JP2004053300A - 巻尺 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ケース1内に立設する軸2に、テープ4を周囲に巻回し且つそのテープ4を巻き込み方向に付勢するコイルバネ5が内装された回転ドラム3を軸支する巻尺の軸2と回転ドラム3との間に、金属または樹脂からなる適宜の摩擦低減手段6を設ける。また、回転ドラム3とケース1の内壁との間に、金属または樹脂からなる適宜の摩擦低減手段6を設ける。
【選択図】 図1
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、テープをケース内に巻き取り収納可能な巻尺に関し、特にテープ巻き取り時の回転ドラムの回転摩擦抵抗を小さくした巻尺に関するものである。
【0002】
【従来技術と問題点】
今日、巻尺の多くは、測定用のテープを自動的に巻き取る自動巻取式のものが広く用いられており、それは、巻胴部にテープを巻回すると共にそのテープを巻取る付勢手段となるコイルバネが内装された回転ドラムと、その回転ドラムを収納するケースとから構成されている。
通常、テープはケース内に収納されているため、測定に際しては、ケースのテープ出入口に係止するテープ先端に設けられている係止片を指で引き、それに続いて引き出されたテープを適当に引き出して所望の測定が行われる。
【0003】
そして、測定が終了してテープをケース内に収容する際は、テープ制動装置また手によって停止させられているテープの制動を解除することにより、テープはケース内の回転ドラムに内装されたコイルバネによって自動的にケース内に巻き取られ、テープ先端の係止片がテープ出入口に係止されることによってテープの巻き取りが終了する。
また、テープ出入口には衝撃緩衝部材が設けられて、相当な速度でテープ出入口に衝突する係止片の衝突エネルギーを緩和(吸収作用も含む)している。
【0004】
この巻尺においては、そのケースやテープを巻回する回転ドラム等が成型性に優れる樹脂素材を用いた一体成型によって形成されているのが普通である。
従って、回転ドラムはテープの引き出しまた巻き取りの際の樹脂どうしの融着を阻止するため、回転ドラムと軸の基部との間には隙間が設けられている。すなわち、回転ドラムは軸に遊嵌状態で軸支されることになるので、軸に接触したりまたケース内壁に接触しての回転となり、その回転は、極めて大きな摩擦抵抗(接触抵抗)下での回転となる。
【0005】
このため、テープを巻き取るコイルバネはその摩擦抵抗が加味された設計となり、回転ドラムがギクシャクすることなくスムースに回転できるよう必然的に高トルクのコイルバネが使用されるのである。
この高トルクのコイルバネは、バネ材の厚さをより厚くしたり、また、バネ材の幅をより広くしたり、また、バネ長をより長くしたり、さらには、硬度が上げられることによって高トルクを発生できるようになっている。
【0006】
しかし、高トルクのコイルバネの使用により、テープを引き出す際はその引き出しの力を多く必要とし、また、テープが巻き取られる際は高速で一気にテープが巻き取られるため、テープエッジで指等に切り傷を負う危険やテープフックの寿命が短かった。さらには、コイルバネの重量が重くなる分、巻尺自体の重量も重くなり且つ大型になっていた。当然ながらコストも上昇している。
他にも、回転ドラムの振動からテープ引き込み時の音も大きく、価格の割には安っぽさを感ずるものであった。
【0007】
従来、これらの欠点はその一つに焦点が絞られ、一欠点に対し一改善案が提案され適宜の改善が実施されて、とりあえずは一応の成果が上っている。
しかして、本出願人は、回転ドラムが回転する時の摩擦抵抗を小さくすることにより、合理的且つ成型が極めて容易な樹脂素材を用いてなる一体成型方法を変えることなく、従来から巻尺が抱えている上述するような種々の欠点をまとめて解決できるのではないかと鋭意検討を開始した。
【0008】
【目的】
本発明は上述した問題点に鑑みてなされたもので、本出願人は、回転ドラムの回転時の摩擦抵抗を小さくすることにより、従来から巻尺が抱えている種々の欠点をまとめて解決できることを見出し、その結果において、軸と回転ドラムとの間または回転ドラムとケース内壁との間の摩擦抵抗を小さくすることができる巻尺を提供することを目的とするものである。
【0009】
【問題を解決するための手段】
本発明の要旨とするところの態様1は、ケース内に立設する軸に回転ドラムを軸支し、テープを回転ドラムの周囲に巻回し且つそのテープを巻き込み方向に付勢する付勢手段を内装した巻尺において、前記軸と回転ドラムとの間に金属または樹脂からなる適宜の摩擦低減手段が設けられていることを特徴とする巻尺である。
【0010】
本発明の巻尺を詳しく説明すると、ケースとは、測定用のテープを収容する部材であり巻尺の本体でもある。
ケースは、所望の形状に適宜形成された樹脂素材から形成されており、そのケース内の側壁に軸が立設され、その軸にメモリが印刷された測定用のテープを周囲に巻回した回転ドラムが軸支されている。また、その回転ドラムの内部にはテープを巻き取るためのコイル状の巻き取りバネが設けられており、テープは巻き取り方向に付勢されている。
そして、ケースは成形性に優れた樹脂素材を用いて一体的に成型されるものに限定されるものではなく、金属素材等の他の素材を用いてなるケースでもよい。
【0011】
軸は、前述のようにケース内側壁に立設されているが、その立設形態は収容するテープの長さや幅また素材等により適宜の構造また方法が用いられて立設されている。
具体的な立設例としては、軸の一端面または両端面に雌ネジが螺刻されて、その雌ネジに、ケース外方から雄ネジがケースの側壁に有する通孔を通過して螺着されそれによって軸がケース内側壁に固定されて立設される。また、軸をケースの成型時に、ケースと共に軸をも一体的に成型することによって軸がケース内側壁に立設される。
【0012】
そして、軸の設置においては、軸のみが立設されている場合もあり、この場合、回転ドラムは軸本体に嵌っている。しかして、軸の周囲に、軸に近接させてまたは適宜に離して適宜の高さの突条等が設けられている場合もあり、この場合、回転ドラムは軸本体に嵌っていたりあるいはその突条に嵌っていたりする。
従って、本明細書中の軸とは、軸本体と共に軸の周囲に形成される突条をも含むものである。すなわち、ケース内に形成されて回転ドラムが嵌っている適宜の部位(部材)をも軸の一部と解釈する。
【0013】
