JP2004056498A - 無線通信端末用アンテナ装置及び無線通信装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】PCカード用アンテナ装置100は、2つの誘電体基板108及び2つの誘電体基板108に挟まれる一辺が半波長以上ある地板109とから構成される。おもて面の誘電体基板108上には、半波長直線偏波パッチ101、スルーホール103、高周波スイッチ104、無線部105、及び演算処理部106が形成され、うら面の誘電体基板108には半波長直線偏波パッチ102及びスルーホール103が形成される。この構成により、半波長直線偏波パッチ101と半波長直線偏波パッチ102との指向性は互いに180度異なる為、受信レベルの高い半波長直線偏波パッチアンテナを選択して切り換えることで、通信状態に応じて良好な通信品質を得ることができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線通信端末に適したアンテナ装置及びそのアンテナ装置を搭載した無線通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、多くの無線LAN製品が発売されており、これらの製品のほとんどは、IEEE802.11という仕様に沿った製品である。IEEEとは、米国電機電子情報通信学会(Institute of Electrical and Electronic Engineers)の略であり、この学会における802.11委員会によって策定された無線LANの仕様がIEEE802.11b(2.4GHz帯)又はIEEE802.11a(5GHz帯)である。
【0003】
このような無線LAN製品のうちパーソナルコンピュータ(PC)等のスロットカードに着脱自在なPCカードタイプの製品は、有線のネットワークに接続したアクセスポイントから発信される電波の届く範囲であれば、オフィス内や家屋内のどこからでもインターネット等のネットワークに接続可能である。
【0004】
このPCカードタイプの無線LAN製品は、従来のモデム通信やLAN等に用いられる有線ケーブルをオフィス内や家屋内に配線する煩わしさがなく、又有線LAN並みの接続スピードが実現されている為、企業や個人ユーザにおいて急速に需要が高まってきている。
【0005】
一般に、PCカードは、ノート型PC等のPCカードスロットに挿入して使用される。一般的な広さの家屋内の場合には、例えば、ADSL等に接続されたアクセスポイントを1階に置き、2階又は3階の部屋にあるPCカードが挿入されたPCによってそのアクセスポイントに接続することで、無線LANを実現するケースが多い。
【0006】
上記のようなケースの場合、家屋内の全ての範囲をカバーして、通信を良好に行う為には、PCカードに搭載されるアンテナは無指向性アンテナであることが好ましい。しかしながら、無指向性アンテナでは、指向性利得が低い為に、部屋の隅々まで良好な通信品質を得ることが困難である。
【0007】
そこで従来からPCカードに搭載されるアンテナとして、特開平10−63808号広報に記載の技術が知られている。この広報に記載の技術は、PCカードの基板上にパターンによって形成した単指向性パッチアンテナを設けた構成としたものである。この構成により、指向性利得を無指向性の場合に比べて向上させることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の単指向性パッチアンテナでは、例えば、アクセスポイントを1階に置き、PCカードを挿入したPCを2階で使用して無線LANに接続する場合、単指向性パッチアンテナの指向性は3階方向となり、1階方向への利得は3階方向への利得と比べ15dB程度低くなってしまう。この場合は、アクセスポイントが1階にある為、1階方向の利得が低い単指向性パッチアンテナでは、良好な通信性能が得られないという問題点があった。
【0009】
又、家屋内やオフィス内における通信では、パーティションや壁、天井、又は床等が存在する為、アクセスポイントからPCカードに到来する電波は、アクセスポイントから直接到来する直接波よりも、障害物に反射して到来する間接波の割合が高くなる。この為、アクセスポイントからの到来波の偏波やその到来方向は様々となり、従来のような単指向性パッチアンテナでは、電波の到来波方向が予測できない見通し外のポイントにおいて良好な通信品質が得られないという問題点があった。
【0010】
又、単指向性パッチアンテナは垂直方向に対して利得が高く、低仰角方向には利得が低い為、アクセスポイントから横方向に離れた場所(同一階の隣合う部屋等)においては、良好な通信品質が得られないという問題点があった。
【0011】
本発明は、上記従来の問題点を解決する為のものであり、通信環境に応じて良好な通信品質を得ることができる無線通信端末用アンテナ装置及び無線通信装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の無線通信端末用アンテナ装置は、第1パッチアンテナと、前記第1パッチアンテナの特性とは異なる特性を有する第2パッチアンテナと、前記第1パッチアンテナ及び前記第2パッチアンテナの通信状態に基づいて、前記第1パッチアンテナ又は前記第2パッチアンテナのどちらを用いて通信するかを選択する選択手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
この構成により、第1パッチアンテナ又は第2パッチアンテナのどちらかを選択して切り換えることでアンテナの特性を変化させることができる為、通信環境に応じて良好な受信品質を得ることができる。又、パッチアンテナを用いることで、アンテナスペースを抑えることができ、無線通信端末用に適したアンテナ装置を提供することができる。
【0014】
更に、本発明の無線通信端末用アンテナ装置は、前記第1パッチアンテナのパッチ部を第1誘電体基板の一方の面に形成し、前記第2パッチアンテナのパッチ部を第2誘電体基板の一方の面に形成し、前記第1誘電体基板の他方の面と前記第2誘電体基板の他方の面との間に地板を設けたことを特徴とする。
【0015】
この構成により、第1パッチアンテナの指向性と第2パッチアンテナの指向性とは、互いに180度方向が異なる。したがって、第1パッチアンテナと第2パッチアンテナとのどちらかを選択して切り換えることで、アンテナの指向性を180度切り換えることができ、通信環境に応じて良好な通信品質を得ることができる。
【0016】
更に、本発明の無線通信端末用アンテナ装置は、前記第1パッチアンテナのパッチ部を誘電体基板の一方の面に形成し、前記第2パッチアンテナのパッチ部を前記誘電体基板の他方の面に形成し、前記第1パッチアンテナのパッチ部及び前記第2パッチアンテナのパッチ部の前記誘電体基板に対してそれぞれ面対称の位置に地板を設けたことを特徴とする。
【0017】
この構成により、第1パッチアンテナの指向性と第2パッチアンテナの指向性とは、互いに180度方向が異なる。したがって、第1パッチアンテナ又は第2パッチアンテナのどちらかを選択して切り換えることで、アンテナの指向性を180度変えることができ、通信環境に応じて良好な通信品質を得ることができる。
【0018】
更に、本発明の無線通信端末用アンテナ装置は、前記第1パッチアンテナのパッチ部を誘電体基板の一方の面に形成し、前記第2パッチアンテナのパッチ部を前記誘電体基板の他方の面に形成し、前記選択手段は、前記第1パッチアンテナのパッチ部又は前記第2パッチアンテナのパッチ部のうち選択していないパッチ部を接地するものであり、前記第1パッチアンテナのパッチ部と前記第2パッチアンテナのパッチ部とは、大きさ及び形状が同じであって、それぞれ前記誘電体基板に対して面対称の位置に形成したことを特徴とする。
