JP2004060955A - 無人搬送車および無人搬送システム - Google Patents

無人搬送車および無人搬送システム Download PDF

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Hiroyuki Ishihara
石原 浩之
Takao Shimizu
清水 孝雄
Takashi Nakao
中尾 敬史
Ryosuke Tawara
田原 良祐
Hidetoshi Takeuchi
竹内 秀年
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Abstract

【課題】製造コストを低減でき、移載中に物品に塵埃の付着が無く、生産効率を向上させることができる無人搬送車および無人搬送システムを提供する。
【解決手段】走行経路4に沿って配置されるステーション3との間で物品5の受け渡しを行う物品受渡口9bを有する物品収納庫9aを備えた無人搬送車2であって、該物品受渡口9bの周囲に配置されてステーション3へ向けてエアを噴出する空気噴出部14F・14R・15を有する第一空気噴出手段を備え、前記第一空気噴出手段より進行方向前側に配置される吸引ダクト19Fを備え、前記物品受渡口9b上縁部からダウンフローとなるエアを噴出する空気噴出部28を有する第二空気噴出手段を設けた。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クリーン環境下で物品を搬送するための無人搬送車およびそのシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、液晶ガラスを搬送する搬送システムにおいて、多数の収納棚を設けた容器に液晶ガラスを二十から三十枚収納し、これを無人搬送車で、液晶ガラスを製造するための処理装置間を搬送するシステムが知られている。このシステムでは、液晶ガラスが露出しているので、塵埃が付着しないように製造工場全体のクリーン度を高くする必要があり、製品の製造コストが高くなるという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そのため、製造工場全体のクリーン度を低くして、無人搬送車の液晶ガラスの収納庫及び処理装置のステーションにシャッタをそれぞれ設け、無人搬送車がステーションに停止してから両者のシャッタを開けて移載するという方法が考えられる。ところがこの方法では、シャッタを開けるまでにシャッタ周辺の塵埃をなくす作業があるため移載に時間がかかり、生産効率は向上しないという問題と、移載中に露出する液晶ガラスにまだ塵埃が付着するという問題があった。
そこで、製造コストを低減でき、移載中に物品に塵埃の付着が無く、生産効率を向上させることができる無人搬送車および無人搬送システムを提供することが課題である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、走行経路に沿って配置されるステーションとの間で物品の受け渡しを行う物品受渡口を有する物品収納庫を備えた無人搬送車であって、該物品受渡口の周囲に配置されてステーションへ向けてエアを噴出する第一空気噴出手段を備えたものである。
【0005】
請求項2においては、前記第一空気噴出手段より進行方向前側に配置される吸引手段を備えたものである。
【0006】
請求項3においては、前記第一空気噴出手段より進行方向前側に配置される補助空気噴出手段を設けたものである。
【0007】
請求項4においては、前記物品受渡口上縁部からダウンフローとなるエアを噴出する第二空気噴出手段を設けたものである。
【0008】
請求項5においては、物品を受け渡すための物品受渡口を有する物品収納庫を備えた無人搬送車と、無人搬送車の走行経路に沿って配置され、第一扉によって開閉して無人搬送車との間で物品を受け渡す物品受渡口とを有する物品収納庫を設けたステーションとを備え、ステーションの物品受渡口の無人搬送車の進行方向前後に壁部材を形成し、無人搬送車に、物品受渡口の周囲にステーションに向けてエアカーテンを形成するようにエアを噴出する空気噴出手段が配置されるものである。
【0009】
請求項6においては、前記無人搬送車の物品受渡口に、開閉自在な第二扉が配置され、前記第一扉及び第二扉は、無人搬送車がステーションの停車位置へ着く前から開き始め、停車位置を離れてから閉じ終わるように制御され、第一扉が開き始めて閉じ終わるまで、第一扉の開口が前記エアカーテン内に位置するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の無人搬送車の二つの実施例について、図面を用いて説明する。
図1は無人搬送システム1の構成を示す概略図であり、図2はステーション3に対向する搬送車2を示す平面断面図であり、図3は搬送車2を示す斜視図であり、図4は搬送車2およびステーション3の正面一部断面図であり、図5はダクト12の斜視図であり、図6は各空気噴出手段の制御構成を示すブロック図であり、図7は移載準備時の各空気流の流れを示す平面図であり、図8はシャッタ10・10の開閉機構を示す斜視図であり、図9はシャッタ10・10開放から移載動作開始前までの過程を示す搬送車2およびステーション3の概略平面図であり、図10は移載動作開始後からシャッタ10・10閉止までの過程を示す搬送車2およびステーション3の概略平面図であり、図11は第二実施例における各空気噴出手段の制御構成を示すブロック図であり、図12は第三実施例の搬送車52を示す斜視図であり、図13は補助空気噴出手段を示す斜視図である。
【0011】
まず、無人搬送システム1の構成について説明する。
図1から図4に示すように、無人搬送システム1には、第一実施例の無人搬送車(以下搬送車)2と、ステーション3とが備えられる。搬送車2の本体フレーム9には、走行用の車輪35・35・・・が設けられている。
ステーション3は、例えば、FPD(Flat Panel Display)用のガラス基板や樹脂基板を製造するための処理装置に設けられるもので、背面側に不図示の処理装置本体が設けられている。なお、処理装置に限らず、物品5を一時的に収納するストッカや、検査装置のステーションであっても良い。