テープは、ケースの前壁下方に設けられているテープ出入口から出入りしており、また、テープの巻き取り終了の際にはテープ先端に有する係止片がテープ出入口に係止することにより、テープのケース内への引き込まれが阻止される。
そして、係止片は相当な速度でテープ出入口に衝突するため、そのテープ出入口には係止片の衝突エネルギーを緩和(吸収作用も含む)する衝撃緩衝部材が設けられているのが普通である。
【0014】
このように構成される巻尺の軸と回転ドラムとの間の適宜の部位に金属または樹脂からなる適宜の摩擦低減手段を設ける。摩擦低減手段とは、軸と回転ドラムとの間に設けられた(介在も含む)軸と回転ドラムとの回転時の適宜の摩擦抵抗を減少させるために働くものである。
そして、その摩擦低減手段を構成(形成)するものは、摩擦低減として直接的に働く部材(形状も含む)または間接的に働く部材(形状も含む)を問わず、摩擦低減手段と解釈されるものである。また、その形態も単品からなる場合、あるいは、複数の部材が組み合わされてなる場合もある。
【0015】
この摩擦低減手段として特に好適な形態を示すと、適宜のベアリング部材が上げられ、そのベアリング部材を軸と回転ドラムとの間に設けるのである。すなわち、軸と回転ドラムとの間にベアリング部材を介在させる。
この部位に適したベアリング部材は、外側の環体と内側の環体との間に多数の球体を介在させ、外側の環体と内側の環体がそれぞれ自由に回転できるように且つ回転摩擦抵抗を極端に小さくして回転可能に構成されているものがよい。
勿論、この構成のベアリング部材に限定されるものではなく、好適な構成からなるベアリング部材を用いればよい。
【0016】
上述のベアリング部材の介在においての具体例としては、ベアリング部材の内側の環体中央に有する通孔を軸に挿入すると共に固定し、そのベアリング部材の外側の環体の外周に回転ドラムを嵌挿したり、また、回転ドラムの中央に形成された孔にベアリング部材の外側の環体の外周を挿入すると共に固定し、そのベアリング部材の内側の環体中央に有する通孔を軸に嵌挿してもよい。
勿論、これに限定されるものではなく、好適な形態また方法で介在させればよい。
【0017】
摩擦低減手段として他の好適な形態を示すと、メタル部材が上げられ、そのメタル部材を軸と回転ドラムとの間に設けるのである。すなわち、軸と回転ドラムとの間にメタル部材を介在させる。
この部位に適したメタル部材は、一般的な筒状のものでもよく、また、その一端に外方に突出するひさし等を形成したものでもよく、さらに、断面形状で見て略円形すなわちリング状に形成してもよい。そして、摩擦低減手段としてのメタル部材は、ワッシャ/シート/ブッシュ等も含むものである。
さらには、メタル部材を2層構造とし且つそのそれぞれが同方向また反対方向に摺動できるように構成したものでもよい。すなわち、メタル部材に有する孔にメタル部材が摺動可能に嵌っているのである。
【0018】
メタル部材の介在においての具体例として、一般的な筒状のものは、メタル部材に有する通孔を軸に挿入すると共に固定し、そのメタル部材の外周に回転ドラムを嵌挿したり、また、回転ドラムの中央に形成された通孔にメタル部材の外周を挿入すると共に固定し、そのメタル部材に有する通孔を軸に嵌挿してもよい。また、メタル部材の一端に外方に突出するひさしを形成したものは、そのひさしを回転ドラムの側壁の外側に位置させるのがよい。
【0019】
そして、メタル部材を2層構造とし且つそのそれぞれが同方向また反対方向に摺動できるように構成したものとして、それは、内層のメタル部材の外側に外層のメタル部材が摺動可能に嵌まっているので、内層のメタル部材に有する通孔を軸に挿入すると共に固定し、外層のメタル部材の外周を回転ドラムの中央に形成された通孔に挿入すると共に固定してもよい。
勿論、上述のメタル部材の介在形態はこれに限定されるものではなく、好適な形態また方法で介在させればよい。また、メタル部材の種類も特に限定するものではなく、一般的な乾いたものまた含油されたものを選定して用いればよい。
【0020】
摩擦低減手段として他の好適な形態を示すと、突起または突条が上げられ、その突起または突条を軸および/または回転ドラムに形成するのである。すなわち、軸と回転ドラムの間に突起または突条を介在させる。
それは、突起または突条を軸に形成する場合と、回転ドラムすなわち回転ドラムの中央に形成された孔に形成する場合とがあり、その形成は、樹脂の場合は軸そして回転ドラムの成型の時に一体的に形成したり、また、他の保持部材に所定の方法(一体成型や接着等)で形成して、その保持部材を軸また回転ドラムに固定的にあるいは嵌着的に取り付けるようにしてもよい。金属の場合は、インサートまたオンサート成型によって固定してもよい。
【0021】
そして、その突起または突条は、軸または回転ドラムの一方に設けるようにしてもよいが、軸と回転ドラムの両方に設けてもよい。
軸または回転ドラムの一方に設けた場合の具体的な形態としては、軸に設けた場合は、突起または突条の頂部が回転ドラムの軸に嵌る孔の周壁にほぼ接触できるようにするのがよい。また、回転ドラムすなわち回転ドラムの中央に形成された孔に設けた場合は、突起または突条の頂部が軸の周壁にほぼ接触できるようにするのがよい。
【0022】
そして、軸と回転ドラムの両方に設けた場合の具体的な形態としては、軸に設けた突起または突条の頂部が回転ドラムの軸に嵌る孔の周壁にほぼ接触できるようにし、また、回転ドラムの軸に嵌る孔の周壁に設けた突起または突条の頂部が軸の周壁にほぼ接触できるようにするのがよい。
また、軸と回転ドラムに設けられている突起または突条の頂部どうしがほぼ接触する状態に当接してもよい。
勿論、突起または突条の介在そして頂部の接触等の形態はこれに限定されるものではない。また、突起または突状をほぼ接触させる部位に溝や突状等の案内手段を形成してもよい。
【0023】
上述の突起または突条の形状も特に限定するものでは何でもよいが、具体的には、その頂部が接触した際に摺動抵抗を小さくすることができる形状がよい。
例えば、突起であればその頂部の形状を略球状また略半球状とするのがよく、また、突条であればその頂部の形状を断面略逆U字状とするのがよい。その突条の長さも特に限定するものではなく、軸または回転ドラムの軸に嵌る孔の全周に設けてもよいが、望ましくは3点で支持できるように3箇所に形成するのがよい。また、突起においても3点で支持できるようにその形成数は3つがよい。勿論、突起または突条の形状やその設置数もこれに限定されるものではない。
【0024】
