JP2004059787A - 法面構築工法 - Google Patents
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Abstract
【課題】透水性、保水性を備え、耐スリップ性が高く、耐久性にも優れた法面を構築する。
【解決手段】粒径が0.5〜5mm程度のガラス粉末1と、フライアッシュセメント2と、骨材としての粒径1〜3mmの砂3とをミキサ5に投入して十分に撹拌、混合した後、高分子化合物である有限会社グローバル研究所製のCG−2000(商品名)の50倍水溶液4を添加し、さらに十分に撹拌、混練することによって混練物7を形成する。棚部材12が設けられたアンカー材10を用いて亜鉛メッキ金網9が張設、固定された地盤面8に対し、モルタル吹き付けガン13を用いてこの混練物7を吹き付け固化させて土壌層14を形成することによって法面17を構築する。
【選択図】 図4
【解決手段】粒径が0.5〜5mm程度のガラス粉末1と、フライアッシュセメント2と、骨材としての粒径1〜3mmの砂3とをミキサ5に投入して十分に撹拌、混合した後、高分子化合物である有限会社グローバル研究所製のCG−2000(商品名)の50倍水溶液4を添加し、さらに十分に撹拌、混練することによって混練物7を形成する。棚部材12が設けられたアンカー材10を用いて亜鉛メッキ金網9が張設、固定された地盤面8に対し、モルタル吹き付けガン13を用いてこの混練物7を吹き付け固化させて土壌層14を形成することによって法面17を構築する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、山間部の傾斜面や河川の堤防などの浸食、崩壊を防止するための法面構築工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
山間部における木材伐採後あるいは林道造成後の傾斜面、河川の堤防や盛土の斜面など、いわゆる法面は裸地のまま放置すると雨水や風雪などによって容易に浸食され、土石流や泥流などの災害を発生するおそれがあるため、法面にモルタルを吹き付けて安定化させるモルタル吹き付け工法が施工されている。
【0003】
ところが、モルタル吹き付け工法によって構築された法面は殆ど透水性がないため、雨水などは法面表面に沿って下方へ流れていくこととなり、集中豪雨などの際には法面下方にある林道が浸水したり、小規模な洪水が発生したりすることがある。また、モルタル法面の背面側の地山から湧き出す地下水や浸透水がモルタル法面を通って表面側へ染み出すこともできないので、モルタル法面と地山との間に水分が溜まって地山の土壌やモルタル基面が変化したり、溜まっていた水分が流失した後にモルタル法面と地山との間に空洞が生じて、法面が徐々に崩落したり、滑落したりするおそれがある。
【0004】
そこで、このような問題を解決するため、透水性を備えた法面を構築することのできる様々な技術が開発されているが、本発明に関連するものとして、例えば特開平6−70634号公報に開示されている吹き付け工法に用いる植物生育基盤造成用土がある。
【0005】
前記公報に開示されている技術を用いれば、保水性、通気性、法面上での自立安定性などに優れ、空隙分布の良好な骨格構造を持った植物生育に適する人工土壌基盤を造成することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記公報に開示されている技術で構築された法面は、空隙分布が良好で、保水性、通気性を有し、施工直後の透水性も優れているが、施工後、長期間経過すると、空隙分布の良好な骨格構造が、風雨や浸透水の浸水作用などによって徐々に崩壊し、透水性が次第に低下する可能性がある。
【0007】
