JP2004053501A - 半導体加速度センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】加速度が加えられていないときの出力を少なくし、衝撃力に対する信頼性を向上した半導体加速度センサを提供する。
【解決手段】本発明は、錘と、この錘を端部に設けて自身の撓み量により加速度を検出する錘支持部と、この錘支持部を固定する基部と、検出された加速度の信号を出力する出力端子とを具備するセンサチップを有するものであって、このセンサチップを実装する回路基板と、この回路基板を収納する中空部を有する筐体と、一端を回路基板上の配線を介して前記出力端子と接続して他端を前記筐体の外部に露出させる信号伝達端子を有する半導体加速度センサにおいて、前記信号伝達端子は、回路基板を加速度検出方向に直交する面に対して所定の角度を有して弾性支持することを特徴としている。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明は、錘と、この錘を端部に設けて自身の撓み量により加速度を検出する錘支持部と、この錘支持部を固定する基部と、検出された加速度の信号を出力する出力端子とを具備するセンサチップを有するものであって、このセンサチップを実装する回路基板と、この回路基板を収納する中空部を有する筐体と、一端を回路基板上の配線を介して前記出力端子と接続して他端を前記筐体の外部に露出させる信号伝達端子を有する半導体加速度センサにおいて、前記信号伝達端子は、回路基板を加速度検出方向に直交する面に対して所定の角度を有して弾性支持することを特徴としている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体加速度センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体加速度センサは、半導体で形成される加速度を検知するセンサチップを有して構成される。このセンサチップは、図2のように、平板状の錘1aと、この錘1aを端部に設けて自身の撓み量により加速度を検出する錘支持部1bと、この錘支持部を固定する基部1cを有して構成されている。この加速度の検出方法には、錘支持部1bを圧電素子で形成して、その撓み量から直接電気信号に変換するものや、錘1aと基部1cの間の静電容量の変化から検出するものがある。
【0003】
ところが、図2に示した構成では、加速度を受けていない状態であっても錘1aの自重により錘支持部1bが撓むので、加速度が生じたかのような出力が生じる。これを避けるためには、自重での撓みを相殺するような傾きをセンサチップ1に生じるようにすればよいが、半導体プロセスで任意の角度に斜めの部分を形成することは困難である。この点について、特開2000−46859には、センサチップを実装するブロックを所定の角度を有してスポット的に支持する突起部を有する構成を開示している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、センサチップ1の錘支持部1bは、撓む部分に応力が集中するため、外部から衝撃力が加えられると破損する場合がある。特開2000−46859の構成は、センサチップのブロックを所定の角度を有して突起部で支持するので、加速度を受けていない場合の出力を少なくすることができるが、この突起部は筐体に接続されるため、筐体に加わった衝撃力がこの突起部を介してセンサチップに伝わるので、衝撃力に対して信頼性の高いものではなかった。
【0005】
本発明は、上記事由に鑑みてなしたもので、その目的とするところは、加速度が加えられていないときの出力を少なくし、衝撃力に対する信頼性を向上した半導体加速度センサを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、錘と、この錘を端部に設けて自身の撓み量により加速度を検出する錘支持部と、この錘支持部を固定する基部と、検出された加速度の信号を出力する出力端子とを具備するセンサチップを有するものであって、このセンサチップを実装する回路基板と、この回路基板を収納する中空部を有する筐体と、一端を回路基板上の配線を介して前記出力端子と接続して他端を前記筐体の外部に露出させる信号伝達端子を有する半導体加速度センサにおいて、前記信号伝達端子は、回路基板を加速度検出方向に直交する面に対して所定の角度を有して弾性支持することを特徴としている。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の半導体加速度センサにおいて、前記信号伝達端子は、前記回路基板の対向する周縁部の両側に設けることを特徴としている。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項1記載の半導体加速度センサにおいて、前記信号伝達端子は、前記回路基板を片持ち支持するように設けることを特徴としている。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3記載の半導体加速度センサにおいて、前記信号伝達端子は、吸振構造を有することを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
