JP2004053874A - 複列画像露光装置 - Google Patents
複列画像露光装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004053874A JP2004053874A JP2002210640A JP2002210640A JP2004053874A JP 2004053874 A JP2004053874 A JP 2004053874A JP 2002210640 A JP2002210640 A JP 2002210640A JP 2002210640 A JP2002210640 A JP 2002210640A JP 2004053874 A JP2004053874 A JP 2004053874A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- photographic paper
- chucker
- unit
- exposure
- transport
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Separation, Sorting, Adjustment, Or Bending Of Sheets To Be Conveyed (AREA)
- Facsimiles In General (AREA)
- Projection-Type Copiers In General (AREA)
Abstract
【課題】印画紙を単列で搬送する印画紙供給ラインと、複列又は単列で送り込まれてくる印画紙をデジタルプリント部5によって露光させる露光搬送ラインと、前記印画紙供給ラインから受け取った印画紙を露光搬送ラインまで移送する振り分け装置4とを備え、この振り分け装置が印画紙を保持するチャッカー部60Bとこのチャッカー部を印画紙の搬送方向及び印画紙の搬送方向に直角な方向に移動させる縦横移動機構40B、50Bを備えているものにおいて、チャッカー部の横移動時に印画紙の姿勢を変えてしまうといった従来の縦横移動機構がもつ欠点を解消した複列画像露光装置を提供する。
【解決手段】前記縦横移動機構がレール式縦走行機構とレール式横走行機構を含み、さらに前記レール式横走行機構を構成する横走行レール51のたわみを調整する調整手段100が設けられている。
【選択図】 図5
【解決手段】前記縦横移動機構がレール式縦走行機構とレール式横走行機構を含み、さらに前記レール式横走行機構を構成する横走行レール51のたわみを調整する調整手段100が設けられている。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印画紙を単列で搬送する印画紙供給ラインと、複列又は単列で送り込まれてくる印画紙をデジタルプリント部によって露光させる露光搬送ラインと、前記印画紙供給ラインの搬出エリアから受け取った印画紙を前記露光搬送ラインの搬入エリアまで移送する振り分け装置とを備えた複列画像露光装置であって、前記振り分け装置は、前記印画紙を保持するチャッカー部とこのチャッカー部を印画紙の搬送方向である第1方向及び印画紙の搬送方向に直角な第2方向に移動させる縦横移動機構を備えているものに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光源からの照明光を写真フィルムに照射し、写真フィルムを透過した透過光で印画紙を露光することで写真フィルムに撮像された画像を印画紙に焼き付ける投影露光式の画像露光装置に代えて、デジタル化された撮影画像データから生成されたプリントデータに基づいてデジタルプリント部が印画紙を露光する、いわゆるデジタル露光式の画像露光装置が普及している。このようなデジタル露光式画像露光装置では、主走査方向に延びたプリントヘッドを用い、プリントヘッドと印画紙の副走査方向の相対移動により、フィルム画像全体の露光を完了するリニア露光方式を採用しているため、1コマのフィルム画像に対する露光時間が副走査速度によって決定され、その露光時間は投影露光式に比較して長くなっている。
【0003】
この欠点を解決するため、例えば特開2001−33889号公報から、印画紙マガジンから引き出されプリントサイズにカットされた印画紙をデジタルプリント部に通じる2列の露光搬送ラインに振り分け移送する振り分け装置が備えられ、2列状態でデジタルプリント部に送り込まれた印画紙は同時に露光される複列画像露光装置が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような複列画像露光装置では、印画紙振り分けのために印画紙を受け取るチャッカー部とこのチャッカー部を縦方向(印画紙搬送方向)と横方向に移動させる縦横移動機構を備えており、2列同時露光する場合は印画紙を受け取ったチャッカー部は縦横移動機構によって一方方向に横移動するとともに搬送方向に沿って縦移動した後その印画紙を露光搬送ラインの一方のラインに受け渡し、次の印画紙を受け取ったチャッカー部は縦横移動機構によって他方方向に横移動するとともに搬送方向に沿って縦移動した後その印画紙を露光搬送ラインの他方のラインに受け渡す。しかしながら、2列搬送できない大きなプリントサイズをもつ印画紙やプリントサイズは小さくても単列露光しようとする印画紙は、振り分け装置によって振り分けされずにそのまま1列状態で、つまり印画紙を受け取ったチャッカー部は縦横移動機構によって横移動することなく搬送方向に沿って縦移動した後その印画紙を露光搬送ラインに受け渡す。このようにチャッカー部に受け取られた印画紙はそのまま横移動せずに縦移動だけする移動モードと横移動と縦移動の両方を行う移動モードがある。
【0005】
この横移動はレール式走行機構で行われるが、もしこのレールが取り付け不良等で湾曲していた場合、チャッカー部が横方向に移動すればするほどチャッカー部に受け取られている印画紙の姿勢が傾くことになる。つまり印画紙の受け取り姿勢と露光ラインへの受け渡し姿勢が異なることになる。傾斜した姿勢で露光ラインに受け渡されると、その印画紙は傾斜したままデジタルプリント部に送られ、印画紙に対して傾斜した画像が印画紙に形成されることになる。周囲に白枠を残すボーダ付きプリントを作製する場合、そのような画像の傾斜は白枠によって非常に目立つことになり、写真プリントの商品価値を著しく低下させる。
【0006】
通常、定常的な単列搬送印画紙の傾斜は露光ヘッドの位置調整や画像データの補正によって補償することが可能であるが、このような複列画像露光装置の場合、印画紙を横移動させずにつまりレール湾曲の影響を受けずに露光ラインに送り込まれる移動モードと印画紙を横移動させる移動モードが共存するためそのような補償方法の採用は困難である。
上記実状に鑑み、本発明の課題は、チャッカー部の横移動時に印画紙の姿勢を変えてしまうといった従来の縦横移動機構がもつ欠点を解消した複列画像露光装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、印画紙を単列で搬送する印画紙供給ラインと、複列又は単列で送り込まれてくる印画紙をデジタルプリント部によって露光させる露光搬送ラインと、前記印画紙供給ラインの搬出エリアから受け取った印画紙を前記露光搬送ラインの搬入エリアまで移送する振り分け装置とを備えた複列画像露光装置であって、前記振り分け装置は、前記印画紙を保持するチャッカー部とこのチャッカー部を印画紙の搬送方向である第1方向及び印画紙の搬送方向に直角な第2方向に移動させる縦横移動機構を備えているものにおいて、本発明では、前記縦横移動機構が前記チャッカー部を第1方向に移動させるレール式縦走行機構と前記チャッカー部を前記レール式縦走行機構上で第2方向に移動させるレール式横走行機構を含み、さらに前記レール式横走行機構を構成する横走行レールのたわみを調整する調整手段が設けられている。
【0008】
この構成では、チャッカー部はレール式横走行機構によって印画紙搬送方向に直交する第2方向、つまり横方向に移動させられるが、このレール式横走行機構を構成する横走行レールが組み付け不良等で撓んだ状態で固定され、結果的に横走行レール自体が湾曲していた場合、調整手段によってこのたわみを調整して横走行レール自体を直線に戻すことが可能となる。
【0009】
この調整手段の具体的構成の1つとしては、横走行レールを固定しているレール延び方向に分布している締結ネジのうち印画紙供給搬送ラインの中心から離れた側のいくつかを緩め、その緩められた側のレールの端部をレールの湾曲が解消される方向に押し付けるセットネジ機構が挙げられる。
【0010】
調整手段の別な具体的構成として、緩められた側のレールの端部にレールの湾曲が解消される方向に変位させることができる偏心ピン機構を設けることもスペースをあまり必要としない好適な形態として提案される。
