JP4427273B2 - 構造体の製造方法とその装置 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、シングルスキンパネル(板状パネル)若しくはダブルスキンパネル(二面中空構造体)を用いて形成した側構体、架台設置構体(床構体)、架台上方構体(屋根構体)等を組み合わせてなる構造体、例えば車両、航空機、船舶、家屋、コンテナ等にかかり、特にボビンツールを用いた摩擦撹拌接合により製造される構造体の製造方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば鉄道車両構造において、特開平2−246863号公報(特許文献1)に、車両の左右の側構体、床構体、屋根構体等を長手方向に延在する長尺のダブルスキンパネル若しくはシングルスキンパネルを長手方向にのみ接合するだけで、前記側構体、床構体、屋根構体等が形成され、作業性の向上とともに、溶接ひずみの発生が少なくなり、歪取り、仕上げ作業の削減を図った技術が開示されている。
【0003】
一方、特表平7−505090号公報(特許文献2)には、摩擦攪拌による固相接合方法として長尺材同士の新規な接合方法が開示されており、かかる接合方法は、加工物より実質的に硬い材質からなる回転ツ−ルを加工物の溶接部に挿入し、回転ツ−ルを回転させながら移動することにより、回転ツ−ルと加工物との間に生じる摩擦熱による塑性流動によって加工物を接合する接合方法で、かかる摩擦溶接法は、溶接部材を固相状態で、回転ツ−ルを回転させながら移動させて軟化させた固相部分を一体化しつつ接合できるために、熱歪みがなく溶接方向に対して実質的に無限に長い長尺材でもその長手方向に連続的に固相接合できるという利点がある。さらに、回転ツ−ルと溶接部材との摩擦熱による金属の塑性流動を利用した固相接合のため、接合部を溶融させることなく接合できる。また、加熱温度が低いため、接合後の変形が少ない。接合部は溶融されないため、欠陥が少ないなどの多くの利点がある。
【0004】
次に摩擦撹拌接合に使用される回転工具について説明する。摩擦撹拌接合は前記特表平7−505090号に開示されているように、ブローブ型とボビンツール型の回転工具が存在し、図11(A)に示すように、プローブ型の回転工具20は、ショルダ部21とこのショルダ部21に設けられたプローブ22とを備えており、このショルダ部21は円形ショルダ面を有している。そして、複数の型材を突き合わせ、若しくは嵌合された状態の接合線上面より、前記回転工具20を回転させて、プローブ22を被加工物の接合線に設けた不図示の孔に侵入させるとともに、被加工物1〜3の接合線上で摺接回転するショルダ部21の円形ショルダ面によって被加工物1〜3に摩擦熱が付与されるとともに、プローブ22周囲が塑性流動化し、この状態で回転工具20を接合線に沿って移動させることにより、接合線周囲が塑性流動化しながら接合線に沿って2つの素材が圧力を受けつつ撹拌混練され、プローブの後方側に移行する。この結果塑性流動した素材は後方側で摩擦熱を失って急速に冷却固化するので両パネル板は素材同士が混じり合って完全に一体化した状態で接合される。
又プローブ22に回転方向に対する逆ネジ22aを設けることにより下向きの塑性流動が出来、裏面側の巣や接合不良の欠陥の防止が出来る。
【0005】
しかしながらかかる接合方法では接合時に摩擦熱を発生させるために、回転工具を接合線側に押しつける必要があり、従ってこの反力に対処するために、裏当金が使用されている。この裏当金は被加工物の面板の裏面に密着させて設置するものであり、大きな加圧力を必要とする。
【0006】
かかる欠点を解消するために、図11(B)に示すように、ボビンツール10と呼ばれる回転工具が提案されている。
かかる工具は接合する金属板(被加工物1〜3)の表裏両面を挟持するように一定間隔を設けた一対のショルダ10A、10Bが設けられているとともに、該上下一対のショルダ10A、10B間にプローブ軸11が設けられているので、接合面の両面において摩擦発熱させることが出来、裏面側の接合不良が生じないのみならず、上下一対のショルダ10A、10B間で互いの反力を受けているために、裏当金が不要になる。
【0007】
さらに、かかる摩擦攪拌接合を利用して、鉄道車両等の大型構造物に用いられる長尺のダブルスキンパネルからなる中空型材を複数平行に配設したものを突き合わせ接合して摩擦撹拌接合による広幅の二面構造体(パネル)を形成する技術が特許第3152420号公報(特許文献3)に開示されている。
【0008】
【特許文献1】
特開平2−246863号公報
【特許文献2】
特表平7−505090号公報
【特許文献3】
