JP2004050819A - 成形体の成形方法及び成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】表裏面の少なくとも一方の面に、微細パターンが金型の転写用パターンに忠実に設けられた樹脂製成形体の成形方法及び成形体を提供する。
【解決手段】溶融した成形用樹脂材料を金型のキャビティ部に射出注入することにより、表裏面の少なくとも一方の面に所定形状の微細パターンが設けられた成形体を成形するに際し、金型として、特定の熱的特性を有するもの、あるいはキャビティ部を構成し、かつ表面が前記パターンに対応する転写パターンを形成した耐熱樹脂面である金型部材を有するものを用いる成形体の成形方法、並びにその方法で得られた成形体である。
【選択図】 なし
【解決手段】溶融した成形用樹脂材料を金型のキャビティ部に射出注入することにより、表裏面の少なくとも一方の面に所定形状の微細パターンが設けられた成形体を成形するに際し、金型として、特定の熱的特性を有するもの、あるいはキャビティ部を構成し、かつ表面が前記パターンに対応する転写パターンを形成した耐熱樹脂面である金型部材を有するものを用いる成形体の成形方法、並びにその方法で得られた成形体である。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、成形体の成形方法及び成形体に関する。さらに詳しくは、本発明は、金型を用いる転写法により、表裏面の少なくとも一方の面に所定形状の微細パターンが金型の転写用パターンに忠実に設けられた樹脂製成形体を効率よく成形する方法、及びその方法で得られた成形体であって、該成形体に要求される機能を良好に発揮することができ、特に導光板などの光学・電気・電子材料として好適な成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、光学・電気・電子分野においては、表面に微細パターンが設けられた樹脂製部材が様々な用途に用いられている。このような表面に微細パターンが設けられた樹脂製部材の一つとして、液晶表示装置のバックライト及びフロントライトなどに用いられる導光板が知られている。
【0003】
図1は、液晶表示装置のバックライトなどに用いられる照明装置の1例の構成を示す断面図である。図1に示すように、該照明装置は、冷陰極管などの光源4と、入射端面1bが光源4の近傍に位置するように配置した導光板1と、導光板1の出射側の面に配置された拡散シート3と、導光板1の拡散シート3とは反対側に配置した反射シート2とで構成されている。そして導光板1の反射シート2側の面には、均一な拡散光を得るために、所望形状の微細パターン1aが設けられている。
このような構成の照明装置においては、光源4からの光が入射端面1bより導光板1内に入射し、導光板1の拡散シート3側の面と反射シート2側の面で反射しながら、又は反射せずに直接的に入射端面1bの反対の方向へ伝送される。その間に一部の光が導光板1の出射面より導光板外へ出て、拡散シート3を通り、拡散光として照明装置の外部に出ることによって均一な輝度の照明光が得られる。
【0004】
なお、この図1においては、導光板の微細パターンは、反射シート側の面に設けられているが、これに限定されるものではなく、該パターンを出射側の面に設けることができる。
このような、いわゆるエッジライト方式の導光板を備えた照明装置(光拡散装置)は、例えばワードプロセッサー、パーソナルコンピューター、薄型テレビジョンなどに設けられる液晶表示装置などの背面照明装置として用いられている。そして、該導光板の一方の面に設けられる微細パターンは、均一な輝度を得るために、設計通りのパターン形状を有することが重要である。
前記導光板のように、表面に微細パターンが設けられた樹脂製部材の製造方法としては、種々の方法が知られているが、その中で高い歩留りで生産性がよいなどの点から、キャビティ面に転写用パターンを有する金型のキャビティ部に溶融された成形用樹脂材料を射出注入して、表面に所定形状の微細パターンが設けられた成形体を製造する方法が、一般に採用されている。
【0005】
このような金型を用いる転写法によって、所定形状の微細パターンが設けられた樹脂製成形体を製造する場合、キャビティ面の金型部材に設けられた転写用パターンに忠実なパターンを得るためには、高い充填率で、溶融樹脂材料をキャビティ内に射出注入することが重要である。