JP2004056040A - 固体電解コンデンサにおけるコンデンサ素子及びこのコンデンサ素子の製造方法並びにこのコンデンサ素子を用いた固体電解コンデンサ - Google Patents

固体電解コンデンサにおけるコンデンサ素子及びこのコンデンサ素子の製造方法並びにこのコンデンサ素子を用いた固体電解コンデンサ Download PDF

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Abstract

【課題】弁作用金属の粉末を多孔質の直方体に焼結した陽極チップ体12と、この陽極チップ体における一端面12aに固着した陽極ワイヤ13と、前記陽極チップ体における金属粉末の表面に形成した誘電体膜と、この誘電体膜に重ねて形成した固体電解質層14と、更に、前記陽極チップ体の表面に前記固体電解質に重ねて形成した陰極側電極膜15とから成るコンデンサ素子において、前記陰極側電極膜15を形成する工程での不良品を発生率を低減し、このコンデンサ素子を使用した固体電解コンデンサの小型・軽量化を図る。
【解決手段】前記陽極チップ体12における四つの各側面12c,12d,12e,12fと前記一端面12aと反対の他端面12bとが交わる四つのコーナ辺のうち少なくとも互いに平行な二つのコーナ辺を、面取り面12g,12h又は丸角面12g′,12h′にする。
【選択図】            図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タンタル、ニオブ又はアルミニウム等の弁作用金属を使用した固体電解コンデンサにおいて、これに使用するコンデンサ素子と、このコンデンサ素子を製造する方法と、このコンデンサ素子を用いた固体電解コンデンサとに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の固体電解コンデンサに使用するコンデンサ素子を製造するに際しては、例えば、特開平7−66079号公報等に記載され、且つ、以下に述べるような方法を採用している。
▲1▼.図1に示すように、タンタル等のような弁作用金属の粉末を、多孔質の直方体の陽極チップ体2に、当該陽極チップ体2における一端面2aから弁作用金属による陽極ワイヤ3が突出するように固め成形したのち焼結する。
▲2▼.次いで、前記陽極チップ体2を、りん酸水溶液等の化成液中に浸漬し、この状態で直流電流を印加するという陽極酸化処理を行うことにより、前記陽極チップ体における各金属粒子の表面に五酸化タンタル等の誘電体膜を形成する。
▲3▼.次いで、前記陽極チップ体2を、図1に示すように、陽極ワイヤ3を上向きにした姿勢で、硝酸マンガン水溶液等の固体電解質用水溶液A中に浸漬して、硝酸マンガン水溶液等の固体電解質用水溶液Aを陽極チップ体2における多孔質組織内に浸透したのち固体電解質用水溶液Aから引き揚げて乾燥・焼成することを複数回にわたって繰り返すことにより、図2及び図3に示すように、前記陽極チップ体2の表面に、二酸化マンガン等の金属酸化物による固体電解質層4を、前記誘電体膜に重ねて形成する。
▲4▼.次いで、前記陽極チップ体2のうち前記一端面2aを除く表面に、グラファイト層を形成する。
▲5▼.次いで、前記陽極チップ体2を、銀等の金属ペースト中に、同じく、陽極ワイヤ3を上向きにした姿勢で浸漬したのち引き揚げて焼成することにより、当該陽極チップ体2のうち前記一端面2aを除く表面に、図4に示すように、前記金属ペーストによる陰極側電極膜5を形成する。
ことにより、コンデンサ素子1を製造するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記陽極チップ体2に対して二酸化マンガン等の金属酸化物による固体電解質層4を誘電体膜に重ねて形成する工程において、前記陽極チップ体2を、固体電解質用水溶液Aから引き揚げたとき、陽極チップ体2における多孔質組織内に浸透した固体電解質用水溶液のうち余分の固体電解質用水溶液が、陽極チップ体2における下端の他端面2bから垂れ落ちることになる。
【0004】
