JP2004051370A - ウエブ自動継ぎ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のウエブ継ぎ装置では、ウエブ継ぎ時に大きな張力変動が発生し、高速運転時にはウエブ切れや皺が発生するのでライン速度を上げられず、ライン全体設備の生産性向上を阻害していた。
【解決手段】ウエブ蓄積部のダンサーロールユニットをサーボモータのトルク制御によりウエブ張力対応トルクで駆動して高速・高精度の張力設定をし、これに対し通常運転時は巻戻し軸ブレーキ力の反抗トルクでウエブ張力を発生させ、同時にその値を適正に調整してダンサーロールユニット位置が設定値になるよう制御する。ウエブ継ぎ時のウエブ減速停止及び加速・力行では、加減速ロールのサーボモータ駆動により最適な加速度とその変化率による速度制御を行い、ウエブ蓄積量と張力と加減速時間の関係の最適化を図る。なおサーボモータ制御では指令値を零から最大値の間で滑らかに変化させ、出力トルクの急変を避ける。
【選択図】 図1
【解決手段】ウエブ蓄積部のダンサーロールユニットをサーボモータのトルク制御によりウエブ張力対応トルクで駆動して高速・高精度の張力設定をし、これに対し通常運転時は巻戻し軸ブレーキ力の反抗トルクでウエブ張力を発生させ、同時にその値を適正に調整してダンサーロールユニット位置が設定値になるよう制御する。ウエブ継ぎ時のウエブ減速停止及び加速・力行では、加減速ロールのサーボモータ駆動により最適な加速度とその変化率による速度制御を行い、ウエブ蓄積量と張力と加減速時間の関係の最適化を図る。なおサーボモータ制御では指令値を零から最大値の間で滑らかに変化させ、出力トルクの急変を避ける。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】巻戻しロールからウエブを巻き戻して連続作業する設備におけるウエブ自動継ぎ装置において、通常運転時及びウエブ継ぎサイクル期間中に高速かつ高精度の張力制御を可能にし、さらにウエブ蓄積量とウエブ継ぎサイクル時間の関係を最適にして、ウエブ継ぎ動作を確実に実行するウエブ自動継ぎ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図3に従来のウエブ継ぎ装置を示す。従来装置では通常運転時はエアーシリンダー82の圧力としてウエブ張力対応値より若干高い値を設定して、ダンサーロールユニット81をウエブ蓄積量が増加する側のストロークエンドに押しつけ、後段設備がウエブを引っ張る力と、これに反抗する巻戻しロール軸ブレーキ3a又は3bが発生するブレーキトルクにより、ウエブ張力を発生させている。
【0003】制御装置70は張力指令設定部71と、張力指令補正部72と、ブレーキ指令発生部73と、ウエブ蓄積部への入側ウエブ速度検出部74から構成され、ウエブ蓄積部出側のウエブ張力は張力検出器14とアンプ15で検出・出力している。通常運転時には、張力指令補正部72で張力設定値と実際の張力検出値の差を補正してブレーキ力指令とし、電空変換器30a又は30bを通して巻戻しロール軸ブレーキ3a又は3bを制御して、ウエブ張力を設定値に保つようにしている。
【0004】ウエブ継ぎ時には上記ブレーキ力制御を中断し、エアーシリンダー82の圧力設定値をウエブ張力対応値に変更して、同時に強ブレーキにて現在巻戻し中の巻戻し軸(図3では1a)を急停止させる。ダンサーロールユニット81は、通常運転時はストロークエンドに固定されているが、ウエブ継ぎ時には巻戻し軸から巻き戻されるウエブの速度が減少するので、ウエブ蓄積部の入側ウエブ速度と出側ウエブ速度の差によるウエブ蓄積量の減少により、エアーシリンダー82によるウエブ張力設定値を保ちながら、ストロークが短かくなる方向へ移動を開始する。
【0005】ウエブ継ぎ時の巻戻しロール軸の急停止制御入り後に、入側ウエブ速度検出部74によりウエブ停止を検出し、ウエブ継ぎを実行する。ウエブ継ぎ後は巻戻しロール軸ブレーキ力を最小にして、エアーシリンダー圧力によりダンサーロールユニットをストローク長が増加する方向へ押しやることで、新巻戻しロールはウエブ張力から加速トルクを得て加速する。
【0006】旧巻戻しロール軸を減速停止させてウエブ継ぎを行ない、新巻戻しロールの加速が完了し、更にダンサーロールユニット位置が再度ストロークエンドに到達するまでのウエブ継ぎサイクル期間中で、巻き戻しウエブの速度がライン速度に再到達するまでの期間は、ダンサーロールユニットはストローク長を減少させながら、ウエブ蓄積部に蓄積されているウエブを後段処理部へ供給し続ける。またウエブ継ぎサイクル期間中は、ダンサーロールユニットに加えられるエアーシリンダー圧力に反抗するトルクでウエブ張力が決まる張力制御が行われ、新巻戻しロールの加速中は加速トルクが主な反抗トルクとなって、ウエブ張力は設定値に制御される。ウエブ継ぎ後ダンサーロールユニット位置がストロークエンドに到達したところでウエブ継ぎサイクルは終了して、再び通常運転時の制御に切り替える。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のウエブ継ぎ装置では、巻戻しロール軸ブレーキとして、通常運転時のウエブ張力制御に適したブレーキ力を発生できる性能範囲のものが採用されており、一般に巻き戻し中のウエブを急速停止するにはブレーキ力が不足する。このため前記従来装置の制御では、ウエブ継ぎサイクル初期の旧巻戻しロールの減速停止時には、エアーシリンダーの圧力設定値をウエブ張力対応値よりも弱めて、旧巻戻しロールの減速停止時間を短くするような操作をしている。
【0008】また新巻戻しロールの加速時間は蓄積ウエブの張力と巻戻しロールのイナーシャにより決まるため、短時間で加速を完了させるのに必要な加速トルクを得るために蓄積ウエブの張力を上げているが、新巻戻しロールのイナーシャ値は一定ではないので、ウエブ張力と加速時間は共に不安定なものとなる。
【0009】またウエブ継ぎサイクル期間中の蓄積ウエブの張力は、エアーシリンダー82によりダンサーロールユニット81を押し付ける力と、これに反抗する巻戻しロール軸ブレーキトルク或いは新巻戻しロールの加速トルクにより発生しているが、この張力発生機構の構成要素であるエアシリンダーとダンサーロールユニットにはイナーシャが存在し、更にまた巻戻し軸ブレーキの応答性は一般に高くない。このため、通常運転時の張力制御からウエブ継ぎサイクル時の張力制御へは、またその逆も、瞬時には或いは滑らかには切り替わらない。
【0010】以上のことから、従来のウエブ自動継ぎ装置では、高速でウエブ継ぎを行うとどうしても大きな張力変動が発生し、ウエブ切れや、ウエブに皺発生の原因となった。そしてこのことがライン全体の運転速度を上げられない要因となって、ライン設備の生産性向上を阻害していた。
【0011】
【課題を解決するための手段】ウエブ蓄積部のダンサーロールユニットをサーボモータのトルク制御により常時一定のトルクでウエブ蓄積量が増加する方向へ駆動することによりウエブ張力を高精度・高応答で設定し、通常運転時はこの張力設定値と巻戻し軸ブレーキ力による反抗トルクとの釣り合いによりウエブ張力を発生させる。
