JP2004053465A - レーザ多段励起発光分光分析方法及びその装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】迅速に、かつ高感度で固体試料や液体試料の組成を分析することができる方法を提案する。
【解決手段】試料にレーザパルス光を照射して発生したプラズマからの励起光を分光分析する方法であって、該試料の被分析位置に第1のレーザパルス光を照射し、該照射から時間的に間隔を置いて、前記被分析位置に第2以降のレーザパルス光を照射し、前記被分析位置におけるパワー密度を第1のレーザパルス光と第2以降のレーザパルス光とで異ならせる。
【選択図】 図2
【解決手段】試料にレーザパルス光を照射して発生したプラズマからの励起光を分光分析する方法であって、該試料の被分析位置に第1のレーザパルス光を照射し、該照射から時間的に間隔を置いて、前記被分析位置に第2以降のレーザパルス光を照射し、前記被分析位置におけるパワー密度を第1のレーザパルス光と第2以降のレーザパルス光とで異ならせる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、金属やセラミックスなどの固体試料及び溶融金属や溶融塩などの液体試料の分析に適した、レーザ多段励起発光分光分析方法及びその装置に関し、特にこれら試料組成を迅速に、かつ感度及び精度よく分析しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
固体試料や液体試料を迅速に分析する方法として、レーザパルス光を試料表面に照射して、これにより生成するプラズマを分光分析するレーザ発光分光分析法がある。この方法は、非接触で分析可能であることから、サンプリングが不要であり、迅速性という観点においては優れている反面、特に軽元素に対する感度及び、精度が低いという問題があった。この理由は、プラズマからの発光において、分析対象元素の発光スペクトル強度に対して、連続光に起因するバックグラウンドが高いためである。
【0003】
これに対して、特開昭62−12843号に開示されているように、連続光は発光初期に強度が高いことから、連続光から元素発光スペクトルを分離することを目的として、発光初期を除いて強度を積算する時間分解測定法が用いられている。また、特開昭62−188919号公報に開示されているように、2台のレーザ発振器を用い、第1のレーザ発振器からのレーザパルスにより試料を励起し、試料の同じ位置を第2のレーザ発振器からのレーザパルスによりさらに励起して、分析元素の発光スペクトル強度とバックグラウンドとの比を増大する試みがなされている。
【0004】
しかしながら、いずれの方法においても、固体試料の迅速分析に広く用いられているスパーク発光分析法と同程度の精度を得るには至っておらず、感度及び精度の更なる向上が要請されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上記要請に鑑みてなされたもので、迅速に、かつ高感度で固体試料や液体試料の組成を分析することができる方法を、その有利な分析装置と共に提案することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
さて、発明者らは、上記の目的を達成すべく、レーザパルス照射条件とレーザプラズマの生成挙動及び試料気化挙動とについて綿密な検討を行ったところ、分析対象元素の十分な気化量と発光強度とを両立させて、迅速かつ高感度で試料の組成を分析するためには、レーザパルス光の試料表面上でのパワー密度をレーザパルス光相互で変化させることが有効であるとの知見を得た。
【0007】
そこで、レーザパルス光の試料表面でのパワー密度を変化させる手法について検討した結果、レーザ発振器自体の出力を変化させる方法とレーザパルス光の試料表面に対する焦点位置を制御する方法とを見出し、両者の比較検討を行った。すなわち、前者の方法では、試料にレーザパルス光を2つ以上連続照射してレーザ多段励起発光分光分析を行うに当たり、各レーザを試料表面上の極近傍に照射する必要があり、僅かな光軸のずれで多段励起による発光スペクトル強度増加の効果が得られなくなる場合があるため、レーザパルス光の照射を厳密に行う必要がある。
【0008】
この点、後者の方法は、少なくとも1つのレーザパルス光を試料表面上でデフォーカスさせることであるから、前者の方法のように、レーザパルス光の照射を厳密に行う必要がなく簡便である。しかし、レーザパルス光の試料表面に対する焦点位置の制御を、光学的な手段で行うには、複数のレンズの複雑な組み合わせが必要であり、その光学系のずれや光学部品の劣化に伴う経時変化の影響を受けることが、残された問題であった。
【0009】
かような背景の下、レーザパルス光の試料表面に対する焦点位置を制御する手段について鋭意究明したところ、必要最低限の光学系において実現可能の手段を見出すに到り、この発明を完成した。
