JP3974708B2 - 突合せ継手構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、突合せ状態に配置された2個の中空パネル状接合部材が厚さ方向外方から行われた摩擦撹拌接合により突合せ部において接合一体化されている突合せ継手構造に関し、例えば船舶や車両に用いられる床材、壁材、天井材に好適に適用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
突合せ継手に適用される接合方法の一つに、摩擦撹拌接合法がある。図5は、この摩擦撹拌接合法により、突合せ状態に配置された2個の接合部材を突合せ部において接合一体化する場合について示している。
【0003】
同図において、(60)(70)は前記2個の接合部材としての中空パネルである。各中空パネル(60)(70)は、アルミニウム(その合金を含む、以下同じ)押出形材からなるもので、平行状に配置された2枚の上下外板部(61)(62)(71)(72)が、幅方向に所定間隔をおいて配置された長さ方向に延びる複数のリブ(63a )(63b )(73a )(73b )…によって連結されているものである。また、前記上下外板部(61)(62)(71)(72)の幅方向両端部は、前記複数のリブ (63a )(63b )(73a )(73b )のうちの最外側のリブ(63a )(73a )によって連結されている。
【0004】
そして、これら2個の中空パネル(60)(70)は、一方の中空パネル(60)の上外板部(61)の左端面と他方の中空パネル(70)の上外板部(71)の右端面とを突き合わせるとともに、一方の中空パネル(60)の下外板部(61)の左端面と他方の中空パネル(70)の下外板部(71)の右端面とを突き合わせて配置されている。この突合せ状態において、対向する最外側のリブ(63a )(73a )の外側面同士は、面接触状態に当接している。
【0005】
(80)は、突合せ部(90)(91)を接合するための摩擦撹拌接合用接合工具で、径大の円柱状回転子(81)と該回転子(81)の肩部(81a )軸線上に突設された径小のピン状プローブ(82)とを有している。
【0006】
このように突合せ状態に配置された2個の中空パネル(60)(70)を摩擦撹拌接合法により接合一体化する場合には、例えば特開平9−309164号公報に開示されているように、まず基台(92)上に突合せ状態の両中空パネル(60)(70)を載置固定し、次いで、前記接合工具(80)のプローブ(82)を回転させながら該プローブ(82)を上外板部(61)(71)の突合せ部(90)にその表面側から挿入する。挿入は、同図(b)に示すように回転子(81)の肩部(81a )が上外板部(61)(71)の表面に当接するまで行うのが通常である。そして、プローブ(82)を挿入した状態で、かつ回転子(81)の肩部(81a )を上外板部(61)(71)の表面に押し付けた状態で、プローブ(82)を突合せ部(90)に沿って相対的に移動させる。プローブ(82)を移動に伴って、プローブ(82)との接触部近傍が摩擦熱にて順次軟化撹拌されるとともに、該軟化撹拌部分が摩擦熱を急速に失って冷却固化され、その結果、各中空パネル(60)(70)の上外板部(61)(71)同士が突合せ部(90)において接合一体化されるものとなる。
【0007】
このように摩擦撹拌接合法は、摩擦熱にて突合せ部(90)を順次軟化して接合するという固相接合法の一つであり、MIG、TIG等の溶融溶接法と比較して入熱量が少なく、そのため接合時の熱歪みが少ないなどといった優れた利点を有している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図6(a)に示す2個の中空パネル(60' )(70' )は、上外板部(61' )(71' )の端面同士、及び下外板部(62' )(72' )の端面同士を突き合わせた状態において、対向する最外側のリブ(63a')(73a')の間に間隙(92' )が形成されているものである。
【0009】
このように突き合されている中空パネル(60' )(70' )において、上外板部(61' )(71' )の突合せ部(90' )を上記と同じように摩擦撹拌接合する場合には、次のような問題が生じる。
【0010】
