JP2004063245A - 冷陰極放電管 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガラスバルブ内に拡散封入された水銀によって、ガラスバルブの内面に形成された蛍光被膜に水銀粒が付着することがなく、しかも長寿命化を可能とした冷陰極放電管を提供する。
【解決手段】冷陰極放電管12は、電極本体13付近のガラスバルブ14にガラスバルブ14内と連通する水銀収納室15が設けられ、この水銀収納室15に長寿命化を図る水銀16が貯留されるとともに、ガラスバルブ14内に発光するために最適な量の水銀が拡散封入されている。この水銀収納室15は、ガラスバルブ14の外側に突出している。
【選択図】 図1
【解決手段】冷陰極放電管12は、電極本体13付近のガラスバルブ14にガラスバルブ14内と連通する水銀収納室15が設けられ、この水銀収納室15に長寿命化を図る水銀16が貯留されるとともに、ガラスバルブ14内に発光するために最適な量の水銀が拡散封入されている。この水銀収納室15は、ガラスバルブ14の外側に突出している。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置などの照明装置として使用されている冷陰極放電管に関し、詳しくは、ガラスバルブ内に拡散封入された水銀によって、ガラスバルブの内面に形成された蛍光被膜に水銀粒が付着することがなく、しかも長寿命化を可能とした冷陰極放電管に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のようにパーソナルコンピュータ、ワードプロセッサあるいは液晶テレビなどにおいては、液晶表示装置が多用されている。また、この液晶表示装置のバックライト光源として冷陰極放電管が広く採用されている。
【0003】
図3に示すように従来の冷陰極放電管1は、円筒形のガラスバルブ2の両端部に棒状の導入金属体2がビードガラス4を介して気密に封止され、ガラスバルブ2内に配置される電極本体5が該導入金属体2の先端に取り付けられ、ガラスバルブ2の内面に蛍光被膜6が形成され、そしてガラスバルブ2内にネオンとアルゴンとの混合ガスおよび水銀(図示せず)が適切な分量だけ拡散封入された構成となっている。導入金属体2は、ビードガラス4との間の気密性を確保するため、例えば、融点が高いタングステンとニッケル金属との接合金属体が用いられている。電極本体5は、ニッケルやニオブなどの金属材料が用いられ、放電面積を大きくするため、底部と筒状部とからなるホロー形状とされている。
【0004】
このような冷陰極放電管1は、液晶表示装置の照明装置に使用されている。液晶表示装置の照明装置には、図4に示すように液晶表示素子(図示せず)の裏面側に配置される例えば楔形状の導光体7と、該導光体7の厚肉側の端面に近接して配置される冷陰極放電管1と、導光体7側を除いて冷陰極放電管1を囲むU字形の反射傘8とが備えられている。導光体7と液晶表示素子との間には、光変換部材である光拡散板やプリズムシートなどの光制御部材10が密着して配置されている(図面においては、見やすくするため隙間を設けて描いてある)。導光体7の反対側の裏面には、光反射率の高い光反射板9が密着して配置されている(図面においては、見やすくするため隙間を設けて描いてある)。
【0005】
そして、冷陰極放電管1の一対の導入金属体2に電圧が印加されると、一対の電極本体5間で放電が発生し、この放電により混合ガスおよび水銀が電離および励起され、紫外線が発生し、この紫外線が蛍光被膜6によって可視光に変換され、該可視光がガラスバルブ2の外部に放射され、冷陰極放電管1が発光する。冷陰極放電管1が発光すると、その光は、導光体7の端面から導光体7内に直接、入射するとともに、光反射傘8の反射面に一旦、反射して、導光体7の端面から導光体7の内部に入射する。この導光体7内に入射した光は、導光体7内を光誘導され、導光体下面より放出された光が光反射板9によっ再度導光体7に入射される.この動作を繰り返しながら冷陰極放電管1の発光は導光体7の上面から放出され、さらに光制御部材10によって拡散され、液晶表示素子を背面から照明する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、冷陰極放電管1のガラスバルブ2内の水銀は、寿命を長くするため、発光するために最適な量よりもやや多く拡散封入されている。