しかしながら、転写用パターンが設けられた金型部材として、例えばステンレス鋼などの金属材料を用いた場合、該金型部材の温度が射出注入される樹脂温度よりもかなり低く、かつ熱容量が大きいことから、キャビティ部において、該樹脂の金型部材との接触面での温度低下による粘度上昇が生じ、キャビティ部の微細パターンの奥の方まで十分に充填ができず、その結果転写用パターンに忠実なパターンが得られにくいという問題が生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、金型を用いる転写法により作製されてなる、表裏面の少なくとも一方の面に所定形状の微細パターンが金型の転写用パターンに忠実に設けられた樹脂製成形体であって、該成形体に要求される機能を良好に発揮することができ、特に導光板などの光学・電気・電子材料として好適な成形体を提供することを目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、金型として、キャビティ部を構成し、かつ転写用パターンが設けられた特定の熱的特性を有する金型部材を備えたものを用いることにより、また、キャビティ部を構成し、かつ表面が転写用パターンを形成した耐熱樹脂面で形成されている金型部材を備えたものを用いることにより、その目的を達成し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)溶融した成形用樹脂材料を金型のキャビティ部に射出注入することにより、表裏面の少なくとも一方の面に所定形状の微細パターンが設けられた成形体を成形するに際し、金型として
(a)キャビティ部を構成し、かつ前記パターンに対応する転写用パターンが設けられた金型部材を有し、
(b)各境界面での熱の受け渡しを、1次元の伝導伝熱のみを考慮した非定常熱伝導解析プログラムに、(イ)前記金型部材を構成する材料及び成形用樹脂材料の定圧熱容量Cp(cal/g・℃)、熱伝導度k(cal/cm・℃・s)及び密度ρ(g/cm3)を入力すると共に、(ロ)前記金型部材の各層を構成する材料それぞれの温度70℃及び成形用樹脂材料の温度300℃を初期値とし、かつ該金型部材の各層それぞれの厚さ(mm)及び1mm以上の成形用樹脂材料層の厚さ(mm)を変数として入力し、(ハ)前記転写用パターンが設けられた金型部材の表面から、該成形用樹脂材料層の厚さ方向の距離をx(μm)、その点における温度をT(℃)として作成された温度分布の時間変化曲線において、0.1秒経過後におけるxが10μmのときの温度をT10℃、xが該成形用樹脂材料層の厚さの1/2の距離であるときの温度をTh℃とした場合、(Th−T10)/(Th−70)の値が0.6以下になるもの、(以下、この金型を金型Iと称す。)
を用いることを特徴とする成形体の成形方法、
(2)非定常熱伝導解析プログラムが、エムエスシーソフトウエア(株)製のソフト「MSC Marc 2001」(登録商標名)である第1項記載の成形体の成形方法、
(3)転写用パターンが設けられた金型部材の表面が、該パターンを形成した耐熱樹脂面で形成されている第1項又は第2項記載の成形方法、
(4)溶融した成形用樹脂材料を金型のキャビティ部に射出注入することにより、表裏面の少なくとも一方の面に所定形状の微細パターンが設けられた成形体を成形するに際し、金型として、キャビティ部を構成し、かつ表面が前記パターンに対応する転写用パターンを形成した耐熱樹脂面で形成されている金型部材を有するもの(以下、この金型を金型IIと称す。)を用いることを特徴とする成形体の成形方法、
(5)転写用パターンが設けられた金型部材において、該パターンが形成された耐熱樹脂部の厚さが30μm以上である第3項又は第4項記載の成形方法、
(6)転写用パターンが設けられた金型部材が、該パターンを形成した耐熱樹脂面に、50μm以下のメッキ層を形成したものである第3項、第4項又は第5項記載の成形方法、
(7)メッキ層の厚さが5μm以下である第6項記載の成形方法、
(8)転写用パターンが設けられた金型部材における耐熱樹脂が、ポリイミド樹脂である第3項ないし第7項のいずれかに記載の成形方法、
(9)成形体の少なくとも一方の面に設けられた微細パターンにおいて、隣接する凸部と凹部における凸部の最高位置から凹部の底までの垂直方向の距離が50μm以下である第1項ないし第8項のいずれかに記載の成形方法、
(10)成形体の厚さが、0.1〜30mmである第1項ないし第9項のいずれかに記載の成形方法、
(11)成形体が光学・電気・電子材料用である第1項ないし第10項のいずれかに記載の成形方法、
(12)成形体が、成形用樹脂材料として透明樹脂材料を用いた導光板である第11項記載の成形方法、
(13)透明樹脂材料が、脂環式構造含有重合体樹脂を含むものである第12項記載の成形方法、及び
(14)第1項ないし第13項のいずれかに記載の成形方法で得られたことを特徴とする成形体、
を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の成形体の成形方法は、溶融した成形用樹脂材料を金型のキャビティ部に射出注入することにより、表裏面の少なくとも一方の面に所定形状の微細パターンが設けられた成形体を成形する方法である。当該成形体の形状は特に限定されないが、板状のものが好ましい。前記微細パターンの形状及び大きさとしては特に制限はなく、当該成形体の用途に応じて適宜選択することができる。また、該微細パターンは、例えば成形体が板状である場合、板状成形体の一方の側の面に設けられていてもよいし、両面に設けられていてもよいが、導光板として用いる場合には、通常一方の側の面に設けられる。前記微細パターンの形状及び大きさなどについては後で詳述する。
本発明の成形体の成形方法には、以下に示す金型I及び金型IIをそれぞれ用いて成形する場合の2つの態様がある。
