JP2000312112A - パッチアンテナ装置 - Google Patents

パッチアンテナ装置

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JP2000312112A
JP2000312112A JP26854199A JP26854199A JP2000312112A JP 2000312112 A JP2000312112 A JP 2000312112A JP 26854199 A JP26854199 A JP 26854199A JP 26854199 A JP26854199 A JP 26854199A JP 2000312112 A JP2000312112 A JP 2000312112A
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conductor
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antenna device
parallel
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Atsushi Yamamoto
山本  温
Toshimitsu Matsuyoshi
俊満 松吉
Koichi Ogawa
晃一 小川
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造で放射空間に応じて所望の放射エ
リアを得ることができる。 【解決手段】 裏面に接地導体11が形成された誘電体
基板18上に、X軸と平行な共振を所定の共振周波数で
行うための第1の給電点13と、Y軸と平行な共振を上
記共振周波数で行うための第2の給電点14とを有する
少なくとも1個の導体パッチ12が形成される。電力分
配及び合成回路17のコントローラ100は、第1の給
電点13と第2の給電点14に給電される上記共振周波
数の各無線信号の振幅と位相のうちの少なくとも一方を
変化するように制御する。第1の給電点13と第2の給
電点14に上記共振周波数の各無線信号を給電したと
き、パッチアンテナ装置は、X軸とY軸とにそれぞれ平
行で互いに直交する2つの直線偏波を有する電波を、電
力分配及び合成回路17のコントローラ100による各
無線信号に対する制御に対応する放射指向特性で放射す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として移動体通
信システムにおける基地局用アンテナ装置として用いら
れるパッチアンテナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図29は、従来技術のパッチアンテナ装
置の構成を示す斜視図であり、図30乃至図32は図2
9のパッチアンテナ装置における放射指向特性の一例を
示す特性図である。
【0003】図29において、互いに平行なおもて面と
裏面を有し、裏面に接地導体91が形成された誘電体基
板90のおもて面上に、誘電体基板90の誘電率を考慮
した共振周波数の波長の1/2である1/2波長の1辺
の長さを有する正方形状の導体パッチ92が形成され
る。ここで、例えば、誘電体基板90の中心に原点を有
するX−Y面において、導体パッチ92の正方形の直交
する各辺がそれぞれX軸とY軸と平行となりかつ導体パ
ッチ92の中心がX−Y面の原点に位置するように導体
パッチ92が形成される。また、給電点93はX軸上に
位置し、すなわち導体パッチ92の正方形のY軸方向の
1辺の垂直二等分線上に位置し、給電点93に対して上
記共振周波数を有する無線信号を給電したとき、パッチ
アンテナ装置はX軸と平行に共振する。これにより、当
該無線信号は、給電点93を含むX軸と平行な励振方向
を有する直線偏波の電波として、X−Y面とは直交しか
つ接地導体91とは反対側のZ軸方向に放射される。
【0004】すなわち、図30乃至図32に示すよう
に、図29のパッチアンテナ装置から放射される電波
は、X軸と平行な直線偏波である主偏波を有して、当該
パッチアンテナ装置の正面方向であるZ方向に対してそ
の放射強度が最大となるように放射される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図29
に示す従来技術のパッチアンテナ装置では、X軸に平行
な直線偏波を放射させることは可能であるが、これと垂
直なY軸と平行な直線偏波は放射することができない。
また、当該パッチアンテナ装置は電波をアンテナ装置の
正面方向であるZ方向に強く放射させることは可能であ
るが、アンテナ装置の水平方向や仰角の小さい斜め上方
向に強く放射させることはできない。
【0006】例えば高さが低く、水平方向に広がりを持
った部屋などの空間に電波を放射させる場合、アンテナ
装置は天井あるいは壁面に設置されることが考えられ
る。しかしながら、景観等を考慮するとアンテナ装置は
人目に付きにくい天井に設置することが望ましい。天井
にアンテナ装置を吊り下げる場合、効率よく電波を放射
させるには、アンテナ装置を誘電体基板90の平面が天
井の面と平行となるように天井から水平に吊り下げて設
置することが望ましい(以下、この設置方法を天井設置
法という。)。この場合、パッチアンテナ装置から放射
される電波はX軸と平行な偏波のみである。移動体通信
システムでは、主に垂直偏波が用いられるが、上述の天
井設置法では、X軸上ではアンテナ装置から放射される
電波の垂直偏波が最も強く、Y軸上ではアンテナ装置か
ら放射される電波に垂直偏波が存在しない。
【0007】従って、例えば高さが低く水平方向に広が
りを持った部屋などの空間の場合において、より広い放
射エリアを実現するためには、アンテナ装置から放射さ
れる電波をアンテナ装置の水平方向もしくは仰角の小さ
い斜め上方向に強く放射することが望ましい。
【0008】本発明の第1の目的は、簡単な構造で、放
射空間に応じて所望の放射エリアを得るように制御する
ことができるパッチアンテナ装置を提供することにあ
る。
【0009】また、本発明の第2の目的は、簡単な構造
で、従来技術に比較してより広い放射エリアを得ること
ができるパッチアンテナ装置を提供することにある。
【0010】さらに、本発明の第3の目的は、簡単な構
造で、低仰角方向で電波の放射を最大にすることができ
るパッチアンテナ装置を提供することにある。
【0011】またさらに、本発明の第4の目的は、簡単
な構造で、従来技術に比較して高い利得を有しかつ狭い
放射ビームを得ることができるパッチアンテナ装置を提
供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願の第1の発明に係る
パッチアンテナ装置によれば、互いに直交する第1の軸
と第2の軸とを有し、互いに平行な第1の面と第2の面
を有する誘電体基板と、上記第1の面に形成された接地
導体と、上記第2の面に形成され、第1の軸と平行な共
振を所定の共振周波数で行うための第1の給電点と、第
2の軸と平行な共振を上記共振周波数で行うための第2
の給電点とを有する少なくとも1個の導体パッチと、上
記第1の給電点と上記第2の給電点に給電される上記共
振周波数の各無線信号の振幅と位相のうちの少なくとも
一方を変化するように制御する制御手段とを備え、上記
第1の給電点と上記第2の給電点に上記共振周波数の各
無線信号を給電したとき、第1の軸と第2の軸とにそれ
ぞれ平行であって互いに直交する2つの直線偏波を有す
る電波を、上記制御手段による各無線信号に対する制御
に対応する放射指向特性で放射することを特徴とする。
【0013】上記パッチアンテナ装置において、好まし
くは、少なくとも2個の上記導体パッチを備え、上記少
なくとも2個の導体パッチのうちの2個の導体パッチを
第1の軸に対して対称で配置し、上記制御手段は、第1
の軸に対して対称で配置された2個の導体パッチの各第
1の給電点又は各第2の給電点に同相の無線信号を給電
するように制御することを特徴とする。
【0014】また、上記パッチアンテナ装置において、
好ましくは、少なくとも4個の上記導体パッチを備え、
上記少なくとも4個の導体パッチのうちの各2個の導体
パッチの組を第1の軸に対して対称で配置し、上記制御
手段は、第1の軸に対して対称で配置された各2個の導
体パッチの組の各第1の給電点又は各第2の給電点に逆
相の無線信号を給電するように制御することを特徴とす
る。
【0015】本願の第2の発明に係るパッチアンテナ装
置によれば、互いに直交する第1の軸と第2の軸とを有
し、互いに平行な第1の面と第2の面を有する誘電体基
板と、上記第1の面に形成された接地導体と、上記第2
の面に形成され、第1の軸と平行な共振を所定の共振周
波数で行うための第1の給電点を有する少なくとも1個
の第1の導体パッチと、上記第2の面に形成され、第2
の軸と平行な共振を上記共振周波数で行うための第2の
給電点を有する少なくとも1個の第2の導体パッチと、
上記第1の給電点と上記第2の給電点に給電される上記
共振周波数の各無線信号の振幅と位相のうちの少なくと
も一方を変化するように制御する制御手段とを備え、上
記第1の給電点と上記第2の給電点に上記共振周波数の
各無線信号を給電したとき、第1の軸と第2の軸とにそ
れぞれ平行であって互いに直交する2つの直線偏波を有
する電波を、上記制御手段による各無線信号に対する制
御に対応する放射指向特性で放射することを特徴とす
る。
【0016】上記パッチアンテナ装置において、好まし
くは、少なくとも2個の上記第1の導体パッチを備え、
上記少なくとも2個の導体パッチのうちの2個の第1の
導体パッチを第1の軸に対して対称で配置し、上記制御
手段は、第1の軸に対して対称で配置された2個の第1
の導体パッチの各第1の給電点に同相の無線信号を給電
するように制御することを特徴とする。
【0017】また、上記パッチアンテナ装置において、
好ましくは、少なくとも2個の上記第2の導体パッチを
備え、上記少なくとも2個の導体パッチのうちの2個の
第2の導体パッチを第1の軸に対して対称で配置し、上
記制御手段は、第1の軸に対して対称で配置された2個
の第2の導体パッチの各第2の給電点に同相の無線信号
を給電するように制御することを特徴とする。
【0018】さらに、上記パッチアンテナ装置におい
て、好ましくは、少なくとも4個の上記第1の導体パッ
チを備え、上記少なくとも4個の第1の導体パッチのう
ちの各2個の第1の導体パッチの組を第1の軸に対して
対称で配置し、上記制御手段は、第1の軸に対して対称
で配置された各2個の第1の導体パッチの組の各第1の
給電点に逆相の無線信号を給電するように制御すること
を特徴とする。
【0019】またさらに、上記パッチアンテナ装置にお
いて、好ましくは、少なくとも4個の上記第2の導体パ
ッチを備え、上記少なくとも4個の第2の導体パッチの
うちの各2個の第2の導体パッチの組を第1の軸に対し
て対称で配置し、上記制御手段は、第1の軸に対して対
称で配置された各2個の第2の導体パッチの組の各第2
の給電点に逆相の無線信号を給電するように制御するこ
とを特徴とする。
【0020】本願の第3の発明に係るパッチアンテナ装
置によれば、互いに直交する第1の軸と第2の軸とを有
し、互いに平行な第1の面と第2の面を有する誘電体基
板と、上記第1の面に形成された接地導体と、上記第2
の面に形成され、第1の軸と平行な共振を所定の共振周
波数で行うための第1の給電点と、第2の軸と平行な共
振を上記共振周波数で行うための第2の給電点とを有す
る少なくとも1個の第1の導体パッチと、上記第2の面