次に、本発明の第1の実施形態を図1、図2に基づいて説明する。このものは、センサチップ1と、回路基板2と、筐体3と、信号伝達端子4とを有して形成されている。
【0011】
センサチップ1は、図2に示すものであり、錘1aと、錘支持部1bと、基部1cと、パッケージ1dと、出力端子1eを有して形成される。錘1aはシリコンにより直方体状に形成されるものである。また、基部1cは、シリコンにより断面視L字状に形成されるものである。錘支持部1bは、シリコンにボロンを拡散した圧電素子により長方形の平板状に形成されるものであり、一方の端部に錘1aを揺動自在に設け、その反対側の端部は基部1cに接続している。このことにより、センサチップ1に加速度が加わっていないとき、このものは、錘1aを基部1cの対向する面と一定の間隔を有して支持する。一方、センサチップ1に錘の揺動する方向に加速度が加わったとき、このものは、錘1aの慣性力を受けて撓み、その撓み量に応じた電気信号(加速度信号)を出力する。
【0012】
パッケージ1dは、セラミック材で中空の直方体状に形造されたものであり、錘1a、錘支持部1b、基部1cを収納している。また、出力端子1eは、導体で長方形の板状に形成され、パッケージ1dを貫通するように設けられている。このものは、電源端子と接地端子と加速度信号端子を有しており、それぞれ外部に引き出すようにパッケージ内部で配線(図示せず)されている。
【0013】
回路基板2は、長方形状のものであり、その中央部付近にセンサチップを実装している。このものは、後述の信号伝達端子4により、加速度検出方向に直交する面に対して所定の角度傾けて支持されている。この所定の角度とは、加速度を受けていないときにセンサチップ1の出力する信号が小さくなるように定めた角度のことである。この角度は、錘1aの重量と錘支持部1bの長さなどに応じて変化するが、約20°程度になっている。
【0014】
筐体3は、底面部3aと、カバー部3bと、コネクタ部3cと、中空部3eを有して形成される。底面部3aは、樹脂で長方形の平板状に形成されるものである。カバー部3bは、樹脂で直方体状に形成されており、中空部3eを形成する3つの直方体を重ねた形状の凹部を有している。このものは、底面部3aと凹部の一番浅い部分とで嵌合している。コネクタ部3cは、樹脂で底面が台形の角柱状に形成されており、台形の上底を延伸した面に直方体状の凹部を設け、台形の下底を延伸した面が底面部3aに接合されている。
【0015】
信号伝達端子4は、金属導体で細長い薄板状に弾性を有して形成されるものであり、それらの端部が互いに反対の側に位置するように、略直角に2回折り曲げられた形状となっている。このものは、中央の直線部分を筐体3の底面部3a内に設けられ、一端を中空部3eに、他端をコネクタ部3cの凹部内に引き出して固定される。このものは、1本が回路基板2の一辺の近傍に、残りの2本がその対向する辺の近傍に端部を有するように3本配置され、それぞれの端部は回路基板2上の配線にハンダで接続され、それを介してセンサチップ1の出力端子1eの対応するそれぞれの端子に接続される。このことにより、回路基板2を加速度検出方向に直交する面に対して所定の角度を有するように支持する。
【0016】
また、回路基板2のセンサチップ1側からみると、これらの信号伝達端子4は、回路基板2に接続する部分が頂点とする鋭角三角形になるように配置されており、その一辺は回路基板2の一辺と略平行となっている。そして、これらのものの、コネクタ部3c側の端部は底面部3aの一辺と略平行になっている。ここで、これらのものの弾性は、筐体3に加速度が加えられたときに回路基板2が筐体3に接触しない程度に設定する。
【0017】
次に第1の実施形態の動作について説明する。筐体3のカバー部3bに加速度検出方向に衝撃力が加わると、衝撃力が底面部3aを介して信号伝達端子4に伝達される。しかしながら、信号伝達端子4は、弾性を有しているので、筐体3(センサチップ1を支持する部分全体)の衝撃伝達率は図3の曲線CIようになり、その固有振動数は、点B(例えば500Hz)のようになる。このとき、センサチップ1内の錘1aと錘支持部1bによる固有振動数は点C(例えば1kHz)であるので、センサチップ1の破損の原因となる衝撃力の伝達は低減される。一方、半導体加速度センサで検知する周波数の上限は点A(例えば20Hz)であるので、信号伝達端子による加速度の検知は問題なく行える。したがって、半導体加速度センサの衝撃力に対する信頼性は向上する。
【0018】
このように、第1の実施形態においては、信号伝達端子4は、センサチップ1を設けた回路基板2を加速度検知方向に直交する面から所定の角度を有して弾性支持するので、加速度が加わっていないときの出力を小さくするとともに、外部から筐体3に衝撃力が加えられたときのセンサチップ1に伝達する衝撃力を低減し、衝撃力に対する信頼性を向上することができる。
