JP2004060271A - 柱用鉄骨の位置修正用治具 - Google Patents
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Abstract
【課題】より小さい力で操作可能である柱用鉄骨の水平位置修正用治具を提供すること。
【解決手段】本発明の治具は本体(20)を有する。本体は、両柱用鉄骨のエレクションピース(16,18)の少なくとも一部をそれぞれ受け入れ可能である空間(30)と一方のエレクションピースの両側面に向けて空間にそれぞれ開放する一対のスリット(31)とを有し、また一方のエレクションピースに対してその側面に向けて水平方向へ相対変位可能である。治具は、さらに、本体の各スリットを経て空間(30)内に伸び、一方のエレクションピースの側面と各スリットの端部とに当接可能である楔部材(26)と、本体に揺動可能にそれぞれ支持された一対の雄ねじ部材(22)と、両楔部材にそれぞれ揺動可能に取り付けられかつ両雄ねじ部材に噛合された一対の雌ねじ部材(24)と、他方のエレクションピースを本体に固定するための固定手段(28)とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の治具は本体(20)を有する。本体は、両柱用鉄骨のエレクションピース(16,18)の少なくとも一部をそれぞれ受け入れ可能である空間(30)と一方のエレクションピースの両側面に向けて空間にそれぞれ開放する一対のスリット(31)とを有し、また一方のエレクションピースに対してその側面に向けて水平方向へ相対変位可能である。治具は、さらに、本体の各スリットを経て空間(30)内に伸び、一方のエレクションピースの側面と各スリットの端部とに当接可能である楔部材(26)と、本体に揺動可能にそれぞれ支持された一対の雄ねじ部材(22)と、両楔部材にそれぞれ揺動可能に取り付けられかつ両雄ねじ部材に噛合された一対の雌ねじ部材(24)と、他方のエレクションピースを本体に固定するための固定手段(28)とを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄骨柱の建方において、先に設置された柱用の下方の鉄骨と、該鉄骨上に配置されこれに継ぎ足される上方の鉄骨との間に生じた水平方向に関する位置的関係の修正に用いられる治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、下方の鉄骨上に載置された上方の鉄骨の水平方向に関する位置を修正するための治具が提案されている(特開平11−303404号)。
【0003】
この治具は、下方の鉄骨の上端部及び上方の鉄骨の下端部にそれぞれ取り付けられ上下方向に伸びかつ互いに相対する両側面を有する一対のエレクションピースに固定される本体と、4つのボルトとを備える。
【0004】
前記治具の本体は、両エレクションピースの一部を受け入れ可能である空間を有する。前記空間は、これに受け入れられる下方の鉄骨のエレクションピースの側面に向けて前記本体が水平方向に相対変位が可能である大きさ、より詳細には幅寸法を有する。前記本体は、また、前記空間に受け入れられる下方の鉄骨のエレクションピースの両側面に向けてそれぞれ伸びる一対のねじ孔と、前記空間に受け入れられる上方の鉄骨のエレクションピースの側面に向けて伸びる2つのねじ孔とを有する。これらの4つのねじ孔には、それぞれ、前記4つのボルトが噛合されている。
【0005】
前記従来の治具は、上方の鉄骨の水平方向に関する位置的関係の修正の際、下方の鉄骨及びこれに載置された上方の鉄骨の両エレクションピースに取り付けられ、その本体の空間に両エレクションピースの一部を受け入れる。前記本体は、前記2つのボルトを回転操作させて上方の鉄骨のエレクションピースの側面に突き当てることにより、該エレクションピースに固定される。
【0006】
固定後、他の一対のボルトの一方を回転操作により該ボルトを前進させて下方の鉄骨のエレクションピースの側面に突き当て、かつ他方のボルトの回転操作による後退を行うと、下方の鉄骨のエレクションピースに対して前記治具の本体及び該本体に固定された上方の鉄骨に水平方向への相対変位が生じ、下方の鉄骨に対する上方の鉄骨の水平方向位置の修正が行われる。
【0007】
しかし、前記一方のボルトを前進させるための回転操作には該ボルトの頭部に大きいトルクを加える必要があるところ、過大なトルクの付加によって前記ボルトの頭部が潰れることがある。頭部が潰れたボルトはねじ孔からの抜き出しが不可能となるために切断され、治具としての使用が不可能となる。また、大きいトルクを加えるために必要な腕の長い工具の持ち運びは不便であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、より小さい力で操作可能である柱用鉄骨の水平位置修正用治具を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、先に設置された柱用の下方の鉄骨と、該鉄骨上に載置されこれに継ぎ足される上方の鉄骨との間に生じた水平方向に関する位置的関係を修正すべく、前記下方の鉄骨の上端部及び前記上方の鉄骨の下端部にそれぞれ取り付けられた上下方向に伸びかつ互いに相対する側面を有する一対のエレクションピースに適用される治具を提供する。
