JP2004055501A - プラズマ表示装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】放電開始電圧の変動や輝度の低下が生じ難く、画面の焼き付き現象を低減し、信頼性に優れ長寿命なプラズマ表示装置およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】内側に放電維持電極12と誘電体層14とが形成された第1パネル10と、第1パネル10の内側に放電空間4が形成されるように張り合わされる第2パネル20とを有し、誘電体層14のトラップ密度および/または可動金属イオン密度が、1×1018個/cm3 以下、好ましくは1×1017個/cm3 以下であることを特徴とするプラズマ表示装置。または、誘電体層を流れるリーク電流密度が、3.0×10−9 A/cm2 以下である。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマ表示装置およびその製造方法に係り、さらに詳しくは、維持電極上に形成される誘電体層のトラップ密度および/または可動金属イオン密度および/またはリーク電流密度、あるいはアドレス電極上に形成される誘電体膜のトラップ密度および/または可動金属イオン密度および/またはリーク電流密度に特徴を持つプラズマ表示装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在主流の陰極線管(CRT)に代わる画像表示装置として、平面型(フラットパネル形式)の表示装置が種々検討されている。このような平面型の表示装置として、液晶表示装置(LCD)、エレクトロルミネッセンス表示装置(ELD)、プラズマ表示装置(PDP:プラズマ・ディスプレイ)を例示することができる。中でも、プラズマ表示装置は、大画面化や広視野角化が比較的容易であること、温度、磁気、振動等の環境要因に対する耐性に優れること、長寿命であること等の長所を有し、家庭用の壁掛けテレビの他、公共用の大型情報端末機器への適用が期待されている。
【0003】
プラズマ表示装置は、希ガスから成る放電ガスを放電空間内に封入した放電セルに電圧を印加して、放電ガス中でのグロー放電に基づき発生した紫外線で放電セル内の蛍光体層を励起することによって発光を得る表示装置である。つまり、個々の放電セルは蛍光灯に類似した原理で駆動され、放電セルが、通常、数十万個のオーダーで集合して1つの表示画面が構成されている。プラズマ表示装置は、放電セルへの電圧の印加方式によって直流駆動型(DC型)と交流駆動型(AC型)とに大別され、それぞれ一長一短を有する。
【0004】
AC型プラズマ表示装置は、表示画面内で個々の放電セルを仕切る役割を果たす隔壁を、たとえばストライプ状に形成すればよいので、高精細化に適している。しかも、放電のための電極の表面が誘電体層で覆われているので、かかる電極が磨耗し難く、長寿命であるといった長所を有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
現在商品化されているAC型プラズマ表示装置では、第1基板の内面に形成された維持電極上に、誘電体層を形成してあり、その誘電体層は、通常、ペースト印刷されて焼成されたガラスで構成してある。AC型プラズマ表示装置では、この誘電体層表面に電荷を蓄積させ、電極に逆向きの電圧を印加することで、蓄積された電荷を放出し、プラズマを発生させている。この放電で発生した紫外線により蛍光体を励起し表示に用いている。そして、誘電体層の放電空間側内面には、保護膜が形成してある。
【0006】
ところが、ペースト印刷法で誘電体層を形成したAC型プラズマ表示装置では、保護膜の劣化が問題となっている。この劣化の要因として、保護膜と維持電極との間に形成される誘電体層の膜質が重要な役割を果たしていると考えられる。すなわち、この誘電体層のトラップ密度が大きい場合には、このトラップに電子またはホールが捕獲されて電位を発生する。特に、シリコン酸化物系の誘電体層では、OH基による電子トラップが多く発生することが知られている。このOH基などによるトラップは、電子トラップを作る。このトラップにより捕獲された電子の作り出す電位により、絶縁体である保護膜のスパッタリングが進んでしまうと考えられる。また、誘電体層におけるトラップ密度のみでなく、誘電体層における可動金属イオン密度および/またはリーク電流密度も、誘電体層の特性に影響を与える大きなファクターであることが、本発明者等の最近の研究により判明している。
【0007】
従来のペースト印刷法で低融点ガラスから成る薄い誘電体層を形成したAC型プラズマ表示装置では、誘電体層の特性の変化により保護膜のスパッタリングが生じやすく、そのため、放電開始電圧の変動や輝度の低下が生じやすく、信頼性の点で難点を有している。
【0008】
本発明は、このような実情に鑑みて成され、本発明の目的は、放電開始電圧の変動や輝度の低下が生じ難く、画面の焼き付き現象を低減し、信頼性に優れ長寿命なプラズマ表示装置およびその製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段および作用】
本発明者は、本発明の目的を達成すべく鋭意検討した結果、誘電体層におけるトラップ密度および/または可動金属イオン密度および/またはリーク電流密度を所定値以下にすることで、放電開始電圧の変動(駆動電圧変動)や輝度の低下が生じ難くなること、信頼性および寿命が向上することを見出し、本発明を完成させるに至った。なお、誘電体層におけるトラップ密度および/または可動金属イオン密度を所定値以下にすることで、放電開始電圧の変動(駆動電圧変動)や輝度の低下が生じ難くなり、信頼性および寿命が向上するのは、トラップに捕獲される電子の作り出す電位による保護膜のスパッタリングを避けることが可能になるためと考えられる。または、誘電体層の膜質を向上させることで、誘電体層中にトラップされる電荷の量が減り、トラップされた電荷の作り出す電位の影響を小さくできることによると考えられる。
【0010】
また、誘電体層におけるリーク電流密度を所定値以下にすることで、放電開始電圧の変動(駆動電圧変動)や輝度の低下が生じ難くなり、信頼性および寿命が向上するのは、リーク電流による誘電体膜の特性の劣化を避けることが可能になるためと考えられる。または、誘電体層の膜質を向上させることで、誘電体層中を流れるリーク電流が減り、リーク電流による誘電体膜の特性の劣化を小さくできることによると考えられる。
【0011】
また、本発明者等は、誘電体層におけるトラップ密度および/または可動金属イオン密度および/またはリーク電流密度を所定値以下にすることで、画面の焼き付き現象の一因と考えられる画面の位置による電圧変動を防止できることも見出した。
【0012】
本発明の第1の観点に係るプラズマ表示装置は、
内側に放電維持電極と誘電体層とが形成された第1パネルと、
前記第1パネルの内側に放電空間が形成されるように張り合わされる第2パネルとを有し、
前記誘電体層のトラップ密度が、1×1018個/cm3 以下であることを特徴とする。
【0013】
本発明の第2の観点に係るプラズマ表示装置は、
内側に放電維持電極と誘電体層とが形成された第1パネルと、
前記第1パネルの内側に放電空間が形成されるように張り合わされる第2パネルとを有し、
前記誘電体層の可動金属イオン密度が、1×1018個/cm3 以下であることを特徴とする。
【0014】
本発明の第3の観点に係るプラズマ表示装置は、
内側に放電維持電極と誘電体層とが形成された第1パネルと、
前記第1パネルの内側に放電空間が形成されるように張り合わされる第2パネルとを有し、
前記誘電体層を流れるリーク電流密度が、3.0×10−9 A/cm2 以下であることを特徴とする。
【0015】
本発明において、前記誘電体層のトラップ密度が、1×1018個/cm3 以下、または前記誘電体層の可動金属イオン密度が、1×1018個/cm3 以下、あるいは前記誘電体層を流れるリーク電流密度が、3.0×10−9 A/cm2 以下である場合には、前記誘電体層に加わる電界強度が、7×104 V/cm以下であることが好ましい。
【0016】
あるいは、前記誘電体層に加わる電界強度をEとし、前記誘電体層のトラップ密度または可動金属イオン密度をNとした場合に、以下の関係式(1)を満足するようにしても良い。
LogN≦−E・10−4/23+18+7/23   …(1)
すなわち、誘電体層の厚みを20〜40μm程度に厚く設定することなどにより、電界強度を比較的に低く設定することができ、誘電体層への注入電荷量そのものを大幅に減らすことができる。その結果、注入された電荷による負電位の発生を抑制することができ、保値膜のスバッタリングが加速されないようにすることができる。又、電荷分布の変動を抑制することができる。また、前記誘電体層に加わる電界強度を低く設定することで、誘電体層に既に注入された電荷の膜中分布が変化することも避けられる。このため、前記誘電体層のトラップ密度を、1×1018個/cm3 以下、または前記誘電体層の可動金属イオン密度を、1×1018個/cm3 以下に設定すればよい。
【0017】
または、前記誘電体層に加わる電界強度をEとし、前記誘電体層に流れるリーク電流密度をJとした場合に、以下の関係式(2)を満足するようにしても良い。
Log J ≦−8.70×E×10−6−7.91 … (2)
すなわち、誘電体層の厚みを20〜40μm程度に厚く設定することなどにより、電界強度を比較的に低く設定することができ、誘電体層を流れるリーク電流そのものを大幅に減らすことができる。その結果、誘電体膜の劣化による特性の変化を抑えることができる。このため、前記誘電体層を流れるリーク電流密度を、3.0×10 A/cm2 以下に設定すればよい。
【0018】
また、本発明において、誘電体層のトラップ密度が、1×1017個/cm以下、または前記誘電体層の可動金属イオン密度が、1×1017個/cm以下、あるいは誘電体層を流れるリーク電流密度が、1×10−10 A/cm2 以下であることが好ましい。
【0019】
