JP2004063984A - 荷取り装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】物体を浮揚状態で移載する際、荷取り部の移動に必要な空間を小さくできる荷取り装置を提供する。
【解決手段】荷取り装置11は往復直線移動可能な支持部12と、支持部12を往復直線移動させる移動手段13とを備えている。支持部12にはフォーク片(荷取り片)として機能する振動板14が、振動子15を介して片持ち状態で支持されている。振動板14は浮揚保持すべき半導体ウエハー16より小径の円板状部14aと、その一部に径方向に突出するように一体形成された取付片14bとで構成されている。振動板14は振動子15により励振されるホーン23に固定されている。振動子15は発振器21に接続されている。
【選択図】 図1
【解決手段】荷取り装置11は往復直線移動可能な支持部12と、支持部12を往復直線移動させる移動手段13とを備えている。支持部12にはフォーク片(荷取り片)として機能する振動板14が、振動子15を介して片持ち状態で支持されている。振動板14は浮揚保持すべき半導体ウエハー16より小径の円板状部14aと、その一部に径方向に突出するように一体形成された取付片14bとで構成されている。振動板14は振動子15により励振されるホーン23に固定されている。振動子15は発振器21に接続されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、荷取り装置に係り、詳しくは音波の放射圧を用いて物体を浮揚状態で移載する荷取り装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
物体を音波の放射圧を用いて浮揚状態に保持する物体浮揚装置、あるいは物体を浮揚状態で搬送する物体浮揚搬送装置が、例えば特開平7−24415号公報、特開平9−169427号公報等に開示されている。これらの装置では、図6に示すように、長尺の平板状の振動板75を使用し、浮揚させるべき物体76の前記振動板75の表面と対向する面を平面とする。そして、励振手段77により振動板75を励振させ、振動板75の振動による音波の放射圧により物体76を浮揚させる。励振手段77を構成するホーン78は、振動板75の中央部に結合されている。また、浮揚した物体に空気を噴射したり、前記振動板75で進行波を発生させて浮揚した物体76を移動させることにより、物体76を浮揚状態で搬送することも開示されている。
【0003】
物体浮揚装置を搬送車に装備して物体を浮揚状態で所定位置まで搬送した場合、あるいは物体を浮揚状態で搬送する物体搬送装置によって物体を所定位置まで搬送した場合、所定位置において物体を移載する作業、即ち荷取り作業が必要になる。物体の浮揚状態で荷取り作業を行う荷取り装置が特開2001−97531号に開示されている。
【0004】
図7(a),(b)に示すように、荷取り装置81は往復直線移動可能な一対のフォーク片を有するフォーク82を備えている。図7(a)は荷取り装置が荷取り位置へ移動する途中の状態を示す模式背面図、図7(b)は、荷取り完了後の状態を示す模式背面図である。なお、図7(a),(b)において各フォーク片は紙面の裏面に向かって垂直に延びるように設けられているため、図面上は現れない。フォーク82は図示しない公知の駆動手段により、図7(a),(b)の紙面と垂直方向に往復直線移動されるとともに、昇降可能に構成されている。
【0005】
両フォーク片には物体浮揚装置83が設けられている。物体浮揚装置83は、振動板84が、ホーン85、振動子86及び支持ブラケット87を介してフォーク片に固定されている。そして、例えば、図示しない台車に装備された物体浮揚装置90によって浮揚状態に保持された板状の物体91を、浮揚状態のまま物体浮揚装置90から受け取る荷取り作業を行う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
荷取り作業の際には他の物体浮揚装置90で浮揚状態に保持された物体の下方に、振動子86で励振される振動板84を配置させる必要がある。ところが、特開2001−97531に開示された荷取り装置81では、フォーク片に振動板が複数装備されているため、振動子86の下端から振動板84の上面までの距離が大きな状態の荷取り装置81を進入させる必要がある。その結果、例えば、物体浮揚装置90に荷取り装置81の進入を許容する大きなスペースを確保する必要がある。また、荷取り装置81自体も薄型化が難しいという問題がある。
【0007】
また、浮揚状態での搬送が好ましい物体は、表示装置のガラス基板や半導体ウエハー等、塵埃の付着や傷つくのを嫌うものである。そして、これらの物体を保管装置(ストッカー)から取り出す際あるいは搬入する際も、非接触状態での荷取り装置を使用するのが望ましい。その際、荷取り装置を構成するフォーク片の先端側に振動子が取り付けられた構成では、フォーク片の進入を許容するために広い空間を確保する必要があり、保管装置に物体を効率良く保管するのが難しい。
【0008】
本発明は前記の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は物体を浮揚状態で移載する際、荷取り部の移動に必要な空間を小さくできる荷取り装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、支持部を往復直線移動させる移動手段と、前記支持部に対して振動子を介して片持ち状態で支持された振動板と、前記振動子を振動させる駆動手段とを備え、前記振動板の外形寸法を浮揚保持すべき被浮揚物体の幅及び長さとほぼ同じに形成した。
【0010】
