JP2004051689A - プリプレグ及び基板材料 - Google Patents

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井山 浩暢
Toru Fujiki
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Abstract

【課題】パッケージ用基板、リジッド基板、フレキシブル基板、銅張積層板などに好適な基板材料において、優れた柔軟性を有し、しかも、厚みが薄くとも優れた耐ハンダ性を有する基板材料、並びに、該材料を与えるプリプレグを提供する。
【解決手段】下記成分(A)及び(B)を含有する樹脂組成物をクロスに含浸させて得られるプリプレグ;該プリプレグに銅箔を熱圧着させて得られる基板材料。
(A)ビニル基含有モノマーとエポキシ基含有モノマーを重合させて得られる共重合体
(B)硬化剤及び/又は重合開始剤
【選択図】     なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラスクロスなどの樹脂組成物をクロスに含浸させて得られるプリプレグ;該プリプレグに銅箔を熱圧着させて得られる、パッケージ用基板、リジッド基板、フレキシブル基板、銅張積層板に好適な基板材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気・電子部品として、ガラスクロスなどのクロスにエポキシ樹脂を含浸させたプリプレグを得、該プリプレグに銅箔を熱圧着させて得られる基板材料は、耐ハンダ性に優れたリジッド基板に汎用されている。
最近、電子・電気機器の軽薄・短小化にともない、薄く、柔軟性のある基板材料として、ポリイミドに直接、銅箔を接着させたフレキシブル基板材料が数多く利用されるようになってきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸させた、厚みの薄いガラスエポキシシート(FR4プリプレグ)も市販されているが、本発明者らが検討したところ、125μmの該シートに銅箔を熱圧着させた基板材料をエッチングして銅箔を除いたものを2mmφに曲げたところ、割れてしまい、フレキシブル基板材料として該シートを用いるには、柔軟性が十分ではないことが明らかになった。
本発明の目的は、優れた柔軟性を有し、しかも、厚みが薄くとも優れた耐ハンダ性を有する基板材料、並びに、該材料を与えるプリプレグを提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記成分(A)及び(B)を含有する樹脂組成物をクロスに含浸させて得られるプリプレグ;該プリプレグの厚さが5〜100μmであることを特徴とするフレキシブル基板材料用プリプレグ;下記成分(A)及び(B)を含有する樹脂組成物をクロスに含浸させて得られるプリプレグに銅箔を熱圧着させて得られる基板材料;並びに、下記成分(A)及び(B)を含有する樹脂組成物をフィルム状に加工したのち、該フィルムを加熱、液化して、該組成物をクロスに含浸させることを特徴とするプリプレグの製造方法である。
(A)ビニル基含有モノマーとエポキシ基含有モノマーを重合させて得られる共重合体
(B)硬化剤及び/又は重合開始剤
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に用いられる成分(A)とは、ビニル基含有モノマーおよびエポキシ基含有モノマーを重合させて得られる共重合体である。さらに、該共重合体のモノマーとして不飽和エステル化合物等を重合させてもよい。
成分(A)は、ビニル基含有モノマーに由来する構造単位[a]100重量部に対し、通常、エポキシ基含有モノマーに由来する構造単位[b]1〜150重量部程度、好ましくは5〜50重量部程度を含有してなる共重合体であり、さらに、任意成分である不飽和エステル化合物に由来する構造単位[c]0〜250重量部程度、好ましくは、0〜50重量部程度を含有していてもよい。
【0006】
ビニル基含有モノマーとは、エポキシ基およびエステル基を含有しないビニル化合物であり、具体的には、エチレン;プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどのα−オレフィン;エチレンを重合させて得られるα−オレフィンオリゴマー、プロピレンを重合させて得られるα−オレフィンオリゴマー、または、エチレンとプロピレンとを共重合させて得られるα−オレフィンオリゴマーなどのエチレン単位及び/又はプロピレン単位を含有するα−オレフィンオリゴマー;スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼンなどの芳香族ビニル;ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン化合物、アクリロニトリル、塩化ビニル等が例示される。中でも、ビニル基を1個含有するビニル化合物が好ましく、とりわけ、エチレン単位及び/又はプロピレン単位を含有するα−オレフィンオリゴマーが好適である。
【0007】