【0010】
この発明は、上記の知見に立脚するものである。
すなわち、この発明の構成は、次のとおりである。
(1)試料にレーザパルス光を照射して発生したプラズマからの励起光を分光分析する方法であって、
該試料の被分析位置に第1のレーザパルス光を照射し、該照射から時間的に間隔を置いて、前記被分析位置に第2以降のレーザパルス光を照射し、前記被分析位置におけるパワー密度が第1のレーザパルス光と第2以降のレーザパルス光とで異なっていることを特徴とするレーザ多段励起発光分析方法。
【0011】
(2)試料にレーザパルス光を照射して発生したプラズマからの励起光を分光分析する方法であって、
該試料の被分析位置に、第1レーザパルス光を単一の集光レンズを介して集光照射し、前記照射から時間的に間隔を置いて、前記被分析位置に前記第1のレーザパルス光とは異なる波長の第2以降のレーザパルス光を前記と同一の集光レンズを介して集光照射することを特徴とするレーザ多段励起発光分析方法。
【0012】
(3)2台以上のレーザ発振器、レーザパルス光の照射間隔を設定する電気的遅延装置、2台以上のレーザ発振器から照射された各レーザパルス光の照射位置を一致させる第1の光学的手段、レーザパルス光を試料表面に集光照射する単一の集光レンズ、試料からの発光スペクトルを分析する分光分析器および該分光分析器に発光スペクトルを伝送する第2の光学的手段をそなえ、さらに前記レーザ発振器から発生するレーザパルス光の波長を調整する手段を有することを特徴とするレーザ多段励起発光分光分析装置。
【0013】
(4)レーザパルス光の波長を調整する手段が高調波発生器であることを特徴とする上記(3)に記載のレーザ多段励起発光分光分析装置。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の分析方法及び分析装置について具体的に説明する。
従来のレーザ発光分光法においては、発光強度を高めるため、レーザパルス光の焦点を試料表面或いは試料表面から幾分内部に設定する方法が一般に採用されており、またレーザパルス光の特性は、レーザ発振器自体の出力特性で規定されている場合がほとんどであった。
しかしながら、実際には、レーザパルス光の出力特性のみならず、集光レンズの焦点位置からのずれなどにより、プラズマ生成挙動や試料気化挙動が変化するため、試料表面におけるレーザパルス光の特性が最も重要であるといえる。
【0015】
多段励起法においても、例えば前記した特開昭62−188919号では、パルスの半値半幅で1μs以下、10mJ/pulse以上のエネルギーが必要とされているが、試料表面でのレーザパルス光のパワー密度を変化させたときの影響について綿密な検討は行われていない。
【0016】
そこで、発明者らは、レーザパルスの試料(鋼材)表面でのパワー密度と、プラズマ発光強度及び試料気化量について綿密な検討を行い、図1に示す結果を得た。
なお、試料表面でのパワー密度とは、レーザパルスのエネルギーをパルスの半値幅の2倍で除し、さらにレーザビームの照射面積で除した値をいう。すなわち、
P=E/(2×t×d2×π/4) …(1)
である。なお、式中、Pは試料表面でのパワー密度、Eはレーザパルス光のエネルギー、tはパルスの半値幅、dは試料表面でのレーザビーム径である。
【0017】
同図に示すとおり、プラズマ発光強度が最大になるパワー密度と試料の気化量が最大になるパワー密度とは異なっている。
そこで、この発明では、試料の被分析位置に第1のレーザパルス光を照射し、該照射から時間的に間隔を置いて、前記被分析位置に第2以降のレーザパルス不光を照射し、前記被分析位置におけるパワー密度が第1のレーザパルス光及び第2のレーザパルス光で異なっているようにして、十分な気化量と発光強度とを両立させるために、レーザパルス光のパワー密度自体を変化させるのではなく、第1のレーザパルス光、及び、第2以降のレーザパルス光を単一の集光レンズを用いて試料表面に導くに当たり、該集光レンズでの集光状態をレーザパルス光毎に変えることによって、より簡便で取り扱いが容易な光学系でレーザ多段励起発光分光分析を実現した。
【0018】
具体的には、上記集光レンズに、波長の異なる2以上のレーザパルス光を導くことによって、試料表面に対して各レーザパルス光の焦点を種々に変化させ、レーザパルス光の試料表面上でのパワー密度をレーザパルス光相互で変化させるのである。
【0019】
すなわち、集光レンズにおける焦点距離は、以下の(2)式により求めることができる。
1/F=(n−1)×[(1/R1)−(1/R2)+t(n−1)/R1・R2・n]…(2)
ここで、F:集光レンズの焦点距離
n:集光レンズの屈折率
R1:集光レンズのレーザ入射側の曲率半径
R2:集光レンズのレーザ出射側の曲率半径