【0009】
まず、金型Iについて板状成形体を例にとり説明する。
この金型Iは、キャビティ部を構成し、かつ板状成形体の表面に設けられる所定形状の微細パターンに対応する転写用パターンが形成された金型部材を有し、かつ以下に示す熱的特性を有するものである。
すなわち、当該金型Iは、各境界面での熱の受け渡しを、1次元の伝導伝熱のみを考慮した非定常熱伝導解析プログラムに、(イ)前記転写用パターンが形成された金型部材を構成する材料及び成形用樹脂材料の定圧熱容量Cp(cal/g・℃)、熱伝導度k(cal/cm・℃・s)及び密度ρ(g/cm3)を入力すると共に、(ロ)前記金型部材の各層を構成する材料それぞれの温度70℃及び成形用樹脂材料の温度300℃を初期値とし、かつ該金型部材の各層それぞれの厚さ(mm)及び1mm以上の成形用樹脂材料層の厚さ(mm)を変数として入力し、(ハ)前記転写用パターンが設けられた金型部材の表面から、該成形用樹脂材料層の厚さ方向の距離をx(μm)、その点における温度をT(℃)として作成された温度分布の時間変化曲線において、0.1秒経過後におけるxが10μmのときの温度をT10℃、xが該成形用樹脂材料層の厚さの1/2の距離であるときの温度をTh℃とした場合、(Th−T10)/(Th−70)の値が0.6以下になるような金型である。
【0010】
前記(Th−T10)/(Th−70)の値が0.6を超えると、キャビティ部において、成形用樹脂材料の金型部材との接触面での温度低下による粘度上昇が生じ、キャビティ部の微細パターンの奥の方まで十分に充填できず、その結果転写用パターンに忠実なパターンが得られない。この(Th−T10)/(Th−70)の好ましい値は0.5以下である。
なお、前記の非定常熱伝導解析プログラムは、各境界面での熱の受け渡しを、1次元の伝導伝熱のみを考慮している。したがって、x方向(キャビティの厚さ方向)のみに温度分布が生じ、xに対して垂直方向(y方向)については全て均一な温度として計算する。(金型は計算上はy方向には無限の長さを有する。)また、金型部材を構成する各層の材料及び成形用樹脂材料の定圧熱容量Cp、熱伝導度k及び密度ρは初期値のままで一定であり、温度のみ変化するという条件で計算を行う。さらに、幅射による伝熱、対流による伝熱及び各層境界面での伝熱抵抗はないものとして取り扱う。
【0011】
数値計算は、非定常解析における時間刻みを0.001sに固定して計算を行う。金型部材を構成する各層及び成形用樹脂材料層をx方向に1μm刻みで分割し、各分割した領域内は、全て同じ温度として取り扱う。
またこの計算に用いる成形用樹脂材料の温度及び金型部材を構成するそれぞれの材料の温度は、現実の成形条件にかかわらず、それぞれ300℃及び70℃と仮定して計算を行う。また、成形用樹脂材料層の厚みについては、該樹脂材料層の厚みが1mm以上の場合は現実の該樹脂材料層の厚みを入力し、該樹脂材料層の厚みが1mmより小さい場合は、該樹脂材料層の厚みが1mmと仮定して計算を行う。さらに金型部材のうち、成形用樹脂材料層と接触する転写用パターンが形成されている面と反対側の面を構成する層の温度は70℃で一定として取り扱う。
前記非定常熱伝導解析プログラムとしては、例えば、エムエスシーソフトウエア(株)製のソフト「MSC Marc 2001」(登録商標名)を用いることができる。
なお、図2は、xが10μm及び成形用樹脂材料層の厚さの1/2における温度分布の時間変化曲線の1例を示すグラフである。この図においては、Th=300℃、T10=200℃であり、したがって、(Th−T10)/(Th−70)は(300−200)/(300−70)=0.43となる。
【0012】
また、この場合、入力する成形用樹脂材料層の厚さが小さすぎると、Thの値が金型部材との接触面温度の影響を受け低くなるおそれがあるので、入力する樹脂材料層の厚さは、本発明が適用されるには、該Thが金型部材との接触面温度に、実質上影響されない厚さ(1mm以上)であることが必要である。
このようにして、前記の熱的特性を有する金型Iを用い、成形用樹脂材料を成形することにより、前記金型部材に形成された転写用パターンに忠実な形状を有する微細パターンが表面に設けられた樹脂製板状成形体が得られる。
【0013】
当該金型Iにおいて、キャビティ部を構成し、かつ転写用パターンが形成された金型部材は、前記の熱的特性を有する金型が得られるのであれば、その構成については特に制限はなく、様々な構成のものを用いることができるが、中でも表面が転写用パターンを形成した耐熱樹脂面で形成されている金型部材が好適である。このような金型部材としては、次に示す金型IIにおける転写用パターンが設けられた金型部材と同じものを挙げることができる。
なお、本発明で得られる成形体が、例えば両面に微細パターンが設けられた樹脂製板状成形体である場合、それぞれの面に設けられた微細パターンの形状や大きさは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0014】