すなわち、突合せ部(90' )にプローブ(82)を挿入すると、同図(b)に示すように、プローブ(82)の挿入圧と、回転子(81)の肩部(81a )の押付け圧とによって、上外板部(61' )(71' )の両端部が内方に押し込められて突合せ部(90' )が内側に開いてしまうという問題が生じる。このように突合せ部(90' )が開いてしまうと、この状態のままで上外板部(61' )(71' )が接合されるので、接合状態が劣悪になる。また、突合せ部(90' )が開かないで、上外板部(61' )(71' )の両端部が突合せ状態に維持されている場合であっても、その突合せ部(90' )の裏面側には間隙(92' )が形成されているので、この間隙(92' )内に摩擦熱にて軟化した軟化部が流出してしまい、そのため接合状態の良好な突合せ継手を得ることができない。
【0011】
そこで、軟化部の流出を防止するため、突合せ部(90' )の裏面に裏当て(図示せず)を当接させることが考えられる。しかしながら、プローブ(82)の挿入圧及び回転子(81)の肩部(81a )の押付け圧はこの裏当てにも加わることから、該裏当てがこれら圧力を受けて上外板部(61' )(71' )と一緒に内方に押し込められてしまい、結局、良好な接合を行うことができない。
【0012】
なお、上記図5に示した中空パネル(60)(70)の場合には、上外板部(61)(71)の両端部は最外側のリブ(63a )(73a )によって支持されているので、上外板部(61)(71)の両端部が内方に押し込めらることはなく、また最外側のリブ(63a )(73a )の外側面同士は面接触状態に当接して密着しているので、摩擦熱にて軟化した軟化部が流出してしまうこともない。
【0013】
この発明は、このような技術背景に鑑みてなされたもので、対向する最外側のリブの間に間隙が形成されている場合であっても、接合不良が生じていない、つまり接合状態の良好な突合せ継手構造を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は、平行状に配置された2枚の板状体が、間隔的に配置された複数のリブにより連結されてなる2個の中空パネル状接合部材を、最外側の前記リブが対向してその間に間隙が形成されるように前記板状体を突き合わせて配置するとともに、この突合せ部を厚さ方向外方から摩擦撹拌接合してなる突合せ継手構造であって、前記間隙内において、一方の接合部材に連設された裏当て部を、突合せ部を跨ぐ態様で他方の接合部材の板状体の裏面に当接させるとともに、この裏当て部の裏面を、他方の接合部材に連設された支持部に当接支持させ、この状態で、摩擦撹拌接合が行われてなることを特徴とする。
【0015】
これによれば、一方の接合部材に連設された裏当て部を、突合せ部を跨ぐ態様で他方の接合部材の板状体の裏面に当接させることにより、摩擦熱にて軟化した軟化部が間隙内に流出するのを防止することができる。そして、この裏当て部の裏面を、他方の接合部材に連設された支持部に当接支持させることにより、裏当て部と他方の接合部材の板状体の裏面との当接状態を保持することができるようになって、軟化部の間隙内への流出を確実に阻止することができる上、プローブの挿入圧及び回転子の肩部の押付け圧により生じる突合せ部の開きを防止することができる。したがって、摩擦撹拌接合は接合不良を生じることなく良好に行われることとなり、こうして得られる突合せ継手は、接合状態が良好で高品位なものとなる。
【0016】
また、前記支持部の支持面と、前記裏当て部の裏面とのうち少なくとも一方が、前記板状体を突き合わせることにより前記裏当て部が前記他方の接合部材の板状体の裏面側に案内されるように傾斜した傾斜面とされている場合には、一方の接合部材の板状体と、他方の接合部材の板状体とを突き合わせると、この突合せ操作により、裏当て部の裏面が支持部の支持面に当接支持されるとともに、裏当て部が他方の接合部材の板状体の裏面側に案内されることとなるから、裏当て部は他方の接合部材の板状体の裏面に強く密着するものとなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1(a)において、(10)は中空パネル状接合部材としてのアルミニウム押出形材製の第1中空パネル、(20)は同じく中空パネル状接合部材としてのアルミニウム押出形材製の第2中空パネルである。
【0019】
前記第1中空パネル(10)は、平行状に配置された2枚の板状体としての上下外板部(11)(15)が、幅方向に所定間隔をおいて配置された長さ方向に延びる複数のリブ(14a)(14b)(14c)…によって連結されているものである。
