JP2004054485A - 表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】超音波タッチパネルにおいて、圧電体に備え付けたすだれ状電極に電界がかかる際発生するノイズを遮蔽する構造であり、超音波特性への影響が小さく、製造効率高く形成することのできるノイズ遮蔽構造を提供すること。
【解決手段】超音波を送受信する機能を有するすだれ状電極を備えた圧電体2部分のタッチパネル構造を、伝搬基板1、圧電体2、誘電体8、金属膜10を積層した構成とする。
【選択図】 図1
【解決手段】超音波を送受信する機能を有するすだれ状電極を備えた圧電体2部分のタッチパネル構造を、伝搬基板1、圧電体2、誘電体8、金属膜10を積層した構成とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、時計や携帯機器、電子手帳または、各種表示装置に使用されている超音波タッチパネルのノイズ対策に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧電体を用いた高周波部品は、電磁ノイズが発生する。そのため従来から部品周囲を金属で覆い、ノイズを遮蔽する構造となっている。部品単体では、いわゆるカンパッケージと呼ばれるパッケージ構造となっている。この構造を図6の水晶振動子を使って説明する。図6は水晶振動子のカンパッケージの断面図である。水晶振動子14がセラミック基板13上に搭載されている。セラミック基板13は水晶振動子14の振動を阻害しないために、掘りこみ構造となっている。パッケージ上部は金属製の蓋(カン12)で封止されている。カン12とセラミック基板13とはビーム溶接されている場合が多い。水晶振動子14から発生するノイズはカン12により遮蔽され、外部に漏れることがなくなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
超音波タッチパネルでは、数MHzから数10MHzの高周波を用いる。従って本タッチパネルを駆動する際電磁ノイズが発生し、周囲のデバイスに悪影響を及ぼす可能性が高い。従来の構造では、カンは水晶振動に与える影響が小さい部位であるセラミック基板に固定していた。従来構造を踏襲するならば、超音波タッチパネルでは圧電体周囲を覆う様にしてカンを設置し、伝搬基板とカンとを溶接することとなる。
【0004】
しかし伝搬基板上には超音波が伝搬しているため、カンにおいて超音波の反射が起き、寄生波が発生することとなる。特性上不利である。
【0005】
また、圧電体の個数が多くなるとカンの溶接もしくは固定箇所が多くなり、工程数の増加、歩留まりの低下につながる。
【0006】
また、カンの高さが高くなり、カン部分は圧電体の寸法より一回り大きなサイズが必要であり、表示装置としての製品デザインに不利な影響を与える。
【0007】
本発明は、この問題を解決し、超音波タッチパネルのすだれ状電極から発生する高周波ノイズを遮蔽する構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明においては、超音波を送受信する機能を有するすだれ状電極を備えた圧電体が超音波伝搬可能な非圧電基板(以降、伝搬基板とする)に固着されて成るタッチパネルと、タッチパネル駆動用回路基板から成る表示装置において、圧電体部分の構造を、伝搬基板、圧電体、誘電体、金属膜が順に積層されている構造であることを特徴としている。
【0009】
これにより伝搬基板上への加工を施すこと無く、ノイズ遮蔽のための金属を設置することが出来るようになる。誘電体は、すだれ状電極と金属膜とを電気接続しないようにするために形成する。
【0010】
金属膜は乾式めっきにより形成することができる。乾式めっきはバッチ式処理を行うため、構造上のばらつきが少ない。従来通りカン封止をする場合と比較して取扱いが易しく、歩留まりを向上できる。また厚みを20μm程度まで薄くすることが出来るため、カン封止と比較して著しく寸法を小さくすることが出来る。製品デザインへの影響は小さいといえる。また超音波伝搬路上への構成物が無いため反射波が発生せず、超音波特性への影響が小さい。
【0011】
