34内とをそれぞれ結ぶ通路及び電動開閉弁44が設けられている。
また、ダクト39は、乗室35の進行方向前方部の天井部に外部開口部を風下に向けて、ダクト40は、乗室34の進行方向後方部の天井部に外部開口部を風上に向けて設けられている。また、ダクト39の真下にはダクト39と乗室35内とを結ぶ通路及び電動開閉弁45が、ダクト40の真下にはダクト40と乗室35内とをそれぞれ結ぶ通路及び電動開閉弁46が設けられている。
また、ダクト41は、乗室36の進行方向前方部の天井部に外部開口部を風下に向けて、ダクト42は、乗室36の進行方向後方部の天井部に外部開口部を風上に向けて設けられている。また、ダクト41の真下にはダクト41と乗室36内とを結ぶ通路及び電動開閉弁47が、ダクト42の真下にはダクト42と乗室36内とをそれぞれ結ぶ通路及び電動開閉弁48が設けられている。
ダクト38,40,42は、乗物の走行によって発生する気流を受けて電動開閉弁44,46,48を開くことにより車外の空気をそれぞれ乗室34,35,36内に入れることができるが、乗室34,35,36内の空気を車外に出すことはできない。また、ダクト37,39,41は、乗物の走行によって発生する気流で吸引されて電動開閉弁43,45,47を開くことによりそれぞれ乗室34,35,36内の空気を車外に出すことができるが、車外の空気を乗室34,35,36内に入れることはできない。また、気圧計49は乗室34の進行方向後方の天井部に、気圧計50は乗室35の進行方向前方の天井部に、気圧計51は乗室36の進行方向後方の天井部にそれぞれ設けられており、常時、それぞれの乗室内の気圧を計測している。これらすべてのダクトおよび電動開閉弁および気圧計は乗室34の進行方向前方の運転制御室10床下部に設けられた制御装置9と電気的に結合している。
また、火災センサ5が各乗室の天井または壁部などに必要数設けられ、火災受信機機能を持つ制御装置9に接続されている。火災センサ5にはこの火災センサ5の発報信号により出火場所が分かるようにするため、乗室に対応するアドレスを設けるようにするか、各乗室毎に敷設された回線に火災センサを接続するようにする。
火災センサにアドレスを設けた場合には、制御装置9は、火災センサ5からのアドレスを含む発報信号を受けると、そのアドレスに対応する乗室の気圧を下げるべく減圧用の電動開閉弁を開き加圧用の電動開閉弁を閉じるよう該当する電動開閉弁に制御信号を送って出火室内の空気を車外へ出し、同時に、出火室の隣室あるいは出火室以外の乗室の気圧を上げるべく減圧用の電動開閉弁を閉じ加圧用の電動開閉弁を開くよう該当する電動開閉弁に制御信号を送って出火室以外の室内に車外からの空気を入れる。扉Dは通行がなければ常時閉止状態である。
なお、換気の場合以外では、同区画内の加圧用と減圧用との両方の電動開閉弁が共に開弁することはない。
そして制御装置9は各乗室34,35,36の気圧計49,50,51の計測値を監視して、出火室の気圧が通常より低めである減圧設定気圧に達したと制御装置9が認識したときに、制御装置9は出火室の全ての電動開閉弁を閉じるよう指令を与える。また、制御装置9は、出火室以外の乗室の気圧が出火室以外の乗室に定めた加圧設定気圧に達したと制御装置9が認識したときに、制御装置9は出火室以外の乗室の全ての電動開閉弁を閉じるよう指令を与える。
そして何らかの原因で、出火室内の気圧が減圧設定気圧より高くなれば、制御装置9は、出火室の減圧用の電動開閉弁のみが開くよう指令を与え、低くなれば、出火室の加圧用の電動開閉弁のみが開くよう指令を与える。
また同様に何らかの原因で、出火室以外の乗室内の気圧が加圧設定気圧より高くなれば、制御装置9は、出火室以外の乗室の減圧用の電動開閉弁のみが開くよう指令を与え、低くなれば、出火室以外の乗室の加圧用の電動開閉弁のみが開くよう指令を与える。