そして、レーザ光のような平行光を集光させる場合には、一般に平凸レンズが使用され、この場合、上記(2)式においてR2=∞となるため、次の(3)式が得られる。
F=R1/(n−1) …(3)
【0020】
ここで、集光レンズ入射時の波長が異なる2のレーザパルス光を用いる場合、第1および第2のレーザパルス光の各波長に対するレンズの屈折率をnl、n2とすると、それぞれのレーザパルス光の焦点距離Fl、F2は次の(4)および(5)式により求められる。
F1=R1/(n1−1) …(4)
F2=R1/(n2−1) …(5)
【0021】
まず、nl<n2の場合は、Fl>F2となり、第1のレーザパルス光は、第2のレーザパルス光より遠方で焦点を結ぶことから、第2のレーザパルス光の焦点位置における第1のレーザパルス光のビ−ム径d1は次式(6)により求めることが出来る。
d1=(F1−F2)/F1×D=[1−(n1−1)/(n2−1)]×D …(6)
ここで、D:レーザパルス光の集光レンズ入射径
この場合、第2のレーザパルス光は、波長程度のビーム径まで集光されており、各レーザパルス光のビ−ム径の相異によりパワー密度を変化させることができる。
【0022】
また、第2のレーザパルス光の焦点を試料表面から試料の幾分内部に設定し、試料表面における第2のレーザパルス光のビ−ム径をd2とした場合、集光レンズから試料表面までの距離F0、焦点距離F2およびレーザ入射径Dとの関係は、
d2=(F2−F0)/F2×D …(7)
となり、この(7)式から次式(8)が求められる。
F0=(1−d2/D)×F2 …(8)
【0023】
このとき、第1のレーザパルス光のビーム径d1は、上記(6)式のF2に上記(8)式のF0を代入したものとなり、
d1=(Fl−F0)/F1×D=D−(nl−1)×(D−d2)/(n2−1) …(9)
が得られ、この場合も各レーザパルス光のビ−ム径の相異により、試料表面上のパワー密度を変化させることができる。
【0024】
一方、n1>n2の場合、上記した(4)、(5)式より、F1<F2となり、第1のレーザパルス光は第2のレーザパルス光よりも手前の位置で焦点を結ぶが、第2のレーザパルス光の焦点位置においては、再びデフォーカスするため、前記と同様に各レーザパルス光の試料表面上でのビーム径が異なるものとなる結果、試料表面上のパワー密度を変化させることができる。
但し、この条件の場合は、第1のレーザパルス光がその焦点位置でブレークダウンを起こさない程度にレーザ発振器の出力を落とす必要がある。
【0025】
また、第2のレーザパルス光の焦点を試料表面から幾分内部に設定した場合は、第1のレーザパルス光のビーム径と第2のレーザパルス光のビーム径との関係は、次の(10)式にて表わされる。
d1=(n1−1)(D−d2)/(n2−1)−D …(10)
【0026】
以上のように、この発明に従うことによって、単一の集光レンズを用いて、レーザパルス光の試料表面上でのビーム径を変化させ、試料表面上パワー密度を変化させることができる。
【0027】
次に、上記したレーザ多段励起発光分光分析方法の実施に供して好適な、レーザ多段励起発光分光分析装置について説明する。
この発明のレーザ多段励起発光分光分析装置は、例えば異なる波長のレーザパルス光を発生する2台以上のレーザ発振器を並列して設置し、第1のレーザパルス光と第2以降のレーザパルス光を、ミラー、波長板、偏光ビームスプリッタ等の光学的手段を用いて、同一光軸上に揃えた後、単一の集光レンズにて試料表面にレーザを照射するものである。
【0028】
なお、上記のレーザ発振器については、同一波長のレーザパルス光を発生する2台以上のレーザ発振器を並列して設置し、第1のレーザパルス光、第2以降のレーザパルス光のいずれかまたは双方を、高調波発生装置などを用いて波長変換し、異なる波長のレーザパルス光として集光レンズに導いてもよい。
【0029】
以上のレーザ多段励起発光分光分析装置の具体的構成を、図2に示す。
図2において、番号1は第1のレーザ発振器、2は第2のレーザ発振器、3は反射ミラー、4は偏光ビームスプリッタ、5は集光レンズ、6は高調波発生器、7は波長板、8は試料、9は光ファイバ、10は分光分析装置、そして11がレーザパルス光の照射間隔を設定する電気的遅延装置である。
【0030】
ここで、偏光ビームスプリッタ4は、第1のレーザパルス光及び第2のレーザパルス光の各光路を一致させることによって、レーザパルス光の照射位置を一致させるための第1の光学的手段である。このとき、波長板7にて第2のレーザパルス光の偏光方向を変化させることにより、第2のレーザパルス光の光路のみが偏光ビームスプリッタ4により変化して、反射ミラー3に導かれる。
【0031】