エポキシ基含有モノマーとは、エポキシ基を含有する化合物であって、ビニル基含有モノマー単位又はその重合体と共重合し得る化合物であり、具体例として、下記一般式(1)
Figure 2004051689
(式中、Rは二重結合を含有する炭素数2〜18程度の脂肪族炭化水素基を表し、Xはカルボニルオキシ基、メチレンオキシ基またはフェニレンオキシ基等を表す。)
で表わされるエポキシ基を含有するアルケニル化合物などが挙げられる。
ここで、Xに含まれるエーテル基は、Rと結合していても、グリシジル基と結合してもよい。具体的にXがカルボニルオキシ基である場合のエポキシ基含有モノマーについて例示すると、下記式(2)および(3)
Figure 2004051689
のいずれもエポキシ基含有モノマーとして用いることができるのである。
Xとしては、例えば、上記(2)で表されるモノマーなどのように、Xのエーテル基がグリシジル基と結合しているモノマーが好ましい。
【0008】
エポキシ基含有モノマーを具体的に例示すれば、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジルなどの不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび、アリルグリシジルエーテル、メタアリルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテルなどの不飽和グリシジルエーテルが挙げられ、とりわけ、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等が好適である。
【0009】
成分(A)の任意成分である不飽和エステル化合物に由来する構造単位[c]とは、上記不飽和カルボン酸グリシジルエステル以外の不飽和エステル化合物に由来する構造単位であり、モノマーとして具体的に例示すると、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等の飽和カルボン酸ビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等の不飽和カルボン酸アルキルエステルなどが挙げられる。中でも、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル等が好適である。
【0010】
成分(A)は、成分(A)を構成する構造単位からなるブロック共重合体、グラフト共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体等である。
具体的には特許第2632980号公報記載のプロピレン−エチレンブロック共重合体(ビニル基含有モノマーのブロック共重合体)にエポキシ基含有モノマーをグラフトさせた共重合体、特許第2600248号公報記載のエチレン−エポキシ基含有モノマー共重合体に不飽和エステル化合物をグラフトさせた共重合体、特公平6−51767号公報記載のエポキシ基含有モノマーの重合体にアクリロニトリル−スチレン共重合体をグラフトさせた共重合体等が例示される。
【0011】
具体的な成分(A)の製造方法としては、例えば、ビニル基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、さらに必要に応じて不飽和エステル化合物などのモノマーをラジカル発生剤の存在下に、5×10〜4×10 Pa(500〜4000気圧)程度、100〜300℃程度、適当な溶媒や連鎖移動剤の存在下又は不存在下に共重合させる方法、エチレン及び/又はプロピレンを重合させて得られるα−オレフィンオリゴマーなどのビニル基含有モノマーの重合体にエポキシ基含有モノマー、さらに必要に応じて不飽和エステル化合物などのモノマーなどを添加し、ラジカル発生剤と混合し押出機中で溶融グラフト共重合させる方法等が挙げられる。
【0012】
かくして得られた成分(A)の数平均分子量は、ケ゛ルハ゜ーミエーシヨンクロマトク゛ラフィー(GPC)によって測定したポリスチレン換算で、通常、10,000〜100,000程度である。そして、そのメルトインデックス(JIS K6760)は、通常、0.5〜600g/10分程度であり、とりわけ、2〜50g/10分程度であることが好ましい。
【0013】
成分(A)として、例えば、「ボンドファースト(登録商標、住友化学工業製)」、「レクスパール(登録商標、日本ポリオレフィン製)」、「LOTADER(登録商標、アト・フィナ製)」などの市販品を使用してもよい。
【0014】
本発明に用いられる成分(B)としては、硬化剤及び/又は重合開始剤である。硬化剤としては、例えば、フェノール系硬化剤、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、リン系硬化剤、遊離のカルボキシル基を有するロジン系硬化剤などが挙げられ、重合開始剤としては光カチオン重合開始剤、熱カチオン重合開始剤、光ラジカル重合開始剤、熱ラジカル重合開始剤などが挙げられる。
成分(B)として、2種類以上の成分(B)を使用してもよい。
【0015】