しかし、水銀の量が多いことにより、ガラスバルブ2内で励起する水銀が過剰となり、この過剰の水銀が図3および図4に示すように、多数の水銀粒11となってガラスバルブ2の内面に形成された蛍光被膜6に付着する。すると、水銀粒11が紫外線を遮蔽し、冷陰極放電管1は多数の斑点の影を含んで発光する。このような冷陰極放電管1からの発光に基く照明装置は、何点かの陰影を有しており液晶表示素子を均等に照明することができなくなるという問題が生じる。
【0007】
したがって本発明は、ガラスバルブ内に拡散封入された水銀によって、ガラスバルブの内面に形成された蛍光被膜に水銀粒が付着することがなく、しかも長寿命化を可能にした冷陰極放電管を提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る冷陰極放電管は、ガラスバルブの内部に放電用の希ガスと水銀とが拡散封入され、ガラスバルブの内面に蛍光被膜が形成され、ガラスバルブの両端部に棒状の導入金属体がビードガラスを介して気密に封止され、ガラスバルブ内に配置される電極本体が該導入金属体の先端に取り付けられた冷陰極放電管であって、電極本体付近のガラスバルブに水銀収納室が設けられ、該水銀収納室に水銀が貯留されるとともに、ガラスバルブ内に発光するために最適な量の水銀が拡散封入されていることを特徴としている。
【0009】
この冷陰極放電管によれば、ガラスバルブ内には発光するために最適な水銀が拡散封入され、水銀が過剰に拡散されないことから、ガラスバルブの内面に形成された蛍光被膜には、水銀粒が付着することがない。また、冷陰極放電管の寿命を長くするための水銀を貯留する水銀収納室が、電極本体付近に設けられ、電極が放電によって温度上昇し、水銀収納室に貯留された水銀が加温され、ガラスバルブ内に蒸散する。したがって、ガラスバルブ内には水銀収納室に貯留された水銀が徐々にガラスバルブ内に蒸散することとなり、冷陰極放電管の寿命を延ばすことができる。
【0010】
前記水銀収納室は、ガラスバルブの外側に突出していることが好ましい。水銀収納室は、電極本体付近に設けられるため、ガラスバルブの内側に突出させることが困難であるが、ガラスバルブの外側に突出することにより、水銀を貯留させたい大きさを確保することができる。
【0011】
前記水銀収納室は、ガラスバルブとの境界部に設けられた排出口で狭窄していることが好ましい。水銀収納室のガラスバルブとの境界部に設けられた排出口が狭窄することにより、水銀収納室がガラスバルブの上側に位置するように冷陰極放電管がセッティングされても、水銀が水銀収納室内から垂れ落ちないようにすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に係る一実施形態の冷陰極放電管について図1および図2を参照しながら説明する。図1は本実施形態の冷陰極放電管の正面断面図、図2は本冷陰極放電管を使用した照明装置の側面断面図である。なお、従来と同一部分は、同一符号を付して説明する。
【0013】
本実施形態の冷陰極放電管12は、電極本体13付近のガラスバルブ14にガラスバルブ14内と連通する水銀収納室15が設けられ、該水銀収納室15に長寿命化を図るための水銀16が貯留されるとともに、またガラスバルブ14内に発光するために最適な量の水銀(図示せず)が拡散封入されていることを特徴としている。この水銀収納室15は、ガラスバルブ14の外側に図示したような1箇所、または一方の電極本体13もしくは両方の電極本体13付近に複数箇所に突出して設けられる。
【0014】
水銀収納室15を一方の電極に2箇所に突出するときは、90度の角度で設けることにより、本冷陰極放電管12を液晶表示素子の照明装置として使用するときに、各水銀収納室15を導光体7の端面に近接して配置することができる(詳しくは後述する)。また、水銀収納室15を各電極本体13付近に1箇所ずつ突出するときは、同一方向または90度の角度で設けることにより、各水銀収納室15を導光体7の端面に近接して配置することができる。