そして、前記余分の固体電解質用水溶液が陽極チップ体2における他端面2bから垂れ落ちるとき、その一部が、前記陽極チップ体2のうち四つの総ての各側面2c,2d,2e,2fが前記他端面2bに対して交わる総てのコーナ辺、つまり、四つのコーナ辺2c′,2d′,2e′,2f′の部分に、表面張力にて水滴状になって集まり、この状態で、乾燥・焼成することにより、前記した工程において形成される固体電解質層4は、図2及び図3に示すように、前記他端面2bを囲う四つの総てのコーナ辺2c′,2d′,2e′,2f′の個所、つまり、他端面2bを囲う総ての周囲において、外向きに瘤状4′に盛り上がる一方、他端面2bにおける中央の部分において凹んだ形態になる。
【0005】
すなわち、前記固体電解質層4のうち陽極チップ体2の他端面2bにおける部分は、その総ての周囲を瘤状4′に盛り上がり部分にて取り囲んだ形態になるから、前記工程に次いで、前記陽極チップ体2を、これにグラファイト層を形成したのち、陽極ワイヤ3を上向きにした姿勢で銀等の金属ペースト中に浸漬し、引き揚げて焼成することによって、図4に示すように、陰極側電極膜5を形成する工程において、前記陽極チップ体2を、金属ペースト中に浸漬した場合において、前記固体電解質層4のうち他端面2bにおいて凹んだ形態になる部分における空気が逃げることができずに、この部分に、図4に示すように、気泡6を抱き込むことによってボイドができることにより、この気泡によるボイドの発生によって不良品になる比率が可成り高いという問題があった。
【0006】
しかも、前記固体電解質層4に重ねて陰極側電極膜5を形成したとき、この陰極側電極膜5も、前記四つのコーナ辺2c′,2d′,2e′,2f′の個所において、前記固体電解質層4における外向き瘤状4′に盛り上がる部分に重ねて外向きの瘤状5′に盛り上がることになる。
【0007】
つまり、コンデンサ素子1における固体電解質層4及び陰極側電極膜5が、陽極チップ体2のうち他端面2bを囲う四つの総てのコーナ辺2c′,2d′,2e′,2f′の個所において、外向きの瘤状4′,5′に盛り上がる形態になることにより、このコンデンサ素子1を、陽極側リード端子と陰極側リード端子との、その陽極ワイヤ3を陽極側リード端子に固着し陰極側電極膜4を陰極側リード端子に接続するように配設したのち、これらの全体をパッケージ体で密封することによって、パッケージ型の固体電解コンデンサの完成品にする場合において、前記パッケージ体における高さ寸法及び横幅寸法の両方を、前記したように陽極チップ体2のうち他端面2bを囲う四つの総てのコーナ辺2c′,2d′,2e′,2f′の個所において外向きの瘤状4′,5′に盛り上がる形態になる分だけ大きくしなければならず、大型化及び重量のアップを招来するという問題もあった。
【0008】
本発明は、これらの問題を、コンデンサ容量の減少を招来することなく、解消できるようにしたコンデンサ素子、及び、その製造方法、並びにこのコンデンサ素子を使用した固体電解コンデンサを提供することを技術的課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この技術的課題を達成するため本発明におけるコンデンサ素子は、
「弁作用金属の粉末を多孔質の直方体に焼結した陽極チップ体と、この陽極チップ体における一端面に固着した陽極ワイヤと、前記陽極チップ体における金属粉末の表面に形成した誘電体膜と、この誘電体膜に重ねて形成した固体電解質層と、更に、前記陽極チップ体の表面に前記固体電解質に重ねて形成した陰極側電極膜とから成るコンデンサ素子において、
前記陽極チップ体における四つの各側面と前記一端面と反対の他端面とが交わる四つのコーナ辺のうち少なくとも互いに平行な二つのコーナ辺が、丸角面にされているか、面取り面にされている。」
ことを特徴している。
【0010】
また、本発明におけるコンデンサ素子の製造方法は、
「弁用金属の粉末による多孔質の直方体に焼結し且つ一端面に陽極ワイヤを固着して成る陽極チップ体を、当該陽極チップ体における四つの各側面と前記一端面と反対の他端面とが交わる四つのコーナ辺のうち少なくとも互いに平行な二つのコーナ辺を丸角面又は面取り面にして製造する工程と、前記陽極チップ体における金属粉末の表面に誘電体膜を形成する工程と、前記陽極チップ体の固体電解質用溶液中への陽極ワイヤを上向きしての浸漬及び引き揚げ・焼成にて固体電解質層を形成する工程と、この工程に次いで、前記陽極チップ体に金属ペーストによる陰極側電極膜を前記固体電解質層に重ねて形成する工程とから成る。」ことを特徴としている。