ここで、硬化剤の一種であるフェノール系硬化剤としては、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂が挙げられるが、なかでもノボラック型フェノール樹脂が好ましく、ビスフェノールAとホルムアルデヒドの重縮合物、ビスフェノールFとホルムアルデヒドの重縮合物、フェノールとヒドロキシベンズアルデヒドの重縮合物、クレゾール類とナフトール類とホルムアルデヒドの重縮合物、フェノールと液状ポリブタジエンの重合物、フェノールとテルペン類の重合物などが好適である。
【0016】
アミン系硬化剤としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、ベンジルジメチルアミンなどの3級アミン類;2−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−メチル−4−イミダゾール、ジシアンジアミドなどのイミダゾール類;ジアミノジフェニルメタン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルホンなどの芳香族ポリアミン類;エナミン類;BFのアミン塩類;等が挙げられるが、なかでも2−メチル−4−イミダゾール、ジシアンジアミド、芳香族ポリアミン類、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0.]ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0.]ノネン−5等が好適である。
【0017】
酸無水物系硬化剤としては、例えば、フタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、ピロメリット酸無水物、トリメリット酸無水物、メチルナジック酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、マレイン酸無水物、コハク酸無水物、イタコン酸無水物、無水マレイン酸グラフトポリエチレン、ビニル基含有モノマー・無水マレイン酸共重合体、無水マレイン酸グラフトポリプロピレン等が挙げられ、中でもフタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物が好適である。また、無水マレイン酸グラフトポリエチレン、ビニル基含有モノマー・無水マレイン酸共重合体、あるいは無水マレイン酸グラフトポリプロピレンであって、メルトインデックス(JIS K6760)が、100〜600g/10分である硬化剤が好適である。
【0018】
リン系硬化剤としては、例えば、トリアリールホスフィン、トリアルキルホスフィン、トリアリールホスホニウム塩、トリアルキルホスホニウム塩等が挙げられ、中でもトリフェニルホスフィン、トリス(3−メチルフェニル)ホスフィン、トリ−1−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、テトラフェニルホスホニウム塩、ベンジルトリフェニルホスホニウム塩、テトラ−1−ブチルホスホニウム塩が好適である。
【0019】
遊離のカルボキシル基を有するロジン系硬化剤としては、例えば、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、パラストリン酸、レポピマル酸、マレオピマル酸、ジヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、水添ロジン類、不均化ロジン類、重合ロジン類、ロジン変性フェノール樹脂、マレイン化ロジン類、マレイン酸変性ロジン類等が挙げられ、中でもアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸、水添ロジン類が好適である。
【0020】
(B)成分として用いられる重合開始剤とは、例えば、光カチオン重合開始剤、光ラジカル重合開始剤、熱カチオン重合開始剤、熱ラジカル重合開始剤等が挙げられる。重合開始剤として2種以上の重合開始剤を使用してもよい。
【0021】
光カチオン重合開始剤としては、例えば、芳香族スルホニウム、芳香族ヨードニウム、芳香族ジアゾニウム、芳香族アンモニウム、フェロセニウム、η−シクロペンタジエル−η−クメニル−Fe塩系などから選ばれる少なくとも1種類のカチオンと、
BF 、PF 、SbF および下記一般式(2)
[BY ]   (2)
(式中、Yは、フッ素又はトリフルオロメチル基が少なくとも2つ以上置換されたフェニル基を表わす。)
などから選ばれる少なくとも1種類のアニオンとから構成されるオニウム塩等が挙げられる。
【0022】