特許第3152420号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらかかる技術においては、前記平面状の広幅パネルを製造する場合には有効であるが、例えば車両構造体は、側構体、床構体、屋根構体いずれも必ずしも平面状ではなく、例えば前記側構体、床構体、屋根構体同士の接合もL形状若しくはR部を介して接合するものであるために、これらの接合部には摩擦撹拌接合のボビンツールでもプローブ型の回転工具のいずれもその接合面に面接触にて当接出来ず、摩擦撹拌熱を印加できないために、実質的に接合させることが出来ない。
【0010】
本発明はかかる従来技術の欠点に鑑み、構体同士の接合が水平と垂直方向のように矩形状に折れ曲がった部を有する場合、又床構体のようにパネル本体両側に支持枠等を固設する場合でも摩擦撹拌接合の利点を生かしつつ、然も低い熱歪みで高強度の構造体を得ることを目的とする。
又本発明の他の目的はダブルスキンパネルのように、平行する二面からなる二面平行パネルから構体や該構体から車両等の構造体を製造する場合にも摩擦撹拌接合の利点を生かしつつ、然も低い熱歪みで高強度の構造体を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、架台上に床構体を設け、前記床構体の両端部に立設する複数の側構体を設け、前記側構体の端部を結んで床構体の上部に屋根構体を設け、前記床構体には前記側構体の面板方向に延在するごとく端部突出部位を予め形成しておき、前記床構体の端部突出部位と前記側構体の端部が互いに略平面を形成して垂直方向に突き合わせ若しくは嵌合させて、水平方向に延在する突合部を構成し、該突合部は、平行な二面の面板と、該面板間にリブが存在しない中空状であり、該突き合わせ若しくは嵌合した面板同士を、移動支持レールに沿ってボビンツールを水平方向に移動させながら摩擦攪拌接合することを特徴とする。
さらに、前記床構体は、方形枠状の側梁型材の上面に前記側構体のダブルスキンパネルの面幅と一致させたダブルスキンパネルからなる補助型材を垂直に立設し、該立設させた前記補助型材の端部と側構体の端部とが略縦平面を形成して突き合わされて突合部を形成し、該突合部をボビンツールにより摩擦攪拌接合することを特徴とする。
また、前記屋根構体の両端に、前記側構体の面板方向に延在するごとく側構体の面幅と一致させたダブルスキンパネルからなる端部突出部位を予め形成しておき、前記屋根構体の端部突出部位と前記側構体の端部が互いに略平面を形成して垂直方向に突き合わされて突合部を構成し、該突合部をボビンツールにより摩擦攪拌接合することを特徴とする。
さらに、前記屋根構体は、その両端に側構体の面幅と一致させた補助型材を垂直に垂下させ接合して形成されていることを特徴とする。
そしてこれらの場合に、少なくとも前記各構体のいずれか一は、上下面を有し、上下面間に骨材を有するダブルスキンパネルであるか、若しくは少なくとも前記床構体又は前記屋根構体のいずれか一方が、複数の型材を並べて接合された平面又は曲率を有するダブルスキンパネルであるのがよく、前記ダブルスキンパネルで構成される前記各構体の二面からなる平行接合部を一対のボビンツールで接合することも特徴とする。
【0012】
そして係る発明を達成するための効果的な製造装置として、側構体、床構体、屋根構体の構体同士が直接若しくは補助型材を介して接合されてなる構造体を製造する構造体製造装置において、前記床構体及び前記屋根構体には、前記側構体の面板方向に延在するごとく端部突出部位が形成されており、前記床構体を載置する架台と、前記床構体及び前記屋根構体の端部突出部位と前記側構体の端部が、平行な二面の面板と、該面板間がリブが存在しない中空状であり、該突き合わせた面板同士で互いに略平面を形成して、その突き合わせ若しくは嵌合させた面板自由端長手方向が水平方向に延在するように、一体的に固定する複数の固定冶具と、複数の前記固定冶具を支持する門枠と、少なくとも前記床構体と前記側構体の接合線に対面して左右両側に位置する一対の下ボビンツール又は前記屋根構体と前記側構体の接合線に対面して左右両側に位置する一対の上ボビンツールと、前記少なくとも上又は下のボビンツールを水平方向に移動させる移動支持レールとを備えたことを特徴とする構造体製造装置を提案する。
【0013】
そしてかかる発明は下記のように展開して構成することも出来る。
即ち、側構体のように略垂直の立設構体と、床構体のように架台に設置される構体若しくは該架台設置構体(床構体)と対面する架台上方構体(屋根構体)のように方向次元の異なる複数の構体同士が直接若しくは側梁枠体等の補助型材を介して組み合わせ接合されてなる車両、航空機、船舶、家屋、コンテナ等の構造体において、
前記夫々の構体に側梁枠体等の補助型材を予め接合し、各方向次元の異なる構体間の接合部位が前記構造体側面上で略面一になるように形成した後、架台設置構体を架台に設置した状態で、前記構造体幅方向に対面して位置する固定治具により、前記複数の構体同士を固定した状態で、各構体間の略面一上の接合部位がボビンツールにより接合されていることを特徴とする。
【0014】
