JP2006064545A - 流体吐出機構及び流体吐出方法並びに流体分注装置 - Google Patents

流体吐出機構及び流体吐出方法並びに流体分注装置 Download PDF

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Yasushi Ajisake
安志 味酒
Masahiko Shibazaki
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Abstract

【課題】 小型且つ簡素な構成で微量の流体を定量的に吐出でき、吸引・吐出のサイクルタイムが短く、流体の種類に応じた再調整も不要な流体吐出機構10を提供する。
【解決手段】 ノズル21nを有するシリンジチューブ21及びこれに内挿されたプランジャ22を有し、シリンジチューブ21に対するプランジャ22の移動速度及び移動量を制御し得るように構成されたシリンジ20と、シリンジチューブ21のノズル21nと連結された第1の開口、流体の供給源Sに連結される第2の開口、及び流体の吐出用ノズル50に連結される第3の開口を有し、第2の開口から第1の開口に至る流体の流入経路と、第1の開口から第3の開口に至る流体の流出経路とを選択的に形成し得る三方バルブ30とを備え、三方バルブ30における流体の流出経路が直線状に形成されるようにする。
【選択図】 図4

Description

本発明は、微量の流体を定量的に吐出するための機構及びそれを用いた流体吐出方法、並びにそれを用いた流体分注装置に関する。なお、本明細書において「流体」とは、狭義の「液体」の他、ゾルやスラリー等の分散体や粘性体など、本発明の吐出機構により吐出可能な各種の連続体を表わすものとする。以下の記載では説明の便宜のため「液体」を例として説明を行なう場合があるが、本発明の適用対象は「液体」に限定されるものではない。
化学・生化学・医薬等の分野では、微量の液体を定量的に吐出する技術が必要となる。例えば、各種検体の分析を行なう際には、複数の試薬や検体を混合して様々な組成の反応液を調製するために、反応プレートのウェル等に対して、微量の試薬や検体を定量的に分注しなければならない。特に、多数の検体について様々な条件で反応を行なう場合や、検体の量が限られている場合、試薬が高価な場合などは、反応液全体の量を少量に抑えざるを得ない。このため、反応液中に低濃度で含有させるべき成分については、極めて微小な量(例えばμL以下のオーダーの量)を定量的に分注することが求められる。
従来知られている流体吐出機構の例としては、図6(a),(b)に示す方式(ピペッティング方式)のものが挙げられる。図6(a),(b)の流体吐出機構100Aは、シリンジチューブ210とプランジャ220とからなるシリンジ200と、シリンジチューブ210のノズル211に直接連結された吸引・吐出用の中空針300Aとを備えている。また、プランジャ220にはモーター等の駆動機構400Aが設けられ、この駆動機構400Aに接続された制御機構500Aによって、プランジャ220を吸引方向又は吐出方向に移動させるとともに、プランジャ220の移動速度及び移動量を制御できるように構成されている。
液体の吸引時には、図6(a)に示すように、駆動機構400Aによってプランジャ220が液体の吸引方向(図中の矢印A1)に駆動され、目的の液体がその供給源(容器等)Sから中空針300Aを介して直接、シリンジ200内に吸引される(図中の矢印A2)。液体の吐出時には、図6(b)に示すように、駆動機構400Aによってプランジャ220が吐出方向(図中の矢印A3)に駆動され、シリンジ200内の液体が中空針300Aからその吐出対象(反応プレート等)Pに対して吐出される(図中の矢印A4)。この吐出時に、制御機構500Aによってプランジャ220を高速で移動させるとともに、その移動量を精密に制御することにより、微量の液体であっても中空針300Aの先端に残存することなく、定量的に空中吐出させることができるようになっている。
しかしながら、このピペッティング方式では、毎回、シリンジ200を液体の供給源Sの位置から液体の吐出対象Pの位置まで往復移動させるか、又は、シリンジ200の位置を固定して、そこに液体の供給源Sと液体の吐出対象Pとを交互に移動させる必要がある。よって、分注のサイクルタイムが長くなってしまうという課題がある。また、シリンジ200や液体の容器、プレート等の移動のために、比較的複雑で大きな駆動機構400Aが必要になるという課題もある。更に、複数種の液体を分注するためには、個々の液体の分注後にシリンジ200及び中空針300Aの洗浄を行なう必要があり、その結果、洗浄動作に伴い分注のサイクルタイムが長くなってしまう上に、液体の希釈化を防ぐために無駄に液体を消費してしまうという課題もある。また、複数種の液体に対して、液体の種類分のシリンジ200及び中空針300Aを用意し、各液体毎に専用のシリンジ及びノズルを設けることも考えられるが、駆動機構400Aや制御機構500Aがより大型化・複雑化し、装置100A全体の大型化・高コスト化を招いてしまうため、実用的ではない。
