JP2008010192A - Ac型プラズマディスプレイパネル - Google Patents

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康幸 野口
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高士 山田
Toshiyuki Akiyama
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耕治 四戸
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Abstract

【課題】単位発光領域における一回の表示放電により流れる放電電荷量Qdが、高い発光効率を得るための好適な範囲に設定されたAC型PDPを提供する。
【解決手段】放電空間を挟んで第1および第2基板11、22が対向し、第1基板上は、放電ギャップを介して対向する表示電極14、15の対によって構成された複数組の表示電極対および表示電極対を覆う誘電体層12を有し、第2基板上は、表示電極対と直交する方向に延びる複数のデータ電極22およびデータ電極の上部領域に付設された蛍光体層27を有する。放電空間内にキセノンを含む放電ガスが封入され、データ電極と表示電極対とが交差する部分の放電空間に各単位発光領域が形成される。放電ガス中のキセノンの圧力が13.3[kPa]以上であり、単位発光領域において一回の表示放電により流れる放電電荷量Qd[C]が、10<Qd<40.0の範囲になるように設定される。
【選択図】図4

Description

本発明は、薄型のディスプレイ装置に用いられるAC型プラズマディスプレイパネル関する。
プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel、以下PDPと記載する)は、駆動方法により大別するとAC型とDC型があり、放電形式では面放電型と対向放電型の2種類があるが、高精細化、大画面化および製造の簡便性から、現状では、PDPの主流は、AC型で、3電極構造の面放電型のものである。
この面放電型のPDPは、少なくとも前面側が透明な一対の基板が、基板間に放電空間が形成されるように対向配置されるとともに、放電空間を複数に仕切るための隔壁が基板に配置され、かつ隔壁により仕切られた放電空間で放電が発生するように各基板に電極群を配置された構造を有する。さらに、放電により各々赤色、緑色、青色に発光する蛍光体が設けられて、複数の放電セルが構成される。放電により発生する波長の短い真空紫外光によって蛍光体を励起し、赤色、緑色、青色の放電セルからそれぞれ赤色、緑色、青色の可視光を発することによりカラー表示が行われる。
このようなPDPは、液晶パネルに比べて高速の表示が可能であり、視野角が広いこと、大型化が容易であること、自発光型であるため表示品質が高いことなどの理由から注目を集めており、多くの人が集まる場所での表示装置や家庭で大画面の映像を楽しむための表示装置等、各種の用途に使用されている。
AC面放電型PDPの前面基板には、帯状の走査電極と維持電極の対が放電ギャップを介して互いに対向するように配置されて、複数組の表示電極対を形成している。走査電極および維持電極は、誘電体層および保護膜で覆われている。背面基板には、走査電極および維持電極と直交する方向に延びるデータ電極が形成され、データ電極上から隔壁の側面にかけて蛍光体層が形成されている。
PDPを表示駆動する際には、1フィールド期間を複数のサブフィールドに分割し、各放電セルを発光させるサブフィールドの組み合わせを変えることによって階調表示を行う。各サブフィールドは初期化期間、アドレス期間及び維持期間を有する。そして、画像データを表示するために、初期化期間、アドレス期間及び維持期間のそれぞれで異なる信号波形を各電極に印加する。