また、電気的遅延装置11により、所定の時間間隔を置いてレーザパルス光を照射する。この操作により、試料表面にプラズマを発生させる。そして、このプラズマからの発光スペクトルを、第2の光学的手段である光ファイバ9にて集光して分光分析装置10に伝送する。なお、この光ファイバ9に替えて、レンズ、凹面ミラーまたは平面ミラー等を組み合わせた光学的手段を用いてもよい。特に、光ファイバ9を用いる場合には、複数の光ファイバを操作して、集光時の立体角を大きくすることにより、検出感度を向上させることができる。
【0032】
さらに、プラズマからの発光は、多チャンネル分光器を含む分光分析器10で分光分析され、分析対象元素の発光強度が測定される。このとき、一般的に用いられている方法であるが、各レーザパルス光毎の発光強度を積算することにより、ノイズ、レーザパルス光毎の発光強度のばらつきが除去され、精度が向上する。また、発光初期の連続光強度が高い時間帯を除いた部分を積算範囲とする、時間分解測定を行うと、さらに発光スペクトル強度とバックグラウンドとの比が際立ったものとなる。
【0033】
なお、レーザプラズマの発光集光部及び分光分析部は、従来公知のものを適用できる。すなわち、発光集光部は、ミラー、レンズ、光ファイバ等で構成され、一方分光分析部は、光電子増倍管或いはフォトダイオードアレイなどの多チャンネル光検出器を具えている分光器、光検出器からの信号を増幅する信号増幅器、及びこの信号を適切に処理する信号処理装置を含む他、データ計算、発光強度から濃度への変換および分析結果の出力を行うコンピュータなどから構成される。
【0034】
【実施例】
第1および第2のレーザパルス光として、波長1064nmのNd:YAGレーザおよび波長532nmのNd:YAGレーザの第2高調波を使用し、Qスイッチモードにて、パルスエネルギーおよびパルス幅をそれぞれ第1のレーザパルス光は40mJおよび10ns、第2のレーザパルス光は20mJおよび10nsとした。集光レンズヘの入射径は、第1および第2のレーザパルス光ともに20mmΦである。集光レンズの材質は、1064nmおよび532nmに対する屈折率がそれぞれ1.449および1.461である、石英ガラスとした。
【0035】
ここで、パワー密度とエネルギー、パルス幅、上記した試料表面上でのビーム径の関係式(1)より、次式(11)が得られる。
d=[2E/(P×π×t)]0.5 …(11)
従って、第1のレーザパルス光のパワー密度を、図1において十分な気化量が得られる5×108w/cm2とするには、
d=(2×0.04[J]/(5×108[W/cm2]×3.14×10−8[s])0.5
=0.071[cm]=0.71[mm]
となり、このとき第2のレーザパルス光のビーム径は、上記した(7)式より
d2=D−(n2−1)×(D−dl)/(nl−1)
=20−(1.461−1)×(20−0.71)/(1.449−1)
=0.20[mm]=0.020[cm]
となり、第2のレーザパルス光のパワー密度は、
P=E/(2t×d2×π/4)
=0.02/(2×10−8[s]×0.020×0.020×3.14/4)
=3.2×109[W]
となる。
【0036】
以上のように、この発明によれば単一のレンズからなる簡便化された光学系により、十分な気化量と発光強度を両立するレーザ多段励起発光分光分析法が可能となった。
【0037】
【発明の効果】
かくして、この発明によれば、簡便な光学系により、試料に2以上のレーザパルス光を、そのパワー密度を制御しながら照射することが可能であり、迅速かつ高感度で固体試料や液体試料の組成を分析することができる。従って、レーザ多段励起発光分光分析法を、複雑な光学系を介在させることなく、実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レーザプラズマの発光強度及び試料の気化速度と、試料表面でのレーザパルス光のパワー密度との関係を示す図である。
【図2】この発明にかかるレーザ多段励起発光分光分析装置の構成例を示す図である。
【符号の説明】
1 第1のレーザ発振器
2 第2のレーザ発振器
3 反射ミラー
4 偏光ビームスプリッタ
5 集光レンズ
6 高調波発生器
7 波長板
8 試料
9 光ファイバ
10 分光分析器
11 電気的遅延装置
【発明の属する技術分野】
この発明は、金属やセラミックスなどの固体試料及び溶融金属や溶融塩などの液体試料の分析に適した、レーザ多段励起発光分光分析方法及びその装置に関し、特にこれら試料組成を迅速に、かつ感度及び精度よく分析しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
固体試料や液体試料を迅速に分析する方法として、レーザパルス光を試料表面に照射して、これにより生成するプラズマを分光分析するレーザ発光分光分析法がある。この方法は、非接触で分析可能であることから、サンプリングが不要であり、迅速性という観点においては優れている反面、特に軽元素に対する感度及び、精度が低いという問題があった。この理由は、プラズマからの発光において、分析対象元素の発光スペクトル強度に対して、連続光に起因するバックグラウンドが高いためである。