一方、図7(a),(b)に示す方式(ディスペンサ方式)のものも用いられている(例えば特許文献1参照)。なお、図7(a),(b)において、図6(a),(b)と基本的に同様の構成要素については、同一の符号で表わす。図7(a),(b)の流体吐出機構100Bは、3つの開口を有するバルブ(三方バルブ)600を備え、その開口の1つはシリンジチューブ210のノズル211に連結されている。三方バルブ600の他の2つの開口には、それぞれ吸引用チューブ710及び吐出用チューブ720の一端が連結され、三方バルブ600の切り換えによって、吸引用チューブ710からシリンジのノズル211に至る経路と、シリンジのノズル211から吐出用チューブ720に至る経路とを切り換えることができるようになっている(なお、三方バルブ600としては、一般的な回転プラグ方式のバルブや電磁バルブ等が用いられている。図ではY字型の内坑が形成された回転プラグ方式のバルブの断面形状を模式的に示している。)。また、吸引用チューブ710の他端は液体の供給源(容器等)Sに接続されるとともに、吐出用チューブ720の他端は電磁バルブ800に連結され、その先に吐出用のチップ300Bが接続される。更に、プランジャ220にはモーター等の駆動機構400Bが設けられ、この駆動機構400Bに接続された制御機構500Bによって、プランジャ220を吸引方向又は吐出方向に移動させるとともに、プランジャ220の駆動圧力を制御できるように構成されている。また、制御機構500Bは電磁バルブ800にも接続され、プランジャ220の駆動と連動して電磁バルブ800の開閉を制御できるように構成されている。
液体の吸引時には、図7(a)に示すように、三方バルブ600によって吸引用チューブ710からシリンジのノズル211に至る経路が形成される。駆動機構400Bによってプランジャ220が吸引方向(図中の矢印B1)に駆動され、目的の液体がその供給源Sから吸引用チューブ710を介してシリンジ200内に吸引される(図中の矢印B2,B3)。一方、液体の吐出時には、図7(b)に示すように、三方バルブ600の切り換えによってシリンジのノズル211から吐出用チューブ720に至る経路が形成される。制御機構500Bが電磁バルブ800を閉にした状態で、駆動機構400Bを制御してプランジャ220を吐出方向(図中の矢印B4)に駆動し、シリンジ200から吐出用チューブ720に至る流路内に一定の圧力を付加する。この状態で、制御機構500Bが電磁バルブ800を一定時間、開にすることにより、液体が電磁バルブ800を通じて送出され、吐出用チップ300Bからその吐出対象(反応プレート等)Pに対して吐出される(図中の矢印B5,B6)。ここで、シリンジ200から三方バルブ600,吐出用チューブ720を通じて電磁バルブ800に至る流路内の圧力と、電磁バルブ800を開にする時間とを適切に制御することにより、微量の液体を定量的に空中吐出させることが可能となっている。
このディスペンサ方式の流体吐出機構100Bによれば、吐出用チップ300Bを液体の吐出位置に配置しておけば、シリンジ200や液体の供給源S、液体の吐出対象P等を移動させる必要がない。よって、上述のピペッティング方式と比較して、分注のサイクルタイムが遥かに短縮されるとともに、装置100Bの小型化、簡素化も可能となる。更に、上述の様にシリンジ200や液体の供給源S、液体の吐出対象P等を移動させるための駆動機構が不要であるため、各液体毎に専用のシリンジ200や三方バルブ600を設けることによって、複数種の液体の分注にも容易に対応することが可能である。
特許第3442261号公報
しかしながら、上述のディスペンサ方式の流体吐出機構100Bにおいては、プランジャ220の移動と電磁バルブ800の開閉とを連動して制御する必要があるため、高度で複雑な制御が必要となり、制御機構500Bの構成が複雑化し、装置が極めて高価になってしまうという課題がある。また、プランジャ220の駆動圧力が一定の場合、液体の種類が変われば、液体粘度の違いから流速が変わるため、電磁バルブ800の開閉時間を液体によって変える必要がある。即ち、一定の吐出量を得るためには、液体の種類毎に電磁バルブ800の開閉時間を変える必要があるため、液体の種類毎に電磁バルブ800の制御を調整しなければならないという課題がある。
以上の背景から、吸引・吐出のサイクルタイムを短縮できるというディスペンサ型の利点を生かしながら、液体の種類に応じた制御機構の再調整を行なうことなく、小型で簡素且つ安価な構成により、微量の液体を定量的に吐出することが可能な機構と、それを用いた小型で安価な液体分注装置が求められていた。
本発明は、上記の課題に鑑みて創案されたものであり、その目的は、小型且つ簡素な構成で微量の流体を定量的に吐出でき、吸引・吐出のサイクルタイムが短く、流体の種類に応じた再調整も不要な流体吐出機構と、それを用いた小型で安価な流体分注装置を提供することに存する。
本発明者らは、上記目的を達成するために種々の検討を重ねた結果、少なくとも一方の流路を直線的に形成することができる三方バルブ(T字型バルブ等)をシリンジに連結するとともに、この三方バルブの直線流路側の開口に吐出用ノズルを直結し、且つ、プランジャの移動速度及び移動量を制御する構成とすることによって、上記課題を効率的に解決できることを見出して、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の趣旨は、ノズルを有するシリンジチューブ及び該シリンジチューブに内挿されたプランジャを有し、シリンジチューブに対するプランジャの移動速度及び移動量を制御し得るように構成されたシリンジと、シリンジチューブのノズルと連結された第1の開口、流体の供給源に連結される第2の開口、及び、流体の吐出用ノズルに連結される第3の開口を有し、第2の開口から第1の開口に至る流体の流入経路と、第1の開口から第3の開口に至る流体の流出経路とを選択的に形成し得る三方バルブとを備え、三方バルブにおける流体の流出経路が直線状に形成されることを特徴とする、流体吐出機構に存する(請求項1)。これによって、シリンジに三方バルブを介して流体の吸引用チューブと吐出用ノズルが連結されるので、流体の吸引から吐出までの工程が短時間で完了する。また、流体の吐出時に、流体がシリンジのノズルから吐出用ノズルまでほぼ直線状の且つ最短の経路を流動するので、流動によって生じる圧力損失を非常に低く抑えることができる。その結果、プランジャの駆動力に比して得られる吐出力を最大にすることができ、極めて微量の流体であっても定量的に吐出することが可能となる。また、圧力損失が抑えられることから、流体の特性の違いに応じて再調整を行なう必要がなく、プランジャの移動量を制御するのみで所定の吐出量を得ることができる。