【0011】
更にまた、本発明における固体電解コンデンサは、
「弁作用金属の粉末を多孔質の直方体に焼結した陽極チップ体と、この陽極チップ体における一端面に固着した陽極ワイヤと、前記陽極チップ体における金属粉末の表面に形成した誘電体膜と、この誘電体膜に重ねて形成した固体電解質層と、更に、前記陽極チップ体の表面に前記固体電解質に重ねて形成した陰極側電極膜とから成るコンデンサ素子を、陽極側リード端子板と陰極側リード端子板との間に配設し、このコンデンサ素子における陽極ワイヤを、前記陽極側リード端子板に固着する一方、前記コンデンサ素子における陰極側電極膜を、前記陰極側リード端子板に電気的に接続して成る固体電解コンデンサにおいて、
前記陽極チップ体における四つの各側面と前記一端面と反対の他端面とが交わる四つのコーナ辺のうち少なくとも互いに平行な二つのコーナ辺が、丸角面にされているか、面取り面にされている。」
ことを特徴としている。
【0012】
【発明の作用・効果】
このように、陽極チップ体における四つの各側面と一端面と反対の他端面とが交わる四つのコーナ辺のうち少なくとも互いに平行な二つのコーナ辺を、丸角面にするか、面取り面にすることにより、陽極チップ体に対して固体電解質層を誘電体膜に重ねて形成する工程において、前記陽極チップ体を固体電解質用水溶液から引き揚げたとき、この陽極チップ体における下端の他端面から垂れ落ちる固体電解質用水溶液が水滴状に集まるのは、前記他端面の周囲を囲う四つの総てのコーナ辺のうち前記丸角面又は面取り面にされていない二つのコーナ辺の個所に限られ、前記したように丸角面又は面取り面にされている二つのコーナ辺の個所に電解質用水溶液が水滴状に集まることを回避でき、ひいては、陽極チップ体に対して形成される固体電解質層が、前記丸角面又は面取り面にされている二つのコーナ辺の個所において外向きの瘤状に盛り上がる形態になることを確実に回避できる。
【0013】
すなわち、陽極チップ体に対して形成した固体電解質層が陽極チップ体の他端面において外向き瘤状に盛り上がるのは、前記他端面の全周囲を囲う四つのコーナ辺のうち互いに平行な二つのコーナ辺の個所のみに限られ、前記固体電解質層のうち陽極チップ体の他端面における部分の総ての周囲が、外向き瘤状に盛り上がる部分にて取り囲んだ形態になることを回避できることにより、前記陽極チップ体に対して、固体電解質層を形成する工程に次いで銀等の金属ペーストへの浸漬及び引き揚げにて陰極側電極膜を形成するときにおいて、この陽極チップ体の他端面の個所における空気は容易に逃げて、この部分に空気が溜まること、つまり、陰極側電極膜を銀等の金属ペーストにて形成するときにおいて気泡の抱き込みによってボイドができることを少なくできるから、コンデンサ素子の製造に際して不良品が発生する率を確実に低減できる。
【0014】
しかも、陽極チップ体に対して形成した固体電解質層及び陰極側電極膜が陽極チップ体の他端面において外向き瘤状に盛り上がるのを、前記他端面の全周囲を囲う四つのコーナ辺のうち丸角面又は面取り面にした少なくとも二つのコーナ辺以外のコーナ辺の個所のみに限定できることにより、このコンデンサ素子を、以下の実施の形態において述べるように、パンケージ型の固体電解コンデンサの完成品に組み立てる場合に、このパッケージ型固体電解コンデンサにおける高さ寸法又は横幅寸法のうち一方を、前記陽極チップ体の他端面を囲う四つのコーナ辺のうち丸角面又は面取り面にした少なくとも二つのコーナ辺の個所において固体電解質層及び陰極側電極膜が外向き瘤状に盛り上がることがない分だけ小さくできるから、固体電解コンデンサを小型・軽量化できる。
【0015】
特に、請求項2に記載したように、丸角面又は面取り面にするコーナ辺を、二つのコーナ辺のみに限定することにより、コーナ辺を丸角面又は面取り面にしたことによる体積の減少を、四つのコーナ辺の総てを丸角面又は面取り面にする場合よりも小さくでき、コンデンサ素子におけるコンデンサ容量の減少を小さくできるという利点がある。
