JP2004053029A - 熱交換器 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱回収効率の向上した熱交換器を得ること。
【解決手段】蒸気供給管2を接続した熱交換容器1の内部にコイル状の冷却流体管3を取り付ける。蒸気供給管2を分岐してドレン溜部蒸気供給管4を接続する。冷却流体管3の下端は冷却流体供給管7と接続し、上端にはエゼクタ5を介在して排出管8と接続する。エゼクタ5の吸引口12に連通管14,15を接続して、熱交換容器1の内部と連通する。
ドレン溜部蒸気供給管4から供給される蒸気によってドレン溜部10のドレンの対流が促進され、一方、エゼクタ5の吸引口12に蒸気の一部が吸引されることによって蒸気の対流が促進される。
【選択図】 図1
【解決手段】蒸気供給管2を接続した熱交換容器1の内部にコイル状の冷却流体管3を取り付ける。蒸気供給管2を分岐してドレン溜部蒸気供給管4を接続する。冷却流体管3の下端は冷却流体供給管7と接続し、上端にはエゼクタ5を介在して排出管8と接続する。エゼクタ5の吸引口12に連通管14,15を接続して、熱交換容器1の内部と連通する。
ドレン溜部蒸気供給管4から供給される蒸気によってドレン溜部10のドレンの対流が促進され、一方、エゼクタ5の吸引口12に蒸気の一部が吸引されることによって蒸気の対流が促進される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種蒸気使用装置で使用されて残った蒸気や、高温ドレンから発生した再蒸発蒸気などを、水などの冷却流体で熱交換して凝縮させることによって、モヤモヤと立ち込める蒸気を無くしたり、あるいは、冷却流体を熱交換して温度上昇した温水を別途使用して蒸気の保有熱を有効利用するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の熱交換器としては、例えば特開2002−54886号公報に示されたものがある。これは、熱交換容器の下部にドレン溜部を形成して、このドレン溜部に冷却流体管を配置することにより、冷却流体とドレンを熱交換して熱回収率を向上することができるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の熱交換器では、蒸気の保有する潜熱とドレンの保有する顕熱の両方を回収することができるが、未だ熱回収に時間を要してしまうなど熱回収効率が低い値に止まってしまう問題があった。これは、熱交換容器内に滞留している蒸気と、及び、ドレン溜部に滞留しているドレンと、冷却流体がそれぞれただ単に熱交換するだけのものであり、熱伝達率が十分に確保できないためである。
【0004】
従って本発明の課題は、冷却流体と蒸気及びドレンの熱伝達率を十分に確保することによって、熱回収効率の向上した熱交換器を得ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための手段は、熱交換容器に蒸気と冷却流体を供給して、蒸気を冷却流体で熱交換することにより凝縮させるものにおいて、熱交換容器のドレン溜部へ蒸気を供給するドレン溜部蒸気供給管を接続すると共に、冷却流体管にエゼクタを取り付けて、当該エゼクタの吸引口を熱交換容器内の蒸気滞留箇所と連通したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
エゼクタの吸引口と熱交換容器内の蒸気滞留箇所とを連通したことによって、熱交換容器内で滞留していた蒸気の一部がエゼクタに吸引され、容器内の蒸気の対流が促進される。蒸気の対流が促進されると、蒸気と冷却流体との接触機会が増えて熱伝達率が向上する。
【0007】
ドレン溜部へ蒸気を供給するドレン溜部蒸気供給管を接続したことにより、供給される蒸気によってドレン溜部のドレンの対流が促進されて、ドレンと冷却流体との熱伝達率が向上する。
【0008】
このようにドレン及び蒸気の対流がそれぞれ促進されて冷却流体との熱伝達率が十分に確保されることによって、熱交換器の熱回収効率を向上させることができる。
【0009】
【実施例】
図1において、熱交換容器1と、凝縮させるべく蒸気を供給する蒸気供給管2と、熱交換容器1内に配置した冷却流体管3と、ドレン溜部蒸気供給管4、及び、冷却流体管3に接続したエゼクタ5とで熱交換器を構成する。
【0010】
熱交換容器1内の中心部に円筒パイプ状で上下端開放状態の大気開放管6を設ける。大気開放管6の外周に、銅製長尺パイプをコイル状に形成した冷却流体管3を配置し、この冷却流体管3の下端に冷却流体供給管7を接続すると共に、上端はエゼクタ5を介在して温水排出管8と接続する。冷却流体供給管7から供給される冷却流体が、冷却流体管3とエゼクタ5を通って排出管8へと至るものである。
【0011】
