JP2004055636A - 気相成長装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ウエハ上に形成すべき半導体薄膜の成長条件に応じて自公転を自由に制御できる自公転型気相成長装置を提供すること。
【解決手段】サセプタ31をトルク伝達歯車32及び第1駆動モータM1を用いて公転運動させると共に、サセプタ31上に回転自在に取り付けられた衛生歯車36を太陽歯車39及び第2駆動モータM2を用いて自転運動させるようにした。これにより、公転運動の回転制御と自転運動の回転制御とを独立して行うことができる。
【選択図】 図1
【解決手段】サセプタ31をトルク伝達歯車32及び第1駆動モータM1を用いて公転運動させると共に、サセプタ31上に回転自在に取り付けられた衛生歯車36を太陽歯車39及び第2駆動モータM2を用いて自転運動させるようにした。これにより、公転運動の回転制御と自転運動の回転制御とを独立して行うことができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハを反応器内で自公転させながらそのウエハ表面に半導体結晶薄膜を気相成長させるようにした自公転型の気相成長装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体ウエハが設置された反応器内に原料ガスを導入し、所定の加熱装置によって該半導体ウエハを加熱することによってその表面上に所要の半導体結晶薄膜を気相成長により成膜するようにした気相成長装置において、所要の半導体結晶薄膜を均一に成膜できるようにするため、従来から自公転型の気相成長装置が用いられている。
【0003】
このような目的で用いられる従来の自公転型の気相成長装置は、例えば特開平10−219447号公報に開示されているように、反応容器内に内歯車を固定しておくと共に、内歯車内で回転するサセプタ上に小歯車を回転自在に枢着しておき、サセプタが回転したときに小歯車がサセプタ上で回転するよう上記内歯車から回転力が与えられるよう小歯車と内歯車とを噛み合わせておくことにより、小歯車を自転させながらサセプタの回転軸に対して公転させる構成となっている。したがって、この小歯車の上面又は下面に適宜の手段を用いて半導体ウエハを取り付けておけば、半導体ウエハが自転しながら反応器の内側に沿うようにして公転するので、原料ガスの流れの不均一性や加熱温度分布の不均一性が生じても、ウエハ上に所要の半導体結晶薄膜を均一に成膜することができるようになる。
【0004】
なお、この種の従来装置として、サセプタ側を固定とし内歯車を回転させることによりウエハを自転させながら公転させるようにした構成も公知であるが、この場合も上述したのと同様の理由により、ウエハ上に所要の半導体結晶薄膜を均一に成膜することができるようになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の構成によると、いずれにしても、ウエハを設定した小歯車と内歯車とは、それらの歯数によって決まる所定の一定回転比でそれぞれが回転するので、以下のような問題を生じる。
【0006】
一般に、半導体ウエハ上に各種の半導体結晶を気相成長により所定の厚さに成膜しようとする場合、その成長速度を自由に制御することは困難である。その理由は、成膜しようとする半導体結晶薄膜の品質を所定レベルに維持するためには成長速度をある程度高くする必要があるからである。例えば、化合物半導体の薄膜結晶を作る場合であれば、その成長速度の下限は数Å/秒程度が一般的であり、これ以下の成長速度となるように成長条件を設定すると、得られた半導体結晶薄膜の結晶品質が充分でなく、このようなエピタキシャル基板を用いて半導体素子を作製した場合、その電気的特性に問題が生じることとなる。
【0007】
一方、半導体技術の進歩により、現在では、層厚の極めて薄い半導体結晶薄膜層をウエハ上に形成することが要求される場合が多々生じる。このような極薄の半導体結晶薄膜層をウエハ上に形成する際に、その成膜速度を上述した適切な成長速度範囲内に選ぶと、成膜が比較的短時間(例えば10秒)内に終了してしまうこととなる。
【0008】
このような短時間のうちにウエハを反応器内で少なくとも1回は公転させようとすると、ウエハの自転運動が極めて高速で行われることになる。この結果、ウエハの高速での自転によって原料ガスの流れが乱され、あるいは反応器内に存在している微粒子体がウエハの高速回転により生じた気体の流れにより舞い上がり、これがウエハ表面に付着するなどしてかえって品質低下の原因となってしまうという問題が生じる。
【0009】
このような不具合を解決するには、歯数を増やした小歯車を取り付け直す等の措置を構ずることにより公転速度と自転速度との比を所要の値にすることが必要であるが、歯車の歯数はモジュールやピッチ円直径によって限定されるため、装置の大掛かりな改造が必要となる。また、この対策では薄膜成長中に自転速度のみを変更する、或いは公転速度のみを変更することはできず、成膜性を均一にする上で問題があった。
【0010】