この場合には、前記誘電体層に加わる電界強度が、30×104 V/cm以下であることが好ましい。すなわち、誘電体層の膜厚が、20μm以下、さらに10μm以下、特に6μm以下程度に薄い場合には、電界強度が高くなるが、その場合には、誘電体層のトラップ密度が、1×1017個/cm以下、または前記誘電体層の可動金属イオン密度が、1×1017個/cm以下、または誘電体層を流れるリーク電流密度が、1×10−10 A/cm2 以下であることが好ましい。
【0020】
好ましくは、前記誘電体層のトラップ密度および/または可動金属イオン密度が、1×1017個/cm3 以下で1×109 個/cm3 以上であり、さらに好ましくは、5×1016個/cm3 以下である。本発明において、トラップ密度および/または可動金属イオン密度は、低いほど好ましいが、その下限は、製造方法などによる制約のために限界がある。
【0021】
好ましくは、前記誘電体層を流れるリーク電流密度が、1×10−10 A/cm以下で1×10−12 A/cm2 以上であり、さらに好ましくは、1×10−11 A/cm2 以下である。本発明において、リーク電流密度は、低いほど好ましいが、その下限は、製造方法などによる制約のために限界がある。
【0022】
前記各放電維持電極の長手方向に沿って形成されたバス電極と前記誘電体層との間には、バス電極から前記誘電体層への金属の拡散防止あるいはキャリアの注入防止のために、数nm〜数十nmの厚さのバリア層が形成してあることが好ましい。このバリア層を形成することは、前記誘電体層への金属イオンの拡散を防止して前記誘電体層の可動金属イオン密度を増加させない効果がある。たとえば、Ag,Na,Cr,Cu,Co,Fe,Niなどの金属は、可動イオンとなり易いので、金属電極から成るバス電極の内側に低融点ガラスなどで構成される誘電体層を、塗布焼成法により形成する場合には、バス電極からの金属の拡散を防止するために、バリア層を形成することが好ましい。バリア層としては、たとえば窒素を含むシリコン酸化物であるオキシナイトライドシリコン(SiON)膜や窒化チタン(TiN)膜などが用いられる。
【0023】
好ましくは、前記誘電体層の放電空間側表面には保護膜が形成され、前記誘電体層と保護膜との間には、誘電体層へのキャリア注入を低減させるために、あるいはリーク電流を低減させるために、厚さ数nm〜数十nm程度のバリア層を形成しても良い。そのバリア層は、たとえばSiON膜で構成される。
【0024】
好ましくは、前記誘電体層が、真空成膜法あるいはCVD法により成膜されたSiO2−x (ただし、xは0≦x<1.0)膜である。または、前記誘電体層が、真空成膜法あるいはCVD法により成膜された窒素を含むシリコン酸化物(SiON)膜である。これらのシリコン酸化物膜は、トラップ密度および/または可動金属イオン密度が、1×1017個/cm3 以下の膜となり易いと共に、リーク電流密度が1×10−10 A/cm2 以下の膜となり易い。
【0025】
なお、前記誘電体層としては、塗布法、印刷法あるいはドライフィルム法により形成され、焼成したガラスペースト誘電体膜であっても良い。あるいは、前記誘電体層としては、化学気相法により成膜された酸化物あるいは窒化物誘電体膜であってもよい。あるいは、記誘電体層としては、化学気相法により成膜された窒素を含む酸化物誘電体膜であってもよい。
【0026】
本発明に係るプラズマ表示装置は、好ましくは、交流駆動型のプラズマ表示装置であり、前記第2パネルの内側には、アドレス電極と、前記放電空間を仕切る隔壁と、前記隔壁間に配置された蛍光体層とが形成してある。
【0027】
好ましくは、前記アドレス電極の放電空間側の内側には、誘電体膜が形成してあり、
前記誘電体膜のトラップ密度が、1×1018個/cm3 以下(さらに好ましくは1×1017個/cm3 以下)である。
【0028】
好ましくは、前記アドレス電極の放電空間側の内側には、誘電体膜が形成してあり、
前記誘電体膜の可動金属イオン密度が、1×1018個/cm3 以下(さらに好ましくは1×1017個/cm3 以下)である。
【0029】
好ましくは、前記アドレス電極の放電空間側の内側には、誘電体膜が形成してあり、
前記誘電体膜のリーク電流密度が、3.0×10−9A/cm2 以下(さらに好ましくは1×10−10 A/cm2 以下)である。
【0030】
アドレス電極によるアドレス放電(データ書き込み放電)に際しても、一対の放電維持電極間の放電と同様なことが言える。このため、アドレス電極の内側に形成される誘電体膜に関しても、その膜中のトラップ密度および/または可動金属イオン密度および/またはリーク電流密度は、放電維持電極に積層される誘電体層と同様な密度であることが好ましい。
【0031】
本発明の第1の観点に係るプラズマ表示装置の製造方法は、
内側に放電維持電極と誘電体層とが形成された第1パネルと、前記第1パネルの内側に放電空間が形成されるように張り合わされる第2パネルとを有するプラズマ表示装置を製造する方法であって、
前記誘電体層をシリコン酸化物膜で形成する際に、スパッタリング装置に導入される雰囲気ガス中の酸素ガスの分圧が15%以上となるように、スパッタリング法を用いて成膜を行い、トラップ密度が、1×1018個/cm3 以下(好ましくは1×1017個/cm3 以下)である前記誘電体層を形成することを特徴とする。なお、雰囲気ガスとしては、アルゴンガスなどの不活性ガスを主成分とするガスが用いられる。
【0032】
本発明のその他の観点に係るプラズマ表示装置の製造方法は、内側に放電維持電極と誘電体層とが形成された第1パネルと、前記第1パネルの内側に放電空間が形成されるように張り合わされる第2パネルとを有するプラズマ表示装置を製造する方法であって、
前記誘電体層を酸化物膜で形成する際に、基板温度が350℃以上630℃以下となるように、化学気相法を用いて成膜を行い、トラップ密度が、1×1018個/cm3 以下である前記誘電体層を形成することを特徴とする。
【0033】
本発明のその他の観点に係るプラズマ表示装置の製造方法は、内側に放電維持電極と誘電体層とが形成された第1パネルと、前記第1パネルの内側に放電空間が形成されるように張り合わされる第2パネルとを有するプラズマ表示装置を製造する方法であって、
前記誘電体層を低融点ガラス膜で形成する際に、形成温度が500℃以上630℃以下となるように、焼成を行い、トラップ密度が、1×1018個/cm以下である前記誘電体層を形成することを特徴とする。
【0034】
本発明のその他の観点に係るプラズマ表示装置の製造方法は、内側に放電維持電極と誘電体層とが形成された第1パネルと、前記第1パネルの内側に放電空間が形成されるように張り合わされる第2パネルとを有するプラズマ表示装置を製造する方法であって、
前記第2パネルにおけるアドレス電極の放電空間側の内側には、誘電体膜が形成してあり、前記誘電体膜を低融点ガラス膜で形成する際に、形成温度が500℃以上630℃以下となるように、焼成を行い、トラップ密度が、1×1018個/cm3 以下である前記誘電体層を形成することを特徴とする。
【0035】
本発明のその他の観点に係るプラズマ表示装置の製造方法は、
内側に放電維持電極と誘電体層とが形成された第1パネルと、前記第1パネルの内側に放電空間が形成されるように張り合わされる第2パネルとを有するプラズマ表示装置を製造する方法であって、
前記誘電体層をシリコン酸化物膜で形成する際に、スパッタリング装置に導入される雰囲気ガス中の酸素ガスの分圧が15%以上となるように、スパッタリング法を用いて成膜を行い、リーク電流密度が、3.0×10−9A/cm2 以下(好ましくは1×10−10 A/cm2 以下)である前記誘電体層を形成することを特徴とする。なお、雰囲気ガスとしては、アルゴンガスなどの不活性ガスを主成分とするガスが用いられる。
【0036】
本発明のその他の観点に係るプラズマ表示装置の製造方法は、内側に放電維持電極と誘電体層とが形成された第1パネルと、前記第1パネルの内側に放電空間が形成されるように張り合わされる第2パネルとを有するプラズマ表示装置を製造する方法であって、
前記誘電体層を酸化物膜で形成する際に、基板温度が350℃以上630℃以下となるように、化学気相法を用いて成膜を行い、リーク電流密度が、3.0×10 A/cm2 以下である前記誘電体層を形成することを特徴とする。
【0037】
本発明のその他の観点に係るプラズマ表示装置の製造方法は、内側に放電維持電極と誘電体層とが形成された第1パネルと、前記第1パネルの内側に放電空間が形成されるように張り合わされる第2パネルとを有するプラズマ表示装置を製造する方法であって、
前記誘電体層を低融点ガラス膜で形成する際に、形成温度が500℃以上630℃以下となるように、焼成を行い、リーク電流密度が、3.0×10−9A/cm2 以下である前記誘電体層を形成することを特徴とする。
【0038】
本発明のその他の観点に係るプラズマ表示装置の製造方法は、内側に放電維持電極と誘電体層とが形成された第1パネルと、前記第1パネルの内側に放電空間が形成されるように張り合わされる第2パネルとを有するプラズマ表示装置を製造する方法であって、
前記第2パネルにおけるアドレス電極の放電空間側の内側には、誘電体膜が形成してあり、前記誘電体層を低融点ガラス膜で形成する際に、形成温度が500℃以上630℃以下となるように、焼成を行い、リーク電流密度が、3×10  A/cm2 以下である前記誘電体層を形成することを特徴とする。
【0039】
本発明において、誘電体層におけるトラップ密度は、たとえば高濃度ドーピングSi基板などの半導体の表面に、測定すべき誘電体層と、金属電極を形成し、CV(容量−電圧)測定のバイアス印加によるヒステリスから測定することができる。また、本発明において、誘電体層における可動金属イオン密度は、たとえばBT(電界−温度)ストレス法から測定することができる。
【0040】
また、本発明において、誘電体層におけるリーク電流密度は、たとえば高濃度ドーピングSi基板などの半導体の表面に、測定すべき誘電体層と、金属電極を形成し、電流電圧特性(IV特性)の測定からもとめることができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
【0042】
