JP2004050895A - 自動車用ガラスラン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】自動車用ガラスランは、型成形で成形された上部ガラスラン50と、押出成形で成形された前部ガラスランと、押出成形で成形された後部ガラスランからなり、上部ガラスラン50を、ドアフレーム上部11の装飾のために取付けられるドアフレームモール40と一体に型成形した。このドアフレームモールをドアフレーム10に取付けることにより、ガラスラン5を強固に取付けることができ、金属調の外観を有するドアフレームモール40と一体のガラスラン5を得ることができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のドアフレームに装着されて、ドアガラスの昇降を案内するとともにドアガラスの周縁部をシールする自動車用ガラスランに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車のドア1には、図6に示すように、ドアガラス6の昇降を案内し、かつ、ドアガラス6が上昇して閉じたときには、車室内外をシールするガラスラン5が設けられている。
従来、例えば図6、図7と図8に示すように、ドアフレーム10は、自動車の車体のルーフ部分に対応する部分およびそのフロント側でかつフロントピラーに対応する部分であるドアフレーム上部110と、フロント側で下方に縦に伸びる前縦部120と、ドアフレーム上部110のリヤ端から下方に縦に伸びる後縦部130で構成され、それぞれドアフレーム上部110、前縦部120と後縦部130には、ガラスランを取付けるチャンネル部200が設けられている。
【0003】
従来のガラスラン5は、図7に示すように主にドアフレーム上部110に取付けられる上部ガラスラン500、前縦部120に取付けられる前部ガラスラン580と後縦部130に取付けられる後部ガラスラン590の3本のガラスランからなっていた。この3本の上部ガラスラン500、前部ガラスラン580および後部ガラスラン590はそれぞれが押出し成形により成形されており、この3本のガラスランは、上部ガラスラン500と前部ガラスラン580を接続する型成形部500bと上部ガラスラン500と後部ガラスラン590を接続する型成形部500cとにより接続されて1本のガラスラン5に形成されていた。
この場合には、型成形部500bと上部ガラスラン500および前部ガラスラン580との接続部分にそれぞれ接続線が生じ、型成形部500cと上部ガラスラン500および後部ガラスラン590との接続部分に同様にそれぞれ接続線が生じていた。特に上部ガラスラン500との接続部分の接続線は、フレームモールを取付けた場合には意匠的に目立つ場合があった。
【0004】
この1本に接続されたガラスラン5が、ドアフレーム10のチャンネル部200に取付けられる。チャンネル部200の取付け状態を図8で示す。図8は、図6のA−A線に沿った断面図である。ガラスラン5は、ドアフレーム10のチャンネル部200に取付けられており、ドアフレーム10の車外側には、パネル部110aが設けられて、ドアフレーム10の車外側の意匠面を構成している。
図6に示すようにドアガラス6が上昇して(図中でX方向の矢印で示す。)ドアガラス6が上部ガラスラン500の基底部に当接する時に、上部ガラスラン500のフロント部分は前方に傾斜しているため上部ガラスラン500にはリヤ側に伸ばされる力が働く(図中でY方向の矢印で示す。)。このため上部ガラスラン500はリヤ方向に動かされる場合があった。
【0005】
さらに、高速走行時等でドアガラス6が車外方向に吸い出されたとき、ドアガラス6がガラスラン5の車外側の側壁に当接して、その側壁を巻き込んでドアガラス6が閉まってしまう恐れもあった。
また、上部ガラスラン500においては、意匠性向上の目的から光輝調の外観を得るためにフレームモールを設けるものもあり、ドアフレーム10のパネル部110aにステンレススチール製のフレームモールを取付けるものもあった。しかし、この場合は、パネル部110aとステンレススチール製のフレームモールとが重ね合わせて装着されるため、重量が増加するとともに、コストも増加していた。