更に回路基板を圧電体の伝搬基板と対向する面に固着し、回路基板の配線とすだれ状電極を結線してあり、回路基板の配線と対向する面に金属膜が付着している構造であることを特徴としている。
【0012】
これは回路基板を誘電体として利用したものである。これにより、回路基板から発生するノイズに対しても同時に遮蔽する効果を持つことが出来る。また回路基板の配線をすだれ状電極と結線する部材として異方性導電膜を用いると、結線と回路基板固着とが同時に行われる。誘電膜の形成が、回路基板接続の工程で同時に行えることとなる。
【0013】
また封止剤で圧電体を封止し、封止剤を金属膜で被覆する構造であることを特徴としている。
【0014】
これは封止剤を誘電体として利用したものである。封止剤はディスペンサを用いて、効率良く塗布することが出来る。これにより、誘電体を簡便に形成することが出来るようになる。圧電基板の封止と共に誘電膜形成を行える。また、伝搬基板上に封止剤が塗布されるが、カンと比較して超音波の反射が殆ど無い。
【0015】
更に金属膜を導電性接着剤で形成することを特徴としている。
【0016】
これにより、金属膜の形成を導電性接着剤塗布で、簡便に行うことが出来るようになる。封止剤、導電性接着剤の塗布をディスペンサで行うことで、圧電体を伝搬基板に固着する工程後、インラインで誘電体、金属膜の形成を行うことが出来るようになる。
【0017】
また、回路基板を、圧電体の伝搬基板に固着された面と対向する面に固着し、固着部の回路基板と圧電体とを導電性接着剤で封止することを特徴としている。
【0018】
これは回路基板を誘電体として、金属膜を導電性接着剤で形成する方法である。これにより回路基板固着後、導電性接着剤を塗布するのみでノイズ遮蔽構造を作製することが出来る。導電性接着剤は、圧電体を保護するための封止剤を兼ねているため、工程数を増やすこと無く所望の構造を得ることが出来るようになる。
【0019】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1は本発明のタッチパネル断面図で、圧電体2周囲の構造を拡大した図である。構造を図1を用いて説明する。伝搬基板1上に圧電体2が固着されている。圧電体2の上面、つまり、伝搬基板1に固着された面と対向する面には、すだれ状電極3が形成されている。また、すだれ状電極3に電圧を印加するための、もしくは、すだれ状電極3で発生した電気信号を取出すための取出し電極4が圧電体2から伝搬基板1上に配線されている。この取出し電極4は回路基板5の配線6と結線されている。すだれ状電極3を覆う様にして誘電体8が形成されており、更に、その上面に金属膜10が付着している。
【0020】
尚、本タッチパネルは、矩形の非圧電性の伝搬基板1各辺に沿って、伝搬基板1上面に、矩形の圧電体2が複数個に固着されており、圧電体2が固着された各辺に対向した各辺に、同様の圧電体が複数個固着されている。一方の圧電体2のすだれ状電極3に高周波が印加されることにより、逆圧電効果により超音波が発生する。超音波は伝搬基板1上を通った後、対向する圧電体2に伝搬する。対向する圧電体2は、超音波を発生する圧電体2と同様の構造をしており、伝搬した超音波は圧電効果により、電気信号に変換される。伝搬基板1上を接触するなどして伝搬超音波の強度が減衰すると、電気信号の電圧が低下し、接触を検出することが出来る。
【0021】
超音波タッチパネルでは、数MHzから数10MHzの高周波を用いる。従って本タッチパネルを駆動する際、電磁ノイズが発生し、周囲のデバイスに悪影響を及ぼす可能性が高い。このノイズ対策として、図1の金属膜10をノイズ遮蔽に利用する。
【0022】
図1の誘電膜8にはSiO2を、金属膜10にはAuを乾式めっきにより形成する。金属膜10の厚みは50μmとする。これにより、同位信号が観測されなくなり、ノイズ遮蔽効果が得られる。
【0023】
[実施の形態2]
図2は本発明のタッチパネル断面図で、圧電体2周囲の構造を拡大した図である。構造を図2を用いて説明する。伝搬基板1上に圧電体2が固着されている。圧電体2の上面にはすだれ状電極3が形成されている。回路基板5と圧電体2とは異方性導電膜7により固着されている。同時にすだれ状電極3は異方性導電膜7を介して回路基板配線6と結線されている。回路基板5上面には金属膜10が付着している。
【0024】