ここで、三方バルブは、直線状の長坑から短坑が分岐したT字型の内坑を有する回転プラグと、回転プラグを回転可能に包有し、第1の開口,第2の開口及び第3の開口を有するバルブ本体とを備え、長坑の両端を第1の開口と第3の開口に対合させることにより、第1の開口から第3の開口に至る流体の流出経路が形成されるように構成することが好ましい(請求項2)。これによって、三方バルブを小型で簡素な構成とすることができ、その結果、流体吐出機構全体のサイズやコストも抑えることが可能となる。
また、本発明の別の趣旨は、上述の流体吐出機構と、プランジャをシリンジチューブに対して移動させるべく駆動するとともに、プランジャのシリンジチューブに対する移動速度及び移動量を制御するプランジャ駆動制御機構とを備えたことを特徴とする、流体分注装置に存する(請求項3)。これによって、小型で安価な構成により、微量の流体を定量的に分注することが可能となる。
ここで、流体吐出機構を複数備えることが好ましい(請求項4)。これによって、複数種の流体を分注する場合でも、装置の大型化や高コスト化を招くことなく、微量の流体の定量的な分注が可能となる。
また、該流体吐出機構及び/又は流体の吐出対象を移動することにより、流体吐出機構と吐出対象との相対位置を調整する位置調整機構を更に備えることが好ましい(請求項5)。これによって、上述の様に複数の流体吐出機構が設けられた場合や、吐出対象として複数のウェルが設けられた反応プレート等を使用する場合等でも、高い精度で効率的に分注を行なうことが可能となる。
また、本発明の別の要旨は、上述の流体吐出機構を用いて流体の吐出を行なうことを特徴とする、流体吐出方法に存する(請求項6)。これによって、微量の流体を確実に吐出することができ、且つ、複数種の流体についても効率的に分注することが可能となる。
本発明の流体吐出機構及びそれを用いた流体吐出方法によれば、小型且つ簡素な構成で微量の流体を定量的に吐出することが可能である。また、吸引・吐出のサイクルタイムが短く、流体の種類に応じた再調整も不要である。また、それを用いた本発明の流体分注装置によれば、小型で安価な構成により、微量の流体を効率的に分注することができ、且つ、複数種の流体の分注にも容易に対応することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態につき、図面を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に制限されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。
図1は、本発明の一実施の形態に係る流体吐出機構の要部の構成を模式的に示す図である。図1に示す流体吐出機構10は、シリンジ20と、三方バルブ30と、吸引用チューブ40と、吐出用ノズル50とを備えている。
まず、シリンジ20について説明する。シリンジ20は、シリンジチューブ21とプランジャ22とから構成されている。一般に、シリンジチューブ21は、その一端が開口した中空筒状を有し、閉端側にはノズル21nが形成されている。また、プランジャ22は、シリンジチューブ21の内部断面形状と同一の断面形状を有するとともに、シリンジチューブ21の内径よりも僅かに小さい外径を有し、シリンジチューブ21に内挿されてその内部を移動し得るように構成されている。
シリンジ20としては、上述の構成を有するものであれば、従来公知の任意のシリンジを使用することが可能である。その素材、形状、寸法などは、目的とする流体の性質や吐出量、更には併用する三方バルブ30やその他の構成要素との関係を考慮して、適切に選択すればよい。
なお、プランジャ22には、図示しない駆動機構が接続され、プランジャ22をシリンジチューブ21に対して移動させることができるように構成される。また、シリンジチューブ21に対するプランジャ22の移動速度及び移動量は、図示しない制御機構により制御し得るように構成されている。これら駆動機構及び制御機構の構成は任意であり、公知のモーター等の各種の装置を用いることができる。また、駆動機構と制御機構とは一体に構成されていてもよく、個別の構成となっていてもよい。なお、本明細書において、これら駆動機構と制御機構とを構成上特に区別しない場合には、「プランジャ駆動制御機構」と呼ぶことがある。
次に、三方バルブ30について説明する。三方バルブ30は、三つの開口(それぞれ第1〜第3の開口とする。)を備えており、第1の開口と第2の開口とを結ぶ経路と、第1の開口と第3の開口とを結ぶ経路とを、切り替えることができるようになっている。
三方バルブ30の分解斜視図を図2に示す。三方バルブ30は、回転プラグ31とバルブ本体32とから構成される。