【0003】
これに対して、特開昭62−12843号に開示されているように、連続光は発光初期に強度が高いことから、連続光から元素発光スペクトルを分離することを目的として、発光初期を除いて強度を積算する時間分解測定法が用いられている。また、特開昭62−188919号公報に開示されているように、2台のレーザ発振器を用い、第1のレーザ発振器からのレーザパルスにより試料を励起し、試料の同じ位置を第2のレーザ発振器からのレーザパルスによりさらに励起して、分析元素の発光スペクトル強度とバックグラウンドとの比を増大する試みがなされている。
【0004】
しかしながら、いずれの方法においても、固体試料の迅速分析に広く用いられているスパーク発光分析法と同程度の精度を得るには至っておらず、感度及び精度の更なる向上が要請されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上記要請に鑑みてなされたもので、迅速に、かつ高感度で固体試料や液体試料の組成を分析することができる方法を、その有利な分析装置と共に提案することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
さて、発明者らは、上記の目的を達成すべく、レーザパルス照射条件とレーザプラズマの生成挙動及び試料気化挙動とについて綿密な検討を行ったところ、分析対象元素の十分な気化量と発光強度とを両立させて、迅速かつ高感度で試料の組成を分析するためには、レーザパルス光の試料表面上でのパワー密度をレーザパルス光相互で変化させることが有効であるとの知見を得た。
【0007】
そこで、レーザパルス光の試料表面でのパワー密度を変化させる手法について検討した結果、レーザ発振器自体の出力を変化させる方法とレーザパルス光の試料表面に対する焦点位置を制御する方法とを見出し、両者の比較検討を行った。すなわち、前者の方法では、試料にレーザパルス光を2つ以上連続照射してレーザ多段励起発光分光分析を行うに当たり、各レーザを試料表面上の極近傍に照射する必要があり、僅かな光軸のずれで多段励起による発光スペクトル強度増加の効果が得られなくなる場合があるため、レーザパルス光の照射を厳密に行う必要がある。
【0008】
この点、後者の方法は、少なくとも1つのレーザパルス光を試料表面上でデフォーカスさせることであるから、前者の方法のように、レーザパルス光の照射を厳密に行う必要がなく簡便である。しかし、レーザパルス光の試料表面に対する焦点位置の制御を、光学的な手段で行うには、複数のレンズの複雑な組み合わせが必要であり、その光学系のずれや光学部品の劣化に伴う経時変化の影響を受けることが、残された問題であった。
【0009】
かような背景の下、レーザパルス光の試料表面に対する焦点位置を制御する手段について鋭意究明したところ、必要最低限の光学系において実現可能の手段を見出すに到り、この発明を完成した。
【0010】
この発明は、上記の知見に立脚するものである。
すなわち、この発明の構成は、次のとおりである。
(1)試料にレーザパルス光を照射して発生したプラズマからの励起光を分光分析する方法であって、
該試料の被分析位置に第1のレーザパルス光を照射し、該照射から時間的に間隔を置いて、前記被分析位置に第2以降のレーザパルス光を照射し、前記被分析位置におけるパワー密度が第1のレーザパルス光と第2以降のレーザパルス光とで異なっていることを特徴とするレーザ多段励起発光分析方法。
【0011】
(2)試料にレーザパルス光を照射して発生したプラズマからの励起光を分光分析する方法であって、
該試料の被分析位置に、第1レーザパルス光を単一の集光レンズを介して集光照射し、前記照射から時間的に間隔を置いて、前記被分析位置に前記第1のレーザパルス光とは異なる波長の第2以降のレーザパルス光を前記と同一の集光レンズを介して集光照射することを特徴とするレーザ多段励起発光分析方法。
【0012】
(3)2台以上のレーザ発振器、レーザパルス光の照射間隔を設定する電気的遅延装置、2台以上のレーザ発振器から照射された各レーザパルス光の照射位置を一致させる第1の光学的手段、レーザパルス光を試料表面に集光照射する単一の集光レンズ、試料からの発光スペクトルを分析する分光分析器および該分光分析器に発光スペクトルを伝送する第2の光学的手段をそなえ、さらに前記レーザ発振器から発生するレーザパルス光の波長を調整する手段を有することを特徴とするレーザ多段励起発光分光分析装置。
【0013】
(4)レーザパルス光の波長を調整する手段が高調波発生器であることを特徴とする上記(3)に記載のレーザ多段励起発光分光分析装置。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の分析方法及び分析装置について具体的に説明する。
