JP2004061153A - 精密分注装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】精密分注装置を、ピペットと、該ピペットによる吸引・分注作動を行なう液体吸引用シリンジと、液体吸引用シリンジとピペットを連通接続するピペット側流路に介装された高速プランジャー弁と、ピペット側流路に連通接続された圧送流路と、圧送流路の終端部に連通接続された加圧・洗浄用シリンジと、圧送流路に介装された切換弁と、切換弁に連通接続された洗浄水流路と、洗浄水流路の終端部に配設された洗浄水容器と、洗浄水流路の中途部に配設された開閉弁と、から構成した。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、検体や試薬を少量づつ分注することができ、特に、高価な試薬の使用量を大幅に低減して検査コストを低減することができる精密分注装置に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】
【0003】
近年、患者固有の遺伝子情報に基いた遺伝子診断への期待が高まっており、この遺伝子治療を行なうためには、遺伝子情報を短時間に、かつ、正確に把握することが重要である。
【0004】
このような遺伝子情報を得るためには、血液等を用いてDNA解析するのが一般的であるが、従来の分注機では、1〜2μlのDNA解析用試薬を分注することはできるが、この種の試薬は金の数倍という非常に高価であり、これが解析コストを高くし、また、DNA解析には長時間かかる、という課題を有していた。最近、アメリカでは、1枚のガラスにDNAを2〜3万個配置し、短時間でDNA解析する、という技術も開発されており、短時間に、かつ、安価にDNA解析できるシステムを速やかに構築することが急務となっているのが現状である。
【0005】
この発明は、かかる現状に鑑み創案されたものであって、その目的とするところは、高価な試薬を10〜20nlという微量分注可能とすることで、DNA解析を大幅にコストダウンさせることができ、オーダーメイド治療に資することができる精密分注装置を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明にあっては、精密分注装置を、容器内から所要量の液を吸引するピペットと、該ピペットによる吸引・分注作動を行なう液体吸引用シリンジと、該液体吸引用シリンジとピペットを連通接続するピペット側流路の中途に介装された高速プランジャー弁と、上記ピペット側流路に連通接続された圧送流路と、該圧送流路の終端部に連通接続された加圧・洗浄用シリンジと、上記圧送流路の中途部に介装された切換弁と、上記切換弁に連通接続された洗浄水流路と、該洗浄水流路の終端部に配設された洗浄水容器と、上記洗浄水流路の中途部に配設された開閉弁と、を有して構成し、上記加圧・洗浄用シリンジは、流路内に一定量保持された空気を圧縮して一定圧力を保持するように制御されていると共に、上記高速プランジャー弁は、液体を分注するときに高速で開閉して吸引された液を必要量づつ分注することを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示す実施の一形態例に基づきこの発明を詳細に説明する。
【0008】
図1と図2に示すように、この形態例に係る精密分注装置は、被吸引液収納容器(図示せず)内から所要量の液を吸引するピペット1と、該ピペット1による吸引・分注作動を行なう液体吸引用シリンジ2と、該液体吸引用シリンジ2とピペット1を連通接続するピペット側流路3の中途に介装された高速プランジャー弁4と、上記ピペット側流路3に連通接続された圧送流路5と、該圧送流路5の終端部に連通接続された加圧・洗浄用シリンジ6と、上記圧送流路5の中途部に介装された切換弁7と、上記切換弁7に連通接続された洗浄水流路8と、該洗浄水流路8の終端部に配設された洗浄水容器9と、上記洗浄水流路8の中途部に配設された開閉弁10と、上記ピペット1の外表面側に洗浄水を上記洗浄水容器9から供給する流路11と、該流路11の中途部に介装されたポンプ12と、上記ピペット1内外の液を廃液する洗浄槽13と、該洗浄槽13内の廃液を貯溜する廃液容器14と、から構成されており、上記ピペット1で吸引された液は、マイクロプレート15の各有底孔へと所要量づつ分注するように構成されている。
【0009】
上記ピペット1は、ステッピングモータ17により正逆回転制御されるボールネジ21に螺合された駆動体22が昇降作動することで、所要量の液体を吸引した後、該吸引された液体を10〜20nlづつマイクロプレート15へと分注するもので、該マイクロプレート15はステッピングモータ16を介して各有底孔を分注位置まで順に移送されるように構成されている。
【0010】
また、上記液体吸引用シリンジ2は、ステッピングモータ20により正逆回転制御されるボールネジ21に螺合された駆動筒体22に連結されたピストンロッド23が昇降作動することで、例えば、25μlの液体を吸引し、この後、所要量づつ吐出し分注作動するように構成されている。
【0011】
高速プランジャー弁4は、液体を分注するときに高速で開閉して吸引された液を必要量づつ分注するように構成されている。尚、この高速プランジャー弁4の構成は、公知の高速プランジャー弁と同様に構成されているので、その詳細な説明をここでは省略する。
【0012】
上記加圧・洗浄用シリンジ6は、ステッピングモータ24により正逆回転制御されるボールネジ25に螺合された駆動筒体26に連結されたピストンロッド27が昇降作動することで、圧送流路5内に一定量保持された空気を圧縮して一定圧力(例えば、96孔マイクロプレート用の場合には、1回の加圧で96回分注できる圧力)を保持するように構成されていると共に、洗浄水を洗浄水容器9内から、例えば5ml吸引し、これを圧送流路5及びピペット側流路3からピペット1へと圧送するように構成されている。尚、図中符号Dは、加圧・洗浄用シリンジ6の下死点である。