このステーション3は、搬送車2により搬送される物品5が載置されるようになっており、搬送車2の走行経路4に沿って、該走行経路4の両側に複数個が配置される。なお、ステーション3を走行経路4の一側にのみ配置する構成としても良い。また、図1に示す領域の走行経路4は直線経路としているが、曲線経路を接続して全体をループ状としてもよい。
物品5は、FPD、例えば、液晶やプラズマ・ディスプレイ用のガラス基板や、有機EL(Electro Luminescence)用の樹脂の基板等の板状物を収納したカセットとしており、品質の維持のためにクリーン環境下に保存されることを要するものである。
また、走行経路4の両側には、ステーション3・3間にパネル6・6・・・が立設されて、走行経路4を囲うようになっている。
【0012】
以下において、搬送車2の走行経路4に沿った進行方向を基準として、方向を定義するものとする。すなわち、搬送車2の進行方向を前後方向とし、該進行方向と水平面内で垂直となる方向を左右方向とする。
また、搬送車2は走行経路4に対して前後いずれの向きに対しても走行可能であるが、説明の便宜上、図1から図2等にて矢印Fで示す向きを搬送車2の進行方向前方の向きとする。
【0013】
図2に示すように、ステーション3には、該ステーション3の本体フレーム7の内部に物品収納庫7aが形成され、該物品収納庫7aに物品を受け渡すための物品受渡口7bが本体フレーム7に形成される。なお、本体フレーム7において、物品受渡口7bが形成される壁面を、開口側正面壁7cとする。また、該物品受渡口7bを開閉するための一対のシャッタ8・8が備えられる。
一方、搬送車2においては、該搬送車2の本体フレーム9の内部に、物品収納庫9aが形成され、該本体フレーム9の左右両側面には、物品5を移載するための物品受渡口9b・9bが形成される。また、左右の物品受渡口9bを開閉するための一対のシャッタ10・10が、搬送車2の左右両側にそれぞれ備えられる。
なお、物品受渡口7b・9bの開口の大きさは、ほぼ同程度の大きさとなるように形成され、ほぼ同じ高さ位置にある。また、シャッタ8・8及びシャッタ10・10は、同じ機構を用いている。
【0014】
また、搬送車2には、物品5の移載手段として、スカラアーム式の移載装置11が備えられている。そして、搬送車2がステーション3に到着し、物品受渡口7b・9bが対向した状態で、前記シャッタ8・8およびシャッタ10・10を開放すると、物品受渡口7b・9b間で物品5の移載が可能である。
【0015】
物品受渡口7b・9b間は離間しており、シャッタ8・10を開放した物品5の移載時には、何の措置も施さなければ、移載される物品5に、搬送車2およびステーション3の外部の空気が流入して接触してしまう。
そこで、搬送車2には、物品5と搬送車2外部の空気との接触を防ぐ手段として、ステーション3側(走行経路4側方)へ空気を噴射する第一空気噴出手段が物品受渡口7bの周囲に備えられている。この第一空気噴出手段の作動により、エアカーテンが形成されて、物品受渡口7b・9b間を結ぶ物品移載経路がクリーントンネルとなるようにしている。そして、前記外部空気が塵埃を含むようなクリーン度の低い空気であっても、該空気が物品5に接触することがないようにしている。
【0016】
第一空気噴出手段の構成について説明する。
図3、図4に示すように、搬送車2の左右には、側方及び上方に突出するダクト12・12が設けられている。ダクト12の側方突出部12aは、物品受渡口9bの上方および前後を囲うように、逆凹字状に形成されている。
図3、図5に示すように、側方突出部12aの側端面には、物品受渡口9bを囲うように、多数のエアノズル13・13・・・が設けられている。
エアノズル13・13・・・は、配設部位によって三つの空気噴出部に分類される。物品受渡口9bの前後に位置するエアノズル13・13・・・により、それぞれ空気噴出部14F・14Rが構成され、物品受渡口9bの上方に位置するエアノズル13・13・・・により、空気噴出部15が構成される。
図3に示すように、一つのダクト12の上方突出部12bには、ファン・フィルタ・ユニット(以下FFU)16とFFU29・29とが設けられている。FFU16・29・29は、ダクト12を介して、エアノズル13・13・・・に陽圧のエアを供給する手段であると共に、エアフィルタを備えており、ダクト12に供給するエアはクリーンである。ここで、供給用のエアは、FFU16においては搬送車2の上方より吸引し、FFU29・29においては搬送車2の側部に設ける吸引ダクト19F・19R(後述)より、吸引する構成である。
つまり、第一空気噴射手段は、物品受渡口9bの周囲に沿って門型に形成され、内部が連通しているダクト12に配設された前記各空気噴出部14F・14R・15を備えている。第一空気噴出手段のエア供給源は、ダクト12上部に配置したFFU16・29・29であり、各FFUからの送気は全てダクト12に集められた後、各空気噴出部14F・14R・15のエアノズル13からステーション3に向けて噴出される。なお、ダクト12を各噴出部14F・14R・15毎に仕切って、FFU16・29・29を各々接続するようにしても良い。
【0017】
図6に示すように、搬送車2には、前記第一空気噴出手段を制御する制御手段17が設けられている。制御手段17は電子回路で構成されており、該制御手段17と信号伝達可能に接続される各装置を制御する。
また、第一空気噴出手段を構成する各空気噴出部とFFU16・29・29とは、エア配管を介して連通接続される。
制御手段17はFFU16・29・29と信号伝達可能に接続されて、FFU16・29・29の駆動を制御する。そして、制御手段17がFFU16・29・29の駆動を制御することにより、各空気噴出部による空気噴射量を調整可能である。
【0018】
図7に示すように、搬送車2は、移載作業時間を短縮するために、ステーション3へ到達する前に、前記シャッタ10・10を開放して、移載準備を行う。このようにして、ステーション3への到着後に、シャッタ10・10を開放する場合に比して、移載作業全般に要する作業時間を短縮する。
一方、搬送車2の前側の空気は、搬送車2の走行により、搬送車2に対して陽圧として作用する。シャッタ10・10を開放した状態で搬送車2が走行すると、前記前側空気による空気流A0が、搬送車2の全面に向かって流れると共に搬送車2の側面に回りこんで、物品収納庫9a内に侵入しようとする。
