JP2004055108A - ブースト回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】データ読み出し動作時、速度が速くて安定化したワードライン電圧を生成するブースト回路を提供すること。
【解決手段】第1電圧をブーストし、第2電圧を出力するブートストラップ回路部と、前記第1電圧の大きさに応じて電圧サイズが決定されるバイアス電圧によって選択的に駆動され、前記第2電圧を一定の電圧レベルに降下させるプリ選択クランプ回路部と、前記プリ選択クランプ回路部を介して降下した前記第2電圧を目標値の電圧に再び降下させるクランプ回路部とを含むブースト回路を提供する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブースト回路に係り、特に、半導体素子のメモリセルのデータ読み出し動作時、読み出しアクセスタイムを減らし、電流損失を最小化し、安定化したワードライン電圧を生成することが可能なブースト回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
不揮発性半導体メモリ素子の一種であるEEPROM(Electrically Erasableand Programmable Read Only Memory)のメモリセルでは、フローティングゲート電極に電子を蓄積してプログラムを行い、電子の存在有無によるしきい値電圧Vthの変化を検出してデータの読み出しを行っている。EEPROMにはメモリセルアレイ全体でデータの消去を行うか、或いはメモリセルアレイを任意のブロックに分けて各ブロック単位でデータ消去動作を行うフラッシュEEPROM(以下、「フラッシュメモリ素子」という)がある。
【0003】
一般に、フラッシュメモリ素子のメモリセルはその構造によってスタックゲート型(stack gate type)及びスプリットゲート型(split gate type)が大別される。例えば、図8に示すように、スタックゲート型メモリセルは、半導体基板802に形成されたソース領域804及びドレイン領域806、半導体基板802上に形成されたゲート酸化膜808、フローティングゲート810、誘電体膜812及びコントロールゲート814を含む。
【0004】
スタックゲート型メモリセルのプログラム動作は、以下の表1及び図9に示す如く、ソース領域804と半導体基板802(即ち、バルク(bulk))にそれぞれ接地電圧0Vのソース電圧Vsとバルク電圧Vbを印加し、コントロールゲート814に陽の高電圧(program voltage)(例えば、+9V〜+10V)のゲート電圧Vgを印加し、ドレイン領域806にドレイン電圧Vd(例えば、+5V〜+6V)を印加してホットキャリアを発生させてなされる。このようなホットキャリアはコントロールゲート814に印加されるゲート電圧Vgの電界によってバルクの電子がフローティングゲート810に蓄積され、ドレイン領域806に供給される電荷が累積されて発生する。前記プログラム動作が完了すると、メモリセルは目標値プログラム電圧散布(例えば、6V〜7V)のプログラムしきい値電圧を有することになる。
【0005】
スタックゲート型メモリセルの消去動作は、表1に示すように、コントロールゲート814に陰の高電圧(例えば、−9V〜−10V)を印加し、バルクにバルク電圧Vb(例えば、+5V〜+6V)を印加してF−Nトンネリング現象を誘発させることにより行われる。前記メモリセルはバルク領域を共有するセクタ単位で消去される。前記FNトンネリング現象は、フローティングゲート810に蓄積された電子をソース領域804に放出させることにより、メモリセルが所定の電圧散布(例えば1V〜3V)の消去しきい値電圧を有することになる。
【0006】
前記プログラム動作により、しきい値電圧が高くなったメモリセルは、読み出し動作時、ドレイン領域806からソース領域804への電流注入が防止されてオフ状態になる。そして、前記消去動作により、しきい値電圧が低くなったメモリセルは、ドレイン領域806からソース領域804に電流が注入されてオン状態になる。
【0007】
前記フラッシュメモリセルは、フラッシュメモリアレイの構成において、高集積化のために、バルク領域を共有するように構成される。これにより、一つのセクタに含まれるフラッシュメモリセルは同時に消去される。この際、セクタ内の全てのフラッシュメモリセルが同時に消去されると、フラッシュメモリセルそれぞれのしきい値電圧に対する均一性(uniformity)により、フラッシュメモリセルのうち「0V」以下のしきい値電圧を有するフラッシュメモリセル(以下、「過消去メモリセル」という)が発生する。これを補償するために、過消去されたフラッシュメモリセルのしきい値電圧を消去しきい値電圧散布内に分布させる一連の修正動作(overerase repair;過消去訂正)が行われる。このような過消去訂正動作は、下記表1の如くコントロールゲート814にゲート電圧Vg(例えば、+3V)を印加し、ドレイン領域806にドレイン電圧Vd(例えば、+5V〜+6V)を印加し、ソース領域804とバルクを接地させて行う。