【0015】
そして、水銀収納室15とガラスバルブ14との境界部が水銀16の排出口17とされ、その排出口17を狭窄することにより、水銀収納室15がガラスバルブ14の上側に位置するように冷陰極放電管12がセッティングされても、水銀収納室15内の水銀16が排出口17から垂れ落ちないようにすることができる。ただし、水銀16と他の金属との合金であるアマルガムや多孔質のペレットに水銀を含浸させたものを使用する場合には、水銀収納室15の排出口17を狭窄する必要はない。
【0016】
その他、円筒形のガラスバルブ14の両端部に棒状の導入金属体18がビードガラス19を介して気密に封止され、ガラスバルブ14内に配置される電極本体13が前記導入金属体18の先端に取り付けられ、ガラスバルブ14の内面に蛍光被膜20が形成され、そしてガラスバルブ14内にネオンとアルゴンとの混合ガスおよび水銀が適切な分量だけ拡散封入された構成は、従来と同じである。ただし、ガラスバルブ14内には、冷陰極放電管12の寿命を延ばすための余分な水銀が拡散封入されず、発光するために最適な量の水銀がガラスバルブ14内に拡散封入されている。
【0017】
このように構成された冷陰極放電管12は、一対の導入金属体18に電圧が印加されることにより、一対の電極本体13間で放電が発生し、この放電により、混合ガスおよび水銀が電離および励起され、紫外線が発生し、この紫外線が蛍光被膜20によって可視光に変換され、可視光がガラスバルブ14の外部に放射され、冷陰極放電管12が発光する。このとき、ガラスバルブ14内には寿命を長くするための余分の水銀が拡散封入されていないため、ガラスバルブ14内で拡散する水銀が過剰となっておらず、ガラスバルブ14の内面に形成された蛍光被膜20に水銀粒11(図3および図4参照)が付着することがない。したがって、本発明の冷陰極放電管12は、発光に影響も及ぼす斑点の陰影を含んでいない良好な発光をすることができる。
【0018】
そして、冷陰極放電管12が使用され続けると、ガラスバルブ14内の水銀が減少していくが、一対の電極本体13間で放電が発生するときに、電極本体13の温度が上昇し、電極本体13付近に設けられた水銀収納室15内の水銀16が加温されることにより、この水銀16が排出口17からガラスバルブ14内に少しずつ蒸散する。したがって、冷陰極放電管12が長期間使用されても、ガラスバルブ14内には、常に最適な量の水銀が拡散封入された状態が維持され、良好な発光を継続することができる。
【0019】
ここで、本発明の冷陰極放電管12を液晶表示装置の照明装置として使用するときの構成について、図2を参照しながら説明する。照明装置は、冷陰極放電管12が、導光体7の端面に近接して配置され、導光体7側を除いてU字形の反射傘8に囲まれた構成となっている。反射傘8は、冷陰極放電管12で発生した光を効率的に導光体7の端面に反射することができるようにするため、反射傘8と冷陰極放電管12との間隔はできるだけ小さくされている。したがって、ガラスバルブ14に突出して設けられた水銀収納室15を反射傘8と冷陰極放電管12との間に配置することはできない。
【0020】
しかし、導光体7の端面と冷陰極放電管12と反射傘8とで囲まれた領域には空間21が設けられており、この空間21内に水銀収納室15を配置する。水銀収納室15が一方の電極本体13付近の2箇所に突出して設けられているときは、2個の水銀収納室15の角度が90度とされることにより、2個の水銀収納室15をこの空間21内に配置し、冷陰極放電管12と導光体7の端面との間隔を従来と同じとすることができる。また、2個の水銀収納室15が各電極本体13付近に突設して設けられているときは、この2個の水銀収納室15が同一方向または90度の角度とされることにより、2個の水銀収納室15をこの空間21内に配置することができる。
【0021】
そして、冷陰極放電管12で斑点なく良好に発光した光は、導光体7内に直接、入射するとともに、そして反射傘8で反射された反射光も、導光体7の内部に入射し、前述したように導光体7内を導光され導光体7下面を通過した光が、光反射板9によって反射、導光体7に再入射され以上の動作を繰り返しながら導光体7上面より光放出され、さらに光制御板10によって拡散され、液晶表示素子を均等に照明する。