本発明によるその他の特徴及び利点は、以下図面を用いた実施例の説明により明らかになるだろう。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明による複列画像露光装置を搭載した写真処理装置の概略ブロック図が図1に示されている。この写真処理装置はデジタル露光式を採用しており、ここでは図示されていないフィルム現像機によって現像処理された写真フィルム(以後単にフィルムと称す)1のコマ画像をデジタル画像データとして取得するフィルムスキャナー3と、取得されたデジタル画像データを処理してプリントデータを作成するコントローラ7と、このプリントデータに基づいて印画紙2にコマ画像に対応する画像を露光するデジタルプリント部5と、露光された印画紙2を現像処理する現像処理部6とを備えている。現像処理部6で現像された印画紙2は、乾燥工程を経て仕上がりプリントとして排出される。
【0012】
フィルムスキャナー3は、主な構成要素として、照明光学系31、撮像光学系32、CCDセンサーを用いた光電変換部33を備えている。照明光学系31は、白色光源としてのハロゲンランプ31a、調光フィルタ31b、ミラートンネル31cなどから構成され、光源からの光ビームの色分布や強度分布を整えてフィルム1のコマ画像を照射する。フィルム2からの透過光ビームを処理する撮像光学系32は、投射光の方向を変えるミラー32a、レンズユニット32b、このレンズユニットを通ってきた光ビームを3つの方向に分光するプリズム33cなどから構成されている。フィルム搬送機構9によって所定のスキャン速度でフィルム1が送られることにより、フィルム1のコマ画像が副走査方向、つまりフィルムの長手方向にスキャニングされる。撮像光学系32によって導かれた光ビームを光電変換する光電変換部33は、プリズム32cによって分光された3つの光ビーム(R・G・B)を別個に受けるため、3つのCCDセンサー33aを備えている。
【0013】
デジタルプリント部5には、この実施形態では、PLZTシャッター方式が採用されている。つまり、露光ヘッド5aとして、PLZT素子からなるシャッタアレイを採用したものである。このPLZT素子からなるシャッタアレイは、チタン酸ジルコン酸鉛にランタンを添加することにより得られる透明強誘電性セラミックス材料から構成され、その材料の有する電気光学効果を利用したもので、各シャッターには光源5bから多数の光ファイバを介してR、G、B各色の光が導入される。このシャッタアレイは印画紙2の幅方向、つまり搬送方向の横断方向に沿って2列に並んだ印画紙2にわたって延びている。各シャッターに所定レベルの電圧が印加されると、光透過状態になり、その電圧の印加が停止されると光遮断状態となる。従って、コントローラ7からプリントデータに基づいて各画素に対応するシャッターに駆動電圧が印加されると、そのシャッターが開いて光源から導入されている色の光が印画紙2に照射される。光源5bには、R、G、Bの3色の光学フィルタからなる回転フィルタが備えられており、この回転フィルタを回転位相制御することにより、R、G、Bの内の1つが選択的に光源に対向し、その色のフィルタを介して選択色の光が光ファイバーを通じてシャッターに送られる。デジタルプリント部の方式としては、このPLZTシャッター方式以外に液晶シャッター方式、蛍光ビーム方式、レーザービーム方式、DMD方式などが知られており、露光仕様に応じて任意に選択することができる。
【0014】
上述したように、このデジタルプリント部5は、複列の、この実施例では2列に並んだカット印画紙2のそれぞれを同時に露光できるものである。このため、印画紙搬送機構8はカット印画紙2を単列で搬送する印画紙供給ライン8Aと、カット印画紙2を2列で搬送する露光搬送ライン8Bと現像搬送ライン8Cとに区分けされ、印画紙供給ライン8Aと露光搬送ライン8Bとの間に、印画紙供給ライン8Aから順次送られてくる印画紙2を露光搬送ライン8Bの各列に振り分ける振り分け装置4が設けられている。
【0015】
図2と図3とから明らかなように、印画紙供給ライン8Aは、乳剤面を外側にして印画紙2をロール状に収納している2つの印画紙マガジン10のいずれか一方から選択的に印画紙2を引き出す引き出しローラ群からなる引き出し搬送部8aと、振り分け装置4に印画紙2を受け渡す振り分け前搬送部8bとから構成されている。
【0016】
振り分け前搬送部8bの上流端には、印画紙マガジン10から引き出された印画紙2をプリントサイズに合わせてカットするペーパーカッター11が設けられており、このペーパーカッター11の下流側に位置するバックプリント部12が設けられている。バックプリント部12は、印画紙2の裏面(非乳剤面)に、フィルムIDやコマ番号、さらにプリントデータ作成時に行われた画像処理を示す補正情報などを印字するものであり、通常ドットインパックトプリンタが用いられている。
【0017】
振り分け前搬送部8bは、バックプリント部12を挟むように配置された、2対の搬送ローラユニットを備えており、特に下流側の搬送ローラユニットは印画紙供給ライン8Aにおける印画紙搬出エリアを構成するものであり、印画紙2の非乳剤面側に接当する駆動ローラ81と乳剤面側に接当する圧着ローラ82から成り、圧着ローラ82は駆動ローラ81に対して遠近変位可能で、駆動ローラ81と圧着ローラ82との間で印画紙2を圧着したり、解放したりすることができる。
【0018】
露光搬送ライン8Bは、搬送方向の順で、中間搬送部8cと、露光搬送部8dと、露光後搬送部8eとから構成されている。これらの搬送部は全て、カット印画紙2を2列の横並びで同時搬送することが可能なように幅広の搬送ローラユニットと、それぞれの列に対応させたガイド部材を備えている。ただし、中間搬送部8cでは、中間駆動ローラ83は2列をカバーする幅広ローラであるが、中間圧着ローラは、右列用と左列用とに分けられている。つまり、中間搬送部8cは、露光搬送ライン8Bの2列の搬入エリアを構成する搬送ローラユニットとして構成されており、カット印画紙2の非乳剤面側に接当する中間駆動ローラ83とこの中間駆動ローラ83に対して遠近変位可能な第1中間圧着ローラ84aと第2中間ローラ84bとからなる。第1中間圧着ローラ84aは露光搬送ライン8Bの右列を搬送されるカット印画紙2を圧着し、第2中間圧着ローラ84bは露光搬送ライン8Bの左列を搬送されるカット印画紙2を圧着するものであり、その圧着・解放操作は互いに独立的に行うことができる。つまり、2枚のカットカット印画紙2を順番に第1中間圧着ローラ84aと第2中間圧着ローラ84bで受け取り保持し、同時に2枚のカット印画紙2を露光搬送部8dへ送り出すことができる。
【0019】
露光搬送部8dは、デジタルプリント部5の露光ヘッド5aを挟むように配置された入り口側の第1露光搬送ローラユニットと出口側の第2露光搬送ローラユニットとを備えており、第1露光搬送ローラユニットはカット印画紙2の非乳剤面側に接当する第1露光駆動ローラ85とこの第1露光駆動ローラ85に対して遠近変位可能な第1露光圧着ローラ86を、そして第2露光搬送ローラユニットはカット印画紙2の非乳剤面側に接当する第2露光駆動ローラ87とこの第2露光駆動ローラ87に対して遠近変位可能な第2露光圧着ローラ88を有している。第1・第2露光駆動ローラ85、87は1つの駆動源からのベルト伝動機構によって同期駆動されるが、第1・第2露光圧着ローラ86、88はそれぞれ独立的に対向する露光駆動ローラに対して遠近変位可能である。従って、第1露光搬送ローラユニットのみで、又は第2露光搬送ローラユニットのみで、或いは第1・第2露光搬送ローラユニットの両方でカット印画紙2を搬送することができる。
【0020】
露光後搬送部8eは、第1ターン搬送ローラユニットと第2ターン搬送ローラユニットと通常の搬送ローラ群95と、及びターンガイド90を備えている。第1ターン搬送ローラユニットは、カット印画紙2の乳剤面側に接当する第1ターン駆動ローラ91とこの第1ターン駆動ローラ91に対して遠近変位可能な第1ターン圧着ローラ92を、第2ターン搬送ローラユニットは、カット印画紙2の乳剤面側に接当する第2ターン駆動ローラ93とこの第2ターン駆動ローラ93に対向して取り付けられている第2ターン圧着ローラ94を有している。第1・第2ターン搬送ローラユニットの間に配置されているターンガイド90は、乳剤面側の内側ターンガイド90aと非乳剤面側の外側ターンガイド90bから成り、外側ターンガイド90bは、搬送下流側に設けられた揺動支点周りで外方に揺動可能であり、必要に応じてターンガイド90を通過するカット印画紙2を外側にふくらませることができる。
【0021】
次に、印画紙供給ライン8Aの搬出エリアから順次送られてくるカット印画紙2を露光搬送ライン8Bの各列の搬入エリアに振り分ける振り分け装置4の構造について、図4〜10を用いて説明する。なお、図4において、印画紙供給ライン8Aの搬出エリアの中央、つまり搬出されるカット印画紙2の中心線が80aで示されており、露光搬送ライン8Bの搬入エリアの右列の中央、つまり右側に搬入されるカット印画紙2の中心線が80bで、搬入エリアの左列の中央、つまり左側に搬入されるカット印画紙2の中心線が80cで示されている。