以上のようにして、出火室が減圧設定気圧に保たれ、出火室以外の乗室内の気圧が加圧設定気圧に保たれるように制御装置9が制御するので、常に出火室以外の乗室は出火室に対して陽圧に保たれる。
なお、上記以外の方法で、出火室以外の乗室を出火室に対して陽圧に保つようにしてもよい。例えば、出火室のみを減圧制御するようにしたり、隣接乗室間の差圧を監視制御するようにしてもよい。また、出火室以外の全ての乗室を出火室に対して陽圧に保つのではなく、少なくとも出火室の扉等を介して隣接する乗室が出火室に対して陽圧に保つようにしてもよい。
ここでたとえば乗室35の区画で火災が発生した場合は、電動開閉弁46、43,47を閉じて、電動開閉弁44,48を開くことによって、ダクト38,42を介して乗室34、36に外部の空気が入り込んで出火点の区画の両側の区画が加圧され、出火点の区画よりも両側の区画を陽圧にすることができる。従って、出火点側の煙は陽圧にされた進行方向前方の区画には及ばず乗客の安全が確保できる。なお、このとき、電動開閉弁45を開くと、出火点側乗室35内で発生した煙をダクト39を介して車外に出すことができる。
上記では、乗室35の隣の乗室34,36との間の扉D3を境にして、火災が発生した乗室35の隣の乗室の区画を加圧して陽圧にする方法を示したが、例えば、火災発生側を減圧することによって、他方の区画を一方の区画に対して陽圧にすることができる。さらに、火災発生区画を減圧し、反対側の区画を加圧する方法を用いても他方の区画を一方の区画に対して陽圧にすることができる。
上記実施の形態の差圧装置において、ダクト38,40,42の給気の機構及びダクト37,39,41の排気の機構を、単にダクトの向きと電動開閉弁によって実現したが、ダクト38,40,42に給気ファンを、ダクト37,39,41に排気ファンを設けるようにしてもよい。この場合乗物が停止中であっても上述のように任意の区画を陽圧または負圧にすることができる。また、ダクトを給気用と排気用に分けずに、ファン付の給排気両用のダクトとしてなる差圧装置を、乗室34,35,36にそれぞれ一個又は複数設けるようにしてもよい。
また、上記の差圧装置を、乗室以外の扉などの開閉可能な隔壁で区画された区画、例えば機械室や物置などに設けて、任意の区画を陽圧または負圧にするようにしてもよい。このようにして、火災場所すなわち出火区画に少なくとも隣接する区画を火災場所に対して陽圧にすることにより、隣接する区画に煙や有毒ガスが侵入せず、延焼拡大も抑制される。
【0038】
次に本実施の形態の動作について説明する。本実施の形態では、乗室35に火災が発生した場合を想定する。
【0039】
乗室35の火災センサ5からの発報信号が制御装置9に送られると、制御装置9からの指令により、減圧用の電動開閉弁45は開き、加圧用の電動開閉弁46は閉じる。従って、ダクト39は乗室35内の空気を車外へ出すことはできるが、ダクト40から車外の空気が乗室35内に入ることはなく、乗室35内は通常の状態より気圧が下がる。出火乗室35の気圧計50の計測値が減圧設定気圧に達したと制御装置9が認識したときに、制御装置9は、出火乗室35の減圧用及び加圧用の電動開閉弁45,46に指令を与えて閉じさせる。
そして何らかの原因で、出火乗室35内の気圧が減圧設定気圧より高くなれば、制御装置9は、出火乗室35の電動開閉弁45、46に指令を与え減圧用の電動開閉弁45のみを開かせ、逆に、出火乗室35内の気圧が減圧設定気圧より低くなれば、出火乗室35の電動開閉弁45、46に指令を与え加圧用の電動開閉弁46のみを開かせる。