【0019】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図4に基づいて説明する。このものは、第1の実施形態と、信号伝達端子4を回路基板2の周縁部の片側だけに設ける点で異なり、その他は第1の実施形態の構成と同じである。
【0020】
信号伝達端子4を回路基板2の周縁部の片側だけに設けると、回路基板2は、片持ち支持されることになる。そうすると、センサチップ1を支える部分の固有振動数は、第1の実施形態よりも小さくなるので、センサチップ1への衝撃力の低減効果を大きくすることができる。
【0021】
このように、第2の実施形態においては、信号伝達端子4を回路基板2の周縁部の片側だけに設けるので、センサチップ1を支える部分の固有振動数が低減し、外部から筐体3に衝撃力が加えられたときにセンサチップ1に伝達する衝撃力はさらに低減される。
【0022】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を図5に基づいて説明する。このものは、第1の実施形態と、信号伝達端子4は、その回路基板2を支持する部分に吸振構造4aを有する点で異なり、その他は第1の実施形態の構成と同じである。
【0023】
吸振構造4aは、信号端子4の回路基板2を支持する部分に、加速度検知方向に対して直交する方向に長さを持つように略直角に2回曲げて形成されている。このものは、加速度検知方向に直交する部分により加速度検知方向の弾性を大きくするので、センサチップ1を支える部分の固有振動数を低減し、センサチップ1への衝撃力の低減効果を大きくすることができる。この吸振構造4aの形状は、所望の固有振動数となるようにコンピュータを用いたシミュレーションを行うことにより設計する。
【0024】
このように、第3の実施形態においては、信号伝達端子4は、その回路基板2を支持する部分に吸振構造4aを有するので、センサチップ1を支える部分の固有振動数が低減し、外部から筐体3に衝撃力が加えられたときにセンサチップ1に伝達する衝撃力はさらに低減される。
【0025】
なお、吸振構造4aは、加速度検知方向に対して直交する成分を有していればよく、弧などその他の形状であってもよい。
【0026】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、錘と、この錘を端部に設けて自身の撓み量により加速度を検出する錘支持部と、この錘支持部を固定する基部と、検出された加速度の信号を出力する出力端子とを具備するセンサチップを有するものであって、このセンサチップを実装する回路基板と、この回路基板を収納する中空部を有する筐体と、一端を回路基板上の配線を介して前記出力端子と接続して他端を前記筐体の外部に露出させる信号伝達端子を有する半導体加速度センサにおいて、前記信号伝達端子は、回路基板を加速度検出方向に直交する面に対して所定の角度を有して弾性支持するので、加速度が加わっていないときの出力を小さくするとともに、外部から筐体に衝撃力が加えられたときのセンサチップに伝達する衝撃力を低減し、衝撃力に対する信頼性を向上することができる。
【0027】
請求項2に係る発明によれば、請求項1記載の半導体加速度センサにおいて、前記信号伝達端子は、前記回路基板の対向する周縁部の両側に設けるので、請求項1記載の効果に加え、回路基板を支持する角度を精度よく定めることができる。
【0028】
請求項3に係る発明によれば、請求項1記載の半導体加速度センサにおいて、前記信号伝達端子は、前記回路基板を片持ち支持するように設けるので、請求項1記載の効果に加え、センサチップを支える部分の固有振動数が低減し、外部から筐体に衝撃力が加えられたときにセンサチップに伝達する衝撃力はさらに低減され、衝撃力に対する信頼性を向上することができる。
【0029】
請求項4に係る発明によれば、請求項1乃至3記載の半導体加速度センサにおいて、前記信号伝達端子は、吸振構造を有するので、請求項1乃至3記載の効果に加え、センサチップ1を支える部分の固有振動数が低減し、外部から筐体に衝撃力が加えられたときにセンサチップに伝達する衝撃力はさらに低減され、衝撃力に対する信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態を示す断面図である。
【図2】センサチップの断面図である。
【図3】筐体の衝撃伝達率の周波数特性を示す特性図である。
【図4】第2の実施形態を示す断面図である。
【図5】第3の実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 センサチップ
1a 錘
1b 錘支持部
1c 基部
1e 出力端子
2 回路基板
3 筐体
3e 中空部
4 信号伝達端子
4a 吸振構造