本発明の目的は、従来技術における上述の問題点を解決することができる、自公転型の気相成長装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明によれば、反応器内に保持体を介して設置された半導体ウエハを自公転させることができるように構成された気相成長装置において、前記保持体を回転させるための第1の回転駆動系統と、前記半導体ウエハを前記保持体上で回転させるための第2の回転駆動系統とを備え、前記第1の回転駆動系統と前記第2の回転駆動系統とが別の駆動源を用いて独立して回転制御されるように構成されたことを特徴とする気相成長装置が提案される。
【0012】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明において、前記第1の回転駆動系統が、前記保持体を回転させるための駆動トルクを前記保持体に与えるように構成されている気相成長装置が提案される。
【0013】
請求項3の発明によれば、請求項1又は2の発明において、前記第2の回転駆動系統が、前記ウエハを取り付けて前記保持体上で回転する衛星歯車と、該衛星歯車を回転させるため前記ウエハの公転中心に設けられた太陽歯車とを含んで構成される気相成長装置が提案される。
【0014】
請求項4の発明によれば、請求項3の発明において、前記衛星歯車がベアリングを介して前記保持体に対して回転可能に設けられている気相成長装置が提案される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例につき詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明による気相成長装置の実施の形態の一例を示す断面図であり、図2は図1の基板回転・保持装置の拡大平面図である。図1及び図2を参照して気相成長装置1について説明する。気相成長装置1は、原料ガスの導入口2Aと排出口2Bとを備えた全体として中空円柱状の形態をなす反応器2を備え、半導体ウエハを保持して自公転させることができるように構成されたフェイスアップ方式の気相成長装置である。
【0017】
反応器2内には、半導体ウエハを自公転させるため2つの駆動力で回転制御されるように構成された基板回転・保持装置3が設けられると共に、反応器2内には、円環状の支持板4が固定的に設けられており、基板回転・保持装置3は軸受5を介して支持板4によって所定の位置で保持されている。軸受5はサセプタ31の回転振れを減少させるために用いられている。6はプロセスガスのフローを調整するためのカバー、7はウエハ加熱用のヒータである。
【0018】
基板回転・保持装置3は、中空円柱体の形態をなすサセプタ31と、サセプタ31に回転力を与えるための歯車部材であるトルク伝達歯車32とを備えている。サセプタ31は、その軸線を中心に回転可能なように軸受5によって支持板4に支持されており、サセプタ31の外周面に形成された歯部31Aが、トルク伝達歯車32の歯部32Aと噛み合っている。そして、トルク伝達歯車32に取り付けられた第1駆動軸35が電動式の第1駆動モータM1により回転駆動されることにより、サセプタ31がサセプタ31の軸線を中心に回転する構成となっている。
【0019】
すなわち、保持体であるサセプタ31を回転させるための第1の回転駆動系統が第1駆動モータM1により駆動制御される構成となっている。なお、サセプタ31に与える駆動力は、電動式のモータを用いる以外にも、サセプタ31の下部に溝を作り気体を吹き付けて回転させる方式をとることができる。また、ロボットによるウエハの自動搬送に関しては、位置決め精度を向上させるために、エンコーダー付きのステッピングモータやサーボモータを使用することができる。
【0020】
上述の如くして回転駆動されるサセプタ31の上面31B上でウエハを回転させることができるようにするため、上面31B上には、衛星歯車36が回転可能なように設けられている。図示の実施の形態においては、上面31B上でウエハを4枚同時に回転させることができるようにするため、90°間隔で4つ設けられている。しかし、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、上面31B上で回転させるウエハの数は2枚以上任意の枚数のウエハを同時に回転させるように構成されたものであってもよい。
【0021】
衛星歯車36は、外周面に歯部36Aが設けられていると共に、その上面にウエハSを収容しておくための凹部36Bが形成され、且つその下面には回転軸部36Cが一体に形成されている。一方、サセプタ31の上面31Bには、衛星歯車36を受け入れるための凹部として形成されている歯車収容部31Cが90°間隔で4つ形成されており、これらの歯車収容部31C内に衛星歯車36を収容することで、衛星歯車36が、サセプタ31上に回転自在に設けられる構成となっている。ここで、各衛星歯車36の回転中心はサセプタ31の回転中心とは異なっている。
【0022】
図3には、衛星歯車36のサセプタ31への取り付けの様子が拡大して示されている。本実施の形態では、歯車収容部31Cの底部に設けられたベアリング収容部31Ca内にベアリング37が収容されて取り付けられており、衛星歯車36は、その回転軸部36Cがベアリング37によって回転自在に支持されるようにして歯車収容部31C内に配設されている。
【0023】