また、前記公報に開示されている技術で構築された法面の表面は比較的滑らかであるため、河川の堤防など人が歩行する可能性のある傾斜面に施工した場合、歩行者が足を滑らせて転倒したり、河川に転落したりするおそれがある。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、透水性、保水性を備え、耐スリップ性が高く、耐久性にも優れた法面を形成することができる法面構築工法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の法面構築工法は、ガラス粉末と、フライアッシュセメントまたはベントナイトと、骨材と、アクリル酸−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合物のマグネシウム塩とポリエチレンイミンとの複合体とからなる高分子化合物を含む水溶液とを混練し、前記混練によって形成された混練物を法面に吹き付け固化させることを特徴とする。
【0010】
アクリル酸−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合物のマグネシウム塩とポリエチレンイミンとの複合体からなる高分子化合物は、鎖状の極めて長い分子長の有機高分子がヘリックス状の分子構造を形成した高分子化合物である。この高分子化合物は強い電荷作用を有しており、各分子が強い正の電荷をもっているため、負の表面電荷を有する粒状体や粉状体と混合すると、これらの粒子群と瞬時に反応し、粒子同士を結合して集合体を形成し、さらに、これらの集合体を連結、架橋して立体網目構造を形成する団粒化作用を有している。この高分子化合物の添加により形成される立体網目構造体は優れた強度、安定性、持続性を発揮する。なお、この高分子化合物を使用する場合、高分子化合物に予め界面活性剤を添加しておくことにより、フライアッシュセメントまたはベントナイトとガラス粉末との混合物に対する高分子化合物の浸透性を高めることもできる。
【0011】
この高分子化合物の一般的特性は、外観がほぼ透明の無色の粘稠液体であり、粘度3000〜9000cp(25℃)、pH5.0〜7.0であり、水と任意の割合で混合させることができる。この高分子化合物としては、たとえば有限会社グローバル研究所製のGB−2000(商品名)を使用することができる。また、この高分子化合物に予め界面活性剤が添加されたものとして、同じく有限会社グローバル研究所製のCG−2000(商品名)を使用することができる。
【0012】
このような高分子化合物の水溶液と、ガラス粉末と、フライアッシュセメントまたはベントナイトと、骨材とを混練し、前記混練によって形成された混練物を法面に吹き付け固化させると、前記団粒化作用により、混練物中のガラス粒子が互いに結合して立体網目構造が形成され、時間経過に伴い、さらに、結合、連結が進行し、大小の間隙を有する多孔質状の粗大粒子が形成され、最終的に、これらの粗大粒子が強固に固化された構造となるため、透水性および保水性を備え、耐久性に優れた法面を構築することができる。このようにして構築された法面表面にはガラス粉末が露出しているため、靴底などが接触したときに滑り難く、耐スリップ性に優れている。また、前記高分子化合物の水溶液と、ガラス粉末と、フライアッシュセメントまたはベントナイトと、骨材とを混練し、混練物を法面に吹き付けて固化させるだけで法面を構築できるので施工も容易である。
【0013】
前記混練物におけるガラス粉末と、フライアッシュセメントまたはベントナイトと、骨材との混合比は、特に限定するものではなく、使用条件に応じて任意に設定することができる。ガラス粉末の混合比を増大させると耐スリップ性および透水性が高まり保水性が低下する傾向があり、フライアッシュセメントを増加させると法面強度および保水性が高まり透水性が低下する傾向がある。なお、骨材としては、砂、砕石などが好適である。
【0014】
フライアッシュセメントとベントナイトとは、法面や土質の状態に応じて使い分けることが望ましく、フライアッシュセメントを使用したときは法面に吹き付けられた混練物の乾燥収縮を小さく抑えることができ、ベントナイトを使用したときは混練物に含まれる各種素材を安定定着させること、即ち、混練物の構成素材の分離を最小限に抑えて凝結させることができる。
【0015】
また、前記高分子化合物を30〜70倍に希釈した希釈水溶液を用いることにより、透水性と耐久性のバランスに優れた団粒構造を形成することができる。この希釈率が30倍より濃いと混練物中のガラス粒子の結合が早すぎて粗大粒子が得られず、70倍より薄いと結合した粒子が大きくなりすぎるので、希釈率は上記範囲とするのが望ましい。