に形成され、第1の軸と平行な共振を上記共振周波数で
行うための第3の給電点を有する少なくとも1個の第2
の導体パッチと、上記第2の面に形成され、第2の軸と
平行な共振を上記共振周波数で行うための第4の給電点
を有する少なくとも1個の第3の導体パッチと、上記第
1乃至第4の給電点に給電される上記共振周波数の各無
線信号の振幅と位相のうちの少なくとも一方を変化する
ように制御する制御手段とを備え、上記第1乃至第4の
給電点に上記共振周波数の各無線信号を給電したとき、
第1の軸と第2の軸とにそれぞれ平行であって互いに直
交する2つの直線偏波を有する電波を、上記制御手段に
よる各無線信号に対する制御に対応する放射指向特性で
放射することを特徴とする。
【0021】上記パッチアンテナ装置において、上記各
導体パッチの共振方向の長さは、好ましくは、上記誘電
体基板の誘電率を考慮した波長を基準にして、1/2波
長の整数倍に設定されたことを特徴とする。
【0022】また、上記パッチアンテナ装置において、
好ましくは、上記各導体パッチの2つの共振端のうちの
一方は上記接地導体と電気的に接続され、上記各導体パ
ッチの共振方向の長さは、上記誘電体基板の誘電率を考
慮した波長を基準にして、1/4波長の整数倍に設定さ
れたことを特徴とする。
【0023】さらに、上記パッチアンテナ装置におい
て、上記各導体パッチは、好ましくは、正方形状、矩形
形状又は円形形状を有することを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る実施形態について説明する。なお、図面において、同
一の符号は同様のものを示す。
【0025】<第1の実施形態>図1は、本発明に係る
第1の実施形態であるパッチアンテナ装置の構成を示す
斜視図であり、図2は、図1のA−A’面についての縦
断面図である。この第1の実施形態のパッチアンテナ装
置は、導体パッチ12においてX軸上に給電点13を有
しかつY軸上に給電点14を有し、各給電点13,14
に対して給電される2つの無線信号の振幅と位相のうち
の少なくとも一方が互いに異なるように制御する電力分
配及び合成回路17を備えたことを特徴としている。
【0026】図1において、互いに平行なおもて面と裏
面を有し、裏面に接地導体11が形成された誘電体基板
18のおもて面上に、誘電体基板18の誘電率を考慮し
た共振周波数の波長の1/2である1/2波長の1辺の
長さを有する正方形状の導体パッチ12が形成される。
ここで、例えば、誘電体基板18の中心に原点を有する
X−Y面において、導体パッチ12の正方形の直交する
各辺がそれぞれX軸とY軸と平行となりかつ導体パッチ
12の中心がX−Y面の原点に位置するように導体パッ
チ12が形成される。また、給電点13はX軸上に位置
し、すなわち導体パッチ12の正方形のY軸方向の1辺
の垂直二等分線上に位置する一方、給電点14はX軸上
に位置し、すなわち導体パッチ12の正方形のX軸方向
の1辺の垂直二等分線上に位置する。また、詳細後述す
るように、給電点13は給電伝送線路15を介して電力
分配及び合成回路17の端子17bに接続される一方、
給電点14は給電伝送線路16を介して電力分配及び合
成回路17の端子17cに接続される。
【0027】図2において、給電点13の直下の位置の
誘電体基板18及び接地導体11は厚さ方向に貫通する
ようにスルーホール87が形成され、スルーホール87
内で誘電体基板18と電気的に絶縁されるように誘電体
86を介してスルーホール導体85が形成される。スル
ーホール導体85の一端は給電点13で導体パッチ12
に接続される。給電伝送線路15は例えば同軸ケーブル
80であって、同軸ケーブル80は中心導体81の周囲
を誘電体82を介して接地導体83により被覆すること
により構成される。ここで、同軸ケーブル80の中心導
体81はスルーホール導体85の他端に接続され、同軸
ケーブル80の接地導体83は接地導体11に接続され
る。また、給電点14に接続される給電伝送線路16も
給電伝送線路15と同様に同軸ケーブルであって、給電
伝送線路15と同様の接続構造を有する。
【0028】図3は図1の電力分配及び合成回路17の
構成を示すブロック図である。図3において、端子17
bは増幅度可変型双方向増幅器104及び移相器102
を介して分配及び分配回路101に接続される一方、端
子17cは増幅度可変型双方向増幅器105及び移相器
103を介して分配及び分配回路101に接続される。
各増幅度可変型双方向増幅器104,105は、その増
幅度がコントローラ100によって制御され、双方向で
通過する無線信号の振幅を制御しかつ増幅して出力す
る。また、各移相器102,103は、その移相量がコ
ントローラ100によって制御され、双方向で通過する
無線信号の位相を制御しかつ増幅して出力する。さら
に、分配及び合成回路101は、移相器102から入力
される無線信号と移相器103から入力される無線信号
を合成して合成後の無線信号を端子17aに出力すると
ともに、端子17aを介して入力される無線信号を同相
で2分配して、分配後の第1の無線信号を移相器102
及び増幅度可変型双方向増幅器104を介して端子17
bを介して出力する一方、分配後の第2の無線信号を移
相器103及び増幅度可変型双方向増幅器105を介し
て端子17cを介して出力する。
【0029】以上のように構成された電力分配及び合成
回路17は、端子17aを介して入力される無線信号を
2分配しかつ分配後の2つの無線信号の振幅及び位相を
制御して各端子17b,17bを介して出力する一方、
各端子17b,17cを介して入力される2つの無線信
号をその振幅及び位相を制御しかつ合成して端子17a
を介して出力する。
【0030】以上のように構成された第1の実施形態の
パッチアンテナ装置の動作について説明する。本実施形
態においては、2つの給電点13及び14に対して上記
共振周波数と同一の共振周波数を有する無線信号を給電
したとき、パッチアンテナ装置はX軸と平行に共振しか
つY軸と平行に共振する。これにより、当該無線信号
は、給電点13を含むX軸と平行な励振方向を有する直
線偏波と、給電点14を含むY軸と平行な励振方向を有
する直線偏波とを含む、互いに直交する2つの直線偏波
を有する同一の共振周波数の無線信号の電波として、X
−Y面とは直交しかつ接地導体11とは反対側のZ軸方
向に放射される。
【0031】そして、本実施形態において、電力分配及
び合成回路17内のコントローラ100が各給電点1
3,14に対して給電する2つの無線信号の各振幅が異
なるように増幅度可変型双方向増幅器104,105を
制御して、各給電点13,14に給電される2つの無線
信号の電力を異ならせることにより、給電点13を含む
X軸と平行な励振方向を有する直線偏波を有する無線信
号の電波と、給電点14を含むY軸と平行な励振方向を
有する直線偏波を有する無線信号の電波との各放射エリ
アを互いに異ならせることができる。従って、所望の放
射エリアの形状となるように各給電点13,14に給電
される2つの無線信号の電力を異ならせることによっ
て、当該パッチアンテナ装置により上記所望の放射エリ
アを得ることができる。
【0032】また、本実施形態において、電力分配及び
合成回路17内のコントローラ100が各給電点13,
14に対して給電する2つの無線信号間の位相差を与え
るように移相器102,103を制御することにより、
給電点13を含むX軸と平行な励振方向を有する直線偏
波を有する無線信号の電波と、給電点14を含むY軸と
平行な励振方向を有する直線偏波を有する無線信号の電
波との各放射エリアを互いに異ならせることができる。
従って、所望の放射エリアの形状となるように各給電点
13,14に給電される2つの無線信号間の位相差を与
えることによって、当該パッチアンテナ装置により上記
所望の放射エリアを得ることができる。
【0033】<第2の実施形態>図5は、本発明に係る
第2の実施形態であるパッチアンテナ装置の構成を示す
平面図である。この第2の実施形態のパッチアンテナ装
置は、第1の実施形態のパッチアンテナ装置と同様の構
造を有する9個のパッチアンテナ装置を、例えば互いに
半波長だけ離れて(より具体的には、各導体パッチ12
−1乃至12−9(総称して、符号12を付す。)のう
ち各隣接する導体パッチ12の各中心の間の間隔が半波
長となるように)誘電体基板18上に形成したことを特
徴としている。ここで、各導体パッチ12−1乃至12
−9はそれぞれ、各導体パッチの中心からX軸方向にず
れた位置に位置しX軸方向で共振するための給電点13
−1乃至13−9と、各導体パッチの中心からY軸方向
にずれた位置に位置してY軸方向で共振するための給電
点14−1乃至14−9とを有し、各導体パッチ12−
1乃至12−9の各辺はX軸又はY軸と平行となるよう
に形成されている。なお、X−Y平面の原点は導体パッ
チ12−5の中心と一致するように、複数の導体パッチ
12−1乃至12−9を配置させている。
【0034】図4は、本発明に係る各実施形態であるパ
ッチアンテナ装置300を部屋200の天井201に設
置したときの放射指向特性を示す断面図である。例え
ば、パッチアンテナ装置300を、図4に示すように、
高さが低く水平方向に広がりを持った空間である部屋2
00の天井201の中央部に吊り下げた場合、パッチア
ンテナ装置300から放射される電波をアンテナ装置の
水平方向又は仰角θの小さい斜め下方向に強く放射させ
ることが必要になる。この場合において、第2の実施形
態に係るパッチアンテナ装置は以下のように好適であ
る。
【0035】第2の実施形態に係るパッチアンテナ装置
においては、導体パッチ12−1乃至12−9を2次元
形状で配置することにより、アレーアンテナ装置を構成
している。ここで、X軸と平行な共振を行うための第1
の組の給電点13−1乃至13−9に給電する電力和
と、Y軸と平行な共振を行うための第2の組の給電点1
4−1乃至14−9に給電する電力和とを互いに異なる
ように、コントローラ100により制御する。これによ
り、X軸と平行な直線偏波の電波による放射エリアの大
きさと、Y軸と平行な直線偏波の電波による放射エリア
の大きさとを異ならせて所望の放射エリアを実現するこ
とができる。とって代わって、各給電点13−1乃至1
3−9及び14−1乃至14−9に給電する各無線信号
の振幅を異ならせ、又は各無線信号間の位相を異ならせ
ることにより、フェーズドアレーアンテナ装置又はアダ
プティブアレーアンテナ装置を実現することができ、所
望の放射エリアを得ることができる。
【0036】以上の実施形態においては、複数の導体パ
ッチ12を2次元形状で配置しているが、本発明はこれ
に限らず、複数の導体パッチ12を1次元形状で配置し
てもよい。
【0037】<第3の実施形態>図6は、本発明に係る
第3の実施形態であるパッチアンテナ装置の構成を示す
平面図である。この第3の実施形態のパッチアンテナ装
置は、第1の実施形態の導体パッチ12と同様の構造を
有する2個の導体パッチ12−1,12−2を、例えば
互いに半波長だけ離れてかつY軸上に沿ってX軸に対し
て線対称となるように誘電体基板18上に形成したこと
を特徴としている。ここで、各導体パッチ12−1,1
2−2はそれぞれ、各導体パッチの中心からX軸方向に
ずれた位置に位置しX軸方向で共振するための給電点1
3−1,13−2と、Y軸方向にずれた位置に位置しY
軸方向で共振するための給電点14−1,14−2とを
有し、各導体パッチ12−1,12−2の各辺はX軸又
はY軸と平行となるように形成されている。なお、X−
Y平面の原点は2つの導体パッチ12−1,12−2の