初期化期間には、例えば、すべての走査電極に正のパルス電圧を印加し、走査電極及び維持電極を覆う誘電体層上の保護膜とデータ電極側の蛍光体層上に必要な壁電荷を蓄積する。アドレス期間には、負の走査パルスを各走査電極に順次印加する走査を行う。所定の放電セルにおいて、走査電極に負の走査パルスが印加されている間に、データ電極に正のデータパルスが印加されると、走査電極とデータ電極との間で放電が起こり、走査電極上の保護膜の表面に壁電荷が形成される。
続く維持期間では、一定の期間、走査電極と維持電極との間に放電を維持するのに十分な電圧を印加する。それにより、走査電極と維持電極との間に放電プラズマが生成され、蛍光体層を励起発光させる。
ところで、このようなPDPを用いたディスプレイ装置においては、PDPが大型化するに伴い電極に供給する電流量が増加するため、これに応じて消費電力が増大するという問題が発生する。この消費電力を低減し、しかも十分な発光輝度を確保するためには、PDPの単位発光領域における一回の放電の発光効率を向上させることが有効である。
発光効率を向上させる技術としては、例えば特許文献1には、走査電極及び維持電極の形状や大きさを最適化することが開示されている。また特許文献2には、走査電極及び維持電極を覆う誘電体の材質を最適化することが開示されている。さらに、特許文献3には、放電を生成するための駆動電圧波形を最適化することが開示されている。
特開2003−36792号公報 特開平8−77930号公報 特開平8−124485号公報
上記従来技術における面放電型AC−PDPの発光効率を向上させるための方法は、それぞれ単一の要因について最適化するものである。したがって、各々の従来技術により設定される条件だけでは、種々の要因の変化に対して、必ずしも十分に適応できるものとは言えない。
本発明者らの検討結果によれば、単位発光領域における一回の表示放電により流れる放電電荷量Qd[C]が、発光効率を決定する重要な要因であることが判った。すなわち、放電電荷量Qd[C]が最適になるようにPDPの要素を設定することが、他の要因の変動も緩和して、発光効率を向上させるための有効な対策になり、それにより、高い発光効率を有する装置を容易に実現することが可能である。
したがって本発明は、単位発光領域における一回の表示放電により流れる放電電荷量Qd[C]が、高い発光効率を得るための好適な範囲に設定されたAC型PDPを提供することを目的とする。
本発明のAC型プラズマディスプレイパネルは、放電空間を挟んで対向する第1および第2基板と、前記第1基板上に行方向に延在させて配置されるとともに、列方向に併設されて放電ギャップを介して互いに対向する表示電極の対によって構成された複数組の表示電極対と、前記第1基板上に形成されて前記表示電極対を覆う誘電体層と、前記第2基板上に列方向に延在させて配置されるとともに行方向に併設された複数のデータ電極と、前記第2基板における前記データ電極の上部領域に付設された蛍光体層とを備え、前記放電空間内にキセノンを含む放電ガスが封入され、前記データ電極と前記表示電極対とが交差する部分の前記放電空間にそれぞれ単位発光領域が形成される。
上記課題を解決するために、前記放電ガス中のキセノンの圧力が13.3[kPa]以上であり、前記単位発光領域において一回の表示放電により流れる放電電荷量Qd[C]が、10<Qd<40.0の範囲になるように設定されている。
上記構成によれば、キセノンの圧力と、単位発光領域において一回の表示放電により流れる放電電荷量Qdが、所定の範囲に制限される。このように、キセノンの圧力と放電電荷量Qdを制限することにより、キセノン励起原子の生成効率が高まり、高い発光効率を得ることができる。
上記構成の本発明のAC型PDPにおいて、前記誘電体層の比誘電率が8以下であることが好ましい。
また、前記誘電体層の膜厚が5[μm]以上であることが好ましい。
また、前記誘電体層の膜厚が50[μm]以下であることが好ましい。
また、前記表示電極対を構成する各表示電極の、前記放電ギャップを介して行われる放電に関与する部分の列方向の幅が150[μm]以下であることが好ましい。