【0016】
ここで、前記混練物の含水率を7〜10%とすることにより、混練物内に粒径3〜5mm程度のガラス粉末結合粒子が形成されるため、適度の透水性と保水性を備え、強度も優れた法面を構築することができる。また、このような混練物で法面を形成すれば、その透水性および保水性により、雨水などを地山に吸収、貯留する機能も発揮するので、林道の浸水や洪水などの防止に寄与することができる。
【0017】
なお、混練物の含水率が7%より小さくなると完全な立体網目構造が形成されないので充分な透水性が発揮されず、10%より大きくなると一旦形成された立体網目構造が崩壊し透水性も失われるため、前記の範囲が好適である。
【0018】
前記ガラス粉末の粒径を0.5〜5mmとすることにより、透水性、保水性および靴底などに対する耐スリップ性が最も優れた法面を形成することができ、雨水による洪水防止も図ることができる。
【0019】
ガラス粉末の粒径が0.5mmより小さい場合は緻密な立体網目構造が形成されて透水性が低下するので保水性が高まり、5mmより大きい場合は粗大な立体網目構造が形成されて透水性が高まるので保水性が低下する、という傾向があるため、前記の範囲が好適である。
【0020】
前記ガラス粉末として廃ガラスの粉砕粉を用いることにより、リサイクルできず廃棄処分されている色つきガラス瓶などの各種ガラス廃材を再利用することが可能となるため、ガラス資源の有効活用が図られ、環境保護にも寄与することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の形態である法面構築工法に使用する混練物の形成工程を示す説明図、図2は地盤面に対する混練物吹き付け工程を示す説明図、図3は混練物の団粒化過程を示す概念図、図4は混練物の吹き付け状態を示す説明図である。
【0022】
本実施形態の法面構築工法においては、図1に示すように、粒径が0.5〜5mm程度のガラス粉末1と、フライアッシュセメント2と、骨材としての粒径1〜3mmの砂3とをミキサ5に投入して十分に撹拌、混合する。ミキサ5はモータ6によって駆動される一般的なミキサを使用することができる。
【0023】
ガラス粉末1、フライアッシュセメント2、砂3がムラなく均一に混合されたら、高分子化合物の一つである、有限会社グローバル研究所製のCG−2000(商品名)の50倍水溶液4を添加し、さらに十分に撹拌、混練することによって混練物7を形成する。
【0024】
本実施形態においては、混練物7の体積1立方メートル当たり、ガラス粉末1を300kg、フライアッシュセメント2を250kg、砂3を1350kg、および高分子化合物(CG−2000)の50倍水溶液4を65リットル含有させることにより、混練物7の含水率を10%に設定している。
【0025】
次に、図2(a)に示すように、法面構築工法を施工すべき地盤面8に沿って亜鉛メッキ金網9を張設し、アンカー材10を用いて固定する。このとき、図5に示すように、亜鉛メッキ金網9と地盤面8との間にスペーサ11を介在させ、地盤面8の1平方メートル当たり1本程度の割合で地盤面8に打ち込んだアンカー材10で亜鉛メッキ金網9を固定する。また、アンカー材10には、混練物7の落下を防止するための棚部材12が設けられている。これらの工程は特に限定するものではなく、従来技術および資材などを用いて施工することができる。
【0026】
次に、図2(b)および図4に示すように、モルタル吹き付け用ポンプ(図示せず)に接続されたモルタル吹き付けガン13を用いて、図1の工程で形成した混練物7を、亜鉛メッキ金網9および地盤面8に対して吹き付けていくことによって、図2(c)および図4に示すような土壌層14を形成する。本実施形態では土壌層14の厚さ14tを約100mm程度としている。
【0027】
吹き付け直後の土壌層14中においては、図3に示すように、高分子化合物の水溶液4の団粒化作用により、ガラス粉末1、フライアッシュセメント2および砂3などの粒子群が互いに結合して立体網目構造15が形成され、時間経過に伴い、さらに結合、連結が進行して、大小の間隙を有する多孔質状の粗大粒子16が形成されて団粒化されていく。このような工程によって、通気性、透水性、保水性および耐久性に優れ、乾燥収縮によるひび割れなども発生しない土壌層14で安定化された法面17を構築することができる。