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体加速度センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体加速度センサは、半導体で形成される加速度を検知するセンサチップを有して構成される。このセンサチップは、図2のように、平板状の錘1aと、この錘1aを端部に設けて自身の撓み量により加速度を検出する錘支持部1bと、この錘支持部を固定する基部1cを有して構成されている。この加速度の検出方法には、錘支持部1bを圧電素子で形成して、その撓み量から直接電気信号に変換するものや、錘1aと基部1cの間の静電容量の変化から検出するものがある。
【0003】
ところが、図2に示した構成では、加速度を受けていない状態であっても錘1aの自重により錘支持部1bが撓むので、加速度が生じたかのような出力が生じる。これを避けるためには、自重での撓みを相殺するような傾きをセンサチップ1に生じるようにすればよいが、半導体プロセスで任意の角度に斜めの部分を形成することは困難である。この点について、特開2000−46859には、センサチップを実装するブロックを所定の角度を有してスポット的に支持する突起部を有する構成を開示している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、センサチップ1の錘支持部1bは、撓む部分に応力が集中するため、外部から衝撃力が加えられると破損する場合がある。特開2000−46859の構成は、センサチップのブロックを所定の角度を有して突起部で支持するので、加速度を受けていない場合の出力を少なくすることができるが、この突起部は筐体に接続されるため、筐体に加わった衝撃力がこの突起部を介してセンサチップに伝わるので、衝撃力に対して信頼性の高いものではなかった。
【0005】
本発明は、上記事由に鑑みてなしたもので、その目的とするところは、加速度が加えられていないときの出力を少なくし、衝撃力に対する信頼性を向上した半導体加速度センサを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、錘と、この錘を端部に設けて自身の撓み量により加速度を検出する錘支持部と、この錘支持部を固定する基部と、検出された加速度の信号を出力する出力端子とを具備するセンサチップを有するものであって、このセンサチップを実装する回路基板と、この回路基板を収納する中空部を有する筐体と、一端を回路基板上の配線を介して前記出力端子と接続して他端を前記筐体の外部に露出させる信号伝達端子を有する半導体加速度センサにおいて、前記信号伝達端子は、回路基板を加速度検出方向に直交する面に対して所定の角度を有して弾性支持することを特徴としている。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の半導体加速度センサにおいて、前記信号伝達端子は、前記回路基板の対向する周縁部の両側に設けることを特徴としている。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項1記載の半導体加速度センサにおいて、前記信号伝達端子は、前記回路基板を片持ち支持するように設けることを特徴としている。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3記載の半導体加速度センサにおいて、前記信号伝達端子は、吸振構造を有することを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
次に、本発明の第1の実施形態を図1、図2に基づいて説明する。このものは、センサチップ1と、回路基板2と、筐体3と、信号伝達端子4とを有して形成されている。
【0011】
センサチップ1は、図2に示すものであり、錘1aと、錘支持部1bと、基部1cと、パッケージ1dと、出力端子1eを有して形成される。錘1aはシリコンにより直方体状に形成されるものである。また、基部1cは、シリコンにより断面視L字状に形成されるものである。錘支持部1bは、シリコンにボロンを拡散した圧電素子により長方形の平板状に形成されるものであり、一方の端部に錘1aを揺動自在に設け、その反対側の端部は基部1cに接続している。このことにより、センサチップ1に加速度が加わっていないとき、このものは、錘1aを基部1cの対向する面と一定の間隔を有して支持する。一方、センサチップ1に錘の揺動する方向に加速度が加わったとき、このものは、錘1aの慣性力を受けて撓み、その撓み量に応じた電気信号(加速度信号)を出力する。
【0012】
パッケージ1dは、セラミック材で中空の直方体状に形造されたものであり、錘1a、錘支持部1b、基部1cを収納している。また、出力端子1eは、導体で長方形の板状に形成され、パッケージ1dを貫通するように設けられている。このものは、電源端子と接地端子と加速度信号端子を有しており、それぞれ外部に引き出すようにパッケージ内部で配線(図示せず)されている。
【0013】
回路基板2は、長方形状のものであり、その中央部付近にセンサチップを実装している。このものは、後述の信号伝達端子4により、加速度検出方向に直交する面に対して所定の角度傾けて支持されている。この所定の角度とは、加速度を受けていないときにセンサチップ1の出力する信号が小さくなるように定めた角度のことである。この角度は、錘1aの重量と錘支持部1bの長さなどに応じて変化するが、約20°程度になっている。