【0022】
この振り分け装置4は、ペーパーカッター11によってカットされた印画紙2を受け取って、搬入エリアの一方の列位置まで第1縦横移動機構4Aによって移動させられる第1チャッカー部60Aと、受け取ったカット印画紙2を搬入エリアの他方の列位置まで第2縦横移動機構4Bによって移動させられる第2チャッカー部60Bとを備えている。第1縦横移動機構4Aは、第1チャッカー部60Aを印画紙搬送方向の横断方向(以後この方向をX方向とも称する)に移動させる第1横移動機構50Aと、第1チャッカー部60Aを含めてこの第1横移動機構50Aを印画紙搬送方向(以後この方向をY方向とも称する)に移動させる第1縦移動機構40Aとから構成されている。同様に、第2縦横移動機構4Bも、第2チャッカー部60BをX方向に移動させる第2横移動機構50Bと、第2チャッカー部60Bを含めてこの第2横移動機構50BをY方向に移動させる第2縦移動機構40Bとから構成されている。第1・第2チャッカー部60A、60B、及び第1・第2縦横移動機構4A、4Bは、それぞれ実質的には鏡対象の構造を持っているので、ここでは、第2縦横移動機構4Bと第2チャッカー部60Bについて説明するが、その説明から容易に第1縦横移動機構4Aと第1チャッカー部60Aも理解できるはずである。
【0023】
第2縦移動機構40Bは、この写真処理装置の本体フレームに固定されたレール架台41に搬出エリア中心線80aから間隔をあけて、印画紙搬送方向に沿って取り付けられた走行レール42と、この走行レール42上をボールスプライン方式で走行する縦走行台43を備えている。つまり、走行レール42と縦走行台43によってレール式縦走行機構が構築されている。この走行台43からX方向外方に延びたブラケット44が走行台43の上面に取り付けられている。このブラケット44には、スプロケットによって巻き回され走行レール42に平行に延びているベルト45が接続されており、モータ46によるベルト45の正逆駆動により、縦走行台43がY方向で往復移動することができる。47は、Y方向に沿って複数箇所に設けられた縦走行台位置検出用のフォトインタラプタである。
【0024】
第2横移動機構50Bは、X方向に延びるとともにその左端を第2縦移動機構40Bのブラケット44の取付プレート部に締結ボルト51aよって締め付け固定されている走行レール51と、この走行レール51上をボールスプライン方式で走行する横走行台52を備えている。つまり、走行レール51と横走行台52によってレール式横走行機構が構築されている。横走行台52にはさらにブラケット53が取り付けられており、このブラケット53には、スプロケットによって巻き回され走行レール51に平行に延びているベルト54が接続されており、第1縦移動機構40Aのブラケット44に固定されたモータ55によるベルト54の正逆駆動により、横走行台52がX方向で往復移動することができる。図示はされていないが、この横走行台52の位置を検出するためのフォトインタラプタも複数設けられている。
【0025】
この実施形態では、図6に示されているように、走行レール51は4本の締結ボルト51aによって固定されているが、この4本の締結ボルト51aのうち搬出エリア中心線80a側の2本はリーマボルトような構成となっており、ブラケット44の所定位置に走行レール51を不動に締め付け固定することができる。
これに対して、搬出エリア中心線80aから遠く離れた位置に配置されている他の2本の締結ボルト51aの軸部と対応するブラケット44に設けられた取付孔との間にはわずかな遊びが形成されており、この締結ボルト51aを緩めた状態で、走行レール51の左(搬出エリア中心線80aから遠く離れた側)端部に力を加えることで走行レール51をわずかに撓ませることができる。この目的のために、走行レール51の左端領域の両側にセットネジ101とこのセットネジ102が貫通螺合するブラケット102とからなるネジ式調整手段100が設けられている。このようなネジ式調整手段100はよく知られているセットネジ機構であることから詳しい説明は省略するが、左側の2本の締結ボルト51aを緩めた状態で、いずれかのセットネジ101を回してその先端を走行レール51の側面を押し付けることにより、走行レール51の直線性を調整することができる。
この走行レール51の直線性を維持することで、第2チャッカー部60Bが搬出エリア中心線80a側に位置した際の保持印画紙の姿勢と第2チャッカー部60Bが搬出エリア中心線80aから離れて位置した際の保持印画紙2の姿勢の同一性が保証される。つまり、振り分け前搬送部8bから送り出された印画紙2をそのまままっすぐに中間搬送部8cに移送した場合と振り分け前搬送部8bから送り出された印画紙2を左側に振って中間搬送部8cに移送した場合とで中間搬送部8cに受け渡された印画紙2の姿勢が異なることがなくなる。
【0026】
走行レール51のたわみを調整する調整手段としては、図7で示されたネジ式調整手段100以外に種々の改変例を採用することができるが、ここではそのような改変例の1つとして、図7に示されている偏心ピン機構を採用した偏芯回転式調整手段200を取り上げる。図7から明らかなように、走行レール51の左端に円弧状凹部203が形成されており、この円弧状凹部203の適合するように調整円板201が配置されている。調整円板201のための偏芯回転軸として機能する偏芯ピン202がブラケット44に取り付けられており、この偏芯ピン202に調整円板201が回転可能に装着されている。この構成により、調整円板201が時計方向に回転変位すると走行レール51の端部を図7において下方に変位させ、調整円板201が反時計方向に回転変位すると走行レール51の端部を図7において上方に変位させる。つまり、走行レール51をブラケット44に固定している4本の締結ボルト51aのうち左側の2本の締結ボルト51aを緩めた状態で、調整円板201をいずれかの方向に回すことにより走行レール51の直線性を調整することができる。
【0027】
第2横移動機構50Bのブラケット53には、第2チャッカー部60Bを構成するペーパーガイド部61が取り付けられている。このペーパーガイド部61には、振り分け前搬送部8bによって送られてきた印画紙2の通過を許すスリット61aが形成されており、このスリット61aは第1チャッカー部60Aに向かい合う側を開口させている。スリット61aに進入してきた印画紙2を圧着保持するために、印画紙2に対して遠近摺動するチャックピン62が印画紙幅方向に2カ所設けられている。図10からよく理解できるように、このチャックピン62はバネ63aによって印画紙圧着方向に付勢されているが、モータ65によって回動させられるカム64によって動作するリンク部材63がチャックピン62を印画紙2に押しつける圧着位置とチャックピン62の押しつけを解放する解放位置とに選択的に切り換える。第2チャッカー部60Bに保持される印画紙2の中心が位置するチャッカー保持中心線80dが図4に関して振り分け装置4の左端から搬出エリア中心線80aに一致する位置まで、第2チャッカー部60BはX方向移動可能となっている。同様に第1チャッカー部60Aも、そのチャッカー保持中心線80dが図4に関して振り分け装置4の右端から搬出エリア中心線80aに一致する位置までX方向移動可能となっている。
【0028】
従って、それぞれスリット61aに進入した印画紙2をチャックピン62で保持すると、第1チャッカー部60Aのチャッカー保持中心線80dを露光搬送ライン8Bの右列の搬入エリアの中心線80bに一致するように第1チャッカー部60AはX_Y移動することができるし、第2チャッカー部60Bのチャッカー保持中心線80dを露光搬送ライン8Bの左列の搬入エリアの中心線80cに一致するように第2チャッカー部60BはX_Y移動することができ、その際、第1チャッカー部60Aは振り分け装置4の右側領域を、第2チャッカー部60Bは振り分け装置4の左側領域を、保持するカット印画紙2のサイズに応じて決定される移動パターンでもって移動する。
【0029】
各種処理情報を表示するモニター7aや各種処理命令を入力するための操作卓7bが接続されているコントローラ7は、CPU、ROM、RAM、I/F回路などからなるマイクロコンピュータシステムを中核部材として構成され、上述したようなこの写真処理装置の制御に必要な各種機能をハードウエア又はソフトウエア或いはその両方で実現させている。ここで実現されている主な機能要素は、図11に示すように、フィルム搬送機構9とフィルムスキャナー4を制御するスキャナー制御部71、フィルムスキャナー3によって取得した画像データに対してホワイトバランスやネガポジ反転や輪郭強調などの種々の画像処理を行ってプリントデータを生成する画像処理部72、画像処理部72によって処理された画像データをモニター7aに表示するためのビデオ信号を生成するビデオ処理部73、プリントデータに基づいてデジタルプリント部5を駆動するデジタルプリント制御部74、バックプリント部12を駆動するバックプリント制御部75、印画紙搬送機構8を制御する印画紙搬送制御部76、振り分け装置4を制御する振り分け制御部77である。さらに、コントローラ7には、CD−ROMやMOやFDなどの画像データ記録メディアから画像データを受け付けたり、通信回線を介して伝送されてくるデジタル画像データを受け付ける外部画像入力部7cが接続されている。この外部画像入力部7cが設けられていることにより、この写真処理装置は、入力されるオリジナル画像として写真フィルムだけでなく、デジタルカメラによって撮像された画像、外付けのフィルムスキャナーによって読み取られた画像、コンピュータグラフィックソフトなどで作成されたCG画像をも取り扱うことができる。