回転プラグ31は円柱形状を有し、その内部にいわゆるT字型の内坑(流体の経路となる孔)が形成されている。ここで「T字型」の内坑は、回転プラグ31の円柱形状の直径に沿った直線状の内坑h1(以下、適宜「長坑」と称する。)と、この長坑h1の中心付近から側方に分岐した内坑h2(以下、適宜「短坑」と称する。)とからなる内坑のことを指す。そして、長坑h1の両端及び短坑h2の一端が、回転プラグ31の円周側面と交差して、3つの開口a,b,cを形成している。
バルブ本体32は、その内部に、回転プラグ31の外形と同じ円柱形状で且つ僅かに大きな形状の空室を有する(図2に示す例では、バルブ本体32が2つの部材32−1,32−2とから構成されており、これらの部材32−1,32−2を組み合わせることによって、空室が形成される。なお、バルブ本体32を構成する部材の数や形状は、この図に示すものに限定されるわけではない。)。この空室に回転プラグ31が嵌合し、空室内部で回転し得るようになっている。また、回転プラグ31の円形側面の側方には突起31pが設けられるとともに、バルブ本体32の対応箇所には開口32hが形成され、その開口32hを介して回転プラグ31の突起31pが外方に突出するようになっており、この突起31pを操作することにより、回転プラグ31をバルブ本体32の外部から操作して回転させることが可能になっている。
更に、バルブ本体32には、三つの開口α,β,γ(これらを以下、それぞれ「第1の開口」「第2の開口」「第3の開口」という。)が設けられている。第1の開口αと第3の開口γは、空室の円柱形状の一直径に沿って対向する位置に形成され、第2の開口βはその直径と直交する円柱形状の直径に沿った一側方に形成される。そして、回転プラグを回転させることにより、回転プラグ31の開口a,開口b,開口cの各々を、バルブ本体32の第1の開口α,第2の開口β,第3の開口γの位置と対合させることができるようになっている。
回転プラグ31の模式断面図を図3(a),(b)に示す。回転プラグ31をバルブ本体32の空室に嵌合させた状態で回転させ、その向きを調整することにより、以下の2つの状態とすることが可能である。
・状態(i):図3(a)に示すように、回転プラグ31の開口bがバルブ本体32の第1の開口αと対合し、回転プラグ31の開口cがバルブ本体32の第2の開口βと対合し、回転プラグ31の開口aがバルブ本体32の第2の開口βの反対側の位置(開口が形成されていない位置)に配置された状態。
・状態(ii):図3(b)に示すように、回転プラグ31の開口aがバルブ本体32の第1の開口αと対合し、回転プラグ31の開口bがバルブ本体32の第3の開口γと対合し、回転プラグ31の開口cがバルブ本体32の第2の開口βの反対側の位置(開口が形成されていない位置)に配置された状態。
即ち、状態(i)においては、三方バルブ30内に、バルブ本体32の第1の開口αと第2の開口βとを結ぶ経路(以下、適宜「経路A」と称する。)が形成されるのに対して、状態(ii)においては、三方バルブ30内に、バルブ本体32の第1の開口αと第3の開口γとを結ぶ経路(以下、適宜「経路B」と称する。)が形成されることになる。そして、回転プラグ31を回転させて(i)又は(ii)の状態とすることにより、経路Aと経路Bとを切り替えることが可能になっている。
そして、三方バルブ30の第1の開口αは、上述のシリンジチューブ21のノズル21nと連結され、第2の開口βは、後述の流体の吸引用チューブ40と連結され、第3の開口γは、後述の流体の吐出用ノズル50と連結される。即ち、三方バルブ30の経路Aと経路Bとを切り替えることによって、流体の吸引用チューブ40からシリンジチューブ21のノズル21nに至る流体の流入経路と、シリンジチューブ21のノズル21nから流体の吐出用ノズル50に至る流体の流出経路とを、選択的に形成することができるようになっている。
更に、三方バルブ30の経路B(流体の流出経路)は、バルブ本体32の第1の開口αから回転プラグ31の開口aを介して、直線的に形成された回転プラグ31の長坑h1を通じ、回転プラグ31の開口bを介してバルブ本体32の第3の開口γに至るので、その全長がほぼ直線状に形成されることになる。
三方バルブ30としては、上述の構成を有するものであれば、従来公知の任意のバルブを使用することが可能である。その素材、形状、大きさ等は、目的とする流体の性質や吐出量、更には併用する他の構成要素との関係を考慮して、適切に選択すればよい。
例えば、図1〜図3ではバルブ本体32の外形を円柱形状として示したが、円柱形状である必要は無く、その他の任意の形状とすることが可能である。また、第2の開口βについては、有る程度の長さを持った内坑として形成してもよく、その形状は直線状に制限されず、屈曲等を有する任意の形状とすることができる。また、回転プラグ31の内坑を「T字型」と称したのはあくまでも比喩的な表現であり、本発明の趣旨に沿ったものであれば内坑の形状は任意である。例えば、短坑h2については直線状である必要は無く、屈曲又は湾曲した形状であっても良い。また、長坑h1に対する短坑h2の角度も直角には限定されず、経路の切り替えに支障のない限りにおいて、任意の角度を持って分岐していれば良い。
続いて、吸引用チューブ40について説明する。吸引用チューブ40は、吐出対象となる流体を吸引するための中空のチューブで、その一端は、上述の様に三方バルブ30の第2の開口と連結され、他端は、流体の供給源(流体の入ったビンやビーカー等の容器など)に浸漬されるようになっている。吸引用チューブ40としては、従来公知の任意のチューブを使用することが可能である。その素材、形状、大きさなどは、目的とする流体の性質や吐出量、更には併用する三方バルブ30や流体の供給源、その他の構成要素等との関係を考慮して、適切に選択すればよい。
