JP4195580B2 - 垂直若しくは傾斜立設継手構造体 - Google Patents

垂直若しくは傾斜立設継手構造体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被加工物に摩擦熱を付与する円形ショルダ面の中心軸線上にプローブが垂設された摩擦接合工具を用い、立設部材の下端を水平部材の主面に当接した後、前記当接部にショルダ面を押圧摩擦回転させながら、前記当接部を摩擦撹拌接合したT型、L字形、I型、Π型、及び∠型等の垂直若しくは傾斜立設継手構造体に関し、特に、鉄道車両、船舶、又は航空機等の大型構造物に用いられる垂直若しくは傾斜立設継手構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、鉄道車両、船舶、及び航空機等の大型構造物に用いられ、長手方向に延在する長尺な中空型材等の二面構造体(パネル)は押し出し成形材を複数平行に配設したものを突き合わせ接合して構成されてあり、このような押し出し型材同士を接合する際には、例えば、MIG溶接等を用いて突き合わせ接合部を形成する。しかしながら、溶融接合する方法では熱歪み等の問題が生じる。
【0003】
一方、特表平7−505090号公報には、摩擦攪拌接合による部材同士の接合が記載されており固相接合方法として、加工物より実質的に硬い材質からなるツ−ルを加工物の接合部に挿入し、前記ツ−ルを回転させながら移動することにより、該、回転ツ−ルと加工物との間に生じる摩擦熱による塑性流動によって加工物を接合する接合方法がある。
【0004】
かかる摩擦接合法は、接合部材を固相状態で、該ツ−ルを回転させながら移動して軟化させた固相部分を一体化しながら接合できるために、熱歪みがなく接合方向に対して実質的に無限に長い部材でもその長手方向に連続的に固相接合できる利点がある。さらに、回転ツ−ルと接合部材との摩擦熱による金属の塑性流動を利用した固相接合のため、接合部を溶融させることなく、接合できる。また、加熱温度が低いため、接合後の変形が少ない。接合部は溶融されないため、欠陥が少ないなどの多くの利点がある。
【0005】
さらに、特許第3152420号公報には、鉄道車両、船舶、及び航空機等の大型構造物に用いられる長尺な中空型材等の二面構造体(パネル)を、押し出し成形材を複数平行に配設したものを突き合わせ接合して構成するようにした摩擦攪拌接合による二面構造体(パネル)同士の接合が記載されている。
【0006】
かかる技術は、第1の板の端部と第2の板の端部との突合わせ部のそれぞれの前記板の一方側の面に裏当てを当てた状態で、他方側の面のみから回転工具を前記突合わせ部に挿入して、前記突合わせ部を摩擦接合するとともに該突合わせ部の前記一方側の面を実質的に平に摩擦接合し、前記摩擦接合によって得られた物の前記一方側の面を構造体の外面に位置させて、構造体を製作することによって達成できるものである。
【0007】
このような技術は、長尺な中空型材等の二面構造体(パネル)を製造するのに適した技術であるが、航空機及び鉄道車両等の製造にあたっては前記フロア用パネル等のハニカムパネル体のみならず、断面T字状、T型、L字形、I型、Π型、又は∠型等になるよう継手溶接された継手部材をハニカムパネル体の隅部等に接合して鉄道車両等の構造体を製造する必要がある。
【0008】
このような継手部材は、例えば、T形継手の場合、水平面の主面に垂直板を立設して垂直板下端隅部を継手溶接する必要がある。このような隅部を接合する際、前述の摩擦攪拌接合法を用いると、すみ肉は矩形状であるために、工具のショルダ部がすみ肉に面接触することができず、工具のショルダ部を当接しての摩擦撹拌接合を行うことが難しい。
【0009】
このような不具合に対処するため、従来、特開2001−321965公報に記載された摩擦攪拌によるすみ肉接合法が知られている(以下従来例と呼ぶ)。
【0010】
従来例では、隅部が形成される二つの接合部材(例えば、T継手)を摩擦攪拌接合する際、隅部に断面直角三角形状の接合補助材を配置して、工具を回転させつつ、そのプローブを接合部材の合わせ部(突き合わせ部)に向かって接合補助材に挿入する。そして、工具のショルダ部を接合補助材の外面に圧接させる。この状態を保って、プローブを突き合わせ部に沿って相対的に移動させて、摩擦攪拌接合によって接合部材同士の隅部を接合している。
【0011】
このように、従来例では、隅部に断面直角三角形状の接合補助材を配置しているから、ショルダ部が接合補助材の傾斜外面を面接触にて圧接して、摩擦攪拌接合を行うことができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来例では、T型継手等を摩擦攪拌接合によって接合する際、別に接合補助材を準備しなければならず、このため、摩擦攪拌接合を行う際のコストがアップしてしまうという課題がある。
【0013】
さらに、従来例では、単に接合部材同士が突き合わされているだけであるから、接合部材同士の位置決め及びセッティングが難しく、しかもプローブを突き合わせ部に沿って相対的に移動させる際、接合部材のみならず、接合補助材が動かないように保持する必要があり、摩擦攪拌接合を行う際の工程が面倒になってしまうという課題もある。
【0014】
また、従来例では、主に接合補助材自体をショルダ部によって摩擦して摩擦攪拌接合を行っている関係上、接合部材同士に直接的に摩擦熱が発生せず、このため、接合が不十分となってしまうという課題がある。