【0006】
さらに、図9に示すように、ガラスラン5にステンレススチール製のインサート400を設けて、押出成形を行ない、ドアフレーム10のチャンネル部200の一部を省略する構造もあるが、ステンレススチール製のインサートには、ゴム等の押出成形材料がカバーされているため光輝調の外観を得ることができなかった。そのため、ステンレススチール製のインサートをフレームモールとして使用することができなかった。(例えば特開平10−180890号)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このため、本発明は、ドアガラスを閉じるときにガラスランのズレを防止でき、ドアフレームの外観が優れ、接続線が目立たなく、取付けが容易で、製造が容易なガラスランを得ることを目的としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の本発明は、自動車のドアフレームの内周に装着されて、ドアガラスの昇降を案内するとともにドアガラスの周縁部をシールする自動車用ガラスランにおいて、ガラスランは、型成形で成形して車体のルーフ部分およびフロント又はピラーに対応する部分のドアフレーム上部に装着する上部ガラスランと、押出成形で成形してドアフレームの前縦枠に装着する前部ガラスランと、押出成形で成形して後縦枠に装着する後部ガラスランからなり、上部ガラスランを、ドアフレーム上部の車外側装飾面を構成するドアフレームモールと一体に型成形したことを特徴とする。
【0009】
請求項1の発明では、上部ガラスランを、ドアフレーム上部の車外側装飾面であるパネル部を構成するドアフレームモールと一体に型成形したため、上部ガラスランの剛性が向上して、ドアガラスが上昇してガラスランが閉じられたときに、上部ガラスランが伸縮するような変形をすることを防止できるとともに、ドアフレームの車外側の側壁とフレームモールを兼ねることができるため車両の軽量化とコスト低減を実現できる。
また、ドアフレームモールをドアフレームに取付けることにより、一体成形されたガラスランも同時にドアフレームに強固に取付けることができ効率化がよい。
【0010】
請求項2の本発明は、上部ガラスランが、ドアフレームモールと一体に型成形すると同時に、前部ガラスランと後部ガラスランを上部ガラスランの車体フロント側と車体リヤ側にそれぞれ一体に型成形により接続したものである。
請求項2の本発明では、上部ガラスランを、ドアフレームモールと一体に型成形すると同時に前部ガラスランと後部ガラスランを上部ガラスランと一体に接続したため、1回の型成形で上部ガラスランの成形と、前部ガラスランと後部ガラスランとの接続をすることができる。
また、接続部の接続線が上部ガラスランの領域には存在せず、前部ガラスランと後部ガラスランとの境界の2本のみとなり、意匠性に優れている。
【0011】
請求項3の本発明は、ドアフレームモールに、ドアフレームの外周に取付けるドアウエザストリップの取付け用のリテーナーを一体に形成したものである。
請求項3の本発明では、ドアフレームモールに、ドアフレームの外周に取付けるドアウエザストリップの取付け用のリテーナーを一体に形成したため、ドアフレームモールをドアフレームに取付けることにより、ドアウエザストリップの取付け用のリテーナーを同時にドアフレームに取付けることができ作業効率が向上し、コストも低減できる。
【0012】
請求項4の本発明は、ドアフレームモールには、孔または切欠部が設けられたインサート部が他端に形成されるとともに、インサート部は、上部ガラスランの底壁部分に埋設されているものである。