【0019】
この構成により、第1パッチアンテナを選択したときは、第2パッチアンテナのパッチ部を接地することで、第2パッチアンテナのパッチ部が地板の役割を果たす。したがって、パッチ部のうち一方を選択し他方を接地することで、アンテナの指向性を180度切り換えることができ、通信環境に応じて良好な通信品質を得ることができる。
【0020】
更に、本発明の無線通信端末用アンテナ装置は、前記第1パッチアンテナが半波長パッチアンテナであり、前記第2パッチアンテナが1波長パッチアンテナであって、前記第1パッチアンテナのパッチ部及び前記第2パッチアンテナのパッチ部を誘電体基板の一方の面に形成し、前記誘電体基板の他方の面には地板を設けたことを特徴とする。
【0021】
この構成により、半波長パッチアンテナの指向性は、地板が設けられた面から半波長パッチアンテナのパッチ部の形成面への方向(A方向とする)となり、1波長パッチアンテナの指向性は、A方向から地板方向に幾分傾いた方向(B方向とする)となる。したがって、半波長パッチアンテナと1波長パッチアンテナとを選択して切り換えることで、指向性をA又はB方向に変化させることができ、通信環境に応じて良好な通信品質を得ることができる。
【0022】
更に、本発明の無線通信端末用アンテナ装置は、前記第1パッチアンテナが、長辺が1波長の方形パッチアンテナであり、前記第2パッチアンテナが、長辺が1波長の方形パッチアンテナであって、前記第1パッチアンテナのパッチ部及び前記第2パッチアンテナのパッチ部を長方形の誘電体基板の一方の面に形成し、前記誘電体基板の他方の面に地板を設け、前記第1パッチアンテナのパッチ部は、前記第1パッチアンテナのパッチ部の長手方向と前記誘電体基板の長手方向とが一致するように形成し、前記第2パッチアンテナのパッチ部は、前記第2パッチアンテナのパッチ部の長手方向と前記誘電体基板の長手方向と直行する方向とが一致するように形成したことを特徴とする。
【0023】
この構成により、第1方形パッチアンテナの指向性と第2方形パッチアンテナの指向性とは、それぞれ直交した方向となり、その偏波も異なる。したがって、第1方形パッチアンテナと第2方形パッチアンテナのどちらかを選択して切り換えることで、指向性や偏波を変化させることができ、電波の到来方向が予想できない通信環境においても良好な通信品質を得ることができる。
【0024】
更に、本発明の無線通信端末用アンテナ装置は、前記第1パッチアンテナが右旋円偏波パッチアンテナであり、前記第2パッチアンテナが左旋円偏波パッチアンテナであって、前記第1パッチアンテナのパッチ部及び前記第2パッチアンテナのパッチ部を誘電体基板の一方の面に形成し、前記誘電体基板の他方の面には地板を設けたことを特徴とする。
【0025】
この構成により、右旋円偏波パッチアンテナと左旋円偏波パッチアンテナとを選択して偏波ダイバシチを行うことで、電波の到来方向が予想できない通信環境においても良好な通信品質を得ることができる。
【0026】
更に、本発明の無線通信端末用アンテナ装置は、請求項1乃至請求項7のいずれか記載の無線通信端末用アンテナ装置における前記第1パッチアンテナのパッチ部及び前記第2パッチアンテナのパッチ部の各々に接続され、前記第1パッチアンテナ及び前記第2パッチアンテナの各々が通信する電波の位相を可変する位相可変手段と、前記位相可変手段から出力される位相を合成する位相合成手段と、前記位相合成手段の出力に基づいて前記第1パッチアンテナ又は前記第2パッチアンテナの前記位相を可変制御する位相可変制御手段とを備えることを特徴とする。
【0027】
この構成により、第1パッチアンテナ又は第2パッチアンテナの位相を制御することで、第1パッチアンテナ又は第2パッチアンテナの指向性を変化させることができ、良好な通信品質を得ることができる。
【0028】
更に、本発明の無線通信端末用アンテナ装置は、請求項1乃至請求項8のいずれか記載の無線通信端末用アンテナ装置における各種パッチアンテナのパッチ部に対向して誘電体基板を設け、前記各種パッチアンテナのパッチ部と当該誘電体基板に対して面対称の当該誘電体基板の表面位置に、前記各種パッチアンテナのパッチ部より小さい無給電素子を形成したことを特徴とする。
【0029】
この構成により、無給電素子が各種パッチアンテナの導波素子として機能する為、各種パッチアンテナの指向性利得を上げることができる。
【0030】
更に、本発明の無線通信端末用アンテナ装置は、請求項1乃至請求項8のいずれか記載の無線通信端末用アンテナ装置が筐体によって覆われるものであり、前記無線通信端末用アンテナ装置の各種パッチアンテナのパッチ部に対向する前記筐体の内側部分の位置に、前記各種パッチアンテナのパッチ部より小さい無給電素子を設けたことを特徴とする。
【0031】
この構成により、無給電素子が各種パッチアンテナの導波素子として機能する為、各種パッチアンテナの指向性利得を上げることができる。
【0032】
本発明の無線通信装置は、請求項1乃至請求項10のいずれか記載の無線通信端末用アンテナ装置を備え、前記無線通信端末と通信を行う為の無線通信装置。
【0033】
この構成により、通信相手同士のアンテナ装置の特性を一致させることが可能となる為、通信品質をより向上させることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
尚、以下の各実施形態では、屋内無線通信端末用アンテナ装置を無線LAN用PCカードとし、その無線LANの仕様をIEEE802.11a(5GHz帯)として説明する。
【0035】
(第一実施形態)
図1(a)は、第一実施形態に係るPCカード用アンテナ装置のおもて面の内部構成図である。図1(b)は、図1(a)に示した第一実施形態に係るPCカード用アンテナ装置のA−A部分の断面図である。図2は、第一実施形態に係るPCカード用アンテナ装置がノート型PCに装着されたときの状態を示す図である。
【0036】
図1(b)に示したように、PCカード用アンテナ装置100は、2つの誘電体基板108と、2つの誘電体基板108(特許請求の範囲の第1及び第2誘電体基板に該当)に挟まれ、一辺が半波長以上ある地板109とから構成される。尚、誘電体基板108は、例えばガラスエポキシ樹脂等で形成される。
【0037】
おもて面の誘電体基板108上には、図1(a)に示したように銅箔パターンで形成された方形マイクロストリップアンテナ(以下半波長直線偏波パッチという)101、スルーホール103、高周波スイッチ104、無線部105、及び演算処理部106が形成される。
【0038】
半波長直線偏波パッチ101は、マイクロストリップライン111を介して高周波スイッチ104に接続される。高周波スイッチ104は、演算処理部106の制御により、半波長直線偏波パッチ101又は半波長直線偏波パッチ102のどちらかを通信に使用するアンテナとして選択して、無線部105との接続状態を切り換える。無線部105は、接続されたアンテナを介して送受信する無線信号の処理を行う。演算処理部106は、PCとのデータの送受信や無線部105からの出力に基づいて高周波スイッチ104の切り換え制御等を行う。
【0039】
一方、うら面の誘電体基板108上には、半波長直線偏波パッチ102が形成され、半波長直線偏波パッチ102は、マイクロストリップライン112とスルーホール103とを介して高周波スイッチ104に接続される。尚、地板109とスルーホール103とは互いに接続されていない。
【0040】