【0010】
本発明に係る治具は、本体を有する。本体は、両エレクションピースの少なくとも一部をそれぞれ受け入れ可能である空間を有し、該空間に受け入れられる一方のエレクションピースの両側面に向けて前記空間にそれぞれ開放する一対のスリットを有し、また前記空間に受け入れられる一方のエレクションピースに対してその側面に向けて水平方向へ相対変位可能である。本発明の治具は、さらに、前記本体の各スリットを経て前記本体の空間内に伸びる楔部材であって前記本体の空間に受け入れられる一方のエレクションピースの側面と前記本体の各スリットの端部とに当接可能である楔部材と、前記本体に揺動可能にそれぞれ支持された一対の雄ねじ部材と、両楔部材にそれぞれ揺動可能に取り付けられた一対の雌ねじ部材であって両雄ねじ部材にそれぞれ噛合された一対の雌ねじ部材と、前記本体の空間に受け入れられる他方のエレクションピースを前記本体に固定するための固定手段とを備える。
【0011】
前記本体が、両雄ねじ部材が取り付けられる一対の張出部を有するものとすることができる。好ましくは、各スリットの端部が傾斜面からなる。また、前記固定手段は、前記本体に設けられたねじ孔と、該ねじ孔に噛合された、前記本体の空間に受け入れられる他方のエレクションピースに当接可能であるボルトとからなるものとすることができる。
【0012】
【発明の作用および効果】
本発明に係る治具は、下方の鉄骨及びこれに載置された上方の鉄骨に対し、本体の空間に両鉄骨のエレクションピースの一部を受け入れるように配置され、その固定手段により、一方のエレクションピース、例えば上方の鉄骨のエレクションピースに固定される。
【0013】
上方の鉄骨のエレクションピースへの前記治具の取り付け後、該治具の本体に揺動可能に保持されている両雄ねじ部材をそれぞれ反対方向へ回転操作する。前記本体に対する一方の雄ねじ部材の一方向への回転により、これと噛合状態にある一方の雌ねじ部材が前記一方の雄ねじ部材の先端に向けて移動する。このとき、前記一方の雌ねじ部材に揺動可能に取り付けられている一方の楔部材が前記一方の雌ねじ部材と共に移動する。このとき、楔部材は前記治具の本体の空間内における下方の鉄骨のエレクションピースに向けて一方のスリットの端部を滑動する。反対に、他方の雄ねじ部材の他方向への回転により、他方の雌ねじ部材が前記他方の雄ねじ部材の頭部に向けて移動し、同時に、前記他方の楔部材が前記本体の空間から抜け出るように移動する。この間、各雄ねじ部材及び各雌ねじ部材がそれぞれ前記本体及び各楔部材に対して揺動する。
【0014】
前記一方の楔部材の進行に伴い、前記治具本体と該本体の空間内の下方の鉄骨のエレクションピースとが、それぞれ、前記楔部材と接触するスリットの端部と側面とにおいて、次第に増大する押圧力を受ける。その結果、前記下方の鉄骨のエレクションピースに対して、前記治具本体が水平方向へ移動する。前記本体の移動は、これに固定されている上方の鉄骨の水平方向移動を生じさせ、これにより、下方の鉄骨に対する上方の鉄骨の水平方向位置が修正される。
【0015】
前記楔の移動のために前記雄ねじ部材に加えるべき回転力(トルク)は、前記従来の治具において必要とされるボルトへの付与トルクに比べて小さく、このため、比較的小さいトルクをもって治具の操作を行い、上方の鉄骨を水平方向に変位させることができる。このとき、前記楔部材が接する前記スリットの端部を傾斜面とすることにより、前記雄ねじ部材の回転操作による前記楔部材の移動をより円滑にすることができる。
【0016】
前記固定手段として、前記従来におけると同様、前記本体に設けられたねじ孔と、該ねじ孔に噛合された、前記本体の空間に受け入れられる上方のエレクションピースに当接可能であるボルトとからなるものとし、前記ボルトの回転操作により、前記本体を前記エレクションピースに固定することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1を参照すると、柱の設置のために先に設置された柱用の下方の鉄骨10と、該鉄骨上に載置されこれに継ぎ足される上方の鉄骨12とが示されている。
【0018】
上方の鉄骨12は、下方の鉄骨10に対して水平方向のずれがあるとき、すなわち下方の鉄骨10と共軸関係にないとき、本発明に係る治具14を用いて、その水平方向に関する位置的関係を修正することができる。
【0019】
上方の鉄骨12は、その水平方向位置の修正後、下方の鉄骨10に例えば溶接により接合される。前記柱は、さらに上方に載置される他の鉄骨についての位置の修正及び上下両鉄骨の接合を繰り返すことにより形成される。
【0020】
図示の鉄骨10,12は矩形の横断面形状を有するが、本発明は、矩形以外の横断面形状、例えば円形の横断面形状を有する鉄骨についても適用することができる。
【0021】
下方の鉄骨10及び上方の鉄骨12には、それぞれ、板状を呈する複数の鋼製のエレクションピース(以下、単に「ピース」という。)16,18が取り付けられている。ピース16,18は、それぞれ、各鉄骨10,12の周方向へ互いに間隔をおいて配置されかつ各鉄骨に溶接されている(但し、その一つのみを示す。)。