【0022】
なお、本発明は前記発明の実施の形態に限定することなく特許請求の範囲に記載した技術的事項の範囲内において種々、変更することができる。例えば、電極本体13とガラスバルブ14の内面との間にスペースがあるときは、そのスペース内に水銀収納室15を設けてもよい。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の冷陰極放電管はガラスバルブ内には発光するために最適な水銀が拡散封入され、過剰な水銀が拡散していないため、ガラスバルブの内面に形成された蛍光被膜には、水銀粒が付着することがない。したがって、斑点の陰影のない良好な光を発光することができる。また、冷陰極放電管の寿命を長くするための水銀を貯留する水銀収納室が、電極本体付近に設けられ、電極が放電によって温度上昇し、水銀収納室に貯留された水銀が加温されてガラスバルブ内に蒸散するため、従来と同様、寿命の長い冷陰極放電管を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施形態の冷陰極放電管の正面断面図
【図2】本発明に係る一実施形態の冷陰極放電管を使用する照明装置の側面断面図
【図3】従来の冷陰極放電管の正面断面図
【図4】従来の照明装置の側面断面図
【符号の説明】
12 冷陰極放電管
13 電極本体
14 ガラスバルブ
15 水銀収納室
17 排出口
18 導入金属体
19 ビードガラス
20 蛍光被膜
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置などの照明装置として使用されている冷陰極放電管に関し、詳しくは、ガラスバルブ内に拡散封入された水銀によって、ガラスバルブの内面に形成された蛍光被膜に水銀粒が付着することがなく、しかも長寿命化を可能とした冷陰極放電管に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のようにパーソナルコンピュータ、ワードプロセッサあるいは液晶テレビなどにおいては、液晶表示装置が多用されている。また、この液晶表示装置のバックライト光源として冷陰極放電管が広く採用されている。
【0003】
図3に示すように従来の冷陰極放電管1は、円筒形のガラスバルブ2の両端部に棒状の導入金属体2がビードガラス4を介して気密に封止され、ガラスバルブ2内に配置される電極本体5が該導入金属体2の先端に取り付けられ、ガラスバルブ2の内面に蛍光被膜6が形成され、そしてガラスバルブ2内にネオンとアルゴンとの混合ガスおよび水銀(図示せず)が適切な分量だけ拡散封入された構成となっている。導入金属体2は、ビードガラス4との間の気密性を確保するため、例えば、融点が高いタングステンとニッケル金属との接合金属体が用いられている。電極本体5は、ニッケルやニオブなどの金属材料が用いられ、放電面積を大きくするため、底部と筒状部とからなるホロー形状とされている。
【0004】
このような冷陰極放電管1は、液晶表示装置の照明装置に使用されている。液晶表示装置の照明装置には、図4に示すように液晶表示素子(図示せず)の裏面側に配置される例えば楔形状の導光体7と、該導光体7の厚肉側の端面に近接して配置される冷陰極放電管1と、導光体7側を除いて冷陰極放電管1を囲むU字形の反射傘8とが備えられている。導光体7と液晶表示素子との間には、光変換部材である光拡散板やプリズムシートなどの光制御部材10が密着して配置されている(図面においては、見やすくするため隙間を設けて描いてある)。導光体7の反対側の裏面には、光反射率の高い光反射板9が密着して配置されている(図面においては、見やすくするため隙間を設けて描いてある)。
【0005】
