JP4625315B2 - 摩擦攪拌接合装置および摩擦攪拌接合方法 - Google Patents

摩擦攪拌接合装置および摩擦攪拌接合方法 Download PDF

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Description

本発明は、摩擦攪拌接合装置および摩擦攪拌接合方法に関するものである。
摩擦攪拌接合方法は、特許文献1に示されるように、実質的に被接合材の材質よりも硬い材質の回転工具を被接合材の接合部に挿入し、この回転工具を回転させながら移動させることによって、回転工具と被接合材との間で発生する摩擦熱によって被接合材に塑性流動を発生させて接合する方法である。
このため、アーク溶接のように加工物を溶かして溶接するものに比べて熱歪みの問題がなく、しかも、接合線に沿って連続的に接合できるという利点があるので、長尺材同士あるいは筒状体同士の接合に適用するものが多数提案されている。
ところで、この摩擦攪拌接合方法では、回転工具の軸線中心が被接合材の面内に略直交して配置され、該面内で回転しているので、隣接する被接合材に対して作用する力は位相が180°ずれた方向となる。このため、隣接する部材は接合線に沿って、一方は前方向に、他方は後方向に力が加わる。この状態で回転工具が接合線に沿って移動していくので、隣接した被接合材にかかる前後方向の力によって前後の歪みが生じたり、接合線に沿って前後方向にずれが発生し、肉余りが生じたりする恐れがある。これは、接合部を表裏両面から挟持して回転するボビンツールと称する回転工具を用いるものにおいて一層深刻な問題となっている。
この対策として、特許文献2および特許文献3に示されるものが提案されている。
特許文献2に示されるものは、被接合材の表裏両面で、かつ回転工具の前方および後方の両方に、回転機構を備えた固定治具(ローラ)が配置され、この固定治具によって被接合材を固定しようとするものである。
また、特許文献3に示されるものは、隣接する被接合材同士を拘束する拘束手段を接合線に沿って間隔を空けて複数備えるもの、摩擦部材により表裏両面から被接合材を拘束するもの、および回転工具と一体的に移動するように構成された回転体で被接合材を挟持するもの、円筒状の被接合材に対して内周面全長を摩擦部材で支持するもの、および円筒状の被接合材に対して内面からローラによって押圧するもの等が示されている。
特許第2712838号公報(図1〜図4) 特開平10−52773号公報(段落[0021]〜[0041],及び図1〜図8) 特開2004−188488号公報(段落[0042]〜[0070],及び図1〜図10)
しかしながら、特許文献2に示されるものは、被接合材の作用する前後方向にずらそうとする力に対しては、摩擦力で対応するものであり、隣接する被接合材に発生する前後方向のずれを防止するには不十分であった。
また、特許文献2に示されるものは、拘束手段は種々な方法で被接合材に略固定されているが、それらは接合線に沿って間隔を空けて設けられており、隣接する被接合材に生じる前後方向のずれを防止するにはまだ十分とは言えない。また、その他の手段は、全て基本的に摩擦力で対応するものであるので、種々改良されているものの隣接する被接合材に生じる前後方向のずれを防止するにはまだ十分とは言えない。
本発明は、上記問題点に鑑み、回転工具によって隣接する被接合材間に生じるずれを効果的に防止し得る摩擦攪拌接合装置および摩擦攪拌接合方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる摩擦攪拌接合装置は、接合線に沿って突き合わされた被接合材の突合せ部に回転挿入される回転工具と、前記回転工具が接合線に位置するように前記被接合材を同期して駆動する駆動手段と、を備えた摩擦攪拌接合装置において、前記駆動手段には、前記各被接合材にそれぞれ一体に設けられた前記被接合材の強度を補強する補強構造部に連結構造によって固定して保持され、それぞれ前記接合線の延在方向に延在して設けられた剛体と、該各剛体をその延在方向に駆動する駆動機構と、が備えられることを特徴とする。