【0015】
本発明の目的は、被加工物に摩擦熱を付与する円形ショルダ面の中心軸線上にプローブが垂設された摩擦接合工具を用い、立設部材の下端を水平部材の主面に当接した後、当接部にショルダ面を押圧摩擦回転させながら、当接部を摩擦撹拌接合する際、容易にしかも精度よく安価に摩擦攪拌接合を行うことのできる垂直若しくは傾斜立設継手構造体を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、T型、L字形、I型、Π型、及び∠型等の垂直若しくは傾斜立設継手構造体を摩擦攪拌接合にて容易にしかも精度よく製造する方法にある。
【0017】
本発明は、被加工物に摩擦熱を付与する円形ショルダ面の中心軸線上にプローブが垂設された摩擦接合工具を用い、立設部材の下端を水平部材の主面に当接した後、前記当接部にショルダ面を押圧摩擦回転させながら、前記当接部を摩擦撹拌接合した垂直若しくは傾斜立設継手構造体において、前記立設部材の下端とその下端当接位置に対応する水平部材の主面部位に互いに係合する凹凸部を形成するとともに、該凹凸面の係合により形成されるショルダ当接面が前記ショルダ直径より大なる幅域であることを特徴とするものである。
【0018】
このようにすれば、補助接合部材を必要とすることなく、隅部を摩擦攪拌接合することができ、コストを低減することができる。さらに、摩擦攪拌接合を行う際、水平部材に立設部材の端部と水平部材の主面との間の凹凸部を係合するだけで、垂直維持等の位置決め及びセッティングが極めて容易となり、又前記係合によりショルダ当接面が自動的に形成されるから、該当接面を利用して精度よく摩擦攪拌接合を行うことができる。この結果従来技術のように接合補助材を用いる必要がないために、摩擦攪拌接合を行う際の工程が非常に容易になる。
【0019】
そして本発明の具体的な構成は、前記ショルダ当接面が、水平部材と立設部材の両者にまたがって傾斜平面若しくは水平平面上に形成されている。これにより前記傾斜平面若しくは水平平面上に形成されている凹凸係合部の接合線に沿って容易に精度よく摩擦攪拌接合を行うことができる。また、前記ショルダ当接面を立設部材の左右両側に対称に形成するようにしてもよい。これにより一方熱歪みが生じることなく、垂直若しくは所定傾斜角度を維持して精度良く摩擦攪拌接合を行うことができる。
【0020】
さらに、本発明では、前記凹凸部の少なくとも一面に垂直立設部材を垂直に支持するための水平支持面を有している。水平支持面のために、その両側の接合線上に摩擦撹拌接合の塑性流動が生成されてもそれに引っ張られることなく、水平支持面で立設部材の垂直若しくは所定傾斜角度を維持して精度良く摩擦攪拌接合を行うことができる。
【0021】
そして、例えば、前記立設部材の凸部は左右対称断面略山型形状(山型には水平支持面を有する逆台形も含む)であり、これと係合する水平部材の凹部すそ野部分が隆起した谷形状であり、前記凸部の幅方向傾斜面と水平部材のすそ野部分によって傾斜面として規定された平面が、前記ショルダ直径より大なる幅域として形成される。この場合は、傾斜面として規定された平面に直交してショルダ面が斜めに当接して摩擦攪拌接合を行うことができる。
【0022】
また、前記立設部材の凸部はその上面が前記主面部位に平行な面であり、前記凸部の上面と前記立設部材の端部とによって前記接合部を前記主面部位に対して平行とする水平面であるようにしてもよい。加えて、前記立設部材の下端が左右水平方向に延在する水平支持部位であり、該水平支持部位に嵌合する水平部材を矩形状に凹設し、該凹設部位と前記水平支持部位を凹設した際に水平部材の主面が面一になるように構成するようにしてもよい。この場合は、水平面に直交する垂直方向にショルダを位置させて摩擦攪拌接合を行うことができるために、極めて効率的である。
【0023】
また、前記立設部材の下端が左右水平方向に延在する水平支持部位であり、該水平支持部位に嵌合する水平部材を矩形状に凹設した凹設部材を平面状隆起部に形成するとともに、該隆起部と水平支持部位の上面が面一であり、その左右夫々の面一部が前記ショルダ直径より大なる幅域であるようにしてもよい。これにより摩擦撹拌接合によって生じた隙間部が前記平面状隆起部によって充填されてほぼ面一になり、後加工が容易である。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図示の例に記載された構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に限定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0027】
図1を参照して、ここでは、長手方向(図1において、紙面の表側から裏側に向かう方向)に延びる水平板状部材(水平部材)11の主面の溝部(凹部)に対して、同様に長手方向に延びる垂直板状部材(立設部材)12の下端凸部22を係合した状態で垂直に位置保持させて接合して、所謂T字状継手を形成する場合について説明する。
【0028】