半波長直線偏波パッチ101は、例えば一辺の長さaが半波長約12mm(ガラスエポキシ樹脂基板上にある為、実際の半波長より短縮されている)の正方形で形成される。半波長直線偏波パッチ101は、インピーダンスが50Ωで幅が約2mm(誘電体基板108の厚さが0.8mmとしたとき)のマイクロストリップライン111に接続される。又、半波長直線偏波パッチ101には、マイクロストリップライン111との接続部付近に長さが約4mmのスリットを入れることで、半波長直線偏波パッチ101のインピーダンスを50Ωに整合している。尚、うら面の半波長直線偏波パッチ102及びマイクロストリップライン112は、半波長直線偏波パッチ101及びマイクロストリップライン111と同様の構成である。
【0041】
又、半波長直線偏波パッチ101及び半波長直線偏波パッチ102の形成される位置は、図1に示した配置に限らず、おもて面に半波長直線偏波パッチ101を形成し、うら面に半波長直線偏波パッチ102を形成する構成であればどの位置に形成しても構わない。
【0042】
又、高周波スイッチ104、無線部105、及び演算処理部106は同一面上に形成する必要はなく、PCカード用アンテナ装置の空いた部分であればどこに形成しても構わない。
【0043】
又、本実施形態に係るPCカード用アンテナ装置100は、図2に示したように、ノート型PC120に+Y方向から装着されて使用される。
【0044】
以上説明した構成により、半波長直線偏波パッチ101及び半波長直線偏波パッチ102の裏側には地板109がある為、半波長直線偏波パッチ101及び半波長直線偏波パッチ102は、それぞれ半波長直線偏波パッチアンテナ(特許請求の範囲の第1及び第2パッチアンテナに該当)として動作する。このとき、半波長直線偏波パッチ101及び半波長直線偏波パッチ102の帯域幅(VSWR<2)は約200MHzとなる。
【0045】
図3は、第一実施形態に係るPCカード用アンテナ装置をノート型PCに装着して使用した場合の、半波長直線偏波パッチ101のYZ面の垂直偏波成分の放射パターンを示す図である。
同図に示したように、半波長直線偏波パッチ101の指向性は、図2に示したノート型PC120の+Z方向となり、その利得は約5dBiとなる。一方、半波長直線偏波パッチ102の放射パターンは、図3に示した放射パターンをY軸で対称にしたものとなり、半波長直線偏波パッチ102の指向性は−Z方向、その利得は約5dBiとなる。
【0046】
尚、半波長直線偏波パッチ101及び半波長直線偏波パッチ102への給電位置は図1(a)に示した位置に限らず、どの方向から給電しても同様の放射パターンが得られる。但し、半波長直線偏波パッチ101及び半波長直線偏波パッチ102への給電を互いに直行する方向から行った場合は偏波成分が異なり、図3に示した放射パターンは水平偏波成分となる。
【0047】
次に、PCカード用アンテナ装置100装着時のダイバシチ動作について説明する。尚、ここでは受信ダイバシチについてのみ説明する。
まず、演算処理部106からの制御信号により高周波スイッチ104は、半波長直線偏波パッチ101と無線部105とを接続し、半波長直線偏波パッチ101で受信した受信信号は無線部105で受信レベル(例えばRSSI等)に変換される。次に、演算処理部106からの制御信号により高周波スイッチ104は半波長直線偏波パッチ102と制御部105とを接続し、半波長直線偏波パッチ102で受信した受信信号は無線部105で受信レベルに変換される。
【0048】
半波長直線偏波パッチ101及び半波長直線偏波パッチ102の受信レベルを検出した後、演算処理部106は、検出した受信レベルを比較して、より受信レベルの高い方を選択するように高周波スイッチ104に制御信号を送信する。このようにして、PCカード用アンテナ装置100では、各アンテナの受信レベルを検出して、より受信レベルの高いアンテナを選択して通信を行う指向性ダイバシチ動作を行う。尚、送信時には、例えば受信レベルが高いアンテナを用いて送信を行う送信ダイバシチ等を行う。
【0049】
以上にように本実施形態によれば、例えば、アクセスポイントが家屋内の1階にあり、PCカード用アンテナ装置100が装着されたノート型PC120を2階で使用する場合、半波長直線偏波パッチ101を選択した場合はアンテナの指向性は3階方向となり、半波長直線偏波パッチ102を選択した場合はアンテナの指向性は1階方向となる。したがって、受信レベルに応じてアンテナの指向性を上下方向に切り換えることで、上下間における通信品質を良好にすることができる。
【0050】
又、本実施形態によれば、PCカード用アンテナ装置100が装着されたノート型PC120が木製や金属製の机の上に置かれて使用された場合でも、各パッチアンテナにスリットを入れてインピーダンス整合を行っている為、VSWR特性が劣化してしまうということがなくなる。更に、PCカード用アンテナ装置100がPCの筐体地板等と近接することによるVSWR特性の劣化も防ぐことができる。
【0051】
又、本実施形態によれば、無指向性のアンテナではなく指向性のパッチアンテナを使用している為、ノート型PC120の使用者の影響による放射効率の劣化も生じにくくなる。
【0052】
尚、半波長直線偏波パッチ101及び半波長直線偏波パッチ102をそれぞれ2個以上ずつ誘電体基板108の表裏に形成し、表と裏とでのダイバシチ動作や同一面でのダイバシチ動作を行うことで、指向性ダイバシチの効果と共に空間ダイバシチの効果も得ることができる。
【0053】
又、半波長直線偏波パッチ101及び半波長直線偏波パッチ102をそれぞれ2個以上ずつ誘電体基板108の表裏に形成し、各半波長直線偏波パッチへの給電方向を表と裏とで直交させて、表と裏とでのダイバシチ動作や同一面でのダイバシチ動作を行うことで、指向性ダイバシチ、空間ダイバシチ、及び偏波ダイバシチの効果も得ることができる。
【0054】
(第二実施形態)
図4(a)は、第二実施形態に係るPCカード用アンテナ装置のおもて面の内部構成図である。図4(b)は、図4(a)に示した第二実施形態に係るPCカード用アンテナ装置のB−B部分の断面図である。図4(c)は、第二実施形態に係るPCカード用アンテナ装置のうら面の内部構成図である。尚、図1と同一符号を付した構成は、第一実施形態と同一構成要素であるものとして説明を省略する。
【0055】
図4(b)に示したように、PCカード用アンテナ装置200は、誘電体基板208のおもて面上に半波長直線偏波パッチ201が形成され、うら面の半波長直線偏波パッチ201と対向する位置と重ならない位置に半波長直線偏波パッチ202が形成される。
【0056】
誘電体基板208のおもて面の、半波長直線偏波パッチ201、マイクロストリップライン111、スルーホール103、高周波スイッチ104、無線部105、及び演算処理部106を除く部分には地板205が形成される。一方、誘電体基板208のうら面の半波長直線偏波パッチ202、スルーホール103、及びマイクロストリップライン112を除く部分には地板206が形成される。尚、地板205及び地板206はそれぞれ1辺が半波長以上の大きさである。
【0057】
又、半波長直線偏波パッチ201及び半波長直線偏波パッチ202は、第一実施形態で説明した半波長直線偏波パッチ101及び半波長直線偏波パッチ102と同様の構成である。
【0058】
以上の構成により、半波長直線偏波パッチ201の裏側には半波長以上ある地板206が形成され、半波長直線偏波パッチ202の裏側には半波長以上ある地板205が形成されている為、半波長直線偏波パッチ201及び半波長直線偏波パッチ202は、それぞれ半波長直線偏波パッチアンテナ(特許請求の範囲の第1及び第2パッチアンテナに該当)として動作する。