このようにして、衛星歯車36とサセプタ31の嵌めあい部には、ベアリング37が装着され、衛星歯車36は歯車収容部31C内で回転自在なようにしてサセプタ31に取り付けられているので、サセプタ31を固定したままでも、太陽歯車39を回転させることによって、各衛星歯車36のスムーズな自転が得られる構造となっている。ベアリング37は摺動を伴うことと耐熱性が必要であることから、ベアリング37を用いる場合は、その材質として黒鉛や窒化ホウ素を用いることが好ましい。また、炭化ケイ素や窒化ケイ素からなるセラミックス製のボールベアリングをベアリング37として用いることができる。
【0024】
図1及び図2に戻ると、サセプタ31がその軸線を中心に回転している状態で4つの衛星歯車36を各回転軸部36Cを中心にサセプタ31上で回転させるため、サセプタ31の中心部には太陽歯車39が設けられている。太陽歯車39には第2駆動モータM2により回転駆動される第2駆動軸40が取り付けられている。太陽歯車39は、サセプタ31と同軸に配置されており、太陽歯車39の歯部39Aは、4つの衛星歯車36の各歯部36Aと噛み合っている。したがって、第2駆動モータM2により太陽歯車39を回転させることにより、これに同期して4つの衛星歯車36を各回転軸部36Cを中心に同時に回転させることができる。すなわち、ウエハSを保持体であるサセプタ31上で回転させるための第2の回転駆動系統が第2駆動モータM2により駆動制御される構成となっている。
【0025】
なお、図2では、各歯部31A、32A、36A、39Aについて、図面の簡単化のためそれぞれの一部を歯の形状に示し他の部分を二重線で示したが、それぞれ全周にわたって歯が形成されている。
【0026】
ここで、衛星歯車36と太陽歯車39の歯車の種類は、平歯車、はすば歯車、やまば歯車、ねじ歯車等を用いることができる。また、サセプタ31とトルク伝達歯車32については、前記の歯車以外にも、フェースギヤ、かさ歯車、ウォームギヤ、ハイポイドギヤを用いることができる。また、太陽歯車39、衛星歯車36、サセプタ31の材質は黒鉛、窒化ホウ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミ、ステンレス、モリブデン、タングステン、チタン等とすることができるが、摺動を伴うため、黒鉛、窒化ホウ素等の自己摺動性が高い材料を用いることが好ましい。また、使用するガスの種類によっては耐食性を持たせるために、黒鉛や窒化ホウ素の表面を炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミでコーティングすることにより、使用寿命を伸ばすことができる。しかしながら、本発明は歯車の種類や歯車の材質によって限定されるものではない。
【0027】
基板回転・保持装置3は上述の如く構成されているので、サセプタ31上の4つの衛星歯車36の各凹部36B内にそれぞれウエハSを収容して設けた状態とし、トルク伝達歯車32の第1駆動軸35を第1駆動モータM1により回転させると、トルク伝達歯車32が第1駆動軸35と同軸に回転し、このときサセプタ31の歯部31Aはトルク伝達歯車32の歯部32Aに噛み合って設けられているためサセプタ31は回転し、このため衛星歯車36上のウエハSは太陽歯車39の第2駆動軸40を中心とした公転運動をすることができる。
【0028】
一方、太陽歯車39の第2駆動軸40を第2駆動モータM2により回転させると、太陽歯車39が回転する。サセプタ31上に設けられている衛星歯車36の歯部36Aは太陽歯車39の歯部39Aに噛み合って設けられているため、衛星歯車36はサセプタ31上で回転し、このため衛星歯車36上のウエハSは衛星歯車36の回転軸部36Cを中心とした自転運動をする。
【0029】
このように、サセプタ31上に設けられた各ウエハSは、反応器2内において第1駆動モータM1と第2駆動モータM2とにより公転運動と自転運動とを独立して行うことができるので、例えば成膜しようとする半導体結晶薄膜の品質を所定レベルに維持するために成長速度をある程度高く設定することによりウエハを比較的高速で公転させる必要が生じた場合であっても、ウエハの自転速度をこの公転速度に拘らず適切な自転速度に独立して設定することができる。
【0030】
この結果、ウエハの公転速度を比較的高く設定した場合にこれに関連してウエハが高速で自転してしまうという不具合が容易に解決されるので、ウエハが高速で自転することによって反応器内の原料ガスの流れが乱されることなく、且つ反応器内に存在している微粒子体がウエハの高速回転により生じた気体の流れにより舞い上がり、これがウエハ表面に付着する等の不具合を防止することができ、高品質の半導体結晶薄膜を得ることができる。
【0031】
図4は本発明による気相成長装置の他の実施の形態を示す断面図であり、図4に示されているのは半導体ウエハの成長面が下向きにセットされるようになっているフェイスダウン方式の気相成長装置101である。気相成長装置101は、ウエハS100の成長面を下向きにしてサセプタに取り付けるようにした点を除いて気相成長装置1と基本的に同様の構成となっている。
【0032】
気相成長装置101は、原料ガスの導入口102Aと排出口102Bとを備えた全体として中空円柱状の形態をなす反応器102を備え、反応器102は、半導体ウエハを保持して自公転させることができるように構成されている。本実施の形態では、半導体ウエハを自転及び公転させるため2つの独立した駆動力を有するように構成された基板回転・保持装置103が反応器102内に設けられている。反応器102内には、円環状の支持板104が適宜の手段により固定されており、基板回転・保持装置103は軸受105を介して支持板104によって回転自在に支持されている。107はウエハ加熱用のヒータである。