【0022】
図示のピース16,18は全体に矩形状を呈し、前記鉄骨の外周面からその放射方向へ突出し、かつ前記鉄骨の上下方向へ伸びている。各鉄骨へのピース16,18の取り付けは、下方の鉄骨10についてはその設置前に、また上方の鉄骨12については下方の鉄骨10上への載置前に予め行われる。
【0023】
上方の鉄骨12は、これを下方の鉄骨10上に載置するとき、両鉄骨のピース16,18が上下に互いに相対することとなるように、例えばクレーンで吊り降ろされる。
【0024】
下方の鉄骨10上への上方の鉄骨12の載置後、上方の鉄骨12に水平方向のずれがあるとき、両鉄骨のピース16,18の一方、図示の例では上方の鉄骨のピース18に治具14を固定することにより該治具を両ピース16,18に取り付ける。
【0025】
図1及び図2に示すように、治具14は、鋼製の本体20と、一対の雄ねじ部材22と、両雄ねじ部材22にそれぞれ噛合した一対の雌ねじ部材24と、一対の楔部材26と、固定手段28とを備える。
【0026】
治具の本体20は箱形の形態を有する。図示の本体20は全体に細長く、両鉄骨10,12に相対するその開放面から両ピース16,18の少なくとも一部を受け入れ可能である1つの空間30を有する。すなわち、上方のピース18の上端から下方のピース16の下端までの距離以上の長さ寸法と、各ピースの幅寸法(厚さ寸法)以上の大きさの幅寸法と、両ピースの両鉄骨10,12からの突出長さより小さい奥行寸法とを有する空間30を備える。単一の空間30とする図示の例に代えて、両ピース16,18の一部をそれぞれ受け入れ可能である2つの空間(図示せず)とすることができる。
【0027】
本体の空間30の幅寸法については、特に、上方の鉄骨のピース18を受け入れる空間部分(上部分)が該ピースの厚さ寸法よりもわずかに大きく、かつ、下方の鉄骨のピース16を受け入れる空間部分(下部分)が該ピースの厚さ寸法よりもさらに一層大きいものに設定されている。これにより、空間30の下部分に受け入れられたピース16に対する治具本体14の水平方向への相対変位が可能とされている。
【0028】
本体20は、その両側部に、互いに相対する一対のスリット31(図2)をそれぞれ有する。両スリット31は、空間30の下部分に受け入れられる下方の鉄骨のピース16の両側面に向けて空間30にそれぞれ開放している。各スリット31には楔部材26が通されている。各スリット31の端部(図示の例では下端部)は、好ましくは、楔部材26が滑動可能である傾斜面32により規定されている。
【0029】
楔部材26は基部33と、スリット31を経て伸びる板状の先端部34とを有する。先端部34は、互いに協同して全体にV形を規定する垂直面35と傾斜面36とを有する。垂直面35は、本体の空間30内に受け入れられたピース16の一側面に当接し、また傾斜面36はスリット32の前記端部、図示の例では傾斜面32に当接している。
【0030】
これによれば、一方(図示の例では右方)の楔部材26を下方に推し進めかつ他方(同左方)の楔部材26を上方へ引き上げると、一方の楔部材26のいわゆる楔作用により、ピース16と一方のスリット32との間隔が漸増し、同時にピース16と他方のスリット32との間隔が漸減し、ピース16に対して治具本体20が水平方向(図2で見て右方)に相対移動する。その結果、治具本体20と共に上方の鉄骨12が同方向へ移動し、上方の鉄骨12の下方の鉄骨10に対する水平方向の位置ずれが解消される。
【0031】
楔部材26の移動は、後述するように、雄ねじ部材22を回転操作することにより行うことができる。楔部材26の移動に要する力は、前記従来の治具においてボルトに及ぼすべき水平方向力より小さい。このため、雄ねじ部材22は従来に比べてより小さい力での回転操作が可能である。
【0032】
本体20は、その上下方向におけるほぼ中間部に、両雄ねじ部材22を支持するための一対のアーム部又は張出部37を有する。両張出部37は、それぞれ、本体20の両側部から互いに反対方向へ伸びている。
【0033】
図3に示すように、各張出部37は全体にH形の横断面形状を有する。各張出部37の両先端部分は、それぞれ、雄ねじ部材22を揺動可能に支持するために設けられたC形を呈する一対の切欠き38を有する(図1,3)。
【0034】
また、雄ねじ部材22を支持するため、揺動部材40が張出部37の両先端部分間に配置され、かつ両切欠き38に懸架されている。
【0035】
他方、雄ねじ部材22にその軸部から張り出す鍔42が設けられている。鍔42は、雄ねじ部材22の頭部から間隔をおいて配置され、前記頭部と鍔42との間にねじ山は設けられていない。雄ねじ部材22の頭部と鍔42との間に、揺動部材40と筒状部材44とが配置されている。
【0036】
揺動部材40は、雄ねじ部材22の一部を取り巻きかつ鍔42に接する筒状部46と、該筒状部からその放射方向へ互いに反対に伸びる一対の突部48とからなる。筒状部46は張出部37の両先端部間に位置する。また、各突部48は、全体に板状を呈し、切欠き38内に挿入されており、切欠き38の内周面を規定する円筒面の一部に沿って摺動可能の周面を有する。
【0037】