【0008】
【表1】
Figure 2004055108
【0009】
上述したように、フラッシュメモリ素子のプログラム動作、消去動作及び読み出し動作が行われるためには、メモリセルのコントロールゲートへ供給される高電圧(例えば、Vpgm:program voltage、Vera:erase voltage、Vrea:read voltage)を発生する高電圧発生回路の役割が非常に重要である。最近は、全ての半導体メモリ装置の低電圧化の趨勢に伴ってフラッシュメモリ装置も、極低電圧(例えば、2V以下または1.7V以下)下における動作が要求されている。このような趨勢によって、フラッシュメモリ装置の速い動作速度を維持するためには、高電圧発生回路の役割が非常に重要である。
【0010】
前記高電圧発生回路のうち、特に読み出し動作を行うための読み出し電圧発生回路は、読み出し動作速度を増加させるために、ブートストラップ回路(bootstrap circuit)を用いる。このようなブートストラップ回路は低電位電源電圧の供給を受け、この電源電圧をそれ以上にブーストして行デコーダ(row decoder)を介してワードラインへ供給する。このようなブートストラップ回路を用いて低電位電源電圧をブーストする場合、ブートストラップ回路によってブーストされたワード電圧が低過ぎると、メモリセルの電流を正確に読み出すことが難しく、ワードライン電圧が高過ぎると、メモリセルのコントロールゲートにストレスが印加されてデータ保存特性に問題が発生する。
【0011】
前記において、後者の場合を解決するために、最近はブートストラップ回路の後端にクランプ回路を備え、ブートストラップ回路によって高くブーストされた電圧(以下、「ブースト電圧」という)を目標値の電圧に降下させている。これを図10に基づいて説明する。
【0012】
図10は通常のフラッシュメモリ装置のブースト回路(boosting circuit)を示すブロック図である。一方、後述する図12の符号「VDIV」はクランプ回路部1030から生成されて基準電圧Vrefと比較される分配電圧である。「W/L」は最終ワードラインに印加される電圧である。
【0013】
図10を参照すると、ブースト回路1000はブートストラップ回路部1010、基準電圧発生部1020及びクランプ回路部1030からなる。ブートストラップ回路部1010は低電位電源電圧LVcc(例えば、2.5V)または高電位電源電圧HVcc(例えば、3.8V)を入力とし、これをそれ以上の電圧にブーストして出力する。基準電圧発生部1020は同期信号のイネーブルバー信号ENbに応じて駆動され、基準電圧Vrefを出力する。クランプ回路部1030は、イネーブル信号EN及びイネーブルバー信号ENbに応じて駆動され、駆動時にブートストラップ回路部1010から出力されるブースト電圧VBOOTと基準電圧Vrefとを比較し、ブースト電圧VBOOTが基準電圧Vrefより高い場合、ブースト電圧VBOOTを目標値の電圧まで降下させ、最終ワードライン電圧を出力する。
【0014】
一方、イネーブル信号EN及びイネーブルバー信号ENbは、図11に示したイネーブル信号発生回路1100によって得られる。イネーブル信号発生回路1100は、クランプ回路部1030を駆動させるためのクランプイネーブル信号clamp_enとクランプ回路部1030の出力信号であるクランプ信号clampとを否定論理和するノアゲートNORと、ノアゲートNORの出力信号を反転させる第1インバータINV1と、第1インバータINV1の出力信号(即ち、イネーブル信号EN)を反転させてイネーブルバー信号ENbを出力する第2インバータINV2とを含む。
【0015】
