JP2004053663A - フォトマスクブランク、フォトマスク及びフォトマスクブランクの選定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】露光光が透過する透明基板上に、少なくとも1層の遮光膜と少なくとも1層の反射防止膜とを積層したフォトマスクブランクであって、表面の水の接触角が0〜50°であることを特徴とするフォトマスクブランク。
【効果】本発明のフォトマスクブランクは、表面の水の接触角が0〜50%であり、洗浄によるパーティクル除去が良好なフォトマスクブランクであり、微細なパターンを効率よく形成することができ、更なる半導体集積回路装置等における高集積化に十分対応することができるものである。
【選択図】 なし
【効果】本発明のフォトマスクブランクは、表面の水の接触角が0〜50%であり、洗浄によるパーティクル除去が良好なフォトマスクブランクであり、微細なパターンを効率よく形成することができ、更なる半導体集積回路装置等における高集積化に十分対応することができるものである。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路又は高密度集積回路等の製造工程において使用されるフォトマスクブランク、フォトマスク及びフォトマスクブランクの選定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
LSI、VLSI等の高密度半導体集積回路やCCD(電荷結合素子)やLCD(液晶表示素子)用のカラーフィルターや磁気ヘッド等の微細加工には、フォトマスクを使ったフォトリソグラフィー技術が用いられている。
【0003】
この微細加工には、石英ガラス、アルミノシリケートガラス等の透明な基板の上に、一般的にはクロム膜からなる遮光膜をスパッタ又は真空蒸着等で形成したフォトマスクブランクを用い、この遮光膜に所定のパターンを形成したものをフォトマスクとして用いている。
【0004】
この様なフォトマスクは、まず、基板上にクロム系の遮光膜を成膜したフォトマスクブランクに、フォトレジストや電子線レジストを塗布した後、所定のパターンに選択的に露光し、現像工程、リンス工程及び乾燥工程を経てレジストパターンを形成し、次いで、このレジストパターンをマスクして、硝酸セリウムアンモニウムと過塩素酸の混合水溶液からなるエッチング液を用いてウェットエッチングを行うか、又は塩素ガスを用いたドライエッチングを行うことによりマスクされていない部分のクロム系膜を除去し、その後レジストを除去することにより得ることができ、これにより遮光部と透光部とからなる所定のパターンを形成することができる。
【0005】
また、このようなクロム系の遮光膜は、光反射率が大きいことから、被露光物である半導体基板で反射した光が投影レンズを通ってフォトマスクで反射し、再び半導体基板に戻ることを防止するため、通常、遮光膜の表面、又は表面及び裏面に反射防止膜を形成している。
【0006】
このようなフォトマスクに使用されるフォトマスクブランクとしては、従来、合成石英基板上に遮光膜をスパッタ又は真空蒸着等で形成し、さらに遮光膜の表層部に、シリコンウェハ等の半導体基板から反射した露光光が再度反射されるのを防止するための反射防止膜を設けているもの(2層構造膜)や、遮光膜の基板側にも反射防止膜を設けたもの(3層構造膜)などがあり、例えば、基板側の反射防止膜としてクロム炭化物及びクロム窒化物を含有するクロム炭化窒化物膜、遮光膜としてクロム膜、表面側の反射防止膜としてクロム酸化物及びクロム窒化物を含有するクロム酸化窒化物膜を順次積層したフォトマスクブランクスが提案されている(特公昭62−37385号公報)。また、反射防止膜としてCrONを用いたもの(特公昭61−46821号公報、特公昭62−27387号公報)、CrNを用いたもの(特公昭62−27386号公報、特公昭62−27387号公報)や、窒化クロムを用いた単層膜(特公平4−1339号公報)なども提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、フォトマスクは、透明基板上に形成されたレジストパターンをマスクとし、遮光膜や反射防止膜をエッチングすることによってパターンを設けたものであるが、遮光膜や反射防止膜上にパーティクルが付着しているとその部分がエッチングされずに残り欠陥となるため、微細なパターンを正確に作成することが困難になる。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、洗浄によるパーティクル除去効果が高く、表面のパーティクル量の低減が容易であり、微細なパターンを効率よく作成することが可能なフォトマスクブランク及びその選定方法、並びにこれをパターン形成してなるフォトマスクを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、露光光が透過する透明基板上に、少なくとも1層の遮光膜と少なくとも1層の反射防止膜とを積層したフォトマスクブランクであって、表面の水の接触角が0〜50°であるフォトマスクブランクが、洗浄、特に水洗浄によるパーティクル除去効果が高く、表面のパーティクル量の低減が容易であり、微細なパターンを効率よく作成することが可能なフォトマスクブランクであり、このようなフォトマスクブランクは、特に、遮光膜及び反射防止膜を酸素、窒素及び炭素の少なくとも1種を含むクロム系材料で形成し、更に、最表面層のクロム含有量を35〜60原子%とすることにより得ることができることを見出し、本発明をなすに至った。