芳香族スルホニウム塩系の光カチオン重合開始剤としては、例えば、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビスヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビステトラフルオロボレート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、(2−エトキシ−1−メチル−2−オキソエチル)メチル−2−ナフタレニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、(2−エトキシ−1−メチル−2−オキソエチル)メチル−2−ナフタレニルスルホニウム ヘキサフルオロアチモネート、(2−エトキシ−1−メチル−2−オキソエチル)メチル−2−ナフタレニルスルホニウム テトラフルオロボレート、(2−エトキシ−1−メチル−2−オキソエチル)メチル−2−ナフタレニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロアチモネート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム テトラフルオロボレート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビスヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビステトラフルオロボレート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどが挙げられる。
【0023】
芳香族ヨードニウム塩系の光カチオン重合開始剤としては、例えば、ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウム テトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム テトラフルオロボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム テトラフルオロボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどが挙げられる。
【0024】
芳香族ジアゾニウム塩系の光カチオン重合開始剤としては、例えば、フェニルジアゾニウム ヘキサフルオロホスフェート、フェニルジアゾニウム ヘキサフルオロアンチモネート、フェニルジアゾニウム テトラフルオロボレート、フェニルジアゾニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどが挙げられる。
【0025】
芳香族アンモニウム塩系の光カチオン重合開始剤としては、例えば、1−ベンジル−2−シアノピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウム ヘキサフルオロアンチモネート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウム テトラフルオロボレート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウム ヘキサフルオロアンチモネート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウム テトラフルオロボレート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどが挙げられる。
η−シクロペンタジエル−η−クメニル−Fe塩系の光カチオン重合開始剤としては、例えば、η−シクロペンタジエル−η−クメニル−Fe(II)ヘキサフルオロホスフェート、η−シクロペンタジエル−η−クメニル−Fe(II)ヘキサフルオロアンチモネート、η−シクロペンタジエル−η−クメニル−Fe(II)テトラフルオロボレート、η−シクロペンタジエル−η−クメニル−Fe(II)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどが挙げられる。
【0026】
成分(B)として、市販品の光カチオン重合開始剤を使用してもよく、具体的には、「UVI6990」(ユニオンカーバイド製のビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビスヘキサフルオロホスフェートとトリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェートの混合物)、「UVI6974」(ユニオンカーバイド社製のビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビスヘキサフルオロアンチモネートとトリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートの混合物)、「SP−150」(旭電化製のビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート)、「SP−170」 (旭電化製のビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビスヘキサフルオロアンチモネート)、「CI−2855」(日本曹達製)、「サンエイドSI−60L」(三新化学製)、「サンエイドSI−80L」(三新化学製)、「サンエイドSI−100L」(三新化学製)、「FC−508」(3M製)、「FC−512」(3M製)、「イルガキュア261」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製の(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)ヘキサフルオロホスフェート)、「ロードシル(RHODORSIL)2074」(ローヌ・プーラン製の4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート)などが例示される。