この場合、金型Iとしては、キャビティ部を構成し、かつ板状成形体のそれぞれの面に設けられる微細パターンに対応する転写用パターンが形成された2つの金型部材が対向して配置され、しかも両方の金型部材について、いずれも前述の熱的特性を満たす金型が用いられる。2つの金型部材は、該熱的特性が得られるのであれば、同一又は異なる様々な構成のものを用いることができるが、中でも前記したように、表面が転写用パターンを形成した耐熱樹脂面で形成されている金型部材が好適である。
また、キャビティ部を構成し、かつ対向する2つの金型部材において、一方の側の金型部材のみに転写用パターンが設けられる場合、他方の側の金型部材の構成については特に制限はないが、溶融樹脂材料の流れを良くし、得られる板状成形体のパターンが設けられていない側の面性状を良好なものとするために、キャビティ面が耐熱樹脂面で形成されている金型部材が好ましい。
【0015】
次に、金型IIについて板状成形体を例にとり説明する。
この金型IIとしては、キャビティ部を構成し、かつ板状成形体の表面に設けられる所定形状の微細パターンに対応する転写用パターンが形成された金型部材を有し、かつ該金型部材の表面が転写用パターンを形成した耐熱樹脂面で形成されている金型が用いられる。
当該金型IIにおいては、キャビティ面の転写用パターンが設けられた金型部材の表面が耐熱樹脂面で形成されているため、キャビティ部において、成形用樹脂材料の金型部材との接触面での温度低下が少なく、粘度上昇が抑制されるので、キャビティの微細パターンの奥まで十分に充填することができ、その結果転写用パターンに忠実なパターンを得ることができる。
【0016】
前記の表面が転写用パターンを形成した耐熱樹脂面で形成されている金型部材としては、耐熱樹脂のみから構成されたものであってもよいが、機械的性質などの面から、一般に金属材料上に耐熱樹脂層を設けたものが、好ましく用いられる。ここで、金属材料としては、一般の合成樹脂成形用金型に使用される金属材料の中から適宜選択することができる。例えば鉄又はステンレス鋼などの鉄合金、アルミニウム又はアルミニウム合金、亜鉛合金、銅又はベリリウム銅などの銅合金等が用いられる。
一方、耐熱樹脂層を構成する耐熱樹脂としては特に制限はなく、例えばポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリールスルホン、ポリアリレート、ポリフェニレンエーテルなどの熱可塑性樹脂、あるいは熱硬化性ポリイミド樹脂などが挙げられるが、耐熱性及び耐久性などの面から、熱硬化性ポリイミド樹脂が好ましく、特に直鎖型熱硬化性ポリイミド樹脂が好適である。
【0017】
この直鎖型熱硬化性ポリイミド樹脂は、例えば芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸二無水物を開環重合付加反応させることにより、製造することができる。これらの直鎖型熱硬化性ポリイミド樹脂の前駆体は、加熱して脱水環化反応させることにより、直鎖型熱硬化性ポリイミド樹脂を形成する。好ましい直鎖型熱硬化性ポリイミド樹脂の前駆体はポリアミド酸である。この直鎖型熱硬化性ポリイミド樹脂層を金属材料上に設けるには、例えばその前駆体溶液を塗布し、加熱する方法、あるいは芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸二無水物を蒸着重合させる方法などを用いることができる。
本発明においては、転写用パターンが設けられた金型部材において、該パターンが形成された耐熱樹脂部の厚さは30μm以上であることが好ましい。なお、金属材料上に耐熱樹脂層を設けた部材では、耐熱樹脂部の厚さは、好ましくは30μm以上、より好ましくは50μm以上、特に好ましくは80μm以上である。耐熱樹脂部の厚さが30μm未満では、断熱層としての機能が十分に発揮されにくく、本発明の目的が達せられない場合がある。
【0018】
本発明においては、前記の耐熱樹脂面に転写用パターンを形成するが、その形成方法については特に制限はなく、様々な方法、例えばレーザー加工、放電加工、サンドブラスト加工、切削やフライスカットなどの機械加工、フォトリソグラフィー技術を用いたドライエッチング加工やウエットエッチング加工などを用いることができる。
なお、本発明で得られる成形体が、例えば両面に微細パターンが設けられた樹脂製板状成形体である場合、金型IIとしては、キャビティ部を構成し、かつ板状成形体のそれぞれの面に設けられた微細パターンに対応する転写用パターンが形成された2つの金型部材が対向して配置され、しかも両方の金型部材において、前記したように、表面が転写用パターンを形成した耐熱樹脂面で形成されている金型が用いられる。
【0019】
また、当該金型IIおいては、対向して配置されたキャビティ部を構成する2つの金型部材の一方の側のみに転写用パターンが設けられる場合、他方の側の金型部材の構成については特に制限はないが、溶融樹脂材料の流れを良くし、得られる板状成形体のパターンが設けられていない側の面性状を良好なものとするために、キャビティ面が耐熱樹脂面で形成されている金型部材が好ましい。