ここで、「振動板の外形寸法が被浮揚物体の幅及び長さとほぼ同じ」とは、例えば被浮揚物体が長方形状であれば、振動板はほぼ同じ大きさの長方形状あるいは二股のフォーク片の長さ及び両フォーク片の外側面の距離が被浮揚物体の幅及び長さとほぼ同じであることを意味する。また、被浮揚物体が半導体ウエハーのようにほぼ円形の場合は、振動板は外径が半導体ウエハーの外径±2割以内の大きさの円形又はその円と同じ面積の楕円形、あるいは二股のフォーク片の外側面が前記円形又は楕円形より内側に位置する形状を意味する。
【0011】
この発明では、荷取り装置のフォーク片として機能する振動板は、支持部に対して振動子を介して片持ち状態で支持されているため、従来の浮揚状態で荷取りを行う荷取り装置と異なり、荷取りに際して、振動板を被浮揚物体の下方に配置するスペースが有れば、荷取りが可能となる。従って、被浮揚物体を浮揚状態で移載する際、荷取り部の移動に必要な空間を小さくできる。
【0012】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記支持部には前記振動板からの音波の放射圧によって浮揚された被浮揚物体と接触して該被浮揚物体の前記振動板に対する相対移動を規制する規制手段が備えられている。この発明では、振動板が水平方向に速く移動する際、被浮揚物体が振動板の動きに追随できずに振動板の浮揚力を受ける位置から逸脱することが、前記規制手段の存在により回避される。従って、規制手段のない場合に比較して、振動板の移動を速くしても荷取り作業を円滑に行うことができる。
【0013】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、被浮揚物体は半導体ウエハーである。従って、例えば、比較的軽くて大きさも直径30cm程度である半導体ウエハーの浮揚状態での荷取りを円滑に行うことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施の形態を図1(a),(b)に従って説明する。図1(a)は荷取り装置の模式平面図であり、図1(b)は部分斜視図である。
【0015】
図1(a)に示すように、荷取り装置11は往復直線移動可能な支持部12と、支持部12を往復直線移動させる移動手段13とを備えている。
移動手段は13は、リンク13aを備えたスカラ式の公知のロボットアームを備え、図示しない駆動機構により、支持部12を往復直線移動させるとともに、昇降可能に構成されている。荷取り装置11は支持部12の高さを確認するセンサ(図示せず)を備えている。
【0016】
支持部12にはフォーク片(荷取り片)として機能する振動板14が、振動子15を介して片持ち状態で支持されている。図1(b)に示すように、振動板14は浮揚保持すべき被浮揚物体としての半導体ウエハー16の幅及び長さとほぼ同じ外形寸法に形成されている。この実施の形態では振動板14は半導体ウエハー16より小径(例えば9割程度)の円板状部14aと、その一部に径方向に突出するように一体形成された取付片14bとで構成されている。
【0017】
図1(b)に示すように、振動子15には所謂ランジュバン形振動子が使用され、一対のリング状のピエゾ素子17a,17bを備えている。両ピエゾ素子17a,17b間にリング状の電極板18が配置され、ピエゾ素子17a,17bの電極板18と当接する側と反対側の面に当接する金属ブロック19a,19bを、図示しないボルトによって締め付け固定することにより振動子15が構成されている。ボルトは金属ブロック19aに形成された図示しないねじ穴に、金属ブロック19b側から螺合されている。両金属ブロック19a,19bはボルトを介して互いに導通された状態となっている。金属ブロック19aの先端にはフランジ20が形成され、金属ブロック19aは支持部12に形成された孔(図示せず)に嵌合された状態で図示しないボルトにより支持部12に固定されている。
【0018】
振動子15は駆動手段としての発振器21に接続されている。電極板18は配線22aを介して発振器21と接続され、発振器21の接地端子が配線22bを介して金属ブロック19bに接続されている。
【0019】
振動板14は振動子15により励振されるホーン23に固定されている。励振手段を構成するホーン23は先端側ほど細くなる円錐台状に形成され、その先端においてねじ24により振動板14の取付片14bに締結されている。ホーン23は振動板14が締結される面の反対側の面において振動子15に固定されている。ホーン23の先端面は振動子15の軸方向と直交する平面に形成されている。振動子15、ホーン23及び発振器21により振動板14を励振させる励振手段が構成されている。
【0020】
次に前記のように構成された装置の作用を説明する。
台車に装備された物体浮揚装置により浮揚状態で目的位置まで半導体ウエハー16が搬送されると、荷取り装置11による荷取り作業が行われる。台車が停止し、半導体ウエハー16が所定位置に浮揚状態で保持された状態において、振動板14が進入準備位置に配置される。この位置では、振動板14の上面が半導体ウエハー16の下面より下方に位置する状態となっている。その状態から移動手段13が駆動されて、支持部12が前進移動されて半導体ウエハー16と対応する荷取り位置に配置され、その後所定位置まで上昇される。そして、半導体ウエハー16が振動板14から発生する定在波により浮揚保持される状態となる。その後、台車の物体浮揚装置の振動体の浮揚力の影響がほとんど無い所定高さまで支持部12と共に振動板14が上昇された後、支持部12が後退して物体浮揚装置上から半導体ウエハー16が移動される。そして、振動板14が図示しない載置台(ストッカー)と対応する所定位置まで後退した後、振動板14が下降されて半導体ウエハー16が載置台上に移載される。