請求項4の本発明では、ドアフレームモールのインサート部が、上部ガラスランの底壁部分に埋設されているので、上部ガラスランの底壁部分の剛性が向上して、上部ガラスランの長手方向の変形又はズレ移動を防止することができる。そのため、上部ガラスランをドアフレームに取付け、ドアガラスの昇降により上部ガラスランに力が作用したときに、上部ガラスランが伸縮するような変形又は長手方向のズレ移動を防止でき、シール性が確保できる。
また、インサート部に孔または切欠部を設けたため、上部ガラスランを型成形するときにインサート部の孔または切欠部に上部ガラスランの材料が充填され、インサート部と上部ガラスランの材料が強固に固着される。
【0013】
請求項5の本発明は、上部ガラスランは、ソリッドゴム、熱可塑性エラストマーまたは軟質合成樹脂で構成したものである。
請求項5の本発明では、上部ガラスランを、ソリッドゴム、熱可塑性エラストマーまたは軟質合成樹脂で構成したため、ドアガラスが車内方向または車外方向にフレて上昇しても、上部ガラスランが柔軟性を有するため、リップ部がドアガラスの周辺端部に追従し、周辺端部との間を確実にシールすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図1乃至図5に基づいて説明する。
図1は、図6のA−A線に沿った断面図である。
ドアフレーム10には、ドアガラス6が取付けられる内周側にガラスラン5が取付けられ、外周側にドアウエザストリップ60が取付けられる。
なお、ドアウエザストリップ60はこの実施の形態では、シールリップ61と中空シール62が別体のものを示すが、シールリップ61と中空シール62が一体のものも使用することができる。
ガラスラン5は、図3に示すように上部ガラスラン50と、前部ガラスラン58と後部ガラスラン59からなる。
【0015】
上部ガラスラン50は、ドアフレーム10の自動車の車体のルーフ部分に対応する部分およびそのフロント側でかつフロントピラーに対応する部分であるドアフレーム上部11に取付けられるものである。
なお、リヤドアにおいては、上部ガラスラン50は車体のルーフ部分に対応する部分、又は、ルーフ部分に対応する部分およびそのリヤ側でリヤピラーに対応する部分のドアフレーム上部に取付けられるものである。
前部ガラスラン58は、ドア1のフロント側でドアフレーム上部11から下方に縦に伸びる前縦部12に取付けられるものである。後部ガラスラン59は、ドアフレーム上部11のリヤ端から下方に縦に伸びる後縦部13に取付けられるものである。
前部ガラスラン58と後部ガラスラン59は、それぞれ押出成形により製造される。上部ガラスラン50は型成形により製造され、その型成形時に前部ガラスラン58と後部ガラスラン59は、その型成形用の金型にセットされて上部ガラスラン50と接続される。
【0016】
上部ガラスラン50は、図1と図2に示すように、ドアフレームモール40と一体に成形される。
上部ガラスラン50は、車外側側壁51と車内側側壁52と底壁57を有し、断面略U字状である。車外側側壁51の先端からは断面略U字状の内部に向かい車外側シールリップ53が延設し、車内側側壁52の先端からは断面略U字状の内部に向かい車内側シールリップ54が延設している。車外側シールリップ53と車内側シールリップ54で断面ハ字状をなしている。
さらに、車外側側壁51の先端からは車外側カバーリップ55が車外側に向かい、ドアフレームモール40の外面に延設され、車内側側壁52の先端からは車内側カバーリップ56が車内側に向かい延設されている。
【0017】
また、車内側側壁52の車内側面の先端から若干底壁57よりの部分から車内側に車内側側壁第1突部52bが延設され、車内側側壁52の車内側面の底壁57近傍の部分から車内側に車内側側壁第2突部52cが延設されている。
車内側側壁第1突部52bと車内側側壁第2突部52cは、後述するドアフレーム10のチャンネル部20に当接して、ガラスラン5をドアフレーム10に保持する。
【0018】
ドアフレームモール40は、ステンレススチールの板金を折り曲げて形成し、ドアフレーム10に沿って長手方向に延びたものである。そのドアフレームモール40の断面形状を図1と図2に示す。ドアフレームモール40の一方の端は、ガラスラン5の底壁57の中に埋設されてインサート部42を形成する。ガラスラン5の底壁57の中に埋設されているインサート部42を図2に一部切り欠き図で示す。