【0020】
この第1中空パネル(10)の上外板部(11)の左端部(11a)は、同図(b)に示すように、最外側のリブ(14a)の外側面よりも側方側に突出し、かつ若干厚肉に形成されている。同じく、下外板部(15)の左端部(15a)は、最外側のリブ(14a)の外側面よりも側方側に突出し、かつ若干厚肉に形成されている。
【0021】
また同じく、前記第2中空パネル(20)は、平行状に配置された2枚の板状体としての上下外板部(21)(25)が、幅方向に所定間隔をおいて配置された長さ方向に延びる複数のリブ(24a)(24b)(24c)…によって連結されているものである。そして、この第2中空パネル(20)の上外板部(21)の右端部(21a)は、最外側のリブ(24a)の外側面よりも側方側に突出し、かつ若干厚肉に形成されており、また下外板部(25)の右端部(25a)は、最外側のリブ(24a)の外側面よりも側方側に突出し、かつ若干厚肉に形成されている。
【0022】
この実施形態の突合せ継手の構造は、上記のように構成されている第1中空パネル(10)と第2中空パネル(20)とを、最外側のリブ(14a)(24a)が対向してその間に間隙(G)が形成されるように、第1中空パネル(10)の上外板部(11)の左端面(11b)と第2中空パネル(20)の上外板部(21)の右端面(21b)とを突き合わせるとともに、第1中空パネル(10)の下外板部(15)の左端面と第2中空パネル(20)の下外板部(25)の右端面とを突き合わせて配置した後、図2に示すように、これら突合せ部(B1 )(B2 )をそれぞれ厚さ方向外側から摩擦撹拌接合することにより、得られるものである。前記リブ(14a)(24a)の間に形成された間隙(G)は広く、例えば5mm以上である。
【0023】
また同図において、(30)は前記突合せ部(B1 )(B2 )を接合するための摩擦撹拌接合用接合工具であって、径大の円柱状回転子(31)と該回転子(31)の肩部(31a)軸線上に突設された径小のピン状プローブ(32)とを有している。前記プローブ(32)と回転子(31)はともに、両中空パネル(10)(20)より硬質でかつ接合時に発生する摩擦熱に耐えうる耐熱材料によって形成されている。
【0024】
而して、上記のように間隙(G)が形成されている場合にあっては、摩擦撹拌接合により上外板部(11)(21)の突合せ部(B1 )、あるいは下外板部(15)(25)の突合せ部(B2 )をその表面側から接合すると、従来例で説明したように、摩擦熱にて軟化した軟化部が間隙(G)内に流出してしまい、そのため接合状態の良好な突合せ継手を得ることができない。
【0025】
そこで、この実施形態の第1及び第2中空パネル(10)(20)には、次のような部位が設けられている。
【0026】
すなわち、図1(b)に示すように、第1中空パネル(10)の上外板部(11)の左端部(11a)の裏面乃至リブ(14a)の外側面には、長さ方向に延びる裏当て部(12)が、該上外板部(11)の左端面(11b)よりも側方側に突出するように連設されており、第1中空パネル(10)の上外板部(11)の左端面(11b)と、第2中空パネル(20)の上外板部(21)の右端面(21b)とを突き合わせると、図2に示すように、この裏当て部(12)が突合せ部(B1 )を跨く態様で第2中空パネル(20)の上外板部(21)の右端部(21a)の裏面(21c)に面接触状態に当接するものとなされている。
【0027】
このように第2中空パネル(20)の上外板部(21)の右端部(21a)の裏面(21c)に裏当て部(12)を面接触状態に当接させることにより、摩擦熱にて軟化した軟化部を確実に受け止めることができ、したがって軟化部が間隙(G)内に流出してしまうことを確実に防止することができる。
【0028】
更に、第2中空パネル(20)のリブ(24a)の外側面には、前記裏当て部(12)の裏面(12a)を当接支持する長さ方向に延びる支持部(23)が、側方側に突出するように連設されており、前記裏当て部(12)の裏面(12a)がこの支持部(23)に当接支持されることにより、裏当て部(12)と第2中空パネル(20)の上外板部(21)の右端部(21a)の裏面(21c)との当接状態が保持されている。
【0029】