【0021】
なお、振動板14として円板状部14aの直径が15cmのものを試作して、20kHz前後の共振周波数で励振したところ、定在波が全体にわたって均一に発生し、15cmの外径の半導体ウエハー16を円滑に浮揚保持できた。
【0022】
この実施の形態では以下の効果を有する。
(1) 荷取り装置11は、支持部12を往復直線移動させる移動手段13と、支持部12に対して振動子15を介して片持ち状態で支持された振動板14と、振動子15を振動させる駆動手段(発振器21)とを備え、振動板14を浮揚保持すべき被浮揚物体の幅及び長さとほぼ同じ外形寸法に形成した。即ち、荷取り装置11のフォーク片として機能する振動板14は、支持部12に対して振動子15を介して片持ち状態で支持されている。そのため、従来の浮揚状態で荷取りを行う荷取り装置と異なり、荷取りに際して、振動板14を被浮揚物体の下方に配置するスペースが有れば、荷取りが可能となる。従って、被浮揚物体を浮揚状態で移載する際、荷取り部の移動に必要な空間を小さくできる。
【0023】
(2) 1個の振動子15及び1個の振動板14を使用した荷取り装置11により、半導体ウエハー16の非接触状態での荷取り作業を円滑に行うことができる。また、荷取り装置11の構成が簡単になるとともに部品点数が少なくなって製造コストを低減できる。
【0024】
(3) 被浮揚物体が半導体ウエハー16である。従って、比較的軽くて大きさも直径30cm程度である半導体ウエハー16の浮揚状態での荷取りを円滑に行うことができる。その結果、半導体ウエハー16を保管するストッカーへの半導体ウエハー16の搬入あるいはストッカーからの搬出を、ストッカーにおける半導体ウエハー16を載置する棚の間隔を大きくとらずに、非接触状態で円滑に行うことができ、同じ枚数を保管する場合ストッカーを小型化できる。
【0025】
(4) 振動板14の形状が円板状部14aから取付片14bが突出した形状に形成されているため、単純な円形状とした場合に比較して、片持ち状態で励振されたときに定在波を安定して発生させることができる。
【0026】
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態を図2(a),(b)に従って説明する。図2(a)は荷取り装置の部分模式平面図であり、図2(b)は部分模式側面図である。この実施の形態では、振動板14の音波の放射圧によって浮揚された被浮揚物体と接触して該被浮揚物体の振動板14に対する相対移動を規制する規制手段を備えている点が前記実施の形態と大きく異なっている。前記実施の形態と同一部分は同一符号を付して詳しい説明を省略する。
【0027】
図2(b)に示すように、支持部25は、振動子15を支持する第1支持部25aと、半導体ウエハー16の振動板14に対する相対移動を規制する規制手段を支持する第2支持部25bとを備えている。振動子15は、リンク13aの先端に支持されている第1支持部25aに前記実施の形態と同様に支持されている。
【0028】
図2(a),(b)に示すように、第2支持部25bは平面ほぼU字状に形成され、ホーン23の先端とほぼ同じ高さにおいて、振動板14の取付片14bを挟むように配設されている。第2支持部25bを構成する一対のアーム26の先端部には、規制手段としての吸引ノズル27がそれぞれ設けられている。振動板14は、半導体ウエハー16をその中心が円板状部14aの中心部とほぼ一致する状態で浮揚保持する状態において、振動板14と対向しない位置が吸引ノズル27の開口部と対向可能な大きさに形成されている。吸引ノズル27は振動板14の音波の放射圧によって浮揚された半導体ウエハー16の端部下面に吸引作用を及ぼす位置にその開口部が配置され、図示しないパイプから負圧が作用するように構成されている。
【0029】
この実施の形態では、前記実施の形態と同様に移動手段13の駆動により支持部25が前進あるいは後退移動される。また、振動子15が励振されて、荷取りした半導体ウエハー16を浮揚状態で保持する。このとき、半導体ウエハー16の一部が吸引ノズル27の吸引作用により、吸引ノズル27に吸着されて振動板14に対する相対移動が規制される。従って、振動板14が速く移動しても、同じ支持部25に支持された吸引ノズル27に吸着された状態で半導体ウエハー16も移動するため、荷取り作業をスピードアップできる。
【0030】
この実施の形態では前記実施の形態の(1)〜(4)の効果を有する他に、次の効果を有する。
(5) 振動子15を支持する支持部25には振動板14からの音波の放射圧によって浮揚された被浮揚物体(半導体ウエハー16)と接触して該被浮揚物体の振動板14に対する相対移動を規制する規制手段を備えている。従って、振動板14が速く移動する際、被浮揚物体が振動板14の動きに追随できず振動板の浮揚力を受ける位置から逸脱することが、規制手段の作用により回避される。その結果、規制手段のない場合に比較して、振動板14の移動を速くしても荷取り作業を円滑に行うことができる。
【0031】
(6) 前記規制手段として吸引ノズル27が装備されているため、浮揚状態の半導体ウエハー16の位置が多少ずれても確実に移動を規制することができる。
【0032】
(7) 吸引ノズル27が取付片14bを挟むように2箇所に設けられているため、1箇所で吸引保持する場合に比較して半導体ウエハー16を安定して保持できる。
【0033】
実施の形態は前記に限定されるものではなく、例えば次のように構成してもよい。