【0030】
振り分け制御部77は、印画紙サイズに応じて異なる複数の移動パターンを備えているが、まずここでは比較的小さなサイズのカット印画紙2を順次左右に振り分けて中間搬送部8cに移送する移動パターンAを、図12と図13を用いて説明する;その際、1枚目のカット印画紙2を印画紙I 、2枚目のカット印画紙2を印画紙II、3枚目のカット印画紙2を印画紙III と呼ぶことにする。
【0031】
(1)図12(イ)プリントサイズに応じた長さ分だけペーパーカッター11のカッティングラインより引き出されカットされることで、長尺の印画紙2は印画紙I となる。
(2)図12(ロ)印画紙I は第1チャッカー部60Aのスリット61a内に進入し、チャックピン62によって保持される。
(3)図12(ハ)第1チャッカー部60Aが、印画紙I の後端が引き出し搬送部8aから出るまでY方向に上昇し、その後右上方に斜行する。これにともなって空きとなった振り分け前搬送部8bの搬出エリアへ第2チャッカー部60Bが移動する。
(4)図12(ニ)第1チャッカー部60Aが印画紙I を中間搬送部8cの右列の搬入エリアに移載すると、印画紙I は第1中間圧着ローラ84aによって圧着保持される。その間に、次のカットされた印画紙IIが第2チャッカー部60Bに保持される。
(5)図13(ホ)第2チャッカー部60Bが、印画紙IIの後端が引き出し搬送部8aから出るまでY方向に上昇し、その後左上方に斜行する。
(6)図13(へ)第2チャッカー部60Bが印画紙IIを中間搬送部8cの左列の搬入エリアに移載すると、印画紙IIは第2中間圧着ローラ84bによって圧着保持される。その間に、次の印画紙を受け入れるために第1チャッカー部60Aが振り分け前搬送部8bの搬出エリアへ戻る。
(7)図13(ト)第1・第2中間圧着ローラ84a、84bに保持されていた印画紙I とIIは同時に所定の露光タイミングで露光搬送部8dに送り込まれる。
(8)図13(チ)第1チャッカー84aが印画紙III を保持して中間搬送部8cの右列の搬送エリアに向かうとともに、次の印画紙を受け入れるために第2チャッカー部60Bが振り分け前搬送部8bの搬出エリアへ戻る。
【0032】
次に、カット印画紙2をそのまま左右に振り分けなしで直線的に中間搬送部8cに移送する移動パターンBを、図14を用いて説明する。
(1)図14(イ)プリントサイズに応じた長さ分だけペーパーカッター11のカッティングラインより引き出されカットされることで、長尺の印画紙2は印画紙I となる。第1チャッカー部60Aと第2チャッカー部60Bが互いに中央に寄り合って印画紙I を待ち受ける。
(2)図14(ロ)印画紙I の右側半分は第1チャッカー部60Aのスリット61a内に進入するとともに印画紙I の左側半分は第2チャッカー部60Bのスリット61a内に進入、それぞれチャックピン62によって保持される。
(3)図14(ハ)第1チャッカー部60Aと第2チャッカー部60Bが、印画紙I を保持したまま同期してY方向に上昇する。
(4)図14(ニ)第1チャッカー部60Aと第2チャッカー部60Bが共同して印画紙I を中間搬送部8cの搬入エリアに到達すると、印画紙I は第1中間圧着ローラ84aと第2中間圧着ローラ84bによって圧着保持される。印画紙I の保持を解除した第1チャッカー部60Aと第2チャッカー部60Bは再び振り分け前搬送部8bの搬出エリアへ戻り、次の印画紙IIを受け入れるために待機する。第1中間圧着ローラ84aと第2中間圧着ローラ84bによって圧着保持された印画紙Iは所定の露光タイミングで露光搬送部8dに送り込まれる。
【0033】
上述した移動パターンBでは、カット印画紙2を受け取った第1チャッカー部60Aと第2チャッカー部60Bは横移動(X方向)をともなわずにカット印画紙2を第1中間圧着ローラ84aと第2中間圧着ローラ84bに受け渡すことになるので、振り分け前搬送部8bでのカット印画紙2の受け取り姿勢と中間搬送部8cでのそのカット印画紙の受け渡し姿勢は走行レール51の湾曲によって影響されない。これに対して、移動パターンAでは、カット印画紙2を受け取った第1チャッカー部60A又は第2チャッカー部60Bは横移動(X方向)によってカット印画紙2を横方向に振った後第1中間圧着ローラ84a又は第2中間圧着ローラ84bにカット印画紙2を受け渡すことになる。このため、横移動用の走行レール51が取付時の撓み等で湾曲していた場合、振り分け前搬送部8bでのカット印画紙2の受け取り姿勢と中間搬送部8cでのそのカット印画紙2の受け渡し姿勢が異なることになる。傾斜した姿勢で露光ラインに受け渡されると、そのカット印画紙2は傾斜したままデジタルプリント部5に送られ、カット印画紙2に対して傾斜した画像が形成されることになる。
【0034】
横移動用の走行レール51は縦移動用の走行レール42によって縦移動するブラケット44に固定されている構造であることから、そのレールサイズは走行レール42較べて小さく、低剛性となっており、組み付け時に撓みが生じやすい。従って、カット印画紙2に対する露光画像の位置調整は、まず移動パターンBによって得られるプリント状態に基づいて行われ、そのような位置調整後、移動パターンAにおいて生じるカット印画紙2に対する露光画像の位置ずれ(傾斜)は、前述した調整手段100又は200を用いた走行レール51に対する直線性調整によって解決する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による複列画像露光装置を採用した写真処理装置の全体ブロック図
【図2】振り分け装置とデジタルプリント部周辺での印画紙搬送を説明する説明図
【図3】振り分け装置とデジタルプリント部周辺での印画紙搬送機構を示す概略側面図
【図4】振り分け装置の概略正面図
【図5】第2チャッカー部の概略斜視図
【図6】振り分け装置の概略側面図
【図7】ネジ式調整手段の構成を示す概略正面図
【図8】偏芯回転式調整手段の構成を示す概略正面図
【図9】振り分け装置の第2チャッカー部を示す概略平面図
【図10】チャックピンの動作を説明する説明図
【図11】コントローラの機能を示す機能ブロック図
【図12】チャッカー部の移動パターンAを説明する説明図
【図13】チャッカー部の移動パターンAを説明する説明図
【図14】チャッカー部の移動パターンBを説明する説明図
【符号の説明】
1 フィルム
2 印画紙(カット印画紙)
3 フィルムスキャナー
4 振り分け装置
4a 第1縦横移動機構
4b 第2縦横移動機構
5 デジタルプリント部
6 現像処理部
7 コントローラ
8 印画紙搬送機構
9 フィルム搬送機構
11 ペーパーカッター
40A 第1縦移動機構
40B 第2縦移動機構
42走行レール(レール式縦走行機構)
43縦走行台(レール式縦走行機構)
50A 第1横移動機構
50B 第2横移動機構
51走行レール(レール式横走行機構)
52横走行台(レール式横走行機構)
60A 第1チャッカー部
60B 第2チャッカー部
100ネジ式調整手段
200偏芯回転式調整手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、印画紙を単列で搬送する印画紙供給ラインと、複列又は単列で送り込まれてくる印画紙をデジタルプリント部によって露光させる露光搬送ラインと、前記印画紙供給ラインの搬出エリアから受け取った印画紙を前記露光搬送ラインの搬入エリアまで移送する振り分け装置とを備えた複列画像露光装置であって、前記振り分け装置は、前記印画紙を保持するチャッカー部とこのチャッカー部を印画紙の搬送方向である第1方向及び印画紙の搬送方向に直角な第2方向に移動させる縦横移動機構を備えているものに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光源からの照明光を写真フィルムに照射し、写真フィルムを透過した透過光で印画紙を露光することで写真フィルムに撮像された画像を印画紙に焼き付ける投影露光式の画像露光装置に代えて、デジタル化された撮影画像データから生成されたプリントデータに基づいてデジタルプリント部が印画紙を露光する、いわゆるデジタル露光式の画像露光装置が普及している。このようなデジタル露光式画像露光装置では、主走査方向に延びたプリントヘッドを用い、プリントヘッドと印画紙の副走査方向の相対移動により、フィルム画像全体の露光を完了するリニア露光方式を採用しているため、1コマのフィルム画像に対する露光時間が副走査速度によって決定され、その露光時間は投影露光式に比較して長くなっている。