そして、冷陰極放電管1の一対の導入金属体2に電圧が印加されると、一対の電極本体5間で放電が発生し、この放電により混合ガスおよび水銀が電離および励起され、紫外線が発生し、この紫外線が蛍光被膜6によって可視光に変換され、該可視光がガラスバルブ2の外部に放射され、冷陰極放電管1が発光する。冷陰極放電管1が発光すると、その光は、導光体7の端面から導光体7内に直接、入射するとともに、光反射傘8の反射面に一旦、反射して、導光体7の端面から導光体7の内部に入射する。この導光体7内に入射した光は、導光体7内を光誘導され、導光体下面より放出された光が光反射板9によっ再度導光体7に入射される.この動作を繰り返しながら冷陰極放電管1の発光は導光体7の上面から放出され、さらに光制御部材10によって拡散され、液晶表示素子を背面から照明する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、冷陰極放電管1のガラスバルブ2内の水銀は、寿命を長くするため、発光するために最適な量よりもやや多く拡散封入されている。しかし、水銀の量が多いことにより、ガラスバルブ2内で励起する水銀が過剰となり、この過剰の水銀が図3および図4に示すように、多数の水銀粒11となってガラスバルブ2の内面に形成された蛍光被膜6に付着する。すると、水銀粒11が紫外線を遮蔽し、冷陰極放電管1は多数の斑点の影を含んで発光する。このような冷陰極放電管1からの発光に基く照明装置は、何点かの陰影を有しており液晶表示素子を均等に照明することができなくなるという問題が生じる。
【0007】
したがって本発明は、ガラスバルブ内に拡散封入された水銀によって、ガラスバルブの内面に形成された蛍光被膜に水銀粒が付着することがなく、しかも長寿命化を可能にした冷陰極放電管を提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る冷陰極放電管は、ガラスバルブの内部に放電用の希ガスと水銀とが拡散封入され、ガラスバルブの内面に蛍光被膜が形成され、ガラスバルブの両端部に棒状の導入金属体がビードガラスを介して気密に封止され、ガラスバルブ内に配置される電極本体が該導入金属体の先端に取り付けられた冷陰極放電管であって、電極本体付近のガラスバルブに水銀収納室が設けられ、該水銀収納室に水銀が貯留されるとともに、ガラスバルブ内に発光するために最適な量の水銀が拡散封入されていることを特徴としている。
【0009】
この冷陰極放電管によれば、ガラスバルブ内には発光するために最適な水銀が拡散封入され、水銀が過剰に拡散されないことから、ガラスバルブの内面に形成された蛍光被膜には、水銀粒が付着することがない。また、冷陰極放電管の寿命を長くするための水銀を貯留する水銀収納室が、電極本体付近に設けられ、電極が放電によって温度上昇し、水銀収納室に貯留された水銀が加温され、ガラスバルブ内に蒸散する。したがって、ガラスバルブ内には水銀収納室に貯留された水銀が徐々にガラスバルブ内に蒸散することとなり、冷陰極放電管の寿命を延ばすことができる。
【0010】
前記水銀収納室は、ガラスバルブの外側に突出していることが好ましい。水銀収納室は、電極本体付近に設けられるため、ガラスバルブの内側に突出させることが困難であるが、ガラスバルブの外側に突出することにより、水銀を貯留させたい大きさを確保することができる。
【0011】
前記水銀収納室は、ガラスバルブとの境界部に設けられた排出口で狭窄していることが好ましい。水銀収納室のガラスバルブとの境界部に設けられた排出口が狭窄することにより、水銀収納室がガラスバルブの上側に位置するように冷陰極放電管がセッティングされても、水銀が水銀収納室内から垂れ落ちないようにすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に係る一実施形態の冷陰極放電管について図1および図2を参照しながら説明する。図1は本実施形態の冷陰極放電管の正面断面図、図2は本冷陰極放電管を使用した照明装置の側面断面図である。なお、従来と同一部分は、同一符号を付して説明する。
【0013】
本実施形態の冷陰極放電管12は、電極本体13付近のガラスバルブ14にガラスバルブ14内と連通する水銀収納室15が設けられ、該水銀収納室15に長寿命化を図るための水銀16が貯留されるとともに、またガラスバルブ14内に発光するために最適な量の水銀(図示せず)が拡散封入されていることを特徴としている。この水銀収納室15は、ガラスバルブ14の外側に図示したような1箇所、または一方の電極本体13もしくは両方の電極本体13付近に複数箇所に突出して設けられる。
【0014】