【0027】
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド等が挙げられる。
【0028】
成分(B)として、光カチオン重合開始剤及び/又は熱カチオン重合開始剤を使用する場合、アニオンとしては、PF であるオニウム塩であることが好ましく、とりわけ芳香族スルホニウム ヘキサフルオロホスフェートが好適である。
【0029】
本発明に用いられる樹脂組成物は、かくして得られた成分(A)と成分(B)とを含有してなるものであり、その形態としては、例えば、該組成物を溶媒に溶解して得られる溶液状、該組成物を混合したのち押出成形等により得られるフィルム状等の形状が挙げられる。
中でも、フィルム状の形状が、樹脂組成物を塗布したり、そののち溶媒を留去する必要がなく、取扱いも容易であることから好ましい。
【0030】
樹脂組成物における各成分の重量比としては、通常、成分(A)100部に対して、成分(B)が約0.3〜30部程度である。
成分(B)がリン系硬化剤、光カチオン重合開始剤、アミン系硬化剤などのように触媒的に硬化剤が作用する場合、該組成物における成分(B)の重量比としては、0.3〜10部程度が好ましい。成分(B)が0.3部以上の場合、本発明のプリプレグを硬化して得られる基板材料の耐ハンダ性が向上する傾向にあるので好ましく、10部以下の場合、硬化する際の操作性が向上する傾向にあることから好ましい。
【0031】
さらに、成分(B)がフェノール系硬化剤、酸無水物系硬化剤、ロジン系硬化剤などのように重付加反応で硬化剤が作用する場合、該組成物における成分(B)の重量比としては、5〜20部程度が好ましい。成分(B)が5部以上の場合、基板材料の耐ハンダ性が向上する傾向にあるので好ましく、20部以下の場合、硬化する際の操作性が向上する傾向にあることから好ましい。
【0032】
樹脂組成物には、例えば、フタロシアニングリーン、カーボンブラックなどの顔料;シリカ、水酸化アルミ、アルミナ、炭酸カルシウム、タルク、窒化アルミ等の充填剤;ピレン、ペリレン、2,4−ジエチルチオキサントン、フェノチアジンなど増感剤;反応希釈剤;熱可塑性樹脂;成分(A)とは異なる熱硬化性樹脂;硬化促進剤;熱安定剤;酸化防止剤;耐候剤;光安定剤;核剤;滑剤;離型剤;増粘剤;レベリング剤;消泡剤;密着性付与剤;帯電防止剤;補強剤などの配合剤が含有していてもよい。
ここで配合剤の一例である増感剤の好適な含有量(重量)を挙げると、成分(A)100部に対して、通常、0〜10部程度である。
【0033】
樹脂組成物の製造方法としては、例えば、押出し機等で成分(A)、(B)および必要に応じて配合剤などを配合して溶融混練する方法、ヘンシェルミキサー等の混合機に成分(A)、(B)および配合剤などを配合してブレンドする方法などが挙げられる。
該組成物をさらにフィルム状に製造する方法としては、例えば、溶融混練して得られた該組成物をTダイで押出成形する方法;ヘンシェルミキサー等の混合機に成分(A)、(B)および配合剤などを配合してブレンドし、プレスで成形する方法などが挙げられる。
【0034】
フィルムとしての取扱いを一層、容易にするために、支持基材の上に該組成物からなるフィルムを成形することが推奨される。支持基材としては、例えば、4−メチル−1−ペンテン共重合体からなるフィルムなどのポリオレフィン系フィルム、酢酸セルロースフィルム、樹脂組成物層に接する面にシリコン系離型剤あるいはフッ素系離型剤が塗布された離型紙及び離型ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどが挙げられる。
フィルムの厚みとしては、銅箔を接着するのに十分な量を与える厚みであるが、通常、1〜100μm程度である。
【0035】
本発明のプリプレグは、かくして得られた成分(A)および成分(B)を含有する樹脂組成物をクロスに含浸させて得られるものである。
ここで、クロスとは、例えば、ケブラーやトワロンなどの登録商標で知られるポリアミド繊維、炭素繊維、セルロース、ガラス繊維などから得られる織布又は不織布である。中でも、ガラス繊維の織布又は不織布から得られるガラスクロスが好適である。
【0036】
ガラスクロスについてさらに説明すると、ガラスクロスとしては、例えば、Eガラス、Dガラス、Hガラス等のガラスを原料とするガラス繊維(ヤーン)から得られる織布であり、要求される特性に応じて適切なガラス組成、フィラメント直径、フィラメント本数、ガラスクロスのタイプ(長クロス、ロービング)、より数、より方向、織り密度等を選定できる。
また、近年の小径穴加工への対応するために、ガラス繊維が面内に均一に分布している、不織布のガラスクロスを使用することが好適である。