【0033】
基板回転・保持装置103は、中空円柱体の形態をなすサセプタ131と、サセプタ131に回転力を与えるための歯車部材であるトルク伝達歯車132とを備えている。サセプタ131の外周面に形成された歯部131Aは、トルク伝達歯車132の歯部132Aと噛み合っており、トルク伝達歯車132に取り付けられた第1駆動軸135が第1駆動モータM101により回転駆動されることにより、サセプタ131がその軸線を中心に回転する構成となっている。
【0034】
一方、サセプタ131には、上部外周面に歯部201Aが設けられている中空円筒状の衛星歯車201が90°間隔に4つ設けられている。衛星歯車201は、それぞれ、下端部に円環状の爪部201Bが形成されて公知の適宜の方法でウエハS100を保持することができるよう形成されている。サセプタ131内には、上述の如く構成されている衛星歯車201を受け入れるための歯車収容部202が90°間隔で4つ形成されている。これらの歯車収容部202内に衛星歯車201を収容することで、衛星歯車201が、サセプタ131内に回転自在に設けられる構成となっている。
【0035】
4つの衛星歯車201の各軸を回転中心として回転させるため、サセプタ131の中心部には太陽歯車139が設けられている。太陽歯車139には第2駆動モータM102により回転駆動される第2駆動軸140が取り付けられている。太陽歯車139は、サセプタ131と同軸に配置されており、太陽歯車139の歯部139Aは、4つの衛星歯車201の各歯部201Aと噛み合っている。したがって、第2駆動モータM102により太陽歯車139を回転させることにより、これに同期して4つの衛星歯車201をサセプタ131上で同時に回転させることができる。
【0036】
基板回転・保持装置103は上述の如く構成されているので、サセプタ131内の各衛星歯車201にそれぞれウエハS100を取り付けた状態とし、トルク伝達歯車132の第1駆動軸135を第1駆動モータM101により回転させると、トルク伝達歯車132が回転し、サセプタ131を回転させることができる。この結果、衛星歯車201に取り付けられたウエハS100は第1駆動モータM101の駆動力により太陽歯車139の第2駆動軸140を中心とした公転運動をすることができる。
【0037】
一方、太陽歯車139を第2駆動モータM102により回転させると、太陽歯車139の回転に同期して各衛星歯車201が回転し、各衛星歯車201に取り付けられたウエハS100を衛星歯車201中心を中心軸として自転運動させることができる。
【0038】
このように、サセプタ131に取り付けられた各ウエハS100は、反応器102内において公転運動と自転運動とを独立して制御することができるので、フェイスダウン方式の気相成長装置101によっても、図1に示したフェイスアップ方式の気相成長装置1の場合と同様の効果を得ることができる。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、上述の如く、反応器内に保持体を介して設置された半導体ウエハを自公転させることができるように構成された気相成長装置において、保持体を回転させるための第1の回転駆動系統と、半導体ウエハを保持体上で回転させるための第2の回転駆動系統とを備え、第1の回転駆動系統と第2の回転駆動系統とが別の駆動源を用いて独立して回転制御されるようにし、これにより保持体上に保持されている半導体ウエハが公転運動と自転運動とを独立して行うことができるようにしたので、成膜しようとする半導体結晶薄膜の品質を所定レベルに維持するために成長速度をある程度高くし、ウエハを短時間のうちに反応器内で公転させようとする場合であっても、ウエハの自転速度をこの公転速度に拘らず適切な速度に独立して設定することができる。
【0040】
この結果、ウエハの公転速度を比較的高く設定した場合にこれに関連してウエハが高速で自転してしまうという不具合が容易に解決されるので、ウエハが高速で自転することによって反応器内の原料ガスの流れが乱されることなく、且つ反応器内に存在している微粒子体がウエハの高速回転により生じた気体の流れにより舞い上がり、これがウエハ表面に付着する等の不具合を防止することができ、高品質の半導体結晶薄膜を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による気相成長装置の実施の形態の一例を示す断面図。
【図2】図1の基板保持・回転装置の拡大平面図。
【図3】図1の基板回転・保持装置本体の一部拡大断面図。
【図4】本発明による気相成長装置の他の実施の形態を示す断面図。
【符号の説明】
1、101 気相成長装置
2、102 反応器
2A、102A 導入口
2B、102B 排出口
3、103 基板回転・保持装置
31、131 サセプタ
32、132 トルク伝達歯車
36、201 衛星歯車
39、139 太陽歯車
M1、M101 第1駆動モータ
M2、M102 第2駆動モータ
S、S100 半導体ウエハ
