JP3101707B2 - ラマン散乱光増強装置 - Google Patents
ラマン散乱光増強装置Info
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- JP3101707B2 JP3101707B2 JP9355596A JP9355596A JP3101707B2 JP 3101707 B2 JP3101707 B2 JP 3101707B2 JP 9355596 A JP9355596 A JP 9355596A JP 9355596 A JP9355596 A JP 9355596A JP 3101707 B2 JP3101707 B2 JP 3101707B2
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- raman
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- Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)
- Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は金属表面近傍に存
在する微量試料からの極微弱なラマン散乱光成分を増強
し、高感度で観測し分析する装置に関するものである。
在する微量試料からの極微弱なラマン散乱光成分を増強
し、高感度で観測し分析する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ラマンスペクトルは、固体、液体、気体
及びその混合物の分子振動スペクトル測定法として従来
知られていて、物質の存在状態の評価に用いられる。近
年、高性能マルチチャンネル光検出器及び高効率分光器
の開発が行われているが、それを用いても金属表面近傍
に存在する単分子層以下の微量化学種からのラマン散乱
光は非常に弱く、スペクトル測定は一般には困難である
(T.Maeda etal.,J.Electro
n.Spectrosc.Relat.Phenom.
64/65(1993)381−389)。これらの微
量化学種は金属表面固有の吸着電子状態を有し、それに
より特徴的な触媒活性や反応性を示すことが多いので、
その観測が重要である。そこで何らかの方法により、こ
の微量化学種からのラマン散乱光強度を増強した上で観
測し、分析する必要がある。
及びその混合物の分子振動スペクトル測定法として従来
知られていて、物質の存在状態の評価に用いられる。近
年、高性能マルチチャンネル光検出器及び高効率分光器
の開発が行われているが、それを用いても金属表面近傍
に存在する単分子層以下の微量化学種からのラマン散乱
光は非常に弱く、スペクトル測定は一般には困難である
(T.Maeda etal.,J.Electro
n.Spectrosc.Relat.Phenom.
64/65(1993)381−389)。これらの微
量化学種は金属表面固有の吸着電子状態を有し、それに
より特徴的な触媒活性や反応性を示すことが多いので、
その観測が重要である。そこで何らかの方法により、こ
の微量化学種からのラマン散乱光強度を増強した上で観
測し、分析する必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、金・銀・銅の金
属に対していわゆる“first−layer”SER
S(Surface Enhanced Raman
Scattering)を用いて、その表面付近の化学
種からのラマン散乱光強度を増強する試みがなされてき
たが、この方法では“原子レベルの粗さ”を必要とし、
理論的及び実験的に特定の化学種の特定のラマンバンド
のみが増強されることが証明されている(A.Otto
et al.,J.Phys.:Condens.M
atter4(1992)1143−1212)。ま
た、上記以外の金属へは適用できない。
属に対していわゆる“first−layer”SER
S(Surface Enhanced Raman
Scattering)を用いて、その表面付近の化学
種からのラマン散乱光強度を増強する試みがなされてき
たが、この方法では“原子レベルの粗さ”を必要とし、
理論的及び実験的に特定の化学種の特定のラマンバンド
のみが増強されることが証明されている(A.Otto