【0037】
ガラスクロスとしては、旭シュエーベル、カネボウ等から市販されているものを使用することができる。また、樹脂組成物との密着性を改良する目的でシランカップリング剤等の表面処理剤により処理されたガラス繊維からなるガラスクロスや、ガラスクロスの表面を表面処理剤で処理したものであってもよい。
【0038】
樹脂組成物は、クロスに含浸されることから、プリプレグの厚みは、所望する基板に応じて、クロスの厚みを制御することにより調製することができる。クロスの厚みとしては、通常、5μm〜1mm程度、好ましくは、10〜200μm程度である。柔軟性の求められるフレキシブル基板材料用のプリプレグとしては、通常、5〜100μm程度である。
【0039】
本発明のプリプレグを製造する方法としては、例えば、樹脂組成物をフィルム状に加工したのち、該フィルムを加熱、液化して、該組成物をクロスに含浸させる方法;溶液状の樹脂組成物を塗布して、該組成物をクロスに含浸させる方法などが挙げられる。
樹脂組成物をフィルム状に加工したのち、該フィルムを加熱、液化して、該組成物をクロスに含浸させる方法についてさらに具体的に説明すると、例えば、
ア)樹脂組成物をクロス上に押出しラミネートし、ラミネートの加熱により液化された該組成物をクロスに含浸させる方法;
イ)樹脂組成物を前記のようにフィルム状に成形した後、ラミネーター、真空ラミネーター等を用いてクロス上にフィルムを積層したのち、ラミネートの加熱により液化された該組成物をクロスに含浸させる方法などが挙げられる。
【0040】
溶液状の樹脂組成物を塗布して、該組成物をクロスに含浸させる方法としては、例えば、
ウ)樹脂組成物をクロス上にホットメルトアプリケーター等により塗布、含浸させたのち、必要に応じて溶媒を留去してプリプレグを製造する方法;
エ)樹脂組成物を溶剤に溶解し、クロス上にキャストしたのち、溶媒を留去してプリプレグを製造する方法;
オ)樹脂組成物を溶剤に溶解し、該溶液にクロスを含浸させたのち、溶液から引き上げたのち、溶媒を留去してプリプレグを製造する方法などが挙げられる。
ここで、溶媒としては、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、メタノール、ブタノール、ポリエチレングリコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリビニルアルコールなどのアルコール類、塩化メチレンなどの塩素化炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、石油エーテルなどの脂肪族炭化水素などが挙げられ、中でも芳香族炭化水素及びケトン類が好適に用いられる。
【0041】
プリプレグの製造方法としては、樹脂組成物をフィルム状に加工したのち、該フィルムを加熱、液化して、該組成物をクロスに含浸させる方法が、樹脂組成物をフィルムとして容易に取り扱うことできる上、プリプレグの製造に塗布、乾燥などの工程を必要としないことから、簡便である。
【0042】
本発明のプリプレグは、耐薬品性にも優れることから、銅箔を貼り合わせ、熱圧着することがなくともエッチングをすることもできる。このような特性から、例えば、本発明のプリプレグの片面に銅箔を貼り合せ、回路をエッチングしたのち、銅箔を貼り合わせていない面と回路を有する面とを積層したのち、熱圧着して多層基板を製造することができる。
【0043】
かくして得られたプリプレグに、例えば、ラミネーター、真空ラミネーター、熱プレス成形機、真空プレス機等で銅箔を熱圧着し、樹脂組成物を硬化させて片面銅張積層板、両面銅張積層板などの基板材料を得ることができる。
ラミネーター、真空ラミネーターを使用して基板材料を得る場合、通常、90〜180℃程度、搬送速度:0.1〜3m/分程度、圧力:0.1〜2MPa程度であるが、好ましくは100〜170℃程度、搬送速度:0.2〜2m/分程度、圧力:0.5〜1.5MPa程度で銅箔を熱圧着する。
さらに、樹脂組成物の硬化を完了させるという観点から、引き続き約90〜200℃で5秒〜2時間程度、好ましくは約100〜180℃で5分〜1時間程度熱硬化させることが好ましい。
【0044】
熱プレス成形機を使用して基板を得る場合、通常、90〜200℃程度、0.1〜3MPa程度、5秒〜2時間程度、好ましくは100〜180℃程度、0.5〜2MPa程度、5分〜1時間程度で銅箔を熱圧着する。
また、真空プレス機を使用して基板を得る場合、5〜20kPa程度の減圧下に90〜200℃程度、0.1〜3MPa程度、5秒〜2時間程度、好ましくは100〜180℃程度、0.5〜2MPa程度、5分〜1時間程度で銅箔を熱圧着する。
【0045】
【実施例】
次に実施例を示して、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。尚、以下の例中、部とあるのは特に断りのない限り、重量部である。
【0046】
<成分(A)>
成分(A)として下記共重合体を使用した。
A:エチレン・メタクリル酸ク゛リシシ゛ル共重合体