間の中間位置と一致するように、2つの導体パッチ12
−1,12−2をX軸に対して線対称で配置させてい
る。
【0038】本実施形態においては、所望の放射指向特
性を得るために、1:4の分配比を有する電力分配及び
合成回路17を用いて、以下のように各給電点13−
1,13−2,14−1,14−2に給電する各無線信
号の振幅と位相とのうちの少なくとも一方を変化させ
る。なお、無線信号の振幅を変化させることにより、公
知の通り電力を変化させる。
【0039】具体的には、以下の方法がある。 (a)2個の導体パッチ12−1,12−2の4個の給
電点13−1,13−2,14−1,14−2のうち1
個の給電点に分配される電力だけを他の3個の給電点に
分配される電力と異なるように制御する。 (b)また、全ての給電点13−1,13−2,14−
1,14−2に分配される各電力を互いに異なるように
制御する。 (c)さらに、X軸と平行な共振を行う2個の給電点1
3−1,13−2に給電される各電力を等しくし、Y軸
と平行な共振を行う2個の給電点14−1,14−2に
給電される各電力を等しくし、かつX軸と平行な共振を
行う給電点13−1,13−2に給電される電力の和と
Y軸と平行な共振を行う給電点14−1,14−2に給
電される電力の和とが互いに異なるように制御する。 (d)またさらに、2個のX軸と平行な共振を行う給電
点13−1,13−2に給電される各電力を等しくなる
ように、かつY軸と平行な共振を行う2個の給電点14
−1,14−2に給電される各電力を互いに異なるよう
に制御する。 (e)またさらに、2個のX軸と平行な共振を行う給電
点13−1,13−2に給電される各電力を互いに異な
るように、かつ、Y軸と平行な共振を行う2個の給電点
14−1,14−2に給電される各電力を等しくなるよ
うに制御する。
【0040】以上の方法の例では、電力差の与え方の例
について説明したが、4個の給電点13−1,13−
2,14−1,14−2に給電される無線信号間に位相
差を与えることにより、様々な空間に対して所望の放射
指向特性を得ることができる。
【0041】図6に示すように、X軸に対して線対称な
位置に配置された2つの導体パッチ12−1,12−2
のX軸と平行な共振を行う給電点13−1,13−2に
同相の無線信号を給電すると、当該パッチアンテナ装置
のX軸と平行な直線偏波を有する電波の放射指向特性
は、ZX面において放射電波が強まり利得が大きくなる
という特徴がある。
【0042】また、図6に示すように、X軸に対して線
対称な位置に配置された2つの導体パッチ12−1,1
2−2のY軸と平行な共振を行う給電点14−1,14
−2に同相の無線信号を給電すると、当該パッチアンテ
ナ装置のY軸と平行な直線偏波を有する電波の放射指向
特性は、ZX面において放射電波が強まり利得が大きく
なるという特徴がある。
【0043】以上のように構成された2つの例は、室内
用のパッチアンテナ装置としては非常に有用な構成であ
り、壁掛け用アンテナ装置又は廊下等の細長い空間の天
井設置アンテナ装置のように、非常に放射指向特性を絞
り大きなアンテナの利得が必要な場合に有用である。
【0044】以上の実施形態においては、X軸に対して
線対称に配置された2つの導体パッチ12−1,12−
2を用いてパッチアンテナ装置を構成しているが、本発
明はこれに限らず、3個以上の導体パッチを用いてパッ
チアンテナ装置を構成してもよい(図5参照。)。以下
に具体例を示す。
【0045】第1の具体例として、各2個の導体パッチ
がX軸に対して線対称な位置に配置される場合に、各導
体パッチの組毎に2個の導体パッチのX軸と平行な共振
を行う給電点に逆相の無線信号を給電すると、当該パッ
チアンテナ装置のX軸と平行な直線偏波を有する電波の
放射指向特性は、ZX面において放射電波が弱まり最大
放射方向がZY面で低仰角方向になるという特徴があ
る。
【0046】第2の具体例として、各2個の導体パッチ
がX軸に対して線対称な位置に配置される場合に、各導
体パッチの組毎に2個の導体パッチのY軸と平行な共振
を行う給電点に逆相の無線信号を給電すると、当該パッ
チアンテナ装置のY軸と平行な直線偏波を有する電波の
放射指向特性は、ZX面において放射電波が弱まり最大
放射方向がZY面で低仰角方向になるという特徴があ
る。
【0047】以上のように構成された2つの具体例で
は、当該パッチアンテナ装置を、室内の天井中央部に設
置することにより、より広い空間に対して放射すること
ができ、より広い放射エリアを得ることができる。
【0048】<第4の実施形態>図7は、本発明に係る
第4の実施形態であるパッチアンテナ装置の構成を示す
平面図である。この第4の実施形態のパッチアンテナ装
置は、第1の実施形態の導体パッチ12と同様の構造を
有する2個の導体パッチ12−1,12−2を、例えば
互いに半波長だけ離れてかつX軸上に沿ってY軸に対し
て線対称となるように誘電体基板18上に形成したこと
を特徴としている。ここで、各導体パッチ12−1,1
2−2はそれぞれ、各導体パッチの中心からX軸方向に
ずれた位置に位置しX軸方向で共振するための給電点1
3−1,13−2と、各導体パッチの中心からY軸方向
にずれた位置に位置しY軸方向で共振するための給電点
14−1,14−2とを有し、各導体パッチ12−1,
12−2の各辺はX軸又はY軸と平行となるように形成
されている。なお、X−Y平面の原点は2つの導体パッ
チ12−1,12−2の間の中間位置と一致するよう
に、2つの導体パッチ12−1,12−2をY軸に対し
て線対称で配置させている。
【0049】本実施形態においては、所望の放射指向特
性を得るために、1:4の分配比を有する電力分配及び
合成回路17を用いて、第3の実施形態で示した方法
で、各給電点13−1,13−2,14−1,14−2
に給電する各無線信号の振幅と位相とのうちの少なくと
も一方を変化させる。
【0050】図7に示すように、Y軸に対して線対称な
位置に配置された2つの導体パッチ12−1,12−2
のY軸と平行な共振を行う給電点14−1,14−2に
同相の無線信号を給電すると、当該パッチアンテナ装置
のY軸と平行な直線偏波を有する電波の放射指向特性
は、ZY面において放射電波が強まり利得が大きくなる
という特徴がある。
【0051】また、図7に示すように、Y軸に対して線
対称な位置に配置された2つの導体パッチ12−1,1
2−2のX軸と平行な共振を行う給電点13−1,13
−2に同相の無線信号を給電すると、当該パッチアンテ
ナ装置のX軸と平行な直線偏波を有する電波の放射指向
特性は、ZY面において放射電波が強まり利得が大きく
なるという特徴がある。
【0052】以上のように構成された2つの例は、室内
用のパッチアンテナ装置としては非常に有用な構成であ
り、壁掛け用アンテナ装置又は廊下等の細長い空間の天
井設置アンテナ装置のように、非常に放射指向特性を絞
り大きなアンテナの利得が必要な場合に有用である。
【0053】以上の実施形態においては、Y軸に対して
線対称に配置された2つの導体パッチ12−1,12−
2を用いてパッチアンテナ装置を構成しているが、本発
明はこれに限らず、3個以上の導体パッチを用いてパッ
チアンテナ装置を構成してもよい(図5参照。)。以下
に具体例を示す。
【0054】第1の具体例として、各2個の導体パッチ
がY軸に対して線対称な位置に配置される場合に、各導
体パッチの組毎に2個の導体パッチのY軸と平行な共振
を行う給電点に逆相の無線信号を給電すると、当該パッ
チアンテナ装置のY軸と平行な直線偏波を有する電波の
放射指向特性は、ZY面において放射電波が弱まり最大
放射方向がZX面で低仰角方向になるという特徴があ
る。
【0055】第2の具体例として、各2個の導体パッチ
がY軸に対して線対称な位置に配置される場合に、各導
体パッチの組毎に2個の導体パッチのX軸と平行な共振
を行う給電点に逆相の無線信号を給電すると、当該パッ
チアンテナ装置のX軸と平行な直線偏波を有する電波の
放射指向特性は、ZY面において放射電波が弱まり最大
放射方向がZX面で低仰角方向になるという特徴があ
る。
【0056】以上のように構成された2つの具体例で
は、当該パッチアンテナ装置を、室内の天井中央部に設
置することにより、より広い空間に対して放射すること
ができ、より広い放射エリアを得ることができる。
【0057】<第5の実施形態>図8は、本発明に係る
第5の実施形態であるパッチアンテナ装置の構成を示す
斜視図である。この第5の実施形態のパッチアンテナ装
置においては、X軸と平行な共振を行う給電点23を有
する導体パッチ21と、Y軸と平行な共振を行う給電点
24を有する導体パッチ22とが、X軸に沿ってかつY
軸に対して線対称になるように誘電体基板18上に形成
され、さらに、第1の実施形態と同様に、各給電点2
3,24に対して給電される2つの無線信号の振幅と位
相のうちの少なくとも一方が互いに異なるように制御す
る電力分配及び合成回路17を備えたことを特徴として
いる。
【0058】図8において、裏面に接地導体11が形成
された誘電体基板18のおもて面上に、誘電体基板18
の誘電率を考慮した共振周波数の波長の1/2である1
/2波長の1辺の長さを有する正方形状の導体パッチ2
1,22が形成される。ここで、例えば、誘電体基板1
8の中心に原点を有するX−Y面において、各導体パッ
チ21,22の正方形の直交する各辺がそれぞれX軸と
Y軸と平行となりかつ導体パッチ21,22の各中心間
の中間位置がX−Y面の原点に位置するように2つの導
体パッチ21,22が形成される。また、導体パッチ2
1の給電点23はX軸上に位置し、すなわち導体パッチ
21の正方形のY軸方向の1辺の垂直二等分線上に位置
する。一方、導体パッチ22の給電点24は導体パッチ
22の正方形のX軸方向の1辺の垂直二等分線上に位置
する。さらに、給電点23は給電伝送線路25を介して
電力分配及び合成回路17の端子17bに接続される一
方、給電点24は給電伝送線路26を介して電力分配及
び合成回路17の端子17cに接続される。なお、給電
点23と給電伝送線路25との間の接続、並びに給電点
24と給電伝送線路26との接続は、第1の実施形態と
同様に、スルーホール導体を介して行われる。
【0059】以上のように構成された第5の実施形態の
パッチアンテナ装置の動作について説明する。本実施形
態においては、2つの給電点23及び24に対して上記
共振周波数と同一の共振周波数を有する無線信号を給電
したとき、パッチアンテナ装置はX軸と平行に共振しか
つY軸と平行に共振する。これにより、当該無線信号
は、給電点23を含むX軸と平行な励振方向を有する直
線偏波と、給電点24を含むY軸と平行な励振方向を有
する直線偏波とを含む、互いに直交する2つの直線偏波
を有する同一の共振周波数の無線信号の電波として、X
−Y面とは直交しかつ接地導体11とは反対側のZ軸方
向に放射される。
【0060】そして、本実施形態において、電力分配及
び合成回路17内のコントローラ100が各給電点2
3,24に対して給電する2つの無線信号の各振幅が異
なるように増幅度可変型双方向増幅器104,105を
制御して、各給電点23,24に給電される2つの無線
信号の電力を異ならせることにより、給電点23を含む
X軸と平行な励振方向を有する直線偏波を有する無線信
号の電波と、給電点24を含むY軸と平行な励振方向を
有する直線偏波を有する無線信号の電波との各放射エリ
アを互いに異ならせることができる。従って、所望の放
射エリアの形状となるように各給電点23,24に給電
される2つの無線信号の電力を異ならせることによっ