ところが、このようなブースト回路1000は、ワードライン電圧を生成するために、クランプ回路部1030を使用している。これにより、図12に示すように、安定的なワードライン電圧を生成することができない上、安定的なワードライン電圧を生成するためにはアクセスタイム(即ち、目標値の電圧までブースト電圧を降下させるために消耗されるタイム)が遅くなる。また、これを解決するために速いアクセスタイムを考慮すると、ワードライン電圧がアンダシュート(under shoot)(図12の「A」参照)が発生して半導体素子の安定化に多くの問題をもたらす。また、クランピング区間でセンシングを行わない低電位電源電圧LVcc領域において依然として読出活性電流(readactive current)を制御することができないという問題点が発生する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、かかる従来の技術の問題点を解決するために案出されたもので、その目的は、データ読み出し動作時、速度が速くて安定化したワードライン電圧を生成するブースト回路を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、第1電圧をブーストし、第2電圧を出力するブートストラップ回路部と、前記第1電圧の大きさに応じて電圧サイズが決定されるバイアス電圧によって選択的に駆動され、前記第2電圧を一定の電圧レベルに降下させるプリ選択クランプ回路部と、前記プリ選択クランプ回路部を介して降下した前記第2電圧を目標値の電圧に再び降下させるクランプ回路部とを含むブースト回路を提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、添付図に基づいて本発明の好適な実施例を説明する。ところが、本発明は、下記実施例に限定されるものではなく、互いに異なる様々な形態で実現されることができる。但し、下記実施例は本発明の開始を完全にし、通常の知識を有する者に発明の範疇を知らせるために提供されるものである。一方、図面上において、同一の符号は同一の要素を指し、重複される要素に対しては説明を略する。
【0019】
図1は本発明の好適な実施例に係る半導体素子のブースト回路を説明するためのブロック図である。
【0020】
図1を参照すると、本発明の好適な実施例に係るブースト回路100は、ブートストラップ回路部110、基準電圧発生部120及びクランプ回路部130を含む。また、ブースト回路100は、ブートストラップ回路部110に印加される低電位電源電圧(LVcc;例えば2.5V)または高電位電源電圧(HVcc;例えば3.8V)に応じて選択的に駆動され、予めブートストラップ回路部110のブースト電圧VBOOTを所定の電圧レベルに降下させるための回路(以下、「プリ選択クランプ回路部(preselect clamp circuit)140」という)をさらに含む。
【0021】
具体的に、ブートストラップ回路部110は、低電位電源電圧LVccまたは高電位電源電圧HVccを入力とし、この電圧をブースト(例えば、2倍〜3倍程度)してブースト電圧VBOOTを出力する。基準電圧発生部120はイネーブル信号ENの反転信号であるイネーブルバー信号ENbに基づいて同期し、基準電圧Vrefを生成して出力する。クランプ回路部130は、ブートストラップ回路部110へ高電位電源電圧HVccが印加される場合、ブースト電圧VBOOTと基準電圧Vrefとを比較し、比較結果に応じてブースト電圧VBOOTを降下させてワードライン電圧を出力する。一方、クランプ回路部130は、ブートストラップ回路部110に低電位電源電圧LVccが印加される場合、駆動されない。一般に、クランプ回路は、低電位電源電圧LVccでは駆動されないように設計される。
【0022】
プリ選択クランプ回路部140は、図1に示すように、ブートストラップ回路部110の出力端と接地端子Vssとの間に直列に接続される第1NMOSトランジスタN1と第2NMOSトランジスタN2を含む。第1NMOSトランジスタN1はバイアス電圧Vbiasに応じて駆動(ターンオン)される。第2NMOSトランジスタN2はクランプイネーブル信号clamp_enに応じて駆動される。その動作特性を考察すると、まず、プリ選択クランプ回路部140の第1NMOSトランジスタN1には、高電位電源電圧HVccまたは低電位電源電圧LVccに応じて電圧レベルが異なるバイアス電圧Vbiasが印加される。このようなバイアス電圧Vbiasの電圧レベルに応じて第1NMOSトランジスタN1の充電ドライブ能力(charge drivability)が変化し、これにより第1NMOSトランジスタN1をパスする電流量が変化することになる。すなわち、バイアス電圧Vbiasの電圧レベルが高い場合には、第1NMOSトランジスタN1のチャネル幅が広く形成されて電流パスが多く行われ、電圧レベルが低い場合には、第1NMOSトランジスタN1のチャネル幅が狭く形成されて電流パスが少なく行われる。したがって、第2NMOSトランジスタN2がクランプイネーブル信号clamp_enによってターンオンされる場合、バイアス電圧Vbiasの電圧レベルに応じてブースト電圧VBOOTの放電量が決定される。ここで、第1NMOSトランジスタN1と第2NMOSトランジスタN2は一例であり、それぞれPMOSトランジスタを用いて実現することもでき、その数を増加させることもできる。