【0028】
法面17を構成する土壌層14は、ガラス粉末10とフライアッシュセメント11の混合物が立体網目構造を形成した構造であるため、雨水などを効率的に透過することができ、雨天などの際に法面17の下方の林道19の浸水や洪水の発生を防止することができる。また、地山18から湧き出す地下水や浸透水は土壌層14を通過して表面へ染み出すことが可能であるため、土壌層14の背面に水が滞留することがない。したがって、施工後、滞留水で土壌層14が徐々に崩落したり、滑落したりするおそれがない。
【0029】
このようにして構築された法面17の表面にはガラス粉末1が露出しているため、靴底などが接触したときに滑り難く、耐スリップ性に優れている。したがって、法面17の構築後、メンテナンスその他の作業のため法面17の表面に沿って作業者などが移動する必要が生じた場合など、作業者の滑落事故などを防止し作業中の安全性を確保することができる。なお、ミキサ5内におけるフライアッシュセメント2とのドライミキシング中に、ガラス粉末1の極端な鋭利部分は研磨されるので、法面17の表面に露出したガラス粉末1で作業者が負傷する危険性はなく、ガラス破砕片の鋭角になった部分は残された形状となっているので、滑り止め機能は十分に確保される。
【0030】
また、高分子化合物の水溶液4と、ガラス粉末1と、フライアッシュセメント2と、砂3とをミキサ5などで混練し、混練物7を地盤面8に吹き付けて固化させるだけで法面17を構築することができ、これらの工程は従来の設備、工法を用いて実施することができるため、施工も容易である。また、ガラス粉末1は、使用済みの色つきガラス瓶など、リサイクル不可能な廃ガラスの粉砕粉を用いているため、環境保護にも寄与することができる。
【0031】
なお、本発明はこの実施形態に限定するものではないので、山間部の傾斜面に限らず、河川の堤防あるいは造成地などに施工することが可能であり、いずれにおいても浸食、崩壊を有効に防止することができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明により、以下に示す効果を奏する。
【0033】
(1)ガラス粉末と、フライアッシュセメントまたはベントナイトと、骨材と、アクリル酸−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合物のマグネシウム塩とポリエチレンイミンとの複合体とからなる高分子化合物を含む水溶液とを混練し、前記混練によって形成された混練物を法面に吹き付け固化させることにより、透水性、保水性を備え、耐スリップ性が高く、耐久性にも優れた法面を形成することができる。
【0034】
(2)前記混練物の含水率を7〜10%とすることにより、混練物内に粒径3〜5mm程度のガラス粉末結合粒子が形成されるため、適度の透水性と保水性を備え、強度も優れた法面を構築することができる。また、このような混練物で法面を形成すれば、その透水性および保水性により、雨水などを地山に吸収、貯留する機能も発揮するので、林道の浸水や洪水などの防止に寄与することができる。
【0035】
(3)前記ガラス粉末の粒径を0.5〜5mmとすることにより、透水性、保水性および靴底などに対する耐スリップ性が最も優れた法面を形成することができ、雨水による洪水防止も図ることができる。
【0036】
(4)前記ガラス粉末として廃ガラスの粉砕粉を用いることにより、リサイクルできず廃棄処分されている色つきガラス瓶などの各種ガラス廃材を再利用することが可能となるため、ガラス資源の有効活用が図られ、環境保護にも寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態である法面構築工法に使用する混練物の形成工程を示す説明図である。
【図2】施工面に対する混練物吹き付け工程を示す説明図である。
【図3】混練物の団粒化過程を示す概念図である。
【図4】混練物の吹き付け状態を示す説明図である。