すなわち、前記架台設置構体(床構体)と架台上方構体(屋根構体)については、構造体幅方向端部に側構体の面板方向(略垂直方向)に延在する如く突出部位を延在させ、該突出部位端と側構体の面板とが面一になるように突き合わせ若しくは嵌合によって架台上方構体(屋根構体)と側構体若しくは架台設置構体(床構体)と側構体との接合部位が形成されているものである。
【0015】
尚、前記架台上方構体(屋根構体)は、複数の型材を並べて摩擦撹拌接合により製造された平面状若しくは大きな曲率を有する広幅パネルであり、該パネルの前記構造体幅方向両端が側構体自由端と略面一になるように接合線が形成されている架台上方構体(屋根構体)であるか、
若しくは前記架台上方構体(屋根構体)が、両端に傾斜型材を接合して傾斜架台上方構体(屋根構体)を形成している場合に、前記傾斜型材に側構体とほぼ面一になるように、略垂直補助型材を垂下してなる架台上方構体(屋根構体)であるのがよい。
そして前記夫々の構体は、シングルスキンパネル、ダブルスキンパネル若しくはこれらのスキンパネルの組み合わせで構成され、例えば側構体、架台設置構体(床構体)、架台上方構体(屋根構体)の各構体の端部にダブルスキンパネルが位置する場合に、該ダブルスキンの自由端が、他の構体の自由端とほぼ同一線上になる如く延在され、夫々の自由端の内部空間にリブが存在しない構成とし、ボビンツールにてパネル外面側と内面側の両者にて、好ましくは同時に摩擦攪拌接合されるのがよい。
【0016】
かかる発明によれば、側構体、架台設置構体(床構体)、架台上方構体(屋根構体)夫々に側梁枠体等の補助型材を予め接合し、各構体間の接合部位が構造体側面上で略面一になるように形成されているために鉄道車両、航空機、船舶、家屋、コンテナのような長尺且つ大型の構体であっても、摩擦撹拌接合が容易である。
なお、鉄道車両、家屋、コンテナの場合は、側構体、床構体、屋根構体が明瞭に識別できるが、航空機や船舶の場合は垂直平面若しくは略垂直曲面の側構体は存在するが、床構体、屋根構体がいずれも存在するとは限らない。
そこで床構体のように架台(基礎)に設置される構体を架台設置構体とし、一方屋根構体のように一対の側構体に挟まれる床構体の上方に位置する部位を架台上方構体という。
【0017】
そして前記架台設置構体(床構体)と架台上方構体(屋根構体)については、構造体幅方向端部に側構体の面板方向(垂直方向)に延在する如く突出部位を延在させ、該突出部位端と側構体の面板とが面一になるように架台上方構体(屋根構体)と側構体若しくは架台設置構体(床構体)と側構体との接合部位が形成されていることによって架台設置構体(床構体)を架台に設置した状態で、構造体幅方向に対面して位置する固定治具により、側構体と架台設置構体(床構体)、及び架台上方構体(屋根構体)と側構体同士を固定するだけで、各構体間の略面一上の接合部位が、側構体の外面側若しくは内面側に沿って水平方向に延在される。
従って前記接合部位の水平方向に延在する接合線に沿って移動レールを配設し、該移動レール上に沿ってボビンツールを走行させながら前記接合部位を摩擦撹拌接合すれば、簡単な製造装置で然も高品質な構造体の製造が可能となる。
この場合、ダブルスキンパネルでもその自由端側はリブ等の反力を持たす構成が難しく且つ裏当て部材も取り付けにくいために、ボビンツールを用いることにより円滑に摩擦撹拌接合が可能となる。
すなわち前記パネル自由端が、その内部にリブが存在しない構成とし、自由端同士が突き合わせ若しくは嵌合によって摩擦攪拌接合を用いる場合は、裏当部材やリブ等の反力を持たせられないために、該接合部位の摩擦撹拌接合がボビンツールにより接合されているのがよい。
【0018】
更に本発明は、側構体、架台設置構体(床構体)、架台上方構体(屋根構体)夫々に側梁枠体等の補助型材を予め接合し、各構体間の接合部位が構造体側面上で略面一になるように各構体を製造する工程と、
前記架台設置構体(床構体)を架台に設置した状態で、前記構造体幅方向に対面して位置する固定治具により、架台設置構体(床構体)と側構体、架台上方構体(屋根構体)と側構体を固定し、各構体間の略面一上の接合部位が、側構体の外面側若しくは内面側に沿って水平方向に延在させてなる工程と、前記接合部位の水平方向に延在する接合線に沿って移動レールを配設し、該移動レール上に沿ってボビンツールを走行させながら前記接合部位を摩擦撹拌接合により接合させる工程とよりなる。
【0019】
尚、前記架台上方構体(屋根構体)や架台設置構体(床構体)を側構体側に突出する如く補助型材を接合する工程は、前記補助型材と架台上方構体(屋根構体)若しくは架台設置構体(床構体)の端部側接合が摩擦撹拌接合以外の固着手段、例えば両者の折曲した部位における接合を、例えば埋もれアーク溶接により溶接することにより、熱歪みが生じることなく、該折曲部位に荷重集中しても強度低下が生じることはない構造体が得られる。
【0020】
又本発明は、前記構造体において、