図1は本発明の一実施形態に係るプラズマ表示装置の要部概略断面図、図2は本発明の実施例および比較例に係るプラズマ表示装置の輝度劣化を示すグラフ、図3は本発明の実施例および比較例に係るプラズマ表示装置の電圧寿命を示すグラフ、図4は本発明の他の実施形態に係るプラズマ表示装置の放電開始電圧変動を示すグラフ、図5は本発明の他の実施例に係るプラズマ表示装置におけるトラップ密度とライフテストとの関係を示すグラフ、図6は本発明の実施例に係るプラズマ表示装置における電界強度とライフテストとの関係を示すグラフ、図7は本発明に係るプラズマ表示装置における電界強度とトラップ密度との関係を示すグラフ、図8は本発明のその他の実施例および比較例に係るプラズマ表示装置の放電開始電圧変動とライフテストとの関係を示すグラフ、図9は本発明の他の実施例および比較例に係るプラズマ表示装置の放電開始電圧変動とライフテストとの関係を示すグラフ、図10は本発明の実施例および比較例に係るプラズマ表示装置における誘電体膜の電界強度とリーク電流密度の関係を示すグラフ、図11は本発明に係るプラズマ表示装置における電界強度とリーク電流との関係を示すグラフである。
【0043】
第1実施形態
プラズマ表示装置の全体構成
まず、図1に基づき、交流駆動型(AC)型プラズマ表示装置(以下、単に、プラズマ表示装置と呼ぶ場合がある)の全体構成について説明する。
【0044】
図1に示すAC型プラズマ表示装置2は、いわゆる3電極型に属し、1対の放電維持電極12の間で放電が生じる。このAC型プラズマ表示装置2は、フロントパネルに相当する第1パネル10と、リアパネルに相当する第2パネル20とが貼り合わされて成る。第2パネル20上の蛍光体層25R,25G,25Bの発光は、たとえば、第1パネル10を通して観察される。すなわち、第1パネル10が、表示面側となる。
【0045】
第1パネル10は、透明な第1基板11と、第1基板11上にストライプ状に設けられ、透明導電材料から成る複数の一対の放電維持電極12と、放電維持電極12のインピーダンスを低下させるために設けられ、放電維持電極12よりも電気抵抗率の低い材料から成るバス電極13と、バス電極13および放電維持電極12上を含む第1の基板11上に形成された誘電体層14と、その上に形成された保護層15とから構成されている。なお、保護層15は、必ずしも形成されている必要はないが、形成されていることが好ましい。
【0046】
一方、第2パネル20は、第2基板21と、第2基板21上にストライプ状に設けられた複数のアドレス電極(データ電極とも呼ばれる)22と、アドレス電極22上を含む第2基板21上に形成された誘電体膜23と、誘電体膜23上であって隣り合うアドレス電極22の間の領域に形成された絶縁性の隔壁24と、誘電体膜23上から隔壁24の側壁面上に亘って設けられた蛍光体層とから構成されている。蛍光体層は、赤色蛍光体層25R、緑色蛍光体層25G、および青色蛍光体層25Bから構成されている。
【0047】
図1は、表示装置の一部分解斜視図であり、実際には、第2パネル20側の隔壁24の頂部が第1パネル10側の保護層15に当接している。一対の放電維持電極12と、2つの隔壁24の間に位置するアドレス電極22とが重複する領域が、単一の放電セルに相当する。そして、隣り合う隔壁24と蛍光体層25R,25G,25Bと保護層15とによって囲まれた放電空間4内には、放電ガスが封入されている。第1パネル10と第2パネル20とは、それらの周辺部において、フリットガラスを用いて接合されている。
【0048】
放電空間4内に封入される放電ガスとしては、特に限定されないが、キセノン(Xe)ガス、ネオン(Ne)ガス、ヘリウム(He)ガス、アルゴン(Ar)ガス、窒素(N2)ガス等の不活性ガス、あるいはこれらの不活性ガスの混合ガスなどが用いられる。封入されている放電ガスの全圧は、特に限定されないが、6×103 Pa〜8×104 Pa程度である。
【0049】
放電維持電極12の射影像が延びる方向とアドレス電極22の射影像が延びる方向とは略直交(必ずしも直交する必要はないが)しており、一対の放電維持電極12と、3原色を発光する蛍光体層25R,25G,25Bの1組とが重複する領域が1画素(1ピクセル)に相当する。グロー放電が一対の放電維持電極12間で生じることから、このタイプのプラズマ表示装置は「面放電型」と称される。このプラズマ表示装置の駆動方法については、後述する。
【0050】
本実施形態のプラズマ表示装置2は、いわゆる反射型プラズマ表示装置であり、蛍光体層25R,25G,25Bの発光は、第1パネル10を通して観察されるので、アドレス電極22を構成する導電性材料に関して透明/不透明の別は問わないが、放電維持電極12を構成する導電性材料は透明である必要がある。なお、ここで述べる透明/不透明とは、蛍光体層材料に固有の発光波長(可視光域)における導電性材料の光透過性に基づく。即ち、蛍光体層から射出される光に対して透明であれば、放電維持電極やアドレス電極を構成する導電性材料は透明であると言える。
【0051】
不透明な導電性材料として、Ni,Al,Au,Ag,Al,Pd/Ag,Cr,Ta,Cu,Ba,LaB6 ,Ca0.2 La0.8 CrO3 等の材料を、単独または適宜組み合わせて用いることができる。透明な導電性材料としては、ITO(インジウム・錫酸化物)やSnO2 を挙げることができる。放電維持電極12またはアドレス電極22は、スパッタ法、蒸着法、スクリーン印刷法、メッキ法等によって形成することができ、フォトリソグラフィ法、サンドブラスト法、リフトオフ法などによってパターン加工される。放電維持電極12の電極幅は、特に限定されないが、200〜400μm程度である。また、これらの対となる電極12相互間の距離は、特に限定されないが、好ましくは5〜150μm程度である。また、アドレス電極22の幅は、たとえば50〜100μm程度である。
【0052】
バス電極13は、典型的には、金属材料、たとえば、Ag,Au,Al,Ni,Cu,Mo,Crなどの単層金属膜、あるいはCr/Cu/Crなどの積層膜などから構成することができる。かかる金属材料から成るバス電極13は、反射型のプラズマ表示装置においては、蛍光体層から放射されて第1基板11を通過する可視光の透過光量を低減させ、表示画面の輝度を低下させる要因となり得るので、放電維持電極全体に要求される電気抵抗値が得られる範囲内で出来る限り細く形成することが好ましい。具体的には、バス電極13の電極幅は、放電維持電極12の電極幅よりも小さく、たとえば30〜200μm程度である。バス電極13は、放電維持電極12などと同様な方法により形成することができる。
【0053】
放電維持電極12の表面に形成される誘電体層14は、本実施形態では、単層のシリコン酸化物(SiO2−x (0≦x<1.0))で構成してあり、そのトラップ密度は、1×1018個/cm以下、特に1×1017個/cm3 以下である。また、その可動金属イオン密度は、1×1018個/cm以下、特に1×1017個/cm3 以下である。さらに、そのリーク電流密度は、3.0×10−9A/cm2 以下、特に1×10−10 A/cm2 以下である。なお、誘電体層14における可動金属イオン密度の上昇を抑えると共に、リーク電流の上昇を抑制するために、バス電極13と誘電体層14との間に、数nm〜数十nm程度のバリア層を形成しても良い。バリア層としては、SiON膜やTiN膜などが例示される。
【0054】
シリコン酸化物層から成る誘電体層14は、本実施形態では、後述するように、スパッタリング法により形成される。誘電体層14の厚みは、特に限定されないが、本実施形態では、1〜10μm、特に7μm以下である。この場合、誘電体層14に加えられる電界強度は、30×104  V/cm以下である。
【0055】
誘電体層14を設けることによって、放電空間4内で発生するイオンや電子が、放電維持電極12と直接に接触することを防止することができる。その結果、放電維持電極12の磨耗を防ぐことができる。誘電体層14は、アドレス期間に発生する壁電荷を蓄積して放電状態を維持するするメモリ機能、過剰な放電電流を制限する抵抗体としての機能を有する。
【0056】
誘電体層14の放電空間側表面に形成してある保護層15は、誘電体層14を保護し、イオンや電子との直接接触を防止する作用を奏する。その結果、放電維持電極12の磨耗を効果的に防ぐことができる。また、保護層15は、放電に必要な2次電子を放出する機能も有する。保護層15を構成する材料として、酸化マグネシウム(MgO)、フッ化マグネシウム(MgF2 )、フッ化カルシウム(CaF2 )を例示することができる。中でも酸化マグネシウムは、化学的に安定であり、スパッタリング率が低く、蛍光体層の発光波長における光透過率が高く、放電開始電圧が低い等の特色を有する好適な材料である。なお、保護層15を、これらの材料から成る群から選択された少なくとも2種類の材料から構成された積層膜構造としてもよい。
【0057】
なお、誘電体層14と保護層15との間には、誘電体層14へのキャリア注入を低減させるために、あるいはリーク電流を低減させるために、厚さ数nm〜数十nm程度のバリア層を形成しても良い。そのバリア層は、たとえばSiON膜で構成される。
【0058】
第1基板11および第2基板21の構成材料として、高歪点ガラス、ソーダガラス(Na2 O・CaO・SiO2 )、硼珪酸ガラス(Na2 O・B2 3 ・SiO2 )、フォルステライト(2MgO・SiO2 )、鉛ガラス(Na2 O・PbO・SiO2 )を例示することができる。第1基板11と第2基板21の構成材料は、同じであっても異なっていてもよいが、熱膨張係数が同じであることが好ましい。
【0059】