また、同時に、制御装置9からの指令により、乗室35の進行方向前方の隣室である乗室34の天井部に設けられた加圧用の電動開閉弁44が開き、減圧用の電動開閉弁43は閉じる。従って、ダクト38から車外の空気が乗室34には入ることはできるが、ダクト37から乗室34の空気が車外に出ることはなく、乗室34内は通常の状態より気圧が上がる。そして乗室34の気圧計49の計測値が加圧設定気圧に達したと制御装置9が認識したときに、制御装置9は、乗室34の減圧用及び加圧用の電動開閉弁43,44に指令を与えて閉じさせる。
そして何らかの原因で、乗室34内の気圧が加圧設定気圧より高くなれば、制御装置9は、乗室34の電動開閉弁43、44に指令を与え減圧用の電動開閉弁43のみを開かせ、逆に、乗室34内の気圧が加圧設定気圧より低くなれば、乗室34の電動開閉弁43、44に指令を与え加圧用の電動開閉弁44のみを開かせる。
同様に、制御装置9からの指令により、乗室35の進行方向後方の隣室である乗室36の天井部に設けられた加圧用の電動開閉弁42が開き、減圧用の電動開閉弁41は閉じる。従って、ダクト42から車外の空気が乗室36には入ることはできるが、ダクト41から乗室36の空気が車外に出ることはなく、乗室36内は通常の状態より気圧が上がる。そして乗室36の気圧計51の計測値が加圧設定気圧に達したと制御装置9が認識したときに、制御装置9は、乗室36の減圧用及び加圧用の電動開閉弁47,48に指令を与えて閉じさせる。
そして何らかの原因で、乗室36内の気圧が加圧設定気圧より高くなれば、制御装置9は、乗室36の電動開閉弁47、48に指令を与え減圧用の電動開閉弁47のみを開かせ、逆に、乗室36内の気圧が加圧設定気圧より低くなれば、乗室36の電動開閉弁47、48に指令を与え加圧用の電動開閉弁48のみを開かせる。
従って、出火点である乗室35の隣接室34および36は、乗室35に対し陽圧となるため、乗室35の前後の扉を開いて隣室34および36に避難する際、炎は陽圧となった隣室34および36に及ぶことはなく延焼が阻止され、煙は陽圧となった隣室には及ばないので隣室への避難の際、ドアを開いても有毒ガス等が隣室に及ぶことはなく、火災時の被害で焼死よりも影響の大きい煙による被害から乗客を守ることができる。
また、本実施の形態では、乗室35に火災が発生した場合を想定したが、その他の乗室に火災が発生した場合にも同様に隣室を陽圧にすることができる。また、本実施の形態の差圧装置は、実施の形態1および2の防災設備と適宜組合わせて使用することができる。
なお、上記実施の形態では、差圧装置により出火した乗室つまり出火室を減圧して両隣室を加圧したが、出火室だけを減圧するようにしてもよい。このようにすると、両隣室は相対的に出火室に対して陽圧になる。また、出火室以外の室を加圧して、出火室以外の乗室等を相対的に出火室に対して陽圧にしてもよい。また、出火室に対し陽圧にするのは出火室に隣接する室(隣室)だけでもよい。
差圧装置は人のいる乗室だけでなく機械室や物置あるいは前記防煙形成装置などのように非常時に区画される場合など全ての区画される空間に対して必要に応じて設けてもよい。この場合、上記隣接関係も室に限らず区画された空間に渡って適用されることは言うまでもない。また、差圧装置は上記の構成に限らず、同機能を有する機構の差圧装置ならばいずれでも良い。
煙等が隣室に及ぶことを阻止するには、以上の様に差圧装置によって、少なくとも火災場所の隣接する区画された空間のみを火災場所に対して陽圧にすることで十分である。
陽圧形成方式については隣接室を加圧するよりも、火災場所の空気を差圧装置で吸引(排気)するという方式が、煙等の排煙も兼ねることになり、乗客の安全上、より好ましい。
【0040】
実施の形態4.