以下、本発明の実施形態におけるAC型プラズマディスプレイパネルについて、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施の形態におけるPDPを、前面基板のユニットと背面基板のユニットとに分離して模式的に示す斜視図である。また、図2(a)は、図1に示したPDPを矢印VWの方向から見た放電セル1個分の断面図である。図2(b)は図2(a)のA−A断面図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態のPDPは、第1基板であるガラス製の前面基板11と第2基板である背面基板21とを、放電空間20を挟んで対向させて構成される。前面基板11の表面(図1では下側)には、走査電極14と維持電極15とが交互に配列されている。隣り合う1本の走査電極14と1本の維持電極15とで、一対の表示電極を構成し、その表示電極対が多数対配置されている。
走査電極14は、幅広の透明電極14a、および導電性を高めるために透明電極14aに重なるように形成された銀(Ag)等からなる幅狭の金属母線14bにより構成される。同様に、維持電極15は、幅広の透明電極15aと、それに重なるように形成された幅狭の金属母線15bとから構成される。
隣り合う表示電極対の走査電極14と維持電極15の間には、ブラックストライプと呼称される帯状の光吸収層16が設けられている。この光吸収層16は、隣接する放電セルがそれぞれ発光したときのコントラストを高める効果を有する。また、走査電極14、維持電極15及び光吸収層16を覆うように前面側誘電体層12が形成され、その上に酸化マグネシウム(MgO)等からなる保護膜13が形成されている。
ガラス製の背面基板21の上には、複数のデータ電極22が平行に配置され、その上に背面側誘電体層23が形成され、更に帯状の縦隔壁24及び横隔壁25からなる平面視で格子状の隔壁26が形成されている。データ電極22は、走査電極14及び維持電極15と直交する方向に延びている。なお、以下の説明において、走査電極14及び維持電極15が延びる方向を行方向といい、データ電極22が延びる方向を列方向という場合がある。
格子状の隔壁26は、放電空間20を複数の放電セルごとの空間に区画すると共に、前面基板11に形成された電極ユニットと背面基板21に形成された電極ユニットとの間隙寸法、すなわち放電空間20の高さを規定する機能を有する。隔壁26を構成する縦隔壁24は、データ電極22と平行に延び、隣り合うデータ電極22とデータ電極22との中間に位置する。列方向に延びる縦隔壁24と縦隔壁24との間の空間を横切って行方向の横隔壁25が設けられている。したがって、放電空間20は、縦隔壁24によって行方向に区画され、更に横隔壁25によって列方向に区画されている。放電空間20を構成する複数の放電セルのそれぞれにおいて、データ電極22と表示電極対14、15とが交差している。なお、本実施形態のPDPでは、図1から分かるように、横隔壁25の高さは縦隔壁24の高さより少し低くなっている。
データ電極22を覆う背面側誘電体層23の表面と隔壁26の側面には、R(赤)、G(緑)、B(青)3色のいずれかの蛍光体層27が形成されている。蛍光体の材料としては、一例として、緑色蛍光体には(Zn1-xMnx2SiO4(0.01≦x≦0.25)を、青色蛍光体にはBa1-xMgAl1017:Eux又はBa1-x-ySryMgAl1017:Eux(0.03≦x≦0.20、0.1≦y≦0.5)を、赤色蛍光体にはY2(1-x)3:Eu2x又は(Y,Gd)1-xBO3:Eux(0.05≦x≦0.20)を使用することができる。
前面基板11及び背面基板21は、外縁部で封止フリット(図示せず)によって封止され、それらの間の放電空間20(隔壁26で区画された複数の放電セル)には放電ガスが封入されている。放電ガスは放電によって紫外線を放射するガスであり、例えばネオン(Ne)及びキセノン(Xe)の混合ガスを用いることができる。放電ガスは、例えば、66.7[kPa]の圧力で封入されるが、PDPの仕様に応じて種々に設定され得る。また、放電ガスの混合比や封入圧力は、後述のような範囲に調整される。