〇 振動板14の形状はほぼ円形状に限らず、振動板14の外形寸法が浮揚保持すべき被浮揚物体の幅及び長さとほぼ同じに形成されていればよい。例えば、長方形状としたり、楕円形状としてもよい。また、図3に示すように、長方形の一部を切り欠いて、二股のフォーク片28を有する形状としてもよい。二股のフォーク片28は、その外側面の間隔が半導体ウエハー16の直径より小さく形成されている。この場合もフォーク片28の基端においてホーン23に固定されることにより、振動子15の振動により安定した定在波が発生する。また、一対のフォーク片28間に振動板14の材質がない分、軽量化できるとともに、他の部材との干渉を避けることができる。
【0034】
〇 被浮揚物体(半導体ウエハー16)の振動板14に対する相対移動を規制する規制手段として、吸着を利用する構成に代えて、浮揚状態の被浮揚物体の端部と係合可能な係合部を支持部に設けてもよい。例えば、図4(a),(b)に示すように、第2支持部25bの形状を変更し、アーム26の先端側及び基端側を延長し、浮揚状態の半導体ウエハー16の周面と係合可能な係合部29を複数(この実施の形態では4個)形成する。係合部29は半導体ウエハー16の外周面と同等の曲率の円弧面29aにおいて半導体ウエハー16と係合可能に構成されている。図4(b)に示すように、係合部29はその上面が浮揚状態の半導体ウエハー16の上面とほぼ同じ高さとなるように形成されている。各係合部29の間隔は、半導体ウエハー16に対して全ての係合部29が同時に係合するのではなく、同時に2個の係合部29と係合可能な間隔に設定されている。また、アーム26の下面は振動板14の下面とほぼ同じ高さとなるように形成されている。振動板14は羽子板状に形成され、両アーム26間に配置される状態でホーン23に固定されている。この実施の形態では振動板14からの音波の放射圧で浮揚状態に保持された半導体ウエハー16が振動板14に対して相対移動しようとすると、その周面が係合部29と係合して相対移動が規制される。
【0035】
従って、振動板14を速く移動させても半導体ウエハー16が振動板14と対応する位置から逸脱することなく、荷取り作業を円滑に行うことができる。吸引ノズル27を設ける場合に比較して、負圧を供給するためのパイプを設ける必要がなく、構成が簡単になる。また、振動板14及びアーム26全体を若干傾斜させた状態で振動板14を移動させれば、半導体ウエハー16が振動板14の傾斜状態に対応して予め所定の係合部29と係合した状態となり、半導体ウエハー16が所定の位置に保持される。その結果、荷取り作業をより円滑に行うことができる。
【0036】
○ 係合部29が半導体ウエハー16と係合する部分は半導体ウエハー16の外周面と同じ曲率の円弧面29aでなくてもよい。例えば、半導体ウエハー16の外周面に向かって凸となる円弧面であってもよい。
【0037】
○ 係合部29をアーム26と一体形成する代わりに、係合部29として単なるピンをアーム26の所定位置に嵌合固定してもよい。
〇 振動板14を振動子15及びホーン23を介して支持部12,25に支持する場合、振動板14がホーン23の上側となる配置構成に限らず、図5に示すように、振動板14がホーン23の下側となる構成としてもよい。この構成では、荷取り位置が低い場合にも荷取り作業を円滑に行うことができる。
【0038】
〇 規制手段として、吸引ノズル27と係合部29の両方を設けてもよい。
○ 荷取り装置11は所定位置に配置される構成に限らず、レールに沿って移動する搬送車やレールの無い通路を移動する搬送車等に装備してもよい。この場合、1台の荷取り装置11を複数の荷移載ヶ所で使用することが可能になる。
【0039】
○ ホーン23を振動子15と別体に形成して固定する代わりに、金属ブロック19aとホーン23とを一体に形成してもよい。この場合、部品点数が少なくなるとともに、組み付けが簡単になる。
【0040】
○ 荷取り装置11において、移動手段13を複数のリンク13aを備えたスカラ式の公知のロボットアームを備えた構成に代えて、ベース部と、該ベース部に対して水平に繰り出し得る複数の可動フォークとを備えた多段フォーク装置を使用し、該多段フォーク装置の終段フォークに支持部12を固定してもよい。
【0041】
○ 振動板14のホーン23への固定はねじによる締結に限らず、接着剤を使用したり、ロウ付けや溶接で固着してもよい。
○ 被浮揚物体は半導体ウエハー16に限らず、半導体ウエハー16と同等の重量及び面積の板状部材であってもよく、ガラス基板でもよい。
【0042】
○ 振動子15はランジュバン形振動子に限らず他の振動子を使用してもよい。
前記実施の形態から把握される発明(技術的思想)について以下に記載する。
【0043】
(1) 請求項2に記載の発明において、前記規制手段は前記支持部と一体的に移動可能に配設された吸引ノズルである。
(2) 請求項2に記載の発明において、前記規制手段は前記支持部に設けられ浮揚状態の被浮揚物体の端部と係合可能な係合部である。
【0044】
(3) 請求項1〜請求項3及び前記技術的思想(1),(2)のいずれか一項に記載の発明において、前記振動板は二股のフォーク片を有する形状に形成されている。
【0045】
(4) 請求項1〜請求項3及び前記技術的思想(1)〜(3)のいずれか一項に記載の荷取り装置が搭載された搬送車。
【0046】
【発明の効果】
以上、詳述したように、請求項1〜請求項3に記載の発明によれば、物体を浮揚状態で移載する際、荷取り部の移動に必要な空間を小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は第1の実施の形態の荷取り装置の模式平面図、(b)は部分斜視図。
【図2】(a)は第2の実施の形態の荷取り装置の部分模式平面図、(b)は部分模式側面図。
【図3】別の実施の形態の振動板の模式平面図。
【図4】(a)は別の実施の形態の荷取り装置の部分模式平面図、(b)は部分模式側面図。
【図5】別の実施の形態の振動板の支持状態を示す模式側面図。