【0016】
また、請求項5に記載した構成にすることにより、コンデンサ素子における固体電解質層及び陰極側電極膜のうち陽極チップ体の他端面の部分において外向き瘤状に盛り上がっている部分が、陰極側リード端子板に対して接触する又は接近することを回避できるから、前記した盛り上がっている部分に欠け等の欠損が発生することを確実に低減できるとともに、陰極側電極膜と陽極側リード端子板との電気的な接続が確実且つ容易にできるという利点がある。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、タンタル固体電解コンデンサにおけるコンデンサ素子に適用した場合の図面(図5〜図13)について説明する。
【0018】
図5は、タンタルの粉末を直方形に固め成形したのち焼結して成る多孔質の陽極チップ体12を示し、この陽極チップ12には、タンタルによる陽極ワイヤ13が当該陽極チップ体12における一端面12aから突出するように固着されている。
【0019】
また、前記陽極チップ体12における陽極ワイヤ13と直角な断面は、長い寸法D1を一つの辺とし、短い寸法D2を他の辺とする長方形であり、その高さ寸法はLである。
【0020】
前記陽極チップ体12に固め成形するに際しては、当該陽極チップ体12における四つのの側面12c,12d,12e,12fのうち互いに平行で広い面積の二つの側面12c,12eが前記一端面12aと反対側の他端面12bに対して交わる二つの稜線、つまり二つのコーナ辺を、図5及び図6に示すように、面取り面12g,12hに形成するか、或いは、図8に示すように、丸角面12g′,12h′に形成するように固め成形する。
【0021】
そして、この陽極チップ体12を、従来と同様に、りん酸水溶液等の化成液中に浸漬し、この状態で直流電流を印加するという陽極酸化処理を行うことにより、前記陽極チップ体12における各金属粒子の表面に五酸化タンタル等の誘電体膜を形成する。
【0022】
次いで、前記陽極チップ体12を、前記図1の場合と同様に、陽極ワイヤ13を上向きにした姿勢で、硝酸マンガン水溶液等の固体電解質用水溶液中に浸漬して、硝酸マンガン水溶液等の固体電解質用水溶液を陽極チップ体12における多孔質組織内に浸透したのち固体電解質用水溶液から引き揚げて乾燥・焼成することを複数回にわたって繰り返すことにより、図9及び図10に示すように、前記陽極チップ体12の表面に、二酸化マンガン等の金属酸化物による固体電解質層14を、前記誘電体膜に重ねて形成する。
【0023】
このように、陽極チップ体12に対して固体電解質層14を誘電体膜に重ねて形成する工程において、前記陽極チップ体14を固体電解質用水溶液から引き揚げたとき、この陽極チップ体12における下端の他端面12bから垂れ落ちる固体電解質用水溶液が水滴状に集まるのは、陽極チップ体12における四つの各側面12c,12d,12e,12fのうち互いに平行で面積の狭い二つの側面12d,12fが他端面12bに対して交わる二つの稜線、つまり二つのコーナ辺12i,12jのみに限られ、前記二つの面取り面12g,12h又は丸角面12g′,12h′の個所に、電解質用水溶液が水滴状に集まることを回避できる。
【0024】
従って、前記陽極チップ体12に対して固体電解質層14を形成するに際して、この固体電解質層14が陽極チップ体12の他端面12bにおいて外向き瘤状14′に盛り上がるのは、前記他端面12bの全周囲を囲う四つのコーナ辺のうち面取り面12g,12h又は丸角面12g′,12h′に形成されていない二つのコーナ辺12i,12jの個所のみに限られ、前記固体電解質層14のうち陽極チップ体12の他端面12bにおける部分の総ての周囲が、外向き瘤状14′に盛り上がる部分にて取り囲んだ形態になることを回避できる。
【0025】
次いで、前記陽極チップ体12を、その表面に下地としてのグラファイト層を形成したのち、銀等の金属ペースト中に、同じく、陽極ワイヤ13を上向きにした姿勢で浸漬したのち引き揚げて焼成して、図11及び図12に示すように、当該陽極チップ体12のうち前記一端面12aを除く表面に、前記金属ペーストとによる陰極側電極膜15を形成することにより、コンデンサ素子11にする。