【0014】
筐体3は、底面部3aと、カバー部3bと、コネクタ部3cと、中空部3eを有して形成される。底面部3aは、樹脂で長方形の平板状に形成されるものである。カバー部3bは、樹脂で直方体状に形成されており、中空部3eを形成する3つの直方体を重ねた形状の凹部を有している。このものは、底面部3aと凹部の一番浅い部分とで嵌合している。コネクタ部3cは、樹脂で底面が台形の角柱状に形成されており、台形の上底を延伸した面に直方体状の凹部を設け、台形の下底を延伸した面が底面部3aに接合されている。
【0015】
信号伝達端子4は、金属導体で細長い薄板状に弾性を有して形成されるものであり、それらの端部が互いに反対の側に位置するように、略直角に2回折り曲げられた形状となっている。このものは、中央の直線部分を筐体3の底面部3a内に設けられ、一端を中空部3eに、他端をコネクタ部3cの凹部内に引き出して固定される。このものは、1本が回路基板2の一辺の近傍に、残りの2本がその対向する辺の近傍に端部を有するように3本配置され、それぞれの端部は回路基板2上の配線にハンダで接続され、それを介してセンサチップ1の出力端子1eの対応するそれぞれの端子に接続される。このことにより、回路基板2を加速度検出方向に直交する面に対して所定の角度を有するように支持する。
【0016】
また、回路基板2のセンサチップ1側からみると、これらの信号伝達端子4は、回路基板2に接続する部分が頂点とする鋭角三角形になるように配置されており、その一辺は回路基板2の一辺と略平行となっている。そして、これらのものの、コネクタ部3c側の端部は底面部3aの一辺と略平行になっている。ここで、これらのものの弾性は、筐体3に加速度が加えられたときに回路基板2が筐体3に接触しない程度に設定する。
【0017】
次に第1の実施形態の動作について説明する。筐体3のカバー部3bに加速度検出方向に衝撃力が加わると、衝撃力が底面部3aを介して信号伝達端子4に伝達される。しかしながら、信号伝達端子4は、弾性を有しているので、筐体3(センサチップ1を支持する部分全体)の衝撃伝達率は図3の曲線CIようになり、その固有振動数は、点B(例えば500Hz)のようになる。このとき、センサチップ1内の錘1aと錘支持部1bによる固有振動数は点C(例えば1kHz)であるので、センサチップ1の破損の原因となる衝撃力の伝達は低減される。一方、半導体加速度センサで検知する周波数の上限は点A(例えば20Hz)であるので、信号伝達端子による加速度の検知は問題なく行える。したがって、半導体加速度センサの衝撃力に対する信頼性は向上する。
【0018】
このように、第1の実施形態においては、信号伝達端子4は、センサチップ1を設けた回路基板2を加速度検知方向に直交する面から所定の角度を有して弾性支持するので、加速度が加わっていないときの出力を小さくするとともに、外部から筐体3に衝撃力が加えられたときのセンサチップ1に伝達する衝撃力を低減し、衝撃力に対する信頼性を向上することができる。
【0019】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図4に基づいて説明する。このものは、第1の実施形態と、信号伝達端子4を回路基板2の周縁部の片側だけに設ける点で異なり、その他は第1の実施形態の構成と同じである。
【0020】
信号伝達端子4を回路基板2の周縁部の片側だけに設けると、回路基板2は、片持ち支持されることになる。そうすると、センサチップ1を支える部分の固有振動数は、第1の実施形態よりも小さくなるので、センサチップ1への衝撃力の低減効果を大きくすることができる。
【0021】
このように、第2の実施形態においては、信号伝達端子4を回路基板2の周縁部の片側だけに設けるので、センサチップ1を支える部分の固有振動数が低減し、外部から筐体3に衝撃力が加えられたときにセンサチップ1に伝達する衝撃力はさらに低減される。
【0022】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を図5に基づいて説明する。このものは、第1の実施形態と、信号伝達端子4は、その回路基板2を支持する部分に吸振構造4aを有する点で異なり、その他は第1の実施形態の構成と同じである。
【0023】
吸振構造4aは、信号端子4の回路基板2を支持する部分に、加速度検知方向に対して直交する方向に長さを持つように略直角に2回曲げて形成されている。このものは、加速度検知方向に直交する部分により加速度検知方向の弾性を大きくするので、センサチップ1を支える部分の固有振動数を低減し、センサチップ1への衝撃力の低減効果を大きくすることができる。この吸振構造4aの形状は、所望の固有振動数となるようにコンピュータを用いたシミュレーションを行うことにより設計する。
【0024】
このように、第3の実施形態においては、信号伝達端子4は、その回路基板2を支持する部分に吸振構造4aを有するので、センサチップ1を支える部分の固有振動数が低減し、外部から筐体3に衝撃力が加えられたときにセンサチップ1に伝達する衝撃力はさらに低減される。