大気開放管6の内部下方にオーバーフロー管9を配置する。オーバーフロー管9は鉛直直線状で、上端11を大気開放管6内に開口し下端は図示しないドレン回収先と連通する。後述するように、蒸気の凝縮したドレンがオーバーフロー管9の上端11を通ってドレン回収先に流下するものである。
【0012】
冷却流体管3に接続したエゼクタ5は、図示しないノズルを内蔵した吸引口12とディフューザ13とで構成して、吸引口12に連通管14,15を接続して熱交換容器1内の蒸気滞留箇所と連通する。このエゼクタ5は、エゼクタ5内を冷却流体例えば冷却水が通過して吸引口12で吸引力を生じ、バルブ16,17を開弁することによって、熱交換容器1内に滞留している蒸気を吸引して、蒸気の対流を促進するものである。
【0013】
蒸気供給管2は、図示しない蒸気使用装置の出口側や再蒸発タンク等と接続して、凝縮すべく蒸気を熱交換容器1内に供給する。蒸気供給管2から熱交換容器1内へ供給される蒸気が、冷却流体管3で冷却されて凝縮しドレンとなって底部のドレン溜部10に滴下する。
【0014】
蒸気供給管2を分岐してドレン溜部蒸気供給管4を取り付けて、端部をドレン溜部10の下端と接続する。ドレン溜部蒸気供給管4には逆止弁18を取り付ける。この逆止弁18は、ドレン溜部蒸気供給管4からドレン溜部10方向への流体の通過は許容するが、反対方向の流体の通過を阻止するものである。
【0015】
ドレン溜部蒸気供給管4から供給される蒸気によって、ドレン溜部10のドレンはバブリングされて対流が促進され、冷却流体管3との熱伝達率が上昇して熱回収効率も向上する。あるいは、ドレン溜部蒸気供給管4から供給される蒸気によって、ドレン溜部10のドレンを熱交換容器1内で所定方向へ回転させることによって、ドレンの対流を促進して熱回収効率を向上することができる。
【0016】
冷却流体管3でドレン及び蒸気から熱を奪って温度上昇した冷却流体はエゼクタ5へ至り吸引口12で吸引力を生じ、連通管14,15を介して熱交換容器1内に滞留している蒸気を吸引することによって、蒸気の対流を促進して熱回収効率を向上することができる。
【0017】
エゼクタ5で一部の蒸気と混合された冷却流体は排出管8から所定箇所へ排出されると共に、ドレン溜部10のドレンは供給される蒸気の圧力により大気開放管6内を上昇して、オーバーフロー管9の上端11から外部に排出される。
【0018】
本実施例においては、エゼクタ5を排出管8に取り付けた例を示したが、冷却流体供給管7側に取り付けることもできる。また、複数のエゼクタを配置することもできる。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、熱交換容器内の蒸気とドレンの対流を促進して、冷却流体と蒸気及びドレンの熱伝達率を十分に確保することにより、高い熱回収効率の熱交換器とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱交換器の実施例を示す構成図。
【符号の説明】
1 熱交換容器
2 蒸気供給管
3 冷却流体管
4 ドレン溜部蒸気供給管
5 エゼクタ
6 大気開放管
7 冷却流体供給管
8 排出管
9 オーバーフロー管
10 ドレン溜部
14,15 連通管
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種蒸気使用装置で使用されて残った蒸気や、高温ドレンから発生した再蒸発蒸気などを、水などの冷却流体で熱交換して凝縮させることによって、モヤモヤと立ち込める蒸気を無くしたり、あるいは、冷却流体を熱交換して温度上昇した温水を別途使用して蒸気の保有熱を有効利用するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の熱交換器としては、例えば特開2002−54886号公報に示されたものがある。これは、熱交換容器の下部にドレン溜部を形成して、このドレン溜部に冷却流体管を配置することにより、冷却流体とドレンを熱交換して熱回収率を向上することができるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の熱交換器では、蒸気の保有する潜熱とドレンの保有する顕熱の両方を回収することができるが、未だ熱回収に時間を要してしまうなど熱回収効率が低い値に止まってしまう問題があった。これは、熱交換容器内に滞留している蒸気と、及び、ドレン溜部に滞留しているドレンと、冷却流体がそれぞれただ単に熱交換するだけのものであり、熱伝達率が十分に確保できないためである。
【0004】