【0059】
半波長直線偏波パッチ201のYZ面の垂直偏波成分の放射パターンは、図3に示した放射パターンと同様となり、半波長直線偏波パッチ202のYZ面の垂直偏波成分の放射パターンは、図3の放射パターンをY軸で対称にしたものとなる。又、ダイバシチ動作についても第一実施形態で説明した動作と同様となる。
【0060】
以上のように本実施形態によれば、誘電体基板208のおもて面とうら面に半波長直線偏波パッチを形成し、各半波長直線偏波パッチの裏側部分に半波長以上ある地板を形成した為、各半波長直線偏波パッチが半波長直線偏波パッチアンテナとして動作する。この各半波長直線偏波パッチを指向性ダイバシチを行ってより受信レベルの高い方を選択して切り換えることで、指向性を上下方向に切り換えることができる。この為、上下間における通信品質を良好にすることができる。
【0061】
尚、半波長直線偏波パッチ201及び半波長直線偏波パッチ202をそれぞれ2個以上づつ誘電体基板208の表裏に形成し、表と裏とでのダイバシチ動作や同一面でのダイバシチ動作を行うことで、指向性ダイバシチの効果と共に空間ダイバシチの効果も得ることができる。
【0062】
又、半波長直線偏波パッチ201及び半波長直線偏波パッチ202をそれぞれ2個以上づつ誘電体基板208の表裏に形成し、各半波長直線偏波パッチへの給電方向を表と裏で直交させて、表と裏とでのダイバシチ動作や同一面でのダイバシチ動作を行うことで、指向性ダイバシチ、空間ダイバシチ、及び偏波ダイバシチの効果も得ることができる。
【0063】
(第三実施形態)
図5(a)は、第三実施形態に係るPCカード用アンテナ装置のおもて面の内部構成図である。図5(b)は、図5(a)に示した第三実施形態に係るPCカード用アンテナ装置のC−C部分の断面図である。図5(c)は、第三実施形態に係るPCカード用アンテナ装置のうら面の内部構成図である。尚、図1と同一符号を付した構成は、第一実施形態と同一構成要素であるものとして説明を省略する。
【0064】
図5(b)に示したように、PCカード用アンテナ装置300は、誘電体基板308のおもて面上に半波長直線偏波パッチ301が形成され、うら面の半波長直線偏波パッチ301と対向する位置(誘電体基板308に対して面対称の位置)に半波長直線偏波パッチ302が形成される。
【0065】
半波長直線偏波パッチ301は、マイクロストリップライン111を介して高周波スイッチ304に接続される、半波長直線偏波パッチ302は、マイクロストリップライン312及びスルーホール103を介して高周波スイッチ304に接続される。
【0066】
誘電体基板308のおもて面の半波長直線偏波パッチ301、マイクロストリップライン111、スルーホール103、高周波スイッチ304、無線部105、及び演算処理部106を除く部分には地板305が形成される。一方、誘電体基板308のうら面の半波長直線偏波パッチ302、マイクロストリップライン312、及びスルーホール103を除く部分には地板306が形成される。
【0067】
半波長直線偏波パッチ301は、第一実施形態で説明した半波長直線偏波パッチ101と同様の構成であり、半波長直線偏波パッチ302は、半波長直線偏波パッチ301と同様の構成である。
【0068】
高周波スイッチ304は、演算処理部106の制御により、半波長直線偏波パッチ301又は半波長直線偏波パッチ302のどちらかを通信に使用するアンテナとして選択して、無線部105との接続状態を切り換える。但し、選択した一方を無線部105に接続しているときは、他方は接地するような構成となっている。
【0069】
以上の構成により、例えば、半波長直線偏波パッチ301と無線部105を接続して給電し、半波長直線偏波パッチ302を接地した場合は、一辺が半波長以上ある半波長直線偏波パッチ302が地板の役割を果たす。この為、半波長直線偏波パッチ301は、半波長直線偏波パッチアンテナとして動作し、このときの指向性は+Z方向となる。
【0070】
又、半波長直線偏波パッチ302と無線部105を接続して給電し、半波長直線偏波パッチ301を接地した場合は、一辺が半波長以上ある半波長直線偏波パッチ301が地板の役割を果たす。この為、半波長直線偏波パッチ302は、半波長直線偏波パッチアンテナとして動作し、このときの指向性は−Z方向となる。
【0071】
本実施形態における半波長直線偏波パッチ301及び半波長直線偏波パッチ302のYZ面の垂直偏波成分の放射パターンは、第一実施形態で説明した半波長直線偏波パッチ101及び半波長直線偏波パッチ102の放射パターンとほぼ等しくなる。しかし、本実施形態では第一実施形態に比べ地板が小さくなる為、利得がやや下がり約4dBiとなる。
【0072】
以上のように本実施形態によれば、互いに同様の構成の半波長直線偏波パッチを誘電体基板308に対して面対称の位置に形成し、ダイバシチを行うときには、一方の半波長直線偏波パッチを無線部105に接続して、他方の半波長直線偏波パッチを接地することで、一方の半波長直線偏波パッチを半波長直線偏波パッチアンテナとして動作させることができる。したがって、指向性ダイバシチを行って、より受信レベルの高い半波長直線偏波パッチアンテナを選択して切り換えることで、指向性を上下方向に切り換えることができ、上下間における通信品質を良好にすることができる。
【0073】
又、第一実施形態及び第二実施形態では、半波長直線偏波パッチの裏側方向に地板を形成する必要がある為、半波長直線偏波パッチの数だけ地板を形成する面積を確保する必要がある。しかしながら、本実施形態では、半波長直線偏波パッチ同士を誘電体基板308に対して面対称に形成することができる為、地板を形成するスペースを有効に活用することができる。したがって、SDカードやメモリースティック等のタイプにも、本実施形態のアンテナ装置を実装することが可能となる。
【0074】
尚、半波長直線偏波パッチ301及び半波長直線偏波パッチ302をそれぞれ2個以上づつ誘電体基板308の表裏に形成し、表と裏とでのダイバシチ動作や同一面でのダイバシチ動作を行うことで、指向性ダイバシチの効果と共に空間ダイバシチの効果も得ることができる。
【0075】
又、半波長直線偏波パッチ301及び半波長直線偏波パッチ302をそれぞれ2個以上づつ誘電体基板308の表裏に形成し、各半波長直線偏波パッチへの給電方向を表と裏で直交させて、表と裏とでのダイバシチ動作や同一面でのダイバシチ動作を行うことで、指向性ダイバシチ、空間ダイバシチ、及び偏波ダイバシチの効果も得ることができる。
【0076】
(第四実施形態)
図6(a)は、第四実施形態に係るPCカード用アンテナ装置のおもて面の内部構成図である。図6(b)は、図6(a)に示した第四実施形態に係るPCカード用アンテナ装置のD−D部分の断面図である。尚、図1と同一符号を付した構成は、第一実施形態と同一構成要素であるものとして説明を省略する。
【0077】
図6(b)に示したように、PCカード用アンテナ装置400は、誘電体基板108のおもて面上に半波長直線偏波パッチ101及び1波長直線偏波パッチ401が形成され、うら面に地板109が形成される。図6(a)に示したように、半波長直線偏波パッチ101と1波長直線偏波パッチ401への給電は、±X方向又は±Z方向から行う。
【0078】
1波長直線偏波パッチ401は、長辺の長さdが1波長約24mm(ガラスエポキシ樹脂基板上にある為、実際の1波長より短縮されている)、短辺の長さeが半波長約12mmの長方形で形成され、インピーダンスが50Ωで幅が約2mm(誘電体基板108の厚さが0.8mmとしたとき)のマイクロストリップライン411に接続される。又、1波長直線偏波パッチ401には、マイクロストリップライン411との接続部付近に長さが約8mmのスリットを入れることで、1波長直線偏波パッチ401のインピーダンスを50Ωに整合している。