【0012】さらに通常運転時は、ダンサーロールユニットの位置がウエブ蓄積量が多くなる側のストロークエンド近傍の設定位置に保たれるように、巻戻しロール軸ブレーキ力を適正に制御する。
【0013】ウエブ継ぎサイクル初期の旧巻戻しロールからの巻き戻しウエブの減速停止時は、巻戻し軸ブレーキに強ブレーキ指令を与えて巻戻しロール自体を減速停止させるが、同時にウエブと滑り無しで回転する加減速ロールを、サーボモータによりウエブ張力に抗して所定の加速度で減速停止させる。これにより許容ウエブ張力内で最短時間の減速停止制御を行う。
【0014】またウエブ継ぎ後の新巻戻しロールからの巻き戻しウエブの加速では、同じく加減速ロールを許容値内の所定加速度で加速して、個々の新巻戻しロールのイナーシャの違いや蓄積ウエブの設定張力の違いにかかわらず、ウエブ蓄積量とウエブ継ぎサイクル期間中のウエブ加減速時間の関係を最適化する。
【0015】加減速ロールをサーボモータで駆動することによるウエブ蓄積部への入側ウエブ速度の減速停止及び加速では、加減速ロールからウエブに伝えられるトルクの大きさと変化率を許容値以内に抑えるように、加減速ロールの速度制御における加速度、加加速度(加速度の変化率)を制御する。
【0016】ウエブ継ぎサイクル後期に、加減速ロールにより新巻戻しロールから巻き戻されるウエブを加速する局面では、ウエブ速度をライン速度より一定比率以上高い速度まで加速して、さらにダンサーロールユニット位置を位置制御の通常制御範囲内まで回復させる。以後はウエブ張力値の乱れ少ない方法(後記)で通常運転時への制御の移行を行う。
【0017】
【発明の実施の形態】ダンサーロールユニットをサーボモータのトルク制御により、ウエブ張力の設定値に対応したトルクで駆動してウエブ張力設定をする制御では、ウエブ蓄積部の後段にウエブ張力検出器を設置して、実際のウエブ張力検出値によりダンサーロールユニットの駆動トルク指令値を補正し、ウエブ張力設定の精度を動的に保つ。
【0018】ダンサーロールユニットをウエブ蓄積量が増加する方向へ上記所定のトルクにより駆動し、これに反抗する巻戻し軸ブレーキトルクとの釣り合いによりウエブ張力を発生させる。更にウエブ張力を設定値に保ちながら、ダンサーロールユニットの位置をウエブ蓄積量が増加する方向のストロークエンド近くの設定値に保つように、巻戻し軸ブレーキ力を適正に制御する。
【0019】この制御は一定の質量Mの物体(この場合はダンサーロールユニット)に力F(物体に作用する正味の力で、この場合はウエブ張力設定値と反抗引張り力の差)を加えて物体の位置xを制御する系となり、これらの物理量の間には基本的に(その他の作用力である摩擦力やバネ力は比較的小さいので無視できるとして)下記の式1が成立する。
F=Mα ・・・・式1
ここでα=d2x/dt2(tは時間)
式1の変数xを時間tで解いたものは非減衰の振動式となる。即ち、位置の設定値と現在位置のフィードバック値の差のみでダンサーロールユニットの位置を制御しようとすると振動する。これを解決して適正な応答の位置制御を実現するために、減衰要素として位置の変化率(即ち速度dx/dt)を検出して適正ゲインで追加フィードバックする制御をする。
【0020】また、ダンサーロールユニットの駆動トルクに反抗するトルクを巻戻し軸ブレーキ力により発生させて一定のウエブ張力を得るためには、巻戻しロール径値に比例したブレーキ力が必要となるため、巻戻し軸ブレーキ指令値には巻戻しロール径の比例値を乗ずる。
【0021】ウエブ継ぎサイクル初期の旧巻戻しロールから巻き戻されるウエブの減速停止は、サーボモータにより加減速ロールをウエブ張力に抗して所定の加速度で減速停止させることで、許容ウエブ張力内で最短時間の減速停止制御を行う。またウエブ継ぎ後の新巻戻しロールからの巻き戻しウエブの加速では、同じく加減速ロールを所定の加速度で加速することで、ウエブ蓄積量とウエブ継ぎサイクル期間中のウエブ加減速時間の関係を最適化する。
【0022】なお、ウエブ継ぎサイクル後期の新巻戻しロールから巻き戻されるウエブの加速では、個々の巻戻しロールのイナーシャの違いや蓄積ウエブの設定張力の違いにかかわらず、新巻戻しロールを所定の加速度で加速するのに必要なトルクを加減速ロールからウエブを介して新巻戻しロールに与える。このとき巻戻しロール軸ブレーキには最小ブレーキ力指令を与えて、加速過程で巻き戻されるウエブが弛るまないようにする。
【0023】また、巻戻しロールから巻き戻されるウエブの減速停止及び加速では、加減速ロールからウエブに伝えられるトルクの大きさと変化率を一定値以内に抑えるため、加減速ロール駆動の加速度の大きさと変化率(即ち加加速度)を一定値以内に抑える制御を行う。
【0024】ウエブ継ぎサイクル期間中のダンサーロールユニットの位置制御では、位置偏差(位置の設定値と現在位置の差)が大きくなり飽和領域(位置の修正動作が偏差値に比例して働かない領域)にあって、位置の現在値は設定値から外れている。しかしウエブ張力の制御はウエブ継ぎサイクル期間中も正常に機能しており、ウエブ張力は設定値になるよう制御されている。
【0025】ウエブ継ぎ後に加減速ロールにより新巻戻しロールから巻き戻されるウエブの加速が完了し、ダンサーロールユニット位置が通常制御範囲内まで回復した後は、加減速ロールを駆動するサーボモータの出力トルクの制限値を滑らかに減少させて零に到達させて(この状態ではサーボモータの出力トルクは零となりモータ軸の回転はフリーとなる)、サーボモータをウエブ速度に連れ回転させ、その後はサーボモータの速度指令値は次回のウエブ継ぎサイクルに備えてライン速度に等しくしておく。これによりウエブ継ぎサイクルは終了して、滑らかに通常制御時へ移行する。
【0026】
【実施例】図1及び図2に本発明の実施例を示す。
【0027】
【構成】図1のウエブ自動継ぎ装置では、1a,1bは巻戻しロール、2a,2bはウエブ継ぎユニット、3a,3bは巻戻し軸ブレーキ、4はウエブ加減速ロール、4aは加減速ロールの押さえロール、5,6はダンサーロール、7はウエブ支えロール、8は蓄積ウエブ、9はダンサーロール5,6を一体にして支えるダンサーロールユニット、10,11はラック&ピニオン、12は加減速ロール4を駆動するサーボモータ、12aはサーボモータ12の軸に直結のパルス発生器、13はピニオン11を駆動するサーボモータ、13aはサーボモータ13の軸に直結のパルス発生器、14はウエブ蓄積部出側のウエブ張力検出器、15は張力検出器アンプ、16はライン速度検出用パルス発生器、20はウエブ自動継ぎ装置全体の演算制御装置、30a,30bは軸ブレーキ用電空変換器、31,32はサーボアンプ、40a,40bは巻戻しロール軸回転検出用のパルス発生器である。
【0028】図2のウエブ自動継ぎ装置は、図1の実施例におけるダンサーロールユニットの駆動機構であるラック10&ピニオン11の部分を、チエーン(又はタイミングベルト)10とチェーン(又はタイミングベルト)駆動ロール11,11aに、更にピニオンを駆動する第2のモータ部分をチェーン(又はタイミングベルト)駆動ロールを駆動する第2のモータに置き換えたもので、置き換え部分の機能は目的に対して同等であり、図2の装置は図1の装置の部分変更形である。