て、当該パッチアンテナ装置により上記所望の放射エリ
アを得ることができる。
【0061】また、本実施形態において、電力分配及び
合成回路17内のコントローラ100が各給電点23,
24に対して給電する2つの無線信号間の位相差を与え
るように移相器102,103を制御することにより、
給電点23を含むX軸と平行な励振方向を有する直線偏
波を有する無線信号の電波と、給電点24を含むY軸と
平行な励振方向を有する直線偏波を有する無線信号の電
波との各放射エリアを互いに異ならせることができる。
従って、所望の放射エリアの形状となるように各給電点
23,24に給電される2つの無線信号間の位相差を与
えることによって、当該パッチアンテナ装置により上記
所望の放射エリアを得ることができる。
【0062】<第6の実施形態>図9は、本発明に係る
第6の実施形態であるパッチアンテナ装置の構成を示す
平面図である。この第6の実施形態のパッチアンテナ装
置は、X軸に平行な共振を行う給電点23−1,23−
2をそれぞれ有する2つの導体パッチ21−1,21−
2と、Y軸に平行な共振を行う給電点24を有する導体
パッチ22とを用いて構成したことを特徴としている。
【0063】本実施形態において、導体パッチ21−
1,21−2,22に対する電力分配方法として以下の
方法を用いることができる。
【0064】(a)3つ導体パッチ21−1,21−
2,22に給電される電力が等しくなるように制御す
る。この場合、X軸と平行な共振を行う導体パッチ21
−1,21−2の組に給電される電力和と、Y軸と平行
な共振を行う導体パッチ22に給電される電力の比は
2:1となる。 (b)また、X軸と平行な共振を行う2個の導体パッチ
21−1,21−2に給電される各電力を等しくし、か
つY軸と平行な共振を行う導体パッチ22に給電される
電力をX軸と平行な共振を行う導体パッチ21−1,2
1−2に給電される電力と異なるように制御する。
【0065】(c)さらに、X軸と平行な共振を行う2
個の導体パッチ21−1,21−2に給電される電力が
互いに異なるように制御する。2個の導体パッチ21−
2,21−2のように、1次元のアレーアンテナ装置で
構成した場合、特にアレーアンテナ装置を構成するアン
テナ素子間に給電される無線信号間に位相差を与えるフ
ェーズドアレーアンテナ装置の場合においては、2つの
アンテナ素子に給電される各電力が等しいとき、放射空
間において放射電波が極めて小さくなる点又は方向が生
じてしまう。これは、2つのアンテナ素子を例に挙げて
説明すると、各アンテナ素子からの電気的距離差が位相
差で180度、つまり逆相となる点又は方向で2つのア
ンテナ素子から放射された電波が打ち消されるためであ
る。すなわち、当該電力分配例のように、アレーアンテ
ナ装置の構成時に、アンテナ素子である各導体パッチ間
に分配される電力に差を与えることにより、フェーズド
アレーアンテナ装置の効果による大まかな放射パターン
を保持しつつ、上述のような放射電波が極めて小さくな
る点又は方向を防止することが可能になり、移動中にお
ける連続通話が重要になる移動体無線通信システムにお
いては非常に有用である。
【0066】(d)また、すべての導体パッチ21−
1,21−2,22に給電される電力を互いに異なるよ
うに制御する。 (e)さらに、X軸と平行な共振を行う2個の導体パッ
チ21−1,21−2のうちの1個の導体パッチに給電
される電力のみを他の導体パッチと異なるように制御す
る。
【0067】以上のように各導体パッチ21−1,21
−2,22に給電される電力を制御することにより、放
射指向特性を変更することができ、種々の空間に対して
所望の放射エリアを得ることができる。
【0068】さらに、3個の導体パッチ21−1,21
−2,22に給電される無線信号間に位相差を与えるこ
とにより、放射指向特性を変更することができ、種々の
空間に対して所望の放射エリアを得ることができる。
【0069】本実施形態において、Y軸に対して線対称
な位置に配置された導体パッチ21−1,21−2に同
相の無線信号を給電すると、当該パッチアンテナ装置の
放射指向特性は、ZY面において放射電波が強まり利得
が大きくなるという特徴がある。この実施形態は、室内
用のパッチアンテナとしては非常に有用な構成であり、
特に、室内の天井中央部に設置することにより、より広
い空間に対して放射することができ、より広い放射エリ
アを得ることができる。
【0070】<第7の実施形態>図10は、本発明に係
る第7の実施形態であるパッチアンテナ装置の構成を示
す平面図である。この第7の実施形態のパッチアンテナ
装置は、X軸に平行な共振を行う給電点23−1,23
−2をそれぞれ有する2つの導体パッチ21−1,21
−2と、Y軸に平行な共振を行う給電点24を有する導
体パッチ22とを用いて構成し、2つの導体パッチ21
−1,21−2をX軸に対して線対称で配置したことを
特徴としている。
【0071】本実施形態において、X軸に対して線対称
で配置された導体パッチ21−1,21−2に同相の無
線信号を給電すると、当該パッチアンテナ装置の放射指
向特性は、ZX面において放射電波が強まり利得が大き
くなるという特徴がある。この実施形態は、室内用のパ
ッチアンテナとしては非常に有用な構成であり、特に、
壁掛け用アンテナ装置又は廊下等の細長い空間の天井設
置アンテナ装置のように、非常に放射指向特性を絞り大
きなアンテナの利得が必要な場合に有用である。
【0072】<第8の実施形態>図11は、本発明に係
る第8の実施形態であるパッチアンテナ装置の構成を示
す平面図である。この第8の実施形態のパッチアンテナ
装置は、X軸に平行な共振を行う給電点23−1乃至2
3−4をそれぞれ有する4つの導体パッチ21−1乃至
21−4と、Y軸に平行な共振を行う給電点24を有す
る導体パッチ22とを用いて構成し、ここで、各2つの
導体パッチの組(21−1と21−2,21−3と21
−4)をX軸に対して線対称で配置し、かつ各2つの導
体パッチの組(21−1と21−3,21−2と21−
4)をY軸に対して線対称で配置したことを特徴として
いる。
【0073】本実施形態において、X軸に対して線対称
で配置された各導体パッチの組毎に2個の導体パッチ
(21−1と21−2,21−3と21−4)に逆相の
無線信号を給電すると、当該パッチアンテナ装置の放射
指向特性は、ZX面において放射電波が弱まり最大放射
方向がZY面で低仰角方向になるという特徴がある。こ
の実施形態は、室内用のパッチアンテナ装置としては非
常に有用な構成であり、特に、室内の天井中央部に設置
することにより、より広い空間に対して放射することが
でき、より広い放射エリアを得ることができる。
【0074】また、本実施形態において、Y軸に対して
線対称で配置された各導体パッチの組毎に2個の導体パ
ッチ(21−1と21−3,21−2と21−4)に逆
相の無線信号を給電すると、当該パッチアンテナ装置の
放射指向特性は、ZY面において放射電波が弱まり最大
放射方向がZX面で低仰角方向になるという特徴があ
る。この実施形態は、室内用のパッチアンテナ装置とし
ては非常に有用な構成であり、特に、室内の天井中央部
に設置することにより、より広い空間に対して放射する
ことができ、より広い放射エリアを得ることができる。
【0075】<第9の実施形態>図12は、本発明に係
る第9の実施形態であるパッチアンテナ装置の構成を示
す平面図である。この第9の実施形態のパッチアンテナ
装置は、X軸に平行な共振を行う給電点23を有する導
体パッチ21と、Y軸に平行な共振を行う給電点24−
1,24−2をそれぞれ有する2つの導体パッチ22−
1,22−2とを用いて構成し、2つの導体パッチ22
−1,22−2をY軸に対して線対称で配置したことを
特徴としている。
【0076】本実施形態において、Y軸に対して線対称
で配置された導体パッチ22−1,22−2に同相の無
線信号を給電すると、当該パッチアンテナ装置の放射指
向特性は、ZY面において放射電波が強まり利得が大き
くなるという特徴がある。この実施形態は、室内用のパ
ッチアンテナとしては非常に有用な構成であり、特に、
壁掛け用アンテナ装置又は廊下等の細長い空間の天井設
置アンテナ装置のように、非常に放射指向特性を絞り大
きなアンテナの利得が必要な場合に有用である。
【0077】<第10の実施形態>図13は、本発明に
係る第10の実施形態であるパッチアンテナ装置の構成
を示す平面図である。この第10の実施形態のパッチア
ンテナ装置は、X軸に平行な共振を行う給電点23を有
する導体パッチ21と、Y軸に平行な共振を行う給電点
24−1乃至24−4をそれぞれ有する4つの導体パッ
チ22−1乃至22−4とを用いて構成し、ここで、各
2つの導体パッチの組(22−1と22−2,22−3
と22−4)をY軸に対して線対称で配置し、かつ各2
つの導体パッチの組(22−1と22−3,22−2と
22−4)をX軸に対して線対称で配置したことを特徴
としている。
【0078】本実施形態において、Y軸に対して線対称
で配置された各導体パッチの組毎に2個の導体パッチ
(22−1と22−2,22−3と22−4)に逆相の
無線信号を給電すると、当該パッチアンテナ装置の放射
指向特性は、ZY面において放射電波が弱まり最大放射
方向がZX面で低仰角方向になるという特徴がある。こ
の実施形態は、室内用のパッチアンテナ装置としては非
常に有用な構成であり、特に、室内の天井中央部に設置
することにより、より広い空間に対して放射することが
でき、より広い放射エリアを得ることができる。
【0079】また、本実施形態において、X軸に対して
線対称で配置された各導体パッチの組毎に2個の導体パ
ッチ(22−1と22−3,22−2と22−4)に逆
相の無線信号を給電すると、当該パッチアンテナ装置の
放射指向特性は、ZX面において放射電波が弱まり最大
放射方向がZY面で低仰角方向になるという特徴があ
る。この実施形態は、室内用のパッチアンテナ装置とし
ては非常に有用な構成であり、特に、室内の天井中央部
に設置することにより、より広い空間に対して放射する
ことができ、より広い放射エリアを得ることができる。
【0080】<第11の実施形態>図14は、本発明に
係る第11の実施形態であるパッチアンテナ装置の構成
を示す平面図である。この第11の実施形態のパッチア
ンテナ装置は、X軸に平行な共振を行う給電点23を有
する導体パッチ21と、X軸に平行な共振を行う給電点
24−1,24−2をそれぞれ有する2つの導体パッチ
22−1,22−2とを用いて構成し、2つの導体パッ
チ22−1,22−2をX軸に対して線対称で配置した
ことを特徴としている。
【0081】本実施形態において、X軸に対して線対称
で配置された導体パッチ22−1,22−2に同相の無
線信号を給電すると、当該パッチアンテナ装置の放射指
向特性は、ZX面において放射電波が強まり利得が大き
くなるという特徴がある。この実施形態は、室内用のパ
ッチアンテナとしては非常に有用な構成であり、特に、
壁掛け用アンテナ装置又は廊下等の細長い空間の天井設
置アンテナ装置のように、非常に放射指向特性を絞り大
きなアンテナの利得が必要な場合に有用である。
【0082】<第12の実施形態>図15は、本発明に
係る第12の実施形態であるパッチアンテナ装置の構成
を示す平面図である。この第12の実施形態のパッチア
ンテナ装置は、(a)それぞれX軸に平行に共振する給
電点23−1,23−2を有する導体パッチ21−1,
21−2と、それぞれY軸に平行に共振する給電点24
−1,24−2を有する導体パッチ22−1,22−2
とを含む1点給電の導体パッチグループと、(b)それ
