JP2004063701A - フレキシブルプリント配線基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】断線や短絡がなく、歩留まりが高く、さらに銅箔と絶縁層との密着強度が強いフレキシブルプリント配線板の製造方法を提供する。
【解決手段】剥離層2を介してキャリア3により支持されている導電層1を含む第1及び第2の積層シート10’,10”を用意し、前記第1及び第2の積層シートの導電層にそれぞれ所定の第1及び第2の配線パターン1’、1”を形成し、前記第1の積層シートの導電層に形成された第1の配線パターン1’の所定個所にバンプ4を形成し、バンプ4を形成された前記第1の配線パターン1’を有する前記第1の積層シート10’及び前記第2の配線パターン1”を有する前記第2の積層シート10”を、絶縁層5を介してそれぞれの配線パターンが向き合うように重ね合わせ、加熱圧縮し、前記第1及び第2の積層シートのキャリア3を剥離層2とともに剥離する。
【選択図】 図4
【解決手段】剥離層2を介してキャリア3により支持されている導電層1を含む第1及び第2の積層シート10’,10”を用意し、前記第1及び第2の積層シートの導電層にそれぞれ所定の第1及び第2の配線パターン1’、1”を形成し、前記第1の積層シートの導電層に形成された第1の配線パターン1’の所定個所にバンプ4を形成し、バンプ4を形成された前記第1の配線パターン1’を有する前記第1の積層シート10’及び前記第2の配線パターン1”を有する前記第2の積層シート10”を、絶縁層5を介してそれぞれの配線パターンが向き合うように重ね合わせ、加熱圧縮し、前記第1及び第2の積層シートのキャリア3を剥離層2とともに剥離する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フレキシブルプリント配線基板の製造方法に関し、特に、非常に薄い銅箔を導電層とする、少なくとも2層以上の導電層を有するフレキシブルプリント配線基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の少なくとも2層以上の導電層(配線パターン)を有するフレキシブルプリント配線基板の製造方法に関し、図8を用いて簡単に説明する。
【0003】
図8には、バンプ方式による層間接続をしたプリント配線基板の製造方法が概略示されている。
【0004】
先ず、導電層を構成する銅箔101上の所定位置(図のように1箇所とは限られない)にスクリーン印刷法により銀ペーストを印刷し、これを乾燥する。この操作を1〜数回繰り返すことにより、図8(a)に示されるように、バンプ102が銅箔101上に形成される。
【0005】
次に、図8(b)に示されるように、上記バンプ102を形成した銅箔101上に、LCP(液晶ポリマー)、BTレジン(ビスマレイミドトリアン樹脂)あるいはガラスエポキシ樹脂からなる絶縁層としての樹脂製絶縁フィルム103及び他方の導電層を構成する銅箔104を、この順に重ね合わせる。続いて、重ね合わされた銅箔101、絶縁層103及び銅箔104を、図8(c)に示されるように、プレスにより熱圧着し、樹脂製絶縁層103の表面を溶融して、該樹脂製絶縁層103と、上下に配置されている銅箔101、104とを接着させ、樹脂製絶縁層103の上下両面に導電層としての銅箔を有する両面銅張積層板100が形成される。同時に、熱プレスにより、該積層板100の表面が平坦化されるとともに、樹脂製絶縁層103の上下両面に配置される銅箔101、104が、バンプ102を介して電気的に接続される。
【0006】
その後、図8(d)に示されるように、前記層間接続された両面銅張積層板100をサブトラクティブ法(例えば、レジストコーティング、パターンマスクを用いた露光及び現像処理後、エッチング等により不要部分を選択的に除去して導体パターンを形成するプリント配線基板の製造方法)によって配線パターン105、106を両面に有する最終製品であるフレキシブルプリント配線基板200が製造される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のフレキシブルプリント配線基板の製造方法においては、以下のような問題点を生ずる可能性がある。
(1)銅箔にピンホールがある場合、熱プレス時絶縁層を構成している樹脂が該ピンホールを通って銅箔表面に流れ出す恐れがある。あるいは、エッチング処理工程直前までの工程において、ゴミ等が銅箔表面に付着してしまう恐れがある。
このような状態が生じた場合、樹脂流出部分やゴミ付着部分は、エッチング処理時銅箔を除去することができず、結果として、残存銅箔が、形成された配線パターンを短絡させる。
(2)特に、熱プレス前後の行程での銅箔や中間生成物としての銅張積層板などのハンドリング中、何らかの原因で銅箔に打痕が入る恐れがある。この場合、該打痕が、形成される配線パターンをオープンの状態、すなわち、断線状態にする。
(3)熱プレス後、絶縁層が収縮するために銅張積層板が全体として収縮する。
これにより銅張積層板の寸法がばらつき、レジスト処理工程におけるパターン露光・現像のためのパターンマスクとの位置合せが困難となる。
(4)通常、銅張積層板は、レジスト処理工程前に、酸化皮膜、油脂類又はゴミなどを除去し、あるいは銅箔面の凹凸を除去するために機械研磨を行うが、近年銅張積層板が薄板化するにつれて、機械研磨ができなくなり、したがって、上記のような配線パターンの短絡化や断線化の原因を取り除くことが不可能になっている。
【0008】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、断線や短絡のないフレキシブルプリント配線基板の製造を可能とし、製品の歩留まりの向上を実現するとともに、銅箔と絶縁層との密着強度(ピール強度)が強いフレキシブルプリント配線基板の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る絶縁層の両面に導電層を有する両面フレキシブルプリント配線基板の製造方法は、剥離層を介してキャリアにより支持されている導電層を含む第1及び第2の積層シートを用意する第1のステップ、前記第1及び第2の積層シートの導電層にそれぞれ所定の第1及び第2の配線パターンを形成する第2のステップ、前記第1の積層シートの導電層に形成された第1の配線パターンの所定個所にバンプを形成する第3のステップ、バンプを形成された前記第1の配線パターンを有する前記第1の積層シート及び前記第2の配線パターンを有する前記第2の積層シートを、絶縁層を介してそれぞれの配線パターンが向き合うように重ね合わせる第4のステップ、重ね合わせられた前記第1の積層シート、前記絶縁層及び前記第2の積層シートを加熱圧縮する第5のステップ、及び前記第1及び第2の積層シートのキャリアを剥離層とともに剥離する第6のステップとを備えることを特徴とする。
【0010】
さらに、上記両面フレキシブルプリント配線基板の製造方法における略同じステップを利用して多層フレキシブルプリント配線基板の製造方法に適用してもよい。
【0011】
また、前記絶縁層は、液晶ポリマー、BTレジン又はガラスエポキシ樹脂であることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明に係る1実施形態としての両面フレキシブルプリント配線基板の製造方法につき図1〜7を用いて説明する。
【0013】
図1〜7は、図番順に両面フレキシブルプリント配線基板の製造工程を示している。
【0014】
第1のステップとして、フレキシブルプリント配線基板の上下両面にプリント回路(配線パターン)を形成する導電層としての非常に薄い銅箔層を有する積層シート10を2つ用意する(図1)。本発明においては、三井金属鉱業株式会社製の厚さが3μmの非常に薄い銅箔を導電層とする積層シート(MicroThinTM)を応用して、3μmの厚さの導電層部分を12μm(以下「12μm銅箔」と言う。)に変更して使用する。すなわち、該積層シート10は、導電層としての12μm銅箔1、中間層としての剥離層2、前記12μm銅箔1を支持するキャリアとしての18〜35μm銅箔3から構成されている。キャリア3は、12μm銅箔1の保護層としても機能し、例えば、絶縁層との積層作業時における汚染から表面を保護したり、打痕等の防止にも役立つ。
【0015】
第2のステップとして、上記第1ステップで用意された第1の積層シート10のキャリア3に支持されている12μm銅箔1に、レジスト印刷、露光、現像、エッチング及びレジスト除去などを実行して導体パターンを形成するサブトラクティブ法により、最終的に製造される両面フレキシブルプリント配線基板の一方の面の第1配線パターン1’を形成する(図2)。同様に、第2の積層シート10の12μm銅箔1に、最終的に製造される両面フレキシブルプリント配線基板のもう一方の面の第2配線パターン1”を形成しておく(図4参照)。
【0016】
第3のステップとして、上記第2ステップで形成された第1配線パターン1’の所定個所(所定ランド)に、当該第1配線パターン1’ともう一方の面の第2配線パターン1”とを電気的に接続するバンプ4を形成する(図3)。該バンプ4の形成方法は、上記従来例と同様である。すなわち、スクリーン印刷法により銀ペーストを印刷・乾燥し、この操作を1〜数回繰り返すことにより、図に示されるように、所定高さのバンプ4を形成する。
【0017】
第4のステップとして、第3ステップにおいて形成されたバンプ4を備える第1配線パターン1’を有する第1積層シート10’及び第2ステップにおいて形成されている第2配線パターン1”を有する第2積層シート10”が、樹脂製絶縁層5の上下両面にセットアップされる(図4)。なお、樹脂製絶縁層の材料としては、従来例と同様に、LCP(液晶ポリマー)、BTレジン(ビスマレイミドトリアン樹脂)あるいはガラスエポキシ樹脂等の熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂であることが好ましい。
【0018】
上記第4ステップにおけるセットアップの具体的方法としては、図5に示されているような位置合わせ用治具6を使用することが好ましい。該位置合わせ治具6は、複数の基準ピン7(本実施例では4本)を有する。この位置合わせ用治具6に、上記の通り、第1積層シート10’、樹脂製絶縁層5及び第2積層シート10”をこの順に下から重ね合わせるだけでセットアップが完了する。第1積層シート10’及び第2積層シート10”は、ステップ2においてそれぞれ第1配線パターン1’及び第2配線パターン1”が形成される時に、位置決め用貫通孔aが、例えば、それぞれの配線パターン1’及び1”に影響を与えない積層シート4隅などに予め形成されている。したがって、積層シート10’又は10”に形成されている該位置決め用貫通孔aに位置合わせ用治具6の基準ピン7を通すことにより、第1積層シート10’の第1配線パターン1’の所定ランドに形成されたバンプ4が、樹脂製絶縁層5を挟んで、第2積層シート10”の第2配線パターン1”の所定ランドに対応することになる。
【0019】
第5のステップとして、上記第4ステップにおいてセットアップされた第1積層シート10’、樹脂製絶縁層5及び第2積層シート10”は、加熱圧縮(熱プレス)される(図6)。これにより、第1配線パターン1’の所定のランド上に形成されている銀ペーストバンプ4が、介在する樹脂製絶縁層5を貫通して、対応する第2配線パターン1”の所定のランドに圧着され、電気的に接続される。
また、樹脂製絶縁層5は、第1積層シート10’及び第2積層シート10”それぞれの第1配線パターン10’及び第2配線パターン10”が形成されていない空間を埋めるようにして第1積層シート10’及び第2積層シート10”に溶融圧着される。
【0020】
なお、樹脂製絶縁層5が、BTレジン又は、ガラスエポキシ樹脂である場合、加熱圧着の温度は、170〜190℃、圧力は、30〜70kgf/cm2であることが好ましく、樹脂製絶縁層5が、液晶ポリマーである場合、温度は、280〜350℃、圧力は30〜70kgf/cm2であることが好ましい。
【0021】
ステップ6として、上記ステップ5において加熱圧着により形成された第1積層シート10’、樹脂製絶縁層5及び第2積層シート10”を含む積層体20から、その上下最外層に積層されているキャリア銅箔3を剥離層2とともに剥離する(図7)。結果として、図7に示されるように、所望のフレキシブルプリント配線基板21を得ることができる。
【0022】
なお、本実施例においては、両面フレキシブルプリント配線基板の製造方法についてのみ説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、導電層が3層以上のフレキシブルプリント配線基板の製造にも適用され得るものである。すなわち、ステップ3において形成されたバンプを備える配線パターンを有する積層シートを、樹脂製絶縁層を介して、ステップ5において形成された積層体の一方のキャリアを剥離した状態の積層体に加圧圧着し、以下これを繰り返すことにより、必要に応じて何層もの導電層を備える多層フレキシブルプリント配線基板を製造することができる。
【0023】
【発明の効果】
本発明のフレキシブルプリント配線基板の製造方法においては、キャリアに支持された銅箔を使用するようにしたので、ハンドリングが容易であるとともに、樹脂流れやゴミの付着あるいは打痕が防止される。また、加熱圧着の前に予め配線パターンが形成されているので、パターンずれがない。さらに、樹脂製絶縁層が配線パターン内に埋め込み構造となるため、該絶縁層と導電層との層間の密着度が高く、ピール強度もアップする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフレキシブルプリント配線基板に使用する積層シートの断面図である。
【図2】配線パターンを形成した積層シートの概略断面図である。
【図3】所定個所にバンプを形成した積層シートの概略断面図である。
【図4】図2に示される積層シート、絶縁層及び図3に示される積層シートをセットアップした概略断面図である。
【図5】図4に示されるセットアップを具体的に説明するための図である。
【図6】セットアップされた後、加熱圧着された積層体の概略断面図である。
【図7】図6の積層体からキャリアが剥離され、所望のフレキシブルプリント配線基板が得られることを示す図である。
【図8】従来のフレキシブルプリント配線基板の製造方法を示す図である。
【符号の説明】
1 導電層(銅箔)
1’ 第1配線パターン
1” 第2配線パターン
2 剥離層
3 キャリア(銅箔)
4 バンプ
5 (樹脂製)絶縁層
6 位置合わせ治具
7 基準ピン
10 積層シート
10’ 第1の積層シート
10” 第2の積層シート
20 積層体
21、200 両面フレキシブルプリント配線基板
100 両面銅張積層板
101 導電層(銅箔)
102 バンプ
103 樹脂製絶縁層(絶縁フィルム)
104 導電層(銅箔)
105 配線パターン
106 配線パターン
【発明の属する技術分野】
本発明は、フレキシブルプリント配線基板の製造方法に関し、特に、非常に薄い銅箔を導電層とする、少なくとも2層以上の導電層を有するフレキシブルプリント配線基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の少なくとも2層以上の導電層(配線パターン)を有するフレキシブルプリント配線基板の製造方法に関し、図8を用いて簡単に説明する。
【0003】
図8には、バンプ方式による層間接続をしたプリント配線基板の製造方法が概略示されている。
【0004】
先ず、導電層を構成する銅箔101上の所定位置(図のように1箇所とは限られない)にスクリーン印刷法により銀ペーストを印刷し、これを乾燥する。この操作を1〜数回繰り返すことにより、図8(a)に示されるように、バンプ102が銅箔101上に形成される。
【0005】
次に、図8(b)に示されるように、上記バンプ102を形成した銅箔101上に、LCP(液晶ポリマー)、BTレジン(ビスマレイミドトリアン樹脂)あるいはガラスエポキシ樹脂からなる絶縁層としての樹脂製絶縁フィルム103及び他方の導電層を構成する銅箔104を、この順に重ね合わせる。続いて、重ね合わされた銅箔101、絶縁層103及び銅箔104を、図8(c)に示されるように、プレスにより熱圧着し、樹脂製絶縁層103の表面を溶融して、該樹脂製絶縁層103と、上下に配置されている銅箔101、104とを接着させ、樹脂製絶縁層103の上下両面に導電層としての銅箔を有する両面銅張積層板100が形成される。同時に、熱プレスにより、該積層板100の表面が平坦化されるとともに、樹脂製絶縁層103の上下両面に配置される銅箔101、104が、バンプ102を介して電気的に接続される。
【0006】
その後、図8(d)に示されるように、前記層間接続された両面銅張積層板100をサブトラクティブ法(例えば、レジストコーティング、パターンマスクを用いた露光及び現像処理後、エッチング等により不要部分を選択的に除去して導体パターンを形成するプリント配線基板の製造方法)によって配線パターン105、106を両面に有する最終製品であるフレキシブルプリント配線基板200が製造される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のフレキシブルプリント配線基板の製造方法においては、以下のような問題点を生ずる可能性がある。
(1)銅箔にピンホールがある場合、熱プレス時絶縁層を構成している樹脂が該ピンホールを通って銅箔表面に流れ出す恐れがある。あるいは、エッチング処理工程直前までの工程において、ゴミ等が銅箔表面に付着してしまう恐れがある。
このような状態が生じた場合、樹脂流出部分やゴミ付着部分は、エッチング処理時銅箔を除去することができず、結果として、残存銅箔が、形成された配線パターンを短絡させる。
(2)特に、熱プレス前後の行程での銅箔や中間生成物としての銅張積層板などのハンドリング中、何らかの原因で銅箔に打痕が入る恐れがある。この場合、該打痕が、形成される配線パターンをオープンの状態、すなわち、断線状態にする。
(3)熱プレス後、絶縁層が収縮するために銅張積層板が全体として収縮する。
これにより銅張積層板の寸法がばらつき、レジスト処理工程におけるパターン露光・現像のためのパターンマスクとの位置合せが困難となる。
(4)通常、銅張積層板は、レジスト処理工程前に、酸化皮膜、油脂類又はゴミなどを除去し、あるいは銅箔面の凹凸を除去するために機械研磨を行うが、近年銅張積層板が薄板化するにつれて、機械研磨ができなくなり、したがって、上記のような配線パターンの短絡化や断線化の原因を取り除くことが不可能になっている。
【0008】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、断線や短絡のないフレキシブルプリント配線基板の製造を可能とし、製品の歩留まりの向上を実現するとともに、銅箔と絶縁層との密着強度(ピール強度)が強いフレキシブルプリント配線基板の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る絶縁層の両面に導電層を有する両面フレキシブルプリント配線基板の製造方法は、剥離層を介してキャリアにより支持されている導電層を含む第1及び第2の積層シートを用意する第1のステップ、前記第1及び第2の積層シートの導電層にそれぞれ所定の第1及び第2の配線パターンを形成する第2のステップ、前記第1の積層シートの導電層に形成された第1の配線パターンの所定個所にバンプを形成する第3のステップ、バンプを形成された前記第1の配線パターンを有する前記第1の積層シート及び前記第2の配線パターンを有する前記第2の積層シートを、絶縁層を介してそれぞれの配線パターンが向き合うように重ね合わせる第4のステップ、重ね合わせられた前記第1の積層シート、前記絶縁層及び前記第2の積層シートを加熱圧縮する第5のステップ、及び前記第1及び第2の積層シートのキャリアを剥離層とともに剥離する第6のステップとを備えることを特徴とする。
【0010】
さらに、上記両面フレキシブルプリント配線基板の製造方法における略同じステップを利用して多層フレキシブルプリント配線基板の製造方法に適用してもよい。
【0011】
また、前記絶縁層は、液晶ポリマー、BTレジン又はガラスエポキシ樹脂であることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明に係る1実施形態としての両面フレキシブルプリント配線基板の製造方法につき図1〜7を用いて説明する。
【0013】
図1〜7は、図番順に両面フレキシブルプリント配線基板の製造工程を示している。
【0014】
第1のステップとして、フレキシブルプリント配線基板の上下両面にプリント回路(配線パターン)を形成する導電層としての非常に薄い銅箔層を有する積層シート10を2つ用意する(図1)。本発明においては、三井金属鉱業株式会社製の厚さが3μmの非常に薄い銅箔を導電層とする積層シート(MicroThinTM)を応用して、3μmの厚さの導電層部分を12μm(以下「12μm銅箔」と言う。)に変更して使用する。すなわち、該積層シート10は、導電層としての12μm銅箔1、中間層としての剥離層2、前記12μm銅箔1を支持するキャリアとしての18〜35μm銅箔3から構成されている。キャリア3は、12μm銅箔1の保護層としても機能し、例えば、絶縁層との積層作業時における汚染から表面を保護したり、打痕等の防止にも役立つ。
【0015】
第2のステップとして、上記第1ステップで用意された第1の積層シート10のキャリア3に支持されている12μm銅箔1に、レジスト印刷、露光、現像、エッチング及びレジスト除去などを実行して導体パターンを形成するサブトラクティブ法により、最終的に製造される両面フレキシブルプリント配線基板の一方の面の第1配線パターン1’を形成する(図2)。同様に、第2の積層シート10の12μm銅箔1に、最終的に製造される両面フレキシブルプリント配線基板のもう一方の面の第2配線パターン1”を形成しておく(図4参照)。
【0016】
第3のステップとして、上記第2ステップで形成された第1配線パターン1’の所定個所(所定ランド)に、当該第1配線パターン1’ともう一方の面の第2配線パターン1”とを電気的に接続するバンプ4を形成する(図3)。該バンプ4の形成方法は、上記従来例と同様である。すなわち、スクリーン印刷法により銀ペーストを印刷・乾燥し、この操作を1〜数回繰り返すことにより、図に示されるように、所定高さのバンプ4を形成する。
【0017】
第4のステップとして、第3ステップにおいて形成されたバンプ4を備える第1配線パターン1’を有する第1積層シート10’及び第2ステップにおいて形成されている第2配線パターン1”を有する第2積層シート10”が、樹脂製絶縁層5の上下両面にセットアップされる(図4)。なお、樹脂製絶縁層の材料としては、従来例と同様に、LCP(液晶ポリマー)、BTレジン(ビスマレイミドトリアン樹脂)あるいはガラスエポキシ樹脂等の熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂であることが好ましい。
【0018】
上記第4ステップにおけるセットアップの具体的方法としては、図5に示されているような位置合わせ用治具6を使用することが好ましい。該位置合わせ治具6は、複数の基準ピン7(本実施例では4本)を有する。この位置合わせ用治具6に、上記の通り、第1積層シート10’、樹脂製絶縁層5及び第2積層シート10”をこの順に下から重ね合わせるだけでセットアップが完了する。第1積層シート10’及び第2積層シート10”は、ステップ2においてそれぞれ第1配線パターン1’及び第2配線パターン1”が形成される時に、位置決め用貫通孔aが、例えば、それぞれの配線パターン1’及び1”に影響を与えない積層シート4隅などに予め形成されている。したがって、積層シート10’又は10”に形成されている該位置決め用貫通孔aに位置合わせ用治具6の基準ピン7を通すことにより、第1積層シート10’の第1配線パターン1’の所定ランドに形成されたバンプ4が、樹脂製絶縁層5を挟んで、第2積層シート10”の第2配線パターン1”の所定ランドに対応することになる。
【0019】
第5のステップとして、上記第4ステップにおいてセットアップされた第1積層シート10’、樹脂製絶縁層5及び第2積層シート10”は、加熱圧縮(熱プレス)される(図6)。これにより、第1配線パターン1’の所定のランド上に形成されている銀ペーストバンプ4が、介在する樹脂製絶縁層5を貫通して、対応する第2配線パターン1”の所定のランドに圧着され、電気的に接続される。
また、樹脂製絶縁層5は、第1積層シート10’及び第2積層シート10”それぞれの第1配線パターン10’及び第2配線パターン10”が形成されていない空間を埋めるようにして第1積層シート10’及び第2積層シート10”に溶融圧着される。
【0020】
なお、樹脂製絶縁層5が、BTレジン又は、ガラスエポキシ樹脂である場合、加熱圧着の温度は、170〜190℃、圧力は、30〜70kgf/cm2であることが好ましく、樹脂製絶縁層5が、液晶ポリマーである場合、温度は、280〜350℃、圧力は30〜70kgf/cm2であることが好ましい。
【0021】
ステップ6として、上記ステップ5において加熱圧着により形成された第1積層シート10’、樹脂製絶縁層5及び第2積層シート10”を含む積層体20から、その上下最外層に積層されているキャリア銅箔3を剥離層2とともに剥離する(図7)。結果として、図7に示されるように、所望のフレキシブルプリント配線基板21を得ることができる。
【0022】
なお、本実施例においては、両面フレキシブルプリント配線基板の製造方法についてのみ説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、導電層が3層以上のフレキシブルプリント配線基板の製造にも適用され得るものである。すなわち、ステップ3において形成されたバンプを備える配線パターンを有する積層シートを、樹脂製絶縁層を介して、ステップ5において形成された積層体の一方のキャリアを剥離した状態の積層体に加圧圧着し、以下これを繰り返すことにより、必要に応じて何層もの導電層を備える多層フレキシブルプリント配線基板を製造することができる。
【0023】
【発明の効果】
本発明のフレキシブルプリント配線基板の製造方法においては、キャリアに支持された銅箔を使用するようにしたので、ハンドリングが容易であるとともに、樹脂流れやゴミの付着あるいは打痕が防止される。また、加熱圧着の前に予め配線パターンが形成されているので、パターンずれがない。さらに、樹脂製絶縁層が配線パターン内に埋め込み構造となるため、該絶縁層と導電層との層間の密着度が高く、ピール強度もアップする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフレキシブルプリント配線基板に使用する積層シートの断面図である。
【図2】配線パターンを形成した積層シートの概略断面図である。
【図3】所定個所にバンプを形成した積層シートの概略断面図である。