【0003】
この欠点を解決するため、例えば特開2001−33889号公報から、印画紙マガジンから引き出されプリントサイズにカットされた印画紙をデジタルプリント部に通じる2列の露光搬送ラインに振り分け移送する振り分け装置が備えられ、2列状態でデジタルプリント部に送り込まれた印画紙は同時に露光される複列画像露光装置が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような複列画像露光装置では、印画紙振り分けのために印画紙を受け取るチャッカー部とこのチャッカー部を縦方向(印画紙搬送方向)と横方向に移動させる縦横移動機構を備えており、2列同時露光する場合は印画紙を受け取ったチャッカー部は縦横移動機構によって一方方向に横移動するとともに搬送方向に沿って縦移動した後その印画紙を露光搬送ラインの一方のラインに受け渡し、次の印画紙を受け取ったチャッカー部は縦横移動機構によって他方方向に横移動するとともに搬送方向に沿って縦移動した後その印画紙を露光搬送ラインの他方のラインに受け渡す。しかしながら、2列搬送できない大きなプリントサイズをもつ印画紙やプリントサイズは小さくても単列露光しようとする印画紙は、振り分け装置によって振り分けされずにそのまま1列状態で、つまり印画紙を受け取ったチャッカー部は縦横移動機構によって横移動することなく搬送方向に沿って縦移動した後その印画紙を露光搬送ラインに受け渡す。このようにチャッカー部に受け取られた印画紙はそのまま横移動せずに縦移動だけする移動モードと横移動と縦移動の両方を行う移動モードがある。
【0005】
この横移動はレール式走行機構で行われるが、もしこのレールが取り付け不良等で湾曲していた場合、チャッカー部が横方向に移動すればするほどチャッカー部に受け取られている印画紙の姿勢が傾くことになる。つまり印画紙の受け取り姿勢と露光ラインへの受け渡し姿勢が異なることになる。傾斜した姿勢で露光ラインに受け渡されると、その印画紙は傾斜したままデジタルプリント部に送られ、印画紙に対して傾斜した画像が印画紙に形成されることになる。周囲に白枠を残すボーダ付きプリントを作製する場合、そのような画像の傾斜は白枠によって非常に目立つことになり、写真プリントの商品価値を著しく低下させる。
【0006】
通常、定常的な単列搬送印画紙の傾斜は露光ヘッドの位置調整や画像データの補正によって補償することが可能であるが、このような複列画像露光装置の場合、印画紙を横移動させずにつまりレール湾曲の影響を受けずに露光ラインに送り込まれる移動モードと印画紙を横移動させる移動モードが共存するためそのような補償方法の採用は困難である。
上記実状に鑑み、本発明の課題は、チャッカー部の横移動時に印画紙の姿勢を変えてしまうといった従来の縦横移動機構がもつ欠点を解消した複列画像露光装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、印画紙を単列で搬送する印画紙供給ラインと、複列又は単列で送り込まれてくる印画紙をデジタルプリント部によって露光させる露光搬送ラインと、前記印画紙供給ラインの搬出エリアから受け取った印画紙を前記露光搬送ラインの搬入エリアまで移送する振り分け装置とを備えた複列画像露光装置であって、前記振り分け装置は、前記印画紙を保持するチャッカー部とこのチャッカー部を印画紙の搬送方向である第1方向及び印画紙の搬送方向に直角な第2方向に移動させる縦横移動機構を備えているものにおいて、本発明では、前記縦横移動機構が前記チャッカー部を第1方向に移動させるレール式縦走行機構と前記チャッカー部を前記レール式縦走行機構上で第2方向に移動させるレール式横走行機構を含み、さらに前記レール式横走行機構を構成する横走行レールのたわみを調整する調整手段が設けられている。
【0008】
この構成では、チャッカー部はレール式横走行機構によって印画紙搬送方向に直交する第2方向、つまり横方向に移動させられるが、このレール式横走行機構を構成する横走行レールが組み付け不良等で撓んだ状態で固定され、結果的に横走行レール自体が湾曲していた場合、調整手段によってこのたわみを調整して横走行レール自体を直線に戻すことが可能となる。
【0009】
この調整手段の具体的構成の1つとしては、横走行レールを固定しているレール延び方向に分布している締結ネジのうち印画紙供給搬送ラインの中心から離れた側のいくつかを緩め、その緩められた側のレールの端部をレールの湾曲が解消される方向に押し付けるセットネジ機構が挙げられる。
【0010】
調整手段の別な具体的構成として、緩められた側のレールの端部にレールの湾曲が解消される方向に変位させることができる偏心ピン機構を設けることもスペースをあまり必要としない好適な形態として提案される。
本発明によるその他の特徴及び利点は、以下図面を用いた実施例の説明により明らかになるだろう。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明による複列画像露光装置を搭載した写真処理装置の概略ブロック図が図1に示されている。この写真処理装置はデジタル露光式を採用しており、ここでは図示されていないフィルム現像機によって現像処理された写真フィルム(以後単にフィルムと称す)1のコマ画像をデジタル画像データとして取得するフィルムスキャナー3と、取得されたデジタル画像データを処理してプリントデータを作成するコントローラ7と、このプリントデータに基づいて印画紙2にコマ画像に対応する画像を露光するデジタルプリント部5と、露光された印画紙2を現像処理する現像処理部6とを備えている。現像処理部6で現像された印画紙2は、乾燥工程を経て仕上がりプリントとして排出される。
【0012】
フィルムスキャナー3は、主な構成要素として、照明光学系31、撮像光学系32、CCDセンサーを用いた光電変換部33を備えている。照明光学系31は、白色光源としてのハロゲンランプ31a、調光フィルタ31b、ミラートンネル31cなどから構成され、光源からの光ビームの色分布や強度分布を整えてフィルム1のコマ画像を照射する。フィルム2からの透過光ビームを処理する撮像光学系32は、投射光の方向を変えるミラー32a、レンズユニット32b、このレンズユニットを通ってきた光ビームを3つの方向に分光するプリズム33cなどから構成されている。フィルム搬送機構9によって所定のスキャン速度でフィルム1が送られることにより、フィルム1のコマ画像が副走査方向、つまりフィルムの長手方向にスキャニングされる。撮像光学系32によって導かれた光ビームを光電変換する光電変換部33は、プリズム32cによって分光された3つの光ビーム(R・G・B)を別個に受けるため、3つのCCDセンサー33aを備えている。
【0013】
デジタルプリント部5には、この実施形態では、PLZTシャッター方式が採用されている。つまり、露光ヘッド5aとして、PLZT素子からなるシャッタアレイを採用したものである。このPLZT素子からなるシャッタアレイは、チタン酸ジルコン酸鉛にランタンを添加することにより得られる透明強誘電性セラミックス材料から構成され、その材料の有する電気光学効果を利用したもので、各シャッターには光源5bから多数の光ファイバを介してR、G、B各色の光が導入される。このシャッタアレイは印画紙2の幅方向、つまり搬送方向の横断方向に沿って2列に並んだ印画紙2にわたって延びている。各シャッターに所定レベルの電圧が印加されると、光透過状態になり、その電圧の印加が停止されると光遮断状態となる。従って、コントローラ7からプリントデータに基づいて各画素に対応するシャッターに駆動電圧が印加されると、そのシャッターが開いて光源から導入されている色の光が印画紙2に照射される。光源5bには、R、G、Bの3色の光学フィルタからなる回転フィルタが備えられており、この回転フィルタを回転位相制御することにより、R、G、Bの内の1つが選択的に光源に対向し、その色のフィルタを介して選択色の光が光ファイバーを通じてシャッターに送られる。デジタルプリント部の方式としては、このPLZTシャッター方式以外に液晶シャッター方式、蛍光ビーム方式、レーザービーム方式、DMD方式などが知られており、露光仕様に応じて任意に選択することができる。
【0014】
上述したように、このデジタルプリント部5は、複列の、この実施例では2列に並んだカット印画紙2のそれぞれを同時に露光できるものである。このため、印画紙搬送機構8はカット印画紙2を単列で搬送する印画紙供給ライン8Aと、カット印画紙2を2列で搬送する露光搬送ライン8Bと現像搬送ライン8Cとに区分けされ、印画紙供給ライン8Aと露光搬送ライン8Bとの間に、印画紙供給ライン8Aから順次送られてくる印画紙2を露光搬送ライン8Bの各列に振り分ける振り分け装置4が設けられている。