水銀収納室15を一方の電極に2箇所に突出するときは、90度の角度で設けることにより、本冷陰極放電管12を液晶表示素子の照明装置として使用するときに、各水銀収納室15を導光体7の端面に近接して配置することができる(詳しくは後述する)。また、水銀収納室15を各電極本体13付近に1箇所ずつ突出するときは、同一方向または90度の角度で設けることにより、各水銀収納室15を導光体7の端面に近接して配置することができる。
【0015】
そして、水銀収納室15とガラスバルブ14との境界部が水銀16の排出口17とされ、その排出口17を狭窄することにより、水銀収納室15がガラスバルブ14の上側に位置するように冷陰極放電管12がセッティングされても、水銀収納室15内の水銀16が排出口17から垂れ落ちないようにすることができる。ただし、水銀16と他の金属との合金であるアマルガムや多孔質のペレットに水銀を含浸させたものを使用する場合には、水銀収納室15の排出口17を狭窄する必要はない。
【0016】
その他、円筒形のガラスバルブ14の両端部に棒状の導入金属体18がビードガラス19を介して気密に封止され、ガラスバルブ14内に配置される電極本体13が前記導入金属体18の先端に取り付けられ、ガラスバルブ14の内面に蛍光被膜20が形成され、そしてガラスバルブ14内にネオンとアルゴンとの混合ガスおよび水銀が適切な分量だけ拡散封入された構成は、従来と同じである。ただし、ガラスバルブ14内には、冷陰極放電管12の寿命を延ばすための余分な水銀が拡散封入されず、発光するために最適な量の水銀がガラスバルブ14内に拡散封入されている。
【0017】
このように構成された冷陰極放電管12は、一対の導入金属体18に電圧が印加されることにより、一対の電極本体13間で放電が発生し、この放電により、混合ガスおよび水銀が電離および励起され、紫外線が発生し、この紫外線が蛍光被膜20によって可視光に変換され、可視光がガラスバルブ14の外部に放射され、冷陰極放電管12が発光する。このとき、ガラスバルブ14内には寿命を長くするための余分の水銀が拡散封入されていないため、ガラスバルブ14内で拡散する水銀が過剰となっておらず、ガラスバルブ14の内面に形成された蛍光被膜20に水銀粒11(図3および図4参照)が付着することがない。したがって、本発明の冷陰極放電管12は、発光に影響も及ぼす斑点の陰影を含んでいない良好な発光をすることができる。
【0018】
そして、冷陰極放電管12が使用され続けると、ガラスバルブ14内の水銀が減少していくが、一対の電極本体13間で放電が発生するときに、電極本体13の温度が上昇し、電極本体13付近に設けられた水銀収納室15内の水銀16が加温されることにより、この水銀16が排出口17からガラスバルブ14内に少しずつ蒸散する。したがって、冷陰極放電管12が長期間使用されても、ガラスバルブ14内には、常に最適な量の水銀が拡散封入された状態が維持され、良好な発光を継続することができる。
【0019】
ここで、本発明の冷陰極放電管12を液晶表示装置の照明装置として使用するときの構成について、図2を参照しながら説明する。照明装置は、冷陰極放電管12が、導光体7の端面に近接して配置され、導光体7側を除いてU字形の反射傘8に囲まれた構成となっている。反射傘8は、冷陰極放電管12で発生した光を効率的に導光体7の端面に反射することができるようにするため、反射傘8と冷陰極放電管12との間隔はできるだけ小さくされている。したがって、ガラスバルブ14に突出して設けられた水銀収納室15を反射傘8と冷陰極放電管12との間に配置することはできない。
【0020】
しかし、導光体7の端面と冷陰極放電管12と反射傘8とで囲まれた領域には空間21が設けられており、この空間21内に水銀収納室15を配置する。水銀収納室15が一方の電極本体13付近の2箇所に突出して設けられているときは、2個の水銀収納室15の角度が90度とされることにより、2個の水銀収納室15をこの空間21内に配置し、冷陰極放電管12と導光体7の端面との間隔を従来と同じとすることができる。また、2個の水銀収納室15が各電極本体13付近に突設して設けられているときは、この2個の水銀収納室15が同一方向または90度の角度とされることにより、2個の水銀収納室15をこの空間21内に配置することができる。