【0023】
一方、プリ選択クランプ回路部140の第1NMOSトランジスタN1の動作を制御するバイアス電圧Vbiasは、図2に示した発生回路200(以下、「バイアス電圧発生回路」という)によって得られる。バイアス電圧発生回路200はイネーブルバー信号ENbによって駆動され、電源端子Vccに低電位電源電圧LVccまたは高電位電源電圧HVccの印加を受ける。バイアス電圧発生回路200は、イネーブルバー信号ENbに応じて、低電位電源電圧LVccまたは高電位電源電圧HVccを所定の電圧レベルに降下させてバイアス電圧Vbiasを出力する。例えば、図4及び図7に示した「A」波形及び「B」波形のように、2.5Vの低電位電源電圧LVccが印加される場合、バイアス電圧Vbiasは0.7Vの電位で出力され、3.8Vの高電位電源電圧HVccが印加される場合、バイアス電圧Vbiasは2.4Vの電位で出力される。これを実現するためには、図2に示した各トランジスタN3、N4、N5、N6、N7、P1及びP2のW/Lを適切に調節しなければならない。ここで、「A」波形は3.8Vの高電位電源電圧HVccが印加される場合、バイアス電圧Vbiasが2.4Vに降下することを示す波形であり、「B」波形は2.5Vの低電位電源電圧LVccが印加される場合、バイアス電圧Vbiasが0.7Vに降下することを示す波形である。
【0024】
具体的に、図2に示すように、バイアス電圧発生回路200は、第1インバータINV1、第3NMOSトランジスタN3、第4NMOSトランジスタN4、第5NMOSトランジスタN5、第6NMOSトランジスタN6、第7NMOSトランジスタN7、第1PMOSトランジスタP1及び第2PMOSトランジスタP2を含む。第1インバータINV1は入力されるイネーブルバー信号ENbを反転させる。第3NMOSトランジスタN3は電源端子Vccと出力端となる第1ノードQ1(即ち、バイアス電圧Vbiasが出力されるノード)との間に接続され、第1インバータINV1の出力信号によって駆動される。第4NMOSトランジスタN4は第1ノードQ1と接地端子Vssとの間に接続され、第2ノードQ2の電位によって駆動される。第1PMOSトランジスタP1は電源端子Vccと第2ノードQ2との間に接続され、第1インバータINV1の出力信号によって駆動される。第2PMOSトランジスタP2は電源端子Vccと第2ノードQ2との間に接続され、ゲート電極がソース電極と接続されてダイオードとして機能する。第5NMOSトランジスタN5は第2ノードQ2と第6NMOSトランジスタN6との間に接続され、第1ノードQ1の電位によって駆動される。第6NMOSトランジスタN6は第5NMOSトランジスタN5と第7NMOSトランジスタN7との間に接続され、電源端子Vccに印加される低電位電源電圧LVccまたは高電位電源電圧HVccによって駆動される。第7NMOSトランジスタN7は第6NMOSトランジスタN6と接地端子Vssとの間に接続され、第1インバータINV1の出力信号(反転信号)によって駆動される。
【0025】
一方、図1及び図2にクランプ回路部130と基準電圧発生部120を駆動させるためのイネーブル信号EN及びイネーブルバー信号ENbは、発生回路(以下、「イネーブル信号発生回路」という)(図3の「300」参照)によって生成される。イネーブル信号発生回路300は、クランプ回路部(図1の「130」参照)を駆動させるためのクランプイネーブル信号clamp_enとクランプ回路部130のクランプ信号clampとを否定論理和するノアゲートNORと、ノアゲートNORの出力信号を反転させる第2インバータINV2と、第2インバータINV2の出力信号(即ち、イネーブル信号EN)を反転させてイネーブルバー信号ENbを出力する第3インバータINV3とを含む。このようなイネーブル信号発生回路300は読出活性電流を減少させる機能を行う。これは、論理組合せ部となるイネーブル信号発生回路300がクランプイネーブル信号clamp_enとクランプ信号clampとを論理組合せしてイネーブル信号ENを発生するため、センシング区間でのみイネーブル信号ENを活性化させることが可能である。これにより、イネーブル信号ENの制御によってクランプ回路部130を駆動させることが可能になる。また、イネーブル信号発生回路300はクランプイネーブル信号clamp_enと、クランプ回路部130のクランプ信号clampをノアゲートNORを用いて論理組合せしているが、これは一例であり、他のゲート(NANDゲート、ANDゲート、ORゲートなど)を用いて実現することができる。