回路基板5にはフレキシブル基板を用いる。フレキシブル基板は、金属層、基板基材、金属層の三層構造となっている。一般にこの様な基板は両面基板と呼ばれ、金属層は回路配線となっているが、フレキシブル基板は一方の金属層を回路配線6、他方の金属層をベタパターンとし金属膜10として利用する。異方性導電膜7を用いて配線を結線する場合、基板もしくはICやその他の部品の背面から圧着機やボンダーを用いて加熱圧着する。本タッチパネルでは圧電体2側から加熱圧着することはデバイスの構造上困難である。従って基板5背面より加熱圧着する。この製造方法は、金属膜10が無い場合と何ら変るところは無い。
【0025】
これにより本タッチパネルの製造ライン上で、すだれ状電極2からのノイズ遮蔽構造を形成することが可能となる。
【0026】
[実施の形態3]
図3は本発明のタッチパネル断面図で、圧電体2周囲の構造を拡大した図である。構造を図3を用いて説明する。伝搬基板1上に圧電体2が固着されている。圧電体2の上面、つまり、伝搬基板1に固着された面と対向する面には、すだれ状電極3が形成されている。また、すだれ状電極3に電圧を印加するための、もしくは、すだれ状電極3で発生した電気信号を取出すための取出し電極4が圧電体2から伝搬基板1上に配線されている。この取出し電極4は回路基板5の配線6と結線されている。圧電体2を覆う様にして封止剤9が塗布されており、それを金属膜10で被覆している。
【0027】
封止剤9には紫外線硬化型エポキシ系接着剤を用い、ディスペンサにより塗布、紫外線硬化する。製造は非常に簡便に行うことが出来る。封止剤9には圧電体2やすだれ状電極3を衝撃、摩擦、酸化、汚染から保護する機能がある。本実施の形態では圧電体2上に形成するべき誘電体を封止剤で兼ねる。これを被覆する金属膜10は乾式めっきによって形成する。これにより、ノイズ遮蔽効果を充分に得ることが出来る。
【0028】
[実施の形態4]
図4は本発明のタッチパネル断面図で、圧電体2周囲の構造を拡大した図である。構造を図4を用いて説明する。伝搬基板1上に圧電体2が固着されている。圧電体2の上面、つまり、伝搬基板1に固着された面と対向する面には、すだれ状電極3が形成されている。またすだれ状電極3に電圧を印加するための、もしくは、すだれ状電極3で発生した電気信号を取出すための取出し電極4が圧電体2から伝搬基板1上に配線されている。この取出し電極4は回路基板5の配線6と結線されている。圧電体2を覆う様にして封止剤9が塗布されており、それを導電性接着剤11で被覆している。
【0029】
封止剤9の機能は実施の形態3と同様である。本実施の形態により、ノイズシールド用の金属膜を、封止剤9塗布硬化後、インラインで形成することが出来るようになる。
【0030】
[実施の形態5]
図5は本発明のタッチパネル断面図で、圧電体2周囲の構造を拡大した図である。構造を図5を用いて説明する。伝搬基板1上に圧電体2が固着されている。圧電体2の上面には、すだれ状電極3が形成されている。回路基板5と圧電体2とは異方性導電膜7により固着されている。同時に、すだれ状電極3は異方性導電膜7を介して回路基板配線6と結線されている。圧電体2、回路基板5の圧電体2と固着された部位を導電性接着剤11で被覆している。
【0031】
本実施の形態では、回路基板配線6と導電性接着剤11とを接触させない様に、回路基板5を折り返し構造とする。但し、配線6をカバーフィルムで被覆して保護すれば導電性接着剤11との接触は無くなるため、必ずしも折り返し構造にしなくても良い。
【0032】
本構造は、回路基板5の圧電体2との接続後、実施の形態3に示す封止剤の機能を兼ねた導電性接着剤を塗布硬化するものである。これにより、さらに効率良くノイズ遮蔽構造を得ることが出来る。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、超音波を送受信する機能を有するすだれ状電極を備えた圧電体が超音波伝搬可能な伝搬基板に固着されて成るタッチパネルと、タッチパネル駆動用回路基板から成る表示装置において、圧電体部分の構造を、伝搬基板、圧電体、誘電体、金属膜が順に積層されている構造とする。
【0034】
これにより、すだれ状電極から発生するノイズを、金属膜により遮蔽する効果を得ることが出来るようになる。