前記構体の少なくとも一の構体若しくは該構体からなる構造体が、複数の二面平行パネルを幅方向に連設して形成される構体若しくは該構体同士の接合であり、該パネル同士若しくは構体同士の接合が一対のボビンツールを利用してパネル表裏両面を同時加工にて接合して得られた構体若しくは構体同士の接合であるのがよい。
この場合、前記構体の少なくとも一の構体が、複数の二面平行パネルを幅方向に連設して形成される構体であり、該パネル同士を垂直方向に略面一になるように連設した状態でその表裏対面する接合部位の接合が一対のボビンツールを利用して同時加工にて接合して得られた構体若しくは構体同士を接合する工程を含む製造方法にて形成されるのがよい。
【0021】
かかる発明によれば、いわゆる接合が横向き姿勢にて同時接合にて行われるために、接合時の熱変形が大幅に低減するとともに、同時加工にて能率が向上する。
なお、前記二面平行パネルはダブルスキンパネルに限定することなく、シングルスキンパネルを平行に配設して二面平行パネルを形成した場合も含む。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載される構成部品の寸法、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0023】
先ず本発明に適用されるダブルスキンパネルからなる鉄道車両構造体を図3に基づいて説明する。
鉄道車両構造体の構体は、左右の側構体1、床構体2、屋根構体3及び前後面を塞ぐ妻構体(不図示)等の平面状若しくは大きな曲率を有する広幅パネル体の組み合わせからなる。
床構体2は、広幅のダブルスキンパネル25同士を上下面が面一状に接合するとともに、その両端側に方形枠状の側梁型材5が固設され、該側梁型材5上に側構体1と同一面幅で上端が自由端構成のダブルスキンパネルからなる補助型材6を、左右の側構体1下面自由端(図1(B)、及び図2(B)に示す1a)に向けて垂直方向に立設接合する。
側構体1は窓部型材15と腰板型材16等の型材からなり、両者はいずれもダブルスキンパネルで形成される。その接合端は、図8(A)に自由端13a、13aとして示すような突合せでも、図8(B)に自由端13a、13bとして示すような嵌合でもよい。
屋根構体3は、平面上の広幅のダブルスキンパネル35同士を接合して形成されているとともに、その両端にダブルスキンパネルからなる傾斜勾配パネル3aが接合され、更にダブルスキンパネルからなる垂直補助型材4を垂直に接合する。この結果補助型材4の下面自由端(嵌合による場合は図8(B)の13b)と側構体1の自由端(嵌合による場合は図8(B)の13a)は外面及び内面いずれも側構体の自由端と突合せ若しくは嵌合させることにより面一になるように構成している。
【0024】
次に前記構体を構成するダブルスキンパネルの自由端とその突合せ若しくは嵌合構成について図8に基づいて説明する。
図8(A)は突合せの場合、図8(B)は嵌合の場合の接合部を示す。
図8(A)において、ダブルスキンパネル13は上下二面の平行な面板とその面板間を連接する如く、ジグザグ三角形状に連設したリブ13cを有し、その三角リブ13cの両外側には垂直リブ13dを介して二面の自由端13a、13aが面板と平行且つ水平に延在し、肉厚を一定とした突合せにて構成されている。
【0025】
また、接合部は図8(B)に示されるごとく、嵌合によってもよい。図8(B)においては、ダブルスキンパネル13の二面の自由端13a、13bが面板と平行且つ水平に延在しており、一の自由端13aは面板と面一に延在され、他の自由端13bは、一の自由端の内面側に嵌合すべく、一の面板肉厚より狭幅に形成され、両者13a、13bが嵌合するように構成されている。
そして両ダブルスキンパネル13の接合において、自由端面が自由端13a、13aの突合せもしくは、自由端13a、13bの嵌合によって平面状であるために、摩擦撹拌接合が有利であるが、その接合は、図11(A)に示したプローブ型の回転工具20を用いる場合は、自由端の内部空間に回転工具20を接合線側に押しつける反力となるべきリブが存在しないために、裏当金が必要となる。しかしこの裏当金は被加工物の面板の裏面に密着させて設置するものであり、たとえ接合位置に沿って移動するにしても長尺材の場合に大きな製造上の負担となる。
【0026】
一方、図8(C)、(D)はボビンツール10を用いた摩擦接合の方法を示し、(C)は接合自由端を突合せにした場合、(D)は接合自由端を嵌合させた場合を示す。
図8(C)に示す如く、ボビンツール10を用いた場合は、接合するダブルスキンパネル13の自由端13a、13aの表裏両面を上下一対のショルダ10A、10B間でプローブ軸11を介して挟持しているために、接合面の両面において摩擦発熱させることが出来、裏面側の接合不良が生じないのみならず、上下一対のショルダ10A、10B間で互いの反力を受けているために、裏当金が不要になるという効果を有するが、ボビンツール10の下側ショルダ10Bがスキンパネル自由端長手方向に移動可能であり、その自由端の突合せ部13a、13aが、その内部にリブが存在しない中空状であることが必要である。尚、本実施例も、図8(D)に示すように、ダブルスキンパネル13の自由端を自由端13a、13bとして嵌合させてもよい。
