JP2002205177A - 摩擦撹拌接合法 - Google Patents

摩擦撹拌接合法

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JP2002205177A
JP2002205177A JP2000401482A JP2000401482A JP2002205177A JP 2002205177 A JP2002205177 A JP 2002205177A JP 2000401482 A JP2000401482 A JP 2000401482A JP 2000401482 A JP2000401482 A JP 2000401482A JP 2002205177 A JP2002205177 A JP 2002205177A
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Mitsuo Hattori
光男 服部
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Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 突合せ状に配置されるとともに突合せ部に接
合工具の回転しているプローブが表面側から埋入された
2個の板状の接合部材を、突合せ部が順次プローブを通
過するようにプローブに対して相対的に移動させること
により、両接合部材を突合せ接合する摩擦撹拌接合法で
あって、プローブの進行圧による接合部材の端部の捲れ
上がりを防止することのできる摩擦撹拌接合法を提供す
ること。 【解決手段】 各接合部材1,2の表面に押さえ板3,4を突
合せ部Bに沿う態様で重ね合わせる。そして、接合工具
10の接合方向前方側及び後方側に配置された前後の押さ
えローラ13,14によって、両接合部材1,2を押さえ板3,4
を介して押さえながら、突合せ接合を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、アルミニウム
(その合金を含む、以下同じ)等の金属製板状部材を接
合する摩擦撹拌接合法に関し、詳述すれば、例えば、自
動車、航空機、鉄道車両等の輸送機器における床材、壁
材、天井材として用いられる金属製板状部材を製造する
際に好適に用いられる摩擦撹拌接合法に関する。
【0002】
【従来の技術】摩擦撹拌接合法は、固相接合法の範疇に
入り、接合部材である金属材の種類に制限を受けない、
接合に伴う熱歪みによる変形が少ない等の優れた利点を
有し、近年、様々な構造物の接合手段として用いられて
いる。
【0003】ところで、突合せ状に配置された2個の板
状の金属製接合部材を摩擦撹拌接合によって突合せ部に
て接合一体化する場合には、まず摩擦撹拌接合用の接合
工具に設けられたプローブを回転させてこれを両接合部
材の突合せ部に表面側から埋入する。そして、突合せ部
が順次プローブを通過するように両接合部材をプローブ
に対して相対的に移動させる。この移動に伴い、突合せ
部がプローブにより順次接合されていき、もって両接合
部材が突合せ部にて接合一体化される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしなから、上述し
た摩擦撹拌接合による突合せ接合法では、次のような問
題が生じる恐れあった。すなわち、突合せ部にプローブ
が埋入された状態のままで両接合部材を相対移動させる
と、各接合部材の突き合わされた端部がプローブの進行
圧を受けて当該プローブ埋入位置近傍にて捲れ上がり、
接合不良となる問題が生じる恐れがあった。この問題
は、接合部材の強度不足が原因で発生するものであり、
接合部材の肉厚が3mm以下である場合に発生し易く、
特に肉厚が2mm以下である場合に顕著に発生してい
た。
【0005】一方、この捲れ上がり問題を解決するた