また、図1(a)から分かるように、この支持部(23)の支持面(23a)は、第1中空パネル(10)における突合せ方向(矢印イの方向)に対して第2中空パネル(20)の上外板部(21)の右端部(21a)の裏面(21c)側に傾斜した傾斜面とされている。また、裏当て部(12)の裏面(12a)は、第2中空パネル(20)における突合せ方向(矢印ロの方向)に対して支持部(23)側に傾斜した傾斜面とされている。したがって、第1中空パネル(10)の上外板部(11)の左端面(11b)と、第2中空パネル(20)の上外板部(21)の右端面(21b)とを突き合わせると、この突合せ操作により、裏当て部(12)の裏面(12a)が支持部(23)にその支持面(23a)において当接支持されるとともに、該裏当て部(12)が第2中空パネル(20)の上外板部(21)の右端部(21a)の裏面(21c)側に案内されて該上外板部(21)の右端部(21a)の裏面(21c)に強く密着するものとなる。
【0030】
更に、支持部(23)の支持面(23a)と、裏当て部(12)の裏面(12a)とは、ともに同じ角度で傾斜している。したがって、図2に示すように、裏当て部(12)の裏面(12a)が支持部(23)にその支持面(23a)において当接支持された状態において、両面(12a)(23a)は面接触状態に当接することとなり、そのため両面(12a)(23a)は強い摩擦力を受けてずれにくくなって、裏当て部(12)と第2中空パネル(20)の上外板部(21)の右端部(21a)の裏面(21c)との密着状態を堅く保持している。
【0031】
また、第1中空パネル(10)の下外板部(15)の左端部(15a)と、第2中空パネル(20)の下外板部(25)の右端部(25a)とは、上記第1及び第2中空パネル(10)(20)の上外板部(11)(21)と同じ態様で突き合わされている。この突合せ構造を簡単に説明すると、次の通りである。
【0032】
すなわち、第1中空パネル(10)の下外板部(15)の左端部(15a)の裏面乃至リブ(14a)の外側面には、裏当て部(16)が連設されており、この裏当て部(16)が突合せ部(B2 )を跨く態様で第2中空パネル(20)の下外板部(25)の右端部(25a)の裏面(25c)に面接触状態に当接している。
【0033】
また、第2中空パネル(20)のリブ(24a)の外側面には、前記裏当て部(16)の裏面(16a)を当接支持する支持部(27)が連設されており、この支持部(27)に前記裏当て部(16)の裏面(16a)が当接支持されることにより、裏当て部(16)と第2中空パネル(20)の下外板部(25)の右端部(25a)の裏面(25c)との当接状態が保持されている。
【0034】
また、上記と同様の理由により、前記支持部(27)の支持面(27a)は、第1中空パネル(10)における突合せ方向(イ)に対して第2中空パネル(20)の下外板部(25)の右端部(25a)の裏面(25c)側に傾斜した傾斜面とされており、同じく裏当て部(16)の裏面(16a)は、第2中空パネル(20)における突合せ方向(ロ)に対して支持部(27)側に傾斜した傾斜面とされている。更に支持部(27)の支持面(27a)と、裏当て部(16)の裏面(16a)とは、ともに同じ角度で傾斜しており、したがった両面(27a)(16a)は面接触状態に当接し、裏当て部(16)と第2中空パネル(20)の下外板部(25)の右端部(25a)の裏面(25c)との密着状態を堅く保持している。
【0035】
このようにして突合せ状態に配置された第1及び第2中空パネル(10)(20)は、基台(S)上に載置された後、厚さ方向外方から摩擦撹拌接合されて突合せ継手となる。
【0036】
この摩擦撹拌接合を説明すると、次の通りである。
【0037】
すなわち、図2に示すように、前記接合工具(30)のプローブ(32)を回転させながら該プローブ(32)を上外板部(11)(21)の突合せ部(B1 )にその表面からあるいは端面から挿入する。挿入は、図3(a)に示すように、回転子(31)の肩部(31a)が上外板部(11)(21)の表面に当接するまで行うのが通常である。そして、回転子(31)の肩部(31a)を上外板部(11)(21)の表面に押し付ける。このとき、第2中空パネル(20)の上外板部(21)の右端部(21a)の裏面(21c)が、裏当て部(12)に当接されており、かつこの裏当て部(12)の裏面(12a)が支持部(23)に当接支持されているので、プローブ(32)の挿入圧及び回転子(31)の肩部(31a)の押付け圧によって突合せ部(B1 )が内側に開いてしまう問題は生じない。
【0038】