同じく、図3において、本発明の異なる実施の形態を説明する。
【0041】
本実施の形態では、実施の形態3の差圧装置80が乗室34の進行方向前方の運転制御室10にも取り付けられ、運転制御室10が扉D1を介した乗室34からの避難室52となっている。また、運転制御室10には乗物外への出口D2が備えられている。本実施の形態の防災設備は、差圧装置80を備えている。差圧装置80は避難室52の天井部に設けられたダクト53およびダクト54と、それぞれのダクトおよび避難室52との間で空気の流通を支配するダクト電動開閉弁55および56とから構成される。ダクト53は避難室52の進行方向前方部の天井部に設けられている。ダクト53は開口部を進行方向後方に向けており、避難室52の空気を車外へ出すことはできるが、車外の空気を避難室52に入れることはできない。また、ダクト53の真下にはダクト53と避難室52とを結ぶ通路および電動開閉弁55が設けられている。電動開閉弁55が開いた状態では避難室52の空気を車外へ出すことができる。ダクト54は避難室52の進行方向後方部の天井部に設けられている。ダクト54は開口部を進行方向前方に向けており、避難室52の空気を避難室52に入れることはできるが、避難室52の空気を車外に出すことはできない。また、ダクト54の真下にはダクト54と避難室52とを結ぶ通路および電動開閉弁56が設けられている。電動開閉弁56が開いた状態では車外の空気を避難室52に入れることができる。従って、電動開閉弁55を閉じ、電動開閉弁56を開くことによって、車外の空気を避難室52に入れることによって、避難室52を乗室に対して陽圧にすることができる。
【0042】
次に本実施の形態の動作について説明する。火災センサ5からの発報信号が制御装置9に送られると、制御装置9からの指令により、電動開閉弁56は開き、電動開閉弁55は閉じる。従って、ダクト54を介して車外の空気が避難室52に入り、避難室52内は乗室34,35,36に対し陽圧となる。従って、避難室52以外で発生した火災の煙は避難室には侵入せず、乗客の安全が確保できる。また、避難室52は、車外への出口D2を有し、現在状況や必要な情報を伝えるTVモニタおよび適度の照明および救急器具薬品や酸素ボンベを備え、その壁面や扉D1は断熱材にて構成し、内壁は柔軟壁であり、手すり吊革など把持部を有し、必要な人のための長椅子およびトイレが備えられても良い。
なお、上記実施形態1乃至4では、火災センサを介して制御装置に発報信号を送って乗務員に火災を報知するようにしたが、火災センサの代わりに乗室に発信機を設け、そのボタンを乗客が押すことによって制御装置に発報信号を送るようにしてもよい。制御装置で受信すると制御装置で出火場所が表示され乗務員がTVモニタなどで状況を判断し制御装置を介して出火場所に対応する消火装置を起動する。このようにすると、火災を誤報なく乗務員に報知することができる。
あるいは、乗室に設けられた発信機のボタンを乗客が押すことによって制御装置に発報信号を送り制御装置を介して乗務員に火災を報知させると共に、制御装置を介して又は直接、発報発信機の乗室の消火装置を起動するようにしてもよい。このようにすると、火災現場の人が直接消火操作をするので、早期に火災に対応することができると同時に、乗務員にも状況を報知できて都合がよい。
また、発信機の代わりに消火装置の起動装置を乗室に設けて、火災現場にいる乗客などがその起動装置を操作して消火装置を起動し消火できるようにしてもよい。このようにすると、早期に火災に対応することができる。
また起動装置は消火装置だけでなく防煙壁形成装置や排煙装置の起動装置を乗室に設けてもよい。このようにすると、現場の人の判断で操作されるので適切で早い対応がとれる。
【0043】
実施の形態5.