(住友化学工業(株)製 ホ゛ント゛ファースト CG5001、エチレンに由来する構造単位=100部、メタクリル酸ク゛リシシ゛ルに由来する構造単位=22部)
<成分(B)>
成分(B)として、フェノールと液状ポリジエンの重合物(日本石油化学製 PP−700−300の脱溶剤品)を使用した。
【0047】
<クロス>
クロスとして下記のガラスクロスを使用した。
C1:旭シュエーベル製 1560/XB891MS
(厚さ:125μm、芳香族アミノシラン処理)
C2:旭シュエーベル製 6060/AS891MSW
(厚さ:40μm、芳香族アミノシラン処理)
C3:カネボウ製 KS1020/S−920NM
(厚さ:30μm、エポキシシラン処理)
C4:カネボウ製 KS1090/S−920N
(厚さ:50μm、エポキシシラン処理)
【0048】
(実施例1)
<フィルム状の樹脂組成物の製造例>
液添設備を備え付けた、同方向2軸押し出し機を用い、120℃で成分(A):100部、成分(B):10部、及び酸化防止剤を溶融混練することによりペレット化された樹脂組成物を調製したのち、離型処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETという)上に、得られたペレットをTダイにて約20μmのフィルムを押出しラミネートし、組成物層とPETとの2層からなるフィルム状の樹脂組成物を得た。
【0049】
<プリプレグの製造例1>
ガラスクロス(C2)の両面に、前記の2層からなる樹脂組成物の組成物層を貼り合せ、ラミネーターで150℃、0.5m/分、1.4MPaの条件下で組成物を液化、含浸させたのち、両面のPETを剥離して、プリプレグを得た。
【0050】
<両面銅張基板(基板材料)の製造例1>
前記プリプレグ両面に、18μmの銅箔(ジャパンエナジー製JTC箔)を貼り合せ、ラミネーターで150℃、0.5m/分、1.4MPaで熱圧着し、さらに、180℃で1時間熱圧着して、両面銅張基板(基板材料)を得た。
【0051】
<吸湿ハンダ耐熱試験>
両面銅張基板を、タバイエスペック製 SOLDERABILITY TESTER EST−11を用い、260℃のハンダ浴へ10秒浸漬した。これを1サイクルとして6サイクル繰返した後、表面外観を目視観察した(これを初期の耐ハンダ性という)。
続いて、該基板を85℃、60%RH、168時間の吸湿処理を施した後、同様の操作で両面銅張基板をハンダ浴へ浸漬した(これを吸湿処理後の耐ハンダ性という)。下記の基準に従って、結果を表1にまとめた。
○:両面銅張基板の外観に異常(剥離、膨れ)がなく、ハンダもぐりがないもの
×:両面銅張基板の外観に異常(剥離、膨れ)がある、または、
ハンダもぐりがあるもの
【0052】
(実施例2および3)
ガラスクロスとしてC2の代わりにC3を用いる以外、実施例1と同様にして、両面銅張基板(基板材料)を得た。
また、ガラスクロスとしてC2の代わりにC4を用いる以外、実施例1と同様にして、両面銅張基板(基板材料)を得た。
いずれの耐ハンダ性試験の結果も、実施例1とともに表1にまとめた。
【0053】
【表1】
Figure 2004051689
【0054】
(実施例4)
組成物層の厚みが10μmである以外は、前記、実施例1の<フィルム状の樹脂組成物の製造例>と同様にして、組成物層とPETとの2層からなるフィルム状の樹脂組成物(組成物層10μm)を得た。同様に、2層からなるフィルム状の樹脂組成物(組成物層50μm)を得た。
ガラスクロス(C1)の片面に、組成物層10μmの樹脂組成物を貼り合せ、もう一方の片面に、組成物層50μmの樹脂組成物を貼り合せたのち、ラミネーターで150℃、0.5m/分、1.4MPaの条件下で組成物を液化、含浸させたのち、両面のPETを剥離して、プリプレグを得た。
続いて、プリプレグの両面に、18μmの銅箔(ジャパンエナジー製JTC箔)を貼り合せ、6.7kPaの減圧下で175℃、2MPa、50分真空プレスして、両面銅張基板を得た。
得られた両面銅張基板を塩化第二鉄にてエッチングした。エッチングにより残存した板の厚みは125μm程度でありC1の厚みとほとんど変化はなかった。また、エッチング後の基板を1cm幅に裁断し、直径2mmφの金属棒に該基板を巻きつけたが、ひび、割れ等は見られず、柔軟性に優れることがわかった。
【0055】
基板をエッチングして得られたものを3枚重ねて、アクリル樹脂で包埋したのち切断し、その断面を研磨したものについて、電子顕微鏡で撮影した写真(20倍)を図1に示した。尚、エッチングして得られた基板を3枚重ねて包埋したのは、研磨を容易にするためである。
写真によれば、ガラス繊維が白点や白い蛇行線で表され、それぞれが縦糸(1)および横糸(2)を構成し、ガラスクロスの織布となっている。糸の間に、樹脂組成物を熱硬化したもの(3)が充填されていること(白地)が観察される。すなわち、フィルム状の樹脂組成物を加熱、液化して、ガラスクロスに含浸されていることがわかる。
【0056】
(実施例5)
実施例4と同様にプリプレグを得た。
続いて、50μmの樹脂組成物層を含浸させた面に18μmの銅箔(ジャパンエナジー製JTC箔)を貼り合せ、6.7kPaの減圧下で175℃、2MPa、50分真空プレスして、片面銅張基板を得た。