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハを反応器内で自公転させながらそのウエハ表面に半導体結晶薄膜を気相成長させるようにした自公転型の気相成長装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体ウエハが設置された反応器内に原料ガスを導入し、所定の加熱装置によって該半導体ウエハを加熱することによってその表面上に所要の半導体結晶薄膜を気相成長により成膜するようにした気相成長装置において、所要の半導体結晶薄膜を均一に成膜できるようにするため、従来から自公転型の気相成長装置が用いられている。
【0003】
このような目的で用いられる従来の自公転型の気相成長装置は、例えば特開平10−219447号公報に開示されているように、反応容器内に内歯車を固定しておくと共に、内歯車内で回転するサセプタ上に小歯車を回転自在に枢着しておき、サセプタが回転したときに小歯車がサセプタ上で回転するよう上記内歯車から回転力が与えられるよう小歯車と内歯車とを噛み合わせておくことにより、小歯車を自転させながらサセプタの回転軸に対して公転させる構成となっている。したがって、この小歯車の上面又は下面に適宜の手段を用いて半導体ウエハを取り付けておけば、半導体ウエハが自転しながら反応器の内側に沿うようにして公転するので、原料ガスの流れの不均一性や加熱温度分布の不均一性が生じても、ウエハ上に所要の半導体結晶薄膜を均一に成膜することができるようになる。
【0004】
なお、この種の従来装置として、サセプタ側を固定とし内歯車を回転させることによりウエハを自転させながら公転させるようにした構成も公知であるが、この場合も上述したのと同様の理由により、ウエハ上に所要の半導体結晶薄膜を均一に成膜することができるようになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の構成によると、いずれにしても、ウエハを設定した小歯車と内歯車とは、それらの歯数によって決まる所定の一定回転比でそれぞれが回転するので、以下のような問題を生じる。
【0006】
一般に、半導体ウエハ上に各種の半導体結晶を気相成長により所定の厚さに成膜しようとする場合、その成長速度を自由に制御することは困難である。その理由は、成膜しようとする半導体結晶薄膜の品質を所定レベルに維持するためには成長速度をある程度高くする必要があるからである。例えば、化合物半導体の薄膜結晶を作る場合であれば、その成長速度の下限は数Å/秒程度が一般的であり、これ以下の成長速度となるように成長条件を設定すると、得られた半導体結晶薄膜の結晶品質が充分でなく、このようなエピタキシャル基板を用いて半導体素子を作製した場合、その電気的特性に問題が生じることとなる。
【0007】
一方、半導体技術の進歩により、現在では、層厚の極めて薄い半導体結晶薄膜層をウエハ上に形成することが要求される場合が多々生じる。このような極薄の半導体結晶薄膜層をウエハ上に形成する際に、その成膜速度を上述した適切な成長速度範囲内に選ぶと、成膜が比較的短時間(例えば10秒)内に終了してしまうこととなる。
【0008】
このような短時間のうちにウエハを反応器内で少なくとも1回は公転させようとすると、ウエハの自転運動が極めて高速で行われることになる。この結果、ウエハの高速での自転によって原料ガスの流れが乱され、あるいは反応器内に存在している微粒子体がウエハの高速回転により生じた気体の流れにより舞い上がり、これがウエハ表面に付着するなどしてかえって品質低下の原因となってしまうという問題が生じる。
【0009】
このような不具合を解決するには、歯数を増やした小歯車を取り付け直す等の措置を構ずることにより公転速度と自転速度との比を所要の値にすることが必要であるが、歯車の歯数はモジュールやピッチ円直径によって限定されるため、装置の大掛かりな改造が必要となる。また、この対策では薄膜成長中に自転速度のみを変更する、或いは公転速度のみを変更することはできず、成膜性を均一にする上で問題があった。
【0010】
本発明の目的は、従来技術における上述の問題点を解決することができる、自公転型の気相成長装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明によれば、反応器内に保持体を介して設置された半導体ウエハを自公転させることができるように構成された気相成長装置において、前記保持体を回転させるための第1の回転駆動系統と、前記半導体ウエハを前記保持体上で回転させるための第2の回転駆動系統とを備え、前記第1の回転駆動系統と前記第2の回転駆動系統とが別の駆動源を用いて独立して回転制御されるように構成されたことを特徴とする気相成長装置が提案される。
【0012】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明において、前記第1の回転駆動系統が、前記保持体を回転させるための駆動トルクを前記保持体に与えるように構成されている気相成長装置が提案される。
【0013】
請求項3の発明によれば、請求項1又は2の発明において、前記第2の回転駆動系統が、前記ウエハを取り付けて前記保持体上で回転する衛星歯車と、該衛星歯車を回転させるため前記ウエハの公転中心に設けられた太陽歯車とを含んで構成される気相成長装置が提案される。
【0014】