【0035】
ここで誘電体として、圧電体上部に固着される回路基板や圧電体を覆って塗布される封止剤を用いる。これにより、工程数を増やすこと無く簡便に形成できる。
【0036】
また金属膜として導電性接着剤を用いた。これにより、ノイズ遮蔽構造をインラインで製造することが出来るようになった。
【0037】
また、いずれの場合でも圧電体とノイズ遮蔽構造が密着しているため、寸法が大幅に大きくなることは無い。製品デザインに影響を与えない。
【0038】
以上、超音波タッチパネルのすだれ状電極から発生する高周波ノイズを遮蔽する構造において、超音波特性への影響が小さく、製造の効率が高い構造を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかわるタッチパネルを示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態2にかかわるタッチパネルを示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態3にかかわるタッチパネルを示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態4にかかわるタッチパネルを示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態5にかかわるタッチパネルを示す断面図である。
【図6】従来の水晶振動子の断面図である。
【符号の説明】
1 伝搬基板
2 圧電体
3 すだれ状電極
4 取出し電極
5 回路基板
6 回路基板配線
7 異方性導電膜
8 誘電体
9 封止剤
10 金属膜
11 導電性接着剤
12 カン
13 セラミック基板
14 水晶振動子
【発明の属する技術分野】
この発明は、時計や携帯機器、電子手帳または、各種表示装置に使用されている超音波タッチパネルのノイズ対策に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧電体を用いた高周波部品は、電磁ノイズが発生する。そのため従来から部品周囲を金属で覆い、ノイズを遮蔽する構造となっている。部品単体では、いわゆるカンパッケージと呼ばれるパッケージ構造となっている。この構造を図6の水晶振動子を使って説明する。図6は水晶振動子のカンパッケージの断面図である。水晶振動子14がセラミック基板13上に搭載されている。セラミック基板13は水晶振動子14の振動を阻害しないために、掘りこみ構造となっている。パッケージ上部は金属製の蓋(カン12)で封止されている。カン12とセラミック基板13とはビーム溶接されている場合が多い。水晶振動子14から発生するノイズはカン12により遮蔽され、外部に漏れることがなくなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
超音波タッチパネルでは、数MHzから数10MHzの高周波を用いる。従って本タッチパネルを駆動する際電磁ノイズが発生し、周囲のデバイスに悪影響を及ぼす可能性が高い。従来の構造では、カンは水晶振動に与える影響が小さい部位であるセラミック基板に固定していた。従来構造を踏襲するならば、超音波タッチパネルでは圧電体周囲を覆う様にしてカンを設置し、伝搬基板とカンとを溶接することとなる。
【0004】
しかし伝搬基板上には超音波が伝搬しているため、カンにおいて超音波の反射が起き、寄生波が発生することとなる。特性上不利である。
【0005】
また、圧電体の個数が多くなるとカンの溶接もしくは固定箇所が多くなり、工程数の増加、歩留まりの低下につながる。
【0006】
また、カンの高さが高くなり、カン部分は圧電体の寸法より一回り大きなサイズが必要であり、表示装置としての製品デザインに不利な影響を与える。
【0007】
本発明は、この問題を解決し、超音波タッチパネルのすだれ状電極から発生する高周波ノイズを遮蔽する構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明においては、超音波を送受信する機能を有するすだれ状電極を備えた圧電体が超音波伝搬可能な非圧電基板(以降、伝搬基板とする)に固着されて成るタッチパネルと、タッチパネル駆動用回路基板から成る表示装置において、圧電体部分の構造を、伝搬基板、圧電体、誘電体、金属膜が順に積層されている構造であることを特徴としている。