【0019】
ガラスラン5の底壁57の中に埋設されたインサート部42は、ほぼ底壁57の中央に相当する部分に所定の間隔で孔44が設けられ、端部に切り欠き45が所定の間隔で設けられている。孔44と切り欠き45は両方設けてもいずれか一方を設けてもよい。ガラスラン5を型成形するときに、この孔44と切り欠き45にガラスラン5のソリッドゴム等が充填されて、ガラスラン5の底壁57においてインサート部42の上下のソリッドゴム等が一体に結合して、ガラスラン5とドアフレームモール40は、強固に一体成形される。
【0020】
ドアフレームモール40は、インサート部42の車外側端、即ちガラスラン5の車外側側壁51に対応する部分から下方に略直角に曲り、車外側側壁51の内部に埋設される。車外側側壁51の略中央部でV字状に車外側上方に曲がる。V字状に車外側上方に曲がった後は、略弓形にそりつつ上方に延設されパネル部41を構成する。パネル部41は、ドアフレームモール40がドアフレーム10のドアフレーム上部11に取り付けられたときに、ドアフレーム上部11の車外側意匠面となり、金属調の外観を与えることができる。パネル部41のV字状に車外側上方に曲がった近傍では、ガラスラン5の車外側カバーリップ55が車外側表面を蓋う。
車外側側壁51の略中央部までドアフレームモール40が埋設されているので、車外側側壁51の剛性が確保でき、ドアガラス6の昇降時にガラスラン5の車外側側壁51がドアガラス6に巻き込まれることはなくなり、車外側シールリップ53のシール性が確保できる。
【0021】
ドアフレームモール40は、パネル部41の上部において、車内側に略直角方向に曲り、若干車内方向に延設した後、180度折れ曲がりパネル部41の裏面まで延設し、鉤部43bを構成する。さらに斜め下方の車内側に延設した後、略水平方向に曲り、ドアウエザストリップを取付けるのに必要な所定の長さ延設され底部43dを構成する。その後上方に曲り所定の長さ延設された後、略水平に車外方向に若干延設され鉤部43cを構成する。なお、鉤部43cの先端と底部43dの車内側の端部下面には、ガラスラン5と同じゴム等の軟質材料で形成したカバー部が設けられている。この鉤部43bと底部43d、鉤部43cと底部43dは、それぞれ略C字状をなしている。この鉤部43b、底部43dと鉤部43cにより、ドアウエザストリップ60を保持するリテーナー部43を構成する。
【0022】
リテーナー部43には、ドアウエザストリップ60のシールリップ61の基部61bが嵌挿される。ドア閉時にシールリップ61のリップ部61cが車体のドア開口縁70に当接して、ドア1と車体のドア開口縁70の間のシールを行うことができる。
リテーナー部43の底部43dには、ドアフレームモール40をドアフレーム10に取付けるための孔43gが設けられている。この孔43gにボルト等を挿入してドアフレーム10にドアフレームモール40を取付ける。
この時、ドアフレームモール40と一体に形成されている上部ガラスラン50も、ボルト等によって強固にドアフレーム10に取付けられることとなる。従って、ドアガラス6の開閉時、特に閉時にドアガラス6によって上部ガラスラン50にその長手方向にズレ移動を生じさせるような力が加わっても、上部ガラスラン50が強固に取付けられているので、ズレ移動は生じない。
【0023】
ドアフレーム10において、上部ガラスラン50が取付けられるドアフレーム上部11は、最も車外側に底壁21を有し、底壁21の外周にはドアフレームモール40のリテーナー部43が取付けられて、リテーナー部43にドアウエザストリップ60のシールリップ61が取付けられるとともに、底壁21の内周には、ガラスラン5が取付けられる。
底壁21の車内側の端から下方に車内側側壁22が延設され、車内側側壁22には、底壁21に近い方から順に凹部22cと凹部22bが設けられている。底壁21と車内側側壁22によりガラスラン5を取付けるチャンネル部20を構成する。