【0026】
以下、本発明の好適な実施例に係るブースト回路の動作特性を一例として、図4及び図7によって具体的に説明する。ここで、図4はブースト回路の入/出力信号(clamp_en、Vbias、VBOOT、W/Lなど)の波形図である。図5は図4のワードライン電圧のシミュレーション結果を示す波形図である。図6及び図7は図4に示したバイアス電圧Vbiasのシミュレーション結果を示す波形図である。
【0027】
まず、高電位電源電圧HVccと低電位電源電圧LVccをそれぞれ「3.8V」と「2.5V」に印加する場合、ブースト回路100の動作特性を表2、図1、図4ないし図7を参照して説明する。下記表2ではブートストラップ回路部110のブースト比を2.5倍と仮定し、バイアス電圧Vbiasの電圧レベルによるワードライン電圧降下は、バイアス電圧Vbiasが「2.4V」の場合には「2V」とし、「0.7V」の場合には「0.75V」とした。
【0028】
【表2】
Figure 2004055108
【0029】
表2、図1及び図4を参照すると、該当読み出しメモリセルのアドレスを検出するためのアドレス遷移検出バー信号(Address Transition Detector bar)ATDbがロー状態に維持される状態で、クランプイネーブル信号clamp_enがロー状態からハイ状態に遷移すると、イネーブル信号発生回路(図3の「300」参照)によってクランプ信号clampと関係なくイネーブル信号ENはハイ状態に遷移する。
【0030】
以後、イネーブル信号ENがハイ状態に遷移するにつれて、イネーブルバー信号ENbはロー状態に遷移してバイアス電圧発生回路(図2の「200」参照)に入力される。バイアス電圧発生回路200はロー状態のイネーブルバー信号ENbによって同期されてバイアス電圧Vbiasを出力する。バイアス電圧発生回路200の電源端子Vccに高電位電源電圧HVccが印加される場合には図4及び図7の「A」波形の如くバイアス電圧Vbiasは「2.4V」の電圧レベルで出力され、低電位電源電圧LVccが印加される場合には図4及び図7の「B」波形の如くバイアス電圧Vbiasは「0.7V」の電圧レベルで出力される。このように、バイアス電圧発生回路200の電源端子Vccに印加される電圧に応じてバイアス電圧Vbiasの電圧レベルが変化する。
【0031】
前述したバイアス電圧Vbias波形は、図6及び図7のシミュレーション結果の波形図に具体的に示される。図6及び図7を参照すると、「F」部位において、「A」波形は比較的急激に増加するが、これに対し、「B」波形は緩やかに増加する地点が発生する。即ち、「A」波形と「B」波形との間には立ち上がりタイム(rising time)がそれぞれ異なることが分かる。従って、このような両波形間の立ち上がりタイムを用いてブースト電圧VBOOTの降下を制御し、安定的なワードライン電圧を生成することが可能である。
【0032】
一方、バイアス電圧発生回路200から出力されるバイアス電圧Vbiasはプリ選択クランプ回路部140の第1NMOSトランジスタN1に印加される。この際、第2NMOSトランジスタN2はクランプイネーブル信号clamp_enによってターンオンされた状態である。第1NMOSトランジスタN1はバイアス電圧Vbiasの電圧レベルに応じてそのチャネル幅の大きさが異なるように形成される。即ち、第1NMOSトランジスタN1のチャネル幅はバイアス電圧Vbiasの電圧レベルが「0.7V」の時より「2.5V」の時に大きく形成される。これにより、高電位電源電圧HVccが印加される場合には、低電位電源電圧LVccが印加される場合より、第1NMOSトランジスタN1のチャネル幅がそれほど大きく形成され、大きい電圧降下が起こる。
【0033】
すなわち、表2と図5に示すように、高電位電源電圧HVccが印加され、ブートストラップ回路部110を介してブースト電圧VBOOTが「9.5V」(図5の「C」波形参照)で出力される場合には、「7.5V」(図5の「D」波形参照)のワードライン電圧(即ち、クランプ回路部によって電圧降下が行われる前の電圧)を得ることができる。一方、低電位電源電圧LVccが印加され、ブートストラップ回路部110を介してブースト電圧VBOOTが「6.25V」で出力される場合には、「5.5V」のワードライン電圧を得ることができる。
【0034】