本実施の形態は、上記のような構成のAC型PDPにおいて、封入される放電ガスの条件設定と、画像を表示させるための放電電流の設定の組み合わせについて、特定の範囲に調整することを特徴とする。但し、以下に説明する駆動方法は、基本的には一般的なAC型PDPの場合と同様である。後述するように、本実施の形態の駆動方法の特徴は、単位発光領域(放電セル)における一回の表示放電により流れる放電電荷量を適切に設定することである。
本実施の形態の駆動方法においても、一般的なAC型PDPと同様、1フィールド期間を2進法に基づいた発光期間の重みを持った複数のサブフィールドに分割し、発光させるサブフィールドの組み合わせによって階調表示を行う。各サブフィールドは初期化期間、アドレス期間及び維持期間からなる。
図3は、パネルの各電極に印加する1サブフィールド分の駆動波形図の一例である。図3における(Xi)は、走査電極14に印加する電圧波形を示す。(Yi)は、維持電極15に印加する電圧波形を示す。(Ak)は、データ電極22に印加する電圧波形を示す。
各サブフィールドの初期化期間では、データ電極(Ak)および維持電極(Yi)を0(V)に保持し、走査電極(Xi)に対して放電開始電圧以下となる電圧Vi1(V)から放電開始電圧を超える電圧Vi2(V)に向かって緩やかに上昇するランプ電圧を印加する。すると、全ての放電セルにおいて1回目の微弱な初期化放電を起こし、走査電極(Xi)上に負の壁電圧が蓄えられるとともに維持電極(Yi)上およびデータ電極(Ak)上に正の壁電圧が蓄えられる。ここで、電極上の壁電圧とは、電極を覆う誘電体層あるいは蛍光体層上に蓄積した壁電荷により生じる電圧を意味する。その後、維持電極(Yi)を正の電圧Vh(V)に保ち、走査電極(Xi)に電圧Vi3(V)から電圧Vi4(V)に向かって緩やかに下降するランプ電圧を印加する。すると、全ての放電セルにおいて2回目の微弱な初期化放電を起こし、走査電極(Xi)上の壁電圧および維持電極(Yi)上の壁電圧が弱められ、データ電極(Ak)上の壁電圧も書込み動作に適した値に調整される。
続くアドレス期間では、走査電極(Xi)を一旦Vab(V)に保持する。つぎに、データ電極(Ak)のうち1行目に表示すべき放電セルのデータ電極(Ak)に正の書込みパルス電圧Va(V)を印加するとともに、1行目の走査電極(Xi)に負極性の走査パルス電圧Vs(V)を印加する。このときデータ電極(Ak)と走査電極(Xi)との交差部の電圧は、外部印加電圧(Va−Vs)(V)にデータ電極(Ak)上の壁電圧および走査電極(Xi)上の壁電圧の大きさが加算されたものとなり、放電開始電圧を超える。そして、データ電極(Ak)と走査電極(Xi)との間および維持電極(Yi)と走査電極(Xi)との間に書込み放電が起こる。この放電セルの走査電極(Xi)上に正の壁電圧が蓄積され、維持電極(Yi)上に負の壁電圧が蓄積され、データ電極(Ak)上にも負の壁電圧が蓄積される。このようにして、1行目に表示すべき放電セルで書込み放電を起こして各電極上に壁電圧を蓄積する書込み動作が行われる。一方、正の書込みパルス電圧Va(V)が印加されなかったデータ電極(Ak)と走査電極(Xi)との交差部の電圧は放電開始電圧を超えないので、書込み放電は発生しない。以上の書込み動作をn行目の放電セルに至るまで順次行い、アドレス期間が終了する。
続く維持期間では、まず、維持電極(Yi)を0(V)に戻し、走査電極(Xi)に正の維持パルス電圧Vsus(V)を印加する。このとき、書込み放電を起こした放電セルにおける走査電極(Xi)上と維持電極(Yi)上との間の電圧は、維持パルス電圧Vsus(V)に走査電極(Xi)上および維持電極(Yi)上の壁電圧の大きさが加算されたものとなり、放電開始電圧を超える。そして、走査電極(Xi)と維持電極(Yi)との間に維持放電が起こり、走査電極(Xi)上に負の壁電圧が蓄積され、維持電極(Yi)上に正の壁電圧が蓄積される。このときデータ電極(Ak)上にも正の壁電圧が蓄積される。書込み期間において書込み放電が起きなかった放電セルでは維持放電は発生せず、初期化期間の終了時における壁電圧状態が保持される。