【0021】
そして、冷陰極放電管12で斑点なく良好に発光した光は、導光体7内に直接、入射するとともに、そして反射傘8で反射された反射光も、導光体7の内部に入射し、前述したように導光体7内を導光され導光体7下面を通過した光が、光反射板9によって反射、導光体7に再入射され以上の動作を繰り返しながら導光体7上面より光放出され、さらに光制御板10によって拡散され、液晶表示素子を均等に照明する。
【0022】
なお、本発明は前記発明の実施の形態に限定することなく特許請求の範囲に記載した技術的事項の範囲内において種々、変更することができる。例えば、電極本体13とガラスバルブ14の内面との間にスペースがあるときは、そのスペース内に水銀収納室15を設けてもよい。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の冷陰極放電管はガラスバルブ内には発光するために最適な水銀が拡散封入され、過剰な水銀が拡散していないため、ガラスバルブの内面に形成された蛍光被膜には、水銀粒が付着することがない。したがって、斑点の陰影のない良好な光を発光することができる。また、冷陰極放電管の寿命を長くするための水銀を貯留する水銀収納室が、電極本体付近に設けられ、電極が放電によって温度上昇し、水銀収納室に貯留された水銀が加温されてガラスバルブ内に蒸散するため、従来と同様、寿命の長い冷陰極放電管を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施形態の冷陰極放電管の正面断面図
【図2】本発明に係る一実施形態の冷陰極放電管を使用する照明装置の側面断面図
【図3】従来の冷陰極放電管の正面断面図
【図4】従来の照明装置の側面断面図
【符号の説明】
12 冷陰極放電管
13 電極本体
14 ガラスバルブ
15 水銀収納室
17 排出口
18 導入金属体
19 ビードガラス
20 蛍光被膜
Claims (3)
- ガラスバルブの内部に希ガスと水銀とが拡散封入され、前記ガラスバルブの内面に蛍光被膜が形成され、前記ガラスバルブの両端部に棒状の導入金属体がビードガラスを介して気密に封止され、前記ガラスバルブ内に配置される電極本体が前記導入金属体の先端に取り付けられた冷陰極放電管であって、前記電極本体付近のガラスバルブに水銀収納室が設けられ、この水銀収納室に水銀が貯留されるとともに、前記ガラスバルブ内に発光するために最適な量の水銀が拡散封入されていることを特徴とする冷陰極放電管。
- 水銀収納室は、ガラスバルブの外側に突出していることを特徴とする請求項1に記載の冷陰極放電管。
- 水銀収納室は、ガラスバルブとの境界部に設けられた排出口で狭窄されていることを特徴とする請求項2に記載の冷陰極放電管。
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Applications Claiming Priority (1)
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JP2002219358A JP2004063245A (ja) | 2002-07-29 | 2002-07-29 | 冷陰極放電管 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006209993A (ja) * | 2005-01-25 | 2006-08-10 | Nippo Electric Co Ltd | 低圧水銀蒸気放電ランプの製造方法および低圧水銀蒸気放電ランプ |
JP2011048968A (ja) * | 2009-08-26 | 2011-03-10 | Iwasaki Electric Co Ltd | 低圧水銀ランプ及び、殺菌または消毒方法 |
-
2002
- 2002-07-29 JP JP2002219358A patent/JP2004063245A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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