【0019】
前記第一空気噴出手段は、シャッタ10・10を開放した搬送車2の走行時において、搬送車2の外部の空気が物品収納庫9a内へ侵入するのを防止する手段としても機能する。
第一空気噴出手段の駆動により、物品収納庫9aの前後および上方において、ステーション3側(走行経路4の外側)への空気流が、それぞれ発生する。ここで、空気噴出部14Fより発生する空気流をA1とする。
そして、前側空気の空気流A0は、該空気流A1により、物品収納庫9a内に侵入する前に走行経路4の外側へ押しやられて、物品収納庫9a内に侵入することが防止される。
【0020】
さらに、図3、図6に示すように、搬送車2の側面に回りこんできた空気流A0による影響を除くために、搬送車2には、エアの吸引手段が設けられている。エア吸引手段は、前記物品受渡口9bを囲むように配設されている前記ダクト12より進行方向前側に設けられるものであるが、この搬送車2は往復走行するために進行方向前後両側に配置されている(ダクト19F・19R)。
吸引ダクト19F・19Rは、それぞれエアを吸引するための多数のエア吸引孔19aを上下方向に千鳥状となるように二列形成すると共に、前記FFU29・29の吸引側にそれぞれ接続され、第一空気噴出手段の空気噴出部からクリーンエアが噴出される。なお、エア吸引孔19aは、上下方向に長い一本の長孔としても良い。
【0021】
図7に示すように、物品受渡口9bの進行方向前側に、吸引部の吸引ダクト19Fを設けることで、搬送車2の側面に回りこんできた空気流A0を誘導して、消失させることができる。
特に、物品受渡口9bの進行方向前側に設ける空気噴出部14Fの前側に、吸引ダクト19Fを設けることで、空気流A0が空気噴出部14Fからの空気流A1と交わる前に、空気流A0を弱化することができ、空気流A1によるエアカーテンを確実に形成させることができる。
【0022】
また、図5に示すように、物品受渡口9bの進行方向前側でエアを噴出する第一空気噴出手段は、空気噴出方向が進行方向前方に傾斜するようにされている。つまり、空気噴出部14Fを構成する各エアノズル13は、空気噴出方向が進行方向前方にも向くものとなっている。
このため、該空気噴出部14Fより噴出されるエアにより、進行方向前方にもエアの流れを発生させて、前記空気流A0の後側への流れを打ち消し、空気流A0を弱化させるようにしている。
なお、搬送車2は進行方向が逆転可能であるので、空気噴出部14Rを構成する各エアノズル13の空気噴出方向は、進行方向後方に傾斜したものとなっている。
【0023】
さらに、物品受渡口9bの上方でエアを噴出する第一空気噴出手段は、空気噴出方向が上方となるように設けられている。
図5に示すように、第一空気噴出手段の空気噴出部14F・14R・15からの空気噴出方向は、いずれも、移載時における物品受渡口7b・9b間を結ぶ経路と平行ではなく、該経路よりも外側に広がる方向となっている。
そして、第一空気噴出手段により、前記経路を保護するエアカーテンを形成するだけでなく、前記経路の外側に伝搬する陽圧を発生させて、搬送車2およびステーション3外部空気の前記経路への侵入を防止するようにしている。
【0024】
図2、図7に示すように、第一空気噴出手段によるエアの噴出先は、ステーション3もしくは前記パネル6となっている。
無人搬送システム1においては、ステーション3・3間で、走行経路4に沿ってパネルが配置されて、搬送車2とステーション3との間、または搬送車2とパネル6との間の隙間が局限されるようにしている。パネル6は、矩形状の平板部材であり、ステーション3・3間に隙間なく設けられている。
ステーション3には、本体フレーム7の開口側正面壁7cに、搬送車2と対向する物品受渡口7bが形成されている。つまり開口側正面壁7cは、搬送車2と対向するように(搬送車2の進行方向に沿って)形成されている。そして、該開口側正面壁7cの前後両端に、パネル6の前後一側端が接触するようにパネル6を配置して、走行経路4がステーション3とパネル5とに隙間なく囲まれるようにする。
つまり、ステーション3の物品受渡口7bの前後に、本体フレーム7の開口側正面壁7cもしくはパネル6により、搬送車2に対向する壁部材を形成するものである。
そして、前記局限された隙間内で、第一空気噴出手段がステーション3またはパネル6に向けてエアを噴出する。
【0025】
搬送車2との間に若干の隙間を開けてパネル6(又はステーション3)を配置することで、第一には、前記前側空気の空気流A0の物品受渡口9a側への回り込み量が制限され、第二には、各エアノズル13により形成されるエアカーテンの長さを短縮できるので、噴射されるエアの圧が、搬送車2からパネル6に到達するまでに圧力低下しにくくなる。
したがって、物品収納庫9a内への塵埃の侵入を防ぐために要するエアの噴射量を、パネル6を設けない場合と比べて、低減することができる。
また、開口側正面壁7cもしくはパネル6により形成される壁部材に向けて、第一空気噴出手段がエアを噴射することで、該壁部材およびシャッタ8・8に付着した塵埃を除去しながら、搬送車2が走行する。したがって、シャッタ8・8の開時に巻き上がる塵埃がないため、物品受渡口7b・9b間で移載される物品5に塵埃が付着することがない。
【0026】
なお、以上の効果は、少なくとも物品受渡口7bの前後に壁部材が形成される構成であればよい。本実施例では、パネル6はステーション3・3間を埋め尽くすように、全面的に配置する構成としているが、途中のパネルを省略して、ステーション3の少なくとも前後位置に適当数のパネル6を配置して、前記開口側正面壁7cおよび適当数のパネル6により、壁部材が形成される構成としてもよい。
【0027】
走行時、特に、前述したシャッタ10・10を開放した移載前の準備状態において、搬送車2の進行方向前方からの空気流A0の影響を除くためには、少なくとも、前記前側でエアを噴出する第一空気噴出手段(空気噴出部14F)が駆動していれば良い。このときに最も影響が大きいのは、搬送車2の走行に伴って生じる前側からの空気流A0であるが、前記前側の第一空気噴出手段は、該空気流A0の流れ方向を矯正したり、弱化させる作用があり、また、前記ステーション3側のシャッタ8・8の塵埃を除去する作用をも有する。