摩擦低減手段として他の好適な形態を示すと、球体が上げられ、その球体を軸および/または回転ドラムに形成された窪みに遊嵌するのである。すなわち、軸と回転ドラムの間に球体を介在させる。その窪みとは、球体を遊嵌することができればどのような形態でもよく、その球体とほぼ同形状としたり、立方形状としてもく、また、溝状にしてもよい。球体は表面から遊嵌するが、裏面側から遊嵌してもよく、その場合は、裏面側に脱落しないように保持部材を設ける。
それは、球体を遊嵌する窪みを軸に形成する場合と、回転ドラムすなわち回転ドラムの中央に形成された孔に形成する場合とがあり、その形成は、軸そして回転ドラムの成型の時に一体的に形成したり、また、他の保持部材に一体的に形成して、その保持部材を軸または回転ドラムに固定的に取り付けるようにしてもよい。金属の場合は、インサートまたオンサート成型によって固定してもよい。
【0025】
そして、その球体を遊嵌する窪みは、軸または回転ドラムの一方に設けるようにしてもよいが、勿論、軸と回転ドラムとの両方に設けてもよい。
軸または回転ドラムの一方に設けた場合の具体的な形態としては、軸に設けた場合は、球体をその窪みに遊嵌させると共に球体が回転ドラムの軸に嵌る孔の周壁にほぼ接触できるようにするのがよい。また、回転ドラムすなわち回転ドラムの中央に形成された孔に設けた場合は、球体が軸の周壁にほぼ接触できるようにするのがよい。
【0026】
そして、軸と回転ドラムとの両方に設けた場合の具体的な形態としては、軸に設けた窪みに球体を遊嵌させると共に球体が回転ドラムの軸に嵌る孔の周壁にほぼ接触できるようにし、また、回転ドラムの軸に嵌る孔の周壁に設けた窪みに球体を遊嵌させると共に球体が軸の周壁にほぼ接触できるようにするのがよい。
また、軸と回転ドラムとに設けられている球体の頂点どうしがほぼ接触する状態に当接してもよい。ここで、球体を固定的に設けた場合は上述の突起と解釈されるものである。
勿論、球体の介在そして頂点の接触等の形態はこれに限定されるものではない。また、球体をほぼ接触させる部位に溝や突状等の案内手段を形成してもよい。
【0027】
そして、球体を遊嵌する窪みの形状やその深度等も特に限定するものではないが、軸と回転ドラムがセットされた時、窪みから球体が外れないようになっていなければならない。球体の介在数も特に限定するものではないが、望ましくは3点で支持できるように3箇所に形成するのがよい。
また、窪みへの球体の嵌め込みにおいても、窪みへ球体を嵌めておいてから軸と回転ドラムとをセットするようにしたり、あるいは、軸と回転ドラムとをセットした後で窪みへ球体を嵌め込むようにしてもよい。後者の場合は、球体を圧挿状態で嵌め込むようになるので、軸および/または回転ドラムの形成に用いる素材は適当な弾性を有する素材を使用するのがよい。
【0028】
そして、摩擦低減手段が2つまたはそれ以上設けた時、そのそれぞれをまたは適宜のものを異種の素材で形成してもよい。具体例としては、軸と回転ドラムのそれぞれに、上述する突起または突条、球体を設けた場合、軸と回転ドラムとで使用する素材を異種の素材、例えば、樹脂素材でも摩擦係数が異なる素材(ナイロン/ABS)、また、樹脂素材や金属素材といったように、そのそれぞれを異種の素材で形成するようにしてもよい。
また、摩擦低減手段が2つまたはそれ以上設けられる時、そのそれぞれの間または適宜のものの間に適宜の形状、例えば、筒体等の介在部材を設けてもよい。
【0029】
さらには、上述する摩擦低減手段すなわちベアリング部材/メタル部材/突起または突条/球体は、軸および/または回転ドラムの一方だけに設けるようにしても構わないが、所望により両方に設けるようにしても構わない。
本発明では、付勢手段としてのコイルバネが低トルクであることをも1つの特長とするものである。コイルバネによるテープの巻き取りトルクの大きさは、テープの材質、幅、厚み、長さなどにより決まるが、本発明に係るコイルバネのトルクは、従来型のコイルバネのトルクより5乃至30%程度小さい。この低トルクのコイルバネは、本発明のいずれの実施態様でも応用される。
【0030】
本発明の要旨とするところの態様2は、ケース内に立設する軸に回転ドラムを軸支し、テープを回転ドラムの周囲に巻回し且つそのテープを巻き込み方向に付勢する付勢手段が内装され、更に、その回転ドラムがケース内壁に摺動案内される巻尺において、回転ドラムとケース内壁との間に金属または樹脂からなる適宜の摩擦低減手段が設けられていることを特徴とする巻尺である。
その巻尺のケース、軸、テープの詳しい説明は、上述の態様1を説明した際の説明と同様であるので、それを以ってケース、軸、テープの説明とする。
また、回転ドラムがケース内壁に摺動案内されるとは、軸に遊嵌されて回転する回転ドラムは、その遊嵌ゆえ定まった軌跡で回転することができず、回転姿勢が崩れた時にケース内壁に接触しての回転となることである。しかして、常にケース内壁に接触しての回転ではなく、その回転姿勢が崩れた際に接触しながら回転する。
【0031】
このように構成される巻尺の回転ドラムとケース内壁との間の適宜の部位に金属または樹脂からなる適宜の摩擦低減手段を設ける。摩擦低減手段とは、軸と回転ドラムとの間に設けられた(介在も含む)軸と回転ドラムとの回転時の適宜の摩擦抵抗を減少させるために働くものである。
そして、その摩擦低減手段を構成(形成)するものは、摩擦低減として直接的に働く部材(形状も含む)または間接的に働く部材(形状も含む)を問わず、摩擦低減手段と解釈されるものである。また、その形態も単品からなる場合、あるいは、複数の部材が組み合わされてなる場合もある。
【0032】
この摩擦低減手段として特に好適な形態を示すと、適宜のベアリング部材が上げられ、そのベアリング部材を回転ドラムとケース内壁との間に設けるのである。すなわち、回転ドラムとケース内壁との間にベアリング部材を介在させる。
この部位に適したベアリング部材は、回動自在に支持(軸支も含む)されている多数の棒体が、同一面上に且つその中心を向心させて環状に並設されている筒状ベアリング等と呼ばれるものがよいが、勿論、この構成のベアリング部材に限定されるものではなく、好適な構成からなるベアリング部材を用いればよい。
【0033】
上述のベアリング部材の介在においての具体例としては、ベアリング部材を回転ドラム外側壁の適宜の部位に固定し、ベアリング部材の回転体をケース内壁にほぼ接触させてもよい。また、ベアリング部材をケース内壁の適宜の部位に固定し、ベアリング部材の回転体を回転ドラム外側壁にほぼ接触させてもよい。