本発明においては、前記の表面が転写用パターンを形成した耐熱樹脂面で形成されている金型部材としては、耐久性を向上させるなどの目的で、該耐熱樹脂面に、金属又は無機、好ましくは金属、特に好ましくはニッケルやクロムのメッキを施し、メッキ層を形成したものが好適に用いられる。この金属メッキ層の厚さは、通常50μm以下、好ましくは5μm以下、より好ましくは0.2〜2μmの範囲で選定される。該金属メッキ層の厚さが、0.2μm未満では耐久性などの向上効果が十分に発揮されないおそれがあるし、50μmを超えると熱容量が大きくなって、本発明の目的が達せられない場合がある。
【0020】
耐熱樹脂層上にメッキを施す方法としては特に制限はなく、従来プラスチック上にメッキを施す場合に使用されている方法、例えば真空蒸着法や無電解メッキ法などを採用することができる。
本発明で得られる成形体の厚さは、用途に応じて適宜選定されるが、通常0.1〜30mm、好ましくは0.3〜10mm、より好ましくは0.5〜3mmの範囲である。また、該成形体の少なくとも一方の面に設けられる微細パターンの形状や大きさは、用途に応じて適宜選定されるが、大きさとしては、隣接する凸部と凹部における凸部の最高位置から凹部の底までの垂直方向の距離が、通常50μm以下、好ましくは20μm以下である。なお、ここで凸部とは凹部に対して相対的に高い部分のことである。同様に、凹部とは凸部に対して相対的に低い部分のことであり、したがって平坦部をも包含する。
また、パターン形状としては、本発明で得られる成形体が光学・電気・電子材料の導光板として用いられる場合、例えばV型の溝形状、のこぎり刃形状、頂上がフラットに近い山形形状、ドット形状、あるいは、一定方向に沿って前記パターンの大きさが逐次変化する形状、ゆるやかな傾斜構造のパターンが繰り返す形状など、様々な形状を挙げることができる。
【0021】
本発明の成形方法において用いられる成形用樹脂材料としては、特に制限はなく、用途に応じて適宜選択される。
例えばポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、脂環式構造含有重合体樹脂、これらの共重合体樹脂及びこれら樹脂の混合物などの熱可塑性樹脂を含むものを挙げることができる。
本発明はまた、前述の本発明の成形方法で得られた成形体をも提供する。
本発明の成形体としては、光学・電気・電子材料用が好ましく、特に成形用樹脂材料として、透明樹脂材料を用いた導光板が好適である。この透明樹脂材料としては、透明性、耐熱性、加工性などに優れることから、前記熱可塑性樹脂の中で、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート及び脂環式構造含有重合体樹脂を含むものが好ましく、特に脂環式構造含有重合体樹脂を含むものが好適である。
【0022】
次に脂環式構造含有重合体樹脂を含む成形用樹脂材料について説明する。
該脂環式構造含有重合体樹脂は、重合体の繰り返し単位中に脂環式構造を含有するものであり、脂環式構造を主鎖及び側鎖のいずれに有していてもよい。脂環式構造としては、シクロアルカン構造、シクロアルケン構造などが挙げられるが、熱安定性等の観点からシクロアルカン構造が好ましい。脂環式構造を構成する炭素原子数は、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲であると、耐熱性及び透明性に優れた成形体が得られる。
脂環式構造含有重合体樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上である。脂環式構造含有重合体樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合が過度に少ないと耐熱性が低下し好ましくない。なお、脂環式構造含有重合体樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位以外の残部は、使用目的に応じて適宜選択される。
【0023】
脂環式構造含有重合体樹脂の具体例としては、(1)ノルボルネン系重合体、(2)単環の環状オレフィン系重合体、(3)環状共役ジエン系重合体、(4)ビニル脂環式炭化水素重合体、及びこれらの水素化物などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性、機械的強度等の観点から、ノルボルネン系重合体水素化物、ビニル脂環式炭化水素重合体及びその水素化物などが好ましい。
【0024】
(1)ノルボルネン系重合体
このノルボルネン系重合体としては、ノルボルネン系モノマーの開環重合体、ノルボルネン系モノマーとこれと開環共重合可能なその他のモノマーとの開環共重合体、これらの水素化物、ノルボルネン系モノマーの付加重合体、ノルボルネン系モノマーとこれと共重合可能なその他のモノマーとの付加共重合体などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性、機械的強度等の観点から、ノルボルネン系モノマーの開環重合体水素化物が最も好ましい。