【0026】
この陰極側電極膜15の形成に際して、陽極チップ体12を金属ペースト中に浸漬したとき、この陽極チップ体12の他端面12bの個所における空気は容易に逃げることになるから、この部分に空気が溜まること、つまり、陰極側電極膜15を銀等の金属ペーストにて形成するときにおいて気泡の抱き込みによってボイドができることを少なくできる。
【0027】
また、ここに形成した陰極側電極膜15は、前記固体電解質層14のうち陽極チップ体12の他端面12bの部分が外向き瘤状14′に盛り上がる部分に重ねて外向きの瘤状15′に盛り上がるだけで、前記他端面12bにおける四つのコーナ辺のうち前記二つの面取り面12g,12h又は丸角面12g′,12h′の個所において、この陰極側電極膜15が外向き瘤状に盛り上がることを回避できる。
【0028】
このようにして製造されたコンデンサ素子11を、以下に述べるように、パッケージ型の固体電解コンデンサ100に組み立てられる。
【0029】
すなわち、図12及び図13に示すように、左右一対のリード端子板16,17の間に、前記コンデンサ素子11を、その陽極チップ体12における各側面12c,12d,12e,12fのうち互いに平行で広い面積を有する二つの側面12c,12eが前記両リード端子板16,17の表面と平行又は略平行にして配設して、このコンデンサ素子11における陽極ワイヤ13を、前記両リード端子板16,17のうち一方の陽極側リード端子板16に対して溶接等にて固着する一方、このコンデンサ素子1における陰極側電極膜4に、他方の陰極側リード端子17を重ねて導電性ペースト18等にて直接に電気的に接続し、そして、これらの全体を合成樹脂製のパッケージ体19にて密封することにより、パッケージ型固体電解コンデンサ100に組み立てる。
【0030】
この構成において、前記コンデンサ素子11における陽極チップ体12に対して形成した固体電解質層14及び陰極側電極膜15のうち陽極チップ体12の他端面12bにおいて外向き瘤状14′,15′に盛り上がる部分は、陽極チップ体12における各側面12c,12d,12e,12fのうち上面及び下面になる二つの側面12c,12eより突出していないことにより、前記パッケージ型固体電解コンデンサ100における高さ寸法Hを、前記外向き瘤状14′,15′に盛り上がる部分が前記二つの側面12c,12eより突出していない分だけ低くできて、小型・軽量化を図ることができる。
【0031】
しかも、前記外向き瘤状14′,15′に盛り上がる部分が前記二つの側面12c,12eより突出していないことにより、前記外向き瘤状14′,15′に盛り上がる部分が、陰極側リード端子板17に対して接触することを回避できるから、固体電解コンデンサへの組み立てに際して、前記外向き瘤状14′,15′に盛り上がる部分に欠け等の欠損が発生することを低減できるとともに、陰極側電極膜15に対する陰極側リード端子板17の電気的な接続が確実且つ容易にできる。
【0032】
なお、固体電解コンデンサへの組み立てに際しては、前記コンデンサ素子11を、その陽極チップ体12における各側面12c,12d,12e,12fのうち他端面12bに対するコーナ辺に面取り面12g,12h又は丸角面12g′,12h′に形成されていない二つの側面12d,12fが両リード端子板16,17の表面と平行又は略平行に配設することにより、前記固体電解コンデンサ10における横幅寸法Wを小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のコンデンサ素子に使用する陽極チップ体を示す斜視図である。
【図2】前記従来における陽極チップ体に固体電解質層を形成した状態を示す縦断正面図である。
【図3】図2のIII −III 視断面図である。
【図4】従来におけるコンデンサ素子を示す縦断正面図である。
【図5】本発明のコンデンサ素子に使用する陽極チップ体を示す斜視図である。
【図6】図5のVI−VI視断面図である。
【図7】図5のVII −VII 視断面図である。
【図8】本発明のコンデンサ素子に使用する別の陽極チップ体を示す斜視図である。
【図9】本発明における陽極チップ体に固体電解質層を形成した状態を示す縦断正面図である。