勿論、これに限定されるものではなく、好適な形態また方法で介在させればよいが、回転ドラムの回転軌跡を一定にできるようにするのがよい。例えば、ベアリングの回転体をほぼ接触させる部位に、溝や突状等の案内手段を形成してもよい。
【0034】
摩擦低減手段として他の好適な形態を示すと、突起または突条が上げられ、その突起または突条を回転ドラム側壁および/またはケース内壁に形成するのである。すなわち、回転ドラム外側壁とケース内壁の間に突起または突条を介在させる。
それは、突起または突条を回転ドラム外側壁に形成する場合と、ケース内壁に形成する場合とがあり、その形成は、樹脂の場合は回転ドラムそしてケースの成型の時に一体的に形成したり、また、他の保持部材に所定の方法(一体成型や接着等)で形成して、その保持部材を回転ドラム外側壁またケース内壁に固定的にあるいは嵌着的に取り付けるようにしてもよい。金属の場合は、インサートまたオンサート成型によって固定してもよい。
【0035】
そして、その突起または突条は、回転ドラム外側壁またはケース内壁の一方に設けるようにしてもよいが、勿論、回転ドラム外側壁とケース内壁の両方に設けてもよい。
回転ドラム外側壁またはケース内壁の一方に設けた場合の具体的な形態としては、回転ドラム外側壁に設けた場合は、突起または突条の頂部がケース内壁にほぼ接触できるようにするのがよい。また、ケース内壁に設けた場合は、突起または突条の頂部が回転ドラム外側壁にほぼ接触できるようにするのがよい。
【0036】
そして、回転ドラム外側壁とケース内壁の両方に設けた場合の具体的な形態としては、回転ドラム外側壁に設けた突起または突条の頂部がケース内壁にほぼ接触できるようにし、また、ケース内壁に設けた突起または突条の頂部が回転ドラム外側壁にほぼ接触できるようにするのがよい。
また、回転ドラム外側壁とケース内壁に設けられている突起または突条の頂部どうしがほぼ接触する状態に当接してもよい。
勿論、突起または突条の介在そして頂部の接触等の形態はこれに限定されるものではない。また、回転ドラムの回転軌跡を一定にできるように、突起または突状をほぼ接触させる部位に溝や突状等の案内手段を形成してもよい。
【0037】
上述の突起または突条の形状も特に限定するものでは何でもよいが、具体的には、その頂部が接触した際に摺動抵抗を小さくすることができる形状がよい。
例えば、突起であればその頂部の形状を略球状また略半球状とするのがよく、また、突条であればその頂部の形状を断面略逆U字状とするのがよい。その突条の長さも特に限定するものではなく、回転ドラム外側壁またはケース内壁の適宜部位に環状に設けてもよいが、望ましくは3点で支持できるように3箇所に形成するのがよい。また、突起においても3点で支持できるようにその形成数は3つがよい。勿論、突起または突条の形状やその設置数もこれに限定されるものではない。
【0038】
摩擦低減手段として他の好適な形態を示すと、球体が上げられ、その球体を回転ドラムおよび/またはケース内壁に形成された窪みに遊嵌するのである。すなわち、回転ドラムとケース内壁の間に球体を介在させる。その窪みとは、球体を遊嵌することができればどのような形態でもよく、その球体とほぼ同形状としたり、立方形状としてもく、また、溝状にしてもよい。球体は表面から遊嵌するが、裏面側から遊嵌してもよく、その場合は、裏面側に脱落しないように保持部材を設ける。
それは、球体を遊嵌する窪みを回転ドラム外側壁に形成する場合と、ケース内壁に形成する場合とがあり、その形成は、回転ドラムそしてケースの成型の時に一体的に形成したり、また、他の保持部材に一体的に形成して、その保持部材を回転ドラム外側壁またはケース内壁に固定的に取り付けるようにしてもよい。金属の場合は、インサートまたオンサート成型によって固定してもよい。
【0039】
そして、その球体を遊嵌する窪みは、回転ドラム外側壁またはケース内壁に設けるようにしてもよいが、勿論、回転ドラム外側壁とケース内壁の両方に設けてもよい。
回転ドラム外側壁またはケース内壁の一方に設けた場合の具体的な形態としては、回転ドラム外側壁に設けた場合は、球体をその窪みに遊嵌させると共に球体がケース内壁にほぼ接触できるようにするのがよい。また、ケース内壁に設けた場合は、球体が回転ドラム外側壁にほぼ接触できるようにするのがよい。
【0040】
そして、回転ドラム外側壁とケース内壁の両方に設けた場合の具体的な形態としては、回転ドラム外側壁に設けた窪みに球体を遊嵌させると共に球体がケース内壁にほぼ接触できるようにし、また、ケース内壁に設けた窪みに球体を遊嵌させると共に球体が回転ドラム外側壁にほぼ接触できるようにするのがよい。
また、回転ドラム外側壁とケース内壁に設けられている球体の頂点どうしがほぼ接触する状態に当接してもよい。ここで、球体を固定的に設けた場合は上述の突起と解釈されるものである。
勿論、球体の介在そして頂点の接触等の形態はこれに限定されるものではない。また、回転ドラムの回転軌跡を一定にできるように、球体をほぼ接触させる部位に溝や突状等の案内手段を形成してもよい。
【0041】
そして、球体を遊嵌する窪みの形状やその深度等も特に限定するものではないが、回転ドラムが軸に嵌り、その回転ドラム外側壁とケース内壁との位置が決まった時、窪みから球体が外れないようになっていなければならない。球体の介在数も特に限定するものではないが、望ましくは3点で支持できるように3箇所に形成するのがよい。勿論、突起または突条の形状やその設置数もこれに限定されるものではない。
また、窪みへの球体の嵌め込みにおいても、窪みへ球体を嵌めておいてから回転ドラム外側壁とケース内壁との位置を決めるようにしたり、あるいは、回転ドラム外側壁とケース内壁との位置を決めた後で窪みへ球体を嵌め込むようにしてもよい。後者の場合は、球体を圧挿状態で嵌め込むようになるので、特に回転ドラムの形成に用いる素材は適当な弾性を有する素材を使用するのがよい。
【0042】
そして、摩擦低減手段が2つまたはそれ以上設けた時、そのそれぞれをまたは適宜のものを異種の素材で形成してもよい。具体例としては、回転ドラム外側壁とケース内壁のそれぞれに、上述する突起または突条、球体を設けた場合、回転ドラム外側壁とケース内壁とで使用する素材を異種の素材、例えば、樹脂素材でも摩擦係数が異なる素材(ナイロン/ABS)、また、樹脂素材や金属素材といったように、そのそれぞれを異種の素材で形成するようにしてもよい。
また、摩擦低減手段が2つまたはそれ以上設けられる時、そのそれぞれの間または適宜のものの間に適宜の形状、例えば、環体等の介在部材を設けてもよい。
【0043】
