JP5426459B2 - マイクロメータ - Google Patents
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Description
これは、本体と、この本体に固定された固定スリーブと、この固定スリーブに螺合され軸方向へ進退されるスピンドルと、固定スリーブの外周に回転可能に装着され外端部がスピンドルの外端部に連結されたシンブルと、このシンブルの外周からスピンドルの外端にかけて被嵌された操作スリーブと、この操作スリーブの外端とスピンドルの外端との間に配置され、スピンドルに一定以上の負荷がかかったときにスピンドルに対して操作スリーブを空転させる定圧機構とを備える構造である。
このような構造のため、操作スリーブを回転させると、定圧機構で発生する測定力以外にも、操作スリーブとシンブルとの摩擦抵抗により発生する回転力がシンブルを介してスピンドルに伝達される。特に、片手操作により操作スリーブを回転させる際、操作スリーブの軸に対して斜めの力が加わりやすいため、操作スリーブとシンブルとの摩擦抵抗が増大し、これにより発生する回転力がシンブルを介してスピンドルに伝達されやすい。すると、測定力がばらつき、その結果、測定値がばらつく。
スピンドルの進出によって、スピンドルが被測定物に当接すると、スピンドルに一定以上の負荷がかかる。すると、定圧機構によって操作スリーブの回転がスピンドルに伝達されない。つまり、操作スリーブが空転される。これにより、被測定物に対して測定力が一定の力で測定することができる。
このような構成によれば、操作スリーブは、シンブルの外周に被嵌された第1操作部と、第1操作部の外端に連結されシンブルの径より小さい径に形成された第2操作部とを有しているから、本体を持った片手の親指と人差し指とで第1操作部を回転操作することができる。従って、片手操作で測定を行える。
しかも、第1操作部とシンブルとの間に摩擦低減部材が配置されているから、つまり、回転速度が遅くなる操作スリーブの大径部分に摩擦低減部材が配置されているから、操作スリーブの回転速度を安定化させることができる。そのため、回転速度のばらつきも抑えることができるから、安定した測定力で測定できる。
このような構成によれば、操作スリーブに斜めの力が加わっても、転がり軸受によって操作スリーブをシンブルに対して円滑に回転させることができる。
このような構成によれば、スピンドルの軸方向に離れた少なくとも2箇所の位置にボールベアリングが配置されているから、操作スリーブが傾いて回転するのを防止でき、安定した測定力で測定できる。しかも、ボールベアリングによって構成できるから、比較的安価にかつ簡易に構成できる。
第1実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。ここでは、デジタル表示式マイクロメータの例を説明する。
デジタル表示式マイクロメータは、図1に示すように、略U字形の本体1と、この本体1に固定された固定スリーブ20と、この固定スリーブ20に螺合され軸方向へ進退されるスピンドル10と、固定スリーブ20の外周に回転可能に被嵌されるとともに外端(図1中右端)がスピンドル10に連結されたシンブル30と、このシンブル30の外周からスピンドルの外端にかけて被嵌されシンブル30に対して回転可能な操作スリーブ40と、この操作スリーブ40とスピンドル10との間に配置され、操作スリーブ40の回転をスピンドル10へ伝達するとともに、スピンドル10に一定以上の負荷がかかったときに操作スリーブ40をスピンドル10に対して空転させる定圧機構50とを備える。
インナースリーブ21には、内周面の外端側にスピンドル10の雄ねじ部12に螺合する雌ねじ部22が所定距離に渡って形成されているとともに、外周面の外端側テーパ面に軸方向へ延びる複数本のスリット23および雄ねじ部24が形成されている。雄ねじ部24には、スピンドル10の雄ねじ部12とインナースリーブ21の雌ねじ部22との螺合状態、つまり、クリアランスを調整するためのナット部材25が螺合されている。
アウタースリーブ26は、インナースリーブ21の内端から雄ねじ部24の位置までを覆う長さに形成されているとともに、外周面軸方向に沿って主尺目盛27が1.0mmピッチで形成されている(図1参照)。
副尺目盛32は、例えば、シンブル30の外周を100等分する間隔で形成されている。
摩擦低減部材60は、シンブル30の外周面と操作スリーブ40の後スリーブ42の内周面との間において、スピンドル10の軸方向に離れた2箇所に配置された転がり軸受けとしての2個のボールベアリング61と、この2個のボールベアリング61を離れた状態に保持するベアリング保持具62とを備えて構成されている。
しかも、2個のボールベアリング61を離れた状態に保持するベアリング保持具62とを備えているから、操作スリーブ40の傾きをより効果的に抑制できる。