次に、吐出用ノズル50について説明する。吐出用ノズル50は、三方バルブ30の第3の開口と連結され、シリンジ20から三方バルブ30を通じて流出してきた流体を吐出するものである。吐出用ノズル50としては、従来公知の任意の中空針やチップ等を使用することが可能である。その素材や形状、大きさ(外径、内径、長さ)等は、目的とする流体の性質や吐出量、更には併用する三方バルブ30やその他の構成要素との関係を考慮して、適切に選択すればよい。
上述の構成を有する本実施形態の流体吐出機構10の動作について、図4(a),(b)を用いて説明する。図4(a),(b)は、何れも本実施形態の流体吐出機構10の動作状態を模式的に示す図で、図4(a)は流体の吸引時の状態を、図4(b)は流体の吐出時の状態を示している。また、流体吐出機構10を構成するシリンジ20から三方バルブ30については、流体の流出経路に沿った方向の断面図として示している。また、図1〜図3と同様の構成要素については、同一の符号を用いて表わす。
まず、流体の吸引時には、図4(a)に示すように、流体の吸引用チューブ40の端部を、容器等(流体の供給源)Sに入った吐出対象の流体に浸漬させる。三方バルブ30を(i)の状態に設定した上で、プランジャ22に接続されたモーター等の駆動機構60がプランジャ22を駆動して、図中の矢印Aの方向に移動させると、容器S内の流体は吸引用チューブ40内へと侵入し、三方バルブ30の経路Aを通じて、ノズル21nからシリンジ20内へと吸引される。
一方、流体の吐出時には、図4(b)に示すように、吐出用ノズル50の下にプレート等の吐出対象Pを配置する。三方バルブ30を(ii)の状態に設定した上で、駆動機構60がプランジャ22を駆動して、図中の矢印Bの方向に移動させる。流体はシリンジ20のノズル21nから流出し、三方バルブ30の経路Bを通じて、吐出用ノズル50から空中へと吐出され、プレート等の吐出対象Pに滴下される。ここで、駆動機構60に接続された制御機構70の制御によって、プランジャ22の移動量及び移動速度が制御される。流体の吐出量はプランジャ22の移動量に応じて変化するので、プランジャ22の移動量を調整することにより、流体の吐出量を所望の値とすることができる。また、プランジャ22の移動速度を調整することにより、微量の流体であっても吐出用ノズル50の先端に付着・残存することなく、空中に吐出させることができる。
以上説明した本実施形態の流体吐出機構10によれば、シリンジ20に三方バルブ30を介して流体の吸引用チューブ40と吐出用ノズル50が連結されているので、従来のピペッティング方式の流体吐出機構と比べて、流体の吸引から吐出までの工程が短時間で完了する。
また、シリンジと吐出用ノズルとの間に吐出用チューブ等が介装される従来のディスペンサ方式とは異なり、本実施形態において流体が吐出時に通過する経路は、シリンジ20のノズル21nから吐出用ノズル50まで、ほぼ直線状且つ最短の状態となる。一般に、流体の経路が短いほど、また、経路の曲がりや障害物が少ないほど、流体の流動時の圧力損失が少ない。よって、本実施形態の流体吐出機構10によれば、流体の流動時の圧力損失を極力排除することができる。
ここで、プランジャの移動速度が一定の場合、流動による圧力損失が小さいほど、吐出ノズルの先端における吐出力が大きくなり、流体は空中吐出し易くなる。従って、本実施形態の流体吐出機構10によれば、プランジャ22の駆動力に対して得られる流体の吐出力を最大にすることができ、その結果、極めて微量の流体であっても確実に空中吐出することが可能となる。
また、従来のディスペンサ方式では、流動による圧力損失が大きいため、流路内に一定の圧力を付加するとともに電磁バルブを設け、経路内の圧力と電磁バルブの開閉時間に基づいて流体の吐出量を制御せねばならず、これが流体の種類毎に再調整を要する原因となるとともに、高コスト化の原因ともなっていた。しかし、本実施形態の流体吐出機構10によれば、上述の様に流動による圧力損失が極めて少ないため、流体の特性の違いに応じて再調整を行なう必要がなく、プランジャの移動量を制御するのみで所定の吐出量を得ることができる。また、高価な電磁バルブを必要としないので、必要なコストを大幅に低減することが可能となる。
なお、本実施形態の流体吐出機構20により吐出可能な流体の液性は特に制限されず、その構成を調整することによって様々な液性の流体を吐出することが可能である。具体的に、吐出可能な流体の最大粘度は、通常1.5Pa・s(1500c.p.)程度である。また、吐出可能な流体の最小量は、その粘度によっても異なるが、上述の最大粘度(1500Pa・s)程度の流体であれば通常0.05μL程度であり、水等の粘度の低い流体であれば通常0.02μL程度まで吐出可能である。
但し、極めて微量(μL以下のオーダー)の流体を定量的に吐出するためには、シリンジ20から三方バルブ30を通じて吐出用ノズル50に至る流体の吐出経路の内径や全長を、以下のように調整することが好ましい。
具体的に、シリンジ20の内径(シリンジチューブ21及びノズル21nの内径)は、通常0.1mm以上、また、通常3mm以下の範囲とするのが好適である。
また、三方バルブ30の経路B(流体の流出経路)の内径(即ち、第1の開口α及び第3の開口γ、並びに回転プラグ21aの長坑h1の内径)は、通常0.1mm以上、また、通常3mm以下の範囲とするのが好適である。また、上述のシリンジチューブ21及びノズル21nの内径に対する三方バルブ30の経路Bの内径の比は、通常0.5倍以上、好ましくは1倍以上、また、通常5倍以下、好ましくは2倍以下の範囲とするのが好適である。