【0009】
これにより伝搬基板上への加工を施すこと無く、ノイズ遮蔽のための金属を設置することが出来るようになる。誘電体は、すだれ状電極と金属膜とを電気接続しないようにするために形成する。
【0010】
金属膜は乾式めっきにより形成することができる。乾式めっきはバッチ式処理を行うため、構造上のばらつきが少ない。従来通りカン封止をする場合と比較して取扱いが易しく、歩留まりを向上できる。また厚みを20μm程度まで薄くすることが出来るため、カン封止と比較して著しく寸法を小さくすることが出来る。製品デザインへの影響は小さいといえる。また超音波伝搬路上への構成物が無いため反射波が発生せず、超音波特性への影響が小さい。
【0011】
更に回路基板を圧電体の伝搬基板と対向する面に固着し、回路基板の配線とすだれ状電極を結線してあり、回路基板の配線と対向する面に金属膜が付着している構造であることを特徴としている。
【0012】
これは回路基板を誘電体として利用したものである。これにより、回路基板から発生するノイズに対しても同時に遮蔽する効果を持つことが出来る。また回路基板の配線をすだれ状電極と結線する部材として異方性導電膜を用いると、結線と回路基板固着とが同時に行われる。誘電膜の形成が、回路基板接続の工程で同時に行えることとなる。
【0013】
また封止剤で圧電体を封止し、封止剤を金属膜で被覆する構造であることを特徴としている。
【0014】
これは封止剤を誘電体として利用したものである。封止剤はディスペンサを用いて、効率良く塗布することが出来る。これにより、誘電体を簡便に形成することが出来るようになる。圧電基板の封止と共に誘電膜形成を行える。また、伝搬基板上に封止剤が塗布されるが、カンと比較して超音波の反射が殆ど無い。
【0015】
更に金属膜を導電性接着剤で形成することを特徴としている。
【0016】
これにより、金属膜の形成を導電性接着剤塗布で、簡便に行うことが出来るようになる。封止剤、導電性接着剤の塗布をディスペンサで行うことで、圧電体を伝搬基板に固着する工程後、インラインで誘電体、金属膜の形成を行うことが出来るようになる。
【0017】
また、回路基板を、圧電体の伝搬基板に固着された面と対向する面に固着し、固着部の回路基板と圧電体とを導電性接着剤で封止することを特徴としている。
【0018】
これは回路基板を誘電体として、金属膜を導電性接着剤で形成する方法である。これにより回路基板固着後、導電性接着剤を塗布するのみでノイズ遮蔽構造を作製することが出来る。導電性接着剤は、圧電体を保護するための封止剤を兼ねているため、工程数を増やすこと無く所望の構造を得ることが出来るようになる。
【0019】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1は本発明のタッチパネル断面図で、圧電体2周囲の構造を拡大した図である。構造を図1を用いて説明する。伝搬基板1上に圧電体2が固着されている。圧電体2の上面、つまり、伝搬基板1に固着された面と対向する面には、すだれ状電極3が形成されている。また、すだれ状電極3に電圧を印加するための、もしくは、すだれ状電極3で発生した電気信号を取出すための取出し電極4が圧電体2から伝搬基板1上に配線されている。この取出し電極4は回路基板5の配線6と結線されている。すだれ状電極3を覆う様にして誘電体8が形成されており、更に、その上面に金属膜10が付着している。
【0020】
尚、本タッチパネルは、矩形の非圧電性の伝搬基板1各辺に沿って、伝搬基板1上面に、矩形の圧電体2が複数個に固着されており、圧電体2が固着された各辺に対向した各辺に、同様の圧電体が複数個固着されている。一方の圧電体2のすだれ状電極3に高周波が印加されることにより、逆圧電効果により超音波が発生する。超音波は伝搬基板1上を通った後、対向する圧電体2に伝搬する。対向する圧電体2は、超音波を発生する圧電体2と同様の構造をしており、伝搬した超音波は圧電効果により、電気信号に変換される。伝搬基板1上を接触するなどして伝搬超音波の強度が減衰すると、電気信号の電圧が低下し、接触を検出することが出来る。
【0021】