したがって、前記走行時において、制御手段17は、少なくとも前記前側の第一空気噴出手段を作動させる。
【0028】
搬送車2には、物品5にクリーンエアを噴出して、物品収納庫9a内を陽圧とする庫内空気噴出手段が設けられている。
図3に示すように、庫内空気噴出手段は、車体フレーム9の上部に設けたファン・フィルタ・ユニット(以下FFU)18と、物品収納庫9a内部に開口する図示せぬエアノズルとから構成される。FFU18はエアフィルタを備えており、クリーンエアを供給可能である。
【0029】
このため、庫内空気噴出手段の駆動により物品収納庫9a内が常時クリーンに保たれる。
また、物品収納庫9a内が陽圧とされるので、シャッタ10・10を開放した状態で、特に、前記移載前の準備状態において、外部空気の流入が防止される。
【0030】
次に、前記シャッタ10・10について説明する。
搬送車2には、前述したように、物品収納庫9aを開閉する扉として、一対のシャッタ10・10が、車体フレーム9の左右にそれぞれ設けられている。
このため、シャッタ10・10を閉じることで、物品受渡口9aから塵埃が物品収納庫9a内へ侵入することを防ぐことができる。
搬送車2は、目的のステーション3に近づくと、移載準備のために、シャッタ10・10を開放しながら走行するが、通常の搬送走行時には、シャッタ10・10を開放する必要はない。したがって、必要に応じてシャッタ10・10を閉じることで、前記第一空気噴出手段を駆動させることなく、物品収納庫9a内をクリーンに保つことができる。
【0031】
図8を用いて、シャッタ10・10の開閉機構について説明する。
シャッタ10・10は、合成樹脂をシート状に形成して、屈曲させても折り目がつかない部材としている。そして、シャッタ10・10はそれぞれ、中央から左右へ引戸状に物品受渡口9aを開閉するものとし、開放状態のシャッタ10・10のそれぞれが、直角に向きを屈曲されて、搬送車2の左右方向内側に収納されるようにしている。
シャッタ10・10の駆動手段として、駆動モータ20と、コ字形状の循環経路を移動する駆動ベルト21とが、設けられている。前記循環経路に沿って、駆動モータ20により駆動される駆動プーリ22および従動プーリ23・23・・・、テンションローラ24・24・・・が配置され、駆動ベルト21が駆動モータ20により駆動されるようにしている。
シャッタ10には、移動方向の両端に、ガイド部25a・25bが固設されており、該ガイド部25a・25bが駆動ベルト21と連結金具26・26を介して、連結される。駆動ベルト21は循環経路を移動するようになっているため、搬送車2に対する外側部分21aと、内側部分21bとで移動方向が逆転している。そして、一方のシャッタ10を駆動ベルト21の外側部分21aに固定し、他方のシャッタ10を駆動ベルト21の内側部分21bに固定することで、同一の駆動ベルト21の駆動により、両シャッタ10・10を同時に開閉可能としている。
また、両シャッタ10・10のガイド部25a・25aは、物品受渡口9aの上下に設けるガイド27・27により、前後方向(シャッタ10・10の開閉方向)に案内される。ガイド27は、ガイドレール27aと、該ガイドレール27aに対して摺動するガイド部材27bとから構成され、上下のガイド部材27b・27bにシャッタ10のガイド部25aが固設されて、シャッタ10が案内される。
このように構成されているため、一対のシャッタ10・10は、物品受渡口9bに沿って同一直線上を接近・離間するようになっており、シャッタ10・10の縁と縁とを密着させることができる。
【0032】
以上構成により、シャッタ10・10は引戸状としながらも、屈曲させ収納するので、収納が省スペースで可能である。
また、シャッタ10・10は両開きとされているので、一つのシャッタにより開閉を行う場合と比べて、高速開閉が可能である。さらに、両開きとすることで、搬送車2の前後方向で対称となっており、搬送車2が前後いずれの側からステーション3に接近しても、シャッタ10・10の開放タイミングを同一とすることができる。
なお、シャッタ10・10の開閉機構は、前述したベルト式に代えて、駆動軸の回りに巻き取る巻取り式としてもよい。
【0033】
図3、図5を用いて、物品受渡口9bの上縁部からダウンフローとなるエアを噴出する第二空気噴出手段について説明する。
ダクト12の側方延出部12aの内側上端、つまり、物品受渡口9bの上縁部となる部位には、エアノズルが設けられる。該エアノズル群により空気噴出部28が構成される。
そして、前記上縁部に位置する空気噴出部28と、該空気噴出部28へダクト12を介してクリーンエアを供給可能な前記FFU16・29・29とにより、第二空気噴出手段が構成される。なお、図6に示すように、各空気噴出手段は、陽圧発生源としてのFFU16・29・29をそれぞれ兼用する構成である。
【0034】
第二空気噴出手段の駆動により、シャッタ10・10の外面にクリーンエアが噴出されて、該外面に付着した塵埃を除去することが可能である。したがって、シャッタ10・10の開放前に、第二空気噴出手段を駆動させることで、シャッタ10・10の外面に付着した塵埃が物品収納庫9a内に侵入することを防止できる。また、シャッタ10・10の開放時に、第二空気噴出手段を駆動させることで、物品受渡口9bを閉じるエアカーテンを形成することができ、物品受渡口9bが開放された状態でも物品収納庫9a内への塵埃の侵入を防止できる。
【0035】
次に、図9、図10を用いて、搬送車2とステーション3との間での移載作業の各過程の一例について説明する。
図9、図10では、物品5を収容した搬送車2が目的のステーション3に向かって走行し、目的のステーション3に到着後、物品5をステーション3に移載して、その後、ステーション3から離れて走行していく過程を示している。
【0036】
本明細書において、「移載作業」は「移載動作」と「移載前予備動作」と「移載後予備動作」とを合わせたものとする。
「移載動作」とは、物品受渡口7bと物品受渡口9bとが対向した後に、移載装置11による物品5の移載に関わる作業を指すものとする。