続いて、走査電極(Xi)を0(V)に戻し、維持電極(Yi)に正の維持パルス電圧Vsus(V)を印加する。すると、維持放電を起こした放電セルでは、維持電極(Yi)上と走査電極(Xi)上との間の電圧が放電開始電圧を超えるので、再び維持電極(Yi)と走査電極(Xi)との間に維持放電が起こり、維持電極(Yi)上に負の壁電圧が蓄積され走査電極(Xi)上に正の壁電圧が蓄積される。以降同様に、走査電極(Xi)と維持電極(Yi)とに交互に輝度重みに輝度倍率Nを乗じた回数の維持パルスを印加することにより、書込み期間において書込み放電を起こした放電セルで維持放電が継続して行われ、所定の輝度の2値画像を表示する。
続くサブフィールドにおいても、維持パルスの数を除いて上記と同様の動作が繰り返される。
本実施の形態によれば、以上のようなAC型PDPの維持期間の動作について、実用的に望ましい範囲の発光効率が得られるように、駆動条件を以下のように制御する。すなわち、放電ガス中のキセノンの圧力を13.3[kPa]以上とし、かつ、単位発光領域において一回の表示放電により流れる放電電荷量Qd[C]が、10<Qd<40.0の範囲になるように制御する。そのような範囲が望ましい理由について、図4を参照して説明する。
図4は、単位発光領域における一回の表示放電により流れる放電電荷量Qd[C](横軸)と、発光効率[lm/W](縦軸)の関係を示す。図4における線a、b、c、dは各々、Xeガス圧力が、6.67[kPa]、13.3[kPa]、33.3[kPa]、および66.7[kPa]の場合の放電電荷量と発光効率の関係を示す。
各Xeガス圧力において、放電電荷量Qdが大きくなる程、発光効率が低下する。また、Xeガス圧力が大きくなるほど、発光効率が向上する。図4からは、キセノンの圧力を13.3[kPa]以上とし、かつ、放電電荷量Qdを40.0[C]以下の範囲に制御すれば、約2.5[lm/W]以上の発光効率が得られることが判る。約2.5[lm/W]以上の発光効率は、実用上十分に満足できる値である。
このように、放電電荷量Qdを制限することにより高い発光効率が得られる理由は、放電電荷量を制限することでキセノン励起原子の生成効率が高まるためである。PDPでは、キセノン励起原子から放射される真空紫外線により蛍光体を励起し、可視光を得ている。そのため、キセノン励起原子の生成効率を高めることで発光効率が向上する。
一方、放電電荷量Qdを低下させると、キセノン励起原子の生成量は低下するので、全体の発光量を考慮すると、放電電荷量Qdを維持すべき下限がある。実用的には、放電電荷量Qdは10.0[C]以上に維持することが必要である。
ここで、放電電荷量Qdの測定方法について、図5を参照して説明する。図5において、30はAC型PDPであり、面積S[m2]の点灯領域30aを有する。点灯領域30aにはn[個]の放電セルが設けられている。放電セルは、図1〜図3を参照して説明した構成を有する。AC型PDP30を駆動して点灯させるために、駆動回路31が接続される。駆動回路31には、電流計32を介して直流電圧電源33が接続されている。AC型PDP30を点灯させたときに直流電圧電源33から駆動回路31に流れる電流を、電流計32により測定する。
測定に際しては、駆動回路31により周波数fのパルス電圧をAC型PDP30に印加して、各単位発光領域(放電セル)で単位時間当りf[回]の平均放電回数でAC型PDP30を点灯させる。走査電極および維持電極のうちの一方をX側電極、他方をY側電極とすれば、X側電極およびY側電極にはそれぞれ、図6(a)、(b)の駆動電圧波形が印加される。放電に伴う発光の波形は図6(c)に示されるとおりである。
放電電荷量Qdと発光効率の関係を求めるために、表示放電が行われていない時に電流計32に表示される電流量Io、および放電開始後の電流量Idを測定する。測定は次の手順で行う。
(1)駆動回路31により、周波数fのパルス電圧をAC型PDP30に印加する。
(2)AC型PDP30の放電維持電圧Vsになった時の電流値Ioを計測する。
(3)放電開始電圧Vf以上のパルス電圧を印加し、AC型PDP30を点灯させる。なお、初期化放電や書込み放電を用いる場合は、この手順は不要である。