さらには、上述する摩擦低減手段すなわちベアリング部材/突起または突条/球体は、回転ドラム外側壁および/またはケース内壁の一方だけに設けるようにしても構わないが、所望により両方に設けるようにしても構わない。
本発明の要旨とするところの態様3は、ケース内に立設する軸に回転ドラムを軸支し、テープを回転ドラムの周囲に巻回し且つそのテープを巻き込み方向に付勢する付勢手段が内装され、更に、その回転ドラムがケース内壁に摺動案内される巻尺において、軸と回転ドラムとの間に金属または樹脂からなる適宜の第1摩擦低減手段が設けられ且つ回転ドラムとケース内壁との間に金属または樹脂からなる適宜の第2摩擦低減手段が設けられていることを特徴とする巻尺である。
【0044】
その巻尺のケース、軸、テープの詳しい説明は、上述の態様1を説明した際の説明と同様であるので、それを以ってケース、軸、テープの説明とする。
このように構成される巻尺の軸と回転ドラムとの間および回転ドラムとケース内壁との間に金属または樹脂からなる適宜の摩擦低減手段を設けている。
軸と回転ドラムとの間には第1摩擦低減手段が設けら、また、回転ドラムとケース内壁との間には第2摩擦低減手段が設けられる。
第1摩擦低減手段の説明は、上述の態様1を説明した際の説明と同様であり、また、第2摩擦低減手段の説明は、上述の態様2を説明した際の説明と同様であるので、それを以って第1摩擦低減手段および第2摩擦低減手段の説明とする。
【0045】
【作用】
本発明の巻尺は以上のように構成されているので、摩擦低減手段にベアリング部材を使用するものは、接触による摩擦の発生部位がベアリング部材に収容されているベアリングの頂点部となるので、その接触抵抗は無視可能なレベルまで低下する。
【0046】
摩擦低減手段にメタル部材を使用するものは、接触による摩擦の発生部位がベメタル部材の滑らかな外周および/または内周の周壁部となるので、その接触抵抗は無視可能なレベルまで低下する。
また、メタル部材の断面が略円形すなわちリング状である場合は、さらにその接触抵抗は低下する。
【0047】
摩擦低減手段に突起または突状を使用するものは、接触による摩擦の発生部位が突起または突状の頂点部となるので、その接触抵抗は無視可能なレベルまで低下する。
また、その突起または突状が3点支持可能に形成されている場合は、さらにその接触抵抗は低下する。
【0048】
摩擦低減手段に球体を使用するものは、接触による摩擦の発生部位が球体の頂点部となるので、その接触抵抗は無視可能なレベルまで低下する。
また、その球体が3点支持可能に形成されている場合は、さらにその接触抵抗は低下する。
【0049】
そして、軸と回転ドラムとの間に摩擦低減手段を設けているものは、回転ドラムの回転軌跡が一定となり回転ドラムがバタツクことなく回転する。また、ケース内壁と回転ドラムとの間に摩擦低減手段を設けている場合も、その摩擦低減手段が回転ドラムの軌跡を一定にする構造で設けられていることにより、回転ドラムの回転軌跡が一定となり回転ドラムがバタツクことなく回転する。
【0050】
【実施例】
本発明の巻尺を以下図面に従って説明すると、図1は、摩擦低減手段を軸と回転ドラムとの間に設けた巻尺の断面図である。図2は、摩擦低減手段を回転ドラムとケース内壁との間に設けた巻尺の断面図である。図3は、摩擦低減手段を、軸と回転ドラムおよび回転ドラムとケース内壁との間に設けた巻尺の断面図である。
1は巻尺のケース、2はケース1の内壁に立設された軸、21は軸2の軸基部である。この軸基部21は、軸2の立設構造により形成されていない巻尺もあるが、その場合、回転ドラム3は直接軸2に摺動する。
【0051】
3は回転ドラム、4は回転ドラム3の周囲に巻回されているテープ、5はテープ4を巻き込み方向に付勢するコイルバネである。6が摩擦低減手段である。
図4は、軸と回転ドラムとの間の摩擦低減手段の設置例を示す図である。
(a)図は、摩擦低減手段6としてベアリング部材60を用いたもので、軸2の軸基部21と回転ドラム3との間に介在する。
(b)図は、摩擦低減手段6としてメタル部材62を用いたもので、軸2の軸基部21と回転ドラム3との間に介在する。
【0052】
(c)図は、摩擦低減手段6として一メタル部材を用いているものであるが、本メタル部材は、外方に突出するひさしが形成されたひさし型621のもので、軸2の軸基部21と回転ドラム3との間に介在する。また、ひさしは回転ドラム3とケース1の内壁との間に介在する。
(d)図は、摩擦低減手段6として一メタル部材を用いているものであるが、本メタル部材は、断面略円形のリング型622のもので、軸2の軸基部21と回転ドラム3との間に介在する。
【0053】
(e)図は、摩擦低減手段6として一メタル部材を用いているものであるが、本メタル部材は、外環Aと内環Bからなる2つ重ねられてそのそれぞれが摺動可能になっている2層型623のもので、軸2の軸基部21と回転ドラム3との間に介在する。
(f)図は、摩擦低減手段6として突起63を用い、その突起63を回転ドラム3に形成している。突起63は、軸2の軸基部21と回転ドラム3との間に介在する。
【0054】
(g)図は、摩擦低減手段6として突起63を用い、その突起63を軸2の軸基部21に形成している。突起63は、軸2の軸基部21と回転ドラム3との間に介在する。
(h)図は、摩擦低減手段6として突起63を用い、その突起63を保持部材Cに形成し、その保持部材Cを回転ドラム3に設けている。突起63は、軸2の軸基部21と回転ドラム3との間に間接的に介在する。
【0055】
(i)図は、摩擦低減手段6として突起63を用い、その突起63を保持部材Cに形成し、その保持部材Cを軸2の軸基部21に設けている。突起63は、軸2の軸基部21と回転ドラム3との間に間接的に介在する。
(j)図は、摩擦低減手段6として球65を用い、その球65を回転ドラム3の窪み11に遊嵌している。球65は、軸2の軸基部21と回転ドラム3との間に介在する。
【0056】
(k)図は、摩擦低減手段6として球65を用い、その球65を軸2の軸基部21の窪み11に遊嵌している。球65は、軸2の軸基部21と回転ドラム3との間に介在する。
(l)図は、摩擦低減手段6として球65を用い、その球65を回転ドラム3の窪み11および軸2の軸基部21の窪み11に遊嵌している。球65は、軸2の軸基部21と回転ドラム3との間に介在する。
【0057】
(m)摩擦低減手段6として球65を用い、その球65を保持部材Cの窪み11に遊嵌し、その保持部材Cを回転ドラム3に設けている。球65は、軸2の軸基部21と回転ドラム3との間に間接的に介在する。