め、接合工具の接合方向前方側及び後方側に当該接合工
具と連動して移動可能な前後の押さえローラを配置し、
この前後の押さえローラによって両接合部材を直接、押
さえた状態で、突合せ接合を行う方法が考えられる。し
かしながら、この場合では、両接合部材は前後の押さえ
ローラの直下位置にて強固に押さえられることになる
が、当該両接合部材の、前押さえローラの直下位置と後
押さえローラの直下位置との間にある部分については、
これらローラで直接押さえることができないので、やは
り捲れ上がり問題が発生することがあった。
【0006】この発明は、上述した問題を解決するため
になされたもので、その目的は、厚肉の接合部材を突合
せ接合する場合はもとより、薄肉の接合部材を突合せ接
合する場合であっても、プローブの進行圧による接合部
材の端部の捲れ上がりを防止することのできる摩擦撹拌
接合法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明に係る摩擦撹拌接合法は、突合せ状に配置
されるとともに突合せ部に接合工具の回転しているプロ
ーブが表面側から埋入された2個の板状の接合部材を、
突合せ部が順次プローブを通過するようにプローブに対
して相対的に移動させることにより、両接合部材を突合
せ接合する摩擦撹拌接合法であって、各接合部材の表面
に押さえ板を突合せ部に沿う態様で重ね合わせるととも
に、接合工具の接合方向前方側及び後方側に配置された
前後の押さえローラによって、両接合部材を押さえ板を
介して押さえながら、突合せ接合を行うことを特徴とし
ている。
【0008】この摩擦撹拌接合法では、前後の押さえロ
ーラによって、両接合部材を押さえ板を介して押さえる
ことにより、各接合部材の突き合わされた端部のプロー
ブ埋入位置近傍が押さえ板で押さえられ、これにより、
プローブの進行圧による接合部材の端部の捲れ上がりが
防止される。この結果、接合状態の良好な突合せ接合継
手が得られるようになる。
【0009】なお、捲れ上がり問題は、上述したように
各接合部材の肉厚が3mm以下である場合に発生し易
く、特に肉厚が2mm以下である場合に顕著に発生する
ものであることから、各接合部材の肉厚が3mm以下又
は2mm以下更には1mm以下である場合に、この発明
に係る摩擦撹拌接合法を適用することが望ましい。
【0010】また、この摩擦撹拌接合法において、前後
の押さえローラの外周面に全周に亘って形成された凹部
又は凸部に押さえ板を嵌合させて、当該押さえ板を突合
せ部の延びる方向に対して垂直な方向に移動規制した状
態で、突合せ接合を行うことが、望ましい。
【0011】この場合には、接合時に生じることのある
押さえ板の位置ずれが防止されるようになる。
【0012】また、この摩擦撹拌接合法において、両接
合部材が載置固定されたベース板に、ラックが突合せ部
の延びる方向と平行に且つ一体移動可能に設けられると
ともに、ピニオンをラックに噛合させた状態で回転駆動
させることにより、両接合部材を移動させて突合せ接合
を行うことが、望ましい。
【0013】この場合には、両接合部材に極めて強い移
動方向の駆動力が付与されるようになり、このため両接
合部材を確実に所定方向に移動させ得るようになる。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、この発明の実施形態を図面
を参照して説明する。なお、この明細書では、両接合部
材の厚さ方向両面のうちプローブが埋入された側の面を
「表面」として定義している。
【0015】図1〜図3は、この発明の第1実施形態を
示している。図1において、(1)は長尺平板状の第1
接合部材、(2)は同じく長尺平板状の第2接合部材で
ある。これら両接合部材(1)(2)はともにアルミニ
ウムからなる。
【0016】各接合部材(1)(2)はいずれもその肉
厚が3mm以下の薄肉のものであり、具体的に言うと肉