また、吐出用ノズル50の内径は、通常0.1mm以上、また、通常3mm以下の範囲とするのが好適である。また、上述のシリンジチューブ21及びノズル21nの内径に対する吐出用ノズル50の内径の比は、通常0.1倍以上、また、通常2倍以下の範囲とするのが好適である。
また、シリンジ20のノズル21n先端からの流体の吐出経路の長さは、三方プラグ30の第1の開口αから第3の開口γまでの距離と、吐出用ノズル50の全長との合計によって規定されるが、流動による圧力損失を減らす観点からは、この吐出経路の長さをできるだけ短くすることが好ましい。具体的には、通常100mm以下、好ましくは70mm以下の範囲とするのが好適である。
なお、本発明の流体吐出機構は、上述の実施形態に制限される訳ではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜、変形を加えて実施することが可能である。
例えば、上述の実施形態の流体吐出機構10では、三方バルブとしていわゆるT字型の内坑を有する回転プラグを備えた三方バルブ30を用いたが、これに代えて他の形態の三方バルブを用いてもよい。流体の流入経路と流出経路とを選択的に切り替えることが可能な三方バルブであって、少なくとも流体の流出経路が直線状に形成されるものであれば、その他の三方バルブ(例えばT字型以外の形状の内坑を有する回転プラグ式三方バルブや、電磁バルブ等)を本発明に適用することも可能である。但し、上述したような、いわゆるT字型の内坑を有する回転プラグ31を備えた三方バルブ30は、小型で簡素な構成とすることができる上、安価で入手し易く、更にはその切り替え操作も容易であることから、これを本発明に適用することによって得られる利点は大きい。
以上説明した本発明の流体吐出機構は、通常は適当な函体等に固定して、プランジャ駆動制御機構と組み合わせることにより、流体分注装置として使用することができる。流体分注装置の構成に用いる函体の素材や形状等は任意である。流体分注装置の用途や目的とする流体の性質や吐出量、更には流体吐出機構の構成要素の形状や大きさを考慮して、適切に設計すればよい。また、プランジャ駆動制御機構についても、適当な駆動力及び駆動速度でプランジャを駆動することができ、且つ、シリンジチューブに対するプランジャの移動速度及び移動量を制御することができるものであれば、任意の機構を用いることができる。
なお、本発明の流体吐出機構を用いて流体分注装置を構成する場合、複数の流体吐出機構を設けることが好ましい。上述の様に、本発明の流体吐出機構は小型且つ簡素な構成を有するため、複数台を容易に並べて配置することが可能である。特に、複数種の流体を分注する場合には、流体の種類分の流体吐出機構を用意し、各流体毎に専用の流体吐出機構を設けることによって、これらの流体を効率的に分注することが可能となる。また、複数の吐出対象に同時に流体を分注する場合にも、吐出対象の数に応じて複数の流体吐出機構を同時に使用することで、効率的な分注が可能となる。
また、本発明の流体吐出機構を用いて流体分注装置を構成する場合、流体吐出機構及び/又は流体の吐出対象を移動することにより、流体吐出機構と吐出対象との相対位置を調整する位置調整機構を設けても良い。これによって、上述の様に複数の流体吐出機構が設けられた場合や、吐出対象として複数のウェルが設けられた反応プレート等を使用する場合等でも、高い精度で効率的に分注を行なうことが可能となる。
以下、本発明の一実施の形態に係る流体分注装置として、上述の実施形態の流体吐出機構を複数台設けるとともに、流体吐出機構と吐出対象との相対位置を調整する位置調整機構を設けた流体分注装置の構成例について、図5(a),(b)を参照しながら説明する。ここで、図5(a),(b)は、本実施形態の流体分注装置の要部の構成を模式的に示す図であり、図5(a)は流体分注装置の上方投影図、図5(b)は図5(a)の矢印Wの方向から見た流体分注装置の側面図である。また、図1〜図4と同様の構成要素については、同一の符号を用いて表わす。
図5(a),(b)に示す流体分注装置90は、アレイ状(図では8×12)に集積されたウェルを有するプレートを吐出・分注の対象として流体の分注を行なうもので、上述した本発明の一実施形態の流体吐出機構10を複数台(図では12台)備えるとともに、基板91と、吐出・分注対象のプレートを移動させるプレート移動機構と、各流体吐出機構10のシリンジ20のプランジャを駆動制御するプランジャ駆動制御機構とを備えている。
基板91上に設けられるプレート移動機構は、ベルトコンベア等の可動部92と、その可動部を所定の2つの進行方向(図中に示す矢印X及び矢印Yに沿った方向。以下、適宜「X方向」及び「Y方向」と略称する。)に駆動するとともにその可動部の移動量を制御する駆動制御手段を備え、可動部92上にプレートを載置した状態で駆動制御手段がこれを駆動することにより、前記所定の2つの進行方向(X方向及びY方向)にプレートを移動させることができるようになっている。また、可動部92上にはプレートの外形に応じた突起状の位置決め用ガイドが形成されており、その位置決め用ガイドに合わせてプレートを載置することで、移動時におけるプレートの位置(及びその上の所定の位置に設けられた各ウェルの位置)を把握し、駆動制御手段の制御によりその位置を調整することができるようになっている。なお、駆動制御手段については図示を省略する。