しかも、第1操作部43とシンブル30の外周面との間にボールベアリング61が配置されているから、つまり、回転速度が遅くなる操作スリーブ40の大径部分にボールベアリング61が配置されているから、操作スリーブ40の回転速度を安定化させることができる。このことからも、安定した測定力で測定できる。
第2実施形態を図4に基づいて説明する。なお、図4の説明において、第1実施形態と同一構成要件については、同一符号を付し、その説明を省略する。
第2実施形態は、第1実施形態に対して、次の点が異なる。
(a)第1実施形態では操作スリーブ40がシンブル30および定圧機構50を覆う形状であったが、第2実施形態では、操作スリーブ40Aがシンブル30の部分を覆う長さ寸法に形成されている点。
(b)第1実施形態では操作スリーブ40の中間部分に摩擦低減部材60が配置されていたが、第2実施形態では、操作スリーブ40の両端側に摩擦低減部材60Aが配置されている点。
(c)第1実施形態では、操作スリーブ40とスピンドル10との間に定圧機構50が配置されていたが、第2実施形態では、操作スリーブ40とシンブル30との間に定圧機構50Aが配置されている点。
摩擦低減部材60Aは、シンブル30の外周面と操作スリーブ40Aの後スリーブ42の内周面との間において、スピンドル10の軸方向に離れた2箇所、ここでは、操作スリーブ40Aの両端側に配置された転がり軸受けとしての2個のボールベアリング61と、この2個のボールベアリング61を離れた状態に保持するベアリング保持具62とを備えて構成されている。
定圧機構50Aは、シンブル30の後端にスピンドル10の軸に対して直角にかつ軸方向へ摺動可能に設けられた摺動ピン56と、この摺動ピン56の先端をベアリング保持具62の内面に向かって付勢する付勢手段としてのコイルばね57とを含んで構成されている。
スピンドル10の進出によって、スピンドル10が被測定物に当接すると、スピンドル10に一定以上の負荷がかかる。すると、定圧機構50Aによって、操作スリーブ40Aが空転される。つまり、スピンドル10に一定以上の負荷がかかっている状態において、操作スリーブ40Aを更に回転させようとすると、ベアリング保持具62が摺動ピン56の先端に対して摺動しながら回転するため、操作スリーブ40Aの回転力がシンブル30、スピンドル10に伝達されず、操作スリーブ40Aは空転し、定圧状態に維持されるから、一定の測定圧で測定できる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は、本発明に含まれる。
前記実施形態では、摩擦低減部材60として、ボールベアリング61を配置したが、これに限られない。例えば、ニードルベアリングなどであってもよく、あるいは、筒状の保持部材の外周部分に多数のボールを回転可能に埋め込んだ軸受部材でもよい。
定圧機構50,50Aについては、前記実施形態で説明した構造に限られない。スピンドル10に一定以上の負荷がかかったときに、操作スリーブがスピンドルに対して空転する構造であれば、他の構造であってもよい。
前記実施形態では、デジタル表示式マイクロメータを例示したが、これに限られない。例えば、エンコーダやデジタル表示器を備えないアナログ式マイクロメータであってもよい。
10…スピンドル、
20…固定スリーブ、
30…シンブル、
40,40A…操作スリーブ、
43…第1操作部、
44…第2操作部、
50,50A…定圧機構、
60,60A…摩擦低減部材、
61…ボールベアリング(転がり軸受)。
Claims (4)
- 本体に固定された固定スリーブと、この固定スリーブに螺合され軸方向へ進退されるスピンドルと、前記固定スリーブの外周に回転可能に被嵌されるとともに外端が前記スピンドルに連結されたシンブルと、このシンブルの外周から前記スピンドルの外端にかけて被嵌され前記シンブルに対して回転可能な操作スリーブと、この操作スリーブと前記スピンドルとの間に配置され、前記操作スリーブの回転を前記スピンドルへ伝達するとともに、前記スピンドルに一定以上の負荷がかかったときに前記操作スリーブを前記スピンドルに対して空転させる定圧機構とを備えたマイクロメータにおいて、
前記シンブルと前記操作スリーブとの間には、摩擦低減部材が配置されている、ことを特徴とするマイクロメータ。 - 請求項1に記載のマイクロメータにおいて、
前記操作スリーブは、前記シンブルの外周に被嵌された第1操作部と、この第1操作部の外端部に連結され前記シンブルの径より小さい径に形成された第2操作部とを有し、
前記摩擦低減部材は、前記シンブルの外周面と前記第1操作部との間に配置されている、ことを特徴とするマイクロメータ。 - 請求項1または請求項2に記載のマイクロメータにおいて、
前記摩擦低減部材は、転がり軸受によって構成されている、ことを特徴とするマイクロメータ。 - 請求項3に記載のマイクロメータにおいて、
前記転がり軸受は、前記スピンドルの軸方向に離れた少なくとも2箇所の位置に配置されたボールベアリングによって構成されている、ことを特徴とするマイクロメータ。
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