et al.,J.Phys.:Condens.M
atter4(1992)1143−1212)。ま
た、上記以外の金属へは適用できない。
【0004】本発明は上記の如き事情に鑑みてなされた
ものであって、金・銀・銅以外の金属にも適用でき、
“原子レベルの粗さ”を必要とせず単結晶表面への適用
も可能であり、かつその表面近傍の任意の化学種のラマ
ンバンドが同等に増強される方法を確立することを目的
とするものである。
ものであって、金・銀・銅以外の金属にも適用でき、
“原子レベルの粗さ”を必要とせず単結晶表面への適用
も可能であり、かつその表面近傍の任意の化学種のラマ
ンバンドが同等に増強される方法を確立することを目的
とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的に対応して、こ
の発明のラマン散乱光増強装置は金属基板とその表面近
傍の試料に焦点を置く集光系、バイヤシュトラスプリズ
ム及び二軸サスペンジョン、マイクロメータヘッド、及
び散乱光集光系からなる。全反射減衰法(ATR法)に
より、可視光を用いて表面プラズモン(SPP)を共鳴
励起することで試料からのラマン散乱光を増強する。更
に、このラマン散乱光を効率的に集光する光学系を備え
ることを特徴としている。金属基板としては、金・銀・
銅を含む内部減衰の大きな白金やニッケル等の遷移金属
の蒸着膜や単結晶または精密に制御された条件で調製さ
れた光学的に平滑な膜を用いる。
の発明のラマン散乱光増強装置は金属基板とその表面近
傍の試料に焦点を置く集光系、バイヤシュトラスプリズ
ム及び二軸サスペンジョン、マイクロメータヘッド、及
び散乱光集光系からなる。全反射減衰法(ATR法)に
より、可視光を用いて表面プラズモン(SPP)を共鳴
励起することで試料からのラマン散乱光を増強する。更
に、このラマン散乱光を効率的に集光する光学系を備え
ることを特徴としている。金属基板としては、金・銀・
銅を含む内部減衰の大きな白金やニッケル等の遷移金属
の蒸着膜や単結晶または精密に制御された条件で調製さ
れた光学的に平滑な膜を用いる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、この発明の詳細を一実施の
形態を示す図面について説明する。図1において1はラ
マン散乱光増強装置であり、ラマン散乱光増強装置1
は、基板2と、試料3と、可視光照射装置4と、照射・
集光光学系5と、光検出器6とを備えている。基板2と
しては、金・銀・銅を含む内部減衰の大きな白金やニッ
ケル等の蒸着膜や単結晶または精密に制御された条件で
調製された光学的に平滑な膜を用いる。可視光照射装置
4はレーザー光源と偏向光学素子を備え、可視光のP−
偏向光10を生成するものである。レーザー光源として
はアルゴンイオンレーザーの他、ヘリウムネオンレーザ
ー、またはクリプトンレーザー等を使用する。照射・集
光光学系5は可視光のP−偏向光を試料3に照射し、ま
た試料3から発生するラマン散乱光を集光するためのも
ので、照射光学系7と集光光学系8とを備えている。照
射光学系7は微小三角プリズム11と第一の集光レンズ
12とバイヤシュトラス(Weierstrass)プ
リズム13を備えている。集光光学系8はバイヤシュト
ラスプリズム13と第一の集光レンズ12と第二の集光
レンズ14とを備えている。バイヤシュトラスプリズム
13と第一の集光レンズ12は照射光学系7と集光光学
系8とに共通である。第一のレンズ12と第二のレンズ
14との間に光検出器6が配置されている。
形態を示す図面について説明する。図1において1はラ
マン散乱光増強装置であり、ラマン散乱光増強装置1
は、基板2と、試料3と、可視光照射装置4と、照射・
集光光学系5と、光検出器6とを備えている。基板2と
しては、金・銀・銅を含む内部減衰の大きな白金やニッ
ケル等の蒸着膜や単結晶または精密に制御された条件で
調製された光学的に平滑な膜を用いる。可視光照射装置
4はレーザー光源と偏向光学素子を備え、可視光のP−
偏向光10を生成するものである。レーザー光源として
はアルゴンイオンレーザーの他、ヘリウムネオンレーザ
ー、またはクリプトンレーザー等を使用する。照射・集
光光学系5は可視光のP−偏向光を試料3に照射し、ま
た試料3から発生するラマン散乱光を集光するためのも