水平板状部材11は、長手方向に延びる長尺板材であり、例えば、約25メートル程度の板材である。同様に、垂直板状部材12も、長手方向に延びる長尺板材であり、例えば、約25メートル程度の板材である。水平及び垂直板状部材11及び12は、例えば、アルミニウム合金製のプレス若しくは押し出し成形部材であり、水平板状部材11の主面(一面)溝部(凹部)21に垂直板状部材12の下端凸部22が係合されてその凹凸係合位置にある左右対称の傾斜面が、前記ショルダ当接面として、水平部材と立設部材の両者にまたがって傾斜平面Sとなす。そして、後述するように、傾斜平面Sをショルダ当接部として摩擦攪拌接合によって接合して水平及び垂直板状部材11及び12を接合してT型継手を形成する。
【0029】
図1に示すように、水平板状部材11の主面には長手方向に延びる断面三角形状の凸部22,23とその間に水平支持面を有する台形溝部(凹部)21が形成されている。溝部21は幅方向に予め定められた間隔をおいて水平板状部材11の主面上に形成された一対の凸部22及び23によって規定されており、これら凸部22及び23は長手方向に延びている。図1に示す例では、凸部22及び23は山型形状であり、各凸部22及び23はそれぞれ内側に位置する内側面22a及び23aと外側に位置する外側面22b及び23bとを有している。つまり、溝部21はその裾野部分が隆起した谷形状となっている。
【0030】
垂直板状部材12の端部には溝部21に係合する凸部体31が形成されている。つまり、凸部体31は溝部21の底面(つまり、水平板状部材11の主面)11aに当接する端面31aとこの端面31aの両端から図中斜め上方向に延びる一対の斜面(内斜面)31b及び31cとを有している。この結果、凸部体31は外側に面する一対の斜面(外斜面)31d及び31eを有することになる。つまり、凸部体31は左右対称断面略山型形状である。なお、水平及び垂直板状部材11及び12を押し出し成形する際に、前述の溝部21及び凸部体31はそれぞれ水平及び垂直板状部材11及び12に形成されることになる。
【0031】
ここで、図2も参照して、水平板状部材11の溝部21に垂直板状部材12の端部である凸部体31を係合すると、溝部21の底面11aに凸部体31の端面31aが当接するとともに、内側面22a及び23aにそれぞれ内斜面31b及び31cが当接する。この際、溝部21の底面11a及び凹部体31の端面31aによって水平支持される。そして、外側面22bと外斜面31dとが同一傾斜面(以下接合斜面41aと呼ぶ)を規定し、外側面23bと外斜面31eとが同一傾斜面(以下接合斜面41bと呼ぶ)を規定する。このようにして、溝部21及び凸部体31によって接合部が規定され、後述するようにして、接合斜面41a及び41bから摩擦接合工具が挿入されることになる。
【0032】
ここで、図2及び図3を参照して、水平板状部材11及び垂直板状部材12とを接合してT字型継手を形成する際には、前述のようにして、水平板状部材11の溝部21に垂直板状部材12の端部である凸部体31を係合される。この際、水平板状部材11は架台(図示せず)に載せられ、移動しないように固定され、この状態で垂直板状部材12が水平板状部材11に係合される。そして、垂直板状部材12は支持体(図示せず)によって固定支持される。
【0033】
図3に示すように、ここでは、摩擦接合工具として、工具51が用いられ、工具51はショルダ部51aとこのショルダ部51aに備えられてピン(プローブ)51bとを有しており、ショルダ部51aには被加工物に摩擦熱を付与する円形ショルダ面が規定されている。そして、円形ショルダ面の中心軸線上にプローブ51bが垂設されている。いま、ショルダ部51a、つまり、円形ショルダ面の径(直径)をBとし、接合斜面41a及び41bの幅をSとすると、S≧Bに規定される。例えば、S=1〜3×Bに規定される。一方、内斜面31b及び31c(内側面22a及び23a)の深さ(裾野の長さ)をh、プローブの長さをPとすると、h≦Pに規定される(望ましくは、h=Pに規定される)。
【0034】
摩擦攪拌接合を行う際には、工具51を回転させつつ、プローブ51bを接合部、つまり、溝部21と凸部体31との当接面(隙間)に挿入して、接合部に沿って(図1において実線矢印で示す方向に)工具51を移動させる。この際、プローブ51bの回転中心は、水平及び垂直板状部材11及び12の間にある(つまり、溝部21と凸部体31との間にある)。そして、摩擦攪拌接合の際には、ショルダ部51aが接合斜面41a及び41bに押しつけられることになる。なお、摩擦攪拌接合に当たっては、例えば、工具51の回転数は800〜2000rpm、送り速度(工具51の移動速度)は100〜1000mm/分とされる。
【0035】
前述のようにして、工具51を用いて摩擦攪拌接合を行うと、図4に示すように、水平及び垂直板状部材11及び12は接合部において摩擦攪拌接合されることになり、接合部には接合ビード52が形成される。この接合ビード52は溝部21と凸部体31との当接面の延長線上にその幅の中心が位置する。接合ビード51の深さは接合部に挿入したプローブ51bの高さ(長さ)によって決定される。つまり、プローブ51bの長さに応じて図4又は図5に示すように接合ビードの深さが決定されることになる。
【0036】
このように、図1〜図5に示す例では、水平及び垂直板状部材11及び12を接合してT字型継手とする際、つまり、水平及び垂直板状部材11及び12を接合部である隅肉部で接合する際、補助接合部材を必要とすることなく、隅部を摩擦攪拌接合することができる。しかも、前述の溝部及び凸部体には押し出し成形によって容易に形成することができるから、T字型継手を形成する際のコストを低減することができることになる。