その後、高電位電源電圧HVccが印加される場合には、イネーブル信号ENとイネーブルバー信号ENbによってクランプ回路部130を駆動させ、プリ選択クランプ回路部140によって一次的に降下したブースト電圧VBOOTを降下させ、目標値ワードライン電圧を得る。ところが、低電位電源電圧LVccが印加される場合には、イネーブル信号ENとイネーブルバー信号ENbによってクランプ回路部130を駆動させず、プリ選択クランプ回路部140によって降下したブースト電圧VBOOTをワードライン電圧として使用し、或いはブートストラップ回路部110からのブースト電圧VBOOTをそのままワードライン電圧として使用する。このような事項は設計時に選択して使用することができる。
【0035】
前記の内容に基づくと、本発明は、高電位電源電圧HVccが印加される場合には、プリ選択クランプ回路部140によって一次的にブースト電圧VBOOTを所定の電圧レベルに降下させた後、クランプ回路部130によって最終目標値のワードライン電圧に降下させる。また、低電位電源電圧LVccが印加される場合には、クランプ回路部130は駆動させず、プリ選択クランプ回路部140のみ駆動させ、ブースト電圧VBOOTを降下させる。このような理由はクランプ回路部130の電流損失が比較的大きいためである。一般に、目標値のワードライン電圧を得るためには、クランプ回路部130によってブースト電圧VBOOTを長時間降下させる必要がある。これにより、クランプ回路部130を長時間駆動状態に維持しなければならないため、電流損失がそれほど大きい。
【0036】
従って、本発明は、高電位電源電圧HVccが印加される場合には、クランプ回路部130の駆動による電流損失を最小化するために、一時的に比較的電流損失の小さいプリ選択クランプ回路部140によってブースト電圧VBOOTを所定のレベルに降下させ、足りない部分に対してはクランプ回路部130を駆動させてブースト電圧VBOOTを降下させる。これにより、クランプ回路部130の駆動状態を最大限短時間のみ維持するように、予めプリ選択クランプ回路部140によってブースト電圧VBOOTを所定のレベルに降下させる。また、低電位電源電圧LVccが印加される場合には、クランプ回路部130を駆動させないため、従来の技術で必須不可欠に発生する電流の消耗を防止することができる。また、図12の「A」部位に発生する従来のアンダシュート現象を防止することができる。一方、図4の「W/L」は最終的にワードラインに印加される電圧である。
【0037】
前述した本発明の技術的思想は、好適な実施例で具体的に記述されたが、これらの実施例は本発明を説明するためのもので、本発明を制限するものではない。また、本発明は、当分野で通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想の範囲内で様々な実施が可能であることが理解できよう。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、高電位電源電圧HVccが印加される場合、一時的に比較的電流損失の少ないプリ選択クランプ回路部によってブースト電圧VBOOTを降下させ、その後ブースト電圧VBOOTに対してクランプ回路部によって降下させ、最終目標値のワードライン電圧を生成することにより、読み出し動作時の読み出しアクセスタイムが速く、電流消耗を最小化し、安定したワードライン電圧を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施例に係るブースト回路を説明するために示したブロック図である。
【図2】図1のバイアス電圧を生成するためのバイアス電圧発生回路の詳細回路図である。
【図3】図1のイネーブル信号を発生するためのイネーブル信号発生回路を示す回路図である。
【図4】図1のブースト回路の動作特性を説明するための波形図である。
【図5】図1のブースト回路のプリ選択クランプ回路部の動作によるワードライン電圧の変化を示す波形図である。
【図6】電源電圧の大きさによるバイアス電圧の波形図である。
【図7】図6の「F」部位を拡大して示したバイアス電圧波形図である。
【図8】一般的なフラッシュメモリ素子の構造を説明するための断面図である。
【図9】一般的なフラッシュメモリ素子のプログラム及び消去動作に係るメモリセルのしきい値電圧分布を示す図である。
【図10】一般的なブースト回路を説明するためのブロック図である。
【図11】図10のイネーブル信号を発生するイネーブル信号発生回路の回路図である。
【図12】図10のブースト回路の動作特性を説明するための波形図である。
【符号の説明】
100、1000  ブースト回路
110、1010  ブートストラップ回路部
120、1020  基準電圧発生部
130、1030  クランプ回路部
200  バイアス電圧発生回路
300、1100  イネーブル信号発生回路

Claims (15)