ぞれX軸に平行に共振する給電点13−1乃至13−4
及びY軸に平行に共振する給電点14−1乃至14−4
を有する導体パッチ12−1乃至12−4とを含む2点
給電の導体パッチグループと、を混在させて誘電体基板
18上に形成したことを特徴としている。
【0083】本実施形態において,各導体パッチ12−
1乃至12−4及び21−1,21−2,22−1,2
2−2に対する無線信号の給電は上述の実施形態と同様
に行う。これにより、放射指向特性をより自由に制御す
ることができ、所望の放射エリアを得ることができる。
【0084】<変形例>以上の実施形態においては、半
波長の1辺の長さを有する正方形状の導体パッチ12,
21,22を用いてパッチアンテナ装置を構成している
が、本発明はこれに限らず、半波長の整数倍の1辺の長
さ、又は0.4波長乃至0.6波長の整数倍の1辺の長
さを有する正方形状の導体パッチを用いてパッチアンテ
ナ装置を構成してもよい。
【0085】以上の実施形態においては、半波長の1辺
の長さを有する正方形状の導体パッチ12,21,22
を用いて対向する2辺の共振端の一方の辺を接地導体1
1と電気的に接続し、当該2辺の共振端間の長さであ
る、当該導体パッチ12,21,22の共振方向の長さ
を、誘電体基板18の誘電率を考慮した波長を基準にし
て、1/4波長に設定してもよい。この場合において
も、半波長の1辺の長さを有する正方形状の導体パッチ
12,21,22を用いてパッチアンテナ装置と同様の
作用効果を得ることができる。
【0086】図16は、本発明に係る第1の変形例であ
るパッチアンテナ装置の構成を示す平面図である。上述
の実施形態においては、正方形状の導体パッチ12,2
1,22を用いてパッチアンテナ装置を構成している
が、本発明はこれに限らず、図16に示すように、矩形
形状の導体パッチを用いてパッチアンテナ装置を構成し
てもよい。
【0087】矩形形状の導体パッチを用いてパッチアン
テナ装置を構成したとき、例えば、導体パッチからの放
射電波の指向性を変化できるという特徴がある。従来技
術のパッチアンテナ装置に基づいて説明すると、矩形形
状の導体パッチにおいて、共振方向(X方向)の1辺の
長さが一定であって、共振方向に垂直な方向(Y方向)
の1辺の長さが変化する場合、ZY面に平行な面の放射
指向特性のパターンが変化する。具体的には、共振方向
に垂直な方向(Y方向)の1辺の長さが長くなると、放
射指向特性のパターンがY方向に細くなり、Y方向に利
得が大きくなる。このときX軸に平行な面の放射指向特
性のパターンは変化しないが、利得はY方向の利得の変
化に応じて変化する。すなわち、この場合、ZX面にお
いて利得は増加する。逆に、共振方向に垂直な方向(Y
方向)の1辺の長さが短くなると、放射指向特性のパタ
ーンがZY面に広くなり、Z方向に利得が小さくなる。
このときも同様に、X軸に平行な面の放射指向特性のパ
ターンは変化しないが、利得はY方向の利得の変化に応
じて変化する。すなわち、この場合、ZX面において利
得は減少する。
【0088】言い換えれば、矩形形状の導体パッチにお
いて、共振方向(X方向)の1辺の長さが一定で、共振
方向に垂直な方向(Y方向)の1辺の長さが変化する場
合、共振方向に平行なZX面の放射指向特性のパターン
を変えることなく利得のみを変化させることが可能にな
る。
【0089】また、矩形形状の導体パッチにおいて、共
振方向(X方向)の1辺の長さが変化して、共振方向に
垂直な方向(Y方向)の1辺の長さが一定の場合、ZX
面に平行な面の放射指向特性のパターンが変化する。共
振方向の1辺の長さが変化すると、一般に共振する周波
数が変化する。しかしながら、通常の導体パッチの場
合、共振方向の1辺の長さが1/2波長の整数倍におい
ても共振する。ここで、共振方向の1辺の長さが1/2
波長のときの共振状態を基本モード、1波長のときを2
倍高調モード、3/2波長のときを3倍高調モード、以
下同様に呼ぶことにする。この共振状態が変化すると共
振方向に平行なX軸に平行な面の放射指向特性が変化す
る。例えば、ZX面の放射指向特性のパターンは、基本
モードでは、図32のZX面の放射指向特性において太
線で示したようにZ方向に大きいが、2倍高調モードに
おいては、Z方向にヌル(ゼロ又は極めて小さな値)の
パターンになる。
【0090】すなわち、矩形形状の導体パッチの共振方
向に垂直な1辺の長さを変化させることにより、共振方
向に平行な面の放射指向特性の利得を変化させることが
でき、従って、共振方向に平行な1辺の長さを変化させ
ることにより共振状態を変化させ共振方向に平行な面の
放射指向特性のパターンを変化させることができる。こ
のように、矩形形状の導体パッチを用いることにより導
体パッチ単体の放射指向特性を変化させることができ
る。本発明に係るパッチアンテナ装置のように、複数の
導体パッチによりアレーアンテナ装置を構成する場合、
特にアレーアンテナ装置の構成要素である導体パッチの
放射指向特性が多様なものになれば、様々な環境におい
て所望の放射指向特性のアンテナが可能になる。また、
導体パッチが1個の場合においても、所望の放射指向特
性により近い放射指向特性を得ることが可能なアンテナ
になる。
【0091】図17は、本発明に係る第2の変形例であ
るパッチアンテナ装置の構成を示す平面図である。上述
の実施形態においては、正方形状の導体パッチ12,2
1,22を用いてパッチアンテナ装置を構成している
が、本発明はこれに限らず、図17に示すように、円形
状の円形パッチを用いてパッチアンテナ装置を構成して
もよい。
【0092】以上の実施形態においては、給電伝送線路
15,16,25,26は同軸ケーブルを用いて構成し
ているが、本発明はこれに限らず、誘電体基板に形成さ
れたマイクロストリップ線路、もしくは多層誘電体基板
内に形成されたマイクリストリップ線路を用いて構成し
てもよい。
【0093】以上の実施形態においては、実施形態の動
作説明において、送信アンテナ装置としての動作説明を
主として行っているが、本発明に係るパッチアンテナ装
置は双方向の可逆回路装置であり、受信アンテナ装置と
して用いることができる。
【0094】
【実施例】<第1の実施例>図18は、本発明に係る第
1の実施例であるパッチアンテナ装置の構成を示すブロ
ック図であり、図19は、図18のパッチアンテナ装置
のおもて面の構成を示す平面図であり、図20は、図1
8のパッチアンテナ装置の裏面の構成を示す平面図であ
る。
【0095】図18において、第1の実施例のパッチア
ンテナ装置は、8個の導体パッチ31−1乃至31−8
を備える。ここで、導体パッチ31−1はマイクロスト
リップ線路32−1を介してスルーホール導体35−1
に接続され、導体パッチ31−2はマイクロストリップ
線路32−2を介してスルーホール導体35−1に接続
される。また、導体パッチ31−3はマイクロストリッ
プ線路32−3を介してスルーホール導体35−2に接
続され、導体パッチ31−4はマイクロストリップ線路
32−4を介してスルーホール導体35−2に接続され
る。さらに、導体パッチ31−5はマイクロストリップ
線路32−5を介してスルーホール導体35−3に接続
され、導体パッチ31−6はマイクロストリップ線路3
2−6を介してスルーホール導体35−3に接続され
る。またさらに、導体パッチ31−7はマイクロストリ
ップ線路32−7を介してスルーホール導体35−4に
接続され、導体パッチ31−8はマイクロストリップ線
路32−8を介してスルーホール導体35−4に接続さ
れる。
【0096】一般に、誘電体基板18を挟設するマイク
ロストリップ導体と接地導体11とによりマイクロスト
リップ線路を構成するが、本明細書においては、説明の
便宜上、誘電体基板18上に形成されるマイクロストリ
ップ導体を、マイクロストリップ線路と呼ぶことにす
る。
【0097】スルーホール導体35−1は同軸ケーブル
にてなる給電伝送線路33−1を介して電力分配及び合
成回路34の端子34bに接続され、スルーホール導体
35−2は同軸ケーブルにてなる給電伝送線路33−2
を介して電力分配及び合成回路34の端子34cに接続
され、スルーホール導体35−3は同軸ケーブルにてな
る給電伝送線路33−3を介して電力分配及び合成回路
34の端子34dに接続され、スルーホール導体35−
4は同軸ケーブルにてなる給電伝送線路33−4を介し
て電力分配及び合成回路34の端子34eに接続され
る。電力分配及び合成回路34において、電力分配すべ
き無線信号は端子34aに入力されて、電力分配された
後、各電力分配された無線信号は端子34b,34c,
34d,34eから出力される。一方、各端子34b,
34c,34d,34eに入力された各無線信号は電力
合成された後、端子34aから出力される。
【0098】図19において、それぞれX軸に対して平
行な給電点36−1,36−2を有する正方形状の導体
パッチ31−1,31−2は、X軸に対して線対称とな
るように形成される。アンテナ素子と線路との間のイン
ピーダンス整合のために、導体パッチ31−1の給電点
36−1は、導体パッチ31−1の共振端である1辺よ
りも導体パッチ内部に位置しかつマイクロストリップ線
路32−1の一端と接続され、マイクロストリップ線路
32−1の他端はスルーホール導体35−1に接続され
る。同様に、導体パッチ31−2の給電点36−2は、
導体パッチ31−2の共振端である1辺よりも導体パッ
チ内部に位置しかつマイクロストリップ線路32−2の
一端と接続され、マイクロストリップ線路32−2の他
端はスルーホール導体35−1に接続される。
【0099】さらに、導体パッチ31−3,31−4及
びマイクロストリップ線路32−3,32−4、並び
に、導体パッチ31−5,31−6及びマイクロストリ
ップ線路32−5,32−6は、導体パッチ31−1,
31−2及びマイクロストリップ線路32−1,32−
2と同様に形成される。ここで、給電点36−1乃至3
6−6は、X軸に対して平行な共振を行うために、各導
体パッチ31−1乃至31−6の中心からX軸方向の−
X方向にずれた位置に位置する。
【0100】それぞれY軸に対して平行な給電点36−
7,36−8を有する正方形状の導体パッチ31−7,
31−8は、X軸に対して線対称となるように形成され
る。アンテナ素子と線路との間のインピーダンス整合の
ために、導体パッチ31−7の給電点36−7は、導体
パッチ31−7の共振端である1辺よりも導体パッチ内
部に位置しかつマイクロストリップ線路32−7の一端
と接続され、マイクロストリップ線路32−7の他端は
スルーホール導体35−4に接続される。同様に、導体
パッチ31−8の給電点36−8は、導体パッチ31−
8の共振端である1辺よりも導体パッチ内部に位置しか
つマイクロストリップ線路32−8の一端と接続され、
マイクロストリップ線路32−8の他端はスルーホール
導体35−4に接続される。ここで、給電点36−7,
36−8は、Y軸に対して平行な共振を行うために、各
導体パッチ31−7,31−8の中心からY軸方向でか
つ互いにX軸に向う方向でずれた位置に位置し、X軸を
挟んで互いに対向している。
【0101】図20において、スルーホール導体35−
1は同軸ケーブルにてなる給電伝送線路33−1を介し
て電力分配及び合成回路34の端子34bに接続され、
スルーホール導体35−2は同軸ケーブルにてなる給電
伝送線路33−2を介して電力分配及び合成回路34の
端子34cに接続され、スルーホール導体35−3は同
軸ケーブルにてなる給電伝送線路33−3を介して電力
分配及び合成回路34の端子34dに接続され、スルー