厚が1〜2mmの範囲内のものである。この実施形態で
は、第1接合部材(1)の肉厚と第2接合部材(2)の
肉厚とは同寸に設定されている。
【0017】そして、第1接合部材(1)の幅方向の一
端部と、第2接合部材(2)の幅方向の一端部とが突き
合わされるとともに、この突合せ状態のままで両接合部
材(1)(2)が水平状に配置されたベース板(5)上
に載置されて固定されている。(8)…は、両接合部材
(1)(2)の突合せ部(B)の開きを防止するL字状
ストッパーである。
【0018】前記ベース板(5)は、その裏面側に配置
された複数個の支持ローラ(図示せず)によって水平に
支持されている。更に、このベース板(5)の裏面側に
は、後述する接合工具(10)の回転子(11)からの押付
け力を受けるための回転自在な受けローラ(15)が配置
されている。
【0019】(10)は摩擦撹拌接合用の接合工具であ
る。この接合工具(10)は、径大の円柱状回転子(11)
と、該回転子(11)の端面(11a)の回転中心部に回転
軸線(P)に沿って突出して一体に設けられた径小のピ
ン状プローブ(12)と、を備えている。回転子(11)及
びプローブ(12)は、両接合部材(1)(2)よりも硬
質で且つ接合時に発生する摩擦熱に耐え得る耐熱材料か
ら形成されている。また、プローブ(12)の外周面に
は、摩擦熱にて軟化した両接合部材(1)(2)の肉を
撹拌するための凸部(図示せず)が設けられている。
【0020】(13)は回転自在な前押さえローラであ
る。この前押さえローラ(13)は、接合工具(10)のプ
ローブ(12)と連動して移動可能なものであって、両接
合部材(1)(2)の表面側において、接合工具(10)
の回転子(11)の接合方向(WD)前方側の近傍位置に、
後述する第1押さえ板(3)と第2押さえ板(4)とに
跨る態様で配置されている。
【0021】(14)は回転自在な後押さえローラであ
る。この後押さえローラ(14)は、前押さえローラ(1
3)と同じく接合工具(10)のプローブ(12)と連動し
て移動可能なものであって、両接合部材(1)(2)の
表面側において、接合工具(10)の回転子(11)の接合
方向(WD)後方側の近傍位置に、後述する第1押さえ板
(3)と第2押さえ板(4)とに跨る態様で配置されて
いる。この後押さえローラ(14)は前押さえローラ(1
3)と同形同寸に形成されている。
【0022】而して、両接合部材(1)(2)の突合せ
接合を行う場合には、まず、第1接合部材(1)の表面
における突合せ部近傍位置に、断面方形状で長尺平板状
の金属製第1押さえ板(3)を突合せ部(B)(即ち、
当該第1接合部材(1)の突き合わされる端部)に沿う
態様で第1接合部材(1)の全長に亘って重ね合わせ
る。同じく、第2接合部材(2)の表面における突合せ
部近傍位置に、断面方形状で長尺平板状の金属製第2押
さえ板(4)を突合せ部(B)(即ち、当該第2接合部
材(2)の突き合わされる端部)に沿う態様で第2接合
部材(2)の全長に亘って重ね合わせる。そして、第1
押さえ板(3)の両端部をベース板(5)にスペーサー
片(6)を介してボルト(7)によって固定する。同じ
く第2押さえ板(4)の両端部をベース板(5)にスペ
ーサー片(7)を介してボルト(7)によって固定す
る。
【0023】この実施形態では、第1押さえ板(3)及
び第2押さえ板(4)は鉄やSUS等の鉄系材料からな
る。このように押さえ板(3)(4)として鉄系材料製
のものを用いることにより、アルミニウム製接合部材
(1)(2)をより強固に且つ確実に押さえることがで
きる。また、第1押さえ板(3)の肉厚と第2押さえ板
(4)の肉厚とは同寸に設定されている。
【0024】次いで、前後の押さえローラ(13)(14)
の外周面を両押さえ板(3)(4)の表面に当接させ、
この状態で、前後の押さえローラ(13)(14)の外周面
を両押さえ板(3)(4)の表面に厚さ方向に押し付け