また、「移載前予備動作」とは、物品受渡口7bと物品受渡口9bとが対向する前における、シャッタ10・10の開閉や各空気噴出手段の駆動に関わる作業を指すものとし、「移載後予備動作」は同じく前記「移載動作」完了した後の各種作業を指す。前述の「移載前の準備状態」とは、特に、「移載前予備動作」の実行状態のことを指す。
【0037】
図9(a)に示すように、搬送車2が、移載目的のステーション3の手前の第一所定位置に到達すると、「移載前予備動作」が開始される。「移載前予備動作」の開始時は、「移載作業」の開始時である。
すなわち、搬送車2は、まず、前記各空気噴出手段および吸引手段の駆動を開始する。吸引手段である吸引ダクト19Fで物品収納庫9aの物品受渡口9b側へ回り込む前記空気流A0の大部分を吸引する。そして、第一空気噴出手段は、パネル6に向かって逆凹字状のエアカーテン、いわば空気の壁を作って、吸引手段で弱まった空気流A0が物品受渡口9b側へ侵入するのを防ぐと共に、開口側正面壁7cに付着した塵埃を除去する。庫内空気噴出手段は、物品収納庫9a内を陽圧として、シャッタ10・10の開放時の塵埃の侵入を防止する。第二空気噴出手段は、シャッタ10・10の外面に付着した塵埃を除去する。
【0038】
図9(b)に示すように、搬送車2が、移載目的のステーション3の手前の第二所定位置に到達すると、シャッタ10・10の開放が開始される。
ここで、搬送車2に備えるシャッタ10・10と、ステーション3に備えるシャッタ8・8とが同期して駆動するように、シャッタ8・8の開放タイミングに対応して、シャッタ10・10の開放タイミングが設定されている。つまり、シャッタ8・8が完全に開放された時点で、シャッタ10・10も同時に完全に開放されるようにしている。
なお、ステーション3に備えるシャッタ8・8も、中央から左右に向けて開閉する引戸、もしくは前記シャッタ10・10と同様に引戸状とされている。
加えて、図9(c)に示すように、シャッタ8・8とシャッタ10・10との開放が完了した時点で、両物品受渡口7b・9bが重複するようにしている。そして、搬送車2がステーション3の直側方に到着した時点で、物品受渡口7bと物品受渡口9bとを結ぶ移載経路が形成されるように、搬送車2の走行速度が制御される。このため、前記到着時点で、「移載動作」が直ちに開始可能である。
【0039】
物品収納庫9aは、「移載前予備動作」の開始時より、前記各空気噴出手段の作動によりエアカーテンで保護されているので、シャッタ10・10の開閉に関わりなく塵埃が侵入してくることがない。
一方、ステーション3の物品収納庫7aは、本実施例では、外部へエアを噴出する噴出手段を備えぬ構成であるが、搬送車2に備える第一空気噴出手段により、シャッタ8・8を開けた際に、物品収納庫7a内部が保護されるようにしている。
つまり、シャッタ8・8の開放の開始は、第一空気噴出手段の空気噴出部14Fによるエア噴出位置が、物品受渡口7bの前後中央位置を越えた時点以降に行う。そして、シャッタ8・8の開口部分を、第一空気噴出手段により噴出されるエアで前後および上方を囲いながら、搬送車2が走行する。このようにして、「移載前予備動作」において、物品収納庫7a・9a内の空気が、シャッタ8・8およびシャッタ10・10の開閉度に関わりなくクリーンに保つようにしている。
また、開口側正面壁7cおよびパネル6からなる壁部材上の塵埃も、第一空気噴出手段のエア噴射により除去されるので、該壁部材上の塵埃が、シャッタ8・8およびシャッタ10・10の開口を介して、物品収納庫7a・9a内に侵入することがない。
【0040】
図9(c)に示す状態は、搬送車2が移載目的のステーション3に到着した状態、つまり、物品受渡口7b・9bが重複する状態である。このときの搬送車2の停止位置を、第三所定位置とする。
搬送車2は第三所定位置に到着すると停止して、「移載動作」を開始する。この時点が「移載前予備動作」の終了時であり、前述したように、シャッタ8・8およびシャッタ10・10の開放が完了している。「移載動作」は、具体的には、前記スカラアーム式の移載装置11を駆動させて、物品5をステーション3側へ移動させて行う。
【0041】
なお、「移載動作」中は、物品5に塵埃が付着するのを防ぐために、エアカーテンを継続して作り続けておく必要があり、空気噴出手段は継続的に動作させておく必要があるが、走行中の空気流が物品収納庫9aに入るのを効果的に防ぐために用いられる前記吸引手段(吸引ダクト19F)は、電力の消費を抑えるために停止させても良い。吸引手段を停止させた場合は、走行を開始する「移載後予備動作」へ進むときに、再度作動させるようにする。
【0042】
図10(d)に示すように、移載装置11の移載ハンド(物品支持部)11aが、物品受渡口7b・9bを通過してステーション3内に挿入されて、物品5が物品収納庫9aより物品収納庫7aへ移載される。
【0043】
図10(e)に示すように、物品5のステーション3への移載が終了すると、前記移載ハンド11aが物品収納庫9a内に収納され、「移載動作」が完了する。
「移載動作」が完了すると、シャッタ8・8およびシャッタ10・10の閉止が開始される。同時に、搬送車2の走行が開始される。この時点は、「移載動作」の完了時点であると共に、「移載後予備動作」の開始時点である。
なお、「移載動作」中は、前記各空気噴出手段は作動状態のままとされており、物品受渡口7b・9b間の経路の外側にエアカーテンが形成されたままであり、該経路内および物品収納庫7a・9a内に、塵埃を含んだ外部空気が侵入することがない。
【0044】
そして、「移載動作」が完了した搬送車2は、移動を開始し、図10(f)に示すように、搬送車2がステーション3の奥側となる第四所定位置に到達すると、シャッタ8・8およびシャッタ10・10の閉止が完了する。シャッタ8・8およびシャッタ10・10の閉止が完了すると、前記各空気噴出手段および吸引手段の駆動が停止される。この時点が、「移載後予備動作」の終了時である。
シャッタ8・8の閉止の完了は、第一空気噴出手段の空気噴出部14Rによるエア噴出位置が、物品受渡口7bの前後中央位置を越える時点以前に行う。このように、シャッタ8・8の閉止の完了を制御することで、搬送車2が移動中であってもシャッタ8・8の開口部分は、常に第一空気噴出手段によるエアカーテンで覆われることとなり、物品収納庫7aに塵埃が侵入することがない。