【図6】従来技術の物体浮揚装置の一部破断模式側面図。
【図7】(a),(b)は従来技術の荷取り装置の荷取り状態を示す模式背面図。
【符号の説明】
12,25…支持部、13…移動手段、14…振動板、15…振動子、16…被浮揚物体としての半導体ウエハー、規制手段としての吸引ノズル、29…規制手段としての係合部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、荷取り装置に係り、詳しくは音波の放射圧を用いて物体を浮揚状態で移載する荷取り装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
物体を音波の放射圧を用いて浮揚状態に保持する物体浮揚装置、あるいは物体を浮揚状態で搬送する物体浮揚搬送装置が、例えば特開平7−24415号公報、特開平9−169427号公報等に開示されている。これらの装置では、図6に示すように、長尺の平板状の振動板75を使用し、浮揚させるべき物体76の前記振動板75の表面と対向する面を平面とする。そして、励振手段77により振動板75を励振させ、振動板75の振動による音波の放射圧により物体76を浮揚させる。励振手段77を構成するホーン78は、振動板75の中央部に結合されている。また、浮揚した物体に空気を噴射したり、前記振動板75で進行波を発生させて浮揚した物体76を移動させることにより、物体76を浮揚状態で搬送することも開示されている。
【0003】
物体浮揚装置を搬送車に装備して物体を浮揚状態で所定位置まで搬送した場合、あるいは物体を浮揚状態で搬送する物体搬送装置によって物体を所定位置まで搬送した場合、所定位置において物体を移載する作業、即ち荷取り作業が必要になる。物体の浮揚状態で荷取り作業を行う荷取り装置が特開2001−97531号に開示されている。
【0004】
図7(a),(b)に示すように、荷取り装置81は往復直線移動可能な一対のフォーク片を有するフォーク82を備えている。図7(a)は荷取り装置が荷取り位置へ移動する途中の状態を示す模式背面図、図7(b)は、荷取り完了後の状態を示す模式背面図である。なお、図7(a),(b)において各フォーク片は紙面の裏面に向かって垂直に延びるように設けられているため、図面上は現れない。フォーク82は図示しない公知の駆動手段により、図7(a),(b)の紙面と垂直方向に往復直線移動されるとともに、昇降可能に構成されている。
【0005】
両フォーク片には物体浮揚装置83が設けられている。物体浮揚装置83は、振動板84が、ホーン85、振動子86及び支持ブラケット87を介してフォーク片に固定されている。そして、例えば、図示しない台車に装備された物体浮揚装置90によって浮揚状態に保持された板状の物体91を、浮揚状態のまま物体浮揚装置90から受け取る荷取り作業を行う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
荷取り作業の際には他の物体浮揚装置90で浮揚状態に保持された物体の下方に、振動子86で励振される振動板84を配置させる必要がある。ところが、特開2001−97531に開示された荷取り装置81では、フォーク片に振動板が複数装備されているため、振動子86の下端から振動板84の上面までの距離が大きな状態の荷取り装置81を進入させる必要がある。その結果、例えば、物体浮揚装置90に荷取り装置81の進入を許容する大きなスペースを確保する必要がある。また、荷取り装置81自体も薄型化が難しいという問題がある。
【0007】
また、浮揚状態での搬送が好ましい物体は、表示装置のガラス基板や半導体ウエハー等、塵埃の付着や傷つくのを嫌うものである。そして、これらの物体を保管装置(ストッカー)から取り出す際あるいは搬入する際も、非接触状態での荷取り装置を使用するのが望ましい。その際、荷取り装置を構成するフォーク片の先端側に振動子が取り付けられた構成では、フォーク片の進入を許容するために広い空間を確保する必要があり、保管装置に物体を効率良く保管するのが難しい。
【0008】
本発明は前記の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は物体を浮揚状態で移載する際、荷取り部の移動に必要な空間を小さくできる荷取り装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、支持部を往復直線移動させる移動手段と、前記支持部に対して振動子を介して片持ち状態で支持された振動板と、前記振動子を振動させる駆動手段とを備え、前記振動板の外形寸法を浮揚保持すべき被浮揚物体の幅及び長さとほぼ同じに形成した。
【0010】
ここで、「振動板の外形寸法が被浮揚物体の幅及び長さとほぼ同じ」とは、例えば被浮揚物体が長方形状であれば、振動板はほぼ同じ大きさの長方形状あるいは二股のフォーク片の長さ及び両フォーク片の外側面の距離が被浮揚物体の幅及び長さとほぼ同じであることを意味する。また、被浮揚物体が半導体ウエハーのようにほぼ円形の場合は、振動板は外径が半導体ウエハーの外径±2割以内の大きさの円形又はその円と同じ面積の楕円形、あるいは二股のフォーク片の外側面が前記円形又は楕円形より内側に位置する形状を意味する。
【0011】
この発明では、荷取り装置のフォーク片として機能する振動板は、支持部に対して振動子を介して片持ち状態で支持されているため、従来の浮揚状態で荷取りを行う荷取り装置と異なり、荷取りに際して、振動板を被浮揚物体の下方に配置するスペースが有れば、荷取りが可能となる。従って、被浮揚物体を浮揚状態で移載する際、荷取り部の移動に必要な空間を小さくできる。