【図5】図2に示す工程で構築された法面の縦断面図である。
【符号の説明】
1 ガラス粉末
2 フライアッシュセメント
3 砂
4 高分子化合物の水溶液
5 ミキサ
6 モータ
7 混練物
8 地盤面
9 亜鉛メッキ金網
10 アンカー材
11 スペーサ
12 棚部材
13 モルタル吹き付けガン
14 土壌層
15 立体網目構造
16 粗大粒子
17 法面
18 地山
19 林道
【発明の属する技術分野】
本発明は、山間部の傾斜面や河川の堤防などの浸食、崩壊を防止するための法面構築工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
山間部における木材伐採後あるいは林道造成後の傾斜面、河川の堤防や盛土の斜面など、いわゆる法面は裸地のまま放置すると雨水や風雪などによって容易に浸食され、土石流や泥流などの災害を発生するおそれがあるため、法面にモルタルを吹き付けて安定化させるモルタル吹き付け工法が施工されている。
【0003】
ところが、モルタル吹き付け工法によって構築された法面は殆ど透水性がないため、雨水などは法面表面に沿って下方へ流れていくこととなり、集中豪雨などの際には法面下方にある林道が浸水したり、小規模な洪水が発生したりすることがある。また、モルタル法面の背面側の地山から湧き出す地下水や浸透水がモルタル法面を通って表面側へ染み出すこともできないので、モルタル法面と地山との間に水分が溜まって地山の土壌やモルタル基面が変化したり、溜まっていた水分が流失した後にモルタル法面と地山との間に空洞が生じて、法面が徐々に崩落したり、滑落したりするおそれがある。
【0004】
そこで、このような問題を解決するため、透水性を備えた法面を構築することのできる様々な技術が開発されているが、本発明に関連するものとして、例えば特開平6−70634号公報に開示されている吹き付け工法に用いる植物生育基盤造成用土がある。
【0005】
前記公報に開示されている技術を用いれば、保水性、通気性、法面上での自立安定性などに優れ、空隙分布の良好な骨格構造を持った植物生育に適する人工土壌基盤を造成することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記公報に開示されている技術で構築された法面は、空隙分布が良好で、保水性、通気性を有し、施工直後の透水性も優れているが、施工後、長期間経過すると、空隙分布の良好な骨格構造が、風雨や浸透水の浸水作用などによって徐々に崩壊し、透水性が次第に低下する可能性がある。
【0007】
また、前記公報に開示されている技術で構築された法面の表面は比較的滑らかであるため、河川の堤防など人が歩行する可能性のある傾斜面に施工した場合、歩行者が足を滑らせて転倒したり、河川に転落したりするおそれがある。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、透水性、保水性を備え、耐スリップ性が高く、耐久性にも優れた法面を形成することができる法面構築工法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の法面構築工法は、ガラス粉末と、フライアッシュセメントまたはベントナイトと、骨材と、アクリル酸−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合物のマグネシウム塩とポリエチレンイミンとの複合体とからなる高分子化合物を含む水溶液とを混練し、前記混練によって形成された混練物を法面に吹き付け固化させることを特徴とする。
【0010】
アクリル酸−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合物のマグネシウム塩とポリエチレンイミンとの複合体からなる高分子化合物は、鎖状の極めて長い分子長の有機高分子がヘリックス状の分子構造を形成した高分子化合物である。この高分子化合物は強い電荷作用を有しており、各分子が強い正の電荷をもっているため、負の表面電荷を有する粒状体や粉状体と混合すると、これらの粒子群と瞬時に反応し、粒子同士を結合して集合体を形成し、さらに、これらの集合体を連結、架橋して立体網目構造を形成する団粒化作用を有している。この高分子化合物の添加により形成される立体網目構造体は優れた強度、安定性、持続性を発揮する。なお、この高分子化合物を使用する場合、高分子化合物に予め界面活性剤を添加しておくことにより、フライアッシュセメントまたはベントナイトとガラス粉末との混合物に対する高分子化合物の浸透性を高めることもできる。