【0010】
即ち、本発明は、下記のフォトマスクブランク、フォトマスク及びフォトマスクブランクの選定方法を提供する。
請求項1:
露光光が透過する透明基板上に、少なくとも1層の遮光膜と少なくとも1層の反射防止膜とを積層したフォトマスクブランクであって、表面の水の接触角が0〜50°であることを特徴とするフォトマスクブランク。
請求項2:
遮光膜及び反射防止膜が、酸素、窒素及び炭素の少なくとも1種を含むクロム系材料からなることを特徴とする請求項1記載のフォトマスクブランク。
請求項3:
遮光膜及び反射防止膜が、CrCO、CrCON又はCrONからなることを特徴とする請求項2記載のフォトマスクブランク。
請求項4:
最表面層のクロム含有量が、35〜60原子%であることを特徴とする請求項2又は3記載のフォトマスクブランク。
請求項5:
請求項1乃至4のいずれか1項記載のフォトマスクブランクをリソグラフィ法によりパターン形成してなることを特徴とするフォトマスク。
請求項6:
露光光が透過する透明基板上に、少なくとも1層の遮光膜と少なくとも1層の反射防止膜とを積層したフォトマスクブランクであって、表面の水の接触角が0〜50°であるフォトマスクブランクを、水洗浄によるパーティクル除去効率の高いフォトマスクブランクとして選定することを特徴とするフォトマスクブランクの選定方法。
請求項7:
遮光膜及び反射防止膜が、酸素、窒素及び炭素の少なくとも1種を含むクロム系材料からなることを特徴とする請求項6記載のフォトマスクブランクの選定方法。
請求項8:
遮光膜及び反射防止膜が、CrCO、CrCON又はCrONからなることを特徴とする請求項7記載のフォトマスクブランクの選定方法。
請求項9:
最表面層のクロム含有量が、35〜60原子%であることを特徴とする請求項7又は8記載のフォトマスクブランクの選定方法。
【0011】
本発明のフォトマスクブランクによれば、表面の水の接触角を0〜50°とすることにより、表面のパーティクル量の低減が容易であり、欠陥の少ない微細パターンを有するフォトマスクを得ることができる。
【0012】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明のフォトマスクブランクは、露光光が透過する透明基板上に、少なくとも1層の遮光膜と少なくとも1層の反射防止膜とを積層したフォトマスクブランクであって、膜表面の水の接触角が0〜50°、好ましくは0〜45°のものである。
【0013】
上記フォトマスクブランクとしては、最表面層が反射防止膜であることが望ましく、遮光膜が1層、反射防止膜が1層の2層構造膜の場合、図1に示したように、透明基板1の上に遮光膜2、この遮光膜2の上に反射防止膜3を順次形成したものが好ましい。
【0014】
また、遮光膜が1層、反射防止膜が2層の3層構造膜の場合、図2に示したように、透明基板11上に第1の反射防止膜13、この第1の反射防止膜13の上に遮光膜12、更に遮光膜12の上に第2の反射防止膜13’を順次形成したものが好ましい。
【0015】
ここで、成膜に用いる基板としては特に制限されないが、例えば、石英、アルミノシリケートガラス、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウムなどを好ましく用いることができる。
【0016】
一方、遮光膜、反射防止膜としては、酸素、窒素及び炭素の少なくとも1種を含むクロム系材料からなることが好ましく、特に、クロム酸化炭化物(CrCO)、クロム酸化窒化炭化物(CrCON)、クロム酸化窒化物(CrON)等のクロム系材料の膜を好ましく用いることができる。
【0017】
このようなCr系遮光膜又はCr系反射防止膜は、例えば、クロム単体又はクロムに酸素、窒素、炭素のいずれか又はこれらを組み合わせて添加したクロム化合物をターゲットとして用い、必要に応じて酸素源、窒素源、炭素源となる反応性ガス、及びAr,Ne,Kr等の不活性ガスを添加したスパッタリングガスを用いた反応性スパッタリングにより成膜することができる。
【0018】
具体的には、クロム酸化炭化物(CrCO)膜の場合、ターゲットとしてクロムを用い、スパッタガスとしてCH4,CO2,CO等の炭素を含むガスと、CO2,O2等の酸素を含むガスをそれぞれ1種以上用いるか、これらに、更にAr,Ne,Kr等の不活性ガスを混合したガスを用いて成膜することができる。特に、スパッタガスとしてCO2又はCO2と不活性ガスとの混合ガスを用いると安全であり、CO2ガスはO2等より反応性が低いが故に、チャンバ内の広範囲に均一にガスを回り込ませることができ、成膜されるCrCO膜の膜質が均一になる点から好ましい。ガスは、チャンバ内に個々に導入しても予め混合して導入してもよい。