図4および図5において、本発明の異なる実施の形態を説明する。本実施の形態は実施の形態1および4と組合わせることが可能である。
【0044】
本実施の形態の防災設備は、火災が発生した高速乗物1を停留し、乗客を安全に車外へ誘導する停留所57を備えている。停留所57は高速乗物1の出入口に対応する部分が開口し、出入口の幅で高速乗物1の両側面および天井部を囲い込み消火水を散布する消火水散布装置58と、消火水散布装置58の開口部に接続し、高速乗物1の出入口から乗客を安全に外部に誘導するための誘導トンネル59と、誘導トンネル59を高速乗物1の出入口の高さに固定しているホーム本体60とから構成される。
消火水散布装置58は、高速乗物1の出入口に対応する部分が開口し、出入口の幅で高速乗物1の両側面および天井部を囲い込んでおり、内周全周に所定の間隔を空けて消火水噴射ノズル61が設けられている。消火水噴射ノズル61は、ホーム本体60の地下に配置された地下貯水槽61およびポンプ62と連結されており、ポンプ62によって地下貯水槽61の水は高圧で噴射ノズル61に送水される。誘導トンネル59は消火水散布装置58の開口部に接続し、ホーム本体60によって高速乗物1の出入口の高さに固定されている。
誘導トンネル59は、消火水散布装置58の開口部接続部に全周に亘り消火水を噴射する噴射ノズル63およびトンネル天井部に出口まで所定の間隔を空けてトンネル内に消火水を噴射する噴射ノズル64とを備えている。噴射ノズル63および噴射ノズル64は、ホーム本体60の地下に配置された地下貯水槽61およびポンプ62と連結されており、ポンプ62によって地下貯水槽61の水は高圧で噴射ノズル63および噴射ノズル64に送水される。また、誘導トンネル59は、消火水散布装置58の開口部接続部両側面に磁場を発生させる遮蔽装置としての柱65および柱66を備えている。柱65および柱66は図示しない磁気センサと接続されており、磁気センサが磁気を検出すると柱65および柱66に指令を出し、検出された磁気を打ち消す磁気を発生する。従って、避難時に所持の鉄製品が高速乗物の出口で飛んで怪我をするといったことはない。
ホーム本体60は高速乗物1の進行方向に沿って高速乗物1とほぼ同じ長さであり、誘導トンネル59を高速乗物1の出入口の高さに固定している。ホーム本体60は高速乗物1のほぼ全長に沿って所定の間隔を空け、高速乗物1の出入口下方から高速乗物1に向けて消火水を噴射する噴射ノズル67を備えている。噴出ノズル67は、ホーム本体60の地下に配置された地下貯水槽61およびポンプ62と連結されており、ポンプ62によって地下貯水槽61の水は高圧で噴射ノズル67に送水される。従って、高速乗物1の出入口から避難する際、足元から巻き上がる火炎を抑制消火することができる。
本実施の形態の防災設備は、連結式消火剤供給設備68を備えている。連結式消火剤供給設備68は高速乗物に配設され高速乗物の防火対象に臨む噴射ノズル69と、噴射ノズル69に高速乗物の外部から消火剤を供給するための消火剤注入口70と、消火剤注入口70に連結して消火剤を注入可能な消火剤注入部71とから構成される。
噴射ノズル69は例えば高速乗物1の天井部に、高速乗物1の進行方向前方から進行方向後方にかけて所定の間隔を空けて配管Lに設けられており、この配管Lの基端部に接続された消火剤注入口70から供給される消火剤を車内に噴出する。消火剤注入口70は、例えば高速乗物車体側面にほぼホーム本体60の高さの位置に設けられ、消火剤注入部71はフレキシブル配管を介してホーム本体60に設けられており、消火剤タンクとポンプを備え、消火剤注入口70を介して噴射ノズル69へと消火剤を供給する。従って、高速乗物1にはスペース上の問題から積み込める消火剤の容量に限りがあるが、外部から十分な消火剤を供給することにより、発生した火災を確実に消火することができる。
また、連結式消火剤供給用の配管Lとして高速乗物1に乗室対象配管および電気関係対象配管および油圧系統対象配管等のように、系統別に消火剤注入口70と配管Lを設け、消火剤を供給すれば、それぞれの系統に応じて適切な消火剤が供給できる。
【0045】
次に本実施の形態の動作について説明する。火災が発生した高速乗物1が停留所57に停車すると、ホーム本体60の地下に配置された地下貯水槽61の水がポンプ62によって、消火水散布装置58に設けられた噴射ノズル61および高速乗物の出入口に向けられた噴射ノズル63および誘導トンネル59内に消火水を噴出する噴射ノズル64および高速乗物の出入口下方から高速乗物に向けて消火水を噴射する噴射ノズル67へと送水され、それぞれの噴射ノズルから消火水が噴射される。