本発明によれば、駆動機構によって剛体を接合線の延在方向に移動させると、補強構造部を介して被接合材が移動され、突合せ部が接合線に沿う方向に移動する。そして、この移動する突合せ部に回転工具を回転させながら挿入すると、被接合材の突合せ部は回転工具との間に生じる摩擦熱によって塑性流動化され、撹拌混練される。被接合材は回転工具に対して、相対的に移動されているので、この塑性流動した突合せ部は移動方向に移動され、回転工具による摩擦熱を失って急速に冷却硬化される。このため、被接合材は素材同士が混じり合って完全に一体化した状態で接合される。
この時、隣接した被接合材には回転工具の回転によって移動方向に対して前後にずらそうとする力が作用するが、この力は剛体によって強固に保持されるので、接合位置にずれが生じることを防止できる。これにより、隣接する被接合材は肉余りなく接合されることができる。
なお、剛体を同期して駆動するには、例えば、駆動機構を同期運転させる、あるいは剛体同士を連結する等適宜手段を用いることができる。
また、本発明にかかる摩擦攪拌接合装置では、前記補強構造部による前記剛体の保持は、前記補強構造部と前記剛体に共に設けられた孔に棒状部材が貫設されることによって行われることを特徴とする。
このように、補強構造部による剛体の保持は、補強構造部と剛体とに設けられた孔に棒状部材が貫設されることによって行われるので、剛体と補強構造部との荷重伝達が面圧とせん断とによって行われることになる。このため、被接合材の拘束が容易で、かつ強固とすることができる。
なお、剛体と補強構造部との結合は、例えば、孔−ピン、ネジ−ネジ孔等が好適である。
また、本発明にかかる摩擦攪拌接合装置では、前記補強構造部は、接合された被接合材の補強あるいは設置用の機能を有するものとして前記被接合材に備えられたものであることを特徴とする。
このように、補強構造部は、機能として被接合材に備えられたものを活用しているので、被接合材の構造を変更することなく駆動手段の剛体を取付けることができる。
構造補強部としては、機能として被接合材に設けられた例えば、リブ、フランジ、アイソグリッド構造のノード等が用いられる。
また、本発明にかかる摩擦攪拌接合装置では、前記補強構造部は、前記接合線の近傍に設けられていることを特徴とする。
このように、補強構造部は接合線の近傍に設けられているので、接合にかかる荷重は各被接合材の突合せ部近傍にしか作用しない。このため、接合にかかる荷重が作用しない被接合材の大部分には格別な補強が不要となるので、接合された被接合材の重量を軽減することができる。
また、本発明にかかる摩擦攪拌接合装置では、前記突合せ部を、前記被接合材の厚さ方向において拘束する拘束手段を備えていることを特徴とする。
このように、突合せ部を、被接合材の厚さ方向において拘束する拘束手段を備えているので、隣接する被接合材の厚さ方向のずれ、すなわち、段差をなくして接合することができる。
なお、拘束手段としては、被接合材の接合線の近傍における厚さ方向両面に、それぞれ被接合材を案内する部材を備える、あるいは接合線に沿って間隔を空けて隣接する被接合材同士を接合する等が好適に用いられる。
また、本発明にかかる摩擦攪拌接合装置では、前記被接合材は筒状体同士であることを特徴とする。
このように、被接合材は筒状体同士であるので、剛体は被接合材を囲繞するように設けられることになる。このため、剛体は筒状構造、例えば、リング・フレーム状構造となり強度が増加するので、軽量化できる。
また、被接合材は接合時に回転運動が主体となるので、被接合材を保持する構造が簡略化でき、装置全体の構造を小型化、低コスト化することができる。
また、本発明にかかる摩擦攪拌接合装置では、前記被接合材の突合せ部は、円状であることを特徴とする。
このように、被接合材の突合せ部は、円状であるので、駆動手段は、被接合材をその軸線中心の回りに回転駆動させるだけでよい。このため、駆動手段は一層小型化でき、低コストとできる。