【0079】
高周波スイッチ404は、演算処理部106の制御により、半波長直線偏波パッチ101又は1波長直線偏波パッチ401のどちらかを通信に使用するアンテナとして選択して、無線部105との接続状態を切り換える。
【0080】
尚、半波長直線偏波パッチ101及び1波長直線偏波パッチ401はそれぞれ1つずつ形成する構成に限らず、それぞれ2つ以上形成する構成としても良い。
【0081】
以上の構成により、半波長直線偏波パッチ101の裏側には半波長以上ある地板109が形成され、1波長直線偏波パッチ401の裏側には半波長以上ある地板109が形成されている為、半波長直線偏波パッチ101は半波長直線偏波パッチアンテナ(特許請求の範囲の半波長パッチアンテナに該当)として、1波長直線偏波パッチ401は1波長直線偏波パッチアンテナ(特許請求の範囲の1波長パッチアンテナに該当)として動作する。
【0082】
図7は、1波長直線偏波パッチ401のYZ面の垂直偏波成分の放射パターンを示す図である。
同図に示したように、1波長直線偏波パッチ401の指向性は、+Z方向から±30度程度Y方向に傾いた方向(低仰角方向)となり、その利得は約5dBiとなる。又、半波長直線偏波パッチ101のYZ面の垂直偏波成分の放射パターンは図3に示した通りである。尚、ダイバシチの動作については第一実施形態で説明した動作と同様である為、説明を省略する。
【0083】
以上のように本実施形態によれば、半波長直線偏波パッチ101を選択したときは+Z方向への指向性が得られ、1波長直線偏波パッチ401を選択したときは低仰角方向への指向性が得られる。この為、ダイバシチ動作を行うことにより、上方向と低仰角方向への指向性が得られ、アクセスポイントのある同一階における通信品質を向上させることができる。
【0084】
尚、本実施形態で説明した構成と第一実施形態で説明した構成とを組み合わせることも可能である。この場合は、例えば、地板109を誘電体基板108で挟み込み、その誘電体基板に半波長直線偏波パッチ101と1波長直線偏波パッチ401を本実施形態と同様の構成で形成する。そして、うら面とおもて面とでのダイバシチ動作や同一面でのダイバシチ動作を行うことで、上下及び低仰角方向に指向性を切り換えることができる。したがって、上下間や同一階における通信品質を良好にすることができる。
【0085】
(第五実施形態)
図8(a)は、第五実施形態に係るPCカード用アンテナ装置のおもて面の内部構成図である。図8(b)は、図8(a)に示した第五実施形態に係るPCカード用アンテナ装置のE−E部分の断面図である。尚、図6(a)及び図6(b)と同一符号を付した構成は、第四実施形態と同一構成要素であるものとして説明を省略する。
【0086】
図8(b)に示したように、PCカード用アンテナ装置500は、長方形の誘電体基板108のおもて面上に1波長直線偏波パッチ501及び1波長直線偏波パッチ401が形成され、うら面に地板109が形成される。図8(a)に示したように、1波長直線偏波パッチ501は、その長手方向が誘電体基板108の長手方向と一致するように形成され、1波長直線偏波パッチ401は、その長手方向が誘電体基板108の長手方向に直交する方向に一致するように形成される。又、給電方向は互いに直交した方向から行う。
【0087】
1波長直線偏波パッチ501は、マイクロストリップライン511を介して高周波スイッチ504に接続される。尚、1波長直線偏波パッチ501及びマイクロストリップライン511は、1波長直線偏波パッチ401及びマイクロストリップライン411と同様の構成である。
【0088】
高周波スイッチ504は、演算処理部106の制御により、1波長直線偏波パッチ501又は1波長直線偏波パッチ401のどちらかを通信に使用するアンテナとして選択して、無線部105との接続状態を切り換える。
【0089】
尚、1波長直線偏波パッチ401及び1波長直線偏波パッチ501はそれぞれ1つずつ形成する構成に限らず、それぞれ2つ以上形成する構成としても良い。
【0090】
以上の構成により、1波長直線偏波パッチ401及び1波長直線偏波パッチ501の裏側には地板109が形成されている為、1波長直線偏波パッチ401及び1波長直線偏波パッチ501はそれぞれ1波長直線偏波パッチアンテナ(特許請求の範囲の第1及び第2方形パッチアンテナに該当)として動作する。
【0091】
図9は、1波長直線偏波パッチ501のXZ面の水平偏波成分の放射パターンを示す図である。
同図に示したように、1波長直線偏波パッチ501のXZ面の最大放射方向は+Z方向からX方向に±30程度傾いた方向(低仰角方向)となり、その利得は約5dBiとなる。又、1波長直線偏波パッチ401のYZ面の垂直偏波成分の放射パターンは図7に示した放射パターンであり、指向性は+Z方向からY方向に±30度程度傾いた方向で、その利得は約5dBiである。尚、ダイバシチの動作については第一実施形態で説明した動作と同様である為、説明を省略する。
【0092】
以上のように、本実施形態によれば、誘電体基板108の同一面上に1波長直線偏波パッチ401と1波長直線偏波パッチ501とを互いに直交するように形成し、指向性ダイバシチ動作を行うことで、図7及び図9に示した指向性を得ることができる。この為、+Z方向から低仰角方向への指向性利得を高くすることができ、家屋内等のアクセスポイントからの到来波方向が予測できない見通し外のポイントにおいても、良好な通信品質を得ることができる。
【0093】
又、1波長直線偏波パッチ401と1波長直線偏波パッチ501との偏波成分はそれぞれ異なる。この為、指向性ダイバシチ動作を行うと共に、偏波ダイバシチ動作を行うことで、より良好な通信品質を得ることができる。
【0094】
尚、本実施形態で説明した構成と第一実施形態で説明した構成とを組み合わせることも可能である。この場合は、例えば、地板109を誘電体基板108で挟み込み、その誘電体基板108に1波長直線偏波パッチ401と1波長直線偏波パッチ501とを本実施形態と同様の構成で形成する。そして、うら面とおもて面とでのダイバシチ動作(指向性ダイバシチ)や同一面でのダイバシチ動作(指向性ダイバシチ及び偏波ダイバシチ)を行うことで、上下方向及び低仰角方向に指向性を切り換えることができる。したがって、上下間や同一階における通信品質を良好にすることができる。
【0095】
(第六実施形態)
図10(a)は、第六実施形態に係るPCカード用アンテナ装置のおもて面の内部構成図である。図10(b)は、図10(a)に示した第六実施形態に係るPCカード用アンテナ装置のF−F部分の断面図である。尚、図6(a)及び図6(b)と同一符号を付した構成は、第四実施形態と同一構成要素であるものとして説明を省略する。
【0096】
図10(b)に示したように、PCカード用アンテナ装置600は、誘電体基板108のおもて面上に右旋円偏波パッチ601及び左旋円偏波パッチ602が銅泊パターンで形成され、うら面に地板109が形成される。
【0097】
右旋円偏波パッチ601は、インピーダンスが50Ωで幅約2mmのマイクロストリップライン611を介して高周波スイッチ604に接続される。左旋円偏波パッチ602は、インピーダンスが50Ωで幅約2mmのマイクロストリップライン612を介して高周波スイッチ604に接続される。
【0098】