【0015】
図2と図3とから明らかなように、印画紙供給ライン8Aは、乳剤面を外側にして印画紙2をロール状に収納している2つの印画紙マガジン10のいずれか一方から選択的に印画紙2を引き出す引き出しローラ群からなる引き出し搬送部8aと、振り分け装置4に印画紙2を受け渡す振り分け前搬送部8bとから構成されている。
【0016】
振り分け前搬送部8bの上流端には、印画紙マガジン10から引き出された印画紙2をプリントサイズに合わせてカットするペーパーカッター11が設けられており、このペーパーカッター11の下流側に位置するバックプリント部12が設けられている。バックプリント部12は、印画紙2の裏面(非乳剤面)に、フィルムIDやコマ番号、さらにプリントデータ作成時に行われた画像処理を示す補正情報などを印字するものであり、通常ドットインパックトプリンタが用いられている。
【0017】
振り分け前搬送部8bは、バックプリント部12を挟むように配置された、2対の搬送ローラユニットを備えており、特に下流側の搬送ローラユニットは印画紙供給ライン8Aにおける印画紙搬出エリアを構成するものであり、印画紙2の非乳剤面側に接当する駆動ローラ81と乳剤面側に接当する圧着ローラ82から成り、圧着ローラ82は駆動ローラ81に対して遠近変位可能で、駆動ローラ81と圧着ローラ82との間で印画紙2を圧着したり、解放したりすることができる。
【0018】
露光搬送ライン8Bは、搬送方向の順で、中間搬送部8cと、露光搬送部8dと、露光後搬送部8eとから構成されている。これらの搬送部は全て、カット印画紙2を2列の横並びで同時搬送することが可能なように幅広の搬送ローラユニットと、それぞれの列に対応させたガイド部材を備えている。ただし、中間搬送部8cでは、中間駆動ローラ83は2列をカバーする幅広ローラであるが、中間圧着ローラは、右列用と左列用とに分けられている。つまり、中間搬送部8cは、露光搬送ライン8Bの2列の搬入エリアを構成する搬送ローラユニットとして構成されており、カット印画紙2の非乳剤面側に接当する中間駆動ローラ83とこの中間駆動ローラ83に対して遠近変位可能な第1中間圧着ローラ84aと第2中間ローラ84bとからなる。第1中間圧着ローラ84aは露光搬送ライン8Bの右列を搬送されるカット印画紙2を圧着し、第2中間圧着ローラ84bは露光搬送ライン8Bの左列を搬送されるカット印画紙2を圧着するものであり、その圧着・解放操作は互いに独立的に行うことができる。つまり、2枚のカットカット印画紙2を順番に第1中間圧着ローラ84aと第2中間圧着ローラ84bで受け取り保持し、同時に2枚のカット印画紙2を露光搬送部8dへ送り出すことができる。
【0019】
露光搬送部8dは、デジタルプリント部5の露光ヘッド5aを挟むように配置された入り口側の第1露光搬送ローラユニットと出口側の第2露光搬送ローラユニットとを備えており、第1露光搬送ローラユニットはカット印画紙2の非乳剤面側に接当する第1露光駆動ローラ85とこの第1露光駆動ローラ85に対して遠近変位可能な第1露光圧着ローラ86を、そして第2露光搬送ローラユニットはカット印画紙2の非乳剤面側に接当する第2露光駆動ローラ87とこの第2露光駆動ローラ87に対して遠近変位可能な第2露光圧着ローラ88を有している。第1・第2露光駆動ローラ85、87は1つの駆動源からのベルト伝動機構によって同期駆動されるが、第1・第2露光圧着ローラ86、88はそれぞれ独立的に対向する露光駆動ローラに対して遠近変位可能である。従って、第1露光搬送ローラユニットのみで、又は第2露光搬送ローラユニットのみで、或いは第1・第2露光搬送ローラユニットの両方でカット印画紙2を搬送することができる。
【0020】
露光後搬送部8eは、第1ターン搬送ローラユニットと第2ターン搬送ローラユニットと通常の搬送ローラ群95と、及びターンガイド90を備えている。第1ターン搬送ローラユニットは、カット印画紙2の乳剤面側に接当する第1ターン駆動ローラ91とこの第1ターン駆動ローラ91に対して遠近変位可能な第1ターン圧着ローラ92を、第2ターン搬送ローラユニットは、カット印画紙2の乳剤面側に接当する第2ターン駆動ローラ93とこの第2ターン駆動ローラ93に対向して取り付けられている第2ターン圧着ローラ94を有している。第1・第2ターン搬送ローラユニットの間に配置されているターンガイド90は、乳剤面側の内側ターンガイド90aと非乳剤面側の外側ターンガイド90bから成り、外側ターンガイド90bは、搬送下流側に設けられた揺動支点周りで外方に揺動可能であり、必要に応じてターンガイド90を通過するカット印画紙2を外側にふくらませることができる。
【0021】
次に、印画紙供給ライン8Aの搬出エリアから順次送られてくるカット印画紙2を露光搬送ライン8Bの各列の搬入エリアに振り分ける振り分け装置4の構造について、図4〜10を用いて説明する。なお、図4において、印画紙供給ライン8Aの搬出エリアの中央、つまり搬出されるカット印画紙2の中心線が80aで示されており、露光搬送ライン8Bの搬入エリアの右列の中央、つまり右側に搬入されるカット印画紙2の中心線が80bで、搬入エリアの左列の中央、つまり左側に搬入されるカット印画紙2の中心線が80cで示されている。
【0022】
この振り分け装置4は、ペーパーカッター11によってカットされた印画紙2を受け取って、搬入エリアの一方の列位置まで第1縦横移動機構4Aによって移動させられる第1チャッカー部60Aと、受け取ったカット印画紙2を搬入エリアの他方の列位置まで第2縦横移動機構4Bによって移動させられる第2チャッカー部60Bとを備えている。第1縦横移動機構4Aは、第1チャッカー部60Aを印画紙搬送方向の横断方向(以後この方向をX方向とも称する)に移動させる第1横移動機構50Aと、第1チャッカー部60Aを含めてこの第1横移動機構50Aを印画紙搬送方向(以後この方向をY方向とも称する)に移動させる第1縦移動機構40Aとから構成されている。同様に、第2縦横移動機構4Bも、第2チャッカー部60BをX方向に移動させる第2横移動機構50Bと、第2チャッカー部60Bを含めてこの第2横移動機構50BをY方向に移動させる第2縦移動機構40Bとから構成されている。第1・第2チャッカー部60A、60B、及び第1・第2縦横移動機構4A、4Bは、それぞれ実質的には鏡対象の構造を持っているので、ここでは、第2縦横移動機構4Bと第2チャッカー部60Bについて説明するが、その説明から容易に第1縦横移動機構4Aと第1チャッカー部60Aも理解できるはずである。
【0023】
第2縦移動機構40Bは、この写真処理装置の本体フレームに固定されたレール架台41に搬出エリア中心線80aから間隔をあけて、印画紙搬送方向に沿って取り付けられた走行レール42と、この走行レール42上をボールスプライン方式で走行する縦走行台43を備えている。つまり、走行レール42と縦走行台43によってレール式縦走行機構が構築されている。この走行台43からX方向外方に延びたブラケット44が走行台43の上面に取り付けられている。このブラケット44には、スプロケットによって巻き回され走行レール42に平行に延びているベルト45が接続されており、モータ46によるベルト45の正逆駆動により、縦走行台43がY方向で往復移動することができる。47は、Y方向に沿って複数箇所に設けられた縦走行台位置検出用のフォトインタラプタである。
【0024】
第2横移動機構50Bは、X方向に延びるとともにその左端を第2縦移動機構40Bのブラケット44の取付プレート部に締結ボルト51aよって締め付け固定されている走行レール51と、この走行レール51上をボールスプライン方式で走行する横走行台52を備えている。つまり、走行レール51と横走行台52によってレール式横走行機構が構築されている。横走行台52にはさらにブラケット53が取り付けられており、このブラケット53には、スプロケットによって巻き回され走行レール51に平行に延びているベルト54が接続されており、第1縦移動機構40Aのブラケット44に固定されたモータ55によるベルト54の正逆駆動により、横走行台52がX方向で往復移動することができる。図示はされていないが、この横走行台52の位置を検出するためのフォトインタラプタも複数設けられている。
【0025】
この実施形態では、図6に示されているように、走行レール51は4本の締結ボルト51aによって固定されているが、この4本の締結ボルト51aのうち搬出エリア中心線80a側の2本はリーマボルトような構成となっており、ブラケット44の所定位置に走行レール51を不動に締め付け固定することができる。