【0019】
上記CrCO膜の組成は、特に限定されるものではないが、Cが1〜7原子%、Oが5〜60原子%、残りがCrであることが好ましい。
【0020】
また、クロム酸化窒化炭化物(CrCON)膜の場合、ターゲットとしてクロムを用い、スパッタガスとしてCH4,CO2,CO等の炭素を含むガスと、CO2,O2等の酸素を含むガスと、N2,NO,N2O等の窒素を含むガスのそれぞれ1種以上を用いるか、これらにAr,Ne,Kr等の不活性ガスを混合したガスを用いて成膜することができる。特に、スパッタガスとしてCO2とN2又はCO2とN2と不活性ガスとの混合ガスを用いると安全であり、CO2ガスはO2等より反応性が低いが故に、チャンバ内の広範囲に均一にガスを回り込ませることができ、成膜されるCrCON膜の膜質が均一になる点から好ましい。ガスは、チャンバ内に個々に導入しても予め混合して導入してもよい。
【0021】
上記CrCON膜の組成は、特に限定されるものではないが、Cが1〜7原子%、Oが5〜60原子%、Nが1〜60原子%、残りがCrであることが好ましい。
【0022】
また、クロム酸化窒化物(CrON)膜を成膜する場合は、ターゲットとしてクロムを用い、スパッタガスとしてNO,N2O等の窒素及び酸素を含むガスの1種以上を、必要に応じて更にN2を添加して用いるか、これらにAr,Ne,Kr等の不活性ガスを混合したガスを用いて成膜することができる。ガスは、チャンバ内に個々に導入しても予め混合して導入してもよい。
【0023】
上記CrON膜の組成は、特に限定されるものではないが、Oが30〜70原子%、Nが1〜60原子%、残りがCrであることが好ましい。
【0024】
また、遮光膜及び反射防止膜のうち、最表面層のクロム含有量が、35〜60原子%、特に36〜55原子%であることが好ましい。クロム含有量が35原子%未満では表面の水の接触角が50°を超えることがあり、60原子%を超えると反射防止膜が反射防止の機能を失うおそれがある。
【0025】
スパッタリング方式としては、直流(DC)電源を用いたものでも、高周波(RF)電源を用いたものでもよく、またマグネトロンスパッタリング方式であっても、コンベンショナル方式であってもよいが、DCスパッタリングは機構が単純であり好ましい。また、マグネトロンスパッタリングを用いた場合、成膜速度が速くなり、生産性が向上する点から好ましい。なお、成膜装置は通過型でも枚葉型でも構わない。
【0026】
なお、上記膜の膜厚は、最表面の膜は5〜80nm、特に10〜70nmであることが好ましく、最表面の膜以外は、遮光膜の場合は10〜90nm、特に20〜80nm、反射防止膜の場合は5〜80nm、特に10〜70nmであることが好ましい。
【0027】
本発明のフォトマスクブランクは、表面の水の接触角が0〜50°、好ましくは0〜45°のものである。このようなフォトマスクブランクは、洗浄によるパーティクル除去が良好であり、リソグラフィ法によりパターンを形成してフォトマスクを製造する際に付着したパーティクルを洗浄、特に水洗浄により容易に除去でき、例えば、一般的なパドル方式等により水洗浄した場合のパーティクルの除去率が80%以上、特に85%以上であるため、微細パターンの形成時の欠陥が低減できる。
【0028】
本発明のフォトマスクは、上述のフォトマスクブランクをリソグラフィ法によりパターン形成することにより得ることができ、例えば、図3(A)に示したような3層構造膜のフォトマスクブランクから、図3(D)に示したような遮光膜と反射防止膜とからなる3層構造膜のフォトマスクが得られる。
【0029】
具体的には、図3(A)に示したように、透明基板11の上に第1の反射防止膜13、遮光膜12、第2の反射防止膜13’を順次形成した後、第2の反射防止膜膜13’の上にレジスト膜14を形成し、図3(B)に示したように、レジスト膜14をパターニングし、更に、図3(C)に示したように、第2の反射防止膜13’、遮光膜12及び第1の反射防止膜13をウェットエッチングした後、図3(D)に示したように、レジスト膜14を剥離する方法が採用し得る。この場合、レジスト膜の塗布、パターニング(露光、現像)、レジスト膜の除去は、公知の方法によって行うことができる。
【0030】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
【0031】
[実施例1]
6”の石英基板上に金属Crターゲットを用い、Arを32sccm、CO2を14sccm、N2を10sccm流し、放電中のガス圧0.3Pa、投入電力6.6W/cm2のDCスパッタ法にてCrCONの反射防止膜を10nm成膜した。このCrCONの膜組成をESCAにより分析した結果、Crが42原子%、Cが5原子%、Oが43原子%、Nが10原子%含まれていた。
【0032】