【0012】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記支持部には前記振動板からの音波の放射圧によって浮揚された被浮揚物体と接触して該被浮揚物体の前記振動板に対する相対移動を規制する規制手段が備えられている。この発明では、振動板が水平方向に速く移動する際、被浮揚物体が振動板の動きに追随できずに振動板の浮揚力を受ける位置から逸脱することが、前記規制手段の存在により回避される。従って、規制手段のない場合に比較して、振動板の移動を速くしても荷取り作業を円滑に行うことができる。
【0013】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、被浮揚物体は半導体ウエハーである。従って、例えば、比較的軽くて大きさも直径30cm程度である半導体ウエハーの浮揚状態での荷取りを円滑に行うことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施の形態を図1(a),(b)に従って説明する。図1(a)は荷取り装置の模式平面図であり、図1(b)は部分斜視図である。
【0015】
図1(a)に示すように、荷取り装置11は往復直線移動可能な支持部12と、支持部12を往復直線移動させる移動手段13とを備えている。
移動手段は13は、リンク13aを備えたスカラ式の公知のロボットアームを備え、図示しない駆動機構により、支持部12を往復直線移動させるとともに、昇降可能に構成されている。荷取り装置11は支持部12の高さを確認するセンサ(図示せず)を備えている。
【0016】
支持部12にはフォーク片(荷取り片)として機能する振動板14が、振動子15を介して片持ち状態で支持されている。図1(b)に示すように、振動板14は浮揚保持すべき被浮揚物体としての半導体ウエハー16の幅及び長さとほぼ同じ外形寸法に形成されている。この実施の形態では振動板14は半導体ウエハー16より小径(例えば9割程度)の円板状部14aと、その一部に径方向に突出するように一体形成された取付片14bとで構成されている。
【0017】
図1(b)に示すように、振動子15には所謂ランジュバン形振動子が使用され、一対のリング状のピエゾ素子17a,17bを備えている。両ピエゾ素子17a,17b間にリング状の電極板18が配置され、ピエゾ素子17a,17bの電極板18と当接する側と反対側の面に当接する金属ブロック19a,19bを、図示しないボルトによって締め付け固定することにより振動子15が構成されている。ボルトは金属ブロック19aに形成された図示しないねじ穴に、金属ブロック19b側から螺合されている。両金属ブロック19a,19bはボルトを介して互いに導通された状態となっている。金属ブロック19aの先端にはフランジ20が形成され、金属ブロック19aは支持部12に形成された孔(図示せず)に嵌合された状態で図示しないボルトにより支持部12に固定されている。
【0018】
振動子15は駆動手段としての発振器21に接続されている。電極板18は配線22aを介して発振器21と接続され、発振器21の接地端子が配線22bを介して金属ブロック19bに接続されている。
【0019】
振動板14は振動子15により励振されるホーン23に固定されている。励振手段を構成するホーン23は先端側ほど細くなる円錐台状に形成され、その先端においてねじ24により振動板14の取付片14bに締結されている。ホーン23は振動板14が締結される面の反対側の面において振動子15に固定されている。ホーン23の先端面は振動子15の軸方向と直交する平面に形成されている。振動子15、ホーン23及び発振器21により振動板14を励振させる励振手段が構成されている。
【0020】
次に前記のように構成された装置の作用を説明する。
台車に装備された物体浮揚装置により浮揚状態で目的位置まで半導体ウエハー16が搬送されると、荷取り装置11による荷取り作業が行われる。台車が停止し、半導体ウエハー16が所定位置に浮揚状態で保持された状態において、振動板14が進入準備位置に配置される。この位置では、振動板14の上面が半導体ウエハー16の下面より下方に位置する状態となっている。その状態から移動手段13が駆動されて、支持部12が前進移動されて半導体ウエハー16と対応する荷取り位置に配置され、その後所定位置まで上昇される。そして、半導体ウエハー16が振動板14から発生する定在波により浮揚保持される状態となる。その後、台車の物体浮揚装置の振動体の浮揚力の影響がほとんど無い所定高さまで支持部12と共に振動板14が上昇された後、支持部12が後退して物体浮揚装置上から半導体ウエハー16が移動される。そして、振動板14が図示しない載置台(ストッカー)と対応する所定位置まで後退した後、振動板14が下降されて半導体ウエハー16が載置台上に移載される。
【0021】
なお、振動板14として円板状部14aの直径が15cmのものを試作して、20kHz前後の共振周波数で励振したところ、定在波が全体にわたって均一に発生し、15cmの外径の半導体ウエハー16を円滑に浮揚保持できた。
【0022】
この実施の形態では以下の効果を有する。
(1) 荷取り装置11は、支持部12を往復直線移動させる移動手段13と、支持部12に対して振動子15を介して片持ち状態で支持された振動板14と、振動子15を振動させる駆動手段(発振器21)とを備え、振動板14を浮揚保持すべき被浮揚物体の幅及び長さとほぼ同じ外形寸法に形成した。即ち、荷取り装置11のフォーク片として機能する振動板14は、支持部12に対して振動子15を介して片持ち状態で支持されている。そのため、従来の浮揚状態で荷取りを行う荷取り装置と異なり、荷取りに際して、振動板14を被浮揚物体の下方に配置するスペースが有れば、荷取りが可能となる。従って、被浮揚物体を浮揚状態で移載する際、荷取り部の移動に必要な空間を小さくできる。
【0023】