得られた片面銅張基板を塩化第二鉄にてエッチングした。エッチングにより残存した板の厚みは125μm程度でありC1の厚みとほとんど変化はなかった。また、エッチング後の基板を1cm幅に裁断し、直径2mmφの金属棒に該基板を巻きつけたが、ひび、割れ等は見られず、柔軟性に優れることがわかった。
【0057】
(比較例1:柔軟性の測定)
予め銅箔をエッチングした125μm厚のガラスエポキシ基板を1cm幅に裁断し、直径2mmφの金属棒に基板を巻きつけると、基板が割れた。
【0058】
【発明の効果】
本発明の基板材料は、耐ハンダ性に優れることから、パッケージ用基板材料、リジッド基板材料、銅張積層板材料などに使用し得る。また、本発明の基板材料は、柔軟性に優れ、しかも、薄くとも、耐ハンダ性に優れることからフレキシブル基板材料としても使用することができる。さらに、本発明のプリプレグは耐薬品性に優れることから、エッチングの後、熱圧着させることができる。
本発明のプリプレグの製造方法は樹脂組成物をフィルムとして取り扱うことにより、塗布したり、溶剤を留去する必要がなく、簡便にプリプレグを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例4で得られた両面銅張基板をエッチングしてものを3枚重ね、これをアクリル樹脂で包埋したのち、中央を切断し、研磨したのちの断面の電子顕微鏡写真(20倍)である。写真は3枚撮影し、横に並べたものを示した。
【符号の説明】
1・・・ガラス繊維(白点)からなる縦糸
2・・・ガラス繊維(白い蛇行線)からなる横糸
3・・・樹脂組成物を熱硬化したもの
4・・・基板をエッチングしたものを包埋した樹脂(アクリル樹脂)

Claims (11)

  1. 下記成分(A)及び(B)を含有する樹脂組成物をクロスに含浸させて得られるプリプレグ。
    (A)ビニル基含有モノマーとエポキシ基含有モノマーを重合させて得られる共重合体
    (B)硬化剤及び/又は重合開始剤
  2. 成分(A)が、ビニル基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー及び不飽和エステル化合物を重合させて得られる共重合体であることを特徴とする請求項1に記載のプリプレグ。
  3. 成分(A)が、ビニル基含有モノマーに由来する構造単位[a]100重量部に対し、エポキシ基含有モノマーに由来する構造単位[b]を1〜150重量部、不飽和エステル化合物に由来する構造単位[c]を0〜250重量部含有してなる共重合体であることを特徴とする請求項1又は2に記載のプリプレグ。
  4. ビニル基含有モノマーが、エチレン、α−オレフィン、α−オレフィンオリゴマー、芳香族ビニル、アクリロニトリルから選ばれる少なくとも1種類のモノマーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプリプレグ。
  5. α−オレフィンオリゴマーが、エチレン及び/又はプロピレンを重合させて得られるα−オレフィンオリゴマーであることを特徴とする請求項4に記載のプリプレグ。
  6. エポキシ基含有モノマーが、下記一般式(1)
    Figure 2004051689
    (式中、Rは二重結合を含有する炭素数2〜18の脂肪族炭化水素基を表し、Xはカルボニルオキシ基、メチレンオキシ基またはフェニレンオキシ基を表す。)
    で表わされるエポキシ基含有モノマーであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のプリプレグ。
  7. エポキシ基含有モノマーが、アクリル酸グリシジル及び/又はメタクリル酸グリシジルであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のプリプレグ。
  8. 成分(B)がフェノール系硬化剤、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、遊離のカルボキシル基を有するロジン系硬化剤、光カチオン重合開始剤からなる群から選ばれる少なくとも一種類であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のプリプレグ。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のプリプレグの厚さが5〜100μmであることを特徴とするフレキシブル基板材料用プリプレグ。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のプリプレグに銅箔を熱圧着させて得られる基板材料。
  11. 下記成分(A)及び(B)を含有する樹脂組成物をフィルム状に加工したのち、該フィルムを加熱、液化して、該組成物をクロスに含浸させることを特徴とするプリプレグの製造方法。
    (A)ビニル基含有モノマーとエポキシ基含有モノマーを重合させて得られる共重合体
    (B)硬化剤及び/又は重合開始剤
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