プレート移動機構の可動部92の側方には、12台の流体吐出機構10が、可動部92の長手側の進行方向(X方向)に沿って並べて配置される。各流体吐出機構10のシリンジユニットは、吐出ノズル50の吐出端を下方に向けた状態で、後述のシリンジユニット移動機構の一部である、図示しないアーム部材等の保持部によって保持される。プレート移動機構と反対側の流体吐出機構10の側方には、各流体吐出機構10の吐出対象となる流体の容器(供給源)Sが配置され、各流体吐出機構10の吸引用チューブ40は対応する容器(供給源)S内の流体に浸漬される。また、各流体吐出機構10のシリンジ20のプランジャ22は、プランジャ駆動制御機構によって上下方向(即ち、流体の吸引方向及び吐出方向)に移動させることができるようになっている。なお、プランジャ駆動制御機構については図示を省略する。
上述の構成を備えた本実施形態の流体分注装置90の動作は以下の通りである。まず、予め各流体吐出機構10のシリンジ20に吐出対象の流体を吸引しておき、三方バルブを流体の吐出経路に切り替えておく。吐出・分注対象のプレートをプレート移動機構の可動部92に載置し、駆動制御手段の駆動制御によって可動部92を移動させることにより、プレート(及びその上の各ウェル)のX方向及びY方向の位置を調整する。こうしてプレート(及びその上の各ウェル)と吐出用ノズル50との位置関係を調整し、プレート上の所望のウェル上に吐出用ノズル50が位置する状態で、プランジャ駆動制御機構によるプランジャの駆動制御を行なうことにより、プレート上の所望のウェルに対して流体吐出機構10による流体の吐出が行なわれる。
ここで、プレート(及びその上の各ウェル)のX方向及びY方向の位置を適宜調整しながら、上述の吐出動作をプレート上の各ウェルについて順次繰り返すことによって、各ウェルに対して流体の分注を行なうことができる。また、この動作を各流体吐出機構10について順次繰り返すことによって、各流体吐出機構10に対応する流体の分注を連続して行なうことができる。即ち、本実施形態の流体分注装置90では、プレート移動機構とプランジャ駆動制御機構とが協働して、吐出対象であるプレート(上の各ウェル)へと連続的に分注を行なうことが可能となる。
なお、各流体吐出機構10のシリンジ20内の流体の量が不足してきたら、三方バルブ30を切り替えて流体をシリンジ20内に再度吸引した上で、再度三方バルブ30を切り替えて流体の吐出経路を形成し、再び上述の位置調整及び吐出の動作に移ればよい。
以上説明した本実施形態の流体分注装置90によれば、複数種の流体を分注する場合や、吐出対象として複数のウェルが設けられた分析プレート等を使用する場合であっても、装置の大型化や高コスト化を招くことなく、微量の流体を極めて効率よく、且つ高い精度で、定量的に分注することが可能となる。
なお、本発明の流体分注装置は、上述の実施形態に制限される訳ではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、適宜変形を加えて実施することが可能である。
例えば、上述の実施形態の流体分注装置90では、吐出対象であるプレート(上の各ウェル)を移動させることにより、吐出対象(プレート上の各ウェル)と流体吐出機構10(の吐出用ノズル50)との位置関係を調整していたが、流体の吐出対象を固定して流体吐出機構を移動させたり、流体吐出機構と流体の吐出対象とをともに移動させることにより、流体吐出機構と吐出対象との相対位置を調整するような構成としてもよい。
また、プレート移動機構による移動方向も上述の方向に制限されるものではない。例えば、本実施形態ではプレート移動機構の可動部92により、分析プレートを二方向(X方向及びY方向)にそれぞれ直線的に移動させる構成となっているが、流体吐出機構10の配置場所等の設計によっては、複数のコンベア等を組み合わせることにより、分析プレートの進行経路を、屈曲等を含む複雑なものとすることも可能である。
更に、上に説明した各構成要素に加えて、その他の各種の構成要素を追加しても良い。例えば、プレート移動機構の可動部92の起点にプレートの供給スタッカを設けるとともに、可動部92の終点にプレートの供給スタッカを設け、複数のプレートを順次移動させながら流体の分注を行なう構成としても良い。また、基板21やプレート移動機構の可動部92に、各流体吐出機構10の吐出用ノズルから滴り落ちた流体等を回収するための廃液槽を設けても良い。更には、各流体吐出機構10の三方バルブ30の切り替えを一箇所でまとめて行なうための切替コンソール等を設けても良い。
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。
図4に示すものと同一の構成の微量吐出機構(実施例の微量吐出機構)を組み立てた。シリンジとしては、ステンレスSUS304製のプランジャとガラス製のシリンジチューブからなるシリンジを用いた。シリンジチューブ及びノズルの内径は1mmであった。三方バルブとしては、T字型の内坑が形成された四フッ化エチレン樹脂(PTFE:テフロン(登録商標))製の回転プラグを有する三方バルブを用いた。回転プラグの内坑径は1.3mm、回転プラグの外径は10mmであった。吐出ノズルとしては、ステンレスSUS304製の中空針を用いた。中空針の内径は0.9mm、先端の内径は0.2mmであった。また、三方バルブのシリンジに接続される開口(第1の開口)から中空針に接続される開口(第3の開口)との間の経路長は20mm、中空針の全長は30mmであった。