(2) 1個の振動子15及び1個の振動板14を使用した荷取り装置11により、半導体ウエハー16の非接触状態での荷取り作業を円滑に行うことができる。また、荷取り装置11の構成が簡単になるとともに部品点数が少なくなって製造コストを低減できる。
【0024】
(3) 被浮揚物体が半導体ウエハー16である。従って、比較的軽くて大きさも直径30cm程度である半導体ウエハー16の浮揚状態での荷取りを円滑に行うことができる。その結果、半導体ウエハー16を保管するストッカーへの半導体ウエハー16の搬入あるいはストッカーからの搬出を、ストッカーにおける半導体ウエハー16を載置する棚の間隔を大きくとらずに、非接触状態で円滑に行うことができ、同じ枚数を保管する場合ストッカーを小型化できる。
【0025】
(4) 振動板14の形状が円板状部14aから取付片14bが突出した形状に形成されているため、単純な円形状とした場合に比較して、片持ち状態で励振されたときに定在波を安定して発生させることができる。
【0026】
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態を図2(a),(b)に従って説明する。図2(a)は荷取り装置の部分模式平面図であり、図2(b)は部分模式側面図である。この実施の形態では、振動板14の音波の放射圧によって浮揚された被浮揚物体と接触して該被浮揚物体の振動板14に対する相対移動を規制する規制手段を備えている点が前記実施の形態と大きく異なっている。前記実施の形態と同一部分は同一符号を付して詳しい説明を省略する。
【0027】
図2(b)に示すように、支持部25は、振動子15を支持する第1支持部25aと、半導体ウエハー16の振動板14に対する相対移動を規制する規制手段を支持する第2支持部25bとを備えている。振動子15は、リンク13aの先端に支持されている第1支持部25aに前記実施の形態と同様に支持されている。
【0028】
図2(a),(b)に示すように、第2支持部25bは平面ほぼU字状に形成され、ホーン23の先端とほぼ同じ高さにおいて、振動板14の取付片14bを挟むように配設されている。第2支持部25bを構成する一対のアーム26の先端部には、規制手段としての吸引ノズル27がそれぞれ設けられている。振動板14は、半導体ウエハー16をその中心が円板状部14aの中心部とほぼ一致する状態で浮揚保持する状態において、振動板14と対向しない位置が吸引ノズル27の開口部と対向可能な大きさに形成されている。吸引ノズル27は振動板14の音波の放射圧によって浮揚された半導体ウエハー16の端部下面に吸引作用を及ぼす位置にその開口部が配置され、図示しないパイプから負圧が作用するように構成されている。
【0029】
この実施の形態では、前記実施の形態と同様に移動手段13の駆動により支持部25が前進あるいは後退移動される。また、振動子15が励振されて、荷取りした半導体ウエハー16を浮揚状態で保持する。このとき、半導体ウエハー16の一部が吸引ノズル27の吸引作用により、吸引ノズル27に吸着されて振動板14に対する相対移動が規制される。従って、振動板14が速く移動しても、同じ支持部25に支持された吸引ノズル27に吸着された状態で半導体ウエハー16も移動するため、荷取り作業をスピードアップできる。
【0030】
この実施の形態では前記実施の形態の(1)〜(4)の効果を有する他に、次の効果を有する。
(5) 振動子15を支持する支持部25には振動板14からの音波の放射圧によって浮揚された被浮揚物体(半導体ウエハー16)と接触して該被浮揚物体の振動板14に対する相対移動を規制する規制手段を備えている。従って、振動板14が速く移動する際、被浮揚物体が振動板14の動きに追随できず振動板の浮揚力を受ける位置から逸脱することが、規制手段の作用により回避される。その結果、規制手段のない場合に比較して、振動板14の移動を速くしても荷取り作業を円滑に行うことができる。
【0031】
(6) 前記規制手段として吸引ノズル27が装備されているため、浮揚状態の半導体ウエハー16の位置が多少ずれても確実に移動を規制することができる。
【0032】
(7) 吸引ノズル27が取付片14bを挟むように2箇所に設けられているため、1箇所で吸引保持する場合に比較して半導体ウエハー16を安定して保持できる。
【0033】
実施の形態は前記に限定されるものではなく、例えば次のように構成してもよい。
〇 振動板14の形状はほぼ円形状に限らず、振動板14の外形寸法が浮揚保持すべき被浮揚物体の幅及び長さとほぼ同じに形成されていればよい。例えば、長方形状としたり、楕円形状としてもよい。また、図3に示すように、長方形の一部を切り欠いて、二股のフォーク片28を有する形状としてもよい。二股のフォーク片28は、その外側面の間隔が半導体ウエハー16の直径より小さく形成されている。この場合もフォーク片28の基端においてホーン23に固定されることにより、振動子15の振動により安定した定在波が発生する。また、一対のフォーク片28間に振動板14の材質がない分、軽量化できるとともに、他の部材との干渉を避けることができる。
【0034】