また、本発明にかかる摩擦攪拌接合装置では、前記剛体は、筒状体である前記被接合材の外側に設置されることを特徴とする。
このように、剛体は、筒状体である被接合材の外側に設置されるので、接近し易い。このため、被接合材への剛体の取り付けが容易となるので、取付、取外し時間が短縮でき、接合作業を短縮することができる。
また、本発明にかかる摩擦攪拌接合方法は、接合線に沿って突き合わされた被接合材を前記接合線に沿う方向に移動させ、この移動する突合せ部に回転工具を回転させながら挿入して摩擦攪拌接合を行う摩擦攪拌接合方法において、前記被接合材に一体に設けられた前記被接合材の強度を補強する補強構造部に連結構造によって固定して保持され、前記接合線の延在方向に沿って設けられた剛体を、駆動機構によってその延在方向に同期して移動させることを特徴とする。
本発明によれば、駆動機構によって剛体を接合線の延在方向に同期して移動させると、補強構造部を介して被接合材が移動され、突合せ部が接合線に沿う方向に移動する。そして、この移動する突合せ部に回転工具を回転させながら挿入すると、被接合材の突合せ部は回転工具との間に生じる摩擦熱によって塑性流動化され、撹拌混練される。被接合材は回転工具に対して、相対的に移動されているので、この塑性流動した突合せ部は移動方向に移動され、回転工具による摩擦熱を失って急速に冷却固化される。このため、被接合材は素材同士が混じり合って完全に一体化した状態で接合される。
この時、隣接した被接合材には回転工具の回転によって移動方向に対して前後にずらそうとする力が作用するが、この力は剛体によって強固に保持されるので、接合位置にずれが生じることを防止できる。これにより、隣接する被接合材は肉余りなく接合されることができる。
なお、補強構造部は、機能として被接合材に備えられたものを活用するのが好適である。このようにすると、被接合材の構造を変更することなく剛体を取付けることができる。
また、補強構造部は接合線の近傍に設けるのが好適である。このようにすると、接合にかかる荷重は各被接合材の突合せ部近傍にしか作用しない。このため、接合にかかる荷重が作用しない被接合材の大部分には格別な補強が不要となるので、接合された被接合材の重量を軽減することができる。
また、本発明にかかる摩擦攪拌接合方法では、前記突合せ部は、拘束手段によって前記被接合材の厚さ方向において拘束されていることを特徴とする。
このように、突合せ部は、拘束手段によって被接合材の厚さ方向において拘束されているので、隣接する被接合材の厚さ方向のずれ、すなわち、段差をなくして接合することができる。
また、本発明にかかる摩擦攪拌接合方法では、前記被接合材は筒状体同士であることを特徴とする。
このように、被接合材は筒状体同士であるので、剛体は被接合材を囲繞するように設けられることになる。このため、被接合材は接合時に回転運動が主体となるので、被接合材を保持する構造が簡略化でき、装置全体の構造を小型化、低コスト化することができる。
また、本発明にかかる摩擦攪拌接合方法では、前記被接合材の突合せ部は、円状であることを特徴とする。
このように、被接合材の突合せ部は、円状であるので、駆動機構は、被接合材をその軸線中心の回りに回転駆動させるだけでよい。このため、装置全体は一層簡略化できるので、より小型化、低コスト化することができる。
また、本発明にかかる摩擦攪拌接合方法では、前記剛体は、筒状体である前記被接合材の外側に設置され、駆動機構によって外側から駆動されることを特徴とする。
剛体は、筒状体である被接合材の外側に設置されるので、接近し易い。このため、被接合材への剛体の取り付けが容易となるので、取付け、取外し時間が短縮でき、接合作業を短縮することができる。
本発明にかかる摩擦攪拌接合装置および摩擦攪拌接合方法によれば、回転工具によって隣接した被接合材に作用する移動方向に対して前後にずらそうとする力がかかっても、接合位置にずれが生じることを防止できる。これにより、隣接する被接合材は肉余りなく接合されることができる。
以下に、本発明にかかる摩擦攪拌接合装置1をロケット用タンク3(圧力容器)のタンク本体5と鏡板7,8との接合に適用した一実施形態について、図1および図2を参照して説明する。