また、筒状部材44は、雄ねじ部材22の頭部と揺動部材40との間にあって、雄ねじ部材22の周囲を取り巻いている。筒状部材44は、該筒状部材及び雄ねじ部材22の双方を貫通するピン50により、雄ねじ部材22に取り付けられている。
【0038】
したがって、雄ねじ部材22は、これを本体20に支持する揺動部材40と共にその両突部44の軸線の周り、すなわち鉄骨10の表面に対して垂直な軸線の周りに揺動可能である。また、雄ねじ部材22は、揺動部材40に対して、その軸線の周りに筒状部材44と共に回転可能であるが、その軸線方向には移動しない。
【0039】
他方、各雄ねじ部材22に噛合されている各雌ねじ部材24は、各楔部材26の基部33に揺動可能に取り付けられている。
【0040】
楔部材の基部33は、本体の張出部37の両先端部分におけると同じ構造を有し、また雌ねじ部材24は、前記雄ねじ部材を支持する揺動部材40と同様の仕方で、基部33に支持されている。
【0041】
すなわち、基部33は全体にコ字形を呈し、互いに間隔をおいて相対する両先端部分を有し、該両先端部分に、それぞれ、C形を呈する一対の切欠き52が設けられている。また、雌ねじ部材24はその側部から放射方向へ互いに反対に伸びる一対の突部54を有する。各突部54は、突部48と同様、全体に板状を呈し、切欠き52内に挿入されており、切欠き52の内周面を規定する円筒面の一部に沿って摺動可能の周面を有する。したがって、突部54の前記周面が前記円筒面の一部に沿って摺動するとき、雌ねじ部材24が鉄骨10の表面に対して垂直な軸線の周りに揺動する。
【0042】
これによれば、雄ねじ部材22を一方向へ回転させるとき、雄ねじ部材22はその軸線方向へは移動せず、このため、雄ねじ部材22に噛合した雌ねじ部材24が雄ねじ部材22に沿ってその軸線方向へ移動する。このとき、雄ねじ部材22及び雌ねじ部材24がそれぞれ治具本体の張出部37及び楔部材26に対して揺動運動をし、該揺動運動が、雌ねじ部材22のこの移動を可能にする。
【0043】
雌ねじ部材24の前記揺動及び移動に伴い、楔部材26がスリット31に沿ってその長手方向へ移動し、またスリットの傾斜面32を滑動する。
【0044】
前記したように、楔部材26の移動を介在させることにより、上方の鉄骨12の水平方向移動のために雄ねじ部材22に加えるべき回転力(トルク)の大きさを比較的小さいものとすることができ、これにより、雄ねじ部材22にトルクを加えたときの該雄ねじ部材の頭部の潰れを回避することができ、また、雄ねじ部材22を回転操作するための工具として、比較的腕の短い工具を用いることができる。
【0045】
治具の本体20を上方の鉄骨のピース18に固定するための固定手段28は、図示の例では、従来の治具の本体におけると同様、本体20の前記上部分において上下方向に互いに間隔をおいて設けられた一対のねじ孔56,58と、これらの両ねじ孔44,46にそれぞれ噛合された一対のボルト60,62とからなる。
【0046】
各ねじ孔56,58は本体20の外部から空間30へ伸び、各ボルト60,62の回転操作により、該ボルトの先端部をピース18の側面に強く押し付けることができる。これにより、本体20がピース18に固定される。図示の例に代えて、ねじ孔56,58の一方と、これに噛合する両ボルト60,62の一方とすることができる。図示の例では、本体の空間30の前記上部分の幅寸法が比較的小さいため、わずかな量の締め付け操作により、この固定作業行うことができる。
【0047】
治具14はこれを上下逆様に配置して、使用することもできる。この場合、治具14はボルト60,62により下方の鉄骨のピース16に固定され、上方の鉄骨のピース18に対する楔部材26の押圧操作により、上方の鉄骨12の水平方向位置の修正を行う。
【0048】
符号64(図1)は、両ピース16,18に対する治具14の固定をより強固にすべく、本体20の下端に設けられたねじ孔66に係合されたボルトを示す。ボルト64はこれを回転させることにより空間30に進められ、ピース16の下端面に突き当てられている。
【0049】
また、符号68,70は治具14の重量軽減のために設けられた、空間30に連なる開口であり、両開口56,58以外の他の開口72は、上方の鉄骨12の傾きを修正するための装置(図示せず)を設置するために設けられた、空間30に連なる開口である。
【図面の簡単な説明】
【図1】柱用の上下両鉄骨に適用された、本発明に係る治具の正面図である。
【図2】治具の縦断面図である。
【図3】図2の線3−3に沿って得た断面図である。
【図4】図2の線4−4に沿って得た断面図である。
【符号の説明】
10,12 下方及び上方の柱用鉄骨
14 治具
16,18 エレクションピース
20,30 本体及びこれに設けられた空間
22,24 雄ねじ部材及び雌ねじ部材
26 楔部材
28 固定手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄骨柱の建方において、先に設置された柱用の下方の鉄骨と、該鉄骨上に配置されこれに継ぎ足される上方の鉄骨との間に生じた水平方向に関する位置的関係の修正に用いられる治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、下方の鉄骨上に載置された上方の鉄骨の水平方向に関する位置を修正するための治具が提案されている(特開平11−303404号)。