【0037】
さらに、図1〜図5に示す例では、摩擦攪拌接合を行う際、左右に隆起傾斜面を有する溝部21に左右に前記傾斜面と面一状態で傾斜面を有する凸部体31を係合セッティングした後に摩擦攪拌接合すればよいから、位置決め及びセッティングが極めて容易となり、精度よく摩擦攪拌接合を行うことができるという利点がある。そして、前述のように、接合斜面41a及び41bの幅≧ショルダ部51aの直径に規定したから、摩擦攪拌接合の際、ショルダ部51aによって接合部を均等に押圧することができ、この点においても、精度よく摩擦攪拌接合を行うことができることになる。なお、プローブ51bの長さは、内斜面31b及び31cの深さに応じて適宜設定される。
【0038】
図6を参照して、図示の例では、垂直板状部材の下端が左右水平方向に延在する水平支持板(フランジ部)であり、該水平支持板に嵌合する水平板状部材の主面を矩形状に薄肉板状に平面矩形状に隆起させるとともに、該隆起部に矩形状に凹設した凹設部を形成するとともに、該隆起部と水平支持部位の上面が面一であり、その左右夫々の面一部が前記ショルダ直径より大なる幅域に設定してある。即ち隆起部の左右両側の凸部22及び23はその上面22c及び23cが水平板状部材11の主面に対して平行となっている(これら上面22c及び23cは長手方向に延びている)。そして、図6に示す例では、内側面22a及び23aと外側面22b及び23bとは水平板状部材11の主面に対して垂直となっており、凸部22及び23によって水平支持面として機能する溝部21が規定されている。
【0039】
一方、垂直板状部材12の端部には、溝部21に係合するフランジ部(当接部:水平支持部位)24が形成されており、このフランジ部24は長手方向に延びるとともに幅方向に水平板状部材11の主面に対して平行となっている。なお、フランジ部24の高さ(図中上下方向)は溝部の深さ(つまり、凸部22及び23の高さ)と同一である。また、フランジ部24の幅(図中左右方向)は溝部21の幅に等しい。
【0040】
水平板状部材11及び垂直板状部材12とを接合してT字型継手を形成する際には、水平板状部材11の溝部21に垂直板状部材12の端部であるフランジ部24を係合する。これによって、フランジ部24の外面は凸部22及び23の内側面22a及び23aに当接する(この際わずかな隙間ができる)。この際、水平板状部材11は架台に載せられ、移動しないように固定され、この状態で垂直板状部材12が水平板状部材11に係合される。そして、垂直板状部材12は支持体によって固定支持される。前述のように、フランジ部24の高さは溝部の深さと同一であるから、凸部22及び23の上面22c及び23cとフランジ部24の上面とは実質的に同一平面を形成し、この平面は水平板状部材11の主面と平行になる。
【0041】
上述の状態において、垂直板状部材12の中心軸(図中上下方向に延びる軸)は溝部の中心軸と一致している(なお、垂直板状部材12の中心軸は必ずしも溝部の中心軸と一致していなくてもよい)。垂直板状部材12の一面(図6において、左側面)から凸部22の外側面22bまでの距離をSとすると(同様に、垂直板状部材12の他面(図6において、右側面)から凸部23の外側面23bまでの距離はSである)、S≧B(Bは工具51のショルダ部51aの直径)とされるとともに、上述の凸部22及び23の上面22c及び23cの幅DはD≧B/2とされる(例えば、S=1〜4×Bに規定される)。また、凸部22及び23の高さをhとすると、h≦P(Pはプローブ51bの長さ)とされる。
【0042】
摩擦攪拌接合を行う際には、工具51を回転させつつ、プローブ51bを接合部、つまり、溝部21とフランジ部24との当接面(隙間)に挿入して、接合部に沿って(図6において紙面表側から裏側に向かう方向に)工具51を移動させる。この際、プローブ51bの回転中心は、水平及び垂直板状部材11及び12の間にある(つまり、溝部21とフランジ部24との間にある)。そして、摩擦攪拌接合の際には、ショルダ部51aが凸部22及び23の上面22c及び23cとフランジ部24の上面に押しつけられることになる。なお、摩擦攪拌接合に当たっては、例えば、工具51の回転数は800〜2000rpm、送り速度(工具51の移動速度)は100〜1000mm/分とされる。
【0043】
このようにして、工具51を用いて摩擦攪拌接合を行うと、水平及び垂直板状部材11及び12は接合部において摩擦攪拌接合されることになり、接合部には接合ビード(図示せず)が形成される。この接合ビードは溝部21とフランジ部24との当接面の延長線上にその幅の中心が位置する。接合ビードの深さは接合部に挿入したプローブ51bの高さ(長さ)によって決定される。
【0044】
このように、図6に示す例では、水平及び垂直板状部材11及び12を接合してT字型継手とする際、補助接合部材を必要とすることなく、摩擦攪拌接合することができる。しかも、前述の溝部及びフランジ部は押し出し成形によって容易に形成することができるから、T字型継手を形成する際のコストを低減することができることになる。
【0045】