蛍光体層25R,25G,25Bは、たとえば、赤色を発光する蛍光体層材料、緑色を発光する蛍光体層材料および青色を発光する蛍光体層材料から成る群から選択された蛍光体層材料から構成され、アドレス電極22の上方に設けられている。プラズマ表示装置がカラー表示の場合、具体的には、たとえば、赤色を発光する蛍光体層材料から構成された蛍光体層(赤色蛍光体層25R)がアドレス電極22の上方に設けられ、緑色を発光する蛍光体層材料から構成された蛍光体層(緑色蛍光体層25G)が別のアドレス電極22の上方に設けられ、青色を発光する蛍光体層材料から構成された蛍光体層(青色蛍光体層25B)が更に別のアドレス電極22の上方に設けられており、これらの3原色を発光する蛍光体層が1組となり、所定の順序に従って設けられている。そして、前述したように、一対の放電維持電極12と、これらの3原色を発光する1組の蛍光体層25R,25G,25Bとが重複する領域が、1画素に相当する。赤色蛍光体層、緑色蛍光体層および青色蛍光体層は、ストライプ状に形成されていてもよいし、格子状に形成されていてもよい。
【0060】
蛍光体層25R,25G,25Bを構成する蛍光体層材料としては、従来公知の蛍光体層材料の中から、量子効率が高く、真空紫外線に対する飽和が少ない蛍光体層材料を適宜選択して用いることができる。カラー表示を想定した場合、色純度がNTSCで規定される3原色に近く、3原色を混合した際の白バランスがとれ、残光時間が短く、3原色の残光時間がほぼ等しくなる蛍光体層材料を組み合わせることが好ましい。
【0061】
蛍光体層材料の具体的な例示を次に示す。たとえば真空紫外線の照射により赤色に発光する蛍光体層材料として、(Y:Eu),(YBO:Eu),(YVO:Eu),(Y0.960.600.40:Eu0.04),[(Y,Gd)BO:Eu],(GdBO:Eu),(ScBO:Eu),(3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn)、真空紫外線の照射により緑色に発光する蛍光体層材料として、(ZnSiO:Mn),(BaA11219:Mn),(BaMgA11627:Mn),(MgGa:Mn),(YBO:Tb),(LuBO:Tb),(SrSiCl:Eu)、真空紫外線の照射により青色に発光する蛍光体層材料として、(YSiO:Ce),(CaWO:Pb),CaWO,YP0.850.15,(BaMgA11423:Eu),(Sr:Eu),(Sr:Sn)などが例示される。
【0062】
蛍光体層25R,25G,25Bの形成方法として、厚膜印刷法、蛍光体層粒子をスプレーする方法、蛍光体層の形成予定部位に予め粘着性物質を付けておき、蛍光体層粒子を付着させる方法、感光性の蛍光体層ペーストを使用し、露光および現像によって蛍光体層をパターニングする方法、全面に蛍光体層を形成した後に不要部をサンドブラスト法により除去する方法を挙げることができる。
【0063】
なお、蛍光体層25R,25G,25Bはアドレス電極22の上に直接形成されていてもよいし、アドレス電極22上から隔壁24の側壁面上に亘って形成されていてもよい。あるいはまた、蛍光体層25R,25G,25Bは、アドレス電極22上に設けられた誘電体膜23上に形成されていてもよいし、アドレス電極22上に設けられた誘電体膜上から隔壁24の側壁面上に亘って形成されていてもよい。更には、蛍光体層25R,25G,25Bは、隔壁24の側壁面上にのみ形成されていてもよい。誘電体膜23の構成材料として、たとえば低融点ガラスやSiO2  を挙げることができる。
【0064】
なお、アドレス電極22によるアドレス放電(データ書き込み放電)の際にも、電圧変動を防止する観点からは、誘電体膜23のトラップ密度または可動金属イオン密度は、1×1018個/cm以下、特に1×1017個/cm以下であることが好ましい。また、誘電体膜23のリーク電流密度は、3.0×10−9A/cm2  以下、特に1×10−10 A/cm2  以下が好ましい。
【0065】
第2基板21には、前述したように、アドレス電極22と平行に延びる隔壁24(リブ)が形成されている。なお、隔壁(リブ)24は、ミアンダ構造を有していてもよい。誘電体膜23が第2基板21およびアドレス電極22上に形成されている場合には、隔壁24は誘電体膜上に形成されている場合もある。隔壁24の構成材料として、従来公知の絶縁材料を使用することができ、たとえば広く用いられている低融点ガラスにアルミナ等の金属酸化物を混合した材料を用いることができる。隔壁24は、たとえば幅が50μm以下程度で、高さが100〜150μm程度である。隔壁24のピッチ間隔は、たとえば100〜400μm程度である。
【0066】
隔壁24の形成方法として、スクリーン印刷法、サンドブラスト法、ドライフィルム法、感光法を例示することができる。ドライフィルム法とは、基板上に感光性フィルムをラミネートし、露光および現像によって隔壁形成予定部位の感光性フィルムを除去し、除去によって生じた開口部に隔壁形成用の材料を埋め込み、焼成する方法である。感光性フィルムは焼成によって燃焼、除去され、開口部に埋め込まれた隔壁形成用の材料が残り、隔壁24となる。感光法とは、基板上に感光性を有する隔壁形成用の材料層を形成し、露光および現像によってこの材料層をパターニングした後、焼成を行う方法である。なお、隔壁24を黒くすることにより、いわゆるブラック・マトリックスを形成し、表示画面の高コントラスト化を図ることができる。隔壁24を黒くする方法として、黒色に着色されたカラーレジスト材料を用いて隔壁を形成する方法を例示することができる。
【0067】
第2基板21上に形成された一対の隔壁24と、一対の隔壁24によって囲まれた領域内を占める放電維持電極12とアドレス電極22と蛍光体層25R,25G,25Bによって1つの放電セルが構成される。そして、かかる放電セルの内部、より具体的には、隔壁によって囲まれた放電空間の内部に、混合ガスから成る放電ガスが封入されており、蛍光体層25R,25G,25Bは、放電空間4内の放電ガス中で生じた交流グロー放電に基づき発生した紫外線に照射されて発光する。
【0068】
プラズマ表示装置の製造方法
次に、本発明の実施形態に係るプラズマ表示装置の製造方法について説明する。 第1パネル10は、以下の方法で作製することができる。先ず、高歪点ガラスやソーダガラスから成る第1基板11の全面にたとえばスパッタリング法によりITO層を形成し、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術によりITO層をストライプ状にパターニングすることによって、一対の放電維持電極12を、複数、形成する。放電維持電極12は、第1の方向に延びている。
【0069】
次に、第1基板11の内面全面に、たとえば蒸着法によりアルミニウム膜を形成し、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術によりアルミニウム膜をパターニングすることによって、各放電維持電極12の縁部に沿ってバス電極13を形成する。その後、バス電極13が形成された第1基板11の内面全面にシリコン酸化物(SiO2  )から成る誘電体層14を形成する。
【0070】
なお、バス電極13と誘電体層14との間にバリア層を形成する場合には、バス電極13が形成された第1基板11の内面全面に、SiONなどのバリア層を形成した後、その内面前面に、シリコン酸化物(SiO2  )から成る誘電体層14を形成する。
【0071】
本実施形態では、誘電体層14の形成に際しては、スパッタリング法を用い、しかも、誘電体層14のトラップ密度および/または可動金属イオン密度が、1×1018個/cm以下、好ましくは1×1017個/cm3 以下となるように、しかも、リーク電流密度は、3.0×10−9A/cm2 以下、特に1×10−10 A/cm2 以下となるように、スパッタリング装置に導入される雰囲気ガス(Arガスを主成分)中の酸素(O2)ガスの分圧(O2 /(Ar+O2 ))を15%以上40%以下となるように制御する。スパッタリングにおける酸素ガスの分圧が低すぎると、得られるシリコン酸化物膜のトラップ密度(および/または可動金属イオン密度および/またはリーク電流密度)が高くなる傾向にあり、逆に高すぎる場合には、成膜が困難になる傾向にある。
【0072】
次に、誘電体層14の上に、電子ビーム蒸着法またはスパッタリング法により厚さ0.6μmの酸化マグネシウム(MgO)から成る保護層15を形成する。なお、誘電体層14と保護層15との間にバリア層を形成する場合には、誘電体層14の上に、SiONなどで構成されるバリア層を形成した後、その上に、保護層15を形成する。以上の工程により第1パネル10を完成することができる。
【0073】
また、第2パネル20を以下の方法で作製する。先ず、高歪点ガラスやソーダガラスから成る第2の基板21上に、たとえば蒸着法によりアルミニウム膜を形成し、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術によりパターニングすることで、アドレス電極22を形成する。アドレス電極22は、第1の方向と直交する第2の方向に延びている。次に、スクリーン印刷法により全面に低融点ガラスペースト層を形成し、この低融点ガラスペースト層を焼成することによって誘電体膜23を形成する。なお、この誘電体膜23は、誘電体層14と同様な方法で成膜しても良い。
【0074】
その後、隣り合うアドレス電極22の間の領域の上方の誘電体膜23上に、たとえばスクリーン印刷法により低融点ガラスペーストを印刷する。その後、この第2基板21を、焼成炉内で焼成し、隔壁24を形成する。この時の焼成(隔壁焼成工程)は、空気中で行い、焼成温度は、560°C程度である。焼成時間は、2時間程度である。
【0075】
次に、第2基板21に形成された隔壁24の間に3原色の蛍光体層スラリーを順次印刷する。その後、この第2基板21を、焼成炉内で焼成し、隔壁24の間の誘電体膜上から隔壁24の側壁面上に亘って、蛍光体層25R,25G,25Bを形成する。その時の焼成(蛍光体焼成工程)温度は、510°C程度である。焼成時間は、10分程度である。
【0076】
次に、プラズマ表示装置の組み立てを行う。即ち、先ず、たとえばスクリーン印刷により、第2パネル20の周縁部にシール層を形成する。次に、第1パネル10と第2パネル20とを貼り合わせ、焼成してシール層を硬化させる。その後、第1パネル10と第2パネル20との間に形成された空間を排気した後、放電ガスを封入し、かかる空間を封止し、プラズマ表示装置2を完成させる。
【0077】