「移載後予備動作」が終了すると、搬送車2は、次の移載目標となるステーション3まで、前記各空気噴出手段を停止させたまま、走行する。「移載後予備動作」の終了時は、「移載作業」の終了時である。
【0045】
なお、物品収納庫9a内をよりクリーンに保つために、庫内空気噴出手段は、常時作動させておいても良い。また、ステーション3の物品収納庫7bのシャッタ8・8は、その開口がエアカーテン内にあれば、その開閉するタイミングは、限定されるものではない。
【0046】
以上のようにして、「移載前予備動作」、「移載動作」、「移載後予備動作」からなる「移載作業」の開始時から終了時までの間は、前記各空気噴出手段が作動するように、前記制御手段17は各空気噴出手段を制御する。
このため、物品5の移載を行うことによって、塵埃が物品収納庫7a・9aに侵入したり、物品5に付着したりすることがない。
【0047】
また、搬送車2に備えるシャッタ10・10は、搬送車2での異常発生時には、自動的に閉止されるように構成されている。該異常発生とは、搬送車2に備える空気噴出手段や電気系統の故障や、搬送車2外部の故障等により搬送車2への給電が停止などが発生した場合を意味する。
シャッタ10・10は、その駆動モータ20およびその制御手段が不図示の小型予備電源に接続されており、前記異常時には、常時充電されている二次電池やコンデンサ等の小型予備電源からの電力によりシャッタ10・10を閉じるように構成されている。また、予備電源などを用いずに、シャッタ10・10に不図示の付勢手段を設け、シャッタ10・10を閉める方向に付勢するようにしても良い。
【0048】
このため、搬送車2に備える空気噴出手段や電気系統の故障や、搬送車2外部の故障等により搬送車2への給電が停止などが発生した際に、物品収納庫9aを扉であるシャッタ10・10により密封して、前記各空気噴出手段の作動が停止しても、物品収納庫9a内部をクリーンに保つことができる。
また、異常時にシャッタ10・10を閉める構成とすることで、通常はシャッタ10・10を閉じることなく開放しておき、異常時のみシャッタ10・10を閉めるような搬送車としても良い。その場合、前記物品収納庫9a内に塵埃が入るのを防ぐために、各空気噴出手段を常時作動させておく必要があり、物品受渡口9bの周囲にエアカーテンを形成しておくことが好ましく、そのために第一空気噴出手段を常時作動させておくことが好ましい。物品収納庫9a内に塵埃が入るのをより確実に防ぐためには、さらに庫内空気噴出手段も常時作動させておくことが好ましく、さらに、強力なエアカーテンを作るために、第二空気噴出手段を作動させておくことが好ましい。なお、走行中は、進行方向前方からの前記空気流A1を防ぐために、第一空気噴出手段に加えて、前記エアの吸引手段を動作させるようにすることが好ましい。
【0049】
次に、図11を用いて、前記第一空気噴出手段および第二空気噴出手段を個別制御する第二実施例の搬送車の制御構成について説明する。
第二実施例の搬送車は、第一空気噴出手段および第二空気噴出手段の制御構成が異なるのみで、他の点は第一実施例の搬送車2と同一である。したがって、以下において、同一部材に関しては同符号を用いると共に説明は省略し、両実施例で相違する制御構成についてのみ説明する。
【0050】
図11に示すように、第一空気噴出手段を構成する各空気噴出部とFFU16・29・29とは、エア配管を介して連通接続される。該各エア配管上には、電磁バルブが設けられており、各空気噴出部へのエア供給量を調整可能である。FFU16・29・29から空気噴出部14Fへのエア配管上には、バルブ31が設けられ、空気噴出部14Rへのエア配管上にはバルブ32、空気噴出部15へのエア配管上にはバルブ33が設けられる。
また、第二空気噴出手段の空気噴出部28とFFU16・29・29とも、エア配管を介して連通接続される。該各エア配管上にも、電磁バルブが設けられており、各空気噴出部へのエア供給量を調整可能である。FFU16・29・29から空気噴出部28へのエア配管上には、バルブ34が設けられる。
【0051】
搬送車2には、第一空気噴出手段を制御する制御手段37が設けられている。制御手段37は電子回路で構成されており、該制御手段37と信号伝達可能に接続される各装置を制御する。
制御装置37には、FFU16・29・29、前記各バルブ31・32・33・34が信号伝達可能に接続されており、制御装置37はこれらの各装置を制御する。そして、制御装置37がFFU16・29・29の駆動や各バルブ31・32・33・34の開閉量を制御することにより、各空気噴出手段による空気噴射量をそれぞれ調整可能である。
前述したように、移載作業時間を短縮するために、搬送車2は、移載目的となるステーション3へ到達する前に、前記シャッタ10・10を開放して、移載準備を行う。シャッタ10・10を開放した状態で走行すると、搬送車2の前側の空気が搬送車2に対して陽圧として作用し、物品収納庫9a内に侵入しようとする。前記移載前の準備状態において、空気噴出部14Fからの空気噴射量を、他の空気噴出部からの空気噴射量に比して多くすることで、FFU16・29・29の駆動性能を最大限活用することができる。
なお、制御装置37による各FFU16・29・29の駆動や各バルブ31・32・33・34の開閉量の制御には、各FFU16・29・29の停止、及び各バルブ31・32・33・34の全閉が含まれている。
【0052】
また、本実施の形態では、第一空気噴出手段によりステーション3側に向かって、下方が開放している門型のエアカーテンを作成し、庫内空気噴出手段及び第二空気噴出手段からのクリーンエアを利用することにより、前記実施の形態において第一空気噴出手段でカバーしきれない下方からの塵埃の侵入を防ぐようになっているが、物品受渡口9bの周囲をロ字状に囲むようにエアノズル13を配置するようにしても良い。このようにロ字状にエアノズル13を配置することで、移載中に物品5に塵埃が付着することをより確実に防ぐことができる。また、第一空気噴出手段の各エアノズル13は、広がる方向にエアが噴出するように配置されているが、進行方向に対して法線方向となるようにエアを真っ直ぐ噴出するようにしても良い。また、第一空気噴出手段の空気噴出部14F・14R・15及び補助空気噴出手段の空気噴出部45F・45R(後述、図12、図13に図示)に、空気量調整手段を設け、全て均一にエアが噴出されるようにしても良く、角部などを部分的に多く噴出するようにしても良い。