さらに、図6に示す例では、摩擦攪拌接合を行う際、溝部21にフランジ部24を係合すればよいから、位置決め及びセッティングが極めて容易となり、精度よく摩擦攪拌接合を行うことができるという利点がある。そして、前述のように、垂直板状部材12の一面から凸部の外側面までの距離≧ショルダ部51aの直径に規定したから、摩擦攪拌接合の際、ショルダ部51aによって接合部を均等に押圧することができ、この点においても、精度よく摩擦攪拌接合を行うことができることになる。なお、プローブ51bの長さは、凸部22及び23の高さに応じて適宜設定される。また、水平板状部材に矩形状に凹設した凹設部を平面状隆起部に形成して、水平支持部位であるフランジ部24を凹設部に係合し、隆起部と水平支持部位の上面とを面一とするようにしてもよい。
【0046】
図7を参照して更に前記垂直板状部材の下端が左右水平方向に延在する水平支持部位(フランジ部)であり、該水平支持部位に嵌合する水平板状部材の主面を矩形状に凹設し、該凹設部位と前記水平支持部位を嵌合した際に水平部材の主面が面一になるように構成したものである。
【0047】
図示の例では、水平板状部材11には長手方向に延びる矩形状溝部25が形成されている。この溝部25は主面に平行な底面25aと主面に対して垂直な壁面25b及び25cとを有しており、垂直板状部材12の端部に形成されたフランジ部24の高さと溝部25の深さとは等しくなっている。そして、フランジ部24の幅(図中左右方向)は溝部25の幅に等しい。
【0048】
水平板状部材11及び垂直板状部材12とを接合してT字型継手を形成する際には、水平板状部材11の溝部25に垂直板状部材12の端部であるフランジ部24を係合する。これによって、フランジ部24の外面は溝部25の壁面25b及び25cに嵌合当接する。この際、水平板状部材11は架台に載せられ、移動しないように固定され、この状態で垂直板状部材12が水平板状部材11に係合される。そして、垂直板状部材12は支持体によって固定支持される。前述のように、フランジ部24の高さは溝部25の深さと同一であるから、水平板状部材11の主面とフランジ部24の上面とは実質的に同一平面を形成する。
【0049】
上述の状態において、垂直板状部材12の中心軸(図中上下方向に延びる軸)は溝部25の中心軸と一致している。垂直板状部材12の一面(図7において、左側面)からフランジ部24の外面までの距離をSとすると(同様に、垂直板状部材12の他面(図7において、右側面)からフランジ部24の外面までの距離はSである)、S≧B/2(Bは工具51のショルダ部51aの直径)とされる(例えば、S=0.5〜3×Bに規定される)。また、溝部25の深さをhとすると、h≦P(Pはプローブ51bの長さ)とされる。
【0050】
摩擦攪拌接合を行う際には、工具51を回転させつつ、プローブ51bを接合部、つまり、溝部25とフランジ部24との当接面(隙間)に挿入して、接合部に沿って(図7において紙面表側から裏側に向かう方向に)工具51を移動させる。この際、プローブ51bの回転中心は、水平及び垂直板状部材11及び12の間にある(つまり、溝部25とフランジ部24との間にある)。そして、摩擦攪拌接合の際には、ショルダ部51aが水平板状部材11の主面とフランジ部24の上面とに押しつけられることになる。なお、摩擦攪拌接合に当たっては、例えば、工具51の回転数は800〜2000rpm、送り速度(工具51の移動速度)は100〜1000mm/分とされる。
【0051】
このようにして、工具51を用いて摩擦攪拌接合を行うと、水平及び垂直板状部材11及び12は接合部において摩擦攪拌接合されることになり、接合部には接合ビード(図示せず)が形成される。この接合ビードは溝部25とフランジ部24との当接面の延長線上にその幅の中心が位置する。接合ビードの深さは接合部に挿入したプローブ51bの高さ(長さ)によって決定される。
【0052】
このように、図7に示す例では、水平及び垂直板状部材11及び12を接合してT字型継手とする際、補助接合部材を必要とすることなく、摩擦攪拌接合することができる。しかも、前述の溝部及びフランジ部は押し出し成形によって容易に形成することができるから、T字型継手を形成する際のコストを低減することができることになる。
【0053】
さらに、図7に示す例では、摩擦攪拌接合を行う際、溝部25にフランジ部24を係合すればよいから、位置決め及びセッティングが極めて容易となり、精度よく摩擦攪拌接合を行うことができるという利点がある。そして、前述のように、垂直板状部材12の一面からフランジ部の外面までの距離≧ショルダ部51aの直径の半分に規定したから、摩擦攪拌接合の際、ショルダ部51aによって接合部を均等に押圧することができ、この点においても、精度よく摩擦攪拌接合を行うことができることになる。なお、プローブ51bの長さは、溝部25の深さに応じて適宜設定される。
【0054】
図8も同様にT型継手を摩擦撹拌接合により製造するもので、前記垂直板状部材の下端が左右水平方向に延在する水平支持部位(フランジ部)であり、該水平支持部位が前記ショルダ直径より大なる幅域であるものである。
【0055】
図示の例では、水平板状部材11の主面に垂直板状部材12の端部に形成されたフランジ部24がその下面で当接される。この際、水平板状部材11は架台に載せられ、移動しないように固定され、この状態で垂直板状部材12が水平板状部材11に当接される。そして、垂直板状部材12は支持体によって固定支持される。
【0056】