ホール導体35−4は同軸ケーブルにてなる給電伝送線
路33−4を介して電力分配及び合成回路34の端子3
4eに接続される。
【0102】図18乃至図20のパッチアンテナ装置に
おいて、誘電体基板18の比誘電率は2.6である。ま
た、導体パッチ31−1乃至31−8の共振方向の長さ
は、誘電体基板18の誘電率を考慮した波長を基準にし
て、0.4乃至0.6波長の長さに設定され、より好ま
しくは0.5波長に設定される。
【0103】図21は、図18の電力分配及び合成回路
34の構成を示す一部破断平面図である。図21におい
て、裏面に接地導体58が形成された誘電体基板59上
に以下のようにマイクロストリップ線路40,41,4
2,43a,43b,44a,44b,46,47,4
8a,48b,51,52,53,54及びチップ抵抗
45,50a,50bが形成される。
【0104】端子34aは、直列接続された2本のマイ
クロストリップ線路40及び41を介してマイクロスト
リップ線路42に接続される。マイクロストリップ線路
42の右側端部の幅方向の一端はマイクロストリップ線
路43aを介してチップ抵抗45の一端に接続され、マ
イクロストリップ線路42の右側端部の幅方向の他端は
マイクロストリップ線路43bを介してチップ抵抗45
の他端に接続される。チップ抵抗45の一端はマイクロ
ストリップ線路44aを介してマイクロストリップ線路
46に接続され、チップ抵抗45の他端はマイクロスト
リップ線路44bを介してマイクロストリップ線路47
に接続される。
【0105】また、マイクロストリップ線路46の右側
端部の幅方向の一端はマイクロストリップ線路48aを
介してチップ抵抗50aの一端に接続され、マイクロス
トリップ線路46の右側端部の幅方向の他端はマイクロ
ストリップ線路48bを介してチップ抵抗50aの他端
に接続される。さらに、チップ抵抗50aの一端はマイ
クロストリップ線路51を介して端子34bに接続さ
れ、チップ抵抗50aの他端はマイクロストリップ線路
52を介して端子34cに接続される。
【0106】また、マイクロストリップ線路47の右側
端部の幅方向の一端はマイクロストリップ線路49aを
介してチップ抵抗50bの一端に接続され、マイクロス
トリップ線路47の右側端部の幅方向の他端はマイクロ
ストリップ線路49bを介してチップ抵抗50bの他端
に接続される。さらに、チップ抵抗50bの一端はマイ
クロストリップ線路53を介して端子34dに接続さ
れ、チップ抵抗50bの他端はマイクロストリップ線路
54を介して端子34eに接続される。
【0107】図21の実施例において、マイクロストリ
ップ線路40,43a,43b,48a,48b,49
a,49b,51,52,53,54の特性インピーダ
ンスは50Ωであり、マイクロストリップ線路41,4
4a,44bの特性インピーダンスは25√(2)Ωで
あり、マイクロストリップ線路42,46,47の特性
インピーダンスは25Ωである。ここで、マイクロスト
リップ線路41,43a,43b,48a,48bは、
誘電体基板59の誘電率を考慮した1/4波長の電気長
を有する。さらに、チップ抵抗45,50a,50bの
抵抗値は100Ωであり、誘電体基板59の比誘電率は
約10である。
【0108】図21のように構成された電力分配及び合
成回路34は、1対4の分配比を有し、1対2のウィル
キンソン型電力分配及び合成回路を2段縦続接続するこ
とにより構成している。ここで、大きな比誘電率を有す
る誘電体基板59を用いたのは、当該回路を小型化する
ためである。一方、マイクロストリップ線路の線路幅に
ついては、一般に、同一の特性インピーダンスを保つた
めには、誘電体基板の比誘電率が大きくなるにつれ線路
幅を狭くする必要がある。一例として周波数が2GHz
の場合において、誘電体基板59の厚さが1mmで比誘
電率が10である場合、マイクロストリップ線路の線路
幅は、特性インピーダンスが25Ωの線路で約3mm、
50Ωの線路で約1mm、100Ωの線路で約0.14
mmである。従って、製作上および精度の面で抵抗値が
50Ω以下のマイクロストリップ線路で当該電力分配及
び合成回路34を構成することが望ましい。また、チッ
プ抵抗45,50a,50bは、分岐したマイクロスト
リップ線路間のアイソレーションを良くするために設け
られる。以上のように構成された電力分配及び合成回路
34においては、各端子34a乃至34eの特性インピ
ーダンスはすべて50Ωであり、等電力分配特性、同相
分配特性、端子反射特性、アイソレーション特性等に非
常に優れた電力分配及び合成回路を実現できる。
【0109】次いで、図18乃至図21に図示した構成
を有するパッチアンテナ装置の動作について説明する。
【0110】本実施例においては、図19に示すよう
に、X軸と平行に共振する導体パッチは6個の導体パッ
チ31−1乃至31−6であり、Y軸と平行に共振する
導体パッチは2個の導体パッチ31−7,31−8であ
り、各導体パッチ31−1乃至31−8にそれぞれ等し
い電力の無線信号を給電する。これにより、X軸と平行
に共振する導体パッチ31−1乃至31−6の組に給電
される電力と、Y軸と平行に共振する導体パッチ31−
7,31−8の組に給電される電力の比は3:1とな
る。X軸と平行に共振する6個の導体パッチ31−1乃
至31−6のうち、3個の導体パッチ31−1,31−
3,31−5はX軸と平行な1次元のアレーアンテナ装
置を構成し、残りの3個の導体パッチ31−2,31−
4,31−6もX軸と平行な1次元のアレーアンテナ装
置を構成する。上記2組の1次元のアレーアンテナ装置
は互いにX軸に対して線対称構造で形成されている。
【0111】本実施例においては、同軸ケーブルにてな
る給電伝送線路33−1乃至33−4の電気長を変化さ
せることにより、各導体パッチ31−1乃至31−8に
対する無線信号の位相を変化させる。ここで、3個の導
体パッチ31−1,31−3,31−5に給電される無
線信号間に以下のように位相差を与えられる。真ん中に
位置する導体パッチ31−3に給電される無線信号の位
相を基準の0度とすると、他の両端の導体パッチ31−
1,31−5に給電される無線信号の位相を180度に
設定される。また、導体パッチ31−2,31−4,3
1−6により構成される1次元のアレーアンテナ装置
は、上記導体パッチ31−1,31−3,31−5によ
り構成される1次元のアレーアンテナ装置における給電
の位相差と同様に給電される。なお、X軸と平行な1次
元のアレーアンテナ装置を構成する3個の導体パッチ3
1−1,31−3,31−5のうちの隣接する2つの導
体パッチ同志のX軸方向の中心間距離は、自由空間波長
を基準にすると、0.38波長に設定され、X軸に対し
て線対称な2つの導体パッチ(31−1と31−2,3
1−3と31−4,31−5と31−6)間の中心間距
離は0.7波長に設定される。また、導体パッチ31−
2,31−4,31−6により構成される1次元のアレ
ーアンテナ装置における中心間距離も同様に設定され
る。さらに、2組の1次元アレーアンテナ装置間におい
て、線対称に配置された各2個の導体パッチは同相の無
線信号が給電される。すなわち、2つの導体パッチ31
−1,31−2は互いに同相で給電され、2つの導体パ
ッチ31−3,31−4は互いに同相で給電され、2つ
の導体パッチ31−5,31−6は互いに同相で給電さ
れる。
【0112】また、Y軸と平行に共振する2個の導体パ
ッチ31−7,31−8は、Y軸と平行に並置され、か
つX軸に対して線対称な位置に配置され、2個の導体パ
ッチ31−7,31−8は互いに逆相の無線信号を給電
される。ここで、隣接する導体パッチ31−7,31−
8の中心間の距離は、誘電体基板18の誘電率を考慮し
た波長を基準にすると、0.6波長である。さらに、上
述の導体パッチ31−3に給電される無線信号の位相を
基準の0度とすると、導体パッチ31−7,31−8に
給電される無線信号の位相は、それぞれ90度、270
度、又は、270度、90度である。
【0113】本実施例においては、各導体パッチ31−
1乃至31−8への給電は、当該導体パッチ31−1乃
至31−8と同一の平面上に形成されたマイクロストリ
ップ線路32−1乃至32−8と、同軸ケーブルにてな
る給電伝送線路33−1乃至33−4とを用いて行われ
る。本実施例において用いるマイクロストリップ線路3
2−1乃至32−8の特性インピーダンスは100Ωで
あって、給電伝送線路33−1乃至33−4で用いる同
軸ケーブルの特性インピーダンスは50Ωである。導体
パッチの給電においては、X軸と平行に共振する導体パ
ッチ31−1乃至31−6に対して−X方向から+X方
向への同一の方向で給電を行うことにより、これらの導
体パッチ31−1乃至31−6に対して同相で給電を行
う。一方、Y軸と平行に共振する2個の導体パッチ31
−7,31−8に対してY軸と平行に、互いに逆方向か
ら給電を行うことにより、2個の導体パッチ31−7,
31−8に対して逆相で給電を行う。
【0114】図22乃至図24は、図18のパッチアン
テナ装置における各面内の放射指向特性を示す特性図で
ある。図22乃至図24において、当該パッチアンテナ
装置から放射される電波の電界のθ方向の成分(以下、
電界のθ成分という。)Eθと、電界のφ方向の成分
(以下、電界のφ成分という。)Eφとを図示してお
り、これらの単位はdBdであって、ダイポールアンテ
ナ装置の放射電力を基準にした利得である。
【0115】図22乃至図24から明らかなように、本
実施例のパッチアンテナ装置から放射される電波の電界
のθ成分Eθは、Z−X面において比較的大きく放射さ
れ、Z−Y面において比較的小さく放射されている。電
波の電界のθ成分EθのZ−X面における放射指向特性
は、X軸と平行に共振する6個の導体パッチの放射によ
るもので、X軸と平行な3個の導体パッチ31−1,3
1−3,31−5で構成された1次元のアレーアンテナ
装置に上述の位相差を与えるにより、最大放射方向を低
仰角方向に変化させ、これをもう1組のX軸と平行な3
個の導体パッチ31−2,31−4,31−6で構成さ
れた1次元のアレーアンテナ装置をX軸に対して線対称
に配置しかつ同相で給電することにより、Y軸方向にビ
ーム幅を絞り、利得を大きくしている。
【0116】また、電界のθ成分EθのZ−Y面におけ
る放射指向特性は、Y軸と平行に共振する2個の導体パ
ッチ31−7,31−8からの電波の放射によるもの
で、Y軸と平行に共振する2個の導体パッチ31−7,
31−8を逆相で給電することにより、最大放射方向を
当該パッチアンテナ装置の正面方向であるZ軸方向から
Y軸方向に向けて傾けている。すなわち、本実施例のパ
ッチアンテナ装置によれば、X軸と平行な直線偏波と、
Y軸と平行な直線偏波の2つの互いに直交する直線偏波
を有する電波を放射し、さらに、X軸と平行な直線偏波
の電波をZ−X面において非常に強く低仰角方向に最大
で放射するとともに、Y軸と平行な直線偏波をZ−Y面
において電波の最大放射方向をZ軸方向からY軸方向に
傾けることができる。従って、本実施例のパッチアンテ
ナ装置を、廊下等の非常に細長い空間の天井等に逆さに
吊り下げて設置する場合において、当該廊下等の空間の
より広い放射エリアにおいて、電波を放射することがで
きる。
【0117】以上の実施例において、Y軸と平行に共振
する2個の導体パッチ31−7,31−8の共振方向の
長さを、誘電体基板の誘電率を考慮した波長を基準にし
て0.4乃至0.6波長に設定したパッチアンテナ装置
について説明したが、本発明はこれに限らず、Y軸と平
行に共振する導体パッチとして、0.8乃至1.2波長