図1は、摩擦攪拌接合装置1の一部を省略した全体概略構成を示す斜視図である。図2は、図1のX−X断面図である。
タンク3は、アルミニュウム合金製で、円筒形状のタンク本体(被接合材)5の両端に、鏡板(被接合材)7を接合して形成される圧力容器である。タンク本体5の直径Dは、例えば4000mmである。タンク3の長さは、例えば6000mmである。
鏡板7,8は、円筒形状の端部が略半球状に突出した形状をしている。鏡板7には、半球状部の先端にマンホール9が設けられると共に、その根元の厚肉部に全周に亘り外方に突起したフランジ(補強構造部)11が設けられている。フランジ11は、ロケットタンク3を設置場所に取付けるために設けられているものである。
タンク本体5と鏡板7とが突き合わされた突合せ部には、略円状の接合線10が形成される。
タンク本体5の内周面には、それぞれ端部から距離Lのところに全周に亘りタンク構造を補強する厚肉のリブ(補強構造部)13が設けられている。リブ13には、外周側からネジ穴15が、周方向に間隔を空けて複数設けられている。
距離Lは、例えば200mmであり、タンク本体5の直径Dの5%とされている。
摩擦攪拌接合装置1には、ボビンツール(回転工具)17と、駆動装置(駆動手段)19と、拘束手段45と、が備えられている。
ボビンツール17は、例えば工具鋼製で、略円筒形状をしている。ボビンツール17の先端部には、軸線方向にくびれ部を挟んで一対の円形のショルダ面が設けられている。それぞれ円形ショルダ面を有し、ボビンツール17は、一対のショルダ面によって被加工物(タンク本体5および鏡板7)の表裏両面側を挟持し、図示しない駆動機構によって軸線中心回りに回転されると、ショルダ面およびくびれ部が被加工物に摩擦熱を付与するように構成されている。
駆動装置19には、タンク本体5に取付けられる第一剛体(剛体)21と、鏡板7に取付けられる第二剛体(剛体)23と、第一剛体21を駆動する第一駆動機構(駆動機構)25と、第二剛体23を駆動する第二駆動機構(駆動機構)27と、第一駆動機構25および第二駆動機構27の駆動を制御する制御手段29とが設けられている。
第一剛体21は、タンク本体5の直径Dより大きい内周径を有するリング状をし、その断面は、例えば長方形である。第一剛体21の外周には、歯型が形成されている。
第一剛体21の側面内周側には、周方向に間隔を空けてL字形の取付部材31が複数固着されている。取付部材31がネジ穴15に螺合するボルト33によって固定されることで、第一剛体21はタンク本体5に強固に固定される。
第二剛体23は、第一剛体21と同じ外径を有するリング状をし、その断面は、例えば長方形である。第二剛体23の外周には、第一剛体21と同一ピッチの歯型が形成されている。
第二剛体23は、周方向に間隔を空けて設けられるボルト35によってフランジ11に強固に固定される。
第一駆動機構25には、減速機構を内蔵した第一モータ37と、第一モータ37の出力軸に取付けられた第一駆動ギア39とが設けられている。第一駆動ギア39は、第一剛体21の外周の歯形と噛合い、第一剛体21を回転駆動させるように構成されている。
第二駆動機構27には、減速機構を内蔵した第二モータ41と、第二モータ41の出力軸に取付けられた第二駆動ギア43とが設けられている。第二駆動ギア43は、第二剛体23の外周の歯形と噛合い、第二剛体23を回転駆動させるように構成されている。
制御手段29は、第一モータ37と第二モータ41とが同期して回転するように制御するように構成されている。
制御手段29は、第一剛体21および第二剛体23の回転位置を検知して、両者が一致するように第一モータ37および第二モータ41の駆動を個別に制御するようにしてもよい。
拘束手段45には、内側クランパ47と、第一外側クランパ49と、第二外側クランパ51とが設けられている。