かかる構成を有するプラズマ表示装置の交流グロー放電動作の一例を説明する。先ず、たとえば、全ての一方の放電維持電極12に、放電開始電圧Vbdよりも高いパネル電圧を短時間印加する。これによってグロー放電が生じ、双方の放電維持電極の近傍の誘電体層14の表面に相互に反対極の電荷が付着して、壁電荷が蓄積し、見掛けの放電開始電圧が低下する。その後、アドレス電極22に電圧を印加しながら、表示をさせない放電セルに含まれる一方の放電維持電極12に電圧を印加することによって、アドレス電極22と一方の放電維持電極12との間にグロー放電を生じさせ、蓄積された壁電荷を消去する。この消去放電を各アドレス電極22において順次実行する。一方、表示をさせる放電セルに含まれる一方の放電維持電極には電圧を印加しない。これによって、壁電荷の蓄積を維持する。その後、全ての一対の放電維持電極12間に所定のパルス電圧を印加することによって、壁電荷が蓄積されていたセルにおいては一対の放電維持電極12の間でグロー放電が開始し、放電セルにおいては、放電空間内における放電ガス中でのグロー放電に基づき発生した真空紫外線の照射によって励起された蛍光体層が、蛍光体層材料の種類に応じた特有の発光色を呈する。なお、一方の放電維持電極と他方の放電維持電極に印加される放電維持電圧の位相は半周期ずれており、電極の極性は交流の周波数に応じて反転する。
【0078】
本実施形態に係るプラズマ表示装置2およびその製造方法では、誘電体層14のトラップ密度および/または可動金属イオン密度が所定値以下であるために、トラップに捕獲される電子の作り出す電位による保護膜のスパッタリングを避けることが可能になり、放電開始電圧の変動や輝度の低下が生じ難くなり、信頼性および寿命が向上する。また、本実施形態に係るプラズマ表示装置2およびその製造方法では、誘電体層14のリーク電流密度が所定値以下であるために、リーク電流による誘電体層14の特性の劣化を避けることが可能になり、放電開始電圧の変動や輝度の低下が生じ難くなり、信頼性および寿命が向上する。さらに、誘電体膜23に関しても、同様なことが言える。
【0079】
第2実施形態
上述した実施形態では、単層のシリコン酸化物層から成る誘電体層14をスパッタリング法により形成してあるが、本発明では、トラップ密度および/または可動金属イオン密度が1×1018個/cm3 以下、好ましくは1×1017個/cm3 以下の誘電体層、あるいはリーク電流密度が3.0×10−9A/cm2 以下、特に1×10−10 A/cm2 以下の誘電体層を形成できれば、その材質または成膜法は限定されない。また、本発明では、誘電体層14は、必ずしも単層のシリコン酸化物層で構成する必要はなく、多層膜で構成してもよい。
【0080】
第3実施形態
本実施形態では、図1に示すプラズマ表示装置2において、誘電体層14のトラップ密度と、放電開始電圧変動との関係について、さらに詳細に説明する。
【0081】
一般に誘電体層中には欠陥が多数存在する。二酸化珪素を主成分とするガラスにおいては、MOS半導体に用いられる熱酸化SiO2 の類推から、その欠陥の種類は電気的にみると、電子トラップとなることはよく知られている。プラズマ表示装置では、放電維持電極上に、絶縁体として二酸化珪素を主成分とするアルカリ金属及びアルカリ土類含有ガラスが用いられることがある。これらのガラスには、PbOなどの融点や誘電率などを制御するような成分も含まれる。
【0082】
ところが、この膜の膜質によりプラズマ表示装置の放電開始電圧や劣化特性が大きく異なる。この原因は、誘電体層中に存在する欠陥すなわちトラップに電荷が捕獲されて、電荷の存在による電位が発生することによるものと考えられる。
【0083】
【表1】
Figure 2004055501
【0084】
表1は、窒化珪素、酸化珪素、フィルム誘電体における放電電圧を表したものである。放電ギャップは20μm、放電ガスとしては、Xeで30kPaである。窒化珪素は、電子トラップ密度が多いことが知られており、約2×1018個/cm3 である。また一般に、電子トラップ密度は、Siの熱酸化膜で、シート密度で1010個/cm2 以下であるが、蒸着、スパッタリング、低温CVD、低融点ガラス焼成等で形成した場合は、およそ1×1015個/cm3 から1×1018個/cm3 (シート密度で1×1010個/cm2 から1×1012個/cm2 )あると考えられる。
【0085】
そこで、プラズマ表示装置の放電維持電極上に形成された窒化珪素誘電体膜に対する電子トラップの影響を見積もる(現代 半導体デバイスの基礎 岸野正剛著、オーム社 1995)。今、誘電体層中に1×1018個/cm3 の電荷があるとして見積もり、誘電体層14の厚みが10μmであった場合、誘電体層14のちょうど真中の5μmのところに等価的に全てのトラップがあると仮定する。すると、シート電子トラップ密度は、1×1012個/cm2 となる。トラップに捕獲されている電荷の捕獲占有率を0.5とすると、この深さに5×1011個/cm2 の電荷があることになる。保護層15としてMgOが放電ガスとの間にあるので、比誘電率をε=10として、この効果を入れて、シート電荷の作り出す電位、すなわち放電ガスへの影響を電圧として求めると以下の式で求められる。
【0086】
V= −(1/C)Q … (1)
ここで、1/C=1/C1+1/C2、C1:誘電体層14の容量、C2:保護層15の容量である。
【0087】
各数値(窒化珪素の比誘電率:7.9、MgOの比誘電率:10.0、膜厚0.6μm)を入れると、
C1=1.40×10E−9 F/cm2  、C2=14.4×10E−9 F/cm2 
C=1.28×10E−9 F/cm 、
Q=1.6×10E−7 C/cm2 、となり、
電圧Vは、
V= − 125Vとなる。
【0088】
この電荷が、一対の放電維持電極12と、アドレス電極22とに同程度ある場合は影響が打ち消される。
【0089】
すなわち、一対の放電維持電極の内の一方のコモン側維持電極X側でのトラップに注入された電荷の作り出す電位:Vxとし、
他方のスキャン側維持電極Y側でのトラップに注入された電荷の作り出す電位:Vyとすると、
Vtotal=Vx−Vy=−125−(−125)=0となる。
【0090】
しかし、誘電体層14中のトラップに捕獲された電子が電界強度により動いてその分布を変える場合は、この影響が打ち消されない。すなわち、スキャン側維持電極側の分布が0.5μm程度に、放電ガスからみて深い方向、コモン側維持電極側の分布が0.5μm程度に浅い方向に移動した場合は、以下のようになる。
【0091】
スキャン側維持電極側Y:V1=−137 V、
コモン側維持電極側X:V2=−113Vであり、
Vtotal=Vx−Vy=−137−(−113)=−24  (V)
となり、影響が打ち消されなくなる。すなわち、見かけ上、放電開始電圧が下がったように見える。エージングなどで、電荷が誘電体層14中に注入されて電子トラップに捕獲された場合に、このようなことが起こりうる。すなわちトラップの非常に多い膜の場合は、誘電体層中に電荷がトラップされて、本来の放電開始電圧より下がる。
【0092】
一方、膜中から膜外への電荷の拡散あるいは誘電体層14中での捕獲電子の占有分布が変わることがあると、トラップに捕獲された電荷の作り出す電位が変動する。すなわち、膜中電荷の作り出す電位の絶対値の低下が生じるとスキャン側とコモン側との差分が小さくなり、見かけ上放電開始電圧が上昇する。そして、再度、放電を生じさせると、誘電体層14中に電荷を再注入することにより、放電開始電圧が下がることになる。図4は、時間に対する放電開始電圧の変動を調べたものであり、時間の推移と共に下がっている。
【0093】
このような、誘電体層14中の電荷の作り出す電位の影響を避けるためには、誘電体層の膜質を向上させて、誘電体層14中の元々ある電子トラップ密度を下げる必要がある。少なくとも、1×1017個/cm3 以下にする必要があり、この程度の電子トラップ密度であれば、電子の注入による影響を5分の1以下に抑えることができる。
【0094】
なお、以上の議論は、誘電体層14の厚みが10μm以下程度に薄く、電界強度が、30×104 V/cm以下の場合の議論であるが、一方で、誘電体層14にかかる電界強度による電荷分布の変動を抑えることでも目的が達成される。すなわち、誘電体層14の膜厚を厚くし、電界強度を、7×104 V/cm以下に低減することである。具体的には、誘電体層14の比誘電率がε=4.0、厚み10μmで問題が生じる場合は、誘電率が12程度の例えば低融点ガラスを用いて厚さを3倍にすれば、容量は変わらずに電界強度は1/3になり、その分、電圧変動を抑えることができる。電界強度が小さくなるので、誘電体層14への注入電荷量そのものを大幅に減らせるので、この問題を改善できる。上記のメカニズムは、プラズマ表示装置における画面の特定場所での焼き付き現象の一因と考えられので、誘電体層14の膜質および膜厚に関しての改善方法を示す。
【0095】
本実施形態に係るプラズマ表示装置によれば、放電維持電極14およびバス電極13上に積層される誘電体層14の膜質の改善により、放電開始電圧の変動すなわち駆動電圧変動を抑えることができ、長期信頼性を確保できる。また、焼き付き現象の一因と考えられる特定場所での電圧変動も抑えることができる。
【0096】
その他の実施形態
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
【0097】
たとえば、本発明では、プラズマ表示装置の具体的な構造は、図1に示す実施形態に限定されず、その他の構造であっても良い。たとえば図1に示す実施形態では、いわゆる3電極型のプラズマ表示装置を例示したが、本発明のプラズマ表示装置は、いわゆる2電極のプラズマ表示装置であっても良い。この場合には、一対の放電維持電極の一方を第1基板に形成し、他方を第2基板に形成する構成となる。また、一方の放電維持電極の射影像は第1の方向に延び、他方の放電維持電極の射影像は、第1の方向とは異なる第2の方向(好ましくは第1の方向と略垂直)に延び、一対の放電維持電極が対面するごとく対向して配置されている。2電極型のプラズマ表示装置にあっては、必要に応じて、上述した実施形態の説明における「アドレス電極」を「他方の放電維持電極」と読み替えればよい。