右旋円偏波パッチ601は、例えば1辺の長さfが半波長約12mm(ガラスエポキシ樹脂基板上にある為、実際の半波長より短縮される)の正方形パッチで形成され、正方形の一方の対角において1辺が約2.3mmの直角二等辺三角形を切り抜いた摂動素子構造となっており、その摂動素子は、給電部より右上方向の角と左下方向の角に設けられる。又、右旋円偏波パッチ601のマイクロストリップライン611との接続部付近に長さが約4mmのスリットを入れることにより、インピーダンスを50Ωにして整合している。尚、左旋円偏波パッチ602の構成は右旋円偏波パッチ601と同様な正方形のパッチで形成され、その摂動素子は、給電部より左上方向の角と右下方向の角に設けられる。
【0099】
右旋円偏波パッチ601及び左旋円偏波パッチ602への給電は、それぞれ、直角二等辺三角形が切り抜かれた対角線に対して略45度の角度の方向から行う。
【0100】
高周波スイッチ604は、演算処理部106の制御により、右旋円偏波パッチ601又は左旋円偏波パッチ602のどちらかを通信に使用するアンテナとして選択して、無線部105との接続状態を切り換える。
【0101】
尚、右旋円偏波パッチ601及び左旋円偏波パッチ602はそれぞれ1つずつ形成する構成に限らず、それぞれ2つ以上形成する構成としても良い。
【0102】
以上の構成により、右旋円偏波パッチ601及び左旋円偏波パッチ602の裏側には地板109が形成されており、それぞれ、直角二等辺三角形が切り抜かれた対角線に対して略45度の角度の方向から給電を行う為、右旋円偏波パッチ601は右旋円偏波パッチアンテナとして動作し、左旋円偏波パッチ602は左旋円偏波パッチアンテナとして動作する。尚、ダイバシチの動作については第一実施形態で説明した動作と同様である為、説明を省略する。
【0103】
右旋円偏波パッチ601及び左旋円偏波パッチ602は、それぞれ偏波成分が異なる為、両アンテナ間の相関係数を低くすることができ、偏波ダイバシチを行うことで、アンテナの利得を上げることができる。
【0104】
図11は、第六実施形態に係るPCカード用アンテナ装置のアンテナ受信レベル累積確率分布を示す図である。
同図において、波形621は、家屋内等のアクセスポイントからの到来波方向が予測できないポイントにおける右旋円偏波パッチアンテナの短区間累積確率分布を示している。波形622は、家屋内等のアクセスポイントからの到来波方向が予測できないポイントにおける左旋円偏波パッチアンテナの短区間累積確率分布を示している。波形623は、レイリー分布を示している。同図に示したように、波形621及び波形622は、ほぼレイリー分布624となっている。
【0105】
又、図11には、ダイバシチ動作によって、それぞれのアンテナの受信レベルの高い方を選択した場合の受信レベル累積確率分布をダイバシチ短区間累積確率分布624として図示している。一般に、ダイバシチ動作による効果は、累積確率が1%のポイントで比較される。この為、右旋円偏波パッチアンテナ又は左旋円偏波パッチアンテナを単一で使用した場合の累積確率1%の点と波形624の累積確率1%の点とを比較すると、ダイバシチ動作を行った場合の方が、約8dB利得が高くなる。
【0106】
以上のように、本実施形態によれば、右旋円偏波パッチアンテナ及び左旋円偏波パッチアンテナを誘電体基板108の同一面上に形成し、偏波ダイバシチを行って受信レベルの高いアンテナを通信に使用するアンテナとすることで、家屋内等のアクセスポイントから到来波方向が予測できないポイントにおいても高い利得を得ることができ、通信品質を向上させることができる。
【0107】
(第七実施形態)
図12(a)は、第七実施形態に係るPCカード用アンテナ装置のおもて面の内部構成図である。図12(b)は、図12(a)に示した第七実施形態に係るPCカード用アンテナ装置のG−G部分の断面図である。図12(c)は、第七実施形態に係るPCカード用アンテナ装置のうら面の内部構成図である。尚、図1と同一符号を付した構成は、第一実施形態と同一構成要素であるものとして説明を省略する。
【0108】
図12(b)に示したように、PCカード用アンテナ装置700は、誘電体基板708のうら面に半波長直線偏波パッチ101、マイクロストリップライン111、スルーホール704、及びスルーホール707が形成される。更に、誘電体基板709のおもて面に半波長直線偏波パッチ102、マイクロストリップライン112、スルーホール704、及びスルーホール707が形成される。
【0109】
誘電体基板708のおもて面には、無給電導体731(特許請求の範囲の無給電素子に該当)、スルーホール704、スルーホール707、高周波スイッチ104、無線部105、及び演算処理部106が形成される。又、誘電体基板708のおもて面の無給電導体731(特許請求の範囲の無給電素子に該当)、スルーホール704、スルーホール707、高周波スイッチ104、無線部105、及び演算処理部106を除く部分には地板705が形成される。
【0110】
一方、誘電体基板709のうら面には、スルーホール704、スルーホール707、及び無給電導体732が形成される。又、誘電体基板709のうら面のスルーホール704、スルーホール707、及び無給電導体732を除く部分には地板706が形成される。
【0111】
無給電導体731は同箔パターンにより形成され、その形状は、例えば一辺が半波長以下(例えば10mm)の正方形である。又、無給電導体731は、誘電体基板708のうら面に形成されている半波長直線偏波パッチ101の誘電体基板708と対向する誘電体基板708のおもて面(誘電体基板708に対して面対称の位置)に形成され、図12(a)に示したように、半波長直線偏波パッチ101の大きさ内に収まるように形成される。尚、無給電導体732も無給電導体731と同様に形成される。
【0112】
以上のように、本実施形態によれば、半波長直線偏波パッチ101及び半波長直線偏波パッチ102の形成面から地板方向に対して反対方向(図12中の±Z方向、放射素子面方向)にそれぞれ一辺が半波長以下の無給電導体731及び無給電導体732を形成している。この為、無給電導体731及び無給電導体732は、半波長直線偏波パッチ101及び半波長直線偏波パッチ102の導波素子として動作する。したがって、半波長直線偏波パッチ101及び半波長直線偏波パッチ102の放射パターンは第一実施形態と同様となるが、最大利得は約1dB高くすることができる。
【0113】
尚、本実施形態のように、半波長直線偏波パッチの地板に対して反対方向に無給電導体を形成する構成は、第一実施形態から第六実施形態の全ての構成に適用することができる。このようにすることで、第一実施形態から第六実施形態に係るPCカード用アンテナ装置において、アンテナの最大利得を約1dB高くすることができ、通信品質を更に向上させることができる。
【0114】
(第八実施形態)
図13(a)は、第八実施形態に係るPCカード用アンテナ装置の全体斜視図である。図13(b)は、図13(a)に示した第八実施形態に係るPCカード用アンテナ装置のH−H部分の断面図である。尚、図1と同一符号を付した構成は、第一実施形態と同一構成要素であるものとして説明を省略する。
【0115】
図13(b)に示したように、本実施形態に係るPCカード用アンテナ装置基板800は筐体803によってカバーされている。筐体803には、一辺が半波長以下の方形の無給電導体801が、半波長直線偏波パッチ101の形成面から地板109の形成面方向とは反対方向(図13中の+Z方向、放射素子面方向)に例えば粘着性のテープ等で貼り付けられる。
【0116】
又、筐体803には、一辺が半波長以下の方形の無給電導体802が、半波長直線偏波パッチ102の形成面から地板109の形成面への方向とは反対方向(図13中の−Z方向、放射素子面方向)に例えば粘着性のテープ等で貼り付けられる。
【0117】