内側クランパ47は、円筒の両端が全周に亘り外方に突起し形、すなわち、断面がコ字形をしたリング形状をしている。内側クランパ47の外径は、タンク本体5および鏡板7の円筒部の内径と略同等であり、接合作業時にタンク本体5および鏡板7の円筒部を内側から支持し、その位置を規制するものである。
内側クランプ47は複数に分割される構造となっている。
第一外側クランプ49は、円錐台の側面形状をし、リング状を形成している。第一クランプ49の大径部端は、第一剛体21の側面に周方向に間隔を空けて取付けられた複数の支柱53によって保持されている。第一クランプ49の小径部端の直径はタンク本体5の外径と略同等であり、接合作業時にタンク本体5の外側位置を規制するものである。
第二外側クランプ51は、円錐台の側面形状をし、リング状を形成している。第二クランプ51の大径部端は、第二剛体23の側面に周方向に間隔を空けて取付けられた複数の支柱55によって保持されている。第二クランプ51の小径部端の直径は鏡板7の円筒部の外径と略同等であり、接合作業時に鏡板7の円筒部の外側位置を規制するものである。
以上説明した本実施形態にかかる摩擦攪拌接合装置1の動作について作用効果を含めて説明する。
まず、接合作業の準備作業について説明する。
タンク本体5を作業位置に設置する。そして、第一剛体21がタンク本体5の外側を通されて所定の位置に配置される。第一剛体21は、ボルト33によって取付部材31がリブ13に固定されることによってタンク本体5に固定される。同時に、内側クランプ47をタンク本体5の端部内側に設置する。
ボビンツール17を所定位置に設置すると共に、鏡板7を搬入、設置する。そして、タンク本体5の端部と鏡板7の端部とを突き合せて接合線10を形成する。
次いで、第二剛体23が、ボルト35によってフランジ11に強固に取付けられる。
そして、第一駆動ギア39を第一剛体21に、第二駆動ギア43を第二剛体23に噛合わせる。
このように、第一剛体21および第二剛体23は、接合されるタンク本体5および鏡板7の外側に設置されるので、作業員が接近し易い。このため、第一剛体21および第二剛体23の取付作業が容易となるので、取付時間が短縮できる。また、作業終了後の取外し時間が短縮できる。これによって、接合作業を短縮することができる。
また、第一剛体21および第二剛体23の取り付けに、タンク本体5の強度を補強するために設けられたリブ13およびタンク3を取付けるために鏡板7に設けられたフランジ11を用いているので、タンク本体5および鏡板7の構造を変更することなく剛体を取付けることができる。
さらに、リブ13は接合線10の近傍に設けているので、接合にかかる荷重はタンク本体5の接合線10近傍にしか作用しない。このため、タンク本体5の大部分には接合にかかる荷重が作用しない。このため、タンク本体5の大部分には格別な補強が不要となるので、タンク3の重量を軽減することができる。
第一剛体21および第二剛体23を設置することで、第一外側クランプ49および第二外側クランプ51が所定の位置に設置される。
第一外側クランプ49および第二外側クランプ51は、接合線10の全長に亘りその両側近傍位置においてタンク本体5および鏡板7の外側位置を規制し、内側クランプ47は、同部の内側位置を規制することになる。
次に、摩擦攪拌接合作業について説明する。
第一モータ37および第二モータ41を作動させ、第一駆動ギア39を矢印59の方向(第一モータ37側から見て時計回り)に、第二駆動ギア43を矢印61の方向(第二モータ41側から見て時計回り)に駆動する。これにより、第一剛体21および第二剛体23は、鏡板7側から見て反時計回り(移動方向63)に同期して回転する。
この第一剛体21の回転が、取付部材31、ボルト33およびリブ13を経由してタンク本体5に伝達され、一方、第二剛体23の回転が、ボルト35およびフランジ11を経由して鏡板7に伝達されるので、タンク本体5と鏡板7とは一体的に移動方向63に回転する。
また、タンク本体5および鏡板7の突合せ部は全周に亘り、内側クランプ47によって内側位置を規制され、第一外側クランプ49および第二外側クランプ51によって外側位置を規制されているので、タンク本体5と鏡板7との間に厚さ方向で位置のずれ、すなわち段差が生じることがない。