(n)摩擦低減手段6として球65を用い、その球65を保持部材Cの窪み11に遊嵌し、その保持部材Cを軸2の軸基部21に設けている。球65は、軸2の軸基部21と回転ドラム3との間に間接的に介在する。
【0058】
(o)図は、摩擦低減手段6として突起63を用い、その突起63を回転ドラム3および軸2の軸基部21に形成している。突起63は、軸2の軸基部21と回転ドラム3との間に介在する。
(p)図は、摩擦低減手段6として球65を2つ用い、一方の球65を回転ドラム3の窪み11に遊嵌し、他方の球65を軸2の軸基部21の窪み11に遊嵌し、それぞれの球65の間に介在部材Dを介在している。球65は、軸2の軸基部21と回転ドラム3との間に間接的に介在する。
【0059】
(q)図は、摩擦低減手段6のベアリング部材60を軸2の両端に設けているものである。設置形態としては(a)図と同じものである。
(r)図は、摩擦低減手段6の一メタル部材であるひさし型621を軸2の両端に設けているものである。設置形態としては(b)図と同じものである。
(s)図は、突起63を3点支持状に回転ドラム3に設けているものを示している。
(t)図は、球65を3点支持状に回転ドラム3に遊嵌しているものを示している。
【0060】
図5は、回転ドラムとケース内壁との間の摩擦低減手段の設置例を示す図である。
(a)図は、摩擦低減手段6としてベアリング部材61を用いたもので、回転ドラム3とケース1内壁との間に介在する。
(b)図は、(a)図を上から見た図で、回転ドラム3を透視して見ているものである。ベアリング部材61は、筒状のベアリング611を放射状に設けているものであり、それが軸2の軸基部21周囲に設置されている。
【0061】
(c)図は、摩擦低減手段6として突起63を用い、その突起63を回転ドラム3に形成している。突起63は、回転ドラム3とケース1内壁との間に介在する。
(d)図は、摩擦低減手段6として突起63を用い、その突起63をケース1内壁に形成している。突起63は、回転ドラム3とケース1内壁との間に介在する。
(e)図は、摩擦低減手段6として突起63を用い、その突起63を回転ドラム3に形成し、突起63がケース1内壁の窪み11に係合されている。突起63は、回転ドラム3とケース1内壁との間に介在する。
【0062】
(f)図は、摩擦低減手段6として突起63を用い、その突起63を保持部材Cに形成し、その保持部材Cを回転ドラム3に設けている。突起63は、回転ドラム3とケース1内壁との間に間接的に介在する。
(g)図は、摩擦低減手段6として突起63を用い、その突起63を保持部材Cに形成し、その保持部材Cをケース1内壁に設けている。突起63は、回転ドラム3とケース1内壁との間に間接的に介在する。
【0063】
(h)図は、摩擦低減手段6として球65を用い、その球65を回転ドラム3の窪み11に遊嵌している。球65は、回転ドラム3とケース1内壁との間に介在する。
(i)図は、摩擦低減手段6として球65を用い、その球65をケース1内壁の窪み11に遊嵌している。球65は、回転ドラム3とケース1内壁との間に介在する。
(j)図は、摩擦低減手段6として球65を用い、その球65を回転ドラム3の窪み11およびケース1内壁の窪み11に遊嵌している。球65は、回転ドラム3とケース1内壁との間に介在する。
【0064】
(k)図は、摩擦低減手段6として球65を用い、その球65を保持部材Cの窪み11に遊嵌し、その保持部材Cを回転ドラム3に設けている。球65は、回転ドラム3とケース1内壁との間に間接的に介在する。
(l)図は、摩擦低減手段6として球65を用い、その球65を保持部材Cの窪み11に遊嵌し、その保持部材Cをケース1内壁に設けている。球65は、回転ドラム3とケース1内壁との間に間接的に介在する。
【0065】
(m)図は、摩擦低減手段6として突起63を用い、その突起63を回転ドラム3およびケース1内壁に形成している。突起63は、回転ドラム3とケース1内壁との間に介在する。
(n)図は、摩擦低減手段6として球65を2つ用い、一方の球65をケース1内壁の窪み11に遊嵌し、他方の球65を介在部材Dの窪み11に遊嵌し、その介在部材Dを回転ドラム3とケース1内壁との間に介在させている。球65は、回転ドラム3とケース1内壁との間に間接的に介在する。
【0066】
(o)図は、摩擦低減手段6のベアリング部材61を回転ドラム3の両側に設けているものである。設置形態としては(a)図と同じものである。
(p)図は、摩擦低減手段6のベアリング部材61を2つ用いたもので、回転ドラム3とケース1内壁との間にそれぞれ介在する。
(q)図は、突起63を3点支持状にケース1内壁に設けているものを示している。
【0067】
(r)図は、球65を3点支持状にケース1内壁に遊嵌しているものを示している。
図6は、軸と回転ドラムおよび回転ドラムとケース内壁との間の摩擦低減手段の設置例を示す図である。
(a)図は、摩擦低減手段6としてベアリング部材60およびベアリング部材61を用いたもので、ベアリング部材60が軸2の軸基部21と回転ドラム3との間、ベアリング部材61が回転ドラム3とケース1内壁との間に介在する。
【0068】
(b)図は、摩擦低減手段6としてメタル部材62およびベアリング部材61を用いたもので、メタル部材62が軸2の軸基部21と回転ドラム3との間、ベアリング部材61が回転ドラム3とケース1内壁との間に介在する。
(c)図は、摩擦低減手段6として突起63を2つ用い、一方の突起63を回転ドラム3に形成し、他方の突起63をケース1内壁に形成している。突起63は、軸2の軸基部21と回転ドラム3との間および回転ドラム3とケース1内壁との間に介在する。
【0069】
(d)図は、摩擦低減手段6として球65を2つ用い、一方の球65を回転ドラム3の窪みに遊嵌し、他方の球65をケース1内壁の窪み11に遊嵌している。球65は、軸2の軸基部21と回転ドラム3との間および回転ドラム3とケース1内壁との間に介在する。
(e)図は、摩擦低減手段6として突起63と球65を用い、突起63を回転ドラム3に形成し、球65をケース1内壁の窪み11に遊嵌している。突起63は軸2の軸基部21と回転ドラム3との間、また、球65は回転ドラム3とケース1内壁との間に介在する。
【0070】
(f)図は、摩擦低減手段6として突起63を2つ用い、一方の突起63を保持部材Cに形成し、その保持部材Cを軸2の軸基部21に設け、他方の突起63を保持部材Cに形成し、その保持部材Cをケース1内壁に設けている。突起63は軸2の軸基部21と回転ドラム3との間および回転ドラム3とケース1内壁との間に間接的に介在する。