ることによって、第1接合部材(1)及び第2接合部材
(2)を、それぞれ第1押さえ板(3)及び第2押さえ
板(4)を介して表面側から押さえる。
【0025】一方、接合工具(10)の回転子(11)及び
プローブ(12)を回転させて、該プローブ(12)を両接
合部材(1)(2)の突合せ部(B)に表面側から埋入
した状態に配置する。プローブ(12)の埋入は受けロー
ラ(15)の上方位置にて行う。更に、回転子(11)の端
面(11a)を両接合部材(1)(2)の表面に押し付け
た状態に配置する。
【0026】この状態で、接合工具(10)、前後の押さ
えローラ(13)(14)及び受けローラ(15)の位置を固
定しておき、ベース板(5)を移動させることで両接合
部材(1)(2)を突合せ部(B)が順次プローブ(1
2)を通過するように移動させる。(MD)は、ベース板
(5)の移動方向、即ち両接合部材(1)(2)の移動
方向を示している。この両接合部材(1)(2)の移動
に伴い、前後の押さえローラ(13)(14)及び受けロー
ラ(15)は定位置で回転される。
【0027】この両接合部材(1)(2)の移動に伴
い、突合せ部(B)がプローブ(12)により順次接合さ
れていき、最終的に両接合部材(1)(2)が突合せ部
(B)の全長に亘って接合一体化される。
【0028】すなわち、プローブ(12)の回転により発
生する摩擦熱と、回転子(11)の端面(11a)と両接合
部材(1)(2)の表面との摺動に伴い発生する摩擦熱
とによって、両接合部材(1)(2)はプローブ埋入位
置近傍にて軟化する。そして、軟化した両接合部材
(1)(2)の肉が、プローブ(12)の回転力を受けて
撹拌混合されるとともに、プローブ(12)の進行圧を受
けてプローブ通過溝を埋めるようにプローブ(12)の進
行方向後方へと回り込む態様で塑性流動したのち、摩擦
熱を急速に失って冷却固化される。この現象が両接合部
材(1)(2)のプローブ埋入位置にて順次繰り返され
ていき、最終的に両接合部材(1)(2)が突合せ部
(B)の全長に亘って接合一体化される。(W)は、両
接合部材(1)(2)の接合された突合せ部(B)に形
成された接合部を示している。
【0029】以上の摩擦撹拌接合法によれば、接合時に
おいて、両接合部材(1)(2)は、前後の押さえロー
ラ(13)(14)によってこれらローラ(13)(14)の直
下位置にて押さえられていることはもとより、前押さえ
ローラ(13)の直下位置と後押さえローラ(14)の直下
位置との間にある部分についても押さえ板(3)(4)
によって押さえられた状態になっているから、各接合部
材(1)(2)の突き合わされた端部のプローブ埋入位
置近傍が押さえられている。したがって、この実施形態
のように肉厚が3mm以下といった薄肉の接合部材
(1)(2)を突合せ接合する場合であっても、プロー
ブ(12)の進行圧による各接合部材(1)(2)の端部
の捲れ上がりが発生せず、接合状態の良好な突合せ接合
継手を得ることができる。
【0030】更に、この実施形態では、押さえ板(3)
(4)は、接合部材(1)(2)の表面における突合せ
部近傍位置に重ね合わされているから、各接合部材
(1)(2)の突き合わされた端部のプローブ埋入位置
近傍が極めて強固に押さえられており、かかる不具合の
発生を更に確実に防止することができる。
【0031】図4〜図6は、この発明の第2実施形態を
示している。これらの図には、上記第1実施形態で示さ
れた構成要素に対応する構成要素に同一符号が付されて
おり、以下、この発明の第2実施形態を上記第1実施形
態との相異点を中心に説明する。
【0032】この第2実施形態では、前押さえローラ
(13)の外周面には、第1押さえ板(3)の表面部を嵌
合するための断面コ字状の第1凹部(21)と、第2押さ
え板(4)の表面部を嵌合するための断面コ字状の第2
凹部(22)とが離間した状態で全周に亘って形成されて