これと略同時にボビンツール17を矢印57の方向に回転させると、タンク本体5および鏡板7の突合せ部はボビンツール17との間に生じる摩擦熱によって塑性流動化され、撹拌混練される。タンク本体5および鏡板7は移動方向63に移動しているので、この塑性流動した突合せ部は移動方向63に移動する。塑性流動した突合せ部が移動方向63に移動すると、ボビンツール17による摩擦熱が作用しなくなるので、急速に冷却固化される。このようにして、タンク本体5および鏡板7は素材同士が混じり合って完全に一体化した状態で接合される。
そして、タンク本体5および鏡板7が一回転することによって、両者の接合が完了する。
接合作業が終了すると、ボビンツール17は第一剛体21等の撤去に影響しない位置に移動される。そして、ボルト35を外して第二剛体23を取り外す。次いで、ボルト33を外し、第一剛体21を取り外す。
また、内側クランプ47は分解されて、マンホール9から搬出される。
そして、タンク3は搬出される。
接合作業時、ボビンツール17の回転によってタンク本体には矢印65の方向(鏡板7が側から見て時計回り)の力が作用し、一方、鏡板7には矢印67の方向(鏡板7側から見て反時計回り)の力が作用する。これらの力(荷重)は、タンク本体5および鏡板7の位置を移動方向63に対して反対方向にずらそうとする。しかし、これらの力は、第一剛体21および第二剛体23に伝達され、それらによって強固に保持されるので、接合位置にずれが生じることを防止できる。これにより、タンク本体5および鏡板7は肉余りなく接合されることができる。
また、本実施形態では、タンク本体5および鏡板7が筒状体であり、かつ接合線10が略円状であるので、駆動装置19はタンク本体5と鏡板7とをその軸線中心の回りに回転させるだけでよい。しかもボビンツール17の厚さ方向での位置移動が不必要であることもあり、タンク本体5および鏡板7を保持する構造およびボビンツール17の支持構造が簡略化できるので、装置全体が小型化でき、製造コストを安価とできる。
なお、本実施形態では、回転工具として表裏両面に係合するボビンツール17を用いているが、これに限定されるものではなく、片側から摩擦するプローブ型の回転工具でもよい。
また、本実施形態の摩擦攪拌接合装置1では、接合線10が略円状となるタンク本体5および鏡板7の接合に適用しているが、これに限定されるものではない。
例えば、筒状体同士の接合で、接合線が楕円、長円あるいは任意の曲線状のものに適用できる。このような場合には、ボビンツール等の回転工具が厚さ方向に位置調節できるようにすればよい。また、駆動装置19を工夫すれば矩形状のものにも適用できる。
さらに、本発明にかかる摩擦攪拌接合装置の接合対象は、本実施形態のような筒状体に限定されるものではなく、例えば平板同士の接合にも適用することができる。
また、本実施形態では、補強構造部としてリブ13あるいはフランジ11を用いているが、これに限定されるものではない。
例えば、軽量で、かつ頑丈さを要求されるところでは、図3に示されるアイソグリッド構造71が用いられている。アイソグリッド構造71は、タンク壁73の内壁側を削って格子状のすじ75を形成し、すじ75が隣接する正三角形が交互に反転した形の連続構造を形成しているものである。すじ75が交差しているところに形成された肉厚のノード77を補強構造部として用いてもよい。すなわち、図4に示すように、ノード77の外側から第一剛体21の取付部材31を固定するボルト33と螺合するネジ穴79を設けるようにしてもよい。
さらに、補強構造部として、タンク等の被接合材に機能として備えられたものが、適当な位置にない場合には、別部材として被接合材へ付け加えてもよい。
本実施形態では、第一剛体21とリブ13との結合は、ボルト33を用いて、ボルト33とネジ穴15との間に作用する面圧とせん断とによって、接合に伴う荷重を第一剛体21に伝達しているので、タンク本体5の拘束が容易で、かつ強固とすることができる。