超音波タッチパネルでは、数MHzから数10MHzの高周波を用いる。従って本タッチパネルを駆動する際、電磁ノイズが発生し、周囲のデバイスに悪影響を及ぼす可能性が高い。このノイズ対策として、図1の金属膜10をノイズ遮蔽に利用する。
【0022】
図1の誘電膜8にはSiO2を、金属膜10にはAuを乾式めっきにより形成する。金属膜10の厚みは50μmとする。これにより、同位信号が観測されなくなり、ノイズ遮蔽効果が得られる。
【0023】
[実施の形態2]
図2は本発明のタッチパネル断面図で、圧電体2周囲の構造を拡大した図である。構造を図2を用いて説明する。伝搬基板1上に圧電体2が固着されている。圧電体2の上面にはすだれ状電極3が形成されている。回路基板5と圧電体2とは異方性導電膜7により固着されている。同時にすだれ状電極3は異方性導電膜7を介して回路基板配線6と結線されている。回路基板5上面には金属膜10が付着している。
【0024】
回路基板5にはフレキシブル基板を用いる。フレキシブル基板は、金属層、基板基材、金属層の三層構造となっている。一般にこの様な基板は両面基板と呼ばれ、金属層は回路配線となっているが、フレキシブル基板は一方の金属層を回路配線6、他方の金属層をベタパターンとし金属膜10として利用する。異方性導電膜7を用いて配線を結線する場合、基板もしくはICやその他の部品の背面から圧着機やボンダーを用いて加熱圧着する。本タッチパネルでは圧電体2側から加熱圧着することはデバイスの構造上困難である。従って基板5背面より加熱圧着する。この製造方法は、金属膜10が無い場合と何ら変るところは無い。
【0025】
これにより本タッチパネルの製造ライン上で、すだれ状電極2からのノイズ遮蔽構造を形成することが可能となる。
【0026】
[実施の形態3]
図3は本発明のタッチパネル断面図で、圧電体2周囲の構造を拡大した図である。構造を図3を用いて説明する。伝搬基板1上に圧電体2が固着されている。圧電体2の上面、つまり、伝搬基板1に固着された面と対向する面には、すだれ状電極3が形成されている。また、すだれ状電極3に電圧を印加するための、もしくは、すだれ状電極3で発生した電気信号を取出すための取出し電極4が圧電体2から伝搬基板1上に配線されている。この取出し電極4は回路基板5の配線6と結線されている。圧電体2を覆う様にして封止剤9が塗布されており、それを金属膜10で被覆している。
【0027】
封止剤9には紫外線硬化型エポキシ系接着剤を用い、ディスペンサにより塗布、紫外線硬化する。製造は非常に簡便に行うことが出来る。封止剤9には圧電体2やすだれ状電極3を衝撃、摩擦、酸化、汚染から保護する機能がある。本実施の形態では圧電体2上に形成するべき誘電体を封止剤で兼ねる。これを被覆する金属膜10は乾式めっきによって形成する。これにより、ノイズ遮蔽効果を充分に得ることが出来る。
【0028】
[実施の形態4]
図4は本発明のタッチパネル断面図で、圧電体2周囲の構造を拡大した図である。構造を図4を用いて説明する。伝搬基板1上に圧電体2が固着されている。圧電体2の上面、つまり、伝搬基板1に固着された面と対向する面には、すだれ状電極3が形成されている。またすだれ状電極3に電圧を印加するための、もしくは、すだれ状電極3で発生した電気信号を取出すための取出し電極4が圧電体2から伝搬基板1上に配線されている。この取出し電極4は回路基板5の配線6と結線されている。圧電体2を覆う様にして封止剤9が塗布されており、それを導電性接着剤11で被覆している。
【0029】
封止剤9の機能は実施の形態3と同様である。本実施の形態により、ノイズシールド用の金属膜を、封止剤9塗布硬化後、インラインで形成することが出来るようになる。
【0030】
[実施の形態5]
図5は本発明のタッチパネル断面図で、圧電体2周囲の構造を拡大した図である。構造を図5を用いて説明する。伝搬基板1上に圧電体2が固着されている。圧電体2の上面には、すだれ状電極3が形成されている。回路基板5と圧電体2とは異方性導電膜7により固着されている。同時に、すだれ状電極3は異方性導電膜7を介して回路基板配線6と結線されている。圧電体2、回路基板5の圧電体2と固着された部位を導電性接着剤11で被覆している。
【0031】