【0025】
ノルボルネン系モノマーとしては、ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)及びその誘導体(環に置換基を有するもの)、トリシクロ〔4.3.12,5.01,6〕−デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)及びその誘導体、テトラシクロ〔7.4.110,13.01,9.02,7〕−トリデカ−2,4,6,11−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう、慣用名:メタノテトラヒドロフルオレン)及びその誘導体、テトラシクロ〔4.4.12,5.17,10.0〕−ドデカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン)及びその誘導体などが挙げられる。
置換基としては、アルキル基、アルキレン基、ビニル基、アルコキシカルボニル基などが例示でき、上記ノルボルネン系モノマーは、これらを2種以上有していてもよい。具体的には、8−メトキシカルボニル基−テトラシクロ〔4.4.12,5.17,10.0〕−ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ〔4.4.12,5.17,10.0〕−ドデカ−3−エンなどが挙げられる。
これらのノルボルネン系モノマーは、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
【0026】
これらノルボルネン系モノマーの開環重合体、またはノルボルネン系モノマーとこれと開環共重合可能なその他のモノマーとの開環共重合体は、モノマー成分を、公知の開環重合触媒の存在下で重合して得ることができる。開環重合触媒としては、例えば、ルテニウム、オスミウムなどの金属のハロゲン化物と、硝酸塩またはアセチルアセトン化合物、及び還元剤とからなる触媒、あるいは、チタン、ジルコニウム、タングステン、モリブデンなどの金属のハロゲン化物またはアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合物とからなる触媒を用いることができる。
ノルボルネン系モノマーと開環共重合可能なその他のモノマーとしては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の環状オレフィン系単量体などを挙げることができる。
【0027】
ノルボルネン系モノマーの開環重合体水素化物は、通常、上記開環重合体の重合溶液に、ニッケル、パラジウムなどの遷移金属を含む公知の水素化触媒を添加し、炭素−炭素不飽和結合を水素化することにより得ることができる。
【0028】
ノルボルネン系モノマーの付加重合体、またはノルボルネン系モノマーとこれと共重合可能なその他のモノマーとの付加(共)重合体は、これらのモノマーを、公知の付加重合触媒、例えば、チタン、ジルコニウム又はバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒を用いて(共)重合させて得ることができる。
【0029】
ノルボルネン系モノマーと共重合可能なその他のモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素数2〜20のα−オレフィン、及びこれらの誘導体;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデンなどのシクロオレフィン、及びこれらの誘導体;1、4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどの非共役ジエンなどが用いられる。これらの中でも、α−オレフィン、特にエチレンが好ましい。
【0030】
これらの、ノルボルネン系モノマーと共重合可能なその他のモノマーは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。ノルボルネン系モノマーとこれと共重合可能なその他のモノマーとを付加共重合する場合は、付加共重合体中のノルボルネン系モノマー由来の構造単位と共重合可能なその他のモノマー由来の構造単位との割合が、重量比で通常30:70〜99:1、好ましくは50:50〜97:3、より好ましくは70:30〜95:5の範囲となるように適宜選択される。
【0031】
(2)単環の環状オレフィン系重合体
単環の環状オレフィン系重合体としては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の環状オレフィン系単量体の付加重合体を用いることができる。
【0032】
(3)環状共役ジエン系重合体
環状共役ジエン系重合体としては、例えば、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエンなどの環状共役ジエン系単量体を1,2−または1,4−付加重合した重合体及びその水素化物などを用いることができる。