ので、照射光学系7と集光光学系8とを備えている。照
射光学系7は微小三角プリズム11と第一の集光レンズ
12とバイヤシュトラス(Weierstrass)プ
リズム13を備えている。集光光学系8はバイヤシュト
ラスプリズム13と第一の集光レンズ12と第二の集光
レンズ14とを備えている。バイヤシュトラスプリズム
13と第一の集光レンズ12は照射光学系7と集光光学
系8とに共通である。第一のレンズ12と第二のレンズ
14との間に光検出器6が配置されている。
【0007】このように構成されたラマン散乱光増強装
置1においてラマン散乱光の測定は次のようになされ
る。
置1においてラマン散乱光の測定は次のようになされ
る。
【0008】可視光照射装置4は可視光のp−偏光入射
光10を微小三角プリズム11に入射する。バイヤシュ
トラスプリズム13の底面15への入射角16は、光軸
からの入射ビーム高さ17を、微小三角プリズム11に
より制御することでコントロールされる。この入射角1
6は、基板2からの反射率を光検出器6によりモニタす
ることで、表面プラズモンSPPの共鳴角に容易に調整
される。
光10を微小三角プリズム11に入射する。バイヤシュ
トラスプリズム13の底面15への入射角16は、光軸
からの入射ビーム高さ17を、微小三角プリズム11に
より制御することでコントロールされる。この入射角1
6は、基板2からの反射率を光検出器6によりモニタす
ることで、表面プラズモンSPPの共鳴角に容易に調整
される。
【0009】バイヤシュトラスプリズム13の底面15
と基板2表面との空隙厚さ18は、マイクロメータヘッ
ドにより基板2を底面15に押しつけることで制御され
る。空隙厚さ18は、散乱光の干渉縞を通して第一集光
レンズ12の後方で直接観測でき、少なくとも1/2波
長から2波長までの間で1/4波長毎に制御される。こ
のようにして、表面プラズモンSPPを効果的に励起す
るために、試料によって決まる最適空隙厚さに容易に調
整することができる。ここで、第一集光レンズ12及び
バイヤシュトラスプリズム13は、球面収差を有さない
ので入射光は常に基板2の表面の中心を照射する。図3
に、バイヤシュトラスプリズム/空隙/銅フタロシアニ
ン/白金試料のATR反射率及びCuPcのラマンバン
ド(1530cm-1,Alg)の強度の入射角(A)及び
空隙厚さ依存性(B):それぞれ(a)実験値及び
(b)計算値を示す。
と基板2表面との空隙厚さ18は、マイクロメータヘッ
ドにより基板2を底面15に押しつけることで制御され
る。空隙厚さ18は、散乱光の干渉縞を通して第一集光
レンズ12の後方で直接観測でき、少なくとも1/2波
長から2波長までの間で1/4波長毎に制御される。こ
のようにして、表面プラズモンSPPを効果的に励起す
るために、試料によって決まる最適空隙厚さに容易に調
整することができる。ここで、第一集光レンズ12及び
バイヤシュトラスプリズム13は、球面収差を有さない
ので入射光は常に基板2の表面の中心を照射する。図3
に、バイヤシュトラスプリズム/空隙/銅フタロシアニ
ン/白金試料のATR反射率及びCuPcのラマンバン
ド(1530cm-1,Alg)の強度の入射角(A)及び
空隙厚さ依存性(B):それぞれ(a)実験値及び
(b)計算値を示す。
【0010】また散乱角αS はバイエルシュトラスプリ
ズム13を用いることにより、βS(=arcsin
{(sinαS )/n},n:屈折率、サファイアプリ
ズム/空気/銀試料からの514.5nmの波長の散乱
光のαS =36.2゜がβS =19.5゜)に低減でき
る。このバイヤシュトラスプリズム13は、表面プラズ
モンSPPコーン内に放射される全てのラマン散乱光を
集光するために非常に重要である。
ズム13を用いることにより、βS(=arcsin
{(sinαS )/n},n:屈折率、サファイアプリ
ズム/空気/銀試料からの514.5nmの波長の散乱
光のαS =36.2゜がβS =19.5゜)に低減でき
る。このバイヤシュトラスプリズム13は、表面プラズ
モンSPPコーン内に放射される全てのラマン散乱光を
集光するために非常に重要である。
【0011】半球状や半円筒状プリズムでは、共鳴角
(例えば先の系で36.2゜)でコーン状に放射される
散乱光は、実用的に最もF値の小さな集光系(F/0.