【0029】
【動作説明】ウエブ継ぎサイクルの初期には、加減速ロール駆動用サーボモータ12の出力トルク制限値を待機中の零値から通常値(例えば定格トルク値の250%程度)まで回復させ、ウエブ蓄積部入側のウエブ速度を所定の加加速度と加速度により速度制御で減速させる。この速度制御に必要な加加速度,加速度及び速度の指令値変化は、最近ではサーボアンプ31の内部機能の活用も可能であるが、数値設定値の調整のし易さから、本実施例では図1の演算制御装置内の速度指令発生部241内の数値サーボソフトウエアにより発生させている。
【0030】図4に加速度の急変を抑えて速度を立ち上げる場合の速度指令値の発生方法の一例を示す。図4では速度指令値が立ち上がる(即ち加速時の)場合を説明しているが、減速時についても速度指令の初期値と到達目標値及び加速度と加加速度の符号が変わるのみで考え方は同じである。図4(a)で加加速度はda又は−daであり、それを時間積分したものは図4(b)の加速度aとなる。時刻0〜時刻t0は加速度の増加期間で、時刻t1〜時刻t2は等加速度での加速期間であり、時刻t2〜時刻t3は加速度減少期間であり、時刻t3で目標速度指令値に到達する。このような速度推移では通常の直線加速時のように加速度が零値から最大値までステップ状に変化することがないため、制御対象物に衝撃トルクを与えない。この速度指令値発生法は図1及び図2のウエブ継ぎ時制御部24内の速度指令発生部241で適用している。
【0031】またこの速度指令値発生法は、速度指令値をトルク制限値に置き換えてサーボモータの出力トルク制限値を滑らかに増加又は減少させる場合にも応用でき、図1及び図2のウエブ継ぎ時制御部24内の出力トルク制限部242でも適用している。
【0032】またこの速度指令値発生法では、加速度の減少完了時点で目標の速度指令値に到達している必要があるので、加速度減少開始点を検出することが必要である。図4の方法では、加速度の増加期間と減少期間を等しい時間に設定し、加速度の増加期間中の速度指令値増分を2倍で積算して等加速度で増速中は速度指令値増分を1倍で積算する速度指令値の監視値(図4(c)のFr1)をつくり、この値が速度指令の設定値に到達した時点が加速度減少開始点(図4(c)の時刻t2)としている。
【0033】図5に図4の速度指令値を発生させるソフトウエアのフローを示す。図5では一定のスキャンタイム毎にSTARTからENDまでのプログラムが繰り返し実行される。図5でaは加速度の現在値、daは加速度の増分、amaxは最大加速度値、aminは最小加速度値、Vrmは速度指令設定値、Vrは速度指令現在値、Vr1は速度指令の加速度減少開始点の監視値、Flagは加速度減少開始点検出フラグである。図5では加速度増加完了時点t1にVr1の値はVrの値の2倍になっており、Vr1はVrより加速度減少時間分だけ早く速度指令の設定値Vrmに到達する。このとき加速度減少開始点検出フラグFlagは0から1に変化し、加速度は減少を開始する。なお、加速度減少局面で加速度値を完全に零に到達させると、da値の分解によっては速度指令値が目標値に到達できなくなるケースがあるので、加速度の最小値は残している。
【0034】ウエブ継ぎサイクル入りで加減速ロールは減速を開始し、同時に巻戻し軸ブレーキには強ブレーキ指令を出して旧巻戻しロールを減速停止させる。一般に加減速ロールの減速停止が巻戻しロールの停止完了に先行して、ウエブの方が巻戻しロールより早く停止し、ウエブ停止後も若干長のウエブが巻き戻される。しかし巻戻しロールの減速がウエブ停止に先行できる場合でも、ウエブ速度は加減速ロールの速度制御に従うため、巻戻しロールはウエブ速度に引かれて回転し、ウエブ速度に従って巻戻しロールは停止する。
【0035】ウエブ蓄積部への入側ウエブ速度の停止は、図1の加減速ロール駆動用サーボモータ12の軸に直結のパルス発生器12aの出力パルス周波数を監視する零速度検出部243により検出し、直ちにウエブ継ぎユニット2a又は2bへ動作指令を出力する。ウエブ継ぎユニットは、細部を図示してはいないが、ウエブ継ぎ動作指令を受けて内部の押接バーにより新ウエブ先端の接着テープ部を旧ウエブに押し付け、引き続き加圧ロールの回転で接着を確実にして、ナイフで旧ウエブを切断する一連の動作を完了する。
【0036】ウエブ継ぎ後は、直ちにウエブ加減速ロール駆動用サーボモータ12を所定の加加速度,加速度に従って加速する。新ウエブの速度がライン速度の一定比率以上の高い速度に到達し、さらにダンサーロールユニット9の位置が位置制御の有効制御領域内に到達したところで力行を止めて、直ちに加減速ロール駆動用サーボモータ12の出力トルク制限値を滑らかに減少させ零に到達させる。その後サーボモータ12に対する速度指令値はライン速度に等しくして次回のウエブ継ぎサイクルを待つ。
【0037】以後は加減速ロールはウエブ速度に連れ回りし、ダンサーロールユニット9はウエブ張力設定用のサーボモータ13の駆動トルクと巻戻しロール軸ブレーキ(新巻戻しロールが1bの場合は軸ブレーキは3b)による反抗トルクの釣り合いによるウエブ張力制御とダンサーロールユニット9の位置制御に移行して、通常運転時となる。
【0038】図6はサーボアンプ50とサーボモータ60による速度制御時の制御機能構成図である。サーボモータ50内の51は速度制御部、52は速度検出部、53は出力トルク制限部、54は電流制御部、55は電流検出部、56は電力変換部、57は電流検出器であり、サーボモータ60はサーボモータ61と軸直結のパルス発生器62で構成されている。サーボアンプ50とサーボモータ60によるサーボドライブセットでの速度制御は、機能大別して速度ループとトルク制限部と電流ループから構成されており、速度ループの構成要素である速度制御部51の出力信号はトルク制限部53を通して電流ループの構成要素である電流制御部54に入力される。トルク制限部53へ、図1又は図2の演算制御装置20内の出力トルク制限部242から出力トルク制限指令値を入力することにより、サーボモータの出力トルクを意図した値と時間経過の関係に制御できる。
【0039】図7はダンサーロールユニット位置と巻戻しロール軸ブレーキ力の関係を示し、縦軸はブレーキ力(巻戻しロール径値を考慮したウエブ張力への実効反抗力)で横軸はダンサーロールユニット位置である。横軸のXrは設定位置、X1〜X2が通常制御範囲、Xmin及びXmaxはそれぞれ最小及び最大ストロークエンドである。ウエブ継ぎサイクル期間中もダンサーロールユニットの位置制御は機能しているが、ウエブ継ぎ直後の加減速ロールの加速開始時点では、ウエブ継ぎサイクル入り後のウエブ蓄積量の減少によりダンサーロールユニット位置はX1よりもXmin側へ移動しており、軸ブレーキ力としては最小値が出力されている。加減速ロールによる新巻戻しロールから巻き戻されるウエブの加速・力行は、ダンサーロールユニット位置がX1よりもXr側まで回復した時点で完了とする。その後、加減速ロール駆動用サーボモータ12の出力トルク制限値を滑らかに減少させて零に到達させれば、ダンサーロールユニットの位置制御は滑らかに通常運転時制御に移行する。