上述の状態において、垂直板状部材12の一面(図8において、左側面)からフランジ部24の外面までの距離をSとすると(同様に、垂直板状部材12の他面(図8において、右側面)からフランジ部24の外面までの距離はSである)、S≧B(Bは工具51のショルダ部51aの直径)とされる。また、フランジ部24の高さをhとすると、h<P(Pはプローブ51bの長さ)とされる。
【0057】
摩擦攪拌接合を行う際には、工具51を回転させつつ、プローブ51bを接合部(接合すべき箇所)、つまり、フランジ部24に挿入して、接合部に沿って(図8において紙面表側から裏側に向かう方向に)工具51を移動させる。この際、プローブ51bは少なくともフランジ部24を貫通して水平板状部材11の主面に達する。そして、摩擦攪拌接合の際には、ショルダ部51aがフランジ部24の上面とに押しつけられることになる。なお、摩擦攪拌接合に当たっては、例えば、工具51の回転数は800〜2000rpm、送り速度(工具51の移動速度)は100〜1000mm/分とされる。
【0058】
このようにして、工具51を用いて摩擦攪拌接合を行うと、水平及び垂直板状部材11及び12は接合部において摩擦攪拌接合されることになり、接合部には接合ビード(図示せず)が形成される。接合ビードの深さは接合部に挿入したプローブ51bの高さ(長さ)によって決定される。
【0059】
このように、図8に示す例では、水平及び垂直板状部材11及び12を接合してT字型継手とする際、補助接合部材を必要とすることなく、摩擦攪拌接合することができるものである。しかも、前述のフランジ部は押し出し成形によって容易に形成することができるから、T字型継手を形成する際のコストを低減することができることになる。
【0060】
さらに、図8に示す例では、摩擦攪拌接合を行う際、水平板状部材11の主面にフランジ部24を当接させればよいから、垂直板状部材12の接合位置を任意に設定することができる。そして、前述のように、垂直板状部材12の一面からフランジ部の外面までの距離≧ショルダ部51aの直径に規定したから、摩擦攪拌接合の際、ショルダ部51aによって接合部を均等に押圧することができ、精度よく摩擦攪拌接合を行うことができることになる。なお、プローブ51bの長さは、フランジ部24の高さ(厚さ)に応じて適宜設定される。
【0061】
なお、上述の説明では、T型継手について説明したが、L字形、I型、Π型、及び∠型等の継手についても同様にして摩擦攪拌接合を行うことができる。
【0062】
例えば、図9に示すように、断面略コ字形状の長尺部材61を水平板状部材11に接合する際には、水平板状部材11の主面には長手方向に延びる断面三角形状(山型形状)の凸部22及び23が長尺部材61の開口端幅に応じた間隔で形成される。長尺部材61は一対の脚部61a及び61bを有しており、これら脚部61a及び61bが立設部材(垂直板状部材)となる。脚部61a及び61bの端部にはそれぞれ凸部22及び23の斜面(内側の斜面)及び水平板状部材11の主面に当接する凸部体62a及び62bが形成されている。そして、凸部体62a及び62bはそれぞれ外側に面する一対の斜面(外斜面)63a及び63bを有している。
【0063】
図9に示すように、脚部61a及び61bの端部をそれぞれ凸部22及び23の斜面及び水平板状部材11の主面に当接させると、長尺部材61は水平板状部材11に水平支持される。そして、凸部22の外側斜面と外斜面63aとが同一傾斜面(以下接合斜面と呼ぶ)を規定し、凸部23の外側斜面と外斜面63bとが同一傾斜面(以下接合斜面と呼ぶ)を規定する。このようにして、凸部22及び23と凸部体62a及び62bとによって接合部が規定され、図1〜図5で説明したように、接合斜面から工具51が挿入されて、摩擦攪拌接合が行なわれて、水平板状部材11と長尺部材61とが接合されることになる。
【0064】
なお、図9においても、円形ショルダ面の径(直径)をBとし、接合斜面の幅をSとすると、S≧Bに規定される。一方、当接面の深さをh、プローブの長さをPとすると、h≦Pに規定される(望ましくは、h=Pに規定される)。
【0065】
さらに、図10に示すように、長尺部材61の脚部61a及び61bに長手方向と直交する方向に突出するフランジ部(水平支持板部)64a及び64bを設けるようにしてもよい。これらフランジ部64a及び64bは長手方向に延びるとともに幅方向に水平板状部材11の主面に対して平行となっている。この際、水平板状部材11においては、凸部22及び23はその上面22c及び23cが水平板状部材11の主面に対して平行となっている。そして、図10に示す例では、凸部22及び23の各側面は水平板状部材11の主面に対して垂直となっている。なお、フランジ部64a及び64bの高さは凸部22及び23の高さ)と同一である。
【0066】
図10に示すように、フランジ部64a及び64bをそれぞれ凸部22及び23の側面及び水平板状部材11の主面に当接させると、長尺部材61は水平板状部材11に水平支持される。フランジ部64a及び64bの高さは凸部22及び23の高さと同一であるから、凸部22の上面22c及び凸部の上面23cとフランジ部64a及び64bの上面とは実質的に同一平面を形成し、この平面は水平板状部材11の主面と平行になる。
【0067】