【0033】
これらのノルボルネン系重合体、単環の環状オレフィン系重合体又は環状共役ジエン系重合体の分子量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、シクロヘキサン溶液(重合体樹脂が溶解しない場合はトルエン溶液)のゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーで測定したポリイソプレンまたはポリスチレン換算の重量平均分子量で、通常5,000〜500,000、好ましくは8,000〜200,000、より好ましくは10,000〜100,000の範囲であるときに、成形体の機械的強度、及び成形加工性とが高度にバランスされて好適である。
【0034】
(4)ビニル脂環式炭化水素重合体
ビニル脂環式炭化水素重合体としては、例えば、ビニルシクロヘキセン、ビニルシクロヘキサンなどのビニル脂環式炭化水素系単量体の重合体及びその水素化物;スチレン、α−メチルスチレンなどのビニル芳香族系単量体の重合体の芳香環部分の水素化物などが挙げられ、ビニル脂環式炭化水素重合体やビニル芳香族系単量体と、これらの単量体と共重合可能な他の単量体とのランダム共重合体、ブロック共重合体などの共重合体及びその水素化物など、いずれでもよい。ブロック共重合体としては、ジブロック、トリブロック、またはそれ以上のマルチブロックや傾斜ブロック共重合体などが挙げられ、特に制限はない。
【0035】
上記ビニル脂環式炭化水素重合体の分子量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、シクロヘキサン溶液(重合体樹脂が溶解しない場合はトルエン溶液)のゲル・パーミエーション・クロマトグラフ法で測定したポリイソプレンまたはポリスチレン換算の重量平均分子量で、通常10,000〜300,000、好ましくは15,000〜250,000、より好ましくは20,000〜200,000の範囲であるときに、成形体の機械的強度及び成形加工性とが高度にバランスされて好適である。
【0036】
この脂環式構造含有重合体樹脂のガラス転移温度(Tg)は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、通常、80℃以上、好ましくは100℃〜250℃、より好ましくは120℃〜200℃の範囲である。この範囲において、耐熱性と成形加工性とが高度にバランスされ好適である。
成形用樹脂材料として、該脂環式構造含有重合体樹脂を用いる場合には、他の種類の重合体(ゴムや樹脂)を併用することができる。併用する他の種類の重合体としては、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系重合体;ポリイソブチレン、イソブチレン・イソプレンゴムなどのイソブチレン系重合体;ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン・スチレンランダム共重合体、イソプレン・スチレンランダム共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、ブタジエン・スチレン・ブロック共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレン・ブロック共重合体、イソプレン・スチレン・ブロック共重合体、スチレン・イソプレン・スチレン・ブロック共重合体などのジエン系重合体;ポリブチルアクリレート、ポリヒドロキシエチルメタクリレートなどのアクリル系重合体;ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル・スチレン共重合体などのビニル化合物の重合体;ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エピクロルヒドリンゴムなどのエポキシ系重合体;フッ化ビニリデン系ゴム、四フッ化エチレン−プロピレンゴムなどのフッ素系重合体などが挙げられる。これらの軟質重合体は、架橋構造を有したものであってもよく、また、変性反応により官能基を導入したものでもよい。
上記重合体の中でもジエン系重合体が好ましく、特に該重合体の炭素−炭素不飽和結合を水素化した水素化物が、ゴム弾性、機械強度、柔軟性、分散性の点で優れる。
【0037】
また、この成形用樹脂材料には、必要に応じて、各種配合剤を配合することができる。配合剤としては、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、近赤外線吸収剤等の安定剤;滑剤、可塑剤等の樹脂改質剤;染料や顔料等の着色剤;帯電防止剤等が挙げられる。これらの配合剤は、単独で、あるいは2種以上を組み合せて用いることができ、その配合量は本発明の目的を損ねない範囲で適宜選択される。
酸化防止剤としては、たとえばフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が挙げられ、これらの中でもフェノール系酸化防止剤、特にアルキル置換フェノール系酸化防止剤が好ましい。これらの酸化防止剤を配合することにより、透明性等を低下させることなく、成形時の酸化劣化等による成形体の着色や強度低下を防止できる。