(4)AC型PDP30の放電維持電圧Vsになった時の電流値Id、および輝度B[cd/m2]を計測する。(実験では、輝度の計測には、コニカミノルタ社製の輝度計CS−1000Aを用いた。)
以上の手順による測定結果の電流値Io、Idを用いて、放電電荷量Qdを下記の式(1)により計算する。
Qd=(Id−Io)/(f・n) ・・・(1)
発光効率η[lm/W]は、点灯領域30aの面積S[m2]を用いて、下記の式(2)により計算できる。
発光効率η=(π×B×S)/(Vs×(Id−Io)) ・・・(2)
放電電荷量Qdを制御する方法は、適宜選択することができるが、以下のように放電キャパシタンスを調整することにより設定する方法は、簡便で安定した結果が得られる。
放電キャパシタンスCg[F]は、図7に示すように、走査電極14および維持電極15と、前面側誘電体層12により形成される。走査電極14上の前面側誘電体層12、および維持電極15上の前面側誘電体層12によりそれぞれ形成されるキャパシタンスは2Cg[F]は、下記の式(3)により計算することができる。放電空間のキャパシタンスCoは、放電時には短絡とみなすことができるので、放電時に走査電極14と維持電極15の間に介在するキャパシタンスは、Cgとなる。
2Cg=εr×ε0×A/d ・・・(3)
εr:前面側誘電体層12の比誘電率
ε0:真空中の誘電率(8.85×10-12[F/m])
A :片側電極面積(走査電極14または維持電極15の面積)
d :誘電体膜厚(前面側誘電体層12の電極上の厚さ)
一方、1回の放電で流れる放電電荷量Qd[C]は、下記の式(4)で表される。
Qd=2Qg=2×Cg×Vs ・・・(4)
例えば、εr=12、A=48×10-9[m2]、d=35[μm]=35×10-6[m]とすれば、2Cg=0.15×10-12[F]となる。したがって、1回の放電で流れる放電電荷量Qdは、Vs=200Vとすれば、Qd=2×Cg×Vs=30×10e-12[C]となる。
以上のとおり、放電電荷量Qdは、放電キャパシタンスCgを調整することにより、適宜設定可能である。また、放電キャパシタンスCgは、前面側誘電体層12の比誘電率εr、片側電極面積A、あるいは誘電体膜厚dを調整することにより、適宜設定可能である。ただし、上記計算式は、放電キャパシタンスCgの調整方法の一例を示すためのものであり、計算結果は、実験結果から得られる放電電荷量Qdよりも小さくなる。これは、実際の装置では、電極面積よりも広い範囲に漏れ電界が形成されるためであると考えられる。
以上に説明した事項に基づき、キセノンの圧力および放電電荷量Qdと発光効率の関係について測定した実験結果について、以下に説明する。
下記の(表1)に示すように、前面側誘電体層12の比誘電率εr、および誘電体膜厚dを調整することにより放電キャパシタンスCgを変化させて、No.1〜19のPDPサンプルを作成した。
Figure 2008010192
上記(1)〜(4)の手順により、単位時間あたりの平均放電回数fを、X側電極およびY側電極を合わせて30400回/秒として測定を行った。放電ガスとしてNeとXeの混合ガスを用い、各サンプルについてXeガスの混合比およびXeガス圧力を変化させた。測定結果を、図8の(表2)に示す。なお、図4のグラフは、(表2)の測定値に基づいて作成したものである。
本実施の形態において、前面側誘電体層12の比誘電率εrは、8以下に設定される。前面側誘電体層12の比誘電率εrが小さい程、放電電荷量Qdを小さくするのが容易だからである。従って、他の条件との関係も考慮した上で、比誘電率が最も小さい材料により前面側誘電体層12を形成する。しかも前面側誘電体層12の比誘電率εrを小さくすれば、放電時の無効電流を低い値に抑制することが容易である。すなわち、無効電流としては、図7に示す電極ギャップ間のキャパシタンスCpを流れる電流が大きいが、比誘電率εrが小さければ、キャパシタンスCpが小さくなり、無効電流を低減することができるからである。
比誘電率εrが8以下である亜鉛系誘電体の一例を以下に示す。比誘電率を8以下とするためには、鉛を用いない組成とすればよい。
(亜鉛系誘電体)
ZnO :35〜45 wt%
23 :30〜40 wt%