  1. 第1電圧をブーストし、第2電圧を出力するブートストラップ回路部と、
    前記第1電圧の大きさに応じて電圧の大きさが決定されるバイアス電圧によって選択的に駆動され、前記第2電圧を一定の電圧レベルに降下させるプリ選択クランプ回路部と、
    前記プリ選択クランプ回路部を介して降下した前記第2電圧を目標値の電圧に再び降下させるクランプ回路部とを含むブースト回路。
  2. 前記プリ選択クランプ回路部は、前記バイアス電圧によって駆動され、前記バイアス電圧の大きさに応じてチャネル幅の大きさが変化し、これにより前記第2電圧の放電量を制御して前記第2電圧の電圧降下レベルを制御するトランジスタを含むことを特徴とする請求項1記載のブースト回路。
  3. 前記プリ選択クランプ回路部は、
    前記ブートストラップ回路部の出力端と一端が接続され、前記バイアス電圧に応じて駆動される第1トランジスタと、
    前記第1トランジスタと接地端子との間に接続され、クランプイネーブル信号に応じて駆動される第2トランジスタとを含むことを特徴とする請求項1記載のブースト回路。
  4. 前記第1及び第2トランジスタは、NMOSトランジスタまたはPMOSトランジスタであることを特徴とする請求項3記載のブースト回路。
  5. 前記バイアス電圧は、前記第1電圧の大きさに対応してその大きさが決定されることを特徴とする請求項1記載のブースト回路。
  6. 前記バイアス電圧は、前記第1電圧を入力とし、イネーブルバー信号に応じて前記第1電圧を一定の電圧レベルに降下させるバイアス電圧発生回路によって生成されることを特徴とする請求項1記載のブースト回路。
  7. 前記バイアス電圧発生回路は、
    前記イネーブルバー信号を反転させるインバータと、
    電源端子と出力端との間に接続され、前記インバータの出力信号に応じて駆動され、前記電源端子に入力される前記第1電圧を前記出力端へ伝送される第1NMOSトランジスタと、
    前記電源端子とノードとの間に接続され、前記インバータの出力信号に応じて駆動され、前記第1電圧を前記ノードへ伝送する第1PMOSトランジスタと、
    前記出力端と接地端子との間に接続され、前記第1PMOSトランジスタを介して伝送される前記第1電圧によって駆動され、前記出力端を接地させる第2NMOSトランジスタと、
    前記電源端子と前記ノードとの間に接続され、ダイオードとして機能する第2PMOSトランジスタと、
    前記ノードと接地端子との間に接続され、前記出力端の電位に応じて駆動され、前記ノードの電位を伝送する第3NMOSトランジスタと、
    前記第3NMOSトランジスタと前記接地端子との間に接続され、前記第1電圧に応じて駆動される第4NMOSトランジスタと、
    前記第4NMOSトランジスタと前記接地端子との間に接続され、前記インバータの反転信号に応じて駆動される第5NMOSトランジスタとを含むことを特徴とする請求項6記載のブースト回路。
  8. 前記バイアス電圧発生回路は、前記イネーブルバー信号に応じて駆動され、前記第1電圧の大きさに応じて前記第1電圧を一定の電圧レベルに降下させ、前記バイアス電圧を生成することを特徴とする請求項6記載のブースト回路。
  9. 前記クランプ回路部は、前記第1電圧が約2.5Vの低電位電源電圧の場合には駆動されないことを特徴とする請求項1記載のブースト回路。
  10. 前記クランプ回路部は、イネーブル信号に応じて駆動されることを特徴とする請求項1記載のブースト回路。
  11. 前記イネーブル信号は、前記クランプ回路部から出力されるクランプ信号と前記クランプイネーブル信号とを論理組合せする論理組合せ部によって生成されることを特徴とする請求項10記載のブースト回路。
  12. 前記論理組合せ部は、NORゲート、ORゲート、ANDゲート、NANDゲート及びインバータからなり、或いは少なくとも一つ以上接続されてなることを特徴とする請求項11記載のブースト回路。
  13. 前記論理組合せ部は、前記クランプイネーブル信号がハイ状態のとき、ロー状態のイネーブル信号を出力することを特徴とする請求項11記載のブースト回路。
  14. 前記ブートストラップ回路部から出力されるブースト電圧と比較対象になる基準電圧を生成し、前記クランプ回路部へ出力する基準電圧発生部をさらに含むことを特徴とする請求項1記載のブースト回路。
  15. 前記第1電圧は、約2.5Vの低電位電源電圧または約3.8Vの高電位電源電圧であることを特徴とする請求項1記載のブースト回路。
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