【0053】
また、本実施の一形態では、走行に伴って発生する進行方向前方からの前記空気流A1を防ぐために、第一空気噴出手段に加えて、前記エアの吸引手段を動作させるようにしているが、この吸引手段の代わりに、進行方向前方にエアを噴射する補助空気噴出手段にしても良い。
つまり、前記吸引ダクト19F(19R)と同じ位置(第一空気噴出手段の空気噴出部14F(14R)より走行方向前側)に配置した空気噴出部から、進行方向前方へエアを噴出する。この補助空気噴出手段により、進行方向前側の空気の壁を厚くすることで、前記空気流A1をより確実に防ぐことができる。
この補助空気噴出手段は、前記のように噴出部が第一空気噴出手段の空気噴出部14F(14R)より進行方向前側に配置されるのであるが、この噴出部の形状は上下方向に渡って、エアを進行方向前方へ噴出できるようにしたものであれば良く、空気噴出部とファンとは一体または別体に構成することができる。また、空気噴出部へ供給するエアは、前記第一空気噴出手段のようにクリーンエアとすることも考えられるが、むしろフィルタが設けられていないファンユニットからのエアを利用することが、より強いエアを供給することができ、この補助空気噴出手段の第一の目的である前記空気流A1の侵入を防止する観点から、より好ましいものとなる。
【0054】
図12を参照しながら、前記補助空気噴出手段を備えた第三実施例の無人搬送車52について説明する。
無人搬送車52に備える補助空気噴出手段は、空気噴出部とファンとが一体となったクロスフローファンで構成されている。クロスフローファン40F(40R)は、前記第一空気噴出手段の空気噴出部14F(14R)の走行方向の前側および後側に設けられている。搬送車52は前後方向に走行するものであるため、空気噴出部14F・14Rが搬送車52の前後に設けられている。
【0055】
図13で示すように、クロスフローファン40Fは、本体41と、水平方向に回転する羽根車42とを備えている。本体41は、羽根車42を支持するための一対の支持部43・43と、羽根車42により空気を吸引する吸引ダクト44と、吸引した空気を噴出する空気噴出部45Fとを備えている。羽根車42は、上下方向に回転軸が形成され、回転軸に沿って略全体に渡る羽46を回転軸から放射状に多数配設している。吸引ダクト44は、本体41の略全長に渡って設けられた開口であって、開口を覆うようにメッシュ48が配設される。空気噴出部45Fは、吸引ダクト44と隣接する面に形成され、吸引した空気が吸引方向と直交する方向に排出されるようになっており、この噴出方向を変えるための風向板47が本体41に設けられている。
図12に示すように、クロスフローファン40F(40R)は、吸引ダクト44が進行方向前側に向かって配置され、空気噴出部45F(45R)がステーション3側に向かうようになっており、さらに、空気噴出部45F(45R)からのエアの排出方向が、進行方向斜め前方となるように、風向板47が調整されている。このように、補助空気噴出手段であるクロスフローファン40F(40R)の空気噴出部45F(45R)から強いエアが噴出されることで、前記エアカーテンの外側の進行方向前側に形成される空気の壁をより強力なものとすることができると共に、ステーション3の物品収納庫7aに付着している塵埃をより確実に除去することができる。なお、補助空気噴出手段は、クリーンエアのエアカーテンの外側に形成され、エアカーテン内が汚染されることはないため、補助空気噴出手段にフィルタが設けられていなくても構わない。
【0056】
【発明の効果】
請求項1記載の如く、走行経路に沿って配置されるステーションとの間で物品の受け渡しを行う物品受渡口を有する物品収納庫を備えた無人搬送車であって、該物品受渡口の周囲に配置されてステーションへ向けてエアを噴出する第一空気噴出手段を備えたので、
物品受渡口の周囲からステーションに向けてエアを噴出することで、物品受渡口の周囲にエアカーテンを形成し、そのエアによりステーションに付着している塵埃を吹き飛ばすと共に、搬送車がステーションと対向する位置で停止することにより、物品受渡口とステーションとの間の移載経路にエアカーテンを形成することができる。このため、物品受渡口を塞ぐ扉の有無に関わらず、塵埃が物品受渡口から物品に付着することを防ぐことができ、ステーションをクリーンにしてステーションの移載準備を補助すると共に、移載中に物品に塵埃が付着するのを防ぐことができる。そして、無人搬送車がステーションに着くと同時に移載を開始させることができ、生産効率を向上させることができる。
【0057】
請求項2記載の如く、前記第一空気噴出手段より進行方向前側に配置される吸引手段を備えたので、
無人搬送車の走行により発生する進行方向前側からの空気を吸引することができ、走行により発生した空気がエアカーテンを通過するのをより確実に防ぐことができる。
【0058】
請求項3記載の如く、前記第一空気噴出手段より進行方向前側に配置される補助空気噴出手段を設けたので、
無人搬送車の走行により発生する進行方向前側からの空気に対して、空気の壁を設けることができ、走行により発生した空気がエアカーテンを通過するのをより確実に防ぐことができる。
【0059】
請求項4記載の如く、前記物品受渡口上縁部からダウンフローとなるエアを噴出する第二空気噴出手段を設けたので、
第二空気噴出手段の駆動により、扉の外面にクリーンエアが噴出されて、該外面に付着した塵埃を除去することが可能である。したがって、扉の開放前に、第二空気噴出手段を駆動させることで、扉の外面に付着した塵埃が物品収納庫内に侵入することを防止できる。また、扉の開放時に、第二空気噴出手段を駆動させることで、物品受渡口を閉じるエアカーテンを形成することができ、物品受渡口が開放された状態でも物品収納庫内への塵埃の侵入を防止できる。
【0060】
請求項5記載の如く、物品を受け渡すための物品受渡口を有する物品収納庫を備えた無人搬送車と、無人搬送車の走行経路に沿って配置され、第一扉によって開閉して無人搬送車との間で物品を受け渡す物品受渡口とを有する物品収納庫を設けたステーションとを備え、ステーションの物品受渡口の無人搬送車の進行方向前後に壁部材を形成し、無人搬送車に、物品受渡口の周囲にステーションに向けてエアカーテンを形成するようにエアを噴出する空気噴出手段が配置されるので、