【0003】
この治具は、下方の鉄骨の上端部及び上方の鉄骨の下端部にそれぞれ取り付けられ上下方向に伸びかつ互いに相対する両側面を有する一対のエレクションピースに固定される本体と、4つのボルトとを備える。
【0004】
前記治具の本体は、両エレクションピースの一部を受け入れ可能である空間を有する。前記空間は、これに受け入れられる下方の鉄骨のエレクションピースの側面に向けて前記本体が水平方向に相対変位が可能である大きさ、より詳細には幅寸法を有する。前記本体は、また、前記空間に受け入れられる下方の鉄骨のエレクションピースの両側面に向けてそれぞれ伸びる一対のねじ孔と、前記空間に受け入れられる上方の鉄骨のエレクションピースの側面に向けて伸びる2つのねじ孔とを有する。これらの4つのねじ孔には、それぞれ、前記4つのボルトが噛合されている。
【0005】
前記従来の治具は、上方の鉄骨の水平方向に関する位置的関係の修正の際、下方の鉄骨及びこれに載置された上方の鉄骨の両エレクションピースに取り付けられ、その本体の空間に両エレクションピースの一部を受け入れる。前記本体は、前記2つのボルトを回転操作させて上方の鉄骨のエレクションピースの側面に突き当てることにより、該エレクションピースに固定される。
【0006】
固定後、他の一対のボルトの一方を回転操作により該ボルトを前進させて下方の鉄骨のエレクションピースの側面に突き当て、かつ他方のボルトの回転操作による後退を行うと、下方の鉄骨のエレクションピースに対して前記治具の本体及び該本体に固定された上方の鉄骨に水平方向への相対変位が生じ、下方の鉄骨に対する上方の鉄骨の水平方向位置の修正が行われる。
【0007】
しかし、前記一方のボルトを前進させるための回転操作には該ボルトの頭部に大きいトルクを加える必要があるところ、過大なトルクの付加によって前記ボルトの頭部が潰れることがある。頭部が潰れたボルトはねじ孔からの抜き出しが不可能となるために切断され、治具としての使用が不可能となる。また、大きいトルクを加えるために必要な腕の長い工具の持ち運びは不便であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、より小さい力で操作可能である柱用鉄骨の水平位置修正用治具を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、先に設置された柱用の下方の鉄骨と、該鉄骨上に載置されこれに継ぎ足される上方の鉄骨との間に生じた水平方向に関する位置的関係を修正すべく、前記下方の鉄骨の上端部及び前記上方の鉄骨の下端部にそれぞれ取り付けられた上下方向に伸びかつ互いに相対する側面を有する一対のエレクションピースに適用される治具を提供する。
【0010】
本発明に係る治具は、本体を有する。本体は、両エレクションピースの少なくとも一部をそれぞれ受け入れ可能である空間を有し、該空間に受け入れられる一方のエレクションピースの両側面に向けて前記空間にそれぞれ開放する一対のスリットを有し、また前記空間に受け入れられる一方のエレクションピースに対してその側面に向けて水平方向へ相対変位可能である。本発明の治具は、さらに、前記本体の各スリットを経て前記本体の空間内に伸びる楔部材であって前記本体の空間に受け入れられる一方のエレクションピースの側面と前記本体の各スリットの端部とに当接可能である楔部材と、前記本体に揺動可能にそれぞれ支持された一対の雄ねじ部材と、両楔部材にそれぞれ揺動可能に取り付けられた一対の雌ねじ部材であって両雄ねじ部材にそれぞれ噛合された一対の雌ねじ部材と、前記本体の空間に受け入れられる他方のエレクションピースを前記本体に固定するための固定手段とを備える。
【0011】
前記本体が、両雄ねじ部材が取り付けられる一対の張出部を有するものとすることができる。好ましくは、各スリットの端部が傾斜面からなる。また、前記固定手段は、前記本体に設けられたねじ孔と、該ねじ孔に噛合された、前記本体の空間に受け入れられる他方のエレクションピースに当接可能であるボルトとからなるものとすることができる。
【0012】
【発明の作用および効果】
本発明に係る治具は、下方の鉄骨及びこれに載置された上方の鉄骨に対し、本体の空間に両鉄骨のエレクションピースの一部を受け入れるように配置され、その固定手段により、一方のエレクションピース、例えば上方の鉄骨のエレクションピースに固定される。
【0013】
上方の鉄骨のエレクションピースへの前記治具の取り付け後、該治具の本体に揺動可能に保持されている両雄ねじ部材をそれぞれ反対方向へ回転操作する。前記本体に対する一方の雄ねじ部材の一方向への回転により、これと噛合状態にある一方の雌ねじ部材が前記一方の雄ねじ部材の先端に向けて移動する。このとき、前記一方の雌ねじ部材に揺動可能に取り付けられている一方の楔部材が前記一方の雌ねじ部材と共に移動する。このとき、楔部材は前記治具の本体の空間内における下方の鉄骨のエレクションピースに向けて一方のスリットの端部を滑動する。反対に、他方の雄ねじ部材の他方向への回転により、他方の雌ねじ部材が前記他方の雄ねじ部材の頭部に向けて移動し、同時に、前記他方の楔部材が前記本体の空間から抜け出るように移動する。この間、各雄ねじ部材及び各雌ねじ部材がそれぞれ前記本体及び各楔部材に対して揺動する。