従って本発明の課題は、冷却流体と蒸気及びドレンの熱伝達率を十分に確保することによって、熱回収効率の向上した熱交換器を得ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための手段は、熱交換容器に蒸気と冷却流体を供給して、蒸気を冷却流体で熱交換することにより凝縮させるものにおいて、熱交換容器のドレン溜部へ蒸気を供給するドレン溜部蒸気供給管を接続すると共に、冷却流体管にエゼクタを取り付けて、当該エゼクタの吸引口を熱交換容器内の蒸気滞留箇所と連通したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
エゼクタの吸引口と熱交換容器内の蒸気滞留箇所とを連通したことによって、熱交換容器内で滞留していた蒸気の一部がエゼクタに吸引され、容器内の蒸気の対流が促進される。蒸気の対流が促進されると、蒸気と冷却流体との接触機会が増えて熱伝達率が向上する。
【0007】
ドレン溜部へ蒸気を供給するドレン溜部蒸気供給管を接続したことにより、供給される蒸気によってドレン溜部のドレンの対流が促進されて、ドレンと冷却流体との熱伝達率が向上する。
【0008】
このようにドレン及び蒸気の対流がそれぞれ促進されて冷却流体との熱伝達率が十分に確保されることによって、熱交換器の熱回収効率を向上させることができる。
【0009】
【実施例】
図1において、熱交換容器1と、凝縮させるべく蒸気を供給する蒸気供給管2と、熱交換容器1内に配置した冷却流体管3と、ドレン溜部蒸気供給管4、及び、冷却流体管3に接続したエゼクタ5とで熱交換器を構成する。
【0010】
熱交換容器1内の中心部に円筒パイプ状で上下端開放状態の大気開放管6を設ける。大気開放管6の外周に、銅製長尺パイプをコイル状に形成した冷却流体管3を配置し、この冷却流体管3の下端に冷却流体供給管7を接続すると共に、上端はエゼクタ5を介在して温水排出管8と接続する。冷却流体供給管7から供給される冷却流体が、冷却流体管3とエゼクタ5を通って排出管8へと至るものである。
【0011】
大気開放管6の内部下方にオーバーフロー管9を配置する。オーバーフロー管9は鉛直直線状で、上端11を大気開放管6内に開口し下端は図示しないドレン回収先と連通する。後述するように、蒸気の凝縮したドレンがオーバーフロー管9の上端11を通ってドレン回収先に流下するものである。
【0012】
冷却流体管3に接続したエゼクタ5は、図示しないノズルを内蔵した吸引口12とディフューザ13とで構成して、吸引口12に連通管14,15を接続して熱交換容器1内の蒸気滞留箇所と連通する。このエゼクタ5は、エゼクタ5内を冷却流体例えば冷却水が通過して吸引口12で吸引力を生じ、バルブ16,17を開弁することによって、熱交換容器1内に滞留している蒸気を吸引して、蒸気の対流を促進するものである。
【0013】
蒸気供給管2は、図示しない蒸気使用装置の出口側や再蒸発タンク等と接続して、凝縮すべく蒸気を熱交換容器1内に供給する。蒸気供給管2から熱交換容器1内へ供給される蒸気が、冷却流体管3で冷却されて凝縮しドレンとなって底部のドレン溜部10に滴下する。
【0014】
蒸気供給管2を分岐してドレン溜部蒸気供給管4を取り付けて、端部をドレン溜部10の下端と接続する。ドレン溜部蒸気供給管4には逆止弁18を取り付ける。この逆止弁18は、ドレン溜部蒸気供給管4からドレン溜部10方向への流体の通過は許容するが、反対方向の流体の通過を阻止するものである。
【0015】
ドレン溜部蒸気供給管4から供給される蒸気によって、ドレン溜部10のドレンはバブリングされて対流が促進され、冷却流体管3との熱伝達率が上昇して熱回収効率も向上する。あるいは、ドレン溜部蒸気供給管4から供給される蒸気によって、ドレン溜部10のドレンを熱交換容器1内で所定方向へ回転させることによって、ドレンの対流を促進して熱回収効率を向上することができる。
【0016】
冷却流体管3でドレン及び蒸気から熱を奪って温度上昇した冷却流体はエゼクタ5へ至り吸引口12で吸引力を生じ、連通管14,15を介して熱交換容器1内に滞留している蒸気を吸引することによって、蒸気の対流を促進して熱回収効率を向上することができる。
【0017】
エゼクタ5で一部の蒸気と混合された冷却流体は排出管8から所定箇所へ排出されると共に、ドレン溜部10のドレンは供給される蒸気の圧力により大気開放管6内を上昇して、オーバーフロー管9の上端11から外部に排出される。
【0018】
本実施例においては、エゼクタ5を排出管8に取り付けた例を示したが、冷却流体供給管7側に取り付けることもできる。また、複数のエゼクタを配置することもできる。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、熱交換容器内の蒸気とドレンの対流を促進して、冷却流体と蒸気及びドレンの熱伝達率を十分に確保することにより、高い熱回収効率の熱交換器とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱交換器の実施例を示す構成図。