7)を用いても、受容角≦35゜であるので全てを集光
することはできない。金属表面近傍に存在する試料から
の散乱光は金属基板の高い反射率のためにバイエルシュ
トラスプリズム13及び第2集光レンズ14へと放射さ
れる。このラマン散乱光光束21は、第2集光レンズ1
4により分光器の入射スリット22に集光される。
(例えば先の系で36.2゜)でコーン状に放射される
散乱光は、実用的に最もF値の小さな集光系(F/0.
7)を用いても、受容角≦35゜であるので全てを集光
することはできない。金属表面近傍に存在する試料から
の散乱光は金属基板の高い反射率のためにバイエルシュ
トラスプリズム13及び第2集光レンズ14へと放射さ
れる。このラマン散乱光光束21は、第2集光レンズ1
4により分光器の入射スリット22に集光される。
【0012】
【実施例】以下、本発明に係わるラマン散乱光増強装置
により、観測された銀・金・銅または白金表面の銅フタ
ロシアニン分子のラマンスペクトルは、SPP共鳴条件
の下で図2及び表1に示すように、全てのバンドについ
て著しく大きな増強度を示した(例えば銀系では空気媒
質中では約300倍、白金系でも288倍)。また水溶
液媒質中の化学種のラマンバンドは、空気媒質の場合の
約4倍の更に大きな増強を示した(銀系では水溶液媒質
で約1000倍、白金系でも約1000倍)。表1に本
発明のラマン散乱光増強装置による吸着種であるCuP
cのラマンバンド強度の増強度の基板金属依存性を示
す。
により、観測された銀・金・銅または白金表面の銅フタ
ロシアニン分子のラマンスペクトルは、SPP共鳴条件
の下で図2及び表1に示すように、全てのバンドについ
て著しく大きな増強度を示した(例えば銀系では空気媒
質中では約300倍、白金系でも288倍)。また水溶
液媒質中の化学種のラマンバンドは、空気媒質の場合の
約4倍の更に大きな増強を示した(銀系では水溶液媒質
で約1000倍、白金系でも約1000倍)。表1に本
発明のラマン散乱光増強装置による吸着種であるCuP
cのラマンバンド強度の増強度の基板金属依存性を示
す。
【0013】
【表1】 図2に本発明のラマン散乱光増強装置によるバイヤシュ
トラスプリズム/空隙/銅フタロシアニン/白金試料の
CuPcのラマンスペクトルの入射角(αi)依存性を
示す。
トラスプリズム/空隙/銅フタロシアニン/白金試料の
CuPcのラマンスペクトルの入射角(αi)依存性を
示す。
【0014】図4に本発明のラマン散乱光増強装置によ
る白金表面のCuPcのラマンスペクトル:(上)SP
P共鳴条件下、及び(下)同じ試料の外部反射配置(同
一入射角)での測定結果を示す(但し、真の強度はこの
1/65である)。
る白金表面のCuPcのラマンスペクトル:(上)SP
P共鳴条件下、及び(下)同じ試料の外部反射配置(同
一入射角)での測定結果を示す(但し、真の強度はこの
1/65である)。
【0015】
【発明の効果】このように、この発明のラマン散乱光増
強装置ではATR法により、プリズム底面への入射角と
ギャップ厚さを系の構成要素の誘電率や励起波長等によ
り一義的に決まる共鳴条件に一致させることにより、金
属表面プラズモンを励起する(入射チャンネル)。それ
によって増強された金属表面近傍の電場は、理論計算に
より金属の誘電率に依存するが、金・銀・銅以外の遷移
金属についても充分大きいことが確められた。この局所
電場により金属表面近傍に存在する化学種からのラマン
バンド強度を増強する。SPPコーン内に放射されるラ
マン散乱光(放射チャンネル)を全て集光し分光器に伝
達することにより、非常に効率的なラマン散乱光の増強
が達成される。
強装置ではATR法により、プリズム底面への入射角と
ギャップ厚さを系の構成要素の誘電率や励起波長等によ
り一義的に決まる共鳴条件に一致させることにより、金
属表面プラズモンを励起する(入射チャンネル)。それ
によって増強された金属表面近傍の電場は、理論計算に
より金属の誘電率に依存するが、金・銀・銅以外の遷移
金属についても充分大きいことが確められた。この局所
電場により金属表面近傍に存在する化学種からのラマン
バンド強度を増強する。SPPコーン内に放射されるラ
マン散乱光(放射チャンネル)を全て集光し分光器に伝