【0024】
ドアフレーム上部11の底壁21にドアフレームモール40が取付けられると、ガラスラン5もドアフレーム上部11のチャンネル部20に取付けられる。ガラスラン5の底壁57には、車外側端部に底壁凸部57aが設けられて、底壁凸部57aがドアフレーム上部11の底壁21の内周面に当接する。この底壁凸部57aによりガラスラン5の底壁57とドアフレーム上部11の底壁21の内周面との間に空間ができ、その空間にドアフレームモール40を取付けるためのボルトと螺合するナットを収容することができる。
【0025】
ドアフレーム上部11のチャンネル部20の車内側側壁22の凹部22bと凹部22cには、ガラスラン5の車内側側壁52の車内側側壁第1突部52bと車内側側壁第2突部52cがそれぞれ嵌め込まれて、ガラスラン5がチャンネル部20に保持される。ガラスラン5の車外側側壁51には、前述の通りドアフレームモール40がインサートとして埋め込まれ、車内側側壁52は上記の通り車内側側壁第1突部52bと車内側側壁第2突部52cがそれぞれ嵌め込まれているため、ドアガラス6が昇降しても、車外側側壁51と車内側側壁52が、ドアガラス6側に倒れこんだり、巻き込まれたりすることを防止できるとともに、上部ガラスラン50がズレ移動しないように強固に固着されているため、ドアガラス6とガラスラン5の間のシール性を確保できる。
【0026】
ドアフレーム上部11は,チャンネル部20の車内側側壁22の先端から車内方向に膨出部30が設けられる。なお、装飾効果をあげるために、膨出部30の車内側面を蓋うように装飾用のガーニッシュを設けてもよい。
この膨出部30またはガーニッシュが設けられているときはガーニッシュに、車体のドア開口縁70のフランジ部72に取付けられたオープニングウエザストリップ73の中空シール部73aが当接して、ドアと車体のドア開口縁70の間をシールする。
【0027】
膨出部30の外周面には、ドアフレームサッシュ部25が設けられて、ドアフレームサッシュ部25には、ドアウエザストリップ60の中空シール62の基部62bが嵌挿される。ドアウエザストリップ60の中空シール62の中空シール部62cは、ドア閉時には、車体のドア開口縁70に当接してドアと車体のドア開口縁70の間をシールする。
【0028】
上部ガラスラン50と後部ガラスラン59との接続部分の説明とドアフレーム10への取付けを図4と図5に示す。前部ガラスラン58と上部ガラスラン50との接続も同様である。
押出成形で成形された後部ガラスラン59は、上部ガラスラン50が型成形されるときにその端部が金型にセットされる。上部ガラスラン50と後部ガラスラン59は同じ材料で、例えばEPDM等のゴム、熱可塑性エラストマー、軟質合成樹脂でも良いし、異なる材料で成形されても良い。金型に上部ガラスラン50の材料が注入されると注入された材料で成形され、後部ガラスラン59の上端が接続される。
上部ガラスラン50と後部ガラスラン59は、それぞれ車外側側壁、車内側側壁、底壁、車外側シールリップ、車内側シールリップ、車外側カバーリップ、車内側カバーリップを対応させて一体に成形される。
【0029】
このとき、上部ガラスラン50と後部ガラスラン59の接続線59bは後部ガラスラン59の上端部に一ヶ所のみ表れる。型成形部500cで上部ガラスラン500(押出成形体)と後部ガラスラン590(押出成形体)を接続した従来のように、接続線がそれぞれ押出成形体との境界に表れて2本生じることがないため、見栄えがよい。さらに、その接続線59bもセンターピラー26側のみに表れ、しかもドアドアフレーム10のセンターピラー26によって一部カバーされるため目立つことがない。
また、ドアフレームモール40はドアフレーム10を蓋うために、ドアフレーム10のリヤ側端まで延長される。延長されたドアフレーム10の裏面には、クリップ46が取り付けられ、ドアフレーム10のセンターピラー26の上端に設けられた取付孔24にそのクリップ46を挿入することにより、ドアフレームモール40の延長部が固定される。クリップ46は、上部ガラスラン50を成形するときに、上部ガラスラン50と同じ材料で同時に形成してもよい。