【0027】
そしてこのようなダブルスキンで構成された構体1、2、3、例えば床構体2は、強度性維持を図るためにその両側に側梁型材5を取り付ける必要がある。
しかしながら側梁型材5は略方形支持枠をなし、その高さは、図1(C)に示すように床構体を構成するダブルスキンパネル面厚wより大きい。このような場合はその接合角隅部にて摩擦撹拌接合が適用できない。
又側梁型材5と側構体1間も面幅が一致していないために、摩擦撹拌接合が適用できない。
【0028】
そこで本発明は床構体2の製造においては、ダブルスキンパネル25、25を平面状に摩擦攪拌接合して床構体2本体を製造した後、床構体2本体の両端に固設される側梁型材5の上面に側構体1のダブルスキンパネルの面幅と一致させたダブルスキンパネルからなる補助型材6を垂直に立設して接合する。
接合手段は外面側では、面一のために摩擦撹拌接合Mにより補助型材6を接合し、内面側では埋もれアーク溶接Aにて接合する。
この場合前記埋もれアーク溶接とは、アルゴン、ヘリウム若しくはこれらの混合ガスに1〜40体積%、好ましくは5〜20体積%の窒素ガスを添加したシールドガス雰囲気中で、電極先端から母材表面までのアーク長さを2mm以下に維持してアークが母材内部にまで発生する溶接手段で、本出願人が平成13年7月2日に出願した特願2001−201153号に開示されているものである。
【0029】
そして前記補助型材6が垂直に固設された側梁型材5を前もって形成した後、床構体2の広幅パネル25と、角隅を埋もれアーク溶接Aにより、又表面側を摩擦撹拌接合Mにより夫々接合して、床構体2を構成するものである。
尚、図1(D)に示すように、補助型材6と側梁型材5を一体的に押出し型材にて形成し、床構体2のダブルスキンパネル25と接合可能な平面2面幅の自由端51を持たせた予備構造体50を構成してもよい。又、一体に形成しなくとも、予備構造体50をダブルスキンパネル若しくはシングルスキンパネルの突合せ接合若しくは重ね合わせ接合にて形成しても良い。
【0030】
次に屋根構体3の製造方法を説明する。
屋根構体3は、例えば水平のダブルスキンパネル35同士を接合する場合と、水平のダブルスキンパネルの両端に傾斜勾配を付けた屋根構体も存在する。
前者の場合は図2(B)に示すように、ダブルスキンパネル35、35を平面状に接合して屋根構体3本体を製造した後、屋根構体3本体の両端に側構体1の面幅と一致させたダブルスキンパネルからなる補助型材4を垂直に下方に垂下させて接合する。
接合手段は外面側では、面一のために摩擦撹拌接合Mにより補助型材4を接合し、内面側では埋もれアーク溶接Aにて接合する。
これにより屋根構体3が形成される。
【0031】
このように構成すれば側構体1と屋根構体3の端部に位置する補助型材4の自由端部1a、4aのみ平面状の面一になっているために、回転工具10のショルダ面10A、10Bが面板に密着して円滑に摩擦攪拌接合が可能である。
その接合はそのダブルスキンパネルの補助型材4及び側構体1の自由端4a、1aが、その内部にリブが存在しない中空状であることから裏当て部材を必要としないボビンツール10を用いるのがよいのは前記したとおりである。
【0032】
一方両端に傾斜勾配を付けた屋根構体3の場合は図2(A)に示すように、ダブルスキンパネル35を平面状に接合して屋根構体本体を製造し、ダブルスキンパネルからなる傾斜勾配パネル型材3aを埋もれアーク溶接Aにより接合した後、更にダブルスキンパネルからなる垂直補助型材4を垂直に接合する。この結果補助型材4の自由端4aと側構体1の自由端1aは外面及び内面は図8に示すように、いずれも突合せ若しくは嵌合させることにより面一になり、摩擦撹拌接合が可能となる。
【0033】
そして前記のように構成した屋根構体3と床構体2はいずれも側構体1と同一面板幅でその自由端が略垂直の同一方向に対面させることが出来るために、その自由端を互いに嵌合させれば、ボビンツールのポータブルFSW装置ヘッドを用いて側構体1の左右両側の対面位置より容易に摩擦攪拌接合が可能となる。
【0034】
一方両端に傾斜勾配を付けた屋根構体3の場合は図2(A)に示すように、ダブルスキンパネル35を平面状に接合して屋根構体本体を製造し、ダブルスキンパネルからなる傾斜勾配パネル型材3aを埋もれアーク溶接Aにより接合した後、更にダブルスキンパネルからなる垂直補助型材4を垂直に接合する。この結果補助型材4の自由端4aと側構体1の自由端1aは外面及び内面は図8に示すように、いずれも突合せ若しくは嵌合させることにより面一になり、摩擦撹拌接合が可能となる。
【0035】