このCrCON膜上に金属Crをターゲットとし、Arを32sccm、CO2を0.7sccm、N2を7sccm流し、放電中のガス圧0.3Pa、投入電力6.6W/cm2のDCスパッタ法にてCrCONの遮光膜を70nm成膜した。このCrCONの膜組成をESCAにより分析した結果、Crが70原子%、Cが5原子%、Oが15原子%、Nが10原子%含まれていた。
【0033】
次に、このCrCON膜上に金属Crをターゲットとし、Arを32sccm、CO2を14sccm、N2を10sccm流し、放電中のガス圧0.3Pa、投入電力6.6W/cm2のDCスパッタ法にてCrCONの反射防止膜を18nm成膜した。このCrCONの膜組成をESCAにより分析した結果、Crが42原子%、Cが10原子%、Oが38原子%、Nが10原子%含まれていた。
【0034】
更に、このCrCON膜上に金属Crをターゲットとし、Arを32sccm、N2Oを48sccm流し、放電中のガス圧0.3Pa、投入電力6.6W/cm2のDCスパッタ法にてCrONの反射防止膜を10nm成膜し、クロム系の4層膜を成膜したフォトマスクブランクを得た。このCrONの膜組成をESCAにより分析した結果、Crが38原子%、Oが50原子%、Nが12原子%含まれていた。
【0035】
このフォトマスクブランクの表面の接触角は45°(協和界面科学株式会社製CA−X150で測定)であった。この基板表面をクラス1000クリーンルーム内で2時間暴露させることにより故意に汚染してパーティクルを付着させたところ、その総数は340個であり、これを一般的なパドル方式の洗浄機により水洗浄した後のパーティクル総数は50個(洗浄除去率85%)であった。
【0036】
[比較例1]
6”の石英基板上に金属Crターゲットを用い、Arを32sccm、CO2を14sccm、N2を10sccm流し、放電中のガス圧0.3Pa、投入電力6.6W/cm2のDCスパッタ法にてCrCONの反射防止膜を10nm成膜した。このCrCONの膜組成をESCAにより分析した結果、Crが42原子%、Cが5原子%、Oが43原子%、Nが10原子%含まれていた。
【0037】
このCrCON膜上に金属Crをターゲットとし、Arを32sccm、CO2を0.7sccm、N2を7sccm流し、放電中のガス圧0.3Pa、投入電力6.6W/cm2のDCスパッタ法にてCrCONの遮光膜を70nm成膜した。このCrCONの膜組成をESCAにより分析した結果、Crが70原子%、Cが5原子%、Oが15原子%、Nが10原子%含まれていた。
【0038】
次に、このCrCON膜上に金属Crをターゲットとし、Arを32sccm、CO2を14sccm、N2を10sccm流し、放電中のガス圧0.3Pa、投入電力6.6W/cm2のDCスパッタ法にてCrCONの反射防止膜を18nm成膜した。このCrCONの膜組成をESCAにより分析した結果、Crが42原子%、Cが10原子%、Oが38原子%、Nが10原子%含まれていた。
【0039】
更に、このCrCON膜上に金属Crをターゲットとし、Arを32sccm、CO2を24sccm、N2を10sccm流し、放電中のガス圧0.3Pa、投入電力6.6W/cm2のDCスパッタ法にてCrCONの反射防止膜を10nm成膜し、クロム系の4層膜を成膜したフォトマスクブランクを得た。このCrCONの膜組成をESCAにより分析した結果、Crが32原子%、Cが6原子%、Oが52原子%、Nが10原子%含まれていた。
【0040】
このフォトマスクブランクの表面の接触角は55°(協和界面科学株式会社製CA−X150で測定)であった。この基板表面をクラス1000クリーンルーム内で2時間暴露させるにより故意に汚染してパーティクルを付着させたところ、その総数は330個であり、これを一般的なパドル方式の洗浄機により水洗浄した後のパーティクル総数は102個(洗浄除去率69%)であった。
【0041】
【発明の効果】
本発明のフォトマスクブランクは、表面の水の接触角が0〜50%であり、洗浄によるパーティクル除去が良好なフォトマスクブランクであり、微細なパターンを効率よく形成することができ、更なる半導体集積回路装置等における高集積化に十分対応することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るフォトマスクブランクの断面図である。
【図2】本発明の別の実施例に係るフォトマスクブランクの断面図である。
【図3】フォトマスクの製造法を示した説明図であり、(A)はレジスト膜を形成した状態、(B)はレジスト膜をパターンニングした状態、(C)は遮光膜及び反射防止膜のエッチングを行った状態、(D)はレジスト膜を除去した状態の概略断面図である。
【符号の説明】
1,11 透明基板
2,12 遮光膜
3 反射防止膜
13 第1の反射防止膜
13’ 第2の反射防止膜
14 レジスト膜
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路又は高密度集積回路等の製造工程において使用されるフォトマスクブランク、フォトマスク及びフォトマスクブランクの選定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