【0098】
また、上述した実施形態のプラズマ表示装置は、第1パネル10が表示パネル側となり、いわゆる反射型のプラズマ表示装置であるが、本発明のプラズマ表示装置は、いわゆる透過型のプラズマ表示装置であっても良い。ただし、透過型のプラズマ表示装置では、蛍光体層の発光は第2パネル20を通して観察されるので、放電維持電極を構成する導電性材料に関して透明/不透明の別は問わないが、アドレス電極22を第2基板21上に設けるので、アドレス電極は透明である必要がある。
【0099】
【実施例】
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
【0100】
実施例1
第1パネル10は、以下の方法で作製した。先ず、高歪点ガラスやソーダガラスから成る第1基板11の全面にたとえばスパッタリング法によりITO層を形成し、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術によりITO層をストライプ状にパターニングすることによって、一対の放電維持電極12を、複数、形成した。
【0101】
次に、第1基板11の内面全面に、たとえば蒸着法によりアルミニウム膜を形成し、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術によりアルミニウム膜をパターニングすることによって、各放電維持電極12の縁部に沿ってバス電極13を形成した。
【0102】
その後、バス電極13が形成された第1基板11の内面全面にシリコン酸化物(SiO2−x(0≦x<1.0))層から成る誘電体層14を形成した。誘電体層14の形成に際しては、SiO2 ターゲットを用いたRFスパッタリング法を用い、しかも、スパッタリング装置に導入される雰囲気ガス(Arガスを主成分)中の酸素(O2 )ガスの分圧(O2 /(Ar+O2 ))が15%以上である20%となるように制御した。また、スパッタリングにおけるRFパワーは、900Wであり、Ar分圧は、3.3×10−1Pa、成膜速度は0.12μm/時間であった。
【0103】
このシリコン酸化物(SiO2−x(0≦x<1.0))層の厚みは、約6μmであった。また、このシリコン酸化物層のトラップ密度を測定したところ、1×1017個/cm3 以下である5×1016個/cm3 であることが確認できた。なお、トラップ密度は、E.Suzuki,IEEE Trans.Electron Device ED−30(2),122(1983)に準拠して、メタル/絶縁膜/半導体構造のCV測定のバイアス印加によるヒステリシスから調べた。
【0104】
次に、このシリコン酸化物層から成る誘電体層14の上に電子ビーム蒸着法により厚さ0.6μmの酸化マグネシウム(MgO)から成る保護層15を形成した。以上の工程により第1パネル10を完成することができた。
【0105】
また、第2パネル20を以下の方法で作製した。先ず、高歪点ガラスやソーダガラスから成る第2の基板21上に、アドレス電極22を形成した。アドレス電極22は、第1の方向と直交する第2の方向に延びている。次に、スクリーン印刷法により全面に低融点ガラスペースト層を形成し、この低融点ガラスペースト層を形成し、この低融点ガラスペースト層を焼成することによって誘電体膜を形成した。
【0106】
その後、隣り合うアドレス電極22の間の領域の上方の誘電体膜上に、たとえばスクリーン印刷法により低融点ガラスペーストを印刷した。その後、この第2基板21を、焼成炉内で焼成し、隔壁24を形成した。この時の焼成(隔壁焼成工程)は、空気中で行い、焼成温度は、560°C程度、焼成時間は、2時間程度であった。
【0107】
次に、第2基板21に形成された隔壁24の間に3原色の蛍光体層スラリーを順次印刷した。その後、この第2基板21を、焼成炉内で焼成し、隔壁24の間の誘電体膜上から隔壁24の側壁面上に亘って、蛍光体層25R,25G,25Bを形成し、510°Cおよび10分の焼成を行い、第2パネル20を完成させた。
【0108】
次に、プラズマ表示装置の組み立てを行った。即ち、先ず、スクリーン印刷により、第2パネル20の周縁部にシール層を形成した。次に、第1パネル10と第2パネル20とを貼り合わせ、焼成してシール層を硬化させた。その後、第1パネル10と第2パネル20との間に形成された空間を排気した後、放電ガスを封入し、かかる空間を封止し、プラズマ表示装置2を完成させた。放電ガスとしては、Xe100%を用い、30kPaの圧力で封入した。
【0109】
このプラズマ表示装置2について、駆動電圧230Vにおいて、64kHzの繰り返し駆動パルスを印加し、輝度劣化試験と、電圧寿命特性試験とを行った。結果を図2および図3に示す。なお、輝度の測定は、JIS C6101−1988によるテレビジョン受信機試験方法に基づき行った。
【0110】
比較例1
誘電体層14の形成に際して、誘電体層14の膜質がSix y となるように、ターゲットとして、Si3 4 を用い、スパッタリング条件を、RFパワー:900W、Ar分圧:3.0×10−1Pa、成膜速度:0.45μm/時間とした以外は、実施例1と同様にして、プラズマ表示装置を製作し、駆動電圧を175Vとした以外は実施例1と同様な測定を行った。
【0111】
誘電体層14のトラップ密度は、2×1018個/cm3 であった。輝度劣化試験と電圧寿命特性試験との結果を、それぞれ図2および図3に示す。
【0112】
実施例2
誘電体層14を構成するシリコン酸化物層を、SiHとNOを原料とするプラズマCVD法により成膜した以外は、実施例1と同様にしてプラズマ表示装置を組み立て、実施例1と同様な試験を行ったところ、実施例1と同様な結果が得られた。この実施例に係る誘電体層のトラップ密度は、1×1016個/cm3 であった。
【0113】
実施例3
誘電体層14の形成に際して、誘電体層14の膜質がSiONとなるように、SiH4 とNH3 +N2 OのCVDを用いた以外は、実施例1と同様にして、プラズマ表示装置を製作し、駆動電圧を210Vとした以外は実施例1と同様な測定を行った。CVDに際しての基板温度は350℃以上630℃以下となるように制御した。
【0114】
誘電体層14のトラップ密度は、1×1017個/cm3 であった。輝度劣化試験と電圧寿命特性試験との結果は、実施例1と同様であった。
【0115】
比較例2
誘電体層14の形成に際して、SiO2 ターゲットを用い、誘電体層14のトラップ密度が1×1017個/cm3 よりも高くなるように、スパッタリング条件を、RFパワー:900W、Ar分圧:3.3×10−1Pa、成膜速度:0.5μm/時間とした以外は、実施例1と同様にして、プラズマ表示装置を製作し、駆動電圧を160Vとした以外は実施例1と同様な測定を行った。
【0116】
誘電体層14のトラップ密度を測定したところ、1.5×1018個/cmであった。輝度劣化試験と電圧寿命特性試験との結果は、比較例1と同様であった。
【0117】
評価1
図2に示すように、実施例1(実施例2および3も同様)では、比較例1(比較例2も同様)に比較して、輝度の経時的劣化が少なく、安定した輝度が得られることが確認できた。また、図3に示すように、実施例1(実施例2および3も同様)では、比較例1(比較例2も同様)に比較して、放電開始電圧の経時的なばらつきが少なく、電圧寿命特性が向上することが確認できた。これらの結果から、誘電体層のトラップ密度を、1×1018個/cm3 以下、特に1×1017個/cm3 以下とすることにより、放電開始電圧の変動や輝度の低下が生じ難くなり、プラズマ表示装置の信頼性および寿命が向上することが確認できた。
【0118】
実施例4
トラップ密度が1.2±0.5×1017個/cm3 であるシリコン酸化物層を誘電体層14として用いた以外は、実施例1と同様にして、プラズマ表示装置を組み立てた。そのプラズマ表示装置の誘電体層14に対して、20×10V/cmの電界強度を加えて、電圧寿命特性試験(ライフテスト)を行った。結果を図5に示す。図5は、ライフテスト時間と放電開始電圧との関係を示す。
【0119】
比較例3
トラップ密度が1.2±0.5×1018個/cm3 であるシリコン酸化物層を誘電体層14として用いた以外は、実施例1と同様にして、プラズマ表示装置を組み立てた。そのプラズマ表示装置の誘電体層14に対して、6×104 V/cmの電界強度を加えて、実施例1と同様な電圧寿命特性試験(ライフテスト)を行った。結果を図5に示す。図5は、ライフテスト時間と放電開始電圧との関係を示す。
【0120】
評価2
図5に示すように、酸素欠損の少ない(トラップ密度が低い)シリコン酸化物層を誘電体層14として用いた実施例4では、酸素欠損の多い(トラップ密度が高い)シリコン酸化物層を誘電体層14として用いた比較例3に比較して、電界強度が比較例3よりも高いにもかかわらず、4000時間以上のライフ時間が得られることが確認できた。これに対して、比較例3では、1000時間のライフ時間であり、実施例4に比較して短いことが確認できた。
【0121】
なお、比較例3において、電界強度を6×104 V/cmから21×10V/cmに変化させて、電界強度とライフ時間との関係を求めた結果を図6に示す。図6に示すように、誘電体層14に加わる電界が強くなるほど、ライフ時間が短くなることが確認できた。
【0122】
これらのことから、逆に電界強度が弱ければ、誘電体層14のトラップ密度が高くても、ライフ時間を延ばせることが確認できる。図7に示すように、本発明者は、トラップ密度Nが1×1018個/cm3 以下であることを条件に、電界強度Eとの関係式が、以下の式(1)を満足するときに、プラズマ表示装置のライフ時間が満足できる程度に延びることを実験的に確認した。
【0123】
LogN≦−E・10−4/23+18+7/23   …(1)
実施例5
実施例1と同様にして誘電体層14を成膜し、実施例1と同様にしてプラズマ表示装置を組み立て、誘電体層のリーク電流密度を測定したところ、1×10−10 A/cm2 以下である 3×10−11 A/cm2 であることが確認できた。なお、リーク電流密度は、メタル/絶縁膜/半導体構造の電流電圧特性(IV特性)の測定から調べた。