尚、無給電導体801は、+Z方向から見た場合に、半波長直線偏波パッチ101の大きさ内に収まるように半波長直線偏波パッチ101の真上の筐体803の部分に貼り付けられる。又、無給電導体802も同様に貼り付けられる。
【0118】
以上のように、本実施形態によれば、半波長直線偏波パッチ101及び半波長直線偏波パッチ102に対して真上の筐体803の部分に、それぞれ一辺が半波長以下の無給電導体801及び無給電導体803を形成している。この為、無給電導体801及び無給電導体802は、半波長直線偏波パッチ101及び半波長直線偏波パッチ102の導波素子として動作する。したがって、半波長直線偏波パッチ101及び半波長直線偏波パッチ102の放射パターンは第一実施形態と同様となるが、最大利得は約1dB高くすることができる。
【0119】
尚、本実施形態のように、半波長直線偏波パッチの真上の筐体部分の同じ位置に無給電導体を形成する構成は、第一実施形態から第六実施形態の全ての構成に適用することができる。このようにすることで、第一実施形態から第六実施形態に係るPCカード用アンテナ装置において、アンテナの最大利得を約1dB高くすることができ、通信品質を更に向上させることができる。
【0120】
(第九実施形態)
図14(a)は、第九実施形態に係るPCカード用アンテナ装置のおもて面の内部構成図である。図14(b)は、図14(a)に示した第九実施形態に係るPCカード用アンテナ装置のJ−J部分の断面図である。図15は、第九実施形態に係るPCカード用アンテナ装置の内部ブロック図である。
【0121】
本実施形態に係るPCカード用アンテナ装置は、第一実施形態に係るPCカード用アンテナ装置において、おもて面に半波長直線偏波パッチ101を2つ形成し、うら面に半波長直線偏波パッチ102を2つ形成し、更に、移相器901〜904(特許請求の範囲の位相可変手段に該当)、分配合成器921及び922(特許請求の範囲の位相合成手段に該当)を設けた構成としたものである。したがって、図1と同一の構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0122】
図14及び図15に示したように、各半波長直線偏波パッチには、移相器901〜移相器904が接続される。各移相器は、各半波長直線偏波パッチアンテナからの信号の位相をそれぞれ変化させて分配合成器921及び分配合成器922に送出したり、分配合成器921及び分配合成器922からの信号の位相をそれぞれ変化させて各半波長直線偏波パッチアンテナに送出したりする。
【0123】
合成分配器921及び合成分配器922は、高周波スイッチ104及び各移相器に接続され、各位相器からの信号を合成して高周波スイッチ104に送出する。又、演算処理部906からの信号を各位相器に分配する。
【0124】
演算処理部906(特許請求の範囲の位相可変制御手段に該当)は、各位相器の位相量を制御して各半波長直線偏波パッチアンテナの合成最大放射方向をそれぞれ変化させる。つまり、演算処理部906は、合成分配器921及び合成分配器922からの信号の受信レベルが高くなるように各位相器の位相量をそれぞれ制御する。
【0125】
図16は、図14(a)に示したおもて面の2つの半波長直線偏波パッチ101を高周波スイッチ104によって選択した場合の、YZ面の垂直偏波成分の放射パターンを示す図である。
【0126】
図16において、点線930は、位相器901の位相量φ1と位相器902の位相量φ2の差(φ2−φ1)が0度となるように、各位相量を決定した場合の放射パターンである。実線931は、位相器901の位相量φ1と位相器902の位相量φ2の差(φ2−φ1)が−90度となるように、各位相量を決定した場合の放射パターンである。実線932は、位相器901の位相量φ1と位相器902の位相量φ2の差(φ2−φ1)が+90度となるように、各位相量を決定した場合の放射パターンである。
【0127】
図16に示したように、φ2−φ1が0度の場合の最大放射方向はYZ面において+Z方向となり、φ2−φ1が−90度の場合の最大放射方向はYZ面において+Z方向から−Y方向に30度程度傾いた方向となり、φ2−φ1が+90度の場合の最大放射方向はYZ面において+Z方向から+Y方向に30度程度傾いた方向となる。又、図14(a)に示したうら面の2つの半波長直線偏波パッチ102を高周波スイッチ104によって選択した場合のYZ面の垂直偏波成分の放射パターンは、図16の放射パターンをY軸で対称にしたものである。
【0128】
次に、PCカード用アンテナ装置900を実際にPCに装着して使用する例について説明する。例えば、家屋内の1階にアクセスポイントを置き、そのアクセスポイントの真上の2階の部屋で無線LANに接続する場合は、高周波スイッチ104で下方向(−Z方向)に指向性の向いたアンテナ(半波長直線偏波パッチ102)を選択し、2つの半波長直線偏波パッチ102の位相量の差が0度となるよう位相量を決定する。このようにすることで、最大指向性をアクセスポイントのある真下方向に向けることができる為、良好な通信品質を得ることができる。
【0129】
又、仮にアクセスポイントの真上の部屋から右隣の部屋に移動して無線LANに接続する場合は、2つの半波長直線偏波パッチ102の位相量の差が−90度となるように位相量を決定する。このようにすることで、真下方向から左方向に最大指向性を向けることができる為、アクセスポイントの真上から横方向に移動した場合でも良好な通信品質を得ることができる。
【0130】
尚、本実施形態ではPCカード用アンテナ装置900の表裏に半波長直線偏波パッチを2つずつ形成しているが、これは2つ以上であればいくつでも構わない。
【0131】
以上のように、本実施形態によれば、PCカード用アンテナ装置の表裏に半波長直線偏波パッチを2つずつ形成し、上下方向の指向性ダイバシチを行うと共に、同一面上に形成されている半波長直線偏波パッチの位相差を制御することで、上下方向だけでなく、横方向への通信品質も向上させることができる。
【0132】
尚、本実施形態で説明した構成に、第七実施形態及び第八実施形態の構成を適用することも可能である。こうすることで、利得を上げることができる為、通信品質が更に向上する。
【0133】
以上の第一実施形態から第九実施形態で説明したPCカード用アンテナ装置に搭載されるアンテナ装置を、アクセスポイントである無線通信装置に搭載することで、第一実施形態から第九実施形態で説明したPCカード用アンテナ装置を装着したPCとアクセスポイントとのアンテナ特性を一致させることができる。この為、通信品質をより向上させることができる。
【0134】
【発明の効果】
本発明によれば、それぞれ特性の異なる第1パッチアンテナ又は第2パッチアンテナのどちらかを選択して切り換えてアンテナの特性を変化させることで、通信環境に応じて良好な受信品質を得ることが可能な無線通信端末用アンテナ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、第一実施形態に係るPCカード用アンテナ装置のおもて面の内部構成図である。(b)は、(a)に示した第一実施形態に係るPCカード用アンテナ装置のA−A部分の断面図である。
【図2】第一実施形態に係るPCカード用アンテナ装置がノート型PCに搭載されたときの状態を示す図である。
【図3】第一実施形態に係るPCカード用アンテナ装置をノート型PCに装着して使用した場合の、半波長直線偏波パッチ101のYZ面の垂直偏波成分の放射パターンを示す図である。