図1(A)は両端に傾斜勾配を付けた屋根構体3の場合の図2(A)の変形例で、接合部に角部が形成されないように屋根構体本体に傾斜勾配パネル型材の一部を成すように、ダブルスキンパネルからなる型材30を製造し、一方ダブルスキンパネルからなる傾斜勾配パネル型材においても垂直補助型材を一体的に型材40を形成し、埋もれアーク溶接Aによる接合がない状態にする。この結果補助型材4の自由端4aと側構体1の自由端1aのみならず、型材30と型材40同士においても、いずれも突合せ若しくは嵌合させることにより面一になり、ボビンツールによる摩擦撹拌接合が可能となる。
【0036】
図1(B)は図2(B)の変形例で、ダブルスキンパネル35、35を平面状に接合して屋根構体本体35と、ダブルスキンパネルからなる屋根構体本体35の面幅と側構体1の面幅と一致させたダブルスキンパネルからなるL字状の補助型材34を用意する。この結果補助型材34の自由端と側構体1の自由端1aのみならず、屋根構体本体35と補助型材34の自由端同士においても、いずれも突合せ若しくは嵌合させることにより面一になり、ボビンツールによる摩擦撹拌接合が可能となる。接合手段は外面側では、面一のために摩擦撹拌接合Mにより補助型材4を接合し、内面側では埋もれアーク溶接Aにて接合する。
これにより屋根構体3が形成される。
【0037】
図4は床構体2をダブルスキンパネル13で形成し、側構体1をシングルスキンパネル14で形成した車両構造体の例を、図5は屋根構体3をダブルスキンパネル13で形成し、側構体1をシングルスキンパネル14で形成した車両構造体の例を示す。
【0038】
図4(A)において、床構体2は、複数のダブルスキンパネル13を水平に並べて摩擦撹拌接合により床構体2本体を形成した後、その端部に、中空方形枠状の側梁型材5を固設し、その側梁型材5上面にシングルスキンパネルからなる補助型材6を垂直に立設し、その補助型材6とシングルスキンパネル14からなる側構体1を摩擦撹拌接合により接合する構成を示している。
側梁型材5は、上面側を床面と面一に構成し、摩擦撹拌接合Mにより接合する。一方下面側は、凹角部であるために、埋もれアーク溶接Aにて接合する。
そして側梁型材5端面にシングルスキンパネルからなる補助型材6を垂直に立設させ、摩擦撹拌接合Mにより側梁型材5と接合する。補助型材6は、ボビンツール若しくはプローブツールのショルダ直径Dより大なる突出高さhを有する。そして前記補助型材6接合後側構体1を構成するシングルスキンパネル14を、ボビンツール10を用いて摩擦攪拌接合Mにより接合する。
尚、図4(B)に示すように、補助型材6と側梁型材5を一体的に押出し型材にて形成し、床構体2のダブルスキンパネル25と接合可能な平面2面幅の自由端51を持たせた予備構造体50を構成してもよい。
【0039】
図5(A)はダブルスキンパネルの屋根構体3とシングルスキンパネルの側構体1を接合する構成を示し、前記のように、ダブルスキンパネル13を平面状に接合して屋根構体3本体を製造した後、ダブルスキンパネルからなる傾斜勾配パネル型材3aを埋もれアーク溶接Aにより接合した後、更にダブルスキンパネルからなる垂直補助型材4を垂直に接合する。
【0040】
そして該ダブルスキンパネルを構成する補助型材4の下側自由端の内、前記パネルの内面側自由端をカットして前記補助型材4の外面自由端4aと、側構体1を構成するシングルスキンパネル14を、ボビンツール10を用い、摩擦攪拌接合Mにより接合する。
【0041】
図5(B)はダブルスキンパネルの屋根構体本体13に対し、図5(A)の傾斜勾配3aと垂直補助型材4を一つの押しだし型材33として形成した例です。このように構成すれば屋根構体本体13と押しだし型材33同士、及び押しだし型材3の外面自由端4aと、側構体1を構成するシングルスキンパネル14をも、ボビンツール10を用い、摩擦攪拌接合Mにより接合できる。
【0042】
図6及び図7は前記のように構成した構体を用いて、車両構造体を製造する装置で、基本的にダブルスキンパネルで形成した構体からなる車両構造体を示す。
本製造装置は、床構体2を載置する架台41と、床構体2、側構体1及び屋根構体3を一体的に支持固定する固定治具42、43と、該固定治具42、43を側構体1より離接可能に揺動自在且つ位置決め可能に支持する門枠44、床構体2端部の側梁型材5上に垂直に立設した補助型材6の上面自由端6aと側構体1の下面自由端1aの嵌合位置の接合線と対面して左右両側に位置する一対の下側ポータブルFSW装置ヘッド47、屋根構体3端部の傾斜枠3a下面より垂下させた補助型材4の下面自由端と側構体1の上面自由端の嵌合位置の接合線と対面して左右両側に位置する一対の上側ポータブルFSW装置ヘッド46と、これらのFSW装置ヘッドを接合線に沿って水平方向に移動させながら摩擦撹拌接合を行う移動支持レール装置48からなる。
【0043】
先ず屋根構体3及び床構体2は1つの構体、側構体1は6つのパネル体で形成し、床構体2架台41上に載置した後、下側固定治具42により固定する。