いる。これと同じく、後押さえローラ(14)の外周面に
は、第1凹部(21)と第2凹部(22)とが離間した状態
で全周に亘って形成されている。
【0033】一方、ベース板(5)の裏面の幅方向中間
部には、所定長さを有するラック(16)が突合せ部
(B)の延びる方向と平行に固着されている。ラック
(16)はベース板(5)に固着されているので、ラック
(16)とベース板(5)とは一体に移動し得るものとな
る。更に、このベース板(5)の裏面側には、受けロー
ラに代えて、回転駆動可能なピニオン(17)が配置され
ている。
【0034】この第2実施形態において、両接合部材
(1)(2)の突合せ接合を行う場合には、まず、上記
第1実施形態と同様に、第1押さえ板(3)及び第2押
さえ板(4)を、それぞれ第1接合部材(1)及び第2
接合部材(2)の表面の所定位置に重ね合わせる。な
お、この第2実施形態では、各押さえ板(3)(4)は
ボルトでベース板(5)に固定されてはいない。
【0035】次いで、前押さえローラ(13)の第1凹部
(21)及び第2凹部(22)内に、それぞれ第1押さえ板
(3)の表面部及び第2押さえ板(4)の表面部を嵌合
させて、当該各押さえ板(3)(4)を突合せ部(B)
の延びる方向に対して垂直な方向に移動規制する。これ
と同じく、後押さえローラ(14)の第1凹部(21)及び
第2凹部(22)内に、それぞれ第1押さえ板(3)の表
面部及び第2押さえ板(4)の表面部を嵌合させて、当
該各押さえ板(3)(4)を突合せ部(B)の延びる方
向に対して垂直な方向に移動規制する。この状態で、前
後の押さえローラ(13)(14)の外周面(凹部の底面)
を両押さえ板(3)(4)の表面に厚さ方向に押し付け
ることによって、第1接合部材(1)及び第2接合部材
(2)を、それぞれ第1押さえ板(3)及び第2押さえ
板(4)を介して表面側から押さえる。
【0036】一方、所定の時点で、接合工具(10)の回
転子(11)及びプローブ(12)を回転させて、該プロー
ブ(12)を両接合部材(1)(2)の突合せ部(B)に
表面側から埋入した状態に配置し、更に回転子(11)の
端面(11a)を両接合部材(1)(2)の表面に押し付
けた状態に配置する。さらに、ピニオン(17)をラック
(16)に噛合させる。なお、プローブ(12)の埋入はピ
ニオン(17)の上方位置にて行うことが望ましい。
【0037】この状態で、接合工具(10)、前後の押さ
えローラ(13)(14)及びピニオン(17)の位置を固定
しておき、ピニオン(17)を回転駆動させることによ
り、両接合部材(1)(2)を突合せ部(B)が順次プ
ローブ(12)を通過するように移動させる。この両接合
部材(1)(2)の移動に伴い、突合せ部(B)がプロ
ーブ(12)により順次接合されていき、最終的に両接合
部材(1)(2)が突合せ部(B)の全長に亘って接合
一体化される。
【0038】この第2実施形態では、各押さえ板(3)
(4)は、前後の押さえローラ(13)(14)の対応凹部
(21)(22)内に嵌合されることで突合せ部(B)の延
びる方向に対して垂直な方向に移動規制されているの
で、接合中に不本意にその位置がずれてしまう不具合は
何ら発生せず、各押さえ板(3)(4)の位置をしっか
りと固定することができる。この結果、プローブ(12)
の進行圧による各接合部材(1)(2)の端部の捲れ上
がりを確実に防止できるようになり、より一層接合状態
の良好な突合せ接合継手を得ることができる。
【0039】さらに、この第2実施形態では、ピニオン
(17)をラック(16)に噛合させた状態で回転駆動させ
ることによって、両接合部材(1)(2)を移動させて
いるものであるので、両接合部材(1)(2)に極めて
強い移動方向(MD)の駆動力を付与することができる。
したがって、各接合部材(1)(2)が軟質材料からな
る場合はもとよりこれらが硬質材料からなる場合であっ