【図4】(a)は、第二実施形態に係るPCカード用アンテナ装置のおもて面の内部構成図である。(b)は、(a)に示した第二実施形態に係るPCカード用アンテナ装置のB−B部分の断面図である。(c)は、第二実施形態に係るPCカード用アンテナ装置のうら面の内部構成図である。
【図5】(a)は、第三実施形態に係るPCカード用アンテナ装置のおもて面の内部構成図である。(b)は、(a)に示した第二実施形態に係るPCカード用アンテナ装置のC−C部分の断面図である。(c)は、第二実施形態に係るPCカード用アンテナ装置のうら面の内部構成図である。
【図6】(a)は、第四実施形態に係るPCカード用アンテナ装置のおもて面の内部構成図である。(b)は、(a)に示した第四実施形態に係るPCカード用アンテナ装置のD−D部分の断面図である。
【図7】1波長直線偏波パッチ401のYZ面の垂直偏波成分の放射パターンを示す図である。
【図8】(a)は、第五実施形態に係るPCカード用アンテナ装置のおもて面の内部構成図である。(b)は、(a)に示した第五実施形態に係るPCカード用アンテナ装置のE−E部分の断面図である。
【図9】1波長直線偏波パッチ502のXZ面の水平偏波成分の放射パターンを示す図である。
【図10】(a)は、第六実施形態に係るPCカード用アンテナ装置のおもて面の内部構成図である。(b)は、(a)に示した第六実施形態に係るPCカード用アンテナ装置のF−F部分の断面図である。
【図11】第六実施形態に係るPCカード用アンテナ装置のアンテナ受信レベル累積確率分布を示す図である。
【図12】(a)は、第七実施形態に係るPCカード用アンテナ装置のおもて面の内部構成図である。(b)は、(a)に示した第七実施形態に係るPCカード用アンテナ装置のG−G部分の断面図である。(c)は、第七実施形態に係るPCカード用アンテナ装置のうら面の内部構成図である。
【図13】(a)は、第八実施形態に係るPCカード用アンテナ装置の全体斜視図である。(b)は、(a)に示した第八実施形態に係るPCカード用アンテナ装置のH−H部分の断面図である。
【図14】(a)は、第九実施形態に係るPCカード用アンテナ装置のおもて面の内部構成図である。(b)は、(a)に示した第九実施形態に係るPCカード用アンテナ装置のJ−J部分の断面図である。
【図15】第九実施形態に係るPCカード用アンテナ装置の内部ブロック図である。
【図16】第九実施形態に係るPCカード用アンテナ装置のおもて面の2つの半波長直線偏波パッチを選択した場合の、YZ面の垂直偏波成分の放射パターンを示す図である。
【符号の説明】
100,200,300,400,500,600,700,800,900 PCカード用アンテナ装置
101,102,201,202,301,302 半波長直線偏波パッチ
103,704,707 スルーホール
104,304,404,504,604 高周波スイッチ
105 無線部
106,906 演算処理部
111,112,411,511,611,612 マイクロストリップライン
108,208,308,708,709 誘電体基板
109,205,206,305,306,705,706 地板
Claims (11)
- 第1パッチアンテナと、
前記第1パッチアンテナの特性とは異なる特性を有する第2パッチアンテナと、
前記第1パッチアンテナ及び前記第2パッチアンテナの通信状態に基づいて、前記第1パッチアンテナ又は前記第2パッチアンテナのどちらを用いて通信するかを選択する選択手段とを備えることを特徴とする無線通信端末用アンテナ装置。 - 前記第1パッチアンテナのパッチ部を第1誘電体基板の一方の面に形成し、
前記第2パッチアンテナのパッチ部を第2誘電体基板の一方の面に形成し、
前記第1誘電体基板の他方の面と前記第2誘電体基板の他方の面との間に地板を設けたことを特徴とする請求項1記載の無線通信端末用アンテナ装置。 - 前記第1パッチアンテナのパッチ部を誘電体基板の一方の面に形成し、
前記第2パッチアンテナのパッチ部を前記誘電体基板の他方の面に形成し、
前記第1パッチアンテナのパッチ部及び前記第2パッチアンテナのパッチ部の前記誘電体基板に対してそれぞれ面対称の位置に地板を設けたことを特徴とする請求項1記載の無線通信端末用アンテナ装置。 - 前記第1パッチアンテナのパッチ部を誘電体基板の一方の面に形成し、
前記第2パッチアンテナのパッチ部を前記誘電体基板の他方の面に形成し、
前記選択手段は、前記第1パッチアンテナのパッチ部又は前記第2パッチアンテナのパッチ部のうち選択していないパッチ部を接地するものであり、
前記第1パッチアンテナのパッチ部と前記第2パッチアンテナのパッチ部とは、大きさ及び形状が同じであって、それぞれ前記誘電体基板に対して面対称の位置に形成したことを特徴とする請求項1記載の無線通信端末用アンテナ装置。 - 前記第1パッチアンテナが半波長パッチアンテナであり、
前記第2パッチアンテナが1波長パッチアンテナであって、
前記第1パッチアンテナのパッチ部及び前記第2パッチアンテナのパッチ部を誘電体基板の一方の面に形成し、
前記誘電体基板の他方の面には地板を設けたことを特徴とする請求項1記載の無線通信端末用アンテナ装置。 - 前記第1パッチアンテナが、長辺が1波長の方形パッチアンテナであり、
前記第2パッチアンテナが、長辺が1波長の方形パッチアンテナであって、
前記第1パッチアンテナのパッチ部及び前記第2パッチアンテナのパッチ部を長方形の誘電体基板の一方の面に形成し、
前記誘電体基板の他方の面に地板を設け、
前記第1パッチアンテナのパッチ部は、前記第1パッチアンテナのパッチ部の長手方向と前記誘電体基板の長手方向とが一致するように形成し、
前記第2パッチアンテナのパッチ部は、前記第2パッチアンテナのパッチ部の長手方向と前記誘電体基板の長手方向と直行する方向とが一致するように形成したことを特徴とする請求項1記載の無線通信端末用アンテナ装置。 - 前記第1パッチアンテナが右旋円偏波パッチアンテナであり、
前記第2パッチアンテナが左旋円偏波パッチアンテナであって、
前記第1パッチアンテナのパッチ部及び前記第2パッチアンテナのパッチ部を誘電体基板の一方の面に形成し、
前記誘電体基板の他方の面には地板を設けたことを特徴とする請求項1記載の無線通信端末用アンテナ装置。 - 請求項1乃至請求項7のいずれか記載の無線通信端末用アンテナ装置における前記第1パッチアンテナのパッチ部及び前記第2パッチアンテナのパッチ部の各々に接続され、前記第1パッチアンテナ及び前記第2パッチアンテナの各々が通信する電波の位相を可変する位相可変手段と、
前記位相可変手段から出力される位相を合成する位相合成手段と、
前記位相合成手段の出力に基づいて前記第1パッチアンテナ又は前記第2パッチアンテナの前記位相を可変制御する位相可変制御手段とを備えることを特徴とする無線通信端末用アンテナ装置。 - 請求項1乃至請求項8のいずれか記載の無線通信端末用アンテナ装置における各種パッチアンテナのパッチ部に対向して誘電体基板を設け、
前記各種パッチアンテナのパッチ部と当該誘電体基板に対して面対称の当該誘電体基板の表面位置に、前記各種パッチアンテナのパッチ部より小さい無給電素子を形成したことを特徴とする無線通信端末用アンテナ装置。 - 請求項1乃至請求項8のいずれか記載の無線通信端末用アンテナ装置が筐体によって覆われるものであり、
前記無線通信端末用アンテナ装置の各種パッチアンテナのパッチ部に対向する前記筐体の内側部分の位置に、前記各種パッチアンテナのパッチ部より小さい無給電素子を設けたことを特徴とする無線通信端末用アンテナ装置。 - 請求項1乃至請求項10のいずれか記載の無線通信端末用アンテナ装置を備え、前記無線通信端末と通信を行う為の無線通信装置。
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