摩擦攪拌接合を行う際には、例えば、摩擦接合工具としてボビンツール71が用いられる。このボビンツール71は、細いプローブ71aとこのプローブ71aを挟む一対の断面円形のショルダ部71b及び71cを有しており、ショルダ部71bの下面及びショルダ部71cの上面にはそれぞれ円形ショルダ面が規定されている。そして、ショルダ面によって被加工物である突合せ部(接合部)に摩擦熱が付与される。ショルダ部71b及び71cの直径はプローブ71aの直径よりも太く、ショルダ部71b及び71cの間隔は接合部の厚さに応じて設定さ
れる。
【0068】
いま、脚部61bの一面から凸部23の外側面までの距離をSとすると(同様に、脚部61aの一面から凸部22の外側面までの距離はSである)、S≧B(Bはショルダ部71b及び71cの直径)とされるとともに、上述の凸部22及び23の幅DはD≧B/2とされる。そして、ボビンツール71によって、摩擦攪拌接合が行なわれて、水平板状部材11と長尺部材61とが接合されることになる。なお、図6で説明したように、摩擦接合工具として工具51を用いて摩擦攪拌接合を行うようにしてもよく、同様に、図6に示す例においても、摩擦接合工具としてボビンツール71を用いるようにしてもよい。
【0069】
図11に示す例では、水平板状部材11には長手方向に延びる矩形状溝部25が形成されている。この溝部25は主面に平行な底面と主面に対して垂直な壁面とを有しており、フランジ部64a及び64bの高さと溝部25の深さとは等しくなっている。図11に示すように、フランジ部64a及び64bをそれぞれ溝部25の壁面及び水平板状部材11の主面に当接させると、長尺部材61は水平板状部材11に水平支持される。フランジ部64a及び64bの高さは溝部25の深さと同一であるから、水平板状部材11の主面とフランジ部64a及び64bの上面とは実質的に同一平面を形成する。摩擦攪拌接合に当たっては、図10で説明したボビンツール71が用いられる。脚部61aの一面からフランジ部64aの外面までの距離をSとすると(同様に、脚部61bの一面からフランジ部64bの外面までの距離はSである)、S≧B/2とされる。なお、図7で説明したように、摩擦接合工具として工具51を用いて摩擦攪拌接合を行うようにしてもよく、同様に、図7に示す例においても、摩擦接合工具としてボビンツール71を用いるようにしてもよい。
【0070】
図12に示す例では、水平板状部材11の主面に脚部61a及び61bに形成されたフランジ部64a及び64bがその下面で当接される。この際、水平板状部材11は架台に載せられ、移動しないように固定され、この状態で長尺部材61が水平板状部材11に当接される。摩擦攪拌接合に当たっては、図10で説明したボビンツール71が用いられる。脚部61aの一面からフランジ部64aの外面までの距離をSとすると(同様に、脚部61bの一面からフランジ部64bの外面までの距離はSである)、S≧Bとされる。なお、図8で説明したように、摩擦接合工具として工具51を用いて摩擦攪拌接合を行うようにしてもよく、同様に、図8に示す例においても、摩擦接合工具としてボビンツール71を用いるようにしてもよい。
【0071】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、被加工物に摩擦熱を付与する円形ショルダ面の中心軸線上にプローブが垂設された摩擦接合工具を用い、立設部材の下端を水平部材の主面に当接した後、当接部にショルダ面を押圧摩擦回転させながら、当接部を摩擦撹拌接合する際、立設部材の下端とその下端当接位置に対応する水平部材の主面部位に互いに係合する凹凸部を形成するとともに、この凹凸面の係合により形成されるショルダ当接面が、ショルダ直径より大なる幅域であるようにしたから、補助接合部材を必要とすることなく、隅部を摩擦攪拌接合することができ、コストを低減することができるという効果がある。さらに、摩擦攪拌接合を行う際、凹凸部によって水平部材と立設部材とを係合すればよいから、位置決め及びセッティングが極めて容易となり、精度よく摩擦攪拌接合を行うことができる。
【0072】
本発明によれば、ショルダ当接面が、水平部材と立設部材の両者にまたがって傾斜平面若しくは水平平面上に形成されているから、隅部を容易に摩擦攪拌接合できるという効果がある。
【0073】
本発明によれば、ショルダ当接面が立設部材の左右両側に対称に形成されているから、隅部を同時に摩擦攪拌接合できるという効果がある。
【0074】
本発明によれば、凹凸部の少なくとも一面に垂直立設部材を垂直に支持するための水平支持面が規定されているから、水平部材に対して立設部材を垂直に保持できるという効果がある。
【0075】
本発明によれば、立設部材の凸部を左右対称断面略山型形状として、これと係合する水平部材の凹部すそ野部分が隆起した谷形状として、凸部の幅方向傾斜面と水平部材のすそ野部分によって傾斜面として規定された平面が、ショルダ直径より大なる幅域であるので、摩擦攪拌接合の際、ショルダ部によって接合部を均等に押圧することができ、精度よく摩擦攪拌接合を行うことができるという効果がある。
【0076】
本発明によれば、立設部材の凸部をその上面が前記主面に平行な面として、凸部の上面と立設部材の端部とによって接合部を主面に対して平行とする水平面としたので、摩擦攪拌接合の際、ショルダ部によって接合部を均等に押圧することができ、精度よく摩擦攪拌接合を行うことができるという効果がある。
【0077】