【0011】
この高分子化合物の一般的特性は、外観がほぼ透明の無色の粘稠液体であり、粘度3000〜9000cp(25℃)、pH5.0〜7.0であり、水と任意の割合で混合させることができる。この高分子化合物としては、たとえば有限会社グローバル研究所製のGB−2000(商品名)を使用することができる。また、この高分子化合物に予め界面活性剤が添加されたものとして、同じく有限会社グローバル研究所製のCG−2000(商品名)を使用することができる。
【0012】
このような高分子化合物の水溶液と、ガラス粉末と、フライアッシュセメントまたはベントナイトと、骨材とを混練し、前記混練によって形成された混練物を法面に吹き付け固化させると、前記団粒化作用により、混練物中のガラス粒子が互いに結合して立体網目構造が形成され、時間経過に伴い、さらに、結合、連結が進行し、大小の間隙を有する多孔質状の粗大粒子が形成され、最終的に、これらの粗大粒子が強固に固化された構造となるため、透水性および保水性を備え、耐久性に優れた法面を構築することができる。このようにして構築された法面表面にはガラス粉末が露出しているため、靴底などが接触したときに滑り難く、耐スリップ性に優れている。また、前記高分子化合物の水溶液と、ガラス粉末と、フライアッシュセメントまたはベントナイトと、骨材とを混練し、混練物を法面に吹き付けて固化させるだけで法面を構築できるので施工も容易である。
【0013】
前記混練物におけるガラス粉末と、フライアッシュセメントまたはベントナイトと、骨材との混合比は、特に限定するものではなく、使用条件に応じて任意に設定することができる。ガラス粉末の混合比を増大させると耐スリップ性および透水性が高まり保水性が低下する傾向があり、フライアッシュセメントを増加させると法面強度および保水性が高まり透水性が低下する傾向がある。なお、骨材としては、砂、砕石などが好適である。
【0014】
フライアッシュセメントとベントナイトとは、法面や土質の状態に応じて使い分けることが望ましく、フライアッシュセメントを使用したときは法面に吹き付けられた混練物の乾燥収縮を小さく抑えることができ、ベントナイトを使用したときは混練物に含まれる各種素材を安定定着させること、即ち、混練物の構成素材の分離を最小限に抑えて凝結させることができる。
【0015】
また、前記高分子化合物を30〜70倍に希釈した希釈水溶液を用いることにより、透水性と耐久性のバランスに優れた団粒構造を形成することができる。この希釈率が30倍より濃いと混練物中のガラス粒子の結合が早すぎて粗大粒子が得られず、70倍より薄いと結合した粒子が大きくなりすぎるので、希釈率は上記範囲とするのが望ましい。
【0016】
ここで、前記混練物の含水率を7〜10%とすることにより、混練物内に粒径3〜5mm程度のガラス粉末結合粒子が形成されるため、適度の透水性と保水性を備え、強度も優れた法面を構築することができる。また、このような混練物で法面を形成すれば、その透水性および保水性により、雨水などを地山に吸収、貯留する機能も発揮するので、林道の浸水や洪水などの防止に寄与することができる。
【0017】
なお、混練物の含水率が7%より小さくなると完全な立体網目構造が形成されないので充分な透水性が発揮されず、10%より大きくなると一旦形成された立体網目構造が崩壊し透水性も失われるため、前記の範囲が好適である。
【0018】
前記ガラス粉末の粒径を0.5〜5mmとすることにより、透水性、保水性および靴底などに対する耐スリップ性が最も優れた法面を形成することができ、雨水による洪水防止も図ることができる。
【0019】
ガラス粉末の粒径が0.5mmより小さい場合は緻密な立体網目構造が形成されて透水性が低下するので保水性が高まり、5mmより大きい場合は粗大な立体網目構造が形成されて透水性が高まるので保水性が低下する、という傾向があるため、前記の範囲が好適である。