これに対して、搬出エリア中心線80aから遠く離れた位置に配置されている他の2本の締結ボルト51aの軸部と対応するブラケット44に設けられた取付孔との間にはわずかな遊びが形成されており、この締結ボルト51aを緩めた状態で、走行レール51の左(搬出エリア中心線80aから遠く離れた側)端部に力を加えることで走行レール51をわずかに撓ませることができる。この目的のために、走行レール51の左端領域の両側にセットネジ101とこのセットネジ102が貫通螺合するブラケット102とからなるネジ式調整手段100が設けられている。このようなネジ式調整手段100はよく知られているセットネジ機構であることから詳しい説明は省略するが、左側の2本の締結ボルト51aを緩めた状態で、いずれかのセットネジ101を回してその先端を走行レール51の側面を押し付けることにより、走行レール51の直線性を調整することができる。
この走行レール51の直線性を維持することで、第2チャッカー部60Bが搬出エリア中心線80a側に位置した際の保持印画紙の姿勢と第2チャッカー部60Bが搬出エリア中心線80aから離れて位置した際の保持印画紙2の姿勢の同一性が保証される。つまり、振り分け前搬送部8bから送り出された印画紙2をそのまままっすぐに中間搬送部8cに移送した場合と振り分け前搬送部8bから送り出された印画紙2を左側に振って中間搬送部8cに移送した場合とで中間搬送部8cに受け渡された印画紙2の姿勢が異なることがなくなる。
【0026】
走行レール51のたわみを調整する調整手段としては、図7で示されたネジ式調整手段100以外に種々の改変例を採用することができるが、ここではそのような改変例の1つとして、図7に示されている偏心ピン機構を採用した偏芯回転式調整手段200を取り上げる。図7から明らかなように、走行レール51の左端に円弧状凹部203が形成されており、この円弧状凹部203の適合するように調整円板201が配置されている。調整円板201のための偏芯回転軸として機能する偏芯ピン202がブラケット44に取り付けられており、この偏芯ピン202に調整円板201が回転可能に装着されている。この構成により、調整円板201が時計方向に回転変位すると走行レール51の端部を図7において下方に変位させ、調整円板201が反時計方向に回転変位すると走行レール51の端部を図7において上方に変位させる。つまり、走行レール51をブラケット44に固定している4本の締結ボルト51aのうち左側の2本の締結ボルト51aを緩めた状態で、調整円板201をいずれかの方向に回すことにより走行レール51の直線性を調整することができる。
【0027】
第2横移動機構50Bのブラケット53には、第2チャッカー部60Bを構成するペーパーガイド部61が取り付けられている。このペーパーガイド部61には、振り分け前搬送部8bによって送られてきた印画紙2の通過を許すスリット61aが形成されており、このスリット61aは第1チャッカー部60Aに向かい合う側を開口させている。スリット61aに進入してきた印画紙2を圧着保持するために、印画紙2に対して遠近摺動するチャックピン62が印画紙幅方向に2カ所設けられている。図10からよく理解できるように、このチャックピン62はバネ63aによって印画紙圧着方向に付勢されているが、モータ65によって回動させられるカム64によって動作するリンク部材63がチャックピン62を印画紙2に押しつける圧着位置とチャックピン62の押しつけを解放する解放位置とに選択的に切り換える。第2チャッカー部60Bに保持される印画紙2の中心が位置するチャッカー保持中心線80dが図4に関して振り分け装置4の左端から搬出エリア中心線80aに一致する位置まで、第2チャッカー部60BはX方向移動可能となっている。同様に第1チャッカー部60Aも、そのチャッカー保持中心線80dが図4に関して振り分け装置4の右端から搬出エリア中心線80aに一致する位置までX方向移動可能となっている。
【0028】
従って、それぞれスリット61aに進入した印画紙2をチャックピン62で保持すると、第1チャッカー部60Aのチャッカー保持中心線80dを露光搬送ライン8Bの右列の搬入エリアの中心線80bに一致するように第1チャッカー部60AはX_Y移動することができるし、第2チャッカー部60Bのチャッカー保持中心線80dを露光搬送ライン8Bの左列の搬入エリアの中心線80cに一致するように第2チャッカー部60BはX_Y移動することができ、その際、第1チャッカー部60Aは振り分け装置4の右側領域を、第2チャッカー部60Bは振り分け装置4の左側領域を、保持するカット印画紙2のサイズに応じて決定される移動パターンでもって移動する。
【0029】
各種処理情報を表示するモニター7aや各種処理命令を入力するための操作卓7bが接続されているコントローラ7は、CPU、ROM、RAM、I/F回路などからなるマイクロコンピュータシステムを中核部材として構成され、上述したようなこの写真処理装置の制御に必要な各種機能をハードウエア又はソフトウエア或いはその両方で実現させている。ここで実現されている主な機能要素は、図11に示すように、フィルム搬送機構9とフィルムスキャナー4を制御するスキャナー制御部71、フィルムスキャナー3によって取得した画像データに対してホワイトバランスやネガポジ反転や輪郭強調などの種々の画像処理を行ってプリントデータを生成する画像処理部72、画像処理部72によって処理された画像データをモニター7aに表示するためのビデオ信号を生成するビデオ処理部73、プリントデータに基づいてデジタルプリント部5を駆動するデジタルプリント制御部74、バックプリント部12を駆動するバックプリント制御部75、印画紙搬送機構8を制御する印画紙搬送制御部76、振り分け装置4を制御する振り分け制御部77である。さらに、コントローラ7には、CD−ROMやMOやFDなどの画像データ記録メディアから画像データを受け付けたり、通信回線を介して伝送されてくるデジタル画像データを受け付ける外部画像入力部7cが接続されている。この外部画像入力部7cが設けられていることにより、この写真処理装置は、入力されるオリジナル画像として写真フィルムだけでなく、デジタルカメラによって撮像された画像、外付けのフィルムスキャナーによって読み取られた画像、コンピュータグラフィックソフトなどで作成されたCG画像をも取り扱うことができる。
【0030】
振り分け制御部77は、印画紙サイズに応じて異なる複数の移動パターンを備えているが、まずここでは比較的小さなサイズのカット印画紙2を順次左右に振り分けて中間搬送部8cに移送する移動パターンAを、図12と図13を用いて説明する;その際、1枚目のカット印画紙2を印画紙I 、2枚目のカット印画紙2を印画紙II、3枚目のカット印画紙2を印画紙III と呼ぶことにする。
【0031】
(1)図12(イ)プリントサイズに応じた長さ分だけペーパーカッター11のカッティングラインより引き出されカットされることで、長尺の印画紙2は印画紙I となる。
(2)図12(ロ)印画紙I は第1チャッカー部60Aのスリット61a内に進入し、チャックピン62によって保持される。
(3)図12(ハ)第1チャッカー部60Aが、印画紙I の後端が引き出し搬送部8aから出るまでY方向に上昇し、その後右上方に斜行する。これにともなって空きとなった振り分け前搬送部8bの搬出エリアへ第2チャッカー部60Bが移動する。
(4)図12(ニ)第1チャッカー部60Aが印画紙I を中間搬送部8cの右列の搬入エリアに移載すると、印画紙I は第1中間圧着ローラ84aによって圧着保持される。その間に、次のカットされた印画紙IIが第2チャッカー部60Bに保持される。
(5)図13(ホ)第2チャッカー部60Bが、印画紙IIの後端が引き出し搬送部8aから出るまでY方向に上昇し、その後左上方に斜行する。
(6)図13(へ)第2チャッカー部60Bが印画紙IIを中間搬送部8cの左列の搬入エリアに移載すると、印画紙IIは第2中間圧着ローラ84bによって圧着保持される。その間に、次の印画紙を受け入れるために第1チャッカー部60Aが振り分け前搬送部8bの搬出エリアへ戻る。
(7)図13(ト)第1・第2中間圧着ローラ84a、84bに保持されていた印画紙I とIIは同時に所定の露光タイミングで露光搬送部8dに送り込まれる。
(8)図13(チ)第1チャッカー84aが印画紙III を保持して中間搬送部8cの右列の搬送エリアに向かうとともに、次の印画紙を受け入れるために第2チャッカー部60Bが振り分け前搬送部8bの搬出エリアへ戻る。
【0032】
次に、カット印画紙2をそのまま左右に振り分けなしで直線的に中間搬送部8cに移送する移動パターンBを、図14を用いて説明する。
(1)図14(イ)プリントサイズに応じた長さ分だけペーパーカッター11のカッティングラインより引き出されカットされることで、長尺の印画紙2は印画紙I となる。第1チャッカー部60Aと第2チャッカー部60Bが互いに中央に寄り合って印画紙I を待ち受ける。
(2)図14(ロ)印画紙I の右側半分は第1チャッカー部60Aのスリット61a内に進入するとともに印画紙I の左側半分は第2チャッカー部60Bのスリット61a内に進入、それぞれチャックピン62によって保持される。
(3)図14(ハ)第1チャッカー部60Aと第2チャッカー部60Bが、印画紙I を保持したまま同期してY方向に上昇する。