また、消火水散布装置58の開口部接続部両側面に設けられた磁場を発生させる柱65および柱66は、図示しない磁気センサから検出された磁気を打ち消す磁気を発生する。熱および磁気等から安全が確保された状態で、乗客は高速乗物の出入口から誘導トンネル59を通過し、外部へ避難することができる。
同時にホーム本体60に設けられた消火剤タンクから消火剤がポンプによって消火剤注入部71に送られる。消火剤注入部71に送られた消火剤は、高速乗物車体側面の消火剤注入口70から高速乗物1の天井部に設けられた噴射ノズル69に送られる。噴射ノズル69から車内へ消火剤が噴射されることにより火災が消火される。
なお、火災中の高速乗物が停留所に到着してすぐに消火態勢、避難態勢がとれるように、全体的に監視する管制塔などで、火災中の高速乗物の到着するのに適した停留所を選び、その高速乗物のタイプと被害や災害状況に合わせた消火設備と避難設備とを到着前に稼働し、例えば散水させた状態の災害用停留所に案内し迎え入れるようにしたシステムとしてもよい。
また、火災中の高速乗物が停留所に到着したところですぐに消火剤注入口70に消火剤注入部71を連結できるために、停留所の縁に沿って複数の消火剤注入部71を設けておいても良い。また、ホースリールに巻き付けたホースの先端に消火剤注入部71を備えても良い。また、ホースの先端に備えた消火剤注入部71を自立型または遠隔操作の自走式ロボットにより消火剤注入口70に連結させるようにしてもよい。なお、消火剤を注入開始させるための開閉弁は、消火剤注入部直近に設けて連結後、連結した者が開弁するようにしてもよく、あるいは全体的に監視し管理する防災センターなどで何れかに設けられた開閉弁を遠隔制御するようにしてもよい。
また、磁場の遮蔽装置として、上記の代わりに、例えば誘導トンネル自体を厚い鉄などの強磁性体の壁により構成してもよく、その中は磁場、電場、電磁場を遮蔽又は軽減するものとなる。また、乗物が爆発をした場合などには避難者を守る防護壁となる。
なお、実施の形態として、高速乗物で説明したが、高速乗物に限定されず、一般的な列車、バス、船に用いてもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、以下のような効果を奏する。
(1)乗物の防火対象に関連付けられた火災センサと、上記防火対象を監視して映像信号を発生するTVカメラと、上記乗物の乗室に設けられ、上記TVカメラからの上記映像信号により上記防火対象の映像を映し出すTVモニタと、上記火災センサからの発報信号を受信したときに、関連付けられた上記防火対象の映像を上記乗室の上記TVモニタに映し出す制御装置とを備えているため、乗客が誤報を含め状況を正確に知ることができる。
【0047】
(2)乗物内に設けられた互いに扉で仕切られた複数の乗室と、上記乗物の防火対象に関連付けられた火災センサと、上記火災センサからの発報信号を受信し火災場所を表示し、乗物外部からの出火においては出火場所に最近接の乗室とその後方の乗室とに火災報知し、あるいは乗物内部からの出火においては、出火場所に最近接の乗室とその隣接乗室とに火災報知する火災受信機とを備えているため、乗客が誤報を含め状況を正確に知ることができ、出火場所から遠い乗室の乗客の不要な混乱を避けることができる。
【0048】
(3)少なくとも火災場所に隣接する区画を火災場所に対して陽圧にする差圧装置とを備えているため、隣接する室に煙が侵入することはない。
【0049】
(4)乗室と、上記乗室に扉を介して隣接し、外部への出口を有し乗室に対し陽圧にされる避難室とを備えているため、避難室に煙が侵入することはない。
【0050】
(5)避難室を冷却することができるので、乗客の安全が長い時間確保できる。
【0051】
(6)避難口と、上記避難口に至る通路に消火水を散布して避難経路を確保する消火水散布装置とを備えているため、乗客の安全が確保できる。
【0052】
(7)外部への出口に消火水を散布して避難経路を確保する消火水散布装置とを備えているため、乗客の安全が確保できる。
【0053】
(8)水を溜める貯水タンクを備えてこの貯水タンクの中の水を室内に散布する消火水散布装置と、上記消火水散布装置により散布された水を回収して上記貯水タンクに戻す循環装置とを備えているため、限られた少量の水を有効に利用することができる。
【0054】