本実施の形態では、回路基板配線6と導電性接着剤11とを接触させない様に、回路基板5を折り返し構造とする。但し、配線6をカバーフィルムで被覆して保護すれば導電性接着剤11との接触は無くなるため、必ずしも折り返し構造にしなくても良い。
【0032】
本構造は、回路基板5の圧電体2との接続後、実施の形態3に示す封止剤の機能を兼ねた導電性接着剤を塗布硬化するものである。これにより、さらに効率良くノイズ遮蔽構造を得ることが出来る。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、超音波を送受信する機能を有するすだれ状電極を備えた圧電体が超音波伝搬可能な伝搬基板に固着されて成るタッチパネルと、タッチパネル駆動用回路基板から成る表示装置において、圧電体部分の構造を、伝搬基板、圧電体、誘電体、金属膜が順に積層されている構造とする。
【0034】
これにより、すだれ状電極から発生するノイズを、金属膜により遮蔽する効果を得ることが出来るようになる。
【0035】
ここで誘電体として、圧電体上部に固着される回路基板や圧電体を覆って塗布される封止剤を用いる。これにより、工程数を増やすこと無く簡便に形成できる。
【0036】
また金属膜として導電性接着剤を用いた。これにより、ノイズ遮蔽構造をインラインで製造することが出来るようになった。
【0037】
また、いずれの場合でも圧電体とノイズ遮蔽構造が密着しているため、寸法が大幅に大きくなることは無い。製品デザインに影響を与えない。
【0038】
以上、超音波タッチパネルのすだれ状電極から発生する高周波ノイズを遮蔽する構造において、超音波特性への影響が小さく、製造の効率が高い構造を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかわるタッチパネルを示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態2にかかわるタッチパネルを示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態3にかかわるタッチパネルを示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態4にかかわるタッチパネルを示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態5にかかわるタッチパネルを示す断面図である。
【図6】従来の水晶振動子の断面図である。
【符号の説明】
1 伝搬基板
2 圧電体
3 すだれ状電極
4 取出し電極
5 回路基板
6 回路基板配線
7 異方性導電膜
8 誘電体
9 封止剤
10 金属膜
11 導電性接着剤
12 カン
13 セラミック基板
14 水晶振動子
Claims (5)
- 超音波を送受信する機能を有するすだれ状電極を備えた圧電体が超音波伝搬可能な伝搬基板に固着されて成るタッチパネルと、タッチパネル駆動用回路基板から成る表示装置であって、前記圧電体部分は、前記伝搬基板、前記圧電体、誘電体、金属膜が順に積層されている構造であることを特徴とする表示装置。
- 回路基板を前記圧電体の、前記伝搬基板に固着された面と対向する面に固着し、前記回路基板の配線と前記すだれ状電極を結線してあり、前記回路基板の前記配線と対向する面に金属膜が付着している構造であることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
- 封止剤で前記圧電体を封止し、前記封止剤を金属膜で被覆する構造であることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
- 前記金属膜を導電性接着剤で形成する構造であることを特徴とする請求項3記載の表示装置。
- 前記回路基板を前記圧電体の、前記伝搬基板に固着された面と対向する面に固着し、前記固着部の回路基板と前記圧電体とを導電性接着剤で封止する構造であることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
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-
2002
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