SiO2: 5〜15 wt%
2O :10〜15 wt%
その他 : 1〜 5 wt%
また、前面側誘電体層12の膜厚dは、5[μm]以上、50[μm]以下に設定する。膜厚dを5[μm]以上にすれば、放電電荷量Qdを小さくすることが容易なる。一方、膜厚dを50[μm]より大きくすると、精度を安定させることが困難になり、実用的ではない。
さらに、表示電極対を構成する走査電極14および維持電極15の、放電ギャップを介して行われる放電に関与する部分の列方向の幅は、150[μm]以下にする。それにより、放電電荷量Qdを小さくすることが容易なる。なお、電極の実際の幅で判断するのではなく、実際に放電が起っている(近赤外線の発生領域、もしくはネオンの発光領域から判断される)領域を設定することが重要である。
本発明のAC型プラズマディスプレイパネルは、高い発光効率を得ることが可能で、大型ディスプレイ装置として有用である。
本発明の実施形態におけるPDPを前面基板ユニットと背面基板ユニットとに分離して模式的に示す斜視図 (a)は図1に示したPDPを矢印VWの方向から見た放電セル1個分の断面図、(b)は、(a)のA−A断面図 本発明の実施形態におけるPDPを駆動するための各電極に印加する駆動波形の一例を示す波形図 PDPの単位発光領域における一回の表示放電により流れる放電電荷量Qdと、発光効率の関係を示す図 放電電荷量Qdの測定方法について説明するための模式図 同測定方法を実施する際の駆動電圧波形図 PDPにおける放電キャパシタンスについて説明するための断面図 キセノンの圧力および放電電荷量Qdと発光効率の関係について測定した実験結果を示す表
符号の説明
11 前面基板(第1基板)
12 前面側誘電体層
13 保護膜
14 走査電極
14a、15a 透明電極
14b、15b 金属母線
15 維持電極
16 光吸収層
20 放電空間
21 背面基板(第2基板)
22 データ電極
23 背面側誘電体層
24 縦隔壁24
25 横隔壁
26 隔壁
27 蛍光体層
30 AC型PDP
30a 点灯領域
31 駆動回路
32 電流計
33 直流電圧電源

Claims (5)

  1. 放電空間を挟んで対向する第1および第2基板と、
    前記第1基板上に行方向に延在させて配置されるとともに、列方向に併設されて放電ギャップを介して互いに対向する表示電極の対によって構成された複数組の表示電極対と、
    前記第1基板上に形成されて前記表示電極対を覆う誘電体層と、
    前記第2基板上に列方向に延在させて配置されるとともに行方向に併設された複数のデータ電極と、
    前記第2基板における前記データ電極の上部領域に付設された蛍光体層とを備え、
    前記放電空間内にキセノンを含む放電ガスが封入され、前記データ電極と前記表示電極対とが交差する部分の前記放電空間にそれぞれ単位発光領域が形成されるプラズマディスプレイパネルにおいて、
    前記放電ガス中のキセノンの圧力が13.3[kPa]以上であり、
    前記単位発光領域において一回の表示放電により流れる放電電荷量Qd[C]が、10<Qd<40.0の範囲になるように設定されていることを特徴とするAC型プラズマディスプレイパネル。
  2. 前記誘電体層の比誘電率が8以下である請求項1に記載のAC型プラズマディスプレイパネル。
  3. 前記誘電体層の膜厚が5[μm]以上である請求項1または2に記載のAC型プラズマディスプレイパネル。
  4. 前記誘電体層の膜厚が50[μm]以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載のAC型プラズマディスプレイパネル。
  5. 前記表示電極対を構成する各表示電極の、前記放電ギャップを介して行われる放電に関与する部分の列方向の幅が150[μm]以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載のAC型プラズマディスプレイパネル。
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