【0124】
また、この実施例5について、駆動電圧230Vにおいて、64kHzの繰り返し駆動パルスを印加し、電圧寿命特性試験を行った。結果を図8に示す。
【0125】
比較例4
誘電体層14の形成に際して、SiO2 ターゲットを用い、誘電体層14のリーク電流密度が 1.0×10−10 A/cm2 よりも高くなるように、スパッタリング条件を、RFパワー:900W、Ar分圧:3.3×10−1Pa、成膜速度:0.5μm/時間とした以外は、実施例5と同様にして、プラズマ表示装置を製作し、駆動電圧を160Vとした以外は実施例5と同様な測定を行った。
【0126】
誘電体層14のリーク電流密度は、3.8×10−9 A/cm2 であった。電圧寿命特性試験の結果を図8に示す。
【0127】
評価3
図8に示すように、実施例5では、比較例4に比較して、放電開始電圧の経時的なばらつきが少なく、電圧寿命特性が向上することが確認できた。また、実施例5では、比較例4に比較して、電界強度が高いにもかかわらず、4000時間以上のライフ時間が得られることが確認できた。これに対して、比較例4では、1000時間のライフ時間であり、実施例5に比較して短いことが確認できた。
【0128】
これらの結果から、誘電体層のリーク電流密度を、3.0×10−9 A/cm2 以下、特に1.0×10−10 A/cm2 以下とすることにより、放電開始電圧の変動や輝度の低下が生じ難くなり、プラズマ表示装置の信頼性および寿命が向上することが確認できた。
【0129】
なお、比較例4において、電界強度を6×104 V/cmから21×10V/cmに変化させて、電界強度とライフ時間との関係を求めた結果を図9に示す。図9に示すように、誘電体層14に加わる電界が強くなるほど、ライフ時間が短くなることが確認できた。これらのことから、逆に電界強度が弱ければ、誘電体層14のリーク電流密度が小さくなり、ライフ時間を延ばせることが確認できる。
【0130】
さらに、実施例5および比較例4について、電界強度と電流密度との関係を図10に示す。図10に示す結果から、図11に示すように、リーク電流密度Jが3.0×10−9 A/cm2 以下であることを条件に、電界強度Eとの関係式が、以下の式(2)を満足するとき(図11のグラフの三角斜線領域)に、プラズマ表示装置のライフ時間が満足できる程度に延びることを実験的に確認した。
【0131】
Log J ≦−8.70×E×10−6−7.91 … (2)
実施例6
誘電体層をSiO2 酸化物膜で形成する際に、基板温度が350℃以上630℃以下となるように、化学気相法を用いて成膜を行うことで、トラップ密度および/または可動金属イオン密度が、1×1018個/cm3 以下であり、リーク電流密度が3.0×10−9 A/cm2 以下である誘電体層を形成できることが確認できた。誘電体層の成膜方法を変えた以外は、実施例1と同様にしてプラズマ表示装置を組み立て、実施例1と同様な試験を行ったところ、実施例1と同様な結果が得られた。
【0132】
実施例7
誘電体層を低融点ガラス膜で形成する際に、形成温度が500℃以上630℃以下となるように、焼成を行うことで、トラップ密度および/または可動金属イオン密度が、1×1018個/cm3 以下であり、リーク電流密度が3.0×10−9 A/cm2 以下である誘電体層を形成できることが確認できた。誘電体層の成膜方法を変えた以外は、実施例1と同様にしてプラズマ表示装置を組み立て、実施例1と同様な試験を行ったところ、実施例1と同様な結果が得られた。
【0133】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、放電開始電圧の変動や輝度の低下が生じ難く、画面の焼き付き現象を低減し、信頼性に優れ長寿命なプラズマ表示装置およびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施形態に係るプラズマ表示装置の要部概略断面図である。
【図2】図2は本発明の実施例および比較例に係るプラズマ表示装置の輝度劣化を示すグラフである。
【図3】図3は本発明の実施例および比較例に係るプラズマ表示装置の電圧寿命を示すグラフである。
【図4】図4は本発明の他の実施形態に係るプラズマ表示装置の放電開始電圧変動を示すグラフである。
【図5】図5は本発明の他の実施例および比較例に係るプラズマ表示装置におけるトラップ密度とライフテストとの関係を示すグラフである。
【図6】図6は本発明の比較例に係るプラズマ表示装置における電界強度とライフテストとの関係を示すグラフである。
【図7】図7は本発明に係るプラズマ表示装置における電界強度とトラップ密度との関係を示すグラフである。
【図8】図8は本発明のその他の実施例および比較例に係るプラズマ表示装置の放電開始電圧変動とライフテストとの関係を示すグラフである。
【図9】図9は本発明の他の実施例および比較例に係るプラズマ表示装置の放電開始電圧変動とライフテストとの関係を示すグラフである。
【図10】図10は本発明の実施例および比較例に係るプラズマ表示装置における誘電体膜の電界強度とリーク電流密度の関係を示すグラフである。
【図11】図11は本発明に係るプラズマ表示装置における電界強度とリーク電流との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
2… プラズマ表示装置
4… 放電空間
10… 第1パネル
11… 第1基板
12… 放電維持電極
13… バス電極
14… 誘電体層
15… 保護層
20… 第2パネル
21… 第2基板
22… アドレス電極
24… 隔壁
25R,25G,25B… 蛍光体層

Claims (53)

  1. 内側に放電維持電極と誘電体層とが形成された第1パネルと、
    前記第1パネルの内側に放電空間が形成されるように張り合わされる第2パネルとを有し、
    前記誘電体層のトラップ密度が、1×1018個/cm3 以下であることを特徴とするプラズマ表示装置。
  2. 内側に放電維持電極と誘電体層とが形成された第1パネルと、
    前記第1パネルの内側に放電空間が形成されるように張り合わされる第2パネルとを有し、
    前記誘電体層の可動金属イオン密度が、1×1018個/cm3 以下であることを特徴とするプラズマ表示装置。
  3. 前記誘電体層に加わる電界強度が、7×104 V/cm以下である請求項1または2に記載のプラズマ表示装置。
  4. 前記誘電体層に加わる電界強度をEとし、前記誘電体層のトラップ密度または可動金属イオン密度をNとした場合に、以下の関係式(1)を満足することを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマ表示装置。
    LogN≦−E・10−4/23+18+7/23   …(1)
  5. 前記誘電体層の可動金属イオン密度が、1×1017個/cm3 以下であることを特徴とする請求項2に記載のプラズマ表示装置。
  6. 前記各放電維持電極には、長手方向に沿ってバス電極が形成され、前記バス電極と前記誘電体層との間には、バス電極から前記誘電体層への金属の拡散防止のために、数nm〜数十nmの厚さのバリア層が形成してある請求項1〜5のいずれかに記載のプラズマ表示装置。
  7. 前記誘電体層の放電空間側表面には保護膜が形成され、前記誘電体層と保護膜との間には、前記誘電体層へのキャリア注入を低減させるために、厚さ数nm〜数十nm程度のバリア層を形成してある請求項1〜6のいずれかに記載のプラズマ表示装置。
  8. 前記誘電体層のトラップ密度が、1×1017個/cm3 以下であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ表示装置。
  9. 前記誘電体層のトラップ密度が、5×1016個/cm3 以下であることを特徴とする請求項8に記載のプラズマ表示装置。
  10. 前記誘電体層のトラップ密度が、1×1017個/cm以下で1×109 個/cm3 以上であることを特徴とする請求項8に記載のプラズマ表示装置。
  11. 前記誘電体層に加わる電界強度が、30×104 V/cm以下である請求項5,8〜10のいずれかに記載のプラズマ表示装置。
  12. 前記誘電体層が、真空成膜法により成膜されたSiO2−x (ただし、xは0≦x<1.0)膜であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のプラズマ表示装置。
  13. 前記誘電体層が、真空成膜法により成膜された窒素を含むシリコン酸化物(SiON)膜であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のプラズマ表示装置。
  14. 前記誘電体層が、塗布法、印刷法あるいはドライフィルム法により形成され、焼成したガラスペースト誘電体膜であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のプラズマ表示装置。
  15. 前記誘電体層が、化学気相法により成膜された酸化物あるいは窒化物誘電体膜であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のプラズマ表示装置。
  16. 前記誘電体層が、化学気相法により成膜された窒素を含む酸化物誘電体膜であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のプラズマ表示装置。
  17. 前記第2パネルの内側には、アドレス電極と、前記放電空間を仕切る隔壁と、前記隔壁間に配置された蛍光体層とが形成してある請求項1〜16のいずれかに記載の交流駆動型のプラズマ表示装置。
  18. 前記アドレス電極の放電空間側の内側には、誘電体膜が形成してあり、
    前記誘電体膜のトラップ密度が、1×1018個/cm3 以下である請求項17に記載のプラズマ表示装置。
  19. 前記アドレス電極の放電空間側の内側には、誘電体膜が形成してあり、
    前記誘電体膜の可動金属イオン密度が、1×1018個/cm3 以下である請求項17に記載のプラズマ表示装置。