請求項4の発明によれば、請求項3の発明において、前記衛星歯車がベアリングを介して前記保持体に対して回転可能に設けられている気相成長装置が提案される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例につき詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明による気相成長装置の実施の形態の一例を示す断面図であり、図2は図1の基板回転・保持装置の拡大平面図である。図1及び図2を参照して気相成長装置1について説明する。気相成長装置1は、原料ガスの導入口2Aと排出口2Bとを備えた全体として中空円柱状の形態をなす反応器2を備え、半導体ウエハを保持して自公転させることができるように構成されたフェイスアップ方式の気相成長装置である。
【0017】
反応器2内には、半導体ウエハを自公転させるため2つの駆動力で回転制御されるように構成された基板回転・保持装置3が設けられると共に、反応器2内には、円環状の支持板4が固定的に設けられており、基板回転・保持装置3は軸受5を介して支持板4によって所定の位置で保持されている。軸受5はサセプタ31の回転振れを減少させるために用いられている。6はプロセスガスのフローを調整するためのカバー、7はウエハ加熱用のヒータである。
【0018】
基板回転・保持装置3は、中空円柱体の形態をなすサセプタ31と、サセプタ31に回転力を与えるための歯車部材であるトルク伝達歯車32とを備えている。サセプタ31は、その軸線を中心に回転可能なように軸受5によって支持板4に支持されており、サセプタ31の外周面に形成された歯部31Aが、トルク伝達歯車32の歯部32Aと噛み合っている。そして、トルク伝達歯車32に取り付けられた第1駆動軸35が電動式の第1駆動モータM1により回転駆動されることにより、サセプタ31がサセプタ31の軸線を中心に回転する構成となっている。
【0019】
すなわち、保持体であるサセプタ31を回転させるための第1の回転駆動系統が第1駆動モータM1により駆動制御される構成となっている。なお、サセプタ31に与える駆動力は、電動式のモータを用いる以外にも、サセプタ31の下部に溝を作り気体を吹き付けて回転させる方式をとることができる。また、ロボットによるウエハの自動搬送に関しては、位置決め精度を向上させるために、エンコーダー付きのステッピングモータやサーボモータを使用することができる。
【0020】
上述の如くして回転駆動されるサセプタ31の上面31B上でウエハを回転させることができるようにするため、上面31B上には、衛星歯車36が回転可能なように設けられている。図示の実施の形態においては、上面31B上でウエハを4枚同時に回転させることができるようにするため、90°間隔で4つ設けられている。しかし、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、上面31B上で回転させるウエハの数は2枚以上任意の枚数のウエハを同時に回転させるように構成されたものであってもよい。
【0021】
衛星歯車36は、外周面に歯部36Aが設けられていると共に、その上面にウエハSを収容しておくための凹部36Bが形成され、且つその下面には回転軸部36Cが一体に形成されている。一方、サセプタ31の上面31Bには、衛星歯車36を受け入れるための凹部として形成されている歯車収容部31Cが90°間隔で4つ形成されており、これらの歯車収容部31C内に衛星歯車36を収容することで、衛星歯車36が、サセプタ31上に回転自在に設けられる構成となっている。ここで、各衛星歯車36の回転中心はサセプタ31の回転中心とは異なっている。
【0022】
図3には、衛星歯車36のサセプタ31への取り付けの様子が拡大して示されている。本実施の形態では、歯車収容部31Cの底部に設けられたベアリング収容部31Ca内にベアリング37が収容されて取り付けられており、衛星歯車36は、その回転軸部36Cがベアリング37によって回転自在に支持されるようにして歯車収容部31C内に配設されている。
【0023】
このようにして、衛星歯車36とサセプタ31の嵌めあい部には、ベアリング37が装着され、衛星歯車36は歯車収容部31C内で回転自在なようにしてサセプタ31に取り付けられているので、サセプタ31を固定したままでも、太陽歯車39を回転させることによって、各衛星歯車36のスムーズな自転が得られる構造となっている。ベアリング37は摺動を伴うことと耐熱性が必要であることから、ベアリング37を用いる場合は、その材質として黒鉛や窒化ホウ素を用いることが好ましい。また、炭化ケイ素や窒化ケイ素からなるセラミックス製のボールベアリングをベアリング37として用いることができる。
【0024】
図1及び図2に戻ると、サセプタ31がその軸線を中心に回転している状態で4つの衛星歯車36を各回転軸部36Cを中心にサセプタ31上で回転させるため、サセプタ31の中心部には太陽歯車39が設けられている。太陽歯車39には第2駆動モータM2により回転駆動される第2駆動軸40が取り付けられている。太陽歯車39は、サセプタ31と同軸に配置されており、太陽歯車39の歯部39Aは、4つの衛星歯車36の各歯部36Aと噛み合っている。したがって、第2駆動モータM2により太陽歯車39を回転させることにより、これに同期して4つの衛星歯車36を各回転軸部36Cを中心に同時に回転させることができる。すなわち、ウエハSを保持体であるサセプタ31上で回転させるための第2の回転駆動系統が第2駆動モータM2により駆動制御される構成となっている。