【0040】ダンサーロールユニットの位置制御では、まずダンサーロールユニットの現在位置値を、図1のサーボモータ13に軸直結で内蔵されているパルス発生器13aの出力信号に、演算制御装置20内の位置検出部231で対応つける。パルス発生器13aとして絶対値形ロータリエンコーダを採用すれば、ダンサーロールユニット位置とパルス発生器の出力信号の対応設定は作業開始時に一度行えばよい。
【0041】図1の演算制御装置20内の通常運転制御部23内で、ダンサーロールユニットの位置指令値232とダンサーロールユニット位置検出部231の出力値を突き合わせて(引き算して)位置誤差を検出する。さらに、位置検出部231の出力信号を微分回路233に入力し、その出力としてダンサーロールユニットの移動速度を得る。位置誤差値と移動速度値に乗算回路234,235でそれぞれゲイン値Kp及びKvを乗じ、符号を考慮して加算しブレーキ力信号236を得る。ブレーキ力に巻戻しロール径値を乗じた数値がウエブ張力を発生させる反抗トルクに比例する。このためブレーキ力信号236に乗算回路237で巻戻し径比例値を乗じてブレーキ力指令値とする。
【0042】なお巻戻し径値の検出は、巻戻し軸回転検出パルス発生器40a(又は40b)の出力パルス間隔中の、ウエブ蓄積部の入側ウエブ流長パルス数のカウントにより、図1の通常運転制御部23内の径検出部238で検出する。ウエブ蓄積部の入側ウエブ流長パルスは、加減速ロール駆動用サーボモータ12に内蔵の軸直結パルス発生器12aの出力パルスである。
【0043】図8に本発明実施時の新旧ウエブ速度とダンサーロールユニットの位置の推移を示す。図8でAはライン速度、Bは旧巻戻しロール軸のウエブ速度、Cはウエブ継ぎ時のウエブ速度、Dは新巻戻しロール軸のウエブ速度、Eはダンサーロールユニット位置指令レベル、Fはダンサーロールユニット位置である。さらに時刻t0から時刻t4までがウエブ継ぎサイクル期間であり、時刻t0〜時刻t1は旧ウエブ減速期間、時刻t1〜時刻t2はウエブ継ぎ期間、時刻t2〜時刻t4は新ウエブ加速・力行期間であり、時刻t0以前と時刻t4以降は通常運転期間である。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、ウエブ蓄積部のダンサーロールユニットを常時サーボモータのトルク制御によりウエブ張力に対応するトルクで駆動し、この張力設定値を実際のウエブ張力検出値で動的に補正することで、通常運転中及びウエブ継ぎサイクル期間中を通して、高速かつ高精度のウエブ張力設定・制御が可能となる。
【0045】ウエブ継ぎサイクル中の旧巻戻しロールからの巻き戻しウエブの減速停止、及び新巻戻しロールからの巻き戻しウエブの加速を、加減速ロールのサーボモータ駆動により最適な加速度と加加速度(加速度の変化率)で速度制御することで、個々の巻戻しロールのイナーシャの違いやウエブ張力の設定値の違いにかかわらず、ウエブ蓄積量と許容ウエブ張力とウエブ継ぎサイクル時間との関係を最適に設定できる。
【0046】巻戻しロール軸の減速停止時間は、加減速ロールのサーボモータ駆動による速度制御で決まるため、巻戻しロール軸ブレーキはより通常運転時の張力制御に適合するブレーキ力を出力する性能範囲から選定できるようになり、通常運転時のウエブ張力制御はこの面からも容易になる。
【0047】さらにこの加減速ロール駆動用サーボモータの出力トルクを、滑らかに零から通常設定値まで増加させ、或いは通常設定値から滑らかに零まで減少させる制御を実施することにより、ウエブ継ぎ動作によるウエブ張力の変動幅と変化率(対時間)を最小限に抑えることができる。
【0048】以上から、ウエブ継ぎのサイクル時間(旧巻戻しロールの減速停止、ウエブ継ぎ、新巻戻しロールの加速・力行完了までの時間)とウエブ蓄積量との関係の最適化が可能になり、またウエブ張力変動が抑えられてウエブ継ぎ作業の品質が向上するため、ライン全体の運転速度を上げることが可能になり、ライン設備の生産性向上に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は本発明の一実施例の構成図である。
【図2】は図1の実施例の一部構成要素を同等機能の他方式に置き換えた実施例の構成図である。
【図3】は従来装置の例である。
【図4】は加速度の急変を抑えた速度指令の発生方法の説明図である。
【図5】は図4の方法を具体化するソフトウエアのフロー図である。
【図6】はサーボモータ駆動による速度制御時の機能構成図である。
【図7】はダンサーロールユニット位置制御におけるダンサーロールユニット位置と巻戻し軸ブレーキ力の関係の説明図である。
【図8】は本発明実施時の新旧巻戻し軸のウエブ速度とダンサーロールユニット位置の推移の説明図である。
【図1の符号の説明】
1a,1b・・・巻戻しロール
2a,2b・・・ウエブ継ぎユニット
3a,3b・・・巻戻し軸ブレーキ
4 ・・・ウエブ加減速ロール
4a ・・・加減速ロールの押さえロール
5,6 ・・・ダンサーロール
7 ・・・ウエブ支えロール
8 ・・・蓄積ウエブ
9 ・・・ダンサーロールユニット
10 ・・・ラック
11 ・・・ピニオン
12 ・・・加減速ロール4を駆動するサーボモータ
12a ・・・サーボモータ12に内蔵の軸直結のパルス発生器
13 ・・・ピニオン11を駆動するサーポモータ
13a ・・・サーボモータ13に内蔵の軸直結のパルス発生器
14 ・・・ウエブ蓄積部出側のウエブ張力検出器
15 ・・・張力検出器のアンプ
16 ・・・ライン速度検出用パルス発生器
20 ・・・ウエブ自動継ぎ装置全体の演算制御装置
30a,30b・・軸ブレーキ用電空変換器
31,32 ・・サーボアンプ
40a,40b・・巻戻しロール軸回転検出用のパルス発生器
【発明の属する技術分野】巻戻しロールからウエブを巻き戻して連続作業する設備におけるウエブ自動継ぎ装置において、通常運転時及びウエブ継ぎサイクル期間中に高速かつ高精度の張力制御を可能にし、さらにウエブ蓄積量とウエブ継ぎサイクル時間の関係を最適にして、ウエブ継ぎ動作を確実に実行するウエブ自動継ぎ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図3に従来のウエブ継ぎ装置を示す。従来装置では通常運転時はエアーシリンダー82の圧力としてウエブ張力対応値より若干高い値を設定して、ダンサーロールユニット81をウエブ蓄積量が増加する側のストロークエンドに押しつけ、後段設備がウエブを引っ張る力と、これに反抗する巻戻しロール軸ブレーキ3a又は3bが発生するブレーキトルクにより、ウエブ張力を発生させている。
【0003】制御装置70は張力指令設定部71と、張力指令補正部72と、ブレーキ指令発生部73と、ウエブ蓄積部への入側ウエブ速度検出部74から構成され、ウエブ蓄積部出側のウエブ張力は張力検出器14とアンプ15で検出・出力している。通常運転時には、張力指令補正部72で張力設定値と実際の張力検出値の差を補正してブレーキ力指令とし、電空変換器30a又は30bを通して巻戻しロール軸ブレーキ3a又は3bを制御して、ウエブ張力を設定値に保つようにしている。