【0014】
前記一方の楔部材の進行に伴い、前記治具本体と該本体の空間内の下方の鉄骨のエレクションピースとが、それぞれ、前記楔部材と接触するスリットの端部と側面とにおいて、次第に増大する押圧力を受ける。その結果、前記下方の鉄骨のエレクションピースに対して、前記治具本体が水平方向へ移動する。前記本体の移動は、これに固定されている上方の鉄骨の水平方向移動を生じさせ、これにより、下方の鉄骨に対する上方の鉄骨の水平方向位置が修正される。
【0015】
前記楔の移動のために前記雄ねじ部材に加えるべき回転力(トルク)は、前記従来の治具において必要とされるボルトへの付与トルクに比べて小さく、このため、比較的小さいトルクをもって治具の操作を行い、上方の鉄骨を水平方向に変位させることができる。このとき、前記楔部材が接する前記スリットの端部を傾斜面とすることにより、前記雄ねじ部材の回転操作による前記楔部材の移動をより円滑にすることができる。
【0016】
前記固定手段として、前記従来におけると同様、前記本体に設けられたねじ孔と、該ねじ孔に噛合された、前記本体の空間に受け入れられる上方のエレクションピースに当接可能であるボルトとからなるものとし、前記ボルトの回転操作により、前記本体を前記エレクションピースに固定することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1を参照すると、柱の設置のために先に設置された柱用の下方の鉄骨10と、該鉄骨上に載置されこれに継ぎ足される上方の鉄骨12とが示されている。
【0018】
上方の鉄骨12は、下方の鉄骨10に対して水平方向のずれがあるとき、すなわち下方の鉄骨10と共軸関係にないとき、本発明に係る治具14を用いて、その水平方向に関する位置的関係を修正することができる。
【0019】
上方の鉄骨12は、その水平方向位置の修正後、下方の鉄骨10に例えば溶接により接合される。前記柱は、さらに上方に載置される他の鉄骨についての位置の修正及び上下両鉄骨の接合を繰り返すことにより形成される。
【0020】
図示の鉄骨10,12は矩形の横断面形状を有するが、本発明は、矩形以外の横断面形状、例えば円形の横断面形状を有する鉄骨についても適用することができる。
【0021】
下方の鉄骨10及び上方の鉄骨12には、それぞれ、板状を呈する複数の鋼製のエレクションピース(以下、単に「ピース」という。)16,18が取り付けられている。ピース16,18は、それぞれ、各鉄骨10,12の周方向へ互いに間隔をおいて配置されかつ各鉄骨に溶接されている(但し、その一つのみを示す。)。
【0022】
図示のピース16,18は全体に矩形状を呈し、前記鉄骨の外周面からその放射方向へ突出し、かつ前記鉄骨の上下方向へ伸びている。各鉄骨へのピース16,18の取り付けは、下方の鉄骨10についてはその設置前に、また上方の鉄骨12については下方の鉄骨10上への載置前に予め行われる。
【0023】
上方の鉄骨12は、これを下方の鉄骨10上に載置するとき、両鉄骨のピース16,18が上下に互いに相対することとなるように、例えばクレーンで吊り降ろされる。
【0024】
下方の鉄骨10上への上方の鉄骨12の載置後、上方の鉄骨12に水平方向のずれがあるとき、両鉄骨のピース16,18の一方、図示の例では上方の鉄骨のピース18に治具14を固定することにより該治具を両ピース16,18に取り付ける。
【0025】
図1及び図2に示すように、治具14は、鋼製の本体20と、一対の雄ねじ部材22と、両雄ねじ部材22にそれぞれ噛合した一対の雌ねじ部材24と、一対の楔部材26と、固定手段28とを備える。
【0026】
治具の本体20は箱形の形態を有する。図示の本体20は全体に細長く、両鉄骨10,12に相対するその開放面から両ピース16,18の少なくとも一部を受け入れ可能である1つの空間30を有する。すなわち、上方のピース18の上端から下方のピース16の下端までの距離以上の長さ寸法と、各ピースの幅寸法(厚さ寸法)以上の大きさの幅寸法と、両ピースの両鉄骨10,12からの突出長さより小さい奥行寸法とを有する空間30を備える。単一の空間30とする図示の例に代えて、両ピース16,18の一部をそれぞれ受け入れ可能である2つの空間(図示せず)とすることができる。
【0027】
本体の空間30の幅寸法については、特に、上方の鉄骨のピース18を受け入れる空間部分(上部分)が該ピースの厚さ寸法よりもわずかに大きく、かつ、下方の鉄骨のピース16を受け入れる空間部分(下部分)が該ピースの厚さ寸法よりもさらに一層大きいものに設定されている。これにより、空間30の下部分に受け入れられたピース16に対する治具本体14の水平方向への相対変位が可能とされている。
【0028】
本体20は、その両側部に、互いに相対する一対のスリット31(図2)をそれぞれ有する。両スリット31は、空間30の下部分に受け入れられる下方の鉄骨のピース16の両側面に向けて空間30にそれぞれ開放している。各スリット31には楔部材26が通されている。各スリット31の端部(図示の例では下端部)は、好ましくは、楔部材26が滑動可能である傾斜面32により規定されている。