この実施例の微量吐出機構を駆動制御機構に取り付け、以下の表1の左欄に示す流体について、常温・常圧条件下で吐出実験を行なった。実験においては、各流体の吐出量を1μLから0.1μLずつ減少させながら繰り返し吐出を試み、各流体の最小吐出可能量を測定した。流体が吐出できたか否かの判定は、吐出ノズルの先端に流体が残存せず流体が空中に放出されたことを、目視により識別することにより行なった。吐出時のプランジャの移動速度は188mm/sec.とした。各流体の最小吐出可能量の測定結果を表1に示す。また、参考のため、各流体の粘度についても併せて表1に示す。
Figure 2006064545
表1の結果から、実施例の微量吐出機構によれば、精製水については最小で0.2μL、比較的粘度が高いグリセロールについても最小で0.5μLと、従来の微量吐出機構においては困難であった極めて微小な量の吐出が可能であることが分かる。
以上説明したように、本発明によれば、流体の種類に応じて再調整を行なうことなく、小型で簡素な構成により、微量の流体を定量的に吐出することが可能な流体吐出機構と、それを用いた小型で安価な流体分注装置が実現される。従って本発明は、微量の流体を定量的に吐出・分注する技術が求められる生化学・化学・医薬等の分野において、好適に利用することが可能である。特に好適な分野の例としては、蛋白結晶化沈殿剤やスクリーニング溶液等の反応液の調製、微生物や細胞等の培養液の調製など、複数の試薬や検体を配合して様々な組成の溶液を少量ずつ調製することが求められる分野が挙げられる。これらの分野に本発明を適用することにより、小型且つ安価な構成で、低濃度から高濃度まで広範囲な濃度の溶液を、迅速に調製することが可能になるものと期待される。
本発明の一実施形態に係る流体吐出機構の要部の構成を模式的に示す斜視図である。 本実施形態の流体吐出機構に用いられる三方バルブの構成を模式的に示す分解斜視図である。 (a),(b)は何れも、本実施形態の流体吐出機構に用いられる三方バルブの経路切り替えを説明するための図である。 (a),(b)は何れも、本実施形態の流体吐出機構の動作を説明するための図である。 本発明の一実施の形態に係る流体分注装置の要部の構成を模式的に示す図であり、(a)は流体分注装置の上方投影図、(b)は(a)の矢印Wの方向から見た流体分注装置の側面図である。 (a),(b)は何れも、従来の流体吐出機構の一例(ピペッティング方式)の構成及び動作を説明するための模式図である。 (a),(b)は何れも、従来の流体吐出機構の一例(ディスペンサ方式)の構成及び動作を説明するための模式図である。
符号の説明
10 流体吐出機構
20 シリンジ
21 シリンジチューブ
21n ノズル
22 プランジャ
30 三方バルブ
31 回転プラグ
32 バルブ本体
40 吸引用チューブ
50 吐出用ノズル
60 駆動機構
70 制御機構
90 流体分注装置
91 基板
92 可動部(プレート移動機構)
100A 従来の流体吐出機構(ピペッティング方式)
100B 従来の流体吐出機構(ディスペンサ方式)
200 シリンジ
210 シリンジチューブ
211 ノズル
220 プランジャ
300A 中空針
300B チップ
400A,400B 駆動機構
500A,500B 制御機構
600 三方バルブ
710 吸引用チューブ
720 吐出用チューブ
800 電磁バルブ

Claims (6)

  1. ノズルを有するシリンジチューブ及び該シリンジチューブに内挿されたプランジャを有し、該シリンジチューブに対する該プランジャの移動速度及び移動量を制御し得るように構成されたシリンジと、
    該シリンジチューブのノズルと連結された第1の開口、流体の供給源に連結される第2の開口、及び、流体の吐出用ノズルに連結される第3の開口を有し、第2の開口から第1の開口に至る流体の流入経路と、第1の開口から第3の開口に至る流体の流出経路とを選択的に形成し得る三方バルブとを備えるとともに、
    該三方バルブにおける流体の流出経路が直線状に形成される
    ことを特徴とする、流体吐出機構。
  2. 該三方バルブが、
    直線状の長坑から短坑が分岐したT字型の内坑を有する回転プラグと、
    該回転プラグを回転可能に包有し、第1の開口,第2の開口及び第3の開口を有するバルブ本体とを備え、
    長坑の両端を第1の開口と第3の開口に対合させることにより、第1の開口から第3の開口に至る流体の流出経路が形成されるように構成された
    ことを特徴とする、請求項1記載の流体吐出機構。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の流体吐出機構と、
    該プランジャを該シリンジチューブに対して移動させるべく駆動するとともに、該プランジャの該シリンジチューブに対する移動速度及び移動量を制御するプランジャ駆動制御機構とを備えた
    ことを特徴とする、流体分注装置。
  4. 該流体吐出機構を複数備える
    ことを特徴とする、請求項3記載の流体分注装置。
  5. 該流体吐出機構及び/又は流体の吐出対象を移動することにより、該流体吐出機構と吐出対象との相対位置を調整する位置調整機構を更に備えた
    ことを特徴とする、請求項3又は請求項4に記載の流体分注装置。
  6. 請求項1又は請求項2に記載の流体吐出機構を用いて流体の吐出を行なう
    ことを特徴とする、流体吐出方法。
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