【0004】ウエブ継ぎ時には上記ブレーキ力制御を中断し、エアーシリンダー82の圧力設定値をウエブ張力対応値に変更して、同時に強ブレーキにて現在巻戻し中の巻戻し軸(図3では1a)を急停止させる。ダンサーロールユニット81は、通常運転時はストロークエンドに固定されているが、ウエブ継ぎ時には巻戻し軸から巻き戻されるウエブの速度が減少するので、ウエブ蓄積部の入側ウエブ速度と出側ウエブ速度の差によるウエブ蓄積量の減少により、エアーシリンダー82によるウエブ張力設定値を保ちながら、ストロークが短かくなる方向へ移動を開始する。
【0005】ウエブ継ぎ時の巻戻しロール軸の急停止制御入り後に、入側ウエブ速度検出部74によりウエブ停止を検出し、ウエブ継ぎを実行する。ウエブ継ぎ後は巻戻しロール軸ブレーキ力を最小にして、エアーシリンダー圧力によりダンサーロールユニットをストローク長が増加する方向へ押しやることで、新巻戻しロールはウエブ張力から加速トルクを得て加速する。
【0006】旧巻戻しロール軸を減速停止させてウエブ継ぎを行ない、新巻戻しロールの加速が完了し、更にダンサーロールユニット位置が再度ストロークエンドに到達するまでのウエブ継ぎサイクル期間中で、巻き戻しウエブの速度がライン速度に再到達するまでの期間は、ダンサーロールユニットはストローク長を減少させながら、ウエブ蓄積部に蓄積されているウエブを後段処理部へ供給し続ける。またウエブ継ぎサイクル期間中は、ダンサーロールユニットに加えられるエアーシリンダー圧力に反抗するトルクでウエブ張力が決まる張力制御が行われ、新巻戻しロールの加速中は加速トルクが主な反抗トルクとなって、ウエブ張力は設定値に制御される。ウエブ継ぎ後ダンサーロールユニット位置がストロークエンドに到達したところでウエブ継ぎサイクルは終了して、再び通常運転時の制御に切り替える。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のウエブ継ぎ装置では、巻戻しロール軸ブレーキとして、通常運転時のウエブ張力制御に適したブレーキ力を発生できる性能範囲のものが採用されており、一般に巻き戻し中のウエブを急速停止するにはブレーキ力が不足する。このため前記従来装置の制御では、ウエブ継ぎサイクル初期の旧巻戻しロールの減速停止時には、エアーシリンダーの圧力設定値をウエブ張力対応値よりも弱めて、旧巻戻しロールの減速停止時間を短くするような操作をしている。
【0008】また新巻戻しロールの加速時間は蓄積ウエブの張力と巻戻しロールのイナーシャにより決まるため、短時間で加速を完了させるのに必要な加速トルクを得るために蓄積ウエブの張力を上げているが、新巻戻しロールのイナーシャ値は一定ではないので、ウエブ張力と加速時間は共に不安定なものとなる。
【0009】またウエブ継ぎサイクル期間中の蓄積ウエブの張力は、エアーシリンダー82によりダンサーロールユニット81を押し付ける力と、これに反抗する巻戻しロール軸ブレーキトルク或いは新巻戻しロールの加速トルクにより発生しているが、この張力発生機構の構成要素であるエアシリンダーとダンサーロールユニットにはイナーシャが存在し、更にまた巻戻し軸ブレーキの応答性は一般に高くない。このため、通常運転時の張力制御からウエブ継ぎサイクル時の張力制御へは、またその逆も、瞬時には或いは滑らかには切り替わらない。
【0010】以上のことから、従来のウエブ自動継ぎ装置では、高速でウエブ継ぎを行うとどうしても大きな張力変動が発生し、ウエブ切れや、ウエブに皺発生の原因となった。そしてこのことがライン全体の運転速度を上げられない要因となって、ライン設備の生産性向上を阻害していた。
【0011】
【課題を解決するための手段】ウエブ蓄積部のダンサーロールユニットをサーボモータのトルク制御により常時一定のトルクでウエブ蓄積量が増加する方向へ駆動することによりウエブ張力を高精度・高応答で設定し、通常運転時はこの張力設定値と巻戻し軸ブレーキ力による反抗トルクとの釣り合いによりウエブ張力を発生させる。
【0012】さらに通常運転時は、ダンサーロールユニットの位置がウエブ蓄積量が多くなる側のストロークエンド近傍の設定位置に保たれるように、巻戻しロール軸ブレーキ力を適正に制御する。
【0013】ウエブ継ぎサイクル初期の旧巻戻しロールからの巻き戻しウエブの減速停止時は、巻戻し軸ブレーキに強ブレーキ指令を与えて巻戻しロール自体を減速停止させるが、同時にウエブと滑り無しで回転する加減速ロールを、サーボモータによりウエブ張力に抗して所定の加速度で減速停止させる。これにより許容ウエブ張力内で最短時間の減速停止制御を行う。
【0014】またウエブ継ぎ後の新巻戻しロールからの巻き戻しウエブの加速では、同じく加減速ロールを許容値内の所定加速度で加速して、個々の新巻戻しロールのイナーシャの違いや蓄積ウエブの設定張力の違いにかかわらず、ウエブ蓄積量とウエブ継ぎサイクル期間中のウエブ加減速時間の関係を最適化する。
【0015】加減速ロールをサーボモータで駆動することによるウエブ蓄積部への入側ウエブ速度の減速停止及び加速では、加減速ロールからウエブに伝えられるトルクの大きさと変化率を許容値以内に抑えるように、加減速ロールの速度制御における加速度、加加速度(加速度の変化率)を制御する。
【0016】ウエブ継ぎサイクル後期に、加減速ロールにより新巻戻しロールから巻き戻されるウエブを加速する局面では、ウエブ速度をライン速度より一定比率以上高い速度まで加速して、さらにダンサーロールユニット位置を位置制御の通常制御範囲内まで回復させる。以後はウエブ張力値の乱れ少ない方法(後記)で通常運転時への制御の移行を行う。
【0017】
【発明の実施の形態】ダンサーロールユニットをサーボモータのトルク制御により、ウエブ張力の設定値に対応したトルクで駆動してウエブ張力設定をする制御では、ウエブ蓄積部の後段にウエブ張力検出器を設置して、実際のウエブ張力検出値によりダンサーロールユニットの駆動トルク指令値を補正し、ウエブ張力設定の精度を動的に保つ。
【0018】ダンサーロールユニットをウエブ蓄積量が増加する方向へ上記所定のトルクにより駆動し、これに反抗する巻戻し軸ブレーキトルクとの釣り合いによりウエブ張力を発生させる。更にウエブ張力を設定値に保ちながら、ダンサーロールユニットの位置をウエブ蓄積量が増加する方向のストロークエンド近くの設定値に保つように、巻戻し軸ブレーキ力を適正に制御する。
【0019】この制御は一定の質量Mの物体(この場合はダンサーロールユニット)に力F(物体に作用する正味の力で、この場合はウエブ張力設定値と反抗引張り力の差)を加えて物体の位置xを制御する系となり、これらの物理量の間には基本的に(その他の作用力である摩擦力やバネ力は比較的小さいので無視できるとして)下記の式1が成立する。
F=Mα ・・・・式1
ここでα=d2x/dt2(tは時間)
式1の変数xを時間tで解いたものは非減衰の振動式となる。即ち、位置の設定値と現在位置のフィードバック値の差のみでダンサーロールユニットの位置を制御しようとすると振動する。これを解決して適正な応答の位置制御を実現するために、減衰要素として位置の変化率(即ち速度dx/dt)を検出して適正ゲインで追加フィードバックする制御をする。
【0020】また、ダンサーロールユニットの駆動トルクに反抗するトルクを巻戻し軸ブレーキ力により発生させて一定のウエブ張力を得るためには、巻戻しロール径値に比例したブレーキ力が必要となるため、巻戻し軸ブレーキ指令値には巻戻しロール径の比例値を乗ずる。
【0021】ウエブ継ぎサイクル初期の旧巻戻しロールから巻き戻されるウエブの減速停止は、サーボモータにより加減速ロールをウエブ張力に抗して所定の加速度で減速停止させることで、許容ウエブ張力内で最短時間の減速停止制御を行う。またウエブ継ぎ後の新巻戻しロールからの巻き戻しウエブの加速では、同じく加減速ロールを所定の加速度で加速することで、ウエブ蓄積量とウエブ継ぎサイクル期間中のウエブ加減速時間の関係を最適化する。
【0022】なお、ウエブ継ぎサイクル後期の新巻戻しロールから巻き戻されるウエブの加速では、個々の巻戻しロールのイナーシャの違いや蓄積ウエブの設定張力の違いにかかわらず、新巻戻しロールを所定の加速度で加速するのに必要なトルクを加減速ロールからウエブを介して新巻戻しロールに与える。このとき巻戻しロール軸ブレーキには最小ブレーキ力指令を与えて、加速過程で巻き戻されるウエブが弛るまないようにする。
【0023】また、巻戻しロールから巻き戻されるウエブの減速停止及び加速では、加減速ロールからウエブに伝えられるトルクの大きさと変化率を一定値以内に抑えるため、加減速ロール駆動の加速度の大きさと変化率(即ち加加速度)を一定値以内に抑える制御を行う。
【0024】ウエブ継ぎサイクル期間中のダンサーロールユニットの位置制御では、位置偏差(位置の設定値と現在位置の差)が大きくなり飽和領域(位置の修正動作が偏差値に比例して働かない領域)にあって、位置の現在値は設定値から外れている。しかしウエブ張力の制御はウエブ継ぎサイクル期間中も正常に機能しており、ウエブ張力は設定値になるよう制御されている。
【0025】ウエブ継ぎ後に加減速ロールにより新巻戻しロールから巻き戻されるウエブの加速が完了し、ダンサーロールユニット位置が通常制御範囲内まで回復した後は、加減速ロールを駆動するサーボモータの出力トルクの制限値を滑らかに減少させて零に到達させて(この状態ではサーボモータの出力トルクは零となりモータ軸の回転はフリーとなる)、サーボモータをウエブ速度に連れ回転させ、その後はサーボモータの速度指令値は次回のウエブ継ぎサイクルに備えてライン速度に等しくしておく。これによりウエブ継ぎサイクルは終了して、滑らかに通常制御時へ移行する。
【0026】
【実施例】図1及び図2に本発明の実施例を示す。
【0027】
【構成】図1のウエブ自動継ぎ装置では、1a,1bは巻戻しロール、2a,2bはウエブ継ぎユニット、3a,3bは巻戻し軸ブレーキ、4はウエブ加減速ロール、4aは加減速ロールの押さえロール、5,6はダンサーロール、7はウエブ支えロール、8は蓄積ウエブ、9はダンサーロール5,6を一体にして支えるダンサーロールユニット、10,11はラック&ピニオン、12は加減速ロール4を駆動するサーボモータ、12aはサーボモータ12の軸に直結のパルス発生器、13はピニオン11を駆動するサーボモータ、13aはサーボモータ13の軸に直結のパルス発生器、14はウエブ蓄積部出側のウエブ張力検出器、15は張力検出器アンプ、16はライン速度検出用パルス発生器、20はウエブ自動継ぎ装置全体の演算制御装置、30a,30bは軸ブレーキ用電空変換器、31,32はサーボアンプ、40a,40bは巻戻しロール軸回転検出用のパルス発生器である。
【0028】図2のウエブ自動継ぎ装置は、図1の実施例におけるダンサーロールユニットの駆動機構であるラック10&ピニオン11の部分を、チエーン(又はタイミングベルト)10とチェーン(又はタイミングベルト)駆動ロール11,11aに、更にピニオンを駆動する第2のモータ部分をチェーン(又はタイミングベルト)駆動ロールを駆動する第2のモータに置き換えたもので、置き換え部分の機能は目的に対して同等であり、図2の装置は図1の装置の部分変更形である。
【0029】
【動作説明】ウエブ継ぎサイクルの初期には、加減速ロール駆動用サーボモータ12の出力トルク制限値を待機中の零値から通常値(例えば定格トルク値の250%程度)まで回復させ、ウエブ蓄積部入側のウエブ速度を所定の加加速度と加速度により速度制御で減速させる。この速度制御に必要な加加速度,加速度及び速度の指令値変化は、最近ではサーボアンプ31の内部機能の活用も可能であるが、数値設定値の調整のし易さから、本実施例では図1の演算制御装置内の速度指令発生部241内の数値サーボソフトウエアにより発生させている。
【0030】図4に加速度の急変を抑えて速度を立ち上げる場合の速度指令値の発生方法の一例を示す。図4では速度指令値が立ち上がる(即ち加速時の)場合を説明しているが、減速時についても速度指令の初期値と到達目標値及び加速度と加加速度の符号が変わるのみで考え方は同じである。図4(a)で加加速度はda又は−daであり、それを時間積分したものは図4(b)の加速度aとなる。時刻0〜時刻t0は加速度の増加期間で、時刻t1〜時刻t2は等加速度での加速期間であり、時刻t2〜時刻t3は加速度減少期間であり、時刻t3で目標速度指令値に到達する。このような速度推移では通常の直線加速時のように加速度が零値から最大値までステップ状に変化することがないため、制御対象物に衝撃トルクを与えない。この速度指令値発生法は図1及び図2のウエブ継ぎ時制御部24内の速度指令発生部241で適用している。
【0031】またこの速度指令値発生法は、速度指令値をトルク制限値に置き換えてサーボモータの出力トルク制限値を滑らかに増加又は減少させる場合にも応用でき、図1及び図2のウエブ継ぎ時制御部24内の出力トルク制限部242でも適用している。
【0032】またこの速度指令値発生法では、加速度の減少完了時点で目標の速度指令値に到達している必要があるので、加速度減少開始点を検出することが必要である。図4の方法では、加速度の増加期間と減少期間を等しい時間に設定し、加速度の増加期間中の速度指令値増分を2倍で積算して等加速度で増速中は速度指令値増分を1倍で積算する速度指令値の監視値(図4(c)のFr1)をつくり、この値が速度指令の設定値に到達した時点が加速度減少開始点(図4(c)の時刻t2)としている。
【0033】図5に図4の速度指令値を発生させるソフトウエアのフローを示す。図5では一定のスキャンタイム毎にSTARTからENDまでのプログラムが繰り返し実行される。図5でaは加速度の現在値、daは加速度の増分、amaxは最大加速度値、aminは最小加速度値、Vrmは速度指令設定値、Vrは速度指令現在値、Vr1は速度指令の加速度減少開始点の監視値、Flagは加速度減少開始点検出フラグである。図5では加速度増加完了時点t1にVr1の値はVrの値の2倍になっており、Vr1はVrより加速度減少時間分だけ早く速度指令の設定値Vrmに到達する。このとき加速度減少開始点検出フラグFlagは0から1に変化し、加速度は減少を開始する。なお、加速度減少局面で加速度値を完全に零に到達させると、da値の分解によっては速度指令値が目標値に到達できなくなるケースがあるので、加速度の最小値は残している。
【0034】ウエブ継ぎサイクル入りで加減速ロールは減速を開始し、同時に巻戻し軸ブレーキには強ブレーキ指令を出して旧巻戻しロールを減速停止させる。一般に加減速ロールの減速停止が巻戻しロールの停止完了に先行して、ウエブの方が巻戻しロールより早く停止し、ウエブ停止後も若干長のウエブが巻き戻される。しかし巻戻しロールの減速がウエブ停止に先行できる場合でも、ウエブ速度は加減速ロールの速度制御に従うため、巻戻しロールはウエブ速度に引かれて回転し、ウエブ速度に従って巻戻しロールは停止する。
【0035】ウエブ蓄積部への入側ウエブ速度の停止は、図1の加減速ロール駆動用サーボモータ12の軸に直結のパルス発生器12aの出力パルス周波数を監視する零速度検出部243により検出し、直ちにウエブ継ぎユニット2a又は2bへ動作指令を出力する。ウエブ継ぎユニットは、細部を図示してはいないが、ウエブ継ぎ動作指令を受けて内部の押接バーにより新ウエブ先端の接着テープ部を旧ウエブに押し付け、引き続き加圧ロールの回転で接着を確実にして、ナイフで旧ウエブを切断する一連の動作を完了する。
【0036】ウエブ継ぎ後は、直ちにウエブ加減速ロール駆動用サーボモータ12を所定の加加速度,加速度に従って加速する。新ウエブの速度がライン速度の一定比率以上の高い速度に到達し、さらにダンサーロールユニット9の位置が位置制御の有効制御領域内に到達したところで力行を止めて、直ちに加減速ロール駆動用サーボモータ12の出力トルク制限値を滑らかに減少させ零に到達させる。その後サーボモータ12に対する速度指令値はライン速度に等しくして次回のウエブ継ぎサイクルを待つ。
【0037】以後は加減速ロールはウエブ速度に連れ回りし、ダンサーロールユニット9はウエブ張力設定用のサーボモータ13の駆動トルクと巻戻しロール軸ブレーキ(新巻戻しロールが1bの場合は軸ブレーキは3b)による反抗トルクの釣り合いによるウエブ張力制御とダンサーロールユニット9の位置制御に移行して、通常運転時となる。
【0038】図6はサーボアンプ50とサーボモータ60による速度制御時の制御機能構成図である。サーボモータ50内の51は速度制御部、52は速度検出部、53は出力トルク制限部、54は電流制御部、55は電流検出部、56は電力変換部、57は電流検出器であり、サーボモータ60はサーボモータ61と軸直結のパルス発生器62で構成されている。サーボアンプ50とサーボモータ60によるサーボドライブセットでの速度制御は、機能大別して速度ループとトルク制限部と電流ループから構成されており、速度ループの構成要素である速度制御部51の出力信号はトルク制限部53を通して電流ループの構成要素である電流制御部54に入力される。トルク制限部53へ、図1又は図2の演算制御装置20内の出力トルク制限部242から出力トルク制限指令値を入力することにより、サーボモータの出力トルクを意図した値と時間経過の関係に制御できる。
【0039】図7はダンサーロールユニット位置と巻戻しロール軸ブレーキ力の関係を示し、縦軸はブレーキ力(巻戻しロール径値を考慮したウエブ張力への実効反抗力)で横軸はダンサーロールユニット位置である。横軸のXrは設定位置、X1〜X2が通常制御範囲、Xmin及びXmaxはそれぞれ最小及び最大ストロークエンドである。ウエブ継ぎサイクル期間中もダンサーロールユニットの位置制御は機能しているが、ウエブ継ぎ直後の加減速ロールの加速開始時点では、ウエブ継ぎサイクル入り後のウエブ蓄積量の減少によりダンサーロールユニット位置はX1よりもXmin側へ移動しており、軸ブレーキ力としては最小値が出力されている。加減速ロールによる新巻戻しロールから巻き戻されるウエブの加速・力行は、ダンサーロールユニット位置がX1よりもXr側まで回復した時点で完了とする。その後、加減速ロール駆動用サーボモータ12の出力トルク制限値を滑らかに減少させて零に到達させれば、ダンサーロールユニットの位置制御は滑らかに通常運転時制御に移行する。
【0040】ダンサーロールユニットの位置制御では、まずダンサーロールユニットの現在位置値を、図1のサーボモータ13に軸直結で内蔵されているパルス発生器13aの出力信号に、演算制御装置20内の位置検出部231で対応つける。パルス発生器13aとして絶対値形ロータリエンコーダを採用すれば、ダンサーロールユニット位置とパルス発生器の出力信号の対応設定は作業開始時に一度行えばよい。
【0041】図1の演算制御装置20内の通常運転制御部23内で、ダンサーロールユニットの位置指令値232とダンサーロールユニット位置検出部231の出力値を突き合わせて(引き算して)位置誤差を検出する。さらに、位置検出部231の出力信号を微分回路233に入力し、その出力としてダンサーロールユニットの移動速度を得る。位置誤差値と移動速度値に乗算回路234,235でそれぞれゲイン値Kp及びKvを乗じ、符号を考慮して加算しブレーキ力信号236を得る。ブレーキ力に巻戻しロール径値を乗じた数値がウエブ張力を発生させる反抗トルクに比例する。このためブレーキ力信号236に乗算回路237で巻戻し径比例値を乗じてブレーキ力指令値とする。
【0042】なお巻戻し径値の検出は、巻戻し軸回転検出パルス発生器40a(又は40b)の出力パルス間隔中の、ウエブ蓄積部の入側ウエブ流長パルス数のカウントにより、図1の通常運転制御部23内の径検出部238で検出する。ウエブ蓄積部の入側ウエブ流長パルスは、加減速ロール駆動用サーボモータ12に内蔵の軸直結パルス発生器12aの出力パルスである。
【0043】図8に本発明実施時の新旧ウエブ速度とダンサーロールユニットの位置の推移を示す。図8でAはライン速度、Bは旧巻戻しロール軸のウエブ速度、Cはウエブ継ぎ時のウエブ速度、Dは新巻戻しロール軸のウエブ速度、Eはダンサーロールユニット位置指令レベル、Fはダンサーロールユニット位置である。さらに時刻t0から時刻t4までがウエブ継ぎサイクル期間であり、時刻t0〜時刻t1は旧ウエブ減速期間、時刻t1〜時刻t2はウエブ継ぎ期間、時刻t2〜時刻t4は新ウエブ加速・力行期間であり、時刻t0以前と時刻t4以降は通常運転期間である。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、ウエブ蓄積部のダンサーロールユニットを常時サーボモータのトルク制御によりウエブ張力に対応するトルクで駆動し、この張力設定値を実際のウエブ張力検出値で動的に補正することで、通常運転中及びウエブ継ぎサイクル期間中を通して、高速かつ高精度のウエブ張力設定・制御が可能となる。