そして、プローブ(32)を突合せ部(B1 )に挿入した状態で、かつ回転子(31)の肩部(31a)を上外板部(11)(21)の表面に押し付けた状態で、突合せ部(B1 )に沿ってプローブ(32)を相対的に移動させる。なお、このプローブ(32)の移動は、プローブ(32)を進行方向と逆方向側に僅かに傾けて回転子(31)の肩部(31a)の進行方向側の部分を僅かに浮かせた状態で、行うのが望ましい。こうすることにより、プローブ(32)の移動の際に、回転子(31)の肩部(31a)の進行方向側の部分のコーナー部が、上外板部(11)(21)の表面に存在することのある微細な凹凸に引っ掛かってしまうことを防止することができ、そのためプローブ(32)をスムーズに相対移動させることができるようになるからである。
【0039】
プローブ(32)の回転により発生する摩擦熱、あるいは更に回転子(31)の肩部(31a)の摺動に伴い発生する摩擦熱により、プローブ(32)との接触部近傍において上外板部(11)(21)は軟化する。そして、この軟化部分がプローブ(32)の回転により撹拌されるとともに、プローブ(32)の移動に伴って、軟化撹拌部分がプローブ(32)の進行圧力を受けてプローブの通過溝を埋めるようにプローブ(32)の進行方向後方へと回り込む態様で塑性流動したのち、摩擦熱を急速に失って冷却固化される。ここに、第2中空パネル(20)の上外板部(21)の右端部(21a)の裏面(21c)が裏当て部(12)に面接触状態に当接されているので、軟化部は間隙(G)内に流出することなく該突合せ部(B1 )において冷却固化するものとなる。この現象がプローブ(32)の移動に伴って順次繰り返されていき、最終的に、同図(b)に示すように、上外板部(11)(21)同士が突合せ部(B1 )において接合一体化される。同図(b)において、(W)は突合せ部(B1 )に形成された接合部である。
【0040】
次いで、この第1及び第2中空パネル(10)(20)をひっくり返した後、上記と同様に下外板部(15)(25)の突合せ部(B2 )を摩擦撹拌接合する。
【0041】
こうして接合一体化された第1及び第2中空パネル(10)(20)、すなわち突合せ継手を図4に示す。
【0042】
この突合せ継手は、軟化部の間隙(G)内への流出が阻止された状態で接合されているので、接合状態の良好なものとなっている。加えて、プローブ(32)の挿入圧及び回転子(31)の肩部(31a)の押付け圧により生じる突合せ部(B1 )(B2 )の開きが阻止された状態で接合されているので、接合状態の極めて良好なものとなっている。
【0043】
また、第2中空パネル(20)の上下外板部(21)(25)の右端部(21a)(25a)裏面が、対応する裏当て部(12)(16)に当接されるとともに、これら裏当て部(12)(16)の裏面(12a)(16a)が、対応する支持部(23)(27)に当接支持されているので、外圧に対して強い構造を有するものとなっている。
【0044】
もとより、この突合せ継手は、入熱量がMIG、TIG、レーザ溶接等の溶融溶接法に比して少ない摩擦撹拌接合により接合一体化されたものなので、熱歪みが殆ど発生しておらず、高品位なものとなっている。
【0045】
以上、この発明の実施形態を説明したが、この発明は上記実施形態に限定されるものではないことはもちろんである。
【0046】
【発明の効果】
上述の次第で、この発明に係る突合せ継手構造によれば、一方の接合部材に連設された裏当て部を、突合せ部を跨ぐ態様で他方の接合部材の板状体の裏面に当接させることにより、摩擦熱にて軟化した軟化部が間隙内に流出するのを防止することができ、更にこの裏当て部の裏面を、他方の接合部材に連設された支持部に当接支持させることにより、裏当て部と他方の接合部材の板状体の裏面との当接状態を保持することができるようになって、軟化部の間隙内への流出を確実に阻止することができる上、プローブの挿入圧及び回転子の肩部の押付け圧により生じる突合せ部の開きを防止することができる。したがって、接合不良を生じることなく良好に摩擦撹拌接合が行われた、つまり接合状態の良好な突合せ継手構造を提供することができる。
【0047】
また、支持部の支持面と、裏当て部の裏面とのうち少なくとも一方が、外板部を突き合わせることにより裏当て部が他方の接合部材の板状体の裏面側に案内されるように傾斜した傾斜面とされている場合には、一方の接合部材の板状体と、他方の接合部材の板状体とを突き合わせると、この突合せ操作により、裏当て部が他方の接合部材の板状体の裏面側に案内されることとなるから、裏当て部は他方の接合部材の板状体の裏面に強く密着するものとなる。したがって、軟化部の間隙内への流出をより一層確実に阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態を示す図で、(a)は2個の中空パネル(中空パネル状接合部材)の斜視図、(b)は同中空パネルの拡大横断面図である。