【符号の説明】
1 熱交換容器
2 蒸気供給管
3 冷却流体管
4 ドレン溜部蒸気供給管
5 エゼクタ
6 大気開放管
7 冷却流体供給管
8 排出管
9 オーバーフロー管
10 ドレン溜部
14,15 連通管
Claims (1)
- 熱交換容器に蒸気と冷却流体を供給して、蒸気を冷却流体で熱交換することにより凝縮させるものにおいて、熱交換容器のドレン溜部へ蒸気を供給するドレン溜部蒸気供給管を接続すると共に、冷却流体管にエゼクタを取り付けて、当該エゼクタの吸引口を熱交換容器内の蒸気滞留箇所と連通したことを特徴とする熱交換器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002206558A JP2004053029A (ja) | 2002-07-16 | 2002-07-16 | 熱交換器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002206558A JP2004053029A (ja) | 2002-07-16 | 2002-07-16 | 熱交換器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004053029A true JP2004053029A (ja) | 2004-02-19 |
Family
ID=31931246
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002206558A Pending JP2004053029A (ja) | 2002-07-16 | 2002-07-16 | 熱交換器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004053029A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007051801A (ja) * | 2005-08-16 | 2007-03-01 | Tlv Co Ltd | 熱交換器 |
JP2007303784A (ja) * | 2006-05-15 | 2007-11-22 | Tlv Co Ltd | 熱交換器 |
JP2007303785A (ja) * | 2006-05-15 | 2007-11-22 | Tlv Co Ltd | 熱交換器 |
JP2008045786A (ja) * | 2006-08-11 | 2008-02-28 | Tlv Co Ltd | 熱交換器 |
JP2013002712A (ja) * | 2011-06-15 | 2013-01-07 | Tlv Co Ltd | 廃蒸気回収装置 |
JP2016109374A (ja) * | 2014-12-09 | 2016-06-20 | 株式会社テイエルブイ | 熱交換器 |
-
2002
- 2002-07-16 JP JP2002206558A patent/JP2004053029A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007051801A (ja) * | 2005-08-16 | 2007-03-01 | Tlv Co Ltd | 熱交換器 |
JP2007303784A (ja) * | 2006-05-15 | 2007-11-22 | Tlv Co Ltd | 熱交換器 |
JP2007303785A (ja) * | 2006-05-15 | 2007-11-22 | Tlv Co Ltd | 熱交換器 |
JP2008045786A (ja) * | 2006-08-11 | 2008-02-28 | Tlv Co Ltd | 熱交換器 |
JP2013002712A (ja) * | 2011-06-15 | 2013-01-07 | Tlv Co Ltd | 廃蒸気回収装置 |
JP2016109374A (ja) * | 2014-12-09 | 2016-06-20 | 株式会社テイエルブイ | 熱交換器 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20050519 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20071002 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20071122 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20080108 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |