JP2004031476A - 電子部品内蔵多層プリント基板及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】信頼性や品質に優れた生産性の良い電子部品内蔵多層プリント基板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】電子部品内蔵多層プリント基板100において、配線パターン7を備えてその一面側に電子部品2を実装した絶縁シート1上に、電子部品2を埋め込むように絶縁層6を形成した電子部品内蔵配線基体10A,10B,10Cを2層以上積層し、積層される下側の電子部品内蔵配線基体10Aは、配線パターン7の絶縁層6側に電子部品2と共に金属柱3を立設実装してなり、積層する上側の電子部品内蔵配線基体10Bの積層する面において、下側の金属柱3の端面3aと上側の電子部品内蔵配線基体10Bの配線パターン7とを、層間の電気的接続が得られるように接合して電子部品内蔵配線基体10A,10B,10Cを積層した。
【選択図】 図1
【解決手段】電子部品内蔵多層プリント基板100において、配線パターン7を備えてその一面側に電子部品2を実装した絶縁シート1上に、電子部品2を埋め込むように絶縁層6を形成した電子部品内蔵配線基体10A,10B,10Cを2層以上積層し、積層される下側の電子部品内蔵配線基体10Aは、配線パターン7の絶縁層6側に電子部品2と共に金属柱3を立設実装してなり、積層する上側の電子部品内蔵配線基体10Bの積層する面において、下側の金属柱3の端面3aと上側の電子部品内蔵配線基体10Bの配線パターン7とを、層間の電気的接続が得られるように接合して電子部品内蔵配線基体10A,10B,10Cを積層した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体集積回路装置,抵抗,コンデンサ等のチップ形電子部品を内蔵した電子部品内蔵多層プリント基板及びその製造方法に係り、特にその積層構造及び積層方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の携帯端末装置の小型化及び高機能化により、その装置に搭載する基板には、より小さく、より高密度に電子部品を実装することが要求されている。
この要求に対して、単に基板面積を小さくして高密度実装する方法で応えるには限界があり、従来、プリント基板を平面構造から立体構造にする手法が展開されてきたが、更なる高密度化のために電子部品をプリント基板に内蔵しつつ立体構造化する技術が開発され製品に採用されている。
【0003】
この電子部品を内蔵する基板の作製方法の例として以下の方法がある。
すなわち、
(イ)プリント基板を構成する任意の層の一部にざぐりを設け、そのざぐり部に電子部品を収納する方法、
(ロ)プリント基板上に各種電子部品を実装した後、熱硬化型エポキシ系インクを例えばスクリーン印刷で基板全面に印刷して層を形成し、その層内に電子部品を埋め込む方法、
(ハ)プリント基板上に各種電子部品を実装した後、その電子部品を収納する部分を開孔したプリプレグをプリント基板に圧着して内蔵する方法、である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、(イ)の方法においては、ざぐりを設けるためにドリル等でプリント基板を加工する必要がありその分工程が増加し、この加工によるストレスがプリント基板に加わって基板の強度に影響を与え、外部からの衝撃や振動で基板や配線が損傷する等、信頼性や品質が低下するという問題があった。
【0005】
(ロ)及び(ハ)の方法においては、複数層に積層する場合に、各層毎に電子部品の実装をレジスト等で保護されていない半製品状態のプリント基板上に行う必要があり、基板表面に傷や汚れ等の損傷を与え易く歩留まりが低下するという問題があった。
また、後工程の層形成で不良が発生すると、せっかく積層してきたそれまでの工程が全て無駄になり、生産性が極めて悪いという問題があった。
そこで本発明が解決しようとする課題は、信頼性や品質に優れた生産性の良い電子部品内蔵多層プリント基板及びその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本願発明は手段として次の構成を有する。
即ち、請求項1は、配線パターン7を表面又は内部に備えた絶縁シート1を用い、前記配線パターン7の一面側に電子部品2を実装し、前記電子部品2を埋め込むように前記絶縁シート1上に絶縁層6を形成してなる電子部品内蔵配線基体10A,10B,10Cを、2層以上積層した積層配線基体を含んで多層構造にした電子部品内蔵多層プリント基板100において、
少なくとも、積層される下側の前記電子部品内蔵配線基体10A,10Bは、前記配線パターン7の前記絶縁層6側に前記電子部品2と共に金属柱3を立設実装してなり、積層する上側の前記電子部品内蔵配線基体10B,10Cの前記絶縁層6側と反対側の面において、前記下側の電子部品内蔵配線基体10A,10Bの前記金属柱3の端面3aと前記上側の電子部品内蔵配線基体10B,10Cの前記配線パターン7とを、層間の電気的接続が得られるように接合して積層する構成にしたことを特徴とする電子部品内蔵多層プリント基板であり、
請求項2は、請求項1記載の上側及び下側の電子部品内蔵配線基体10A,10B,10Cの内、少なくとも下側の電子部品内蔵配線基体10A,10Bを作成する工程と、前記下側の電子部品内蔵配線基体10A,10Bと前記上側の電子部品内蔵配線基体10B,10Cとを、間に接着剤5,5Aを挟んで両外側から加圧し、前記下側の電子部品内蔵配線基体10A,10Bの金属柱端面3aと前記上側の電子部品内蔵配線基体10B,10Cの配線パターン7とを、層間の電気的接続が得られるように接合して多層に積層する工程とを含んでなることを特徴とする電子部品内蔵多層プリント基板100の製造方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、好ましい実施例により図1乃至図6を用いて説明する。
図1は、本発明の電子部品内蔵多層プリント基板の実施例における構造を示す概略斜視図であり、
図2は、本発明の電子部品内蔵多層プリント基板の実施例を示す側面図及び断面図であり、
図3は、本発明の電子部品内蔵多層プリント基板の実施例における製造工程を説明する斜視図及び断面図であり、
図4は、本発明の電子部品内蔵多層プリント基板の実施例における製造工程を説明する斜視図であり、
図5は、本発明の電子部品内蔵多層プリント基板のその他の実施例における構造を説明する概略斜視図であり、
図6は、本発明の電子部品内蔵多層プリント基板のその他の実施例を示す側面図である。
【0008】
本発明の特徴は、電子部品を内蔵した各層を順次積層して多層形成するのではなく、電子部品を内蔵した各層をそれぞれ独立して製作した後に積層して多層のプリント基板を形成し、各層の電気接続を各層に実装した金属柱を介して行うことにある。以下、実装とは電気的接続の意味を含むものである。
概略の工程は、(1)単層作成工程、(2)積層工程、(3)表面処理工程であり、以下のその工程に沿って順次詳述する。
【0009】
(1)単層製造工程(図3(a),図3(b)及び図4参照)
まず、図3(a),図3(b)を用いて説明する。
電子部品(例えば、半導体集積回路装置,抵抗,コンデンサ等のチップ形電子部品)を内蔵する単層基体のベースとして、銅等の導電体によりパターン化された電気配線パターン7を内蔵したシート1を使用する。
このシート1は、例えば、接着剤付きの絶縁性フィルム1a,1bの間に導電体の配線パターン7を挟んで圧着したいわゆるFPC(フレキシブルフラットケーブル)シートである。
絶縁性フィルム1a,1bとしてポリエチレンテレフタレート(PET)やポリイミド(PI)を用いることができる。
【0010】
このシート1の一面1A(図3(a)の上面)の、電子部品2と、各層間の電気的接続をするための金属柱3とを実装する所望の位置には、あらかじめ絶縁性フィルム1aを必要な形状に開口して配線パターン7上にパッド7aを設けてある。
そのパッド7aと各電子部品2と金属柱3とが、導電性接着剤又はリフローによるはんだ接合により電気的に接続される。図3(b)は、この電気的に接続された状態を示す図3(a)のA−A断面図である。
【0011】
一方、シート1の他方の面1B(図3(a)におけるシート1の下側面)については、後述するように、この下側に配置する層の金属柱3と電気的接続をする部分に、あらかじめ絶縁性フィルム1bを必要な形状に開口して配線パターン7上にパッド7bを設けてある。
金属柱3は、銅等の導電性を有する金属材料を用い、層の所定の厚さhに対応した高さhの円柱状に形成される。もちろん角柱状でもよい。
【0012】
そして、電子部品2及び金属柱3を実装したシート1上に、熱硬化型絶縁性インク4がカーテン印刷法あるいはスクリーン印刷法により金属柱3の高さに対応した厚さhにて塗布される。
その後、炉等によりインク4を加熱硬化させ、電子部品2と金属柱3を埋め込んで内蔵した厚さhの絶縁層6を有する単層の電子部品内蔵配線基体10を得る(図4参照)。
そして、絶縁層6の形成時に金属柱3の端面3aに付着した熱硬化型絶縁性インク4をバフ研磨あるいは表面粗化処理により除去して端面3aの表面を露出し、次工程である積層工程において電気的接続を可能にする。
絶縁層6を形成する熱硬化型絶縁性インク4として、太陽インキ製造株式会社製のビルドアップ基板用熱硬化型層間絶縁材料HRP−700BA/PA−70BA(2液性)を使用することができる。
【0013】
以上説明した工程と同様の工程で、所望の配線パターン7を内蔵したシート1上に所望の電子部品2と金属柱3とを実装し、これらを埋め込むように絶縁層6を形成して所望の単層の電子部品内蔵配線基体10A,10B,10Cが作成される。
【0014】
(2)積層工程(図1,図2(a),図2(b)参照)
図1に示すように、前工程で作成した単層の電子部品内蔵配線基体10A,10Bの金属柱3の端面3aに導電性接着剤5をディスペンサーにより塗布し、3枚の単層の電子部品内蔵配線基体10A,10B,10Cを、位置を合わせて重ね合わせる。
その際、電子部品内蔵配線基体10A,10Bのそれぞれの金属柱3の端面3aは、それぞれに積層する電子部品内蔵配線基体10B,10Cの下側面に前述のように設けたパッド7bと接合して層間の電気的な接続を行う(図2(b)参照)。図2(b)は、端面3aとパッド7bとの接合状態を説明する金属柱3部分の断面図である。
【0015】
各層の電子部品内蔵配線基体10A,10B,10Cの固定は、この導電性接着剤5のみによるものでもよいが、信頼性をより向上させるために、積層する層10AA,10BA面の端面3a以外の部分感圧性接着剤5Aを塗布しておき、厚さ方向の両側から内蔵部品等に影響を与えない適切な圧力を付加して圧着することが望ましい。
この積層工程により、図2(a)に示すような多層の電子部品内蔵多層プリント基板100を得る。
【0016】
本実施例においては、最上層の電子部品内蔵配線基体10Cにも金属柱3を具備しているので、別工程で基板を電子部品内蔵配線基体10C上にさらに積層したり、その表面100Aに、後述する次工程にて設けたパターンと電気的に接合することができる。もちろん、最上層に金属柱3を必ずしも設ける必要はなく、回路構成によって適宜選択できる。
【0017】
(3)表面処理工程
前積層工程により作成した多層の電子部品内蔵多層プリント基板100の表面100A上にさらにパターンを形成したり、ソルダレジストやプリフラックス層を形成する等、所望の表面処理を施して電子部品内蔵多層プリント基板100は完成する。
【0018】
以上の説明においては、すべての層に電子部品内蔵多層プリント基板を使用する構成を説明したが、層の一部を、電子部品を内蔵しない所謂シールド板を使用した構成の電子部品内蔵多層プリント基板101としてもよい。
この例を図5,図6に示す。この例においては、単層の電子部品内蔵配線基体10Aと10B間にシールド板11を、感圧性接着剤5Aを挟んで圧着積層する構成としており、シールド板の下面の金属柱3の端面3aと接合する部分にはパッド7aが設けられて電子部品内蔵配線基体10Aとの間の電気的接続を行う構成とされる。このシールド板11を使用する層と使用する枚数は自由に設定することができる。
電子部品内蔵配線基体を、少なくとも2層以上積層した積層配線基体を有して電子部品内蔵多層プリント基板が構成されていればよい。
【0019】
以上詳述した構成においては、複層に形成した電子部品内蔵多層プリント基板の単層である電子部品内蔵配線基体が独立して作成されるので、例えば、電気的な機能毎に各層を構成してモジュール化しておけば、その組み合わせによって所定の仕様の多層基板を効率良く作成することができる。また、単層で製造が行えるので、歩留まりが良く、不良の発生を極めて低くすることができる。
また、本発明の実施例は、上述した構成に限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において変更が可能である。
【0020】
【発明の効果】
以上詳述したように、本願発明の電子部品内蔵多層プリント基板及びその製造方法によれば、信頼性や品質に優れ生産性が良いという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子部品内蔵多層プリント基板の実施例における構造を示す概略斜視図である。
【図2】本発明の電子部品内蔵多層プリント基板の実施例を示す側面図及び断面図である。
【図3】本発明の電子部品内蔵多層プリント基板の実施例における製造工程を説明する斜視図及び断面図である。
【図4】本発明の電子部品内蔵多層プリント基板の実施例における製造工程を説明する概略斜視図である。
【図5】本発明の電子部品内蔵多層プリント基板のその他の実施例における構造を示す概略斜視図である。
【図6】本発明の電子部品内蔵多層プリント基板のその他の実施例を示す側面図である。
【符号の説明】
1 シート
1a,1b 絶縁性フィルム
2 電子部品
3 金属柱
3a 端面
4 熱硬化型絶縁性インク
5 導電性接着剤
5A 感圧性接着剤
6 絶縁層
7 配線パターン
7a,7b パッド
10A,10B,10C 電子部品内蔵配線基体
11 シールド板
100,101 電子部品内蔵多層プリント基板
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体集積回路装置,抵抗,コンデンサ等のチップ形電子部品を内蔵した電子部品内蔵多層プリント基板及びその製造方法に係り、特にその積層構造及び積層方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の携帯端末装置の小型化及び高機能化により、その装置に搭載する基板には、より小さく、より高密度に電子部品を実装することが要求されている。
この要求に対して、単に基板面積を小さくして高密度実装する方法で応えるには限界があり、従来、プリント基板を平面構造から立体構造にする手法が展開されてきたが、更なる高密度化のために電子部品をプリント基板に内蔵しつつ立体構造化する技術が開発され製品に採用されている。
【0003】
この電子部品を内蔵する基板の作製方法の例として以下の方法がある。
すなわち、
(イ)プリント基板を構成する任意の層の一部にざぐりを設け、そのざぐり部に電子部品を収納する方法、
(ロ)プリント基板上に各種電子部品を実装した後、熱硬化型エポキシ系インクを例えばスクリーン印刷で基板全面に印刷して層を形成し、その層内に電子部品を埋め込む方法、
(ハ)プリント基板上に各種電子部品を実装した後、その電子部品を収納する部分を開孔したプリプレグをプリント基板に圧着して内蔵する方法、である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、(イ)の方法においては、ざぐりを設けるためにドリル等でプリント基板を加工する必要がありその分工程が増加し、この加工によるストレスがプリント基板に加わって基板の強度に影響を与え、外部からの衝撃や振動で基板や配線が損傷する等、信頼性や品質が低下するという問題があった。
【0005】
(ロ)及び(ハ)の方法においては、複数層に積層する場合に、各層毎に電子部品の実装をレジスト等で保護されていない半製品状態のプリント基板上に行う必要があり、基板表面に傷や汚れ等の損傷を与え易く歩留まりが低下するという問題があった。
また、後工程の層形成で不良が発生すると、せっかく積層してきたそれまでの工程が全て無駄になり、生産性が極めて悪いという問題があった。
そこで本発明が解決しようとする課題は、信頼性や品質に優れた生産性の良い電子部品内蔵多層プリント基板及びその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本願発明は手段として次の構成を有する。
即ち、請求項1は、配線パターン7を表面又は内部に備えた絶縁シート1を用い、前記配線パターン7の一面側に電子部品2を実装し、前記電子部品2を埋め込むように前記絶縁シート1上に絶縁層6を形成してなる電子部品内蔵配線基体10A,10B,10Cを、2層以上積層した積層配線基体を含んで多層構造にした電子部品内蔵多層プリント基板100において、
少なくとも、積層される下側の前記電子部品内蔵配線基体10A,10Bは、前記配線パターン7の前記絶縁層6側に前記電子部品2と共に金属柱3を立設実装してなり、積層する上側の前記電子部品内蔵配線基体10B,10Cの前記絶縁層6側と反対側の面において、前記下側の電子部品内蔵配線基体10A,10Bの前記金属柱3の端面3aと前記上側の電子部品内蔵配線基体10B,10Cの前記配線パターン7とを、層間の電気的接続が得られるように接合して積層する構成にしたことを特徴とする電子部品内蔵多層プリント基板であり、
請求項2は、請求項1記載の上側及び下側の電子部品内蔵配線基体10A,10B,10Cの内、少なくとも下側の電子部品内蔵配線基体10A,10Bを作成する工程と、前記下側の電子部品内蔵配線基体10A,10Bと前記上側の電子部品内蔵配線基体10B,10Cとを、間に接着剤5,5Aを挟んで両外側から加圧し、前記下側の電子部品内蔵配線基体10A,10Bの金属柱端面3aと前記上側の電子部品内蔵配線基体10B,10Cの配線パターン7とを、層間の電気的接続が得られるように接合して多層に積層する工程とを含んでなることを特徴とする電子部品内蔵多層プリント基板100の製造方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、好ましい実施例により図1乃至図6を用いて説明する。
図1は、本発明の電子部品内蔵多層プリント基板の実施例における構造を示す概略斜視図であり、
図2は、本発明の電子部品内蔵多層プリント基板の実施例を示す側面図及び断面図であり、
図3は、本発明の電子部品内蔵多層プリント基板の実施例における製造工程を説明する斜視図及び断面図であり、
図4は、本発明の電子部品内蔵多層プリント基板の実施例における製造工程を説明する斜視図であり、
図5は、本発明の電子部品内蔵多層プリント基板のその他の実施例における構造を説明する概略斜視図であり、
図6は、本発明の電子部品内蔵多層プリント基板のその他の実施例を示す側面図である。
【0008】
本発明の特徴は、電子部品を内蔵した各層を順次積層して多層形成するのではなく、電子部品を内蔵した各層をそれぞれ独立して製作した後に積層して多層のプリント基板を形成し、各層の電気接続を各層に実装した金属柱を介して行うことにある。以下、実装とは電気的接続の意味を含むものである。
概略の工程は、(1)単層作成工程、(2)積層工程、(3)表面処理工程であり、以下のその工程に沿って順次詳述する。
【0009】
(1)単層製造工程(図3(a),図3(b)及び図4参照)
まず、図3(a),図3(b)を用いて説明する。
電子部品(例えば、半導体集積回路装置,抵抗,コンデンサ等のチップ形電子部品)を内蔵する単層基体のベースとして、銅等の導電体によりパターン化された電気配線パターン7を内蔵したシート1を使用する。
このシート1は、例えば、接着剤付きの絶縁性フィルム1a,1bの間に導電体の配線パターン7を挟んで圧着したいわゆるFPC(フレキシブルフラットケーブル)シートである。
絶縁性フィルム1a,1bとしてポリエチレンテレフタレート(PET)やポリイミド(PI)を用いることができる。
【0010】
このシート1の一面1A(図3(a)の上面)の、電子部品2と、各層間の電気的接続をするための金属柱3とを実装する所望の位置には、あらかじめ絶縁性フィルム1aを必要な形状に開口して配線パターン7上にパッド7aを設けてある。
そのパッド7aと各電子部品2と金属柱3とが、導電性接着剤又はリフローによるはんだ接合により電気的に接続される。図3(b)は、この電気的に接続された状態を示す図3(a)のA−A断面図である。
【0011】
一方、シート1の他方の面1B(図3(a)におけるシート1の下側面)については、後述するように、この下側に配置する層の金属柱3と電気的接続をする部分に、あらかじめ絶縁性フィルム1bを必要な形状に開口して配線パターン7上にパッド7bを設けてある。
金属柱3は、銅等の導電性を有する金属材料を用い、層の所定の厚さhに対応した高さhの円柱状に形成される。もちろん角柱状でもよい。
【0012】
そして、電子部品2及び金属柱3を実装したシート1上に、熱硬化型絶縁性インク4がカーテン印刷法あるいはスクリーン印刷法により金属柱3の高さに対応した厚さhにて塗布される。
その後、炉等によりインク4を加熱硬化させ、電子部品2と金属柱3を埋め込んで内蔵した厚さhの絶縁層6を有する単層の電子部品内蔵配線基体10を得る(図4参照)。
そして、絶縁層6の形成時に金属柱3の端面3aに付着した熱硬化型絶縁性インク4をバフ研磨あるいは表面粗化処理により除去して端面3aの表面を露出し、次工程である積層工程において電気的接続を可能にする。
絶縁層6を形成する熱硬化型絶縁性インク4として、太陽インキ製造株式会社製のビルドアップ基板用熱硬化型層間絶縁材料HRP−700BA/PA−70BA(2液性)を使用することができる。
【0013】
以上説明した工程と同様の工程で、所望の配線パターン7を内蔵したシート1上に所望の電子部品2と金属柱3とを実装し、これらを埋め込むように絶縁層6を形成して所望の単層の電子部品内蔵配線基体10A,10B,10Cが作成される。
【0014】
(2)積層工程(図1,図2(a),図2(b)参照)
図1に示すように、前工程で作成した単層の電子部品内蔵配線基体10A,10Bの金属柱3の端面3aに導電性接着剤5をディスペンサーにより塗布し、3枚の単層の電子部品内蔵配線基体10A,10B,10Cを、位置を合わせて重ね合わせる。
その際、電子部品内蔵配線基体10A,10Bのそれぞれの金属柱3の端面3aは、それぞれに積層する電子部品内蔵配線基体10B,10Cの下側面に前述のように設けたパッド7bと接合して層間の電気的な接続を行う(図2(b)参照)。図2(b)は、端面3aとパッド7bとの接合状態を説明する金属柱3部分の断面図である。
【0015】
各層の電子部品内蔵配線基体10A,10B,10Cの固定は、この導電性接着剤5のみによるものでもよいが、信頼性をより向上させるために、積層する層10AA,10BA面の端面3a以外の部分感圧性接着剤5Aを塗布しておき、厚さ方向の両側から内蔵部品等に影響を与えない適切な圧力を付加して圧着することが望ましい。
この積層工程により、図2(a)に示すような多層の電子部品内蔵多層プリント基板100を得る。
【0016】
本実施例においては、最上層の電子部品内蔵配線基体10Cにも金属柱3を具備しているので、別工程で基板を電子部品内蔵配線基体10C上にさらに積層したり、その表面100Aに、後述する次工程にて設けたパターンと電気的に接合することができる。もちろん、最上層に金属柱3を必ずしも設ける必要はなく、回路構成によって適宜選択できる。
【0017】
(3)表面処理工程
前積層工程により作成した多層の電子部品内蔵多層プリント基板100の表面100A上にさらにパターンを形成したり、ソルダレジストやプリフラックス層を形成する等、所望の表面処理を施して電子部品内蔵多層プリント基板100は完成する。
【0018】
以上の説明においては、すべての層に電子部品内蔵多層プリント基板を使用する構成を説明したが、層の一部を、電子部品を内蔵しない所謂シールド板を使用した構成の電子部品内蔵多層プリント基板101としてもよい。
この例を図5,図6に示す。この例においては、単層の電子部品内蔵配線基体10Aと10B間にシールド板11を、感圧性接着剤5Aを挟んで圧着積層する構成としており、シールド板の下面の金属柱3の端面3aと接合する部分にはパッド7aが設けられて電子部品内蔵配線基体10Aとの間の電気的接続を行う構成とされる。このシールド板11を使用する層と使用する枚数は自由に設定することができる。
電子部品内蔵配線基体を、少なくとも2層以上積層した積層配線基体を有して電子部品内蔵多層プリント基板が構成されていればよい。
【0019】
以上詳述した構成においては、複層に形成した電子部品内蔵多層プリント基板の単層である電子部品内蔵配線基体が独立して作成されるので、例えば、電気的な機能毎に各層を構成してモジュール化しておけば、その組み合わせによって所定の仕様の多層基板を効率良く作成することができる。また、単層で製造が行えるので、歩留まりが良く、不良の発生を極めて低くすることができる。
また、本発明の実施例は、上述した構成に限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において変更が可能である。
【0020】
【発明の効果】
以上詳述したように、本願発明の電子部品内蔵多層プリント基板及びその製造方法によれば、信頼性や品質に優れ生産性が良いという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子部品内蔵多層プリント基板の実施例における構造を示す概略斜視図である。
【図2】本発明の電子部品内蔵多層プリント基板の実施例を示す側面図及び断面図である。
【図3】本発明の電子部品内蔵多層プリント基板の実施例における製造工程を説明する斜視図及び断面図である。
【図4】本発明の電子部品内蔵多層プリント基板の実施例における製造工程を説明する概略斜視図である。
【図5】本発明の電子部品内蔵多層プリント基板のその他の実施例における構造を示す概略斜視図である。
【図6】本発明の電子部品内蔵多層プリント基板のその他の実施例を示す側面図である。
【符号の説明】
1 シート
1a,1b 絶縁性フィルム
2 電子部品
3 金属柱
3a 端面
4 熱硬化型絶縁性インク
5 導電性接着剤
5A 感圧性接着剤
6 絶縁層
7 配線パターン
7a,7b パッド
10A,10B,10C 電子部品内蔵配線基体
11 シールド板
100,101 電子部品内蔵多層プリント基板
Claims (2)
- 配線パターンを表面又は内部に備えた絶縁シートを用い、前記配線パターンの一面側に電子部品を実装し、前記電子部品を埋め込むように前記絶縁シート上に絶縁層を形成してなる電子部品内蔵配線基体を、2層以上積層した積層配線基体を含んで多層構造にした電子部品内蔵多層プリント基板において、
少なくとも、積層される下側の前記電子部品内蔵配線基体は、前記配線パターンの前記絶縁層側に前記電子部品と共に金属柱を立設実装してなり、積層する上側の前記電子部品内蔵配線基体の前記絶縁層と反対側の面において、前記下側の電子部品内蔵配線基体の前記金属柱の端面と前記上側の電子部品内蔵配線基体の前記配線パターンとを、層間の電気的接続が得られるように接合して積層する構成にしたことを特徴とする電子部品内蔵多層プリント基板。 - 請求項1記載の上側及び下側の電子部品内蔵配線基体の内、少なくとも下側の電子部品内蔵配線基体を作成する工程と、
前記下側の電子部品内蔵配線基体と前記上側の電子部品内蔵配線基体とを、間に接着剤を挟んで両外側から加圧し、前記下側の電子部品内蔵配線基体の金属柱端面と前記上側の電子部品内蔵配線基体の配線パターンとを、層間の電気的接続が得られるように接合して多層に積層する工程とを含んでなることを特徴とする電子部品内蔵多層プリント基板の製造方法。
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- 2002-06-24 JP JP2002182603A patent/JP2004031476A/ja active Pending
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