【0045】ウエブ継ぎサイクル中の旧巻戻しロールからの巻き戻しウエブの減速停止、及び新巻戻しロールからの巻き戻しウエブの加速を、加減速ロールのサーボモータ駆動により最適な加速度と加加速度(加速度の変化率)で速度制御することで、個々の巻戻しロールのイナーシャの違いやウエブ張力の設定値の違いにかかわらず、ウエブ蓄積量と許容ウエブ張力とウエブ継ぎサイクル時間との関係を最適に設定できる。
【0046】巻戻しロール軸の減速停止時間は、加減速ロールのサーボモータ駆動による速度制御で決まるため、巻戻しロール軸ブレーキはより通常運転時の張力制御に適合するブレーキ力を出力する性能範囲から選定できるようになり、通常運転時のウエブ張力制御はこの面からも容易になる。
【0047】さらにこの加減速ロール駆動用サーボモータの出力トルクを、滑らかに零から通常設定値まで増加させ、或いは通常設定値から滑らかに零まで減少させる制御を実施することにより、ウエブ継ぎ動作によるウエブ張力の変動幅と変化率(対時間)を最小限に抑えることができる。
【0048】以上から、ウエブ継ぎのサイクル時間(旧巻戻しロールの減速停止、ウエブ継ぎ、新巻戻しロールの加速・力行完了までの時間)とウエブ蓄積量との関係の最適化が可能になり、またウエブ張力変動が抑えられてウエブ継ぎ作業の品質が向上するため、ライン全体の運転速度を上げることが可能になり、ライン設備の生産性向上に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は本発明の一実施例の構成図である。
【図2】は図1の実施例の一部構成要素を同等機能の他方式に置き換えた実施例の構成図である。
【図3】は従来装置の例である。
【図4】は加速度の急変を抑えた速度指令の発生方法の説明図である。
【図5】は図4の方法を具体化するソフトウエアのフロー図である。
【図6】はサーボモータ駆動による速度制御時の機能構成図である。
【図7】はダンサーロールユニット位置制御におけるダンサーロールユニット位置と巻戻し軸ブレーキ力の関係の説明図である。
【図8】は本発明実施時の新旧巻戻し軸のウエブ速度とダンサーロールユニット位置の推移の説明図である。
【図1の符号の説明】
1a,1b・・・巻戻しロール
2a,2b・・・ウエブ継ぎユニット
3a,3b・・・巻戻し軸ブレーキ
4 ・・・ウエブ加減速ロール
4a ・・・加減速ロールの押さえロール
5,6 ・・・ダンサーロール
7 ・・・ウエブ支えロール
8 ・・・蓄積ウエブ
9 ・・・ダンサーロールユニット
10 ・・・ラック
11 ・・・ピニオン
12 ・・・加減速ロール4を駆動するサーボモータ
12a ・・・サーボモータ12に内蔵の軸直結のパルス発生器
13 ・・・ピニオン11を駆動するサーポモータ
13a ・・・サーボモータ13に内蔵の軸直結のパルス発生器
14 ・・・ウエブ蓄積部出側のウエブ張力検出器
15 ・・・張力検出器のアンプ
16 ・・・ライン速度検出用パルス発生器
20 ・・・ウエブ自動継ぎ装置全体の演算制御装置
30a,30b・・軸ブレーキ用電空変換器
31,32 ・・サーボアンプ
40a,40b・・巻戻しロール軸回転検出用のパルス発生器
Claims (3)
- 一方の巻戻し軸のウエブを他方の巻戻し軸のウエブに継いで繰り出すウエブ自動継ぎ装置において、
前記一方の巻戻し軸のウエブを他方の巻戻し軸のウエブに継ぐウエブ継ぎユニットと、前記巻戻し軸の回転にブレーキトルクを発生させる軸ブレーキと、軸ブレーキ力を制御する電空変換器と、前記巻戻し軸から巻き戻されるウエブを加速または減速停止させる加減速ロールと、加減速ロールを駆動する第1のモータと、複数のダンサーロールで構成されるダンサーロールユニットと加減速ロールと支持ロール群によりウエブを複数条で蓄積するウエブ蓄積部と、ダンサーロールユニットをラック&ピニオンにより往復駆動するダンサー機構と、ピニオンを駆動する第2のモータと、電空変換器,第1のモータ及び第2のモータを制御する演算制御装置を有する、ことを特徴とするウエブ自動継ぎ装置。 - 前記請求項1でのラック&ピニオン部分をチェーン(又はタイミングベルト)とチェーン(又はタイミングベルト)駆動ロールに、更にピニオンを駆動する第2のモータ部分をチェーン(又はタイミングベルト)駆動ロールを駆動する第2のモータに置き換えた、ウエブ自動継ぎ装置。
- 前記請求項1及び請求項2での演算制御装置は、
第1のモータに対しては、ウエブ継ぎサイクルの初期にはウエブ蓄積部への入側ウエブ速度を所定の加速度で減速停止させる制御をし、ウエブ継ぎ後のウエブ継ぎサイクルの後期には入側ウエブを所定の加速度でライン速度より一定比率以上高い速度まで加速し、ダンサーロールユニット位置を通常制御範囲内まで回復させて、以後はモータの出力トルク制限値を滑らかに減少させて零に到達させてモータをウエブ速度に連れ回転させ、その後は速度指令値をライン速度に等しくして次回のウエブ継ぎサイクルを待つ制御をし、
第2のモータに対しては、ウエブ張力を発生させるために、ダンサーロールユニットの駆動について、常時ライン張力設定値に対応したトルクを出力する制御をし、
電空変換器に対しては、ウエブ継ぎサイクル初期のウエブ蓄積部への入側ウエブの減速停止時には強ブレーキ力指令を出力し、ウエブ継ぎサイクル後期の入側ウエブの加速時には最小ブレーキ力指令を出力し、通常運転時にはダンサーロールユニットの位置を設定値に制御するためのブレーキ力指令を出力する、ことを特徴とする請求項1及び請求項2に記載のウエブ自動継ぎ装置。
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JP (1) | JP2004051370A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ES2255823A1 (es) * | 2004-07-29 | 2006-07-01 | M.Torres, Diseños Industriales, S.A. | Controlador multivariable de velocidad y tension de banda para maquinas empalmadoras de papel. |
JP2010111489A (ja) * | 2008-11-07 | 2010-05-20 | Sanko Kikai Kk | 自動充填包装装置のフィルム供給装置、フィルム供給装置のモータ制御方法 |
KR101386750B1 (ko) | 2013-02-25 | 2014-04-17 | 엘에스산전 주식회사 | 유도 전동기의 속도 제어 장치 |
WO2015025406A1 (ja) * | 2013-08-22 | 2015-02-26 | 東芝三菱電機産業システム株式会社 | 制御装置 |
CN105151867A (zh) * | 2014-05-26 | 2015-12-16 | 西门子工厂自动化工程有限公司 | 卷材处理系统及其控制方法 |
-
2002
- 2002-07-19 JP JP2002242693A patent/JP2004051370A/ja active Pending
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