【図4】図2に示される積層シート、絶縁層及び図3に示される積層シートをセットアップした概略断面図である。
【図5】図4に示されるセットアップを具体的に説明するための図である。
【図6】セットアップされた後、加熱圧着された積層体の概略断面図である。
【図7】図6の積層体からキャリアが剥離され、所望のフレキシブルプリント配線基板が得られることを示す図である。
【図8】従来のフレキシブルプリント配線基板の製造方法を示す図である。
【符号の説明】
1 導電層(銅箔)
1’ 第1配線パターン
1” 第2配線パターン
2 剥離層
3 キャリア(銅箔)
4 バンプ
5 (樹脂製)絶縁層
6 位置合わせ治具
7 基準ピン
10 積層シート
10’ 第1の積層シート
10” 第2の積層シート
20 積層体
21、200 両面フレキシブルプリント配線基板
100 両面銅張積層板
101 導電層(銅箔)
102 バンプ
103 樹脂製絶縁層(絶縁フィルム)
104 導電層(銅箔)
105 配線パターン
106 配線パターン
Claims (4)
- 絶縁層の両面に導電層を有するフレキシブルプリント配線基板の製造方法であって、
剥離層を介してキャリアにより支持されている導電層を含む第1及び第2の積層シートを用意する第1のステップ、
前記第1及び第2の積層シートの導電層にそれぞれ所定の第1及び第2の配線パターンを形成する第2のステップ、
前記第1の積層シートの導電層に形成された第1の配線パターンの所定個所にバンプを形成する第3のステップ、
バンプを形成された前記第1の配線パターンを有する前記第1の積層シート及び前記第2の配線パターンを有する前記第2の積層シートを、絶縁層を介してそれぞれの配線パターンが向き合うように重ね合わせる第4のステップ、
重ね合わせられた前記第1の積層シート、前記絶縁層及び前記第2の積層シートを加熱圧縮する第5のステップ、及び
前記第1及び第2の積層シートのキャリアを剥離層とともに剥離する第6のステップ、
とを備えることを特徴とするフレキシブルプリント配線基板の製造方法。 - 少なくとも3以上の所定数の導電層及び該導電層間に積層される絶縁層を有するフレキシブルプリント配線基板の製造方法であって、
剥離層を介してキャリアにより支持されている導電層を含む少なくとも3以上の所定数の積層シートを用意する第1のステップ、
前記3以上の所定数の積層シートの導電層にそれぞれ所定の配線パターンを形成する第2のステップ、
前記3以上の所定数の積層シートのうちの特定の1の積層シートを除き、残りの複数の積層シートの導電層に形成された前記所定の配線パターンの所定個所にバンプを形成する第3のステップ、
バンプを形成された前記所定の配線パターンを有する前記残りの複数の積層シートの内の1の積層シート及び前記所定の配線パターンを有する前記特定の積層シートを、絶縁層を介してそれぞれの配線パターンが向き合うように重ね合わせる第4のステップ、
重ね合わせられた前記1の積層シート、前記絶縁層及び前記特定の積層シートを加熱圧縮する第5のステップ、及び
前記1の積層シート又は前記特定の積層シートの一方のキャリアを剥離層とともに剥離する第6のステップ、
前記第6のステップにおいて、前記キャリアが剥離され、露出された配線パターンにその配線パターンが向き合うように、前記第6のステップまでを完了した積層体に絶縁層を介して残りの積層シートの内の1の積層シートを重ね合わせる第7のステップ、
重ね合わせられた前記積層体、絶縁層及び前記残りの積層シートの内の1の積層シートを加熱圧縮する第8のステップ、及び
以下前記第6乃至第8のステップを前記用意した積層シートが無くなるまで繰り返した後、最外層にある積層シートのキャリアを剥離層とともに剥離する第9のステップ、
とを備えることを特徴とするフレキシブルプリント配線基板の製造方法。 - 前記導電層は、銅箔であることを特徴とする請求項1又は2に記載のフレキシブルプリント配線基板の製造方法。
- 前記絶縁層は、液晶ポリマー、BTレジン又はガラスエポキシ樹脂からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のフレキシブルプリント配線基板の製造方法。
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- 2002-07-26 JP JP2002218870A patent/JP2004063701A/ja active Pending
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