達することにより、非常に効率的なラマン散乱光の増強
が達成される。
【0016】以上説明したように、本発明に係わるラマ
ン散乱光増強装置によれば、金・銀・銅に加えて白金や
ニッケル等、非常に多くの遷移金属付近に存在する任意
の化学種からのラマン散乱光強度を約100倍増強でき
る。かつ水溶液媒質で付加的な増強が得られるので、真
空中、空気媒質中の金属表面のみならず電極/溶液界面
の分光分析法として有用である。可視光照射装置4から
の可視光のp−偏光入射光10のバイヤシュトラスプリ
ズム13の底面15への入射角16及び空隙厚さ18
は、基板2からの反射率を光検出器6によりモニタする
ことで、表面プラズモンSPPの共鳴角及び最適空隙厚
さに容易に調整されるので、表面プラズモンSPPを良
好に発生させることができると共に、装置の操作も容易
である。
ン散乱光増強装置によれば、金・銀・銅に加えて白金や
ニッケル等、非常に多くの遷移金属付近に存在する任意
の化学種からのラマン散乱光強度を約100倍増強でき
る。かつ水溶液媒質で付加的な増強が得られるので、真
空中、空気媒質中の金属表面のみならず電極/溶液界面
の分光分析法として有用である。可視光照射装置4から
の可視光のp−偏光入射光10のバイヤシュトラスプリ
ズム13の底面15への入射角16及び空隙厚さ18
は、基板2からの反射率を光検出器6によりモニタする
ことで、表面プラズモンSPPの共鳴角及び最適空隙厚
さに容易に調整されるので、表面プラズモンSPPを良
好に発生させることができると共に、装置の操作も容易
である。
【0017】
【0018】
【図1】本発明のラマン散乱光増強装置の構成説明図。
【0019】
【図2】本発明のラマン散乱光増強装置によるバイヤシ
ュトラスプリズム/空隙/銅フタロシアニン/白金試料
のCuPcのラマンスペクトルの入射角(αi)依存性
を示すグラフ。
ュトラスプリズム/空隙/銅フタロシアニン/白金試料
のCuPcのラマンスペクトルの入射角(αi)依存性
を示すグラフ。
【0020】
【図3】本発明のラマン散乱光増強装置によるバイヤシ
ュトラスプリズム/空隙/銅フタロシアニン/白金試料
のATR反射率及びCuPcのラマンバンド(1530
cm-1,Alg)の強度の入射角(A)及び空隙厚さ依存
性(B)を示すグラフ、それぞれ(a)実験値及び
(b)計算値を示すグラフ。
ュトラスプリズム/空隙/銅フタロシアニン/白金試料
のATR反射率及びCuPcのラマンバンド(1530
cm-1,Alg)の強度の入射角(A)及び空隙厚さ依存
性(B)を示すグラフ、それぞれ(a)実験値及び
(b)計算値を示すグラフ。
【0021】
【図4】本発明のラマン散乱光増強装置による白金表面
のCuPcのラマンスペクトル:(上)SPP共鳴条件
下、及び(下)同じ試料の外部反射配置(同一入射角)
での測定結果(但し、真の強度はこの1/65)。
のCuPcのラマンスペクトル:(上)SPP共鳴条件
下、及び(下)同じ試料の外部反射配置(同一入射角)
での測定結果(但し、真の強度はこの1/65)。
【0022】
1 ラマン散乱光増強装置 2 基板 3 試料 4 可視光照射装置 5 照射・集光光学系 6 光検出器 7 照射光学系 8 集光光学系 10 可視光のP−偏向光 11 微小三角プリズム 12 第一の集光レンズ 13 バイヤシュトラスプリズム 14 第二の集光レンズ 15 底面 16 入射角(αi ) 17 入射光の光軸からの高さ(y):αi =f(y)
(f(y)は、用いた第1集光系とバイヤシュトラスプ
リズムにより決まる関数) 18 空隙厚さ 21 ラマン散乱光光束 22 入射スリット 23 SPPコーン 24 ラマン散乱光 25 焦点距離 26 半径r 27 r×n(n:屈折率) 28 r/n 31 仮想的な入射角βi (=arcsin{sinα
i )/n})
(f(y)は、用いた第1集光系とバイヤシュトラスプ
リズムにより決まる関数) 18 空隙厚さ 21 ラマン散乱光光束 22 入射スリット 23 SPPコーン 24 ラマン散乱光 25 焦点距離 26 半径r 27 r×n(n:屈折率) 28 r/n 31 仮想的な入射角βi (=arcsin{sinα
i )/n})