ステーションは第一扉により物品収納庫へ塵埃が入るのを防ぐことができ、無人搬送車は空気噴出手段で形成されるエアカーテンにより物品収納庫へ塵埃が入るのを防ぐことができる。そして、エアカーテンを形成することで、無人搬送車の走行中に扉の有無に関わらず、塵埃が庫内に入るのを防ぐことができ、無人搬送車がステーションに停止するための移動によりステーションの第一扉に付着している塵埃を除くことができる。そして、無人搬送車がステーションに停止することで、無人搬送車及びステーションの両物品受渡口との間に形成される移載経路をクリーンにすることができ、移載中に物品に塵埃が付着するのを防ぐことができる。この結果、無人搬送車がステーションに到着する前に無人搬送車の移載準備をすることができると共に、無人搬送車の到着に伴い第一扉を開けることが可能となり、搬送効率を向上させることができる上、移載中に物品に塵埃が付着するのを防ぐことができる。さらに、壁を形成することで、無人搬送車と壁との間に狭い空間を形成することができ、この空間をクリーンにすればよいので、エアカーテンを確実に形成することができる。この結果、無人搬送車の物品収納庫へ塵埃が入るのをより確実に防ぐことができると共に、移載中に物品に塵埃が付着するのをより確実に防ぐことができる。
【0061】
請求項6記載の如く、前記無人搬送車の物品受渡口に、開閉自在な第二扉が配置され、前記第一扉及び第二扉は、無人搬送車がステーションの停車位置へ着く前から開き始め、停車位置を離れてから閉じ終わるように制御され、第一扉が開き始めて閉じ終わるまで、第一扉の開口が前記エアカーテン内に位置するので、無人搬送車に第二扉を設けることで、扉が閉まっているときには各空気噴出手段の作動を停止させることができる。この結果、無人搬送車の消費電力を減らすことができる。また、第一扉および第二扉は、無人搬送車がステーションに停止する前から開き始め、ステーションを離れてから閉まるので、生産効率をより高めることができる。そして、ステーションに配置する第一扉の開口が常にエアカーテン内にあるようにするので、無人搬送車が移動中に第一扉を開閉しても、塵埃がステーションの物品収納庫に侵入することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】無人搬送システム1の構成を示す概略図である。
【図2】ステーション3に対向する搬送車2を示す平面断面図である。
【図3】搬送車2を示す斜視図である。
【図4】搬送車2およびステーション3の正面一部断面図である。
【図5】ダクト12の斜視図である。
【図6】各空気噴出手段の制御構成を示すブロック図である。
【図7】移載準備時の各空気流の流れを示す平面図である。
【図8】シャッタ10・10の開閉機構を示す斜視図である。
【図9】シャッタ10・10開放から移載動作開始前までの過程を示す搬送車2およびステーション3の概略平面図である。
【図10】移載動作開始後からシャッタ10・10閉止までの過程を示す搬送車2およびステーション3の概略平面図である。
【図11】第二実施例における各空気噴出手段の制御構成を示すブロック図である。
【図12】第三実施例の搬送車52を示す斜視図である。
【図13】補助空気噴出手段を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 無人搬送システム
2 搬送車(第一実施例)
3 ステーション
4 走行経路
5 物品
6 パネル
7a 物品収納庫
7b 物品受渡口
7c 開口側正面壁
8 シャッタ(扉)
9a 物品収納庫
9b 物品受渡口
10 シャッタ
14F・14R 空気噴出部(第一空気噴出手段の一部)
15 空気噴出部(第一空気噴出手段の一部)
16 FFU(第一空気噴出手段の一部)
17 制御手段
18 FFU(庫内空気噴出手段の一部)
19 吸引ダクト
28 空気噴出部(第二空気噴出手段の一部)
29 FFU(第二空気噴出手段の一部)
37 制御手段
40F・40R クロスフローファン(補助空気噴出手段)

Claims (6)

  1. 走行経路に沿って配置されるステーションとの間で物品の受け渡しを行う物品受渡口を有する物品収納庫を備えた無人搬送車であって、該物品受渡口の周囲に配置されてステーションへ向けてエアを噴出する第一空気噴出手段を備えたことを特徴とする無人搬送車。
  2. 前記第一空気噴出手段より進行方向前側に配置される吸引手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の無人搬送車。
  3. 前記第一空気噴出手段より進行方向前側に配置される補助空気噴出手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の無人搬送車。
  4. 前記物品受渡口上縁部からダウンフローとなるエアを噴出する第二空気噴出手段を設けたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の無人搬送車。
  5. 物品を受け渡すための物品受渡口を有する物品収納庫を備えた無人搬送車と、無人搬送車の走行経路に沿って配置され、第一扉によって開閉して無人搬送車との間で物品を受け渡す物品受渡口とを有する物品収納庫を設けたステーションとを備え、ステーションの物品受渡口の無人搬送車の進行方向前後に壁部材を形成し、無人搬送車に、物品受渡口の周囲にステーションに向けてエアカーテンを形成するようにエアを噴出する空気噴出手段が配置される、ことを特徴とする無人搬送システム。
  6. 前記無人搬送車の物品受渡口に、開閉自在な第二扉が配置され、前記第一扉及び第二扉は、無人搬送車がステーションの停車位置へ着く前から開き始め、停車位置を離れてから閉じ終わるように制御され、第一扉が開き始めて閉じ終わるまで、第一扉の開口が前記エアカーテン内に位置する、ことを特徴とする請求項5に記載の無人搬送システム。
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