(9)乗室と、上記乗室を区画する防煙壁を形成する防煙壁形成装置とを備えているため、煙を遮断して同室の乗客を煙から守ることができる。
【0055】
(10)乗物は、上記乗物の防火対象に臨むノズルに接続された配管と、上記配管の基端部が接続する上記乗物の外部に臨む消火剤注入口とを備え、上記乗物が停留し得る停留所は、上記消火剤注入口に連結して消火剤を上記乗物に注入可能な消火剤注入部を有する連結式消火剤供給設備を備えているため、消火剤が外部から制限なく供給でき、かつ、消防士が乗物の内部に立ち入ることなく、乗物の消火が完全に行われる。
【0056】
(11)乗物が停留し得る停留所と、上記停留所に設けられ、上記乗物の出口に消火水を散布して避難経路を確保する消火水散布装置とを備えているため、乗物出口で乗客を火から守ることができる。
【0057】
(12)上記停留所に設けられ、上記出口近傍を磁場、電場、電磁場に対する遮蔽装置を備えているため、乗客の安全が確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防災設備が適用される実施の形態1を表す図である。
【図2】本発明の防災設備が適用される実施の形態2を表す図である。
【図3】本発明の防災設備が適用される実施の形態3および4を表す図である。
【図4】本発明の防災設備が適用される実施の形態5を表す図である。
【図5】本発明の防災設備が適用される実施の形態5を表す図である。
【符号の説明】
2 乗室、5 火災センサ、6 TVカメラ、7 TVモニタ、9 制御装置、11 消火水散布装置、12 循環装置、G 高膨張泡発生装置、37 差圧装置、52 避難室、57 停留所、65、66 遮蔽装置、68 連結式消火剤供給設備、70 消火剤注入口、71 消火剤注入部。
Claims (12)
- 乗物の防火対象に関連付けられた火災センサと、
上記防火対象を監視して映像信号を発生するTVカメラと、
上記乗物の乗室に設けられ、上記TVカメラからの上記映像信号により上記防火対象の映像を映し出すTVモニタと、
上記火災センサからの発報信号を受信したときに、関連付けられた上記防火対象の映像を上記乗室の上記TVモニタに映し出す制御装置とを備えたことを特徴とする乗物用防災設備。 - 乗物内に設けられた互いに扉で仕切られた複数の乗室と、
上記乗物の防火対象に関連付けられた火災センサと、
上記火災センサからの発報信号を受信し火災場所を表示し、乗物外部からの出火においては出火場所に最近接の乗室とその後方の乗室とに火災報知し、あるいは乗物内部からの出火においては、出火場所に最近接の乗室とその隣接乗室とに火災報知する火災受信機とを備えたことを特徴とする乗物用防災設備。 - 少なくとも火災場所に隣接する区画を火災場所に対して陽圧にする差圧装置を備えたことを特徴とする乗物用防災設備。
- 乗室と、上記乗室に扉を介して隣接し、外部への出口を有し乗室に対し陽圧にされる避難室とを備えたことを特徴とする乗物用防災設備。
- 避難室を冷却することを特徴とする請求項4記載の乗物用防災設備。
- 避難口と、上記避難口に至る通路に消火水を散布して避難経路を確保する消火水散布装置とを備えたことを特徴とする乗物用防災設備。
- 外部への出口に消火水を散布して避難経路を確保する消火水散布装置とを備えたことを特徴とする乗物用防災設備。
- 水を溜める貯水タンクを備えてこの貯水タンクの中の水を室内に散布する消火水散布装置と、
上記消火水散布装置により散布された水を回収して上記貯水タンクに戻す循環装置とを備えたことを特徴とする乗物用防災設備。 - 乗室と、上記乗室を区画する防煙壁を形成する防煙壁形成装置とを備えたことを特徴とする乗物用防災設備。
- 乗物は、上記乗物の防火対象に臨むノズルに接続された配管と、上記配管の基端部が接続する上記乗物の外部に臨む消火剤注入口とを備え、
上記乗物が停留しうる停留所は、上記消火剤注入口に連結して消火剤を上記乗物に注入可能な消火剤注入部を有する連結式消火剤供給設備を備えたことを特徴とする乗物用防災設備。 - 乗物が停留し得る停留所と、
上記停留所に設けられ、上記乗物の出口に消火水を散布して避難経路を確保する消火水散布装置とを備えたことを特徴とする乗物用防災設備。 - 上記停留所に設けられ、上記出口近傍を磁場、電場、電磁場に対する遮蔽装置を備えたことを特徴とする請求項10あるいは11記載の乗物用防災設備。
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