従来のレーザ発光分光法においては、発光強度を高めるため、レーザパルス光の焦点を試料表面或いは試料表面から幾分内部に設定する方法が一般に採用されており、またレーザパルス光の特性は、レーザ発振器自体の出力特性で規定されている場合がほとんどであった。
しかしながら、実際には、レーザパルス光の出力特性のみならず、集光レンズの焦点位置からのずれなどにより、プラズマ生成挙動や試料気化挙動が変化するため、試料表面におけるレーザパルス光の特性が最も重要であるといえる。
【0015】
多段励起法においても、例えば前記した特開昭62−188919号では、パルスの半値半幅で1μs以下、10mJ/pulse以上のエネルギーが必要とされているが、試料表面でのレーザパルス光のパワー密度を変化させたときの影響について綿密な検討は行われていない。
【0016】
そこで、発明者らは、レーザパルスの試料(鋼材)表面でのパワー密度と、プラズマ発光強度及び試料気化量について綿密な検討を行い、図1に示す結果を得た。
なお、試料表面でのパワー密度とは、レーザパルスのエネルギーをパルスの半値幅の2倍で除し、さらにレーザビームの照射面積で除した値をいう。すなわち、
P=E/(2×t×d2×π/4) …(1)
である。なお、式中、Pは試料表面でのパワー密度、Eはレーザパルス光のエネルギー、tはパルスの半値幅、dは試料表面でのレーザビーム径である。
【0017】
同図に示すとおり、プラズマ発光強度が最大になるパワー密度と試料の気化量が最大になるパワー密度とは異なっている。
そこで、この発明では、試料の被分析位置に第1のレーザパルス光を照射し、該照射から時間的に間隔を置いて、前記被分析位置に第2以降のレーザパルス不光を照射し、前記被分析位置におけるパワー密度が第1のレーザパルス光及び第2のレーザパルス光で異なっているようにして、十分な気化量と発光強度とを両立させるために、レーザパルス光のパワー密度自体を変化させるのではなく、第1のレーザパルス光、及び、第2以降のレーザパルス光を単一の集光レンズを用いて試料表面に導くに当たり、該集光レンズでの集光状態をレーザパルス光毎に変えることによって、より簡便で取り扱いが容易な光学系でレーザ多段励起発光分光分析を実現した。
【0018】
具体的には、上記集光レンズに、波長の異なる2以上のレーザパルス光を導くことによって、試料表面に対して各レーザパルス光の焦点を種々に変化させ、レーザパルス光の試料表面上でのパワー密度をレーザパルス光相互で変化させるのである。
【0019】
すなわち、集光レンズにおける焦点距離は、以下の(2)式により求めることができる。
1/F=(n−1)×[(1/R1)−(1/R2)+t(n−1)/R1・R2・n]…(2)
ここで、F:集光レンズの焦点距離
n:集光レンズの屈折率
R1:集光レンズのレーザ入射側の曲率半径
R2:集光レンズのレーザ出射側の曲率半径
そして、レーザ光のような平行光を集光させる場合には、一般に平凸レンズが使用され、この場合、上記(2)式においてR2=∞となるため、次の(3)式が得られる。
F=R1/(n−1) …(3)
【0020】
ここで、集光レンズ入射時の波長が異なる2のレーザパルス光を用いる場合、第1および第2のレーザパルス光の各波長に対するレンズの屈折率をnl、n2とすると、それぞれのレーザパルス光の焦点距離Fl、F2は次の(4)および(5)式により求められる。
F1=R1/(n1−1) …(4)
F2=R1/(n2−1) …(5)
【0021】
まず、nl<n2の場合は、Fl>F2となり、第1のレーザパルス光は、第2のレーザパルス光より遠方で焦点を結ぶことから、第2のレーザパルス光の焦点位置における第1のレーザパルス光のビ−ム径d1は次式(6)により求めることが出来る。
d1=(F1−F2)/F1×D=[1−(n1−1)/(n2−1)]×D …(6)
ここで、D:レーザパルス光の集光レンズ入射径
この場合、第2のレーザパルス光は、波長程度のビーム径まで集光されており、各レーザパルス光のビ−ム径の相異によりパワー密度を変化させることができる。
【0022】
また、第2のレーザパルス光の焦点を試料表面から試料の幾分内部に設定し、試料表面における第2のレーザパルス光のビ−ム径をd2とした場合、集光レンズから試料表面までの距離F0、焦点距離F2およびレーザ入射径Dとの関係は、
d2=(F2−F0)/F2×D …(7)
となり、この(7)式から次式(8)が求められる。
F0=(1−d2/D)×F2 …(8)
【0023】
このとき、第1のレーザパルス光のビーム径d1は、上記(6)式のF2に上記(8)式のF0を代入したものとなり、
d1=(Fl−F0)/F1×D=D−(nl−1)×(D−d2)/(n2−1) …(9)
が得られ、この場合も各レーザパルス光のビ−ム径の相異により、試料表面上のパワー密度を変化させることができる。
【0024】