【0025】
なお、吸振構造4aは、加速度検知方向に対して直交する成分を有していればよく、弧などその他の形状であってもよい。
【0026】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、錘と、この錘を端部に設けて自身の撓み量により加速度を検出する錘支持部と、この錘支持部を固定する基部と、検出された加速度の信号を出力する出力端子とを具備するセンサチップを有するものであって、このセンサチップを実装する回路基板と、この回路基板を収納する中空部を有する筐体と、一端を回路基板上の配線を介して前記出力端子と接続して他端を前記筐体の外部に露出させる信号伝達端子を有する半導体加速度センサにおいて、前記信号伝達端子は、回路基板を加速度検出方向に直交する面に対して所定の角度を有して弾性支持するので、加速度が加わっていないときの出力を小さくするとともに、外部から筐体に衝撃力が加えられたときのセンサチップに伝達する衝撃力を低減し、衝撃力に対する信頼性を向上することができる。
【0027】
請求項2に係る発明によれば、請求項1記載の半導体加速度センサにおいて、前記信号伝達端子は、前記回路基板の対向する周縁部の両側に設けるので、請求項1記載の効果に加え、回路基板を支持する角度を精度よく定めることができる。
【0028】
請求項3に係る発明によれば、請求項1記載の半導体加速度センサにおいて、前記信号伝達端子は、前記回路基板を片持ち支持するように設けるので、請求項1記載の効果に加え、センサチップを支える部分の固有振動数が低減し、外部から筐体に衝撃力が加えられたときにセンサチップに伝達する衝撃力はさらに低減され、衝撃力に対する信頼性を向上することができる。
【0029】
請求項4に係る発明によれば、請求項1乃至3記載の半導体加速度センサにおいて、前記信号伝達端子は、吸振構造を有するので、請求項1乃至3記載の効果に加え、センサチップ1を支える部分の固有振動数が低減し、外部から筐体に衝撃力が加えられたときにセンサチップに伝達する衝撃力はさらに低減され、衝撃力に対する信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態を示す断面図である。
【図2】センサチップの断面図である。
【図3】筐体の衝撃伝達率の周波数特性を示す特性図である。
【図4】第2の実施形態を示す断面図である。
【図5】第3の実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 センサチップ
1a 錘
1b 錘支持部
1c 基部
1e 出力端子
2 回路基板
3 筐体
3e 中空部
4 信号伝達端子
4a 吸振構造
Claims (4)
- 錘と、この錘を端部に設けて自身の撓み量により加速度を検出する錘支持部と、この錘支持部を固定する基部と、検出された加速度の信号を出力する出力端子とを具備するセンサチップを有するものであって、
このセンサチップを実装する回路基板と、この回路基板を収納する中空部を有する筐体と、一端を回路基板上の配線を介して前記出力端子と接続して他端を前記筐体の外部に露出させる信号伝達端子を有する半導体加速度センサにおいて、前記信号伝達端子は、回路基板を加速度検出方向に直交する面に対して所定の角度を有して弾性支持することを特徴とする半導体加速度センサ。 - 前記信号伝達端子は、前記回路基板の対向する周縁部の両側に設けることを特徴とする請求項1記載の半導体加速度センサ。
- 前記信号伝達端子は、前記回路基板を片持ち支持するように設けることを特徴とする請求項1記載の半導体加速度センサ。
- 前記信号伝達端子は、吸振構造を有することを特徴とする請求項1乃至3記載の半導体加速度センサ。
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JP2002213488A JP2004053501A (ja) | 2002-07-23 | 2002-07-23 | 半導体加速度センサ |
Applications Claiming Priority (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7418863B2 (en) | 2005-10-12 | 2008-09-02 | Denso Corporation | Angular rate sensor |
US11255717B2 (en) * | 2019-05-31 | 2022-02-22 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Vibration detecting arrangement for reducing resonant noise |
-
2002
- 2002-07-23 JP JP2002213488A patent/JP2004053501A/ja active Pending
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