次に、上側構体1を床構体2の左右に立設配置した後、屋根構体3を取付け、最後に上側固定治具43にてこれらを一体的に固定する。
【0044】
次に側構体1の左右両側に位置する各一対の上側及び下側ポータブルFSW装置ヘッド46、47とを移動支持レール装置48の水平レール48aに沿って水平方向に移動させながら、先ず各構体の接合位置にあるダブルスキンパネル自由端外面側の摩擦撹拌接合を行う(図6(A)参照)。この際固定治具43が干渉する場合は、その位置で固定治具43を干渉しないように外方に揺動させる。又、水平レール48aも図6(B)に示すように移動レール装置48を内(中央)側に寄せた場合に、下側ポータブルFSW装置ヘッド47が床構体2表面で干渉しないようにと上側及び下側ポータブルFSW装置ヘッド46、47の間に上下に形成し、下側ポータブルFSW装置ヘッド47が水平レール48aに吊下されるように構成している。
次に図6(B)に示すように、移動レール装置48を内(中央)側に寄せ、各一対の上側及び下側ポータブルFSW装置ヘッド46、47を反転させて各構体のダブルスキンパネル自由端の内面側の摩擦撹拌接合を行う。
【0045】
かかる実施例によれば、側構体と対面する位置でポータブルFSW装置ヘッドとを移動支持レールに沿って水平方向に移動させるだけで簡単に構造体の製造が可能である。
尚、図5に示すように床構体2及び屋根構体を夫々ダブルスキンパネル13で形成し、側構体1をシングルスキンパネル14で形成した構造体の製造手順も側構体の内面側接合しない点を除いて同様である。
【0046】
さて、ダブルスキンパネルの場合図1及び図6に示すように表側と裏面側を2つの工程で接合した場合、例え固定治具で固定しておいても接合時の熱変形により後から固定する面側が先に接合した面側の接合部位の熱収縮により引っ張られ、接合ギャップが大きくなり、表裏両面側で表面形状の品質が異なってしまい、良好な接合が出来ない恐れがある。
【0047】
このような場合は、図9(A)に示すように、一対のボビンツール10、10を用い、接合するダブルスキンパネル13の突合せ自由端13a、13aの表裏両面を夫々のボビンツールで、同時加工するのがよい。ボビンツール10、10を用いた場合裏当金が不要になるために、ダブルスキンパネル13のような平行パネルの夫々の面板130、131夫々を同時接合させることにより、左右一対のボビンツール10、10間夫々の熱収縮が、面板方向に同時に発生し、倒れが生じたりする事がないのみならず、特にダブルスキンパネル13同士を垂直に立設させて接合しているために、接合ギャップを有する場合でも接合ギャップが収縮する方向に重力がかかり、狭小な接合ギャップでの接合が可能である。(図10参照)
【0048】
又、図9(B)に示す如く、ダブルスキンパネル13の接合自由端13a、13bを嵌合させてもよい。ダブルスキンパネル13は上下二面の平行な面板130、131とその面板130、131間を連接する如く、ジグザグ三角形状に連設したリブ13cと、該三角リブ13cの両外側には垂直リブ13dを介して二面の自由端13a、13bが面板と平行且つ垂直に延在し、そして一の自由端13aは面板と面一に延在され、他の自由端13bは、一の自由端の内面側に嵌合すべく、一の面板肉厚より狭幅に形成され、両者13a、13bが嵌合するように構成されている為に、垂直に立設した場合でもその嵌合により左右に位置ずれが生じることなく同時加工が可能である。
【0049】
そしてこのようなボビンツールの同時加工は、側構体1、屋根構体3及び床構体2夫々の構体製造する場合のみならず、構体1、2、3同士を接合する場合ばかりか、図10に示すように、屋根構体3と床構体2はいずれも側構体1と同一面板幅でその自由端が略垂直の同一方向に対面させることが出来るために、その自由端を互いに嵌合させれば、一対のボビンツール10、10を用いて側構体1の左右両側の対面位置より横向き姿勢にて容易に摩擦攪拌接合が可能となる。
【0050】
かかる実施例によれば、いわゆる接合が横向き姿勢にて同時接合にて行われるために、接合時の熱変形が大幅に低減するとともに、同時加工にて能率が向上する。
【0051】
【発明の効果】
以上記載のごとく本発明によれば、L形状若しくはR部介して矩形状に折れ曲がった部分を有する構体においてもこれを効果的に回避して摩擦撹拌接合の利点を充分生かした高強度の構造体を得ることが出来る。
又本発明によれば、ダブルスキンパネルのように、平行する二面からなる二面平行パネルから構体や該構体から車両等の構造体を製造する場合にも摩擦撹拌接合の利点を生かしつつ、然も低い熱歪みで高強度の構造体を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のダブルスキンパネルからなる各構体の製造方法を示す概略図である。
【図2】 図1(A)、(B)の別の一例を示す図である。