【図10】図9のX−X視断面図である。
【図11】本発明におけるコンデンサ素子を示す縦断正面図である。
【図12】図11のXII −XII 視断面図である。
【図13】本発明におけるコンデンサ素子を使用した固体電解コンデンサの縦断正面図である。
【図14】図13のXIV −XIV 視断面図である。
【符号の説明】
11                コンデンサ素子
12                陽極チップ体
12a               一端面
12b               他端面
12c,12d,12e,12f   側面
12g,12h           面取り面
12g′,12h′         丸角面
12i,12j           コーナ辺
13                陽極ワイヤ
14                固体電解質層
15                陰極側電極膜
16,17             リード端子板
19                パッケージ体
100               固体電解コンデンサ

Claims (5)

  1. 弁作用金属の粉末を多孔質の直方体に焼結した陽極チップ体と、この陽極チップ体における一端面に固着した陽極ワイヤと、前記陽極チップ体における金属粉末の表面に形成した誘電体膜と、この誘電体膜に重ねて形成した固体電解質層と、更に、前記陽極チップ体の表面に前記固体電解質に重ねて形成した陰極側電極膜とから成るコンデンサ素子において、
    前記陽極チップ体における四つの各側面と前記一端面と反対の他端面とが交わる四つのコーナ辺のうち少なくとも互いに平行な二つのコーナ辺が、丸角面にされているか、面取り面にされていることを特徴とする固体電解コンデンサにおけるコンデンサ素子。
  2. 前記請求項1の記載において、前記丸角面又は面取り面にするコーナ辺が、二つのコーナ辺にしたことを特徴とする固体電解コンデンサにおけるコンデンサ素子。
  3. 弁用金属の粉末による多孔質の直方体に焼結し且つ一端面に陽極ワイヤを固着して成る陽極チップ体を、当該陽極チップ体における四つの各側面と前記一端面と反対の他端面とが交わる四つのコーナ辺のうち少なくとも互いに平行な二つのコーナ辺を丸角面又は面取り面にして製造する工程と、前記陽極チップ体における金属粉末の表面に誘電体膜を形成する工程と、前記陽極チップ体の固体電解質用溶液中への陽極ワイヤを上向きしての浸漬及び引き揚げ・焼成にて固体電解質層を形成する工程と、この工程に次いで、前記陽極チップ体に金属ペーストによる陰極側電極膜を前記固体電解質層に重ねて形成する工程とから成ることを特徴とする固体電解コンデンサにおけるコンデンサ素子の製造方法。
  4. 弁作用金属の粉末を多孔質の直方体に焼結した陽極チップ体と、この陽極チップ体における一端面に固着した陽極ワイヤと、前記陽極チップ体における金属粉末の表面に形成した誘電体膜と、この誘電体膜に重ねて形成した固体電解質層と、更に、前記陽極チップ体の表面に前記固体電解質に重ねて形成した陰極側電極膜とから成るコンデンサ素子を、陽極側リード端子板と陰極側リード端子板との間に配設し、このコンデンサ素子における陽極ワイヤを、前記陽極側リード端子板に固着する一方、前記コンデンサ素子における陰極側電極膜を、前記陰極側リード端子板に電気的に接続して成る固体電解コンデンサにおいて、
    前記陽極チップ体における四つの各側面と前記一端面と反対の他端面とが交わる四つのコーナ辺のうち少なくとも互いに平行な二つのコーナ辺が、丸角面にされているか、面取り面にされていることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  5. 前記請求項4の記載において、前記陽極チップ体における四つの各側面のうち少なくとも二つの側面が前記両リード端子板の表面と平行又は略平行であり、この少なくとも二つの側面が前記一端面と反対側の他端面に対して交わる二つのコーナ辺が、丸角面にされているか、面取り面にされていることを特徴とする固体電解コンデンサ。
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