ても、両接合部材(1)(2)を確実に所定方向(MD)
に移動させることができる。
【0040】図7及び図8は、この発明の第3実施形態
を示している。これらの図には、上記第1及び第2実施
形態で示された構成要素に対応する構成要素に同一符号
が付されており、以下、この発明の第3実施形態を上記
第1及び第2実施形態との相異点を中心に説明する。
【0041】この第3実施形態では、前後の押さえロー
ラ(13)(14)は、上記第2実施形態のものと同一構成
であり、これを簡単に説明すると、前押さえローラ(1
3)の外周面には第1凹部(21)と第2凹部(22)とが
全周に亘って形成され、また後押さえローラ(14)の外
周面には第1凹部(21)と第2凹部(22)とが全周に亘
って形成されている。
【0042】また、両接合部材(1)(2)の裏面側に
は、ベース板に代えて、回転駆動可能な複数個(同図で
は3個)の支持ローラ(18)…が配置されている。そし
て、両接合部材(1)(2)がこれら支持ローラ(18)
上に載置されることで水平に支持されている。
【0043】この第3実施形態において、両接合部材
(1)(2)の突合せ接合を行う場合には、まず、上記
第1実施形態と同様に、第1押さえ板(3)及び第2押
さえ板(4)を、それぞれ第1接合部材(1)及び第2
接合部材(2)の表面の所定位置に重ね合わせる。
【0044】次いで、上記第2実施形態と同様に、前押
さえローラ(13)の第1凹部(21)及び第2凹部(22)
内に、それぞれ第1押さえ板(3)の表面部及び第2押
さえ板(4)の表面部を嵌合させて、当該各押さえ板
(3)(4)を移動規制する。これと同じく、後押さえ
ローラ(14)の第1凹部(21)及び第2凹部(22)内
に、それぞれ第1押さえ板(3)の表面部及び第2押さ
え板(4)の表面部を嵌合させて、当該各押さえ板
(3)(4)を移動規制する。この状態で、前後の押さ
えローラ(13)(14)の外周面を両押さえ板(3)
(4)の表面に厚さ方向に押し付けることによって、第
1接合部材(1)及び第2接合部材(2)を、それぞれ
第1押さえ板(3)及び第2押さえ板(4)を介して表
面側から押さえる。
【0045】一方、所定の時点で、接合工具(10)の回
転子(11)及びプローブ(12)を回転させて、該プロー
ブ(12)を両接合部材(1)(2)の突合せ部(B)に
表面側から埋入した状態に配置し、更に回転子(11)の
端面(11a)を両接合部材(1)(2)の表面に押し付
けた状態に配置する。プローブ(12)の埋入は複数個の
支持ローラ(18)のうち一つの支持ローラの上方位置に
て行うこの状態で、接合工具(10)、前後の押さえロー
ラ(13)(14)及び支持ローラ(18)の位置を固定して
おき、支持ローラ(18)を互いに同一の周速度で回転駆
動させることにより、両接合部材(1)(2)を突合せ
部(B)が順次プローブ(12)を通過するように移動さ
せる。この両接合部材(1)(2)の移動に伴い、突合
せ部(B)がプローブ(12)により順次接合されてい
き、最終的に両接合部材(1)(2)が突合せ部(B)
の全長に亘って接合一体化される。
【0046】以上、この発明の第1〜第3実施形態につ
いて説明したが、この発明はこれら実施形態に限定され
るものではなく、様々に設定変更可能である。
【0047】例えば、各押さえ板(3)(4)は、図9
に示したものであっても良い。同図に示した押さえ板
(3)(4)は、表面部が断面三角形状に形成されたも
のである。一方、前後の押さえローラ(13)(14)の外
周面には、この各押さえ板(3)(4)の表面部の断面
形状に対応した断面(即ち、断面三角形状)の第1凹部
(21)及び第2凹部(22)が全周に亘って形成されてい
る。このような押さえ板(3)(4)及び前後の押さえ
ローラ(13)(14)を用いることにより、押さえローラ
(3)(4)の凹部(21)(22)内に押さえ板(3)