一方、n1>n2の場合、上記した(4)、(5)式より、F1<F2となり、第1のレーザパルス光は第2のレーザパルス光よりも手前の位置で焦点を結ぶが、第2のレーザパルス光の焦点位置においては、再びデフォーカスするため、前記と同様に各レーザパルス光の試料表面上でのビーム径が異なるものとなる結果、試料表面上のパワー密度を変化させることができる。
但し、この条件の場合は、第1のレーザパルス光がその焦点位置でブレークダウンを起こさない程度にレーザ発振器の出力を落とす必要がある。
【0025】
また、第2のレーザパルス光の焦点を試料表面から幾分内部に設定した場合は、第1のレーザパルス光のビーム径と第2のレーザパルス光のビーム径との関係は、次の(10)式にて表わされる。
d1=(n1−1)(D−d2)/(n2−1)−D …(10)
【0026】
以上のように、この発明に従うことによって、単一の集光レンズを用いて、レーザパルス光の試料表面上でのビーム径を変化させ、試料表面上パワー密度を変化させることができる。
【0027】
次に、上記したレーザ多段励起発光分光分析方法の実施に供して好適な、レーザ多段励起発光分光分析装置について説明する。
この発明のレーザ多段励起発光分光分析装置は、例えば異なる波長のレーザパルス光を発生する2台以上のレーザ発振器を並列して設置し、第1のレーザパルス光と第2以降のレーザパルス光を、ミラー、波長板、偏光ビームスプリッタ等の光学的手段を用いて、同一光軸上に揃えた後、単一の集光レンズにて試料表面にレーザを照射するものである。
【0028】
なお、上記のレーザ発振器については、同一波長のレーザパルス光を発生する2台以上のレーザ発振器を並列して設置し、第1のレーザパルス光、第2以降のレーザパルス光のいずれかまたは双方を、高調波発生装置などを用いて波長変換し、異なる波長のレーザパルス光として集光レンズに導いてもよい。
【0029】
以上のレーザ多段励起発光分光分析装置の具体的構成を、図2に示す。
図2において、番号1は第1のレーザ発振器、2は第2のレーザ発振器、3は反射ミラー、4は偏光ビームスプリッタ、5は集光レンズ、6は高調波発生器、7は波長板、8は試料、9は光ファイバ、10は分光分析装置、そして11がレーザパルス光の照射間隔を設定する電気的遅延装置である。
【0030】
ここで、偏光ビームスプリッタ4は、第1のレーザパルス光及び第2のレーザパルス光の各光路を一致させることによって、レーザパルス光の照射位置を一致させるための第1の光学的手段である。このとき、波長板7にて第2のレーザパルス光の偏光方向を変化させることにより、第2のレーザパルス光の光路のみが偏光ビームスプリッタ4により変化して、反射ミラー3に導かれる。
【0031】
また、電気的遅延装置11により、所定の時間間隔を置いてレーザパルス光を照射する。この操作により、試料表面にプラズマを発生させる。そして、このプラズマからの発光スペクトルを、第2の光学的手段である光ファイバ9にて集光して分光分析装置10に伝送する。なお、この光ファイバ9に替えて、レンズ、凹面ミラーまたは平面ミラー等を組み合わせた光学的手段を用いてもよい。特に、光ファイバ9を用いる場合には、複数の光ファイバを操作して、集光時の立体角を大きくすることにより、検出感度を向上させることができる。
【0032】
さらに、プラズマからの発光は、多チャンネル分光器を含む分光分析器10で分光分析され、分析対象元素の発光強度が測定される。このとき、一般的に用いられている方法であるが、各レーザパルス光毎の発光強度を積算することにより、ノイズ、レーザパルス光毎の発光強度のばらつきが除去され、精度が向上する。また、発光初期の連続光強度が高い時間帯を除いた部分を積算範囲とする、時間分解測定を行うと、さらに発光スペクトル強度とバックグラウンドとの比が際立ったものとなる。
【0033】
なお、レーザプラズマの発光集光部及び分光分析部は、従来公知のものを適用できる。すなわち、発光集光部は、ミラー、レンズ、光ファイバ等で構成され、一方分光分析部は、光電子増倍管或いはフォトダイオードアレイなどの多チャンネル光検出器を具えている分光器、光検出器からの信号を増幅する信号増幅器、及びこの信号を適切に処理する信号処理装置を含む他、データ計算、発光強度から濃度への変換および分析結果の出力を行うコンピュータなどから構成される。
【0034】
【実施例】
第1および第2のレーザパルス光として、波長1064nmのNd:YAGレーザおよび波長532nmのNd:YAGレーザの第2高調波を使用し、Qスイッチモードにて、パルスエネルギーおよびパルス幅をそれぞれ第1のレーザパルス光は40mJおよび10ns、第2のレーザパルス光は20mJおよび10nsとした。集光レンズヘの入射径は、第1および第2のレーザパルス光ともに20mmΦである。集光レンズの材質は、1064nmおよび532nmに対する屈折率がそれぞれ1.449および1.461である、石英ガラスとした。
【0035】