【0020】
前記ガラス粉末として廃ガラスの粉砕粉を用いることにより、リサイクルできず廃棄処分されている色つきガラス瓶などの各種ガラス廃材を再利用することが可能となるため、ガラス資源の有効活用が図られ、環境保護にも寄与することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の形態である法面構築工法に使用する混練物の形成工程を示す説明図、図2は地盤面に対する混練物吹き付け工程を示す説明図、図3は混練物の団粒化過程を示す概念図、図4は混練物の吹き付け状態を示す説明図である。
【0022】
本実施形態の法面構築工法においては、図1に示すように、粒径が0.5〜5mm程度のガラス粉末1と、フライアッシュセメント2と、骨材としての粒径1〜3mmの砂3とをミキサ5に投入して十分に撹拌、混合する。ミキサ5はモータ6によって駆動される一般的なミキサを使用することができる。
【0023】
ガラス粉末1、フライアッシュセメント2、砂3がムラなく均一に混合されたら、高分子化合物の一つである、有限会社グローバル研究所製のCG−2000(商品名)の50倍水溶液4を添加し、さらに十分に撹拌、混練することによって混練物7を形成する。
【0024】
本実施形態においては、混練物7の体積1立方メートル当たり、ガラス粉末1を300kg、フライアッシュセメント2を250kg、砂3を1350kg、および高分子化合物(CG−2000)の50倍水溶液4を65リットル含有させることにより、混練物7の含水率を10%に設定している。
【0025】
次に、図2(a)に示すように、法面構築工法を施工すべき地盤面8に沿って亜鉛メッキ金網9を張設し、アンカー材10を用いて固定する。このとき、図5に示すように、亜鉛メッキ金網9と地盤面8との間にスペーサ11を介在させ、地盤面8の1平方メートル当たり1本程度の割合で地盤面8に打ち込んだアンカー材10で亜鉛メッキ金網9を固定する。また、アンカー材10には、混練物7の落下を防止するための棚部材12が設けられている。これらの工程は特に限定するものではなく、従来技術および資材などを用いて施工することができる。
【0026】
次に、図2(b)および図4に示すように、モルタル吹き付け用ポンプ(図示せず)に接続されたモルタル吹き付けガン13を用いて、図1の工程で形成した混練物7を、亜鉛メッキ金網9および地盤面8に対して吹き付けていくことによって、図2(c)および図4に示すような土壌層14を形成する。本実施形態では土壌層14の厚さ14tを約100mm程度としている。
【0027】
吹き付け直後の土壌層14中においては、図3に示すように、高分子化合物の水溶液4の団粒化作用により、ガラス粉末1、フライアッシュセメント2および砂3などの粒子群が互いに結合して立体網目構造15が形成され、時間経過に伴い、さらに結合、連結が進行して、大小の間隙を有する多孔質状の粗大粒子16が形成されて団粒化されていく。このような工程によって、通気性、透水性、保水性および耐久性に優れ、乾燥収縮によるひび割れなども発生しない土壌層14で安定化された法面17を構築することができる。
【0028】
法面17を構成する土壌層14は、ガラス粉末10とフライアッシュセメント11の混合物が立体網目構造を形成した構造であるため、雨水などを効率的に透過することができ、雨天などの際に法面17の下方の林道19の浸水や洪水の発生を防止することができる。また、地山18から湧き出す地下水や浸透水は土壌層14を通過して表面へ染み出すことが可能であるため、土壌層14の背面に水が滞留することがない。したがって、施工後、滞留水で土壌層14が徐々に崩落したり、滑落したりするおそれがない。
【0029】
このようにして構築された法面17の表面にはガラス粉末1が露出しているため、靴底などが接触したときに滑り難く、耐スリップ性に優れている。したがって、法面17の構築後、メンテナンスその他の作業のため法面17の表面に沿って作業者などが移動する必要が生じた場合など、作業者の滑落事故などを防止し作業中の安全性を確保することができる。なお、ミキサ5内におけるフライアッシュセメント2とのドライミキシング中に、ガラス粉末1の極端な鋭利部分は研磨されるので、法面17の表面に露出したガラス粉末1で作業者が負傷する危険性はなく、ガラス破砕片の鋭角になった部分は残された形状となっているので、滑り止め機能は十分に確保される。