の共振方向の長さを有する正方形状の1個の導体パッチ
31−7のみを用いて構成してもよい。このように構成
することにより、放射指向特性を損なうことなく特性イ
ンピーダンスの調整を容易に行うことができる。
【0118】以上の実施例においては、それぞれ1つの
給電点36−1乃至36−8を有する導体パッチ31−
1乃至31−8を用いてパッチアンテナ装置を構成して
いるが、本発明はこれに限らず、第1の実施形態と同様
に2つの給電点13,14を有する導体パッチ12を用
いてパッチアンテナ装置を構成してもよい。これによ
り、導体パッチの数を減らすことが可能になり、パッチ
アンテナ装置の小型化に有効である。
【0119】<第2の実施例>図25は、本発明に係る
第2の実施例であるパッチアンテナ装置の構成を示す斜
視図である。この第2の実施例のパッチアンテナ装置
は、それぞれX軸と平行に共振する正方形状の3個の導
体パッチ71,72,73と、Y軸と平行に共振する矩
形形状の1個の導体パッチ74とを用いて、電力分配及
び合成回路を一体的に形成して構成したことを特徴とし
ている。
【0120】図25において、裏面に接地導体78が形
成された誘電体基板77上に、それぞれ各導体パッチの
中心からX軸方向にずれた位置に位置する給電点71
s,72s,73sを有しX軸と平行に共振する正方形
状の3個の導体パッチ71,72,73と、各導体パッ
チの中心からY軸方向にずれた位置に位置する給電点7
4sを有しY軸と平行に共振する矩形形状の1個の導体
パッチ74とが、X軸に沿って並置して形成される。な
お、X−Y平面の原点は、導体パッチ72と導体パッチ
73の各中心間の中間位置に位置し、Z軸方向は、接地
導体78から誘電体基板77の厚さ方向に設定される。
また、スルーホール導体76と各導体パッチ71,7
2,73,74とを接続するマイクロストリップ線路7
5−1乃至75−5は誘電体基板77上に形成され、こ
れらマイクロストリップ線路75−1乃至75−5は電
力分配及び合成回路として作用する。
【0121】スルーホール導体76は誘電体基板77を
厚さ方向で貫通して送受信機(図示せず。)に接続され
る。導体パッチ71の給電点71sはマイクロストリッ
プ線路75−1を介してスルーホール導体76に接続さ
れ、導体パッチ72の給電点72sはマイクロストリッ
プ線路75−2を介してスルーホール導体76に接続さ
れる。また、導体パッチ73の給電点73sはマイクロ
ストリップ線路75−3、接続点79、及びマイクロス
トリップ線路75−5を介してスルーホール導体76に
接続され、導体パッチ74の給電点74sはマイクロス
トリップ線路75−4、接続点79、及びマイクロスト
リップ線路75−5を介してスルーホール導体76に接
続される。
【0122】なお、誘電体基板77の比誘電率は2.6
であり、導体パッチ71乃至73の共振方向の長さは誘
電体基板77の誘電率を考慮した波長を基準にして、
0.4乃至0.6波長に設定され、より好ましくは0.
5波長に設定され、導体パッチ74の共振方向の長さは
0.8乃至1.2波長に設定され、より好ましくは1波
長に設定される。また、X軸と平行に共振する3個の導
体パッチ71,72,73のうちの隣接する2つの導体
パッチ間の中心間距離は、自由空間波長を基準にする
と、0.38波長に設定される。
【0123】以上のように構成された第2の実施例のパ
ッチアンテナ装置の動作について説明する。
【0124】スルーホール導体76を介して各導体パッ
チ71乃至74に所定の共振周波数の無線信号を給電し
たときに、導体パッチ71乃至73はX軸と平行に共振
し、導体パッチ74はY軸と平行に共振する。このと
き、本実施例のパッチアンテナ装置は、等しい共振周波
数でX軸と平行な直線偏波と、Y軸と平行な直線偏波と
を含む、互いに直交する2つの直線偏波を有する電波を
放射することができる。
【0125】また、放射対象空間の水平方向の形状に応
じて、例えばマイクロストリップ線路75−1乃至75
−5の構成形状等を変化することにより、X軸と平行に
共振する導体パッチ71乃至73に分配される電力の組
と、Y軸と平行に共振する導体パッチ74に分配される
電力に差を与える。これにより、放射対象空間の形状に
応じて、2つの直交する直線偏波の電波の電力を最適に
分配することができる。言い換えれば、2つの直交する
直線偏波の電波の電力を所定の分配比で分配することに
より、所望の放射エリアを実現することができる。
【0126】さらに、例えばマイクロストリップ線路7
5−1乃至75−5の電気長等を変化して各導体パッチ
71乃至74に給電される無線信号間に位相差を与え
る。これにより、放射対象空間の形状に応じて放射エリ
アを変更することが可能なフェーズドアレーアンテナ装
置又はアダプティブアレーアンテナ装置を実現できる。
【0127】また、給電伝送線路であるマイクロストリ
ップ線路75−1乃至75−5及び電力分配及び合成回
路は、導体パッチ71乃至74と同一の誘電体基板77
上に形成され、アンテナ装置において一体的に形成され
ており、当該アンテナ装置の小型化に有効である。
【0128】より具体的には、図25のパッチアンテナ
装置においては、X軸と平行に共振する導体パッチとし
て3個の導体パッチ71乃至73があり、Y軸と平行に
共振する導体パッチとして1個の導体パッチ74があ
る。本実施例においては、各導体パッチ71乃至74に
対して等しい電力の無線信号を給電すると、X軸と平行
に共振する導体パッチ71乃至73の組に給電される電
力と、Y軸と平行に共振する導体パッチ74に給電され
る電力の比は3:1となる。X軸と平行に共振する3個
の導体パッチ71乃至73はX軸と平行な1次元アレー
アンテナ装置を構成する。
【0129】ここで、各導体パッチ71乃至74に給電
される無線信号間に以下のように位相差を与えられる。
すなわち、真ん中の導体パッチ72に給電される無線信
号の位相を基準の0度とすると、他の両端の導体パッチ
71,73に給電される無線信号の位相は180度であ
る。また、Y軸と平行に共振する導体パッチ74に給電
される無線信号の位相は、上述の導体パッチ72に給電
される無線信号の位相を基準の0度とすると、90度又
は270度である。なお、各導体パッチ71乃至74に
給電される無線信号の振幅及び位相はマイクロストリッ
プ線路75−1乃至75−5の構成変更等により行う。
【0130】図26乃至図28は、図25のパッチアン
テナ装置における各面内の放射指向特性を示す特性図で
ある。この放射指向特性における電界の各成分の単位は
dBdであって、ダイポールアンテナ装置の放射電力を
基準にした利得である。
【0131】図26乃至図28から明らかなように、電
波の電界のθ成分EθはZ−X面の放射指向特性におい
て比較的大きく放射されており、これは、X軸と平行に
共振する3個の導体パッチ71乃至73からの電波の放
射によるもので、X軸と平行な3個の導体パッチ71乃
至73で構成された1次元のアレーアンテナ装置に上述
の位相差を与えることにより、最大放射方向を低仰角方
向に変化させている。また、電界のθ成分EθはZ−Y
面の放射指向特性において比較的大きく放射されてお
り、これは、Y軸と平行に共振する1波長の導体パッチ
74からの電波の放射によるもので、最大放射方向をア
ンテナ装置の正面方向であるZ軸方向からY軸方向に向
けて傾けている。
【0132】従って、本実施例のパッチアンテナ装置に
よれば、X軸と平行な直線偏波と、Y軸と平行な直線偏
波とを含む、2つの直交する直線偏波を有する電波を放
射し、ここで、X軸と平行な直線偏波をZ−X面におい
て低仰角方向に最大放射するとともに、Y軸と平行な直
線偏波をZ−Y面において電波の最大放射方向をZ軸方
向からY軸方向に傾けることができる。当該パッチアン
テナ装置を、例えば長方形状の室内等の天井等に逆さに
吊り下げて設置する場合において、より広い放射エリア
を確保することができる。また、マイクロストリップ線
路等の給電伝送線路並びに電力分配及び合成回路を導体
パッチ71乃至74と同一の誘電体基板77上に形成す
ることにより、アンテナ装置の薄型化を実現できる。
【0133】なお、X軸又はY軸と平行に共振する導体
パッチ71乃至74の共振方向の長さは、0.4乃至
0.6波長の整数倍に設定してもよい。
【0134】以上の実施例においては、1つの給電点の
導体パッチ71乃至74を用いてパッチアンテナ装置を
構成したが、第1の実施形態と同様の2つの給電点1
3,14を有する導体パッチ12を用いて構成してもよ
い。これにより、導体パッチの数を減らすことが可能に
なり、アンテナ装置の小型化に有効である。
【0135】以上の実施例においては、X軸と平行に共
振する導体パッチ71乃至73に分配される電力と、Y
軸と平行に共振する導体パッチ74に分配される電力に
差を与えるように構成したが、放射対象空間の形状や放
射エリアに応じて分配する各電力を等しくするように構
成してもよい。
【0136】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、2
つの直交する方向で共振する2つの直線偏波を有する2
点給電の少なくとも1つの導体パッチを用いて、又は互
いに直交する方向で共振する各直線偏波を有する1点給
電の少なくとも2つの導体パッチを用いて、もしくはこ
れらの組み合わせの導体パッチを用いてパッチアンテナ
装置を構成し、各給電点に対して給電する無線信号の振
幅と位相のうちの少なくとも一方を変化させる。これに
より、簡単な構造で互いに直交する2つの直線偏波を放
射し、放射指向特性を制御することにより、簡単な構造
で、放射空間に応じて所望の放射エリアを得ることがで
きる。ここで、各給電点に対して給電する無線信号の振
幅と位相の制御方法により、以下のような放射エリアを
得ることができる。 (a)従来技術に比較してより広い放射エリアを得るこ
とができる。 (b)低仰角方向で電波の放射を最大にすることができ
る。 (c)従来技術に比較して高い利得を有しかつ狭い放射
ビームを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る第1の実施形態であるパッチア
ンテナ装置の構成を示す斜視図である。
【図2】 図1のA−A’面についての縦断面図であ
る。
【図3】 図1の電力分配及び合成回路の構成を示すブ
ロック図である。
【図4】 本発明に係る各実施形態であるパッチアンテ
ナ装置を部屋の天井に設置したときの放射指向特性を示
す断面図である。
【図5】 本発明に係る第2の実施形態であるパッチア
ンテナ装置の構成を示す平面図である。
【図6】 本発明に係る第3の実施形態であるパッチア
ンテナ装置の構成を示す平面図である。
【図7】 本発明に係る第4の実施形態であるパッチア
ンテナ装置の構成を示す平面図である。
【図8】 本発明に係る第5の実施形態であるパッチア
ンテナ装置の構成を示す斜視図である。
【図9】 本発明に係る第6の実施形態であるパッチア
ンテナ装置の構成を示す平面図である。
【図10】 本発明に係る第7の実施形態であるパッチ
アンテナ装置の構成を示す平面図である。
【図11】 本発明に係る第8の実施形態であるパッチ
アンテナ装置の構成を示す平面図である。
【図12】 本発明に係る第9の実施形態であるパッチ
アンテナ装置の構成を示す平面図である。
【図13】 本発明に係る第10の実施形態であるパッ
チアンテナ装置の構成を示す平面図である。
【図14】 本発明に係る第11の実施形態であるパッ
チアンテナ装置の構成を示す平面図である。
【図15】 本発明に係る第12の実施形態であるパッ