【0025】
なお、図2では、各歯部31A、32A、36A、39Aについて、図面の簡単化のためそれぞれの一部を歯の形状に示し他の部分を二重線で示したが、それぞれ全周にわたって歯が形成されている。
【0026】
ここで、衛星歯車36と太陽歯車39の歯車の種類は、平歯車、はすば歯車、やまば歯車、ねじ歯車等を用いることができる。また、サセプタ31とトルク伝達歯車32については、前記の歯車以外にも、フェースギヤ、かさ歯車、ウォームギヤ、ハイポイドギヤを用いることができる。また、太陽歯車39、衛星歯車36、サセプタ31の材質は黒鉛、窒化ホウ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミ、ステンレス、モリブデン、タングステン、チタン等とすることができるが、摺動を伴うため、黒鉛、窒化ホウ素等の自己摺動性が高い材料を用いることが好ましい。また、使用するガスの種類によっては耐食性を持たせるために、黒鉛や窒化ホウ素の表面を炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミでコーティングすることにより、使用寿命を伸ばすことができる。しかしながら、本発明は歯車の種類や歯車の材質によって限定されるものではない。
【0027】
基板回転・保持装置3は上述の如く構成されているので、サセプタ31上の4つの衛星歯車36の各凹部36B内にそれぞれウエハSを収容して設けた状態とし、トルク伝達歯車32の第1駆動軸35を第1駆動モータM1により回転させると、トルク伝達歯車32が第1駆動軸35と同軸に回転し、このときサセプタ31の歯部31Aはトルク伝達歯車32の歯部32Aに噛み合って設けられているためサセプタ31は回転し、このため衛星歯車36上のウエハSは太陽歯車39の第2駆動軸40を中心とした公転運動をすることができる。
【0028】
一方、太陽歯車39の第2駆動軸40を第2駆動モータM2により回転させると、太陽歯車39が回転する。サセプタ31上に設けられている衛星歯車36の歯部36Aは太陽歯車39の歯部39Aに噛み合って設けられているため、衛星歯車36はサセプタ31上で回転し、このため衛星歯車36上のウエハSは衛星歯車36の回転軸部36Cを中心とした自転運動をする。
【0029】
このように、サセプタ31上に設けられた各ウエハSは、反応器2内において第1駆動モータM1と第2駆動モータM2とにより公転運動と自転運動とを独立して行うことができるので、例えば成膜しようとする半導体結晶薄膜の品質を所定レベルに維持するために成長速度をある程度高く設定することによりウエハを比較的高速で公転させる必要が生じた場合であっても、ウエハの自転速度をこの公転速度に拘らず適切な自転速度に独立して設定することができる。
【0030】
この結果、ウエハの公転速度を比較的高く設定した場合にこれに関連してウエハが高速で自転してしまうという不具合が容易に解決されるので、ウエハが高速で自転することによって反応器内の原料ガスの流れが乱されることなく、且つ反応器内に存在している微粒子体がウエハの高速回転により生じた気体の流れにより舞い上がり、これがウエハ表面に付着する等の不具合を防止することができ、高品質の半導体結晶薄膜を得ることができる。
【0031】
図4は本発明による気相成長装置の他の実施の形態を示す断面図であり、図4に示されているのは半導体ウエハの成長面が下向きにセットされるようになっているフェイスダウン方式の気相成長装置101である。気相成長装置101は、ウエハS100の成長面を下向きにしてサセプタに取り付けるようにした点を除いて気相成長装置1と基本的に同様の構成となっている。
【0032】
気相成長装置101は、原料ガスの導入口102Aと排出口102Bとを備えた全体として中空円柱状の形態をなす反応器102を備え、反応器102は、半導体ウエハを保持して自公転させることができるように構成されている。本実施の形態では、半導体ウエハを自転及び公転させるため2つの独立した駆動力を有するように構成された基板回転・保持装置103が反応器102内に設けられている。反応器102内には、円環状の支持板104が適宜の手段により固定されており、基板回転・保持装置103は軸受105を介して支持板104によって回転自在に支持されている。107はウエハ加熱用のヒータである。
【0033】
基板回転・保持装置103は、中空円柱体の形態をなすサセプタ131と、サセプタ131に回転力を与えるための歯車部材であるトルク伝達歯車132とを備えている。サセプタ131の外周面に形成された歯部131Aは、トルク伝達歯車132の歯部132Aと噛み合っており、トルク伝達歯車132に取り付けられた第1駆動軸135が第1駆動モータM101により回転駆動されることにより、サセプタ131がその軸線を中心に回転する構成となっている。
【0034】