これにより、ドアフレームモール40が、ドアフレーム10のセンターピラー26の上部まで蓋うことができ、見栄えがよくなる。
【0030】
【発明の効果】
本発明は、上部ガラスランを、ドアフレームモールと一体に型成形したため、上部ガラスランの剛性が向上して、ドアガラスが上昇してガラスランが閉じられたときに、ガラスランの変形やズレ移動を防止できるとともに、ドアフレームの車外側の側壁とドアフレームモールを兼ねることができるため車両の軽量化とコスト低減を実現できる。
また、上部ガラスランを型成形するときに、前部ガラスランと後部ガラスランを同時に型成形により接続するので、接続が容易であるとともに、意匠性に優れるガラスランを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動車用ガラスランを取付けたドアフレームの図6のA−A線に沿う位置での断面図である。
【図2】本発明の自動車用ガラスランに一体成形されるドアフレームモールの断面図である。
【図3】本発明の自動車用ガラスランの全体を示す模式図である。
【図4】本発明の自動車用ガラスランのリヤ側の接続部分を示す斜視図である。
【図5】本発明の自動車用ガラスランを取付けたドアフレームのリヤ側の接続部分を示す斜視図である。
【図6】自動車のドアの側面図である。
【図7】従来のガラスランの全体を示す模式図である。
【図8】従来の自動車用ガラスランをドアフレームに取付けたドアフレームの図6のA−A線に沿う位置での断面図である。
【図9】従来の自動車用ガラスランを取付けたドアフレームのリヤ側の接続部分を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 ドアフレーム
11 ドアフレーム上部
12 前縦枠
13 後縦枠
20 チャンネル部
21 底壁
22 車内側側壁
40 ドアフレームモール
41 パネル部
42 インサート部
43 リテーナー部
44 孔
45 切り欠き
5 ガラスラン
50 上部ガラスラン
51 車外側側壁
52 車内側側壁
57 底壁
58 前部ガラスラン
59 後部ガラスラン
60 ドアウエザストリップ
70 車体のドア開口縁
Claims (5)
- 自動車のドアフレームの内周に装着されて、ドアガラスの昇降を案内するとともに該ドアガラスの周縁部をシールする自動車用ガラスランにおいて、
該ガラスランは、型成形で成形して車体のルーフ部分およびフロント又はリヤピラーに対応する部分のドアフレーム上部に装着する上部ガラスランと、押出成形で成形してドアフレームの前縦枠に装着する前部ガラスランと、押出成形で成形して後縦枠に装着する後部ガラスランからなり、
上記上部ガラスランを、上記ドアフレーム上部の車外側装飾面を構成するドアフレームモールと一体に型成形したことを特徴とする自動車用ガラスラン。 - 上記上部ガラスランは、上記ドアフレームモールと一体に型成形すると同時に、上記前部ガラスランと上記後部ガラスランを上記上部ガラスランの車体フロント側と車体リヤ側にそれぞれ一体に上記型成形により接続した請求項1記載の自動車用ガラスラン。
- 上記ドアフレームモールには、一端に上記ドアフレームの外周に取付けるドアウエザストリップの取付け用のリテーナーを一体に形成した請求項1または2記載の自動車用ガラスラン。
- 上記ドアフレームモールには、孔または切欠部が設けられたインサート部が他端に形成されるとともに該インサート部は上記上部ガラスランの底壁部分に埋設されている請求項3記載の自動車用ガラスラン。
- 上記上部ガラスランは、ソリッドゴム、熱可塑性エラストマーまたは軟質合成樹脂で構成した請求項1、2、3または4記載の自動車用ガラスラン。
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