チアンテナ装置の構成を示す平面図である。
【図16】 本発明に係る第1の変形例であるパッチア
ンテナ装置の構成を示す平面図である。
【図17】 本発明に係る第2の変形例であるパッチア
ンテナ装置の構成を示す平面図である。
【図18】 本発明に係る第1の実施例であるパッチア
ンテナ装置の構成を示すブロック図である。
【図19】 図18のパッチアンテナ装置のおもて面の
構成を示す平面図である。
【図20】 図18のパッチアンテナ装置の裏面の構成
を示す平面図である。
【図21】 図18の電力分配及び合成回路の構成を示
す一部破断平面図である。
【図22】 図18のパッチアンテナ装置におけるX−
Y面内の放射指向特性を示す特性図である。
【図23】 図18のパッチアンテナ装置におけるZ−
Y面内の放射指向特性を示す特性図である。
【図24】 図18のパッチアンテナ装置におけるZ−
X面内の放射指向特性を示す特性図である。
【図25】 本発明に係る第2の実施例であるパッチア
ンテナ装置の構成を示す斜視図である。
【図26】 図25のパッチアンテナ装置におけるX−
Y面内の放射指向特性を示す特性図である。
【図27】 図25のパッチアンテナ装置におけるZ−
Y面内の放射指向特性を示す特性図である。
【図28】 図25のパッチアンテナ装置におけるZ−
X面内の放射指向特性を示す特性図である。
【図29】 従来技術のパッチアンテナ装置の構成を示
す斜視図である。
【図30】 図29のパッチアンテナ装置におけるX−
Y面内の放射指向特性を示す特性図である。
【図31】 図29のパッチアンテナ装置におけるZ−
Y面内の放射指向特性を示す特性図である。
【図32】 図29のパッチアンテナ装置におけるZ−
X面内の放射指向特性を示す特性図である。
【符号の説明】
11…接地導体、 12,12−1乃至12−9,12a,12b…導体パ
ッチ、 13,14,13−1乃至13−9,14−1乃至14
−9…給電点、 15,16…給電伝送線路、 17…電力分配及び合成回路、 18…誘電体基板、 21,22,21−1乃至21−4,22−1乃至22
−4…導体パッチ、 23,24,23−1乃至23−4,24−1乃至24
−4…給電点、 25,26…給電伝送線路、 31−1乃至31−8…導体パッチ、 32−1乃至32−8…マイクロストリップ線路、 33−1乃至33−4…同軸給電伝送線路、 34…電力分配及び合成回路、 35−1乃至35−4…スルーホール導体、 36−1乃至36−8…給電点、 40,41,42,43a,43b,44a,44b,
46,48a,48b,49a,49b,51乃至54
…マイクロストリップ線路、 45,50a,50b…チップ抵抗、 58…接地導体、 59…誘電体基板、 71乃至74…導体パッチ、 71s乃至74s…給電点、 75−1乃至75−5…マイクロストリップ線路、 76…スルーホール導体、 77…誘電体基板、 78…接地導体、 79…接続点、 80…同軸ケーブル、 100…コントローラ、 101…分配及び合成回路、 102,103…移相器、 104,105…増幅度可変型双方向増幅器、 200…部屋、 201…天井、 300…パッチアンテナ装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 晃一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5J021 AA01 AA05 AA09 AB06 CA03 DB02 DB03 FA20 FA32 GA02 GA03 GA08 HA05 HA10 JA05 5J045 AA12 AA21 CA02 CA03 DA10 EA07 FA02 HA03 JA12 NA01

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに直交する第1の軸と第2の軸とを
    有し、互いに平行な第1の面と第2の面を有する誘電体
    基板と、 上記第1の面に形成された接地導体と、 上記第2の面に形成され、第1の軸と平行な共振を所定
    の共振周波数で行うための第1の給電点と、第2の軸と
    平行な共振を上記共振周波数で行うための第2の給電点
    とを有する少なくとも1個の導体パッチと、 上記第1の給電点と上記第2の給電点に給電される上記
    共振周波数の各無線信号の振幅と位相のうちの少なくと
    も一方を変化するように制御する制御手段とを備え、 上記第1の給電点と上記第2の給電点に上記共振周波数
    の各無線信号を給電したとき、第1の軸と第2の軸とに
    それぞれ平行であって互いに直交する2つの直線偏波を
    有する電波を、上記制御手段による各無線信号に対する
    制御に対応する放射指向特性で放射することを特徴とす
    るパッチアンテナ装置。
  2. 【請求項2】 少なくとも2個の上記導体パッチを備
    え、 上記少なくとも2個の導体パッチのうちの2個の導体パ
    ッチを第1の軸に対して対称で配置し、 上記制御手段は、第1の軸に対して対称で配置された2
    個の導体パッチの各第1の給電点又は各第2の給電点に
    同相の無線信号を給電するように制御することを特徴と
    する請求項1記載のパッチアンテナ装置。
  3. 【請求項3】 少なくとも4個の上記導体パッチを備
    え、 上記少なくとも4個の導体パッチのうちの各2個の導体
    パッチの組を第1の軸に対して対称で配置し、 上記制御手段は、第1の軸に対して対称で配置された各
    2個の導体パッチの組の各第1の給電点又は各第2の給
    電点に逆相の無線信号を給電するように制御することを
    特徴とする請求項1記載のパッチアンテナ装置。
  4. 【請求項4】 互いに直交する第1の軸と第2の軸とを
    有し、互いに平行な第1の面と第2の面を有する誘電体
    基板と、 上記第1の面に形成された接地導体と、 上記第2の面に形成され、第1の軸と平行な共振を所定
    の共振周波数で行うための第1の給電点を有する少なく
    とも1個の第1の導体パッチと、 上記第2の面に形成され、第2の軸と平行な共振を上記
    共振周波数で行うための第2の給電点を有する少なくと
    も1個の第2の導体パッチと、 上記第1の給電点と上記第2の給電点に給電される上記
    共振周波数の各無線信号の振幅と位相のうちの少なくと
    も一方を変化するように制御する制御手段とを備え、 上記第1の給電点と上記第2の給電点に上記共振周波数
    の各無線信号を給電したとき、第1の軸と第2の軸とに
    それぞれ平行であって互いに直交する2つの直線偏波を
    有する電波を、上記制御手段による各無線信号に対する
    制御に対応する放射指向特性で放射することを特徴とす
    るパッチアンテナ装置。
  5. 【請求項5】 少なくとも2個の上記第1の導体パッチ
    を備え、 上記少なくとも2個の導体パッチのうちの2個の第1の
    導体パッチを第1の軸に対して対称で配置し、 上記制御手段は、第1の軸に対して対称で配置された2
    個の第1の導体パッチの各第1の給電点に同相の無線信
    号を給電するように制御することを特徴とする請求項4
    記載のパッチアンテナ装置。
  6. 【請求項6】 少なくとも2個の上記第2の導体パッチ
    を備え、 上記少なくとも2個の導体パッチのうちの2個の第2の
    導体パッチを第1の軸に対して対称で配置し、 上記制御手段は、第1の軸に対して対称で配置された2
    個の第2の導体パッチの各第2の給電点に同相の無線信
    号を給電するように制御することを特徴とする請求項4
    記載のパッチアンテナ装置。
  7. 【請求項7】 少なくとも4個の上記第1の導体パッチ
    を備え、 上記少なくとも4個の第1の導体パッチのうちの各2個
    の第1の導体パッチの組を第1の軸に対して対称で配置
    し、 上記制御手段は、第1の軸に対して対称で配置された各
    2個の第1の導体パッチの組の各第1の給電点に逆相の
    無線信号を給電するように制御することを特徴とする請
    求項4記載のパッチアンテナ装置。
  8. 【請求項8】 少なくとも4個の上記第2の導体パッチ
    を備え、 上記少なくとも4個の第2の導体パッチのうちの各2個
    の第2の導体パッチの組を第1の軸に対して対称で配置
    し、 上記制御手段は、第1の軸に対して対称で配置された各
    2個の第2の導体パッチの組の各第2の給電点に逆相の
    無線信号を給電するように制御することを特徴とする請
    求項4記載のパッチアンテナ装置。
  9. 【請求項9】 互いに直交する第1の軸と第2の軸とを
    有し、互いに平行な第1の面と第2の面を有する誘電体
    基板と、 上記第1の面に形成された接地導体と、 上記第2の面に形成され、第1の軸と平行な共振を所定
    の共振周波数で行うための第1の給電点と、第2の軸と
    平行な共振を上記共振周波数で行うための第2の給電点
    とを有する少なくとも1個の第1の導体パッチと、 上記第2の面に形成され、第1の軸と平行な共振を上記
    共振周波数で行うための第3の給電点を有する少なくと
    も1個の第2の導体パッチと、 上記第2の面に形成され、第2の軸と平行な共振を上記
    共振周波数で行うための第4の給電点を有する少なくと
    も1個の第3の導体パッチと、 上記第1乃至第4の給電点に給電される上記共振周波数
    の各無線信号の振幅と位相のうちの少なくとも一方を変
    化するように制御する制御手段とを備え、 上記第1乃至第4の給電点に上記共振周波数の各無線信
    号を給電したとき、第1の軸と第2の軸とにそれぞれ平
    行であって互いに直交する2つの直線偏波を有する電波
    を、上記制御手段による各無線信号に対する制御に対応
    する放射指向特性で放射することを特徴とするパッチア
    ンテナ装置。
  10. 【請求項10】 上記各導体パッチの共振方向の長さ
    は、上記誘電体基板の誘電率を考慮した波長を基準にし
    て、1/2波長の整数倍に設定されたことを特徴とする
    請求項1乃至8のうちの1つに記載のパッチアンテナ装
    置。
  11. 【請求項11】 上記各導体パッチの2つの共振端のう
    ちの一方は上記接地導体と電気的に接続され、上記各導
    体パッチの共振方向の長さは、上記誘電体基板の誘電率
    を考慮した波長を基準にして、1/4波長の整数倍に設
    定されたことを特徴とする請求項1乃至8のうちの1つ
    に記載のパッチアンテナ装置。
  12. 【請求項12】 上記各導体パッチは正方形状を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至11のうちの1つに記載
    のパッチアンテナ装置。
  13. 【請求項13】 上記各導体パッチは矩形形状を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至11のうちの1つに記載
    のパッチアンテナ装置。
  14. 【請求項14】 上記各導体パッチは円形形状を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至9のうちの1つに記載の
    パッチアンテナ装置。
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