(4)を確実に且つ容易に嵌合できるようになる。
【0048】また、第1接合部材(1)の肉厚と第2接
合部材(2)の肉厚とが相異している場合には、図10
に示した、肉厚が相異している第1及び第2押さえ板
(3)(4)を用いて突合せ接合を行うことが望まし
い。
【0049】同図では、第1接合部材(1)の肉厚は薄
肉に形成される一方、第2接合部材(2)の肉厚は厚肉
に形成されている。そして、両接合部材(1)(2)
は、裏面同士が面一に連なる態様で幅方向の一端部同士
が突き合わされており、このため、厚さ方向に両者の肉
厚差に対応した段差を表面側にて生じている。(D)は
両接合部材(1)(2)の段部である。
【0050】一方、第1押さえ板(3)の肉厚は厚肉に
形成されており、第2押さえ板(4)の肉厚は薄肉に形
成されている。両者の肉厚差は、両接合部材(1)
(2)の肉厚差(即ち段差寸法)に対応している。
【0051】これら両押さえ板(3)(4)を用い、第
1接合部材(1)の表面の所定位置に第1押さえ板
(3)を突合せ部(B)に沿う態様で重ね合わせる。ま
た第2接合部材(2)の表面の所定位置に第2押さえ板
(4)を突合せ部(B)に沿う態様で重ね合わせる。こ
の重ね合わせ状態では、第1押さえ板(3)の表面と第
2押さえ板(4)の表面とは同一の高さ位置に配置され
ている。このように押さえ板(3)(4)をセットして
突合せ接合が行われる。
【0052】この摩擦撹拌接合法では、上述したように
第1押さえ板(3)の表面と第2押さえ板(4)の表面
とは同一の高さ位置に配置されているから、前後の押さ
えローラ(13)(14)の外周面を両押さえ板(3)
(4)の表面に、片当たりすることなく確実に当接させ
ることができるし、同図のように前後の押さえローラ
(13)(14)の外周面に凹部(21)(22)が形成されて
いる場合には、その凹部(21)(22)内に押さえ板
(3)(4)の表面部を確実に嵌合できるようになる。
このため、段差を生じる態様で突き合わされた両接合部
材(1)(2)の突合せ部(B)を接合する場合であっ
ても、第1接合部材(1)及び第2接合部材(2)を強
固に押さえることができる。
【0053】更にこの発明は様々に設定変更可能であ
る。
【0054】例えば、図示していないが、前後の押さえ
ローラ(13)(14)の外周面に凸部を全周に亘って形成
するとともに、押さえ板(3)(4)の表面に長さ方向
に延びた凹部を全長に亘って形成し、前後の押さえロー
ラ(13)(14)の凸部と押さえ板(3)(4)の凹部と
を嵌合することによって当該押さえ板(3)(4)を移
動規制し、この状態で、突合せ接合を行っても良い。
【0055】また、上記実施形態では、接合操作は、突
合せ部(B)に埋入された接合工具のプローブ(12)の
位置を固定しておき、突合せ部(B)が順次プローブ
(12)を通過するように両接合部材(1)(2)を移動
させることにより、遂行されているが、この発明では、
この他に、両接合部材(1)(2)の位置を固定してお
き、突合せ部(B)に埋入されたプローブ(12)を突合
せ部(B)に沿って移動させることにより、遂行される
ものであっても良い。この場合、前後の押さえローラ
(13)(14)は接合工具(10)と連動して移動するもの
となる。
【0056】また、この発明では、第1押さえ板(3)
と第2押さえ板(4)とが一体に形成されたものであっ
ても良いし、一体に組み付けられたものであっても良
い。
【0057】
【発明の効果】上述の次第で、この発明は、接合工具の
接合方向前方側及び後方側に配置された前後の押さえロ
ーラによって、両接合部材を押さえ板を介して押さえな
がら、突合せ接合を行うことを特徴とするものであるか
ら、各接合部材の突き合わされた端部のプローブ埋入位
置近傍を押さえ板で押さえることができる。したがっ
て、プローブの進行圧による接合部材の端部の捲れ上が