【0029】
楔部材26は基部33と、スリット31を経て伸びる板状の先端部34とを有する。先端部34は、互いに協同して全体にV形を規定する垂直面35と傾斜面36とを有する。垂直面35は、本体の空間30内に受け入れられたピース16の一側面に当接し、また傾斜面36はスリット32の前記端部、図示の例では傾斜面32に当接している。
【0030】
これによれば、一方(図示の例では右方)の楔部材26を下方に推し進めかつ他方(同左方)の楔部材26を上方へ引き上げると、一方の楔部材26のいわゆる楔作用により、ピース16と一方のスリット32との間隔が漸増し、同時にピース16と他方のスリット32との間隔が漸減し、ピース16に対して治具本体20が水平方向(図2で見て右方)に相対移動する。その結果、治具本体20と共に上方の鉄骨12が同方向へ移動し、上方の鉄骨12の下方の鉄骨10に対する水平方向の位置ずれが解消される。
【0031】
楔部材26の移動は、後述するように、雄ねじ部材22を回転操作することにより行うことができる。楔部材26の移動に要する力は、前記従来の治具においてボルトに及ぼすべき水平方向力より小さい。このため、雄ねじ部材22は従来に比べてより小さい力での回転操作が可能である。
【0032】
本体20は、その上下方向におけるほぼ中間部に、両雄ねじ部材22を支持するための一対のアーム部又は張出部37を有する。両張出部37は、それぞれ、本体20の両側部から互いに反対方向へ伸びている。
【0033】
図3に示すように、各張出部37は全体にH形の横断面形状を有する。各張出部37の両先端部分は、それぞれ、雄ねじ部材22を揺動可能に支持するために設けられたC形を呈する一対の切欠き38を有する(図1,3)。
【0034】
また、雄ねじ部材22を支持するため、揺動部材40が張出部37の両先端部分間に配置され、かつ両切欠き38に懸架されている。
【0035】
他方、雄ねじ部材22にその軸部から張り出す鍔42が設けられている。鍔42は、雄ねじ部材22の頭部から間隔をおいて配置され、前記頭部と鍔42との間にねじ山は設けられていない。雄ねじ部材22の頭部と鍔42との間に、揺動部材40と筒状部材44とが配置されている。
【0036】
揺動部材40は、雄ねじ部材22の一部を取り巻きかつ鍔42に接する筒状部46と、該筒状部からその放射方向へ互いに反対に伸びる一対の突部48とからなる。筒状部46は張出部37の両先端部間に位置する。また、各突部48は、全体に板状を呈し、切欠き38内に挿入されており、切欠き38の内周面を規定する円筒面の一部に沿って摺動可能の周面を有する。
【0037】
また、筒状部材44は、雄ねじ部材22の頭部と揺動部材40との間にあって、雄ねじ部材22の周囲を取り巻いている。筒状部材44は、該筒状部材及び雄ねじ部材22の双方を貫通するピン50により、雄ねじ部材22に取り付けられている。
【0038】
したがって、雄ねじ部材22は、これを本体20に支持する揺動部材40と共にその両突部44の軸線の周り、すなわち鉄骨10の表面に対して垂直な軸線の周りに揺動可能である。また、雄ねじ部材22は、揺動部材40に対して、その軸線の周りに筒状部材44と共に回転可能であるが、その軸線方向には移動しない。
【0039】
他方、各雄ねじ部材22に噛合されている各雌ねじ部材24は、各楔部材26の基部33に揺動可能に取り付けられている。
【0040】
楔部材の基部33は、本体の張出部37の両先端部分におけると同じ構造を有し、また雌ねじ部材24は、前記雄ねじ部材を支持する揺動部材40と同様の仕方で、基部33に支持されている。
【0041】
すなわち、基部33は全体にコ字形を呈し、互いに間隔をおいて相対する両先端部分を有し、該両先端部分に、それぞれ、C形を呈する一対の切欠き52が設けられている。また、雌ねじ部材24はその側部から放射方向へ互いに反対に伸びる一対の突部54を有する。各突部54は、突部48と同様、全体に板状を呈し、切欠き52内に挿入されており、切欠き52の内周面を規定する円筒面の一部に沿って摺動可能の周面を有する。したがって、突部54の前記周面が前記円筒面の一部に沿って摺動するとき、雌ねじ部材24が鉄骨10の表面に対して垂直な軸線の周りに揺動する。
【0042】
これによれば、雄ねじ部材22を一方向へ回転させるとき、雄ねじ部材22はその軸線方向へは移動せず、このため、雄ねじ部材22に噛合した雌ねじ部材24が雄ねじ部材22に沿ってその軸線方向へ移動する。このとき、雄ねじ部材22及び雌ねじ部材24がそれぞれ治具本体の張出部37及び楔部材26に対して揺動運動をし、該揺動運動が、雌ねじ部材22のこの移動を可能にする。
【0043】
雌ねじ部材24の前記揺動及び移動に伴い、楔部材26がスリット31に沿ってその長手方向へ移動し、またスリットの傾斜面32を滑動する。
【0044】
前記したように、楔部材26の移動を介在させることにより、上方の鉄骨12の水平方向移動のために雄ねじ部材22に加えるべき回転力(トルク)の大きさを比較的小さいものとすることができ、これにより、雄ねじ部材22にトルクを加えたときの該雄ねじ部材の頭部の潰れを回避することができ、また、雄ねじ部材22を回転操作するための工具として、比較的腕の短い工具を用いることができる。
【0045】