一方、サセプタ131には、上部外周面に歯部201Aが設けられている中空円筒状の衛星歯車201が90°間隔に4つ設けられている。衛星歯車201は、それぞれ、下端部に円環状の爪部201Bが形成されて公知の適宜の方法でウエハS100を保持することができるよう形成されている。サセプタ131内には、上述の如く構成されている衛星歯車201を受け入れるための歯車収容部202が90°間隔で4つ形成されている。これらの歯車収容部202内に衛星歯車201を収容することで、衛星歯車201が、サセプタ131内に回転自在に設けられる構成となっている。
【0035】
4つの衛星歯車201の各軸を回転中心として回転させるため、サセプタ131の中心部には太陽歯車139が設けられている。太陽歯車139には第2駆動モータM102により回転駆動される第2駆動軸140が取り付けられている。太陽歯車139は、サセプタ131と同軸に配置されており、太陽歯車139の歯部139Aは、4つの衛星歯車201の各歯部201Aと噛み合っている。したがって、第2駆動モータM102により太陽歯車139を回転させることにより、これに同期して4つの衛星歯車201をサセプタ131上で同時に回転させることができる。
【0036】
基板回転・保持装置103は上述の如く構成されているので、サセプタ131内の各衛星歯車201にそれぞれウエハS100を取り付けた状態とし、トルク伝達歯車132の第1駆動軸135を第1駆動モータM101により回転させると、トルク伝達歯車132が回転し、サセプタ131を回転させることができる。この結果、衛星歯車201に取り付けられたウエハS100は第1駆動モータM101の駆動力により太陽歯車139の第2駆動軸140を中心とした公転運動をすることができる。
【0037】
一方、太陽歯車139を第2駆動モータM102により回転させると、太陽歯車139の回転に同期して各衛星歯車201が回転し、各衛星歯車201に取り付けられたウエハS100を衛星歯車201中心を中心軸として自転運動させることができる。
【0038】
このように、サセプタ131に取り付けられた各ウエハS100は、反応器102内において公転運動と自転運動とを独立して制御することができるので、フェイスダウン方式の気相成長装置101によっても、図1に示したフェイスアップ方式の気相成長装置1の場合と同様の効果を得ることができる。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、上述の如く、反応器内に保持体を介して設置された半導体ウエハを自公転させることができるように構成された気相成長装置において、保持体を回転させるための第1の回転駆動系統と、半導体ウエハを保持体上で回転させるための第2の回転駆動系統とを備え、第1の回転駆動系統と第2の回転駆動系統とが別の駆動源を用いて独立して回転制御されるようにし、これにより保持体上に保持されている半導体ウエハが公転運動と自転運動とを独立して行うことができるようにしたので、成膜しようとする半導体結晶薄膜の品質を所定レベルに維持するために成長速度をある程度高くし、ウエハを短時間のうちに反応器内で公転させようとする場合であっても、ウエハの自転速度をこの公転速度に拘らず適切な速度に独立して設定することができる。
【0040】
この結果、ウエハの公転速度を比較的高く設定した場合にこれに関連してウエハが高速で自転してしまうという不具合が容易に解決されるので、ウエハが高速で自転することによって反応器内の原料ガスの流れが乱されることなく、且つ反応器内に存在している微粒子体がウエハの高速回転により生じた気体の流れにより舞い上がり、これがウエハ表面に付着する等の不具合を防止することができ、高品質の半導体結晶薄膜を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による気相成長装置の実施の形態の一例を示す断面図。
【図2】図1の基板保持・回転装置の拡大平面図。
【図3】図1の基板回転・保持装置本体の一部拡大断面図。
【図4】本発明による気相成長装置の他の実施の形態を示す断面図。
【符号の説明】
1、101 気相成長装置
2、102 反応器
2A、102A 導入口
2B、102B 排出口
3、103 基板回転・保持装置
31、131 サセプタ
32、132 トルク伝達歯車
36、201 衛星歯車
39、139 太陽歯車
M1、M101 第1駆動モータ
M2、M102 第2駆動モータ
S、S100 半導体ウエハ
Claims (4)
- 反応器内に保持体を介して設置された半導体ウエハを自公転させることができるように構成された気相成長装置において、
前記保持体を回転させるための第1の回転駆動系統と、
前記半導体ウエハを前記保持体上で回転させるための第2の回転駆動系統とを備え、
前記第1の回転駆動系統と前記第2の回転駆動系統とが別の駆動源を用いて独立して回転制御されるように構成されたことを特徴とする気相成長装置。 - 前記第1の回転駆動系統が、前記保持体を回転させるための駆動トルクを前記保持体に与えるように構成されている請求項1記載の気相成長装置。
- 前記第2の回転駆動系統が、前記ウエハを取り付けて前記保持体上で回転する衛星歯車と、該衛星歯車を回転させるため前記ウエハの公転中心に設けられた太陽歯車とを含んで構成される請求項1又は2記載の気相成長装置。
- 前記衛星歯車がベアリングを介して前記保持体に対して回転可能に設けられている請求項3記載の気相成長装置。
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