  20. 前記誘電体膜に加わる電界強度が、7×104 V/cm以下である請求項18または19に記載のプラズマ表示装置。
  21. 前記誘電体膜に加わる電界強度をEとし、前記誘電体膜のトラップ密度または可動金属イオン密度をNとした場合に、以下の関係式(1)を満足することを特徴とする請求項18または19に記載のプラズマ表示装置。
    LogN≦−E・10−4/23+18+7/23   …(1)
  22. 前記アドレス電極の放電空間側の内側には、誘電体膜が形成してあり、
    前記誘電体膜のトラップ密度が、1×1017個/cm3 以下である請求項18に記載のプラズマ表示装置。
  23. 前記アドレス電極の放電空間側の内側には、誘電体膜が形成してあり、
    前記誘電体膜の可動金属イオン密度が、1×1017個/cm3 以下である請求項19に記載のプラズマ表示装置。
  24. 前記誘電体層に加わる電界強度が、30×104 V/cm以下である請求項22または23に記載のプラズマ表示装置。
  25. 内側に放電維持電極と誘電体層とが形成された第1パネルと、前記第1パネルの内側に放電空間が形成されるように張り合わされる第2パネルとを有するプラズマ表示装置を製造する方法であって、
    前記誘電体層をシリコン酸化物膜で形成する際に、スパッタリング装置に導入される雰囲気ガス中の酸素ガスの分圧が15%以上となるように、スパッタリング法を用いて成膜を行い、トラップ密度が、1×1018個/cm3 以下である前記誘電体層を形成することを特徴とするプラズマ表示装置の製造方法。
  26. 内側に放電維持電極と誘電体層とが形成された第1パネルと、前記第1パネルの内側に放電空間が形成されるように張り合わされる第2パネルとを有するプラズマ表示装置を製造する方法であって、
    前記誘電体層をシリコン酸化物膜で形成する際に、スパッタリング装置に導入される雰囲気ガス中の酸素ガスの分圧が15%以上となるように、スパッタリング法を用いて成膜を行い、トラップ密度が、1×1017個/cm3 以下である前記誘電体層を形成することを特徴とするプラズマ表示装置の製造方法。
  27. 内側に放電維持電極と誘電体層とが形成された第1パネルと、前記第1パネルの内側に放電空間が形成されるように張り合わされる第2パネルとを有するプラズマ表示装置を製造する方法であって、
    前記誘電体層を酸化物膜で形成する際に、基板温度が350℃以上630℃以下となるように、化学気相法を用いて成膜を行い、トラップ密度が、1×1018個/cm3 以下である前記誘電体層を形成することを特徴とするプラズマ表示装置の製造方法。
  28. 内側に放電維持電極と誘電体層とが形成された第1パネルと、前記第1パネルの内側に放電空間が形成されるように張り合わされる第2パネルとを有するプラズマ表示装置を製造する方法であって、
    前記誘電体層を低融点ガラス膜で形成する際に、形成温度が500℃以上630℃以下となるように、焼成を行い、トラップ密度が、1×1018個/cm以下である前記誘電体層を形成することを特徴とするプラズマ表示装置の製造方法。
  29. 内側に放電維持電極と誘電体層とが形成された第1パネルと、前記第1パネルの内側に放電空間が形成されるように張り合わされる第2パネルとを有するプラズマ表示装置を製造する方法であって、
    前記第2パネルにおけるアドレス電極の放電空間側の内側には、誘電体膜が形成してあり、前記誘電体膜を低融点ガラス膜で形成する際に、形成温度が500℃以上630℃以下となるように、焼成を行い、トラップ密度が、1×1018個/cm3 以下である前記誘電体層を形成することを特徴とするプラズマ表示装置の製造方法。
  30. 内側に放電維持電極と誘電体層とが形成された第1パネルと、
    前記第1パネルの内側に放電空間が形成されるように張り合わされる第2パネルとを有し、
    前記誘電体層を流れるリーク電流密度が、3.0×10−9 A/cm2 以下であることを特徴とするプラズマ表示装置。
  31. 前記誘電体層に加わる電界強度が、7×104 V/cm 以下である請求項30に記載のプラズマ表示装置。
  32. 前記誘電体層に加わる電界強度をEとし、前記誘電体層に流れるリーク電流密度をJとした場合に、以下の関係式(2)を満足することを特徴とする請求項30または31に記載のプラズマ表示装置。
    Log J ≦−8.70×E×10−6−7.91 … (2)
  33. 前記各放電維持電極には、長手方向に沿ってバス電極が形成され、前記バス電極と前記誘電体層との間には、バス電極から前記誘電体層への金属の拡散防止のために、数nm〜数十nmの厚さのバリア層が形成してある請求項30〜32のいずれかに記載のプラズマ表示装置。
  34. 前記誘電体層の放電空間側表面には保護膜が形成され、前記誘電体層と保護膜との間には、前記誘電体層のリーク電流を低減させるために、厚さ数nm〜数十nm程度のバリア層を形成してある請求項30〜33のいずれかに記載のプラズマ表示装置。
  35. 前記誘電体層を流れるリーク電流密度が、1×10−10A/cm 以下であることを特徴とする請求項30に記載のプラズマ表示装置。
  36. 前記誘電体層を流れるリーク電流密度が、1×10−10A/cm2 以下で1×10−12 A/cm2 以上であることを特徴とする請求項35に記載のプラズマ表示装置。
  37. 前記誘電体層に加わる電界強度が、30×104 V/cm 以下である請求項35または36のいずれかに記載のプラズマ表示装置。
  38. 前記誘電体層が、真空成膜法により成膜されたSiO2−x(ただし、xは0≦x<1.0)膜であることを特徴とする請求項30〜37のいずれかに記載のプラズマ表示装置。
  39. 前記誘電体層が、真空成膜法により成膜された窒素を含むシリコン酸化物(SiON)膜であることを特徴とする請求項30〜37のいずれかに記載のプラズマ表示装置。
  40. 前記誘電体層が、塗布法、印刷法あるいはドライフィルム法により形成され、焼成したガラスペースト誘電体膜であることを特徴とする請求項30〜37のいずれかに記載のプラズマ表示装置。
  41. 前記誘電体層が、化学気相法により成膜された酸化物あるいは窒化物誘電体膜であることを特徴とする請求項30〜37のいずれかに記載のプラズマ表示装置。
  42. 前記誘電体層が、化学気相法により成膜された窒素を含む酸化物誘電体膜であることを特徴とする請求項30〜37のいずれかに記載のプラズマ表示装置。
  43. 前記第2パネルの内側には、アドレス電極と、前記放電空間を仕切る隔壁と、前記隔壁間に配置された蛍光体層とが形成してある請求項30〜42のいずれかに記載の交流駆動型のプラズマ表示装置。
  44. 前記アドレス電極の放電空間側の内側には、誘電体膜が形成してあり、
    前記誘電体膜を流れるリーク電流密度が、3.0×10−9A/cm2 以下である請求項43に記載のプラズマ表示装置。
  45. 前記誘電体膜に加わる電界強度が、7×104 V/cm 以下である請求項44に記載のプラズマ表示装置。
  46. 前記誘電体膜に加わる電界強度をEとし、前記誘電体膜に流れるリーク電流密度をJとした場合に、以下の関係式(2)を満足することを特徴とする請求項44または45に記載のプラズマ表示装置。
    Log J ≦−8.70×E×10−6−7.91 … (2)
  47. 前記アドレス電極の放電空間側の内側には、誘電体膜が形成してあり、
    前記誘電体膜を流れるリーク電流密度が、1×10−10 A/cm2 以下である請求項44〜46のいずれかに記載のプラズマ表示装置。
  48. 前記誘電体膜に加わる電界強度が、30×104 V/cm以下である請求項47に記載のプラズマ表示装置。
  49. 内側に放電維持電極と誘電体層とが形成された第1パネルと、前記第1パネルの内側に放電空間が形成されるように張り合わされる第2パネルとを有するプラズマ表示装置を製造する方法であって、
    前記誘電体層をシリコン酸化物膜で形成する際に、スパッタリング装置に導入される雰囲気ガス中の酸素ガスの分圧が15%以上となるように、スパッタリング法を用いて成膜を行い、リーク電流密度が、3.0×10−9A/cm2 以下である前記誘電体層を形成することを特徴とするプラズマ表示装置の製造方法。
  50. リーク電流密度が、1×10−10 A/cm2 以下である前記誘電体層を形成することを特徴とする請求項49に記載のプラズマ表示装置の製造方法。
  51. 内側に放電維持電極と誘電体層とが形成された第1パネルと、前記第1パネルの内側に放電空間が形成されるように張り合わされる第2パネルとを有するプラズマ表示装置を製造する方法であって、
    前記誘電体層を酸化物膜で形成する際に、基板温度が350℃以上630℃以下となるように、化学気相法を用いて成膜を行い、リーク電流密度が、3.0×10−9A/cm2 以下である前記誘電体層を形成することを特徴とするプラズマ表示装置の製造方法。
  52. 内側に放電維持電極と誘電体層とが形成された第1パネルと、前記第1パネルの内側に放電空間が形成されるように張り合わされる第2パネルとを有するプラズマ表示装置を製造する方法であって、
    前記誘電体層を低融点ガラス膜で形成する際に、形成温度が500℃以上630℃以下となるように、焼成を行い、リーク電流密度が、3.0×10−9 A/cm2 以下である前記誘電体層を形成することを特徴とするプラズマ表示装置の製造方法。
  53. 内側に放電維持電極と誘電体層とが形成された第1パネルと、前記第1パネルの内側に放電空間が形成されるように張り合わされる第2パネルとを有するプラズマ表示装置を製造する方法であって、
    前記第2パネルにおけるアドレス電極の放電空間側の内側には、誘電体膜が形成してあり、前記誘電体膜を低融点ガラス膜で形成する際に、形成温度が500℃以上630℃以下となるように、焼成を行い、リーク電流密度が、3.0×10−9A/cm2 以下である前記誘電体膜を形成することを特徴とするプラズマ表示装置の製造方法。
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