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−265336(JP,A) Appl.Spectrosc.,48 [2](1994),p.252−260 Appl.Opt.,27[19 ](1988),p.4098−4103 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01J 3/44 G01N 21/27 G01N 21/65 JICSTファイル(JOIS)
Claims (6)
- 【請求項1】 減衰の大きな遷移金属表面付近に存在す
る試料からのラマン散乱光を、試料に焦点を置く照射・
集光のための光学系、及び金属表面プラズモンを励起す
るためのATR−SPP光学系により増強することを特
徴とするラマンスペクトル増強装置。 - 【請求項2】 前記金属は、金・銀・銅の他に白金・ニ
ッケル等の誘電率の虚部が大きな遷移金属であることを
特徴とする請求項1記載のラマンスペクトル増強装置。 - 【請求項3】 前記試料は、固体、液体、気体またはそ
の混合物であり、耐薬品製材料例えばテフロン製セルに
保持されたバイヤシュトラスプリズムと空隙厚さを制御
するための耐薬品性材料製ベローズの先端に固定した金
属基板を有するデバイスを備え、任意の溶液中の試料へ
適用可能にしたことを特徴とする請求項1記載のラマン
スペクトル増強装置。 - 【請求項4】 前記照射・集光のため光学系は、球面収
差のないことを特徴とし、プリズム底面への入射角が0
−60度で可変であり、試料からの0−60度の極角及
び0−360度の方位角に放射される散乱光を集光でき
ることを特徴とする請求項1記載のラマンスペクトル増
強装置。 - 【請求項5】 前記ATR−SPP光学系は屈折率1.
7以上の高屈折率ガラスまたは結晶材料製のバイヤシュ
トラス型プリズムと金属基板固定用二軸サスペンジョ
ン、マイクロメータヘッドからなることを特徴とする請
求項1記載のラマンスペクトル増強装置。 - 【請求項6】減衰の大きな遷移金属の基板と、前記遷移
金属の基板の表面近傍に位置する試料に照射する可視光
のP−偏向光を生成する可視光照射装置と、前記試料の
表面に焦点を置き前記可視光照射装置からの可視光のP
−偏向光を前記試料に所定の入射角で照射する照射光学
系と、第一のレンズと第二のレンズを共通光軸上に備え
前記試料から発生するラマン散乱光を集光する集光光学
系と、前記第一のレンズと第二のレンズとの間に配置さ
れている光検出器とを備え、前記光検出器の出力によっ
て前記入射角を表面プラズモンの共鳴角に調整するよう
に構成したことを特徴とする請求項1記載のラマンスペ
クトル増強装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9355596A JP3101707B2 (ja) | 1996-03-22 | 1996-03-22 | ラマン散乱光増強装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9355596A JP3101707B2 (ja) | 1996-03-22 | 1996-03-22 | ラマン散乱光増強装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09257578A JPH09257578A (ja) | 1997-10-03 |
JP3101707B2 true JP3101707B2 (ja) | 2000-10-23 |
Family
ID=14085507
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9355596A Expired - Lifetime JP3101707B2 (ja) | 1996-03-22 | 1996-03-22 | ラマン散乱光増強装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3101707B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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