(g)図は、摩擦低減手段6として球65を2つ用い、一方の球65を保持部材Cの窪み11に遊嵌し、その保持部材Cを回転ドラム3に設け、他方の球65を保持部材Cの窪み11に遊嵌し、その保持部材Cをケース1内壁に設けている。球65は、軸2の軸基部21と回転ドラム3との間および回転ドラム3とケース1内壁との間に間接的に介在する。
【0071】
(h)図は、摩擦低減手段6としてメタル部材と突起63を用いているものである。本メタル部材は、外方に突出するひさしが形成されたひさし型621のもので、軸2の軸基部21と回転ドラム3との間に介在させ、突起63は保持部材Cに形成され、その保持部材Cをケース1内壁に設けている。本メタル部材はひさし型621であるため、軸2の軸基部21と回転ドラム3との間および回転ドラム3とケース1内壁との間に介在し、また、突起63は回転ドラム3とケース1内壁との間に間接的に介在する。
【0072】
(i)図は、摩擦低減手段6として球65を、軸2の軸基部21と回転ドラム3との間の摩擦低減用として2つ、また、回転ドラム3とケース1内壁との間の摩擦低減用として2つ用いているものである。軸2の軸基部21と回転ドラム3との間の摩擦低減用としては、一方の球65を回転ドラム3の窪み11に遊嵌し、他方の球65を軸2の軸基部21の窪み11に遊嵌し、それぞれの球65の間に介在部材Dを介在している。その球65は、軸2の軸基部21と回転ドラム3との間に間接的に介在する。そして、回転ドラム3とケース1内壁との間の摩擦低減用としては、一方の球65をケース1内壁の窪み11に遊嵌し、他方の球65を介在部材Dの窪み11に遊嵌し、その介在部材Dを回転ドラム3とケース1内壁との間に介在させている。その球65は、回転ドラム3とケース1内壁との間に間接的に介在する。
【0073】
(J)図は、摩擦低減手段6のベアリング部材60を軸2の両端に設け、また、摩擦低減手段6のベアリング部材61を回転ドラム3の両側に設けているものである。設置形態としては(a)図と同じものである。
(k)図は、突起63を3点支持状に回転ドラム3に設け、また、突起63を3点支持状にケース1内壁に設けているものを示している。
ているものを示している。
(l)図は、球65を3点支持状に回転ドラム3に設け、また、突条64を3点支持状にケース1内壁に設けているものを示している。
【0074】
【効果】
本発明の巻尺は以上のように構成されているので、摩擦低減手段を軸と回転ドラムとの間または回転ドラムとケース内壁との間に設けたことで、回転ドラム回転時の摺動抵抗(摩擦抵抗)がほとんど無視できるレベルまで低減することができ、低トルクのコイルバネの使用が可能となった。
これにより、低トルクのコイルバネの一つである薄いコイルバネや細幅のコイルバネを使用することで、巻尺の小型化ができる。そして、コイルバネの自重も軽いので、巻尺の軽量化ができる。
【0075】
また、摩擦低減手段により回転ドラムの回転が極めてスムースになり、テープを引き出す際も弱い力で引き出すことができる。そして、低トルクのコイルバネにより、引き出されたテープを巻き取る際の巻き取りスピードも遅く緩やかで、その巻き取りの際にテープエッジで指等に切り傷を負う危険もなく、安全性の向上ができる。
さらに、テープの巻き取りスピードが遅く緩やかであるため、テープやテープ先端に設けられているテープフックの寿命を長くすることができる。すなわち、巻尺が長持ちする。
【0076】
さらには、ケースや各部材の強度を低トルクのコイルバネに見合ったものにすることができ、これにより、巻尺の製造原価を低減することができ、極めて高いコストダウンをすることができる。
そして、回転ドラムの回転が安定することから、回転ドラムの振動も極めて低くなり、また、テープ引き込み時に回転ドラムから発生する音も極めて低くなるので、人の五感に高精度感を強く訴えることができる製品となって、製品に高級感が醸し出される。
【0077】
上述の効果においては、従来、その一つに焦点が絞られ、一欠点に対し一改善案が提案され適宜の改善が実施されていたが、本発明の実施により、それらをまとめて解決することができる。
また、本発明は、ケース等の部材形成方法として確立されている合理的且つ成型が極めて容易な樹脂素材を用いてなる一体成型方法を変えることなく実施することができる。従って、今後の巻尺の一指針となる極めて優れた発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】摩擦低減手段を軸と回転ドラムとの間に設けた巻尺の断面図
【図2】摩擦低減手段を回転ドラムとケース内壁との間に設けた巻尺の断面図
【図3】摩擦低減手段を軸と回転ドラムおよび回転ドラムとケース内壁との間に設けた巻尺の断面図
【図4】軸と回転ドラムとの間の摩擦低減手段の設置例を示す図
【図5】回転ドラムとケース内壁との間の摩擦低減手段の設置例を示す図
【図6】軸と回転ドラムおよび回転ドラムとケース内壁との間の摩擦低減手段の設置例を示す図
【符号の説明】
1−ケース,11−窪み,2−軸,21−軸基部,3−回転ドラム,4−テープ,5−コイルバネ,6−摩擦低減手段,60−ベアリング部材,601−ベアリング,61−ベアリング部材,611−ベアリング,62−メタル部材,621−ひさし型,622−リング型,623−2層型,63−突起,64−突条,65−球,A−外環,B−内環,C−保持部材,D−介在部材
Claims (50)
- ケース内に立設する軸に回転ドラムを軸支し、テープを回転ドラムの周囲に巻回し且つそのテープを巻き込み方向に付勢する付勢手段を内装した巻尺において、前記軸と回転ドラムとの間に金属または樹脂からなる適宜の摩擦低減手段が設けられていることを特徴とする巻尺
- 前記摩擦低減手段が適宜のベアリング部材であることを特徴とする請求項1の巻尺
- 前記摩擦低減手段がメタル部材であることを特徴とする請求項1の巻尺
- 前記メタル部材の一端に外方に突出するひさしが形成されていることを特徴とする請求項3の巻尺
- 前記メタル部材が断面略円形であることを特徴とする請求項3の巻尺
- 前記メタル部材が少なくとも2つ重ねられ且つそれぞれが摺動可能になっていることを特徴とする請求項3の巻尺
- 前記摩擦低減手段が突起または突条であり、その突起または突条が軸および/または回転ドラムに形成されていることを特徴とする請求項1の巻尺
- 前記突起または突条が適宜の保持部材に形成され、その保持部材が軸および/または回転ドラムに取り付けられていることを特徴とする請求項7の巻尺