〇 被浮揚物体(半導体ウエハー16)の振動板14に対する相対移動を規制する規制手段として、吸着を利用する構成に代えて、浮揚状態の被浮揚物体の端部と係合可能な係合部を支持部に設けてもよい。例えば、図4(a),(b)に示すように、第2支持部25bの形状を変更し、アーム26の先端側及び基端側を延長し、浮揚状態の半導体ウエハー16の周面と係合可能な係合部29を複数(この実施の形態では4個)形成する。係合部29は半導体ウエハー16の外周面と同等の曲率の円弧面29aにおいて半導体ウエハー16と係合可能に構成されている。図4(b)に示すように、係合部29はその上面が浮揚状態の半導体ウエハー16の上面とほぼ同じ高さとなるように形成されている。各係合部29の間隔は、半導体ウエハー16に対して全ての係合部29が同時に係合するのではなく、同時に2個の係合部29と係合可能な間隔に設定されている。また、アーム26の下面は振動板14の下面とほぼ同じ高さとなるように形成されている。振動板14は羽子板状に形成され、両アーム26間に配置される状態でホーン23に固定されている。この実施の形態では振動板14からの音波の放射圧で浮揚状態に保持された半導体ウエハー16が振動板14に対して相対移動しようとすると、その周面が係合部29と係合して相対移動が規制される。
【0035】
従って、振動板14を速く移動させても半導体ウエハー16が振動板14と対応する位置から逸脱することなく、荷取り作業を円滑に行うことができる。吸引ノズル27を設ける場合に比較して、負圧を供給するためのパイプを設ける必要がなく、構成が簡単になる。また、振動板14及びアーム26全体を若干傾斜させた状態で振動板14を移動させれば、半導体ウエハー16が振動板14の傾斜状態に対応して予め所定の係合部29と係合した状態となり、半導体ウエハー16が所定の位置に保持される。その結果、荷取り作業をより円滑に行うことができる。
【0036】
○ 係合部29が半導体ウエハー16と係合する部分は半導体ウエハー16の外周面と同じ曲率の円弧面29aでなくてもよい。例えば、半導体ウエハー16の外周面に向かって凸となる円弧面であってもよい。
【0037】
○ 係合部29をアーム26と一体形成する代わりに、係合部29として単なるピンをアーム26の所定位置に嵌合固定してもよい。
〇 振動板14を振動子15及びホーン23を介して支持部12,25に支持する場合、振動板14がホーン23の上側となる配置構成に限らず、図5に示すように、振動板14がホーン23の下側となる構成としてもよい。この構成では、荷取り位置が低い場合にも荷取り作業を円滑に行うことができる。
【0038】
〇 規制手段として、吸引ノズル27と係合部29の両方を設けてもよい。
○ 荷取り装置11は所定位置に配置される構成に限らず、レールに沿って移動する搬送車やレールの無い通路を移動する搬送車等に装備してもよい。この場合、1台の荷取り装置11を複数の荷移載ヶ所で使用することが可能になる。
【0039】
○ ホーン23を振動子15と別体に形成して固定する代わりに、金属ブロック19aとホーン23とを一体に形成してもよい。この場合、部品点数が少なくなるとともに、組み付けが簡単になる。
【0040】
○ 荷取り装置11において、移動手段13を複数のリンク13aを備えたスカラ式の公知のロボットアームを備えた構成に代えて、ベース部と、該ベース部に対して水平に繰り出し得る複数の可動フォークとを備えた多段フォーク装置を使用し、該多段フォーク装置の終段フォークに支持部12を固定してもよい。
【0041】
○ 振動板14のホーン23への固定はねじによる締結に限らず、接着剤を使用したり、ロウ付けや溶接で固着してもよい。
○ 被浮揚物体は半導体ウエハー16に限らず、半導体ウエハー16と同等の重量及び面積の板状部材であってもよく、ガラス基板でもよい。
【0042】
○ 振動子15はランジュバン形振動子に限らず他の振動子を使用してもよい。
前記実施の形態から把握される発明(技術的思想)について以下に記載する。
【0043】
(1) 請求項2に記載の発明において、前記規制手段は前記支持部と一体的に移動可能に配設された吸引ノズルである。
(2) 請求項2に記載の発明において、前記規制手段は前記支持部に設けられ浮揚状態の被浮揚物体の端部と係合可能な係合部である。
【0044】
(3) 請求項1〜請求項3及び前記技術的思想(1),(2)のいずれか一項に記載の発明において、前記振動板は二股のフォーク片を有する形状に形成されている。
【0045】
(4) 請求項1〜請求項3及び前記技術的思想(1)〜(3)のいずれか一項に記載の荷取り装置が搭載された搬送車。
【0046】
【発明の効果】
以上、詳述したように、請求項1〜請求項3に記載の発明によれば、物体を浮揚状態で移載する際、荷取り部の移動に必要な空間を小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は第1の実施の形態の荷取り装置の模式平面図、(b)は部分斜視図。
【図2】(a)は第2の実施の形態の荷取り装置の部分模式平面図、(b)は部分模式側面図。
【図3】別の実施の形態の振動板の模式平面図。
【図4】(a)は別の実施の形態の荷取り装置の部分模式平面図、(b)は部分模式側面図。
【図5】別の実施の形態の振動板の支持状態を示す模式側面図。
【図6】従来技術の物体浮揚装置の一部破断模式側面図。
【図7】(a),(b)は従来技術の荷取り装置の荷取り状態を示す模式背面図。
【符号の説明】
12,25…支持部、13…移動手段、14…振動板、15…振動子、16…被浮揚物体としての半導体ウエハー、規制手段としての吸引ノズル、29…規制手段としての係合部。
Claims (3)
- 支持部を往復直線移動させる移動手段と、
前記支持部に対して振動子を介して片持ち状態で支持された振動板と、
前記振動子を振動させる駆動手段と
を備え、前記振動板の外形寸法を浮揚保持すべき被浮揚物体の幅及び長さとほぼ同じに形成した荷取り装置。 - 前記支持部には前記振動板からの音波の放射圧によって浮揚された被浮揚物体と接触して該被浮揚物体の前記振動板に対する相対移動を規制する規制手段が備えられている請求項1に記載の荷取り装置。
- 被浮揚物体は半導体ウエハーである請求項1又は請求項2に記載の荷取り装置。
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