【0030】
また、高分子化合物の水溶液4と、ガラス粉末1と、フライアッシュセメント2と、砂3とをミキサ5などで混練し、混練物7を地盤面8に吹き付けて固化させるだけで法面17を構築することができ、これらの工程は従来の設備、工法を用いて実施することができるため、施工も容易である。また、ガラス粉末1は、使用済みの色つきガラス瓶など、リサイクル不可能な廃ガラスの粉砕粉を用いているため、環境保護にも寄与することができる。
【0031】
なお、本発明はこの実施形態に限定するものではないので、山間部の傾斜面に限らず、河川の堤防あるいは造成地などに施工することが可能であり、いずれにおいても浸食、崩壊を有効に防止することができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明により、以下に示す効果を奏する。
【0033】
(1)ガラス粉末と、フライアッシュセメントまたはベントナイトと、骨材と、アクリル酸−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合物のマグネシウム塩とポリエチレンイミンとの複合体とからなる高分子化合物を含む水溶液とを混練し、前記混練によって形成された混練物を法面に吹き付け固化させることにより、透水性、保水性を備え、耐スリップ性が高く、耐久性にも優れた法面を形成することができる。
【0034】
(2)前記混練物の含水率を7〜10%とすることにより、混練物内に粒径3〜5mm程度のガラス粉末結合粒子が形成されるため、適度の透水性と保水性を備え、強度も優れた法面を構築することができる。また、このような混練物で法面を形成すれば、その透水性および保水性により、雨水などを地山に吸収、貯留する機能も発揮するので、林道の浸水や洪水などの防止に寄与することができる。
【0035】
(3)前記ガラス粉末の粒径を0.5〜5mmとすることにより、透水性、保水性および靴底などに対する耐スリップ性が最も優れた法面を形成することができ、雨水による洪水防止も図ることができる。
【0036】
(4)前記ガラス粉末として廃ガラスの粉砕粉を用いることにより、リサイクルできず廃棄処分されている色つきガラス瓶などの各種ガラス廃材を再利用することが可能となるため、ガラス資源の有効活用が図られ、環境保護にも寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態である法面構築工法に使用する混練物の形成工程を示す説明図である。
【図2】施工面に対する混練物吹き付け工程を示す説明図である。
【図3】混練物の団粒化過程を示す概念図である。
【図4】混練物の吹き付け状態を示す説明図である。
【図5】図2に示す工程で構築された法面の縦断面図である。
【符号の説明】
1 ガラス粉末
2 フライアッシュセメント
3 砂
4 高分子化合物の水溶液
5 ミキサ
6 モータ
7 混練物
8 地盤面
9 亜鉛メッキ金網
10 アンカー材
11 スペーサ
12 棚部材
13 モルタル吹き付けガン
14 土壌層
15 立体網目構造
16 粗大粒子
17 法面
18 地山
19 林道
Claims (4)
- ガラス粉末と、フライアッシュセメントまたはベントナイトと、骨材と、アクリル酸−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合物のマグネシウム塩とポリエチレンイミンとの複合体とからなる高分子化合物を含む水溶液とを混練し、前記混練によって形成された混練物を法面に吹き付け固化させることを特徴とする法面構築工法。
- 前記混練物の含水率が7〜10%である請求項1記載の法面構築工法。
- 前記ガラス粉末の粒径が0.5〜5mmである請求項1記載の法面構築工法。
- 前記ガラス粉末が廃ガラスの粉砕粉である請求項1記載の法面構築工法。
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