- 前記突起または突条が3点支持可能に形成されていることを特徴とする請求項7の巻尺
- 前記摩擦低減手段が球体であり、その球体が軸および/または回転ドラムに形成された窪みに遊嵌されていることを特徴とする請求項1の巻尺
- 前記球体が適宜の保持部材に形成された窪みに遊嵌され、その保持部材が軸または回転ドラムに取り付けられていることを特徴とする請求項10の巻尺
- 前記球体が3点支持可能に設けられていることを特徴とする請求項10の巻尺
- 前記摩擦低減手段が2つまたはそれ以上設けられる時、そのそれぞれがまたは適宜のものが異種の素材で形成されていることを特徴とする請求項1の巻尺
- 前記摩擦低減手段が2つまたはそれ以上設けられる時、そのそれぞれの間または適宜のものの間に介在部材が設けられていることを特徴とする請求項1の巻尺
- 前記摩擦低減手段が軸および/または回転ドラムの両端付近に設けられていることを特徴とする請求項1の巻尺
- 前記付勢手段が低トルクのコイルバネであることを特徴とする請求項1の巻尺
- ケース内に立設する軸に回転ドラムを軸支し、テープをその回転ドラムの周囲に巻回し且つそのテープを巻き込み方向に付勢する付勢手段が内装され、更に、その回転ドラムがケース内壁に摺動案内される巻尺において、回転ドラムとケース内壁との間に金属または樹脂からなる適宜の摩擦低減手段が設けられていることを特徴とする巻尺
- 前記摩擦低減手段が適宜のベアリング部材であることを特徴とする請求項16の巻尺
- 前記摩擦低減手段が突起または突条であり、その突起または突条が回転ドラムおよび/またはケース内壁に形成されていることを特徴とする請求項16の巻尺
- 前記突起または突条が適宜の保持部材に形成され、その保持部材が回転ドラムおよび/またはケース内壁に取り付けられていることを特徴とする請求項18の巻尺
- 前記突起または突条が3点支持可能に形成されていることを特徴とする請求項18の巻尺
- 前記摩擦低減手段が球体であり、その球体が回転ドラムおよび/またはケース内壁に形成された窪みに遊嵌されていることを特徴とする請求項16の巻尺
- 前記球体が適宜の保持部材に形成された窪みに遊嵌され、その保持部材が軸または回転ドラムに取り付けられていることを特徴とする請求項21の巻尺
- 前記球体が3点支持可能に設けられていることを特徴とする請求項21の巻尺
- 前記摩擦低減手段が2つまたはそれ以上設けられる時、そのそれぞれがまたは適宜のものが異種の素材で形成されていることを特徴とする請求項16の巻尺
- 前記摩擦低減手段が2つまたはそれ以上設けられる時、そのそれぞれの間または適宜のものの間に介在部材が設けられていることを特徴とする請求項16の巻尺
- 前記摩擦低減手段が回転ドラムおよび/またはケース内壁の両側面に設けられていることを特徴とする請求項16の巻尺
- 前記付勢手段が低トルクのコイルバネであることを特徴とする請求項17の巻尺
- ケース内に立設する軸に回転ドラムを軸支し、テープをその回転ドラムの周囲に巻回し且つそのテープを巻き込み方向に付勢する付勢手段が内装され、更に、その回転ドラムがケース内壁に摺動案内される巻尺において、軸と回転ドラムとの間に金属または樹脂からなる適宜の第1摩擦低減手段が設けられ且つ回転ドラムとケース内壁との間に金属または樹脂からなる適宜の第2摩擦低減手段が設けられていることを特徴とする巻尺
- 前記第1摩擦低減手段および/または第2摩擦低減手段が適宜のベアリング部材であることを特徴とする請求項27の巻尺
- 前記第1摩擦低減手段がメタル部材であることを特徴とする請求項27の巻尺
- 前記メタル部材の一端に外方に突出するひさしが形成されていることを特徴とする請求項29の巻尺
- 前記メタル部材が断面略円形であることを特徴とする請求項29の巻尺
- 前記メタル部材が少なくとも2つ重ねられ且つそれぞれが摺動可能になっていることを特徴とする請求項29の巻尺
- 前記第1摩擦低減手段が突起または突条であり、その突起または突条が軸および/または回転ドラムに形成されていることを特徴とする請求項27の巻尺
- 前記突起または突条が適宜の保持部材に形成され、その保持部材が軸および/または回転ドラムに取り付けられていることを特徴とする請求項33の巻尺
- 前記第2摩擦低減手段が突起または突条であり、その突起または突条が回転ドラムおよび/またはケース内壁に形成されていることを特徴とする請求項27の巻尺
- 前記突起または突条が適宜の保持部材に形成され、その保持部材が回転ドラムおよび/またはケース内壁に取り付けられていることを特徴とする請求項35の巻尺
- 前記突起または突条が3点支持可能に形成されていることを特徴とする請求項31および/または請求項35の巻尺
- 前記第1摩擦低減手段が球体であり、その球体が軸および/または回転ドラムに形成された窪みに遊嵌されていることを特徴とする請求項27の巻尺
- 前記球体が適宜の保持部材に形成された窪みに遊嵌され、その保持部材が軸または回転ドラムに取り付けられていることを特徴とする請求項38の巻尺
- 前記第2摩擦低減手段が球体であり、その球体が回転ドラムおよび/またはケース内壁に形成された窪みに遊嵌されていることを特徴とする請求項27の巻尺
- 前記球体が適宜の保持部材に形成された窪みに遊嵌され、その保持部材が回転ドラムまたはケース内壁に取り付けられていることを特徴とする請求項40の巻尺
- 前記球体が3点支持可能に設けられていることを特徴とする請求項38および/または請求項40の巻尺
- 前記第1摩擦低減手段が2つまたはそれ以上設けられる時、そのそれぞれがまたは適宜のものが異種の素材で形成されていることを特徴とする請求項27の巻尺
- 前記第2摩擦低減手段が2つまたはそれ以上設けられる時、そのそれぞれがまたは適宜のものが異種の素材で形成されていることを特徴とする請求項27の巻尺
- 前記摩擦低減手段が2つまたはそれ以上設けられる時、そのそれぞれの間または適宜のものの間に介在部材が設けられていることを特徴とする請求項27の巻尺
- 前記第1摩擦低減手段が軸および/または回転ドラムの両端付近に設けられていることを特徴とする請求項27の巻尺
- 前記第2摩擦低減手段が回転ドラムおよび/またはケース内壁の両側面に設けられていることを特徴とする請求項27の巻尺
- 前記付勢手段が低トルクのコイルバネであることを特徴とする請求項29の巻尺
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