LSI、VLSI等の高密度半導体集積回路やCCD(電荷結合素子)やLCD(液晶表示素子)用のカラーフィルターや磁気ヘッド等の微細加工には、フォトマスクを使ったフォトリソグラフィー技術が用いられている。
【0003】
この微細加工には、石英ガラス、アルミノシリケートガラス等の透明な基板の上に、一般的にはクロム膜からなる遮光膜をスパッタ又は真空蒸着等で形成したフォトマスクブランクを用い、この遮光膜に所定のパターンを形成したものをフォトマスクとして用いている。
【0004】
この様なフォトマスクは、まず、基板上にクロム系の遮光膜を成膜したフォトマスクブランクに、フォトレジストや電子線レジストを塗布した後、所定のパターンに選択的に露光し、現像工程、リンス工程及び乾燥工程を経てレジストパターンを形成し、次いで、このレジストパターンをマスクして、硝酸セリウムアンモニウムと過塩素酸の混合水溶液からなるエッチング液を用いてウェットエッチングを行うか、又は塩素ガスを用いたドライエッチングを行うことによりマスクされていない部分のクロム系膜を除去し、その後レジストを除去することにより得ることができ、これにより遮光部と透光部とからなる所定のパターンを形成することができる。
【0005】
また、このようなクロム系の遮光膜は、光反射率が大きいことから、被露光物である半導体基板で反射した光が投影レンズを通ってフォトマスクで反射し、再び半導体基板に戻ることを防止するため、通常、遮光膜の表面、又は表面及び裏面に反射防止膜を形成している。
【0006】
このようなフォトマスクに使用されるフォトマスクブランクとしては、従来、合成石英基板上に遮光膜をスパッタ又は真空蒸着等で形成し、さらに遮光膜の表層部に、シリコンウェハ等の半導体基板から反射した露光光が再度反射されるのを防止するための反射防止膜を設けているもの(2層構造膜)や、遮光膜の基板側にも反射防止膜を設けたもの(3層構造膜)などがあり、例えば、基板側の反射防止膜としてクロム炭化物及びクロム窒化物を含有するクロム炭化窒化物膜、遮光膜としてクロム膜、表面側の反射防止膜としてクロム酸化物及びクロム窒化物を含有するクロム酸化窒化物膜を順次積層したフォトマスクブランクスが提案されている(特公昭62−37385号公報)。また、反射防止膜としてCrONを用いたもの(特公昭61−46821号公報、特公昭62−27387号公報)、CrNを用いたもの(特公昭62−27386号公報、特公昭62−27387号公報)や、窒化クロムを用いた単層膜(特公平4−1339号公報)なども提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、フォトマスクは、透明基板上に形成されたレジストパターンをマスクとし、遮光膜や反射防止膜をエッチングすることによってパターンを設けたものであるが、遮光膜や反射防止膜上にパーティクルが付着しているとその部分がエッチングされずに残り欠陥となるため、微細なパターンを正確に作成することが困難になる。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、洗浄によるパーティクル除去効果が高く、表面のパーティクル量の低減が容易であり、微細なパターンを効率よく作成することが可能なフォトマスクブランク及びその選定方法、並びにこれをパターン形成してなるフォトマスクを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、露光光が透過する透明基板上に、少なくとも1層の遮光膜と少なくとも1層の反射防止膜とを積層したフォトマスクブランクであって、表面の水の接触角が0〜50°であるフォトマスクブランクが、洗浄、特に水洗浄によるパーティクル除去効果が高く、表面のパーティクル量の低減が容易であり、微細なパターンを効率よく作成することが可能なフォトマスクブランクであり、このようなフォトマスクブランクは、特に、遮光膜及び反射防止膜を酸素、窒素及び炭素の少なくとも1種を含むクロム系材料で形成し、更に、最表面層のクロム含有量を35〜60原子%とすることにより得ることができることを見出し、本発明をなすに至った。
【0010】
即ち、本発明は、下記のフォトマスクブランク、フォトマスク及びフォトマスクブランクの選定方法を提供する。
請求項1:
露光光が透過する透明基板上に、少なくとも1層の遮光膜と少なくとも1層の反射防止膜とを積層したフォトマスクブランクであって、表面の水の接触角が0〜50°であることを特徴とするフォトマスクブランク。
請求項2:
遮光膜及び反射防止膜が、酸素、窒素及び炭素の少なくとも1種を含むクロム系材料からなることを特徴とする請求項1記載のフォトマスクブランク。
請求項3:
遮光膜及び反射防止膜が、CrCO、CrCON又はCrONからなることを特徴とする請求項2記載のフォトマスクブランク。
請求項4:
最表面層のクロム含有量が、35〜60原子%であることを特徴とする請求項2又は3記載のフォトマスクブランク。
請求項5:
請求項1乃至4のいずれか1項記載のフォトマスクブランクをリソグラフィ法によりパターン形成してなることを特徴とするフォトマスク。
請求項6:
露光光が透過する透明基板上に、少なくとも1層の遮光膜と少なくとも1層の反射防止膜とを積層したフォトマスクブランクであって、表面の水の接触角が0〜50°であるフォトマスクブランクを、水洗浄によるパーティクル除去効率の高いフォトマスクブランクとして選定することを特徴とするフォトマスクブランクの選定方法。
請求項7:
遮光膜及び反射防止膜が、酸素、窒素及び炭素の少なくとも1種を含むクロム系材料からなることを特徴とする請求項6記載のフォトマスクブランクの選定方法。
請求項8:
遮光膜及び反射防止膜が、CrCO、CrCON又はCrONからなることを特徴とする請求項7記載のフォトマスクブランクの選定方法。
請求項9:
最表面層のクロム含有量が、35〜60原子%であることを特徴とする請求項7又は8記載のフォトマスクブランクの選定方法。
【0011】
本発明のフォトマスクブランクによれば、表面の水の接触角を0〜50°とすることにより、表面のパーティクル量の低減が容易であり、欠陥の少ない微細パターンを有するフォトマスクを得ることができる。
【0012】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明のフォトマスクブランクは、露光光が透過する透明基板上に、少なくとも1層の遮光膜と少なくとも1層の反射防止膜とを積層したフォトマスクブランクであって、膜表面の水の接触角が0〜50°、好ましくは0〜45°のものである。
【0013】
上記フォトマスクブランクとしては、最表面層が反射防止膜であることが望ましく、遮光膜が1層、反射防止膜が1層の2層構造膜の場合、図1に示したように、透明基板1の上に遮光膜2、この遮光膜2の上に反射防止膜3を順次形成したものが好ましい。
【0014】
また、遮光膜が1層、反射防止膜が2層の3層構造膜の場合、図2に示したように、透明基板11上に第1の反射防止膜13、この第1の反射防止膜13の上に遮光膜12、更に遮光膜12の上に第2の反射防止膜13’を順次形成したものが好ましい。
【0015】
ここで、成膜に用いる基板としては特に制限されないが、例えば、石英、アルミノシリケートガラス、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウムなどを好ましく用いることができる。
【0016】
一方、遮光膜、反射防止膜としては、酸素、窒素及び炭素の少なくとも1種を含むクロム系材料からなることが好ましく、特に、クロム酸化炭化物(CrCO)、クロム酸化窒化炭化物(CrCON)、クロム酸化窒化物(CrON)等のクロム系材料の膜を好ましく用いることができる。
【0017】
このようなCr系遮光膜又はCr系反射防止膜は、例えば、クロム単体又はクロムに酸素、窒素、炭素のいずれか又はこれらを組み合わせて添加したクロム化合物をターゲットとして用い、必要に応じて酸素源、窒素源、炭素源となる反応性ガス、及びAr,Ne,Kr等の不活性ガスを添加したスパッタリングガスを用いた反応性スパッタリングにより成膜することができる。
【0018】
具体的には、クロム酸化炭化物(CrCO)膜の場合、ターゲットとしてクロムを用い、スパッタガスとしてCH4,CO2,CO等の炭素を含むガスと、CO2,O2等の酸素を含むガスをそれぞれ1種以上用いるか、これらに、更にAr,Ne,Kr等の不活性ガスを混合したガスを用いて成膜することができる。特に、スパッタガスとしてCO2又はCO2と不活性ガスとの混合ガスを用いると安全であり、CO2ガスはO2等より反応性が低いが故に、チャンバ内の広範囲に均一にガスを回り込ませることができ、成膜されるCrCO膜の膜質が均一になる点から好ましい。ガスは、チャンバ内に個々に導入しても予め混合して導入してもよい。
【0019】
上記CrCO膜の組成は、特に限定されるものではないが、Cが1〜7原子%、Oが5〜60原子%、残りがCrであることが好ましい。
【0020】
また、クロム酸化窒化炭化物(CrCON)膜の場合、ターゲットとしてクロムを用い、スパッタガスとしてCH4,CO2,CO等の炭素を含むガスと、CO2,O2等の酸素を含むガスと、N2,NO,N2O等の窒素を含むガスのそれぞれ1種以上を用いるか、これらにAr,Ne,Kr等の不活性ガスを混合したガスを用いて成膜することができる。特に、スパッタガスとしてCO2とN2又はCO2とN2と不活性ガスとの混合ガスを用いると安全であり、CO2ガスはO2等より反応性が低いが故に、チャンバ内の広範囲に均一にガスを回り込ませることができ、成膜されるCrCON膜の膜質が均一になる点から好ましい。ガスは、チャンバ内に個々に導入しても予め混合して導入してもよい。
【0021】
上記CrCON膜の組成は、特に限定されるものではないが、Cが1〜7原子%、Oが5〜60原子%、Nが1〜60原子%、残りがCrであることが好ましい。
【0022】
また、クロム酸化窒化物(CrON)膜を成膜する場合は、ターゲットとしてクロムを用い、スパッタガスとしてNO,N2O等の窒素及び酸素を含むガスの1種以上を、必要に応じて更にN2を添加して用いるか、これらにAr,Ne,Kr等の不活性ガスを混合したガスを用いて成膜することができる。ガスは、チャンバ内に個々に導入しても予め混合して導入してもよい。
【0023】
上記CrON膜の組成は、特に限定されるものではないが、Oが30〜70原子%、Nが1〜60原子%、残りがCrであることが好ましい。
【0024】
また、遮光膜及び反射防止膜のうち、最表面層のクロム含有量が、35〜60原子%、特に36〜55原子%であることが好ましい。クロム含有量が35原子%未満では表面の水の接触角が50°を超えることがあり、60原子%を超えると反射防止膜が反射防止の機能を失うおそれがある。
【0025】
スパッタリング方式としては、直流(DC)電源を用いたものでも、高周波(RF)電源を用いたものでもよく、またマグネトロンスパッタリング方式であっても、コンベンショナル方式であってもよいが、DCスパッタリングは機構が単純であり好ましい。また、マグネトロンスパッタリングを用いた場合、成膜速度が速くなり、生産性が向上する点から好ましい。なお、成膜装置は通過型でも枚葉型でも構わない。
【0026】
なお、上記膜の膜厚は、最表面の膜は5〜80nm、特に10〜70nmであることが好ましく、最表面の膜以外は、遮光膜の場合は10〜90nm、特に20〜80nm、反射防止膜の場合は5〜80nm、特に10〜70nmであることが好ましい。
【0027】
本発明のフォトマスクブランクは、表面の水の接触角が0〜50°、好ましくは0〜45°のものである。このようなフォトマスクブランクは、洗浄によるパーティクル除去が良好であり、リソグラフィ法によりパターンを形成してフォトマスクを製造する際に付着したパーティクルを洗浄、特に水洗浄により容易に除去でき、例えば、一般的なパドル方式等により水洗浄した場合のパーティクルの除去率が80%以上、特に85%以上であるため、微細パターンの形成時の欠陥が低減できる。
【0028】
本発明のフォトマスクは、上述のフォトマスクブランクをリソグラフィ法によりパターン形成することにより得ることができ、例えば、図3(A)に示したような3層構造膜のフォトマスクブランクから、図3(D)に示したような遮光膜と反射防止膜とからなる3層構造膜のフォトマスクが得られる。
【0029】
具体的には、図3(A)に示したように、透明基板11の上に第1の反射防止膜13、遮光膜12、第2の反射防止膜13’を順次形成した後、第2の反射防止膜膜13’の上にレジスト膜14を形成し、図3(B)に示したように、レジスト膜14をパターニングし、更に、図3(C)に示したように、第2の反射防止膜13’、遮光膜12及び第1の反射防止膜13をウェットエッチングした後、図3(D)に示したように、レジスト膜14を剥離する方法が採用し得る。この場合、レジスト膜の塗布、パターニング(露光、現像)、レジスト膜の除去は、公知の方法によって行うことができる。
【0030】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
【0031】
[実施例1]
6”の石英基板上に金属Crターゲットを用い、Arを32sccm、CO2を14sccm、N2を10sccm流し、放電中のガス圧0.3Pa、投入電力6.6W/cm2のDCスパッタ法にてCrCONの反射防止膜を10nm成膜した。このCrCONの膜組成をESCAにより分析した結果、Crが42原子%、Cが5原子%、Oが43原子%、Nが10原子%含まれていた。
【0032】
このCrCON膜上に金属Crをターゲットとし、Arを32sccm、CO2を0.7sccm、N2を7sccm流し、放電中のガス圧0.3Pa、投入電力6.6W/cm2のDCスパッタ法にてCrCONの遮光膜を70nm成膜した。このCrCONの膜組成をESCAにより分析した結果、Crが70原子%、Cが5原子%、Oが15原子%、Nが10原子%含まれていた。
【0033】
次に、このCrCON膜上に金属Crをターゲットとし、Arを32sccm、CO2を14sccm、N2を10sccm流し、放電中のガス圧0.3Pa、投入電力6.6W/cm2のDCスパッタ法にてCrCONの反射防止膜を18nm成膜した。このCrCONの膜組成をESCAにより分析した結果、Crが42原子%、Cが10原子%、Oが38原子%、Nが10原子%含まれていた。
【0034】
更に、このCrCON膜上に金属Crをターゲットとし、Arを32sccm、N2Oを48sccm流し、放電中のガス圧0.3Pa、投入電力6.6W/cm2のDCスパッタ法にてCrONの反射防止膜を10nm成膜し、クロム系の4層膜を成膜したフォトマスクブランクを得た。このCrONの膜組成をESCAにより分析した結果、Crが38原子%、Oが50原子%、Nが12原子%含まれていた。
【0035】
このフォトマスクブランクの表面の接触角は45°(協和界面科学株式会社製CA−X150で測定)であった。この基板表面をクラス1000クリーンルーム内で2時間暴露させることにより故意に汚染してパーティクルを付着させたところ、その総数は340個であり、これを一般的なパドル方式の洗浄機により水洗浄した後のパーティクル総数は50個(洗浄除去率85%)であった。
【0036】
[比較例1]
6”の石英基板上に金属Crターゲットを用い、Arを32sccm、CO2を14sccm、N2を10sccm流し、放電中のガス圧0.3Pa、投入電力6.6W/cm2のDCスパッタ法にてCrCONの反射防止膜を10nm成膜した。このCrCONの膜組成をESCAにより分析した結果、Crが42原子%、Cが5原子%、Oが43原子%、Nが10原子%含まれていた。
【0037】
このCrCON膜上に金属Crをターゲットとし、Arを32sccm、CO2を0.7sccm、N2を7sccm流し、放電中のガス圧0.3Pa、投入電力6.6W/cm2のDCスパッタ法にてCrCONの遮光膜を70nm成膜した。このCrCONの膜組成をESCAにより分析した結果、Crが70原子%、Cが5原子%、Oが15原子%、Nが10原子%含まれていた。
【0038】
次に、このCrCON膜上に金属Crをターゲットとし、Arを32sccm、CO2を14sccm、N2を10sccm流し、放電中のガス圧0.3Pa、投入電力6.6W/cm2のDCスパッタ法にてCrCONの反射防止膜を18nm成膜した。このCrCONの膜組成をESCAにより分析した結果、Crが42原子%、Cが10原子%、Oが38原子%、Nが10原子%含まれていた。
【0039】
更に、このCrCON膜上に金属Crをターゲットとし、Arを32sccm、CO2を24sccm、N2を10sccm流し、放電中のガス圧0.3Pa、投入電力6.6W/cm2のDCスパッタ法にてCrCONの反射防止膜を10nm成膜し、クロム系の4層膜を成膜したフォトマスクブランクを得た。このCrCONの膜組成をESCAにより分析した結果、Crが32原子%、Cが6原子%、Oが52原子%、Nが10原子%含まれていた。
【0040】
このフォトマスクブランクの表面の接触角は55°(協和界面科学株式会社製CA−X150で測定)であった。この基板表面をクラス1000クリーンルーム内で2時間暴露させるにより故意に汚染してパーティクルを付着させたところ、その総数は330個であり、これを一般的なパドル方式の洗浄機により水洗浄した後のパーティクル総数は102個(洗浄除去率69%)であった。
【0041】
【発明の効果】
本発明のフォトマスクブランクは、表面の水の接触角が0〜50%であり、洗浄によるパーティクル除去が良好なフォトマスクブランクであり、微細なパターンを効率よく形成することができ、更なる半導体集積回路装置等における高集積化に十分対応することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るフォトマスクブランクの断面図である。
【図2】本発明の別の実施例に係るフォトマスクブランクの断面図である。
【図3】フォトマスクの製造法を示した説明図であり、(A)はレジスト膜を形成した状態、(B)はレジスト膜をパターンニングした状態、(C)は遮光膜及び反射防止膜のエッチングを行った状態、(D)はレジスト膜を除去した状態の概略断面図である。
【符号の説明】
1,11 透明基板
2,12 遮光膜
3 反射防止膜
13 第1の反射防止膜
13’ 第2の反射防止膜
14 レジスト膜
Claims (9)
- 露光光が透過する透明基板上に、少なくとも1層の遮光膜と少なくとも1層の反射防止膜とを積層したフォトマスクブランクであって、表面の水の接触角が0〜50°であることを特徴とするフォトマスクブランク。
- 遮光膜及び反射防止膜が、酸素、窒素及び炭素の少なくとも1種を含むクロム系材料からなることを特徴とする請求項1記載のフォトマスクブランク。
- 遮光膜及び反射防止膜が、CrCO、CrCON又はCrONからなることを特徴とする請求項2記載のフォトマスクブランク。
- 最表面層のクロム含有量が、35〜60原子%であることを特徴とする請求項2又は3記載のフォトマスクブランク。
- 請求項1乃至4のいずれか1項記載のフォトマスクブランクをリソグラフィ法によりパターン形成してなることを特徴とするフォトマスク。
- 露光光が透過する透明基板上に、少なくとも1層の遮光膜と少なくとも1層の反射防止膜とを積層したフォトマスクブランクであって、表面の水の接触角が0〜50°であるフォトマスクブランクを、水洗浄によるパーティクル除去効率の高いフォトマスクブランクとして選定することを特徴とするフォトマスクブランクの選定方法。
- 遮光膜及び反射防止膜が、酸素、窒素及び炭素の少なくとも1種を含むクロム系材料からなることを特徴とする請求項6記載のフォトマスクブランクの選定方法。
- 遮光膜及び反射防止膜が、CrCO、CrCON又はCrONからなることを特徴とする請求項7記載のフォトマスクブランクの選定方法。
- 最表面層のクロム含有量が、35〜60原子%であることを特徴とする請求項7又は8記載のフォトマスクブランクの選定方法。
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