なお、タンク本体5と第一剛体21との結合は、ボルトに限定されるものではなく、ピンによる連結でもよいし、その他、適宜な連結構造を用いることができる。
また、本実施形態では、第一剛体21と第二剛体23とを同期して駆動するのに、第一駆動機構25と第二駆動機構27とを同期させて駆動させて行っているが、これは、例えば、第一剛体21と第二剛体23とを機械的に一体結合させて行ってもよい。
本発明の一実施形態の摩擦攪拌接合装置を示す斜視図である。 図1のX−X断面図である。 本発明の補強構造部の別の実施形態を示す斜視図である。 図3のY−Y断面図である。
符号の説明
1 摩擦攪拌接合装置
5 タンク本体
7 鏡板
10 接合線
13 リブ
17 ボビンツール
19 駆動装置
21 第一剛体
23 第二剛体
25 第一駆動機構
27 第二駆動機構
45 拘束手段
77 ノード

Claims (13)

  1. 接合線に沿って突き合わされた被接合材の突合せ部に回転挿入される回転工具と、
    前記回転工具が接合線に位置するように前記被接合材を同期して駆動する駆動手段と、を備えた摩擦攪拌接合装置において、
    前記駆動手段には、前記各被接合材にそれぞれ一体に設けられた前記被接合材の強度を補強する補強構造部に連結構造によって固定して保持され、それぞれ前記接合線の延在方向に延在して設けられた剛体と、
    該各剛体をその延在方向に駆動する駆動機構と、が備えられることを特徴とする摩擦攪拌接合装置。
  2. 前記補強構造部による前記剛体の保持は、前記補強構造部と前記剛体に共に設けられた孔に棒状部材が貫設されることによって行われることを特徴とする請求項1に記載の摩擦攪拌接合装置。
  3. 前記補強構造部は、接合された被接合材の補強あるいは設置用の機能を有するものとして前記被接合材に備えられたものであることを特徴とする請求項1に記載の摩擦攪拌接合装置。
  4. 前記補強構造部は、前記接合線の近傍に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の摩擦攪拌接合装置。
  5. 前記突合せ部を、前記被接合材の厚さ方向において拘束する拘束手段を備えていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の摩擦攪拌接合装置。
  6. 前記被接合材は筒状体同士であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の摩擦攪拌接合装置。
  7. 前記被接合材の突合せ部は、円状であることを特徴とする請求項6に記載の摩擦攪拌接合装置。
  8. 前記剛体は、筒状体である前記被接合材の外側に設置されることを特徴とする請求項5または請求項7に記載の摩擦攪拌接合装置。
  9. 接合線に沿って突き合わされた被接合材を前記接合線に沿う方向に移動させ、この移動する突合せ部に回転工具を回転させながら挿入して摩擦攪拌接合を行う摩擦攪拌接合方法において、
    前記被接合材に一体に設けられた前記被接合材の強度を補強する補強構造部に連結構造によって固定して保持され、前記接合線の延在方向に沿って設けられた剛体を、駆動機構によってその延在方向に同期して移動させることを特徴とする摩擦攪拌接合方法。
  10. 前記突合せ部は、拘束手段によって前記被接合材の厚さ方向において拘束されていることを特徴とする請求項9に記載の摩擦攪拌接合方法。
  11. 前記被接合材は筒状体同士であることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の摩擦攪拌接合方法。
  12. 前記被接合材の突合せ部は、円状であることを特徴とする請求項11に記載の摩擦攪拌接合方法。
  13. 前記剛体は、筒状体である前記被接合材の外側に設置され、駆動機構によって外側から駆動されることを特徴とする請求項11または請求項12に記載された摩擦攪拌接合方法。
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