【図2】同中空パネルを突き合わせた状態の拡大横断面部である。
【図3】(a)は接合途中の状態を示す同中空パネルの拡大横断面図、(b)は接合後の状態を示す同中空パネルの拡大横断面図である。
【図4】接合後の状態を示す同中空パネルの斜視図である。
【図5】従来例を示す図で、(a)は2個の中空パネルを突き合わせた状態の横断面図、(b)は接合途中の状態を示す同中空パネルの拡大横断面図である。
【図6】従来例の欠点を説明する図で、(a)は2個の中空パネルを突き合わせた状態の横断面図、(b)は接合途中の状態を示す同中空パネルの拡大横断面図である。
【符号の説明】
10、20…中空パネル(中空パネル状接合部材)
11、21…上外板部(板状体)
15、25…下外板部(板状体)
14a、24a…リブ
12、16…裏当て部
23、27…支持部
B1 、B2 …突合せ部
W…接合部
G…間隙
30…接合工具
Claims (10)
- 平行状に配置された2枚の板状体が、間隔的に配置された複数のリブにより連結されてなる2個の中空パネル状接合部材を、最外側の前記リブが対向してその間に間隙が形成されるように前記板状体を突き合わせて配置するとともに、この突合せ部を厚さ方向外方から摩擦撹拌接合してなる突合せ継手構造であって、
前記間隙内において、一方の接合部材に連設された裏当て部を、突合せ部を跨ぐ態様で他方の接合部材の板状体の裏面に当接させるとともに、この裏当て部の裏面を、他方の接合部材に連設された支持部に当接支持させ、この状態で、摩擦撹拌接合が行われてなることを特徴とする突合せ継手構造。 - 前記支持部の支持面と、前記裏当て部の裏面とのうち少なくとも一方が、前記板状体を突き合わせることにより前記裏当て部が前記他方の接合部材の板状体の裏面側に案内されるように傾斜した傾斜面とされている請求項1記載の突合せ継手構造。
- 平行状に配置された2枚の板状体が、間隔的に配置された複数のリブにより連結されてなる2個の中空パネル状接合部材を、最外側の前記リブが対向してその間に間隙が形成されるように前記板状体を突き合わせて配置するとともに、この突合せ部を厚さ方向外方から摩擦撹拌接合してなる突合せ継手であって、
前記間隙内において、一方の接合部材に連設された裏当て部を、突合せ部を跨ぐ態様で他方の接合部材の板状体の裏面に当接させるとともに、この裏当て部の裏面を、他方の接合部材に連設された支持部に当接支持させ、この状態で、突合せ部が摩擦撹拌接合されてなることを特徴とする突合せ継手。 - 前記支持部の支持面と、前記裏当て部の裏面とのうち少なくとも一方が、前記板状体を突き合わせることにより前記裏当て部が前記他方の接合部材の板状体の裏面側に案内されるように傾斜した傾斜面とされている請求項3記載の突合せ継手。
- 請求項3又は4記載の突合せ継手を含む車両の床材。
- 請求項3又は4記載の突合せ継手を含む車両の壁材。
- 請求項3又は4記載の突合せ継手を含む車両の天井材。
- 平行状に配置された2枚の板状体が、間隔的に配置された複数のリブにより連結されてなる2個の中空パネル状接合部材を、最外側の前記リブが対向してその間に間隙が形成されるように前記板状体を突き合わせて配置するとともに、この突合せ部を厚さ方向外方から摩擦撹拌接合する突合せ継手の製造方法であって、
前記間隙内において、一方の接合部材に連設された裏当て部を、突合せ部を跨ぐ態様で他方の接合部材の板状体の裏面に当接させるとともに、この裏当て部の裏面を、他方の接合部材に連設された支持部に当接支持させ、この状態で、突合せ部を摩擦撹拌接合することを特徴とする突合せ継手の製造方法。 - 前記支持部の支持面と、前記裏当て部の裏面とのうち少なくとも一方が、前記板状体を突き合わせることにより前記裏当て部が前記他方の接合部材の板状体の裏面側に案内されるように傾斜した傾斜面とされている請求項8記載の突合せ継手の製造方法。
- 突合せ継手は、車両の床材、壁材又は天井材に用いられる請求項8又は9記載の突合せ継手の製造方法。
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