【図3】 図1により製造される車両構造体の全体断面図である。
【図4】 架台設置構体(床構体)をダブルスキンパネルで形成し、側構体をシングルスキンパネルで形成した車両構造体の例を示す。
【図5】 架台上方構体(屋根構体)をダブルスキンパネルで形成し、側構体をシングルスキンパネルで形成した車両構造体の例を示す。
【図6】 本発明にかかる車両構造体を製造するための装置で上段はダブルスキンパネルの外面側を接合する構成を示し、下段はダブルスキンパネルの内面側を接合する構成を示す。
【図7】 本発明にかかる車両構造体を製造するための装置の長手方向から見た図である。
【図8】 本発明に使用されるダブルスキンパネル接合部の形状を示し、上段は接合前、下段はボビンツールにより接合している状態を示す。
【図9】 本発明に使用されるダブルスキンパネルの接合を一対のボビンツールにより同時接合している状態を示す。
【図10】 本発明のダブルスキンパネルからなる各構体同士をの接合を一対のボビンツールにより同時接合している状態を示す概略図である。
【図11】 従来の摩擦撹拌接合のプローブツールの基本構成図(A)とボビンツールの基本構成図(B)である。
【符号の説明】
1 側構体
2 架台設置構体(床構体)
3 架台上方構体(屋根構体)
4 補助型材
5 側梁型材
6 補助型材
10 ボビンツール
41 架台
42、43 固定治具
48 移動レール装置
M 摩擦攪拌接合
A 埋もれアーク溶接
Claims (8)
- 架台上に床構体を設け、前記床構体の両端部に立設する複数の側構体を設け、前記側構体の端部を結んで床構体の上部に屋根構体を設け、前記床構体には前記側構体の面板方向に延在するごとく端部突出部位を予め形成しておき、前記床構体の端部突出部位と前記側構体の端部が互いに略平面を形成して垂直方向に突き合わせ若しくは嵌合させて、水平方向に延在する突合部を構成し、該突合部は、平行な二面の面板と、該面板間にリブが存在しない中空状であり、該突き合わせ若しくは嵌合した面板同士を、移動支持レールに沿ってボビンツールを水平方向に移動させながら摩擦攪拌接合することを特徴とする構造体の製造方法。
- 前記床構体は、方形枠状の側梁型材の上面に前記側構体のダブルスキンパネルの面幅と一致させたダブルスキンパネルからなる補助型材を垂直に立設し、該立設させた前記補助型材の端部と側構体の端部とが略縦平面を形成して突き合わされて突合部を形成し、該突合部をボビンツールにより摩擦攪拌接合することを特徴とする請求項1記載の構造体の製造方法。
- 前記屋根構体の両端に、前記側構体の面板方向に延在するごとく側構体の面幅と一致させたダブルスキンパネルからなる端部突出部位を予め形成しておき、前記屋根構体の端部突出部位と前記側構体の端部が互いに略平面を形成して垂直方向に突き合わされて突合部を構成し、該突合部をボビンツールにより摩擦攪拌接合することを特徴とする請求項1に記載の構造体の製造方法。
- 前記屋根構体は、その両端に側構体の面幅と一致させた補助型材を垂直に垂下させ接合して形成されていることを特徴とする請求項3記載の構造体の製造方法。
- 少なくとも前記各構体のいずれか一が、上下面を有し、上下面間に骨材を有するダブルスキンパネルであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載の構造体の製造方法。
- 少なくとも前記床構体又は前記屋根構体のいずれか一方が、複数の型材を並べて接合された平面又は曲率を有するダブルスキンパネルであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一に記載の構造体の製造方法。
- 前記ダブルスキンパネルで構成される前記各構体の二面からなる平行接合部を一対のボビンツールで接合することを特徴とする請求項5又は6に記載の構造体の製造方法。
- 側構体、床構体、屋根構体の構体同士が直接若しくは補助型材を介して接合されてなる構造体を製造する構造体製造装置において、
前記床構体及び前記屋根構体には、前記側構体の面板方向に延在するごとく端部突出部位が形成されており、
前記床構体を載置する架台と、前記床構体及び前記屋根構体の端部突出部位と前記側構体の端部が、平行な二面の面板と、該面板間がリブが存在しない中空状であり、該突き合わせた面板同士で互いに略平面を形成して、その突き合わせ若しくは嵌合させた面板自由端長手方向が水平方向に延在するように、一体的に固定する複数の固定冶具と、複数の前記固定冶具を支持する門枠と、少なくとも前記床構体と前記側構体の接合線に対面して左右両側に位置する一対の下ボビンツール又は前記屋根構体と前記側構体の接合線に対面して左右両側に位置する一対の上ボビンツールと、前記少なくとも上又は下のボビンツールを水平方向に移動させる移動支持レールとを備えたことを特徴とする構造体製造装置。
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