りを防止することができ、もって接合状態の良好な突合
せ接合継手を得ることができる。
【0058】さらに、前後の押さえローラの外周面に全
周に亘って形成された凹部又は凸部に押さえ板を嵌合さ
せて、当該押さえ板を突合せ部の延びる方向に対して垂
直な方向に移動規制した状態で、突合せ接合を行う場合
には、押さえ板の位置を強固に固定することができ、接
合時に生じることのある押さえ板の位置ずれを防止する
ことができる。
【0059】さらに、両接合部材が載置固定されたベー
ス板に、ラックが突合せ部の延びる方向と平行に且つ一
体移動可能に設けられるとともに、ピニオンをラックに
噛合させた状態で回転駆動させることにより、両接合部
材を移動させて突合せ接合を行う場合には、両接合部材
に極めて強い移動方向の駆動力を付与することができ、
このため、各接合部材が軟質材料からなる場合はもとよ
り、これらが硬質材料からなる場合であっても、両接合
部材を確実に所定方向に移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態の摩擦撹拌接合法を示
す平面図である。
【図2】第1実施形態の摩擦撹拌接合法を示す一部切欠
き正面図である。
【図3】第1実施形態の摩擦撹拌接合法を示す側面図で
ある。
【図4】この発明の第2実施形態の摩擦撹拌接合法を示
す平面図である。
【図5】第2実施形態の摩擦撹拌接合法を示す一部切欠
き正面図である。
【図6】第2実施形態の摩擦撹拌接合法を示す側面図で
ある。
【図7】この発明の第3実施形態の摩擦撹拌接合法を示
す一部切欠き正面図である。
【図8】第3実施形態の摩擦撹拌接合法を示す側面図で
ある。
【図9】押さえローラ及び押さえ板の第1変形例を示す
正面図である。
【図10】押さえローラ及び押さえ板の第2変形例を示
す正面図である。
【符号の説明】
1…第1接合部材 2…第2接合部材 3…第1押さえ板 4…第2押さえ板 10…接合工具 12…プローブ 13…前押さえローラ 14…後押さえローラ 16…ラック 17…ピニオン 21、22…凹部 B…突合せ部 W…接合部 WD…接合方向

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 突合せ状に配置されるとともに突合せ部
    (B)に接合工具(10)の回転しているプローブ(12)
    が表面側から埋入された2個の板状の接合部材(1)
    (2)を、突合せ部(B)が順次プローブを通過するよ
    うにプローブに対して相対的に移動させることにより、
    両接合部材を突合せ接合する摩擦撹拌接合法であって、 各接合部材(1)(2)の表面に押さえ板(3)(4)
    を突合せ部に沿う態様で重ね合わせるとともに、 接合工具(10)の接合方向前方側及び後方側に配置され
    た前後の押さえローラ(13)(14)によって、両接合部
    材(1)(2)を押さえ板(3)(4)を介して押さえ
    ながら、突合せ接合を行うことを特徴とする摩擦撹拌接
    合法。
  2. 【請求項2】 前後の押さえローラ(13)(14)の外周
    面に全周に亘って形成された凹部(21、22)又は凸部に
    押さえ板を嵌合させて、当該押さえ板を突合せ部の延び
    る方向に対して垂直な方向に移動規制した状態で、突合
    せ接合を行う請求項1記載の摩擦撹拌接合法。
  3. 【請求項3】 両接合部材が載置固定されたベース板
    (5)に、ラック(16)が突合せ部の延びる方向と平行
    に且つ一体移動可能に設けられるとともに、ピニオン
    (17)をラックに噛合させた状態で回転駆動させること
    により、両接合部材(1)(2)を移動させて突合せ接
    合を行う請求項1又は2記載の摩擦撹拌接合法。
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