(4)図14(ニ)第1チャッカー部60Aと第2チャッカー部60Bが共同して印画紙I を中間搬送部8cの搬入エリアに到達すると、印画紙I は第1中間圧着ローラ84aと第2中間圧着ローラ84bによって圧着保持される。印画紙I の保持を解除した第1チャッカー部60Aと第2チャッカー部60Bは再び振り分け前搬送部8bの搬出エリアへ戻り、次の印画紙IIを受け入れるために待機する。第1中間圧着ローラ84aと第2中間圧着ローラ84bによって圧着保持された印画紙Iは所定の露光タイミングで露光搬送部8dに送り込まれる。
【0033】
上述した移動パターンBでは、カット印画紙2を受け取った第1チャッカー部60Aと第2チャッカー部60Bは横移動(X方向)をともなわずにカット印画紙2を第1中間圧着ローラ84aと第2中間圧着ローラ84bに受け渡すことになるので、振り分け前搬送部8bでのカット印画紙2の受け取り姿勢と中間搬送部8cでのそのカット印画紙の受け渡し姿勢は走行レール51の湾曲によって影響されない。これに対して、移動パターンAでは、カット印画紙2を受け取った第1チャッカー部60A又は第2チャッカー部60Bは横移動(X方向)によってカット印画紙2を横方向に振った後第1中間圧着ローラ84a又は第2中間圧着ローラ84bにカット印画紙2を受け渡すことになる。このため、横移動用の走行レール51が取付時の撓み等で湾曲していた場合、振り分け前搬送部8bでのカット印画紙2の受け取り姿勢と中間搬送部8cでのそのカット印画紙2の受け渡し姿勢が異なることになる。傾斜した姿勢で露光ラインに受け渡されると、そのカット印画紙2は傾斜したままデジタルプリント部5に送られ、カット印画紙2に対して傾斜した画像が形成されることになる。
【0034】
横移動用の走行レール51は縦移動用の走行レール42によって縦移動するブラケット44に固定されている構造であることから、そのレールサイズは走行レール42較べて小さく、低剛性となっており、組み付け時に撓みが生じやすい。従って、カット印画紙2に対する露光画像の位置調整は、まず移動パターンBによって得られるプリント状態に基づいて行われ、そのような位置調整後、移動パターンAにおいて生じるカット印画紙2に対する露光画像の位置ずれ(傾斜)は、前述した調整手段100又は200を用いた走行レール51に対する直線性調整によって解決する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による複列画像露光装置を採用した写真処理装置の全体ブロック図
【図2】振り分け装置とデジタルプリント部周辺での印画紙搬送を説明する説明図
【図3】振り分け装置とデジタルプリント部周辺での印画紙搬送機構を示す概略側面図
【図4】振り分け装置の概略正面図
【図5】第2チャッカー部の概略斜視図
【図6】振り分け装置の概略側面図
【図7】ネジ式調整手段の構成を示す概略正面図
【図8】偏芯回転式調整手段の構成を示す概略正面図
【図9】振り分け装置の第2チャッカー部を示す概略平面図
【図10】チャックピンの動作を説明する説明図
【図11】コントローラの機能を示す機能ブロック図
【図12】チャッカー部の移動パターンAを説明する説明図
【図13】チャッカー部の移動パターンAを説明する説明図
【図14】チャッカー部の移動パターンBを説明する説明図
【符号の説明】
1 フィルム
2 印画紙(カット印画紙)
3 フィルムスキャナー
4 振り分け装置
4a 第1縦横移動機構
4b 第2縦横移動機構
5 デジタルプリント部
6 現像処理部
7 コントローラ
8 印画紙搬送機構
9 フィルム搬送機構
11 ペーパーカッター
40A 第1縦移動機構
40B 第2縦移動機構
42走行レール(レール式縦走行機構)
43縦走行台(レール式縦走行機構)
50A 第1横移動機構
50B 第2横移動機構
51走行レール(レール式横走行機構)
52横走行台(レール式横走行機構)
60A 第1チャッカー部
60B 第2チャッカー部
100ネジ式調整手段
200偏芯回転式調整手段
Claims (1)
- 印画紙を単列で搬送する印画紙供給ラインと、複列又は単列で送り込まれてくる印画紙をデジタルプリント部によって露光させる露光搬送ラインと、前記印画紙供給ラインの搬出エリアから受け取った印画紙を前記露光搬送ラインの搬入エリアまで移送する振り分け装置とを備えた複列画像露光装置であって、前記振り分け装置は、前記印画紙を保持するチャッカー部とこのチャッカー部を印画紙の搬送方向である第1方向及び印画紙の搬送方向に直角な第2方向に移動させる縦横移動機構を備えているものにおいて、
前記縦横移動機構が前記チャッカー部を第1方向に移動させるレール式縦走行機構と前記チャッカー部を前記レール式縦走行機構上で第2方向に移動させるレール式横走行機構を含み、さらに前記レール式横走行機構を構成する横走行レールのたわみを調整する調整手段が設けられていることを特徴とする複列画像露光装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002210640A JP2004053874A (ja) | 2002-07-19 | 2002-07-19 | 複列画像露光装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002210640A JP2004053874A (ja) | 2002-07-19 | 2002-07-19 | 複列画像露光装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004053874A true JP2004053874A (ja) | 2004-02-19 |
Family
ID=31934083
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002210640A Withdrawn JP2004053874A (ja) | 2002-07-19 | 2002-07-19 | 複列画像露光装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004053874A (ja) |
-
2002
- 2002-07-19 JP JP2002210640A patent/JP2004053874A/ja not_active Withdrawn
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3687773B2 (ja) | 複列画像露光装置 | |
JP2004053874A (ja) | 複列画像露光装置 | |
JP3597342B2 (ja) | 画像記録装置 | |
JP3724626B2 (ja) | 画像プリント装置 | |
JP3687774B2 (ja) | 画像露光装置 | |
JP4232063B2 (ja) | 画像露光装置 | |
EP0867758A2 (en) | Image recording apparatus and a light-sensitive material distributing device for use therein | |
JP3590853B2 (ja) | 画像プリント装置 | |
JP2001033890A (ja) | 複列画像露光装置 | |
US5993083A (en) | Method and device for distributing sheets of light-sensitive material | |
US6320643B1 (en) | Image recording apparatus | |
JP2001083609A (ja) | 画像露光装置 | |
JP2002090904A (ja) | 画像露光装置 | |
JP3587295B2 (ja) | 画像プリント装置 | |
JP2001056511A (ja) | 写真処理機用のマガジン及び写真処理機 | |
JP4067533B2 (ja) | 画像記録装置 | |
JP2001117173A (ja) | 画像露光装置 | |
US6115102A (en) | Light-sensitive material transporting device | |
JP3726573B2 (ja) | 感光材料の幅方向位置調節方法及び写真処理装置 | |
JP2000352768A (ja) | 画像プリント装置 | |
JP3753519B2 (ja) | 画像記録装置 | |
JP3758071B2 (ja) | 光シャッタ式露光装置 | |
JP4325047B2 (ja) | 走査露光装置 | |
JP3785251B2 (ja) | 感光材料振分装置 | |
JP2002214715A (ja) | 画像処理機 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20051004 |