治具の本体20を上方の鉄骨のピース18に固定するための固定手段28は、図示の例では、従来の治具の本体におけると同様、本体20の前記上部分において上下方向に互いに間隔をおいて設けられた一対のねじ孔56,58と、これらの両ねじ孔44,46にそれぞれ噛合された一対のボルト60,62とからなる。
【0046】
各ねじ孔56,58は本体20の外部から空間30へ伸び、各ボルト60,62の回転操作により、該ボルトの先端部をピース18の側面に強く押し付けることができる。これにより、本体20がピース18に固定される。図示の例に代えて、ねじ孔56,58の一方と、これに噛合する両ボルト60,62の一方とすることができる。図示の例では、本体の空間30の前記上部分の幅寸法が比較的小さいため、わずかな量の締め付け操作により、この固定作業行うことができる。
【0047】
治具14はこれを上下逆様に配置して、使用することもできる。この場合、治具14はボルト60,62により下方の鉄骨のピース16に固定され、上方の鉄骨のピース18に対する楔部材26の押圧操作により、上方の鉄骨12の水平方向位置の修正を行う。
【0048】
符号64(図1)は、両ピース16,18に対する治具14の固定をより強固にすべく、本体20の下端に設けられたねじ孔66に係合されたボルトを示す。ボルト64はこれを回転させることにより空間30に進められ、ピース16の下端面に突き当てられている。
【0049】
また、符号68,70は治具14の重量軽減のために設けられた、空間30に連なる開口であり、両開口56,58以外の他の開口72は、上方の鉄骨12の傾きを修正するための装置(図示せず)を設置するために設けられた、空間30に連なる開口である。
【図面の簡単な説明】
【図1】柱用の上下両鉄骨に適用された、本発明に係る治具の正面図である。
【図2】治具の縦断面図である。
【図3】図2の線3−3に沿って得た断面図である。
【図4】図2の線4−4に沿って得た断面図である。
【符号の説明】
10,12 下方及び上方の柱用鉄骨
14 治具
16,18 エレクションピース
20,30 本体及びこれに設けられた空間
22,24 雄ねじ部材及び雌ねじ部材
26 楔部材
28 固定手段
Claims (4)
- 先に設置された柱用の下方の鉄骨と、該鉄骨上に載置されこれに継ぎ足される上方の鉄骨との間に生じた水平方向に関する位置的関係を修正すべく、前記下方の鉄骨の上端部及び前記上方の鉄骨の下端部にそれぞれ取り付けられた上下方向に伸びかつ互いに相対する両側面を有する一対のエレクションピースに適用される治具であって、
両エレクションピースの少なくとも一部をそれぞれ受け入れ可能である空間と、該空間に受け入れられる一方のエレクションピースの両側面に向けて前記空間にそれぞれ開放する一対のスリットとを有し、また前記空間に受け入れられる一方のエレクションピースに対してその側面に向けて水平方向へ相対変位可能である本体と、
前記本体の各スリットを経て前記本体の空間内に伸びる楔部材であって前記本体の空間に受け入れられる一方のエレクションピースの側面と前記本体の各スリットの端部とに当接可能である楔部材と、
前記本体に揺動可能にそれぞれ支持された一対の雄ねじ部材と、
両楔部材にそれぞれ揺動可能に取り付けられた一対の雌ねじ部材であって両雄ねじ部材にそれぞれ噛合された一対の雌ねじ部材と、
前記本体の空間に受け入れられる他方のエレクションピースを前記本体に固定するための固定手段とを含む、治具。 - 前記本体は、両雄ねじ部材がそれぞれ取り付けられた一対の張出部を有する、請求項1に記載の治具。
- 各スリットの端部が傾斜面からなる、請求項1に記載の治具。
- 前記固定手段は、前記本体に設けられたねじ孔と、該ねじ孔に噛合されたボルトであって、前記本体の空間に受け入れられる他方のエレクションピースに当接可能であるボルトとからなる、請求項1に記載の治具。
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JP2002219815A JP2004060271A (ja) | 2002-07-29 | 2002-07-29 | 柱用鉄骨の位置修正用治具 |
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Cited By (2)
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CN103216112A (zh) * | 2013-04-01 | 2013-07-24 | 广东金辉华集团有限公司 | 上下钢柱对接结构体系及其一次性安装固定方法 |
CN107146705A (zh) * | 2017-07-18 | 2017-09-08 | 重庆泰昇智能电气有限公司 | 一种变压器器身和箱盖纠偏结构 |
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2002
- 2002-07-29 JP JP2002219815A patent/JP2004060271A/ja active Pending
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