【0013】
切換弁7は、ステッピングモータ28によって第1ポート29又は第2ポート30を開閉するもので、第1ポート29は圧送流路5の上流側流路5Aと下流側流路5Bとを連通接続するもので、第2ポート30は上記下流側流路5Bと洗浄水流路8とを連通接続する。
【0014】
開閉弁10は、電磁弁で構成されており、上記液体吸引用シリンジ2が液体を吸引しているときに、上記加圧・洗浄用シリンジ6に吸引されている洗浄水が洗浄水容器9内に逆流しないように洗浄水流路8を閉塞するように機能すると共に、上記加圧・洗浄用シリンジ6内を加圧するときに洗浄水流路8を閉じて、その圧力を保持するように機能する。
【0015】
尚、前記ピペット側流路3内は、常態において洗浄水が満たされており、液体を吸引するときには、上記液体吸引用シリンジ2を若干吸引作動させて、液体と洗浄水との間に気泡を介在させて混和しないように構成されている。
【0016】
この形態例に係る精密分注装置は、以上のように構成されているので、その作動を初期化する場合には、高速プランジャー弁4をON状態にセットし、切換弁7は第2ポート30を連通状態にセットすると共に、開閉弁10を閉状態にセットし、液体吸引用シリンジ2を液体全吐出位置(原位置)へと作動させた後、切換弁7を切り換えて第1ポート29を連通状態にセットし、加圧・洗浄用シリンジ6も洗浄水全吐出位置(原位置)へと作動させて、ピペット1内の残液を吐出する。
【0017】
次に、上記初期化状態から液体を吸引するときには、ステッピングモータ17を作動させて、被吸引液収納容器内の液体中に上記ピペット1を下降させて浸漬させる。この後、高速プランジャー弁4はONに、切換弁7は第2ポート30を連通状態に、開閉弁10を閉状態にセットし、ステッピングモータ20が作動して液体吸引用シリンジ2を吸引作動させる。そして、所要量の液体を吸引した後、高速プランジャー弁4はOFFに、切換弁7の第1ポート29は連通状態に、開閉弁10を閉状態にセットされ、この後、ピペット1はステッピングモータ17によって上昇する。
【0018】
そして、上記吸引された液体をマイクロプレート15の有底孔内に所要量づつ分注する場合には、高速プランジャー弁4はOFFに、切換弁7の第1ポート29は連通状態に、開閉弁10を閉状態にセットされ、この状態で、加圧・洗浄用シリンジ6は加圧作動し、圧送流路5及びピペット側流路3内を加圧する。このとき、加圧・洗浄用シリンジ6は、洗浄水と空気とが一定の割合となるように駆動制御される。
【0019】
このようにして、加圧作動が終了すると、ピペット1は分注位置まで移送され、ステッピングモータ17によって該分注位置で下降させた後、高速プランジャー弁4のみを、例えば、1msecの時間ONさせることで、所要量の液体を分注することができる。尚、この分注量は、パルス数とパルス時間とでコントロールすることができる。
【0020】
次に、洗浄作業を行なう場合には、先ず、高速プランジャー弁4はONに、切換弁7の第2ポート30を連通状態に、開閉弁10を閉状態にセットし、加圧・洗浄用シリンジ6を洗浄水吸引作動させた後、切換弁7の第1ポート29が連通状態にセットされ、該シリンジ6内の洗浄水を、例えば2ml程度の必要量だけ吐出する。この後、高速プランジャー弁4はOFFに、切換弁7の第2ポート30を連通状態に、開閉弁10を開状態にセットし、加圧・洗浄用シリンジ6を洗浄水吸引作動させ、所要量の洗浄水を洗浄水容器9内から吸引させる。この状態から高速プランジャー弁4はOFFに、切換弁7の第2ポート30を連通状態に、開閉弁10を閉状態にセットすることで、本精密分注装置は待機状態にセットされる。尚、この形態例に係る精密分注装置にあっては、液体の分注量が微量であるため、一定時間の停止毎に初期化し、かつ、クロスコンタミネ−ションを防止するため、上記洗浄動作を確実に実施するように構成するのが望ましい。
【0021】
【発明の効果】
この発明に係る精密分注装置は、以上説明したように構成されているので、高価な試薬を10〜20nlという微量分注可能とすることで、DNA解析を大幅にコストダウンさせることができ、オーダーメイド治療に資することができる、という非常に優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態例に係る精密分注装置の概略的構成を示す斜視説明図である。
【図2】同精密分注装置の原理を示す機構説明図である。
【符号の説明】
1 ピペット
2 液体吸引用シリンジ
3 ピペット側流路
4 高速プランジャー弁
5 圧送流路
6 加圧・洗浄用シリンジ
7 切換弁
8 洗浄水流路
9 洗浄水容器
10 開閉弁
Claims (1)
- 容器内から所要量の液を吸引するピペットと、該ピペットによる吸引・分注作動を行なう液体吸引用シリンジと、該液体吸引用シリンジとピペットを連通接続するピペット側流路の中途に介装された高速プランジャー弁と、上記ピペット側流路に連通接続された圧送流路と、該圧送流路の終端部に連通接続された加圧・洗浄用シリンジと、上記圧送流路の中途部に介装された切換弁と、上記切換弁に連通接続された洗浄水流路と、該洗浄水流路の終端部に配設された洗浄水容器と、上記洗浄水流路の中途部に配設された開閉弁と、を有して構成されてなり、上記加圧・洗浄用シリンジは、流路内に一定量保持された空気を圧縮して一定圧力を保持するように制御されていると共に、上記高速プランジャー弁は、液体を分注するときに高速で開閉して吸引された液を必要量づつ分注することを特徴とする精密分注装置。
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