ここで、パワー密度とエネルギー、パルス幅、上記した試料表面上でのビーム径の関係式(1)より、次式(11)が得られる。
d=[2E/(P×π×t)]0.5 …(11)
従って、第1のレーザパルス光のパワー密度を、図1において十分な気化量が得られる5×108w/cm2とするには、
d=(2×0.04[J]/(5×108[W/cm2]×3.14×10−8[s])0.5
=0.071[cm]=0.71[mm]
となり、このとき第2のレーザパルス光のビーム径は、上記した(7)式より
d2=D−(n2−1)×(D−dl)/(nl−1)
=20−(1.461−1)×(20−0.71)/(1.449−1)
=0.20[mm]=0.020[cm]
となり、第2のレーザパルス光のパワー密度は、
P=E/(2t×d2×π/4)
=0.02/(2×10−8[s]×0.020×0.020×3.14/4)
=3.2×109[W]
となる。
【0036】
以上のように、この発明によれば単一のレンズからなる簡便化された光学系により、十分な気化量と発光強度を両立するレーザ多段励起発光分光分析法が可能となった。
【0037】
【発明の効果】
かくして、この発明によれば、簡便な光学系により、試料に2以上のレーザパルス光を、そのパワー密度を制御しながら照射することが可能であり、迅速かつ高感度で固体試料や液体試料の組成を分析することができる。従って、レーザ多段励起発光分光分析法を、複雑な光学系を介在させることなく、実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レーザプラズマの発光強度及び試料の気化速度と、試料表面でのレーザパルス光のパワー密度との関係を示す図である。
【図2】この発明にかかるレーザ多段励起発光分光分析装置の構成例を示す図である。
【符号の説明】
1 第1のレーザ発振器
2 第2のレーザ発振器
3 反射ミラー
4 偏光ビームスプリッタ
5 集光レンズ
6 高調波発生器
7 波長板
8 試料
9 光ファイバ
10 分光分析器
11 電気的遅延装置
Claims (4)
- 試料にレーザパルス光を照射して発生したプラズマからの励起光を分光分析する方法であって、
該試料の被分析位置に第1のレーザパルス光を照射し、該照射から時間的に間隔を置いて、前記被分析位置に第2以降のレーザパルス光を照射し、前記被分析位置におけるパワー密度が第1のレーザパルス光と第2以降のレーザパルス光とで異なっていることを特徴とするレーザ多段励起発光分析方法。 - 試料にレーザパルス光を照射して発生したプラズマからの励起光を分光分析する方法であって、
該試料の被分析位置に、第1レーザパルス光を単一の集光レンズを介して集光照射し、前記照射から時間的に間隔を置いて、前記被分析位置に前記第1のレーザパルス光とは異なる波長の第2以降のレーザパルス光を前記と同一の集光レンズを介して集光照射することを特徴とするレーザ多段励起発光分析方法。 - 2台以上のレーザ発振器、レーザパルス光の照射間隔を設定する電気的遅延装置、2台以上のレーザ発振器から照射された各レーザパルス光の照射位置を一致させる第1の光学的手段、レーザパルス光を試料表面に集光照射する単一の集光レンズ、試料からの発光スペクトルを分析する分光分析器および該分光分析器に発光スペクトルを伝送する第2の光学的手段をそなえ、さらに前記レーザ発振器から発生するレーザパルス光の波長を調整する手段を有することを特徴とするレーザ多段励起発光分光分析装置。
- レーザパルス光の波長を調整する手段が高調波発生器であることを特徴とする請求項3に記載のレーザ多段励起発光分光分析装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002212522A JP2004053465A (ja) | 2002-07-22 | 2002-07-22 | レーザ多段励起発光分光分析方法及びその装置 |
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JP2011007640A (ja) * | 2009-06-26 | 2011-01-13 | Shikoku Electric Power Co Inc | 連続式濃度測定装置および方法 |
JP2013036926A (ja) * | 2011-08-10 | 2013-02-21 | Jfe Steel Corp | 溶鋼中炭素濃度の分析方法および分析装置 |
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2002
- 2002-07-22 JP JP2002212522A patent/JP2004053465A/ja active Pending
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