本発明によれば、立設部材の下端を左右水平方向に延在する水平支持部位として、水平支持部位に嵌合する水平部材を矩形状に凹設し、凹設部位と水平支持部位を凹設した際に水平部材の主面が面一になるように構成したので、摩擦攪拌接合の際、ショルダ部によって接合部を均等に押圧することができ、精度よく摩擦攪拌接合を行うことができるという効果がある。
【0078】
本発明によれば、立設部材の下端が左右水平方向に延在する水平支持部位であり、水平支持部位に嵌合する水平部材を矩形状に凹設した凹設部材を平面状隆起部に形成するとともに、隆起部と水平支持部位の上面が面一として、その左右夫々の面一部がショルダ直径より大なる幅域としたので、摩擦攪拌接合の際、ショルダ部によって接合部を均等に押圧することができ、精度よく摩擦攪拌接合を行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による垂直若しくは傾斜立設継手構造体の水平の例を水平部材及び立設部材を係合した状態で示す斜視図である。
【図2】 図1の断面図である。
【図3】 図1に示す係合状態において工具を挿入する状態を示す図である。
【図4】 図1において工具による摩擦攪拌接合の状態の一例を示す断面図である。
【図5】 図1において工具による摩擦攪拌接合の状態の他の例を示す断面図である。
【図6】 本発明による垂直若しくは傾斜立設継手構造体の第2の例を水平部材及び立設部材を係合した状態で工具とともに示す断面図である。
【図7】 本発明による垂直若しくは傾斜立設継手構造体の第3の例を水平部材及び立設部材を係合した状態で工具とともに示す断面図である。
【図8】 本発明による垂直若しくは傾斜立設継手構造体の第4の例を水平部材及び立設部材を係合した状態で工具とともに示す断面図である。
【図9】 本発明による垂直若しくは傾斜立設継手構造体の第5の例を水平部材及び立設部材(断面略コ字状長尺部材)を当接した状態で工具とともに示す断面図である。
【図10】 本発明による垂直若しくは傾斜立設継手構造体の第6の例を水平部材及び立設部材(断面略コ字状長尺部材)を当接した状態でボビンツールとともに示す断面図である。
【図11】 本発明による垂直若しくは傾斜立設継手構造体の第7の例を水平部材及び立設部材(断面略コ字状長尺部材)を当接した状態でボビンツールとともに示す断面図である。
【図12】 本発明による垂直若しくは傾斜立設継手構造体の第8の例を水平部材及び立設部材(断面略コ字状長尺部材)を当接した状態でボビンツールとともに示す断面図である。
【符号の説明】
11 水平板状部材(水平部材)
12 垂直板状部材(立設部材)
21,25 溝部
22,23 凸部
24 フランジ部
31 凸部体
51 工具
52 接合ビード
61 断面略コ字状長尺部材(立設部材)
71 ボビンツール

Claims (8)

  1. 被加工物に摩擦熱を付与する円形ショルダ面の中心軸線上にプローブが垂設された摩擦接合工具を用い、立設部材の下端を水平部材の主面に当接した後、当接部にショルダ面を押圧摩擦回転させながら、前記当接部を摩擦撹拌接合した垂直若しくは傾斜立設継手構造体において、
    前記立設部材の下端とその下端当接位置に対応する水平部材の主面部位に互いに係合する凹凸部を形成するとともに、該凹凸面の係合により形成されるショルダ当接面が、前記ショルダ直径より大なる幅域であることを特徴とする垂直若しくは傾斜立設継手構造体。
  2. 前記ショルダ当接面が、水平部材と立設部材の両者にまたがって傾斜平面若しくは水平平面上に形成されていることを特徴とする請求項1記載の垂直若しくは傾斜立設継手構造体。
  3. 前記ショルダ当接面が立設部材の左右両側に対称に形成されていることを特徴とする請求項1記載の垂直若しくは傾斜立設継手構造体。
  4. 請求項1記載の垂直若しくは傾斜立設継手構造体の内、垂直立設継手構造体において、
    前記凹凸部の少なくとも一面に垂直立設部材を垂直に支持するための水平支持面を有することを特徴とする垂直設継手構造体。
  5. 前記立設部材の凸部は左右対称断面略山型形状であり、これと係合する水平部材の凹部は両側面を隆起させた谷形状であり両外側にすそ野部分を有し、前記立設部材の凸部の幅方向傾斜面と水平部材のすそ野部分によって傾斜面として規定された平面が、前記ショルダ直径より大なる幅域であることを特徴とする請求項1に記載の垂直若しくは傾斜立設継手構造体。
  6. 前記立設部材の凸部はその上面が前記主面部位に平行な面であり、前記凸部の上面と前記立設部材の端部とによって前記接合部を前記主面部位に対して平行とする水平面であることを特徴とする請求項1に記載の垂直若しくは傾斜立設継手構造体。
  7. 前記立設部材の下端が左右水平方向に延在する水平支持部位であり、該水平支持部位に嵌合する水平部材を矩形状に凹設し、該凹設部位と前記水平支持部位を嵌合した際に水平部材の主面が面一になるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の垂直若しくは傾斜立設継手構造体。
  8. 前記立設部材の下端が左右水平方向に延在する水平支持部位であり、該水平支持部位に嵌合する水平部材に矩形状に凹設した凹設部を平面状隆起部に形成するとともに、該隆起部と水平支持部位の上面が面一であり、その左右夫々の面一部が前記ショルダ直径より大なる幅域であることを特徴とする請求項1に記載の垂直若しくは傾斜立設継手構造体。
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