これらの酸化防止剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、あるいは2種以上を組み合わせて用いることもできる。酸化防止剤の配合量は、本発明の目的を損なわない範囲で適宜選択されるが、脂環式構造含有重合体樹脂100重量部に対して通常0.001〜5重量部、好ましくは0.01〜1重量部である。
【0038】
本発明の成形体は、表裏面の少なくとも一方の面に所定形状の微細パターンが、金型の転写用パターンに忠実に設けられた樹脂製成形体であって、例えば光学・電気・電子分野において好ましく用いられ、該成形体に要求される機能を良好に発揮することができる。
特に、エッジライト方式の導光板として、例えばワードプロセッサー、パーソナルコンピューター、薄型テレビジョンなどに設けられる液晶表示装置のバックライト及びフロントライトなどに好適に用いられる。
【0039】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
(1)金型部材の作製
対向して配置されることにより、キャビティ部を構成する2枚の金型部材を、下記のようにして作製した。
厚さ20mmのステンレス鋼板2枚のそれぞれに、全方向同時蒸着重合装置[日本真空技術株式会社、VEP3040]を用い、ピロメリット酸無水物と4,4−ジアミノジフェニルエーテルとを蒸着重合させて、厚さ100μmのポリイミド膜を形成させた。そのうちの1枚を一方の金型部材とし、他方について、ポリイミド膜表面に、図3で示すパターンに対応する転写用パターンを、バイトを用いる切削加工により形成し、転写用パターンを有する金型部材を作製した。
図3は、目的の板状成形体の一方の表面に設けられるパターンの形状を示す斜視図である。このパターンは、図で示すように、150μmピッチの山の繰り返しであり、そして該山は非常に緩い斜面を有すると共に、約45度の傾斜の組合わせから構成されている。
(2)金型製作及びその熱的特性
上記(1)で得られた金型部材を装着して、厚さ1mmの板状体空間部からなるキャビティ部を有する金型を製作した。
第1表に、転写用パターンを有する金型部材を構成する各層の厚さ及びその材料の物性、並びに使用する透明樹脂[日本ゼオン(株)製「ZEONOR」]の物性及びその層の厚さを示す。
【0040】
【表1】
【0041】
なお、「ZEONOR」はノルボルネン系の重合体樹脂である。
非定常熱伝導解析プログラム[エムエスシーソフトウエア(株)製のソフト「MSC Marc 2001」]に、第1表に示すデータを入力すると共に、初期値として、該金型部材を構成する各層の温度70℃及び樹脂の温度300℃を入力した。また、金型部材を構成する各層を1μm刻みで分割し、各分割した領域内は全て同じ温度として取り扱った。さらに厚さ20mmのステンレス層は、常に70℃で温度変化は起こらないとし、また非定常解析の時間刻みは0.001sに固定して計算を行った。次に、前記転写用パターンを有する金型部材の表面から、樹脂層の厚さ方向の距離をx(μm)、その点における温度T(℃)として、温度分布の時間変化曲線を作成した。結果を図4にグラフで示す。
Thは300℃、T10は210℃であり、したがって、(Th−T10)/(Th−70)は0.39であった。
(3)導光板の作製
上記(2)で得られた金型を用い、透明樹脂「ZEONOR」を、樹脂温度300℃、金型温度70℃の条件で射出成形して、厚さ1mmで、出射面側に図3に示す形状のパターンを有する導光板を作製した。
実施例2
(1)金型部材の作製
実施例1(1)において、転写用パターンを有する金型部材の表面に、さらに真空蒸着によって厚さ1μmのニッケルメッキ層を設けた以外は、実施例1(1)と同様にて金型部材を作製した。
(2)金型製作及びその熱的特性
上記(1)で得られた金型部材を装着して、厚さ1mmの板状体空間部からなるキャビティ部を有する金型を製作した。
第2表に、転写用パターンを有する金型部材を構成する各層の厚さ及びその材料の物性、並び使用する透明樹脂[日本ゼオン(株)製「ZEONOR」]の物性及びその層の厚さを示す。
【0042】
【表2】
【0043】
第2表に示すデータを用い、実施例1(2)と同様にして温度分布の時間変化曲線を作成した。結果を図5にグラフで示す。
Thは300℃、T10は200℃であり、したがって、(Th−T10)/(Th−70)は0.43であった。
(3)導光板の作製
上記(2)で得られた金型を用い、透明樹脂「ZEONOR」を、樹脂温度300℃、金型温度70℃の条件で射出成形して、厚さ1mmで、出射面側に図3に示す形状のパターンを有する導光板を作製した。
【0044】
比較例1
(1)金型部材の作製
厚さ20mmのステンレス鋼板2枚を用い、そのうちの1枚を一方の金型部材とし、他方のステンレス鋼板の表面に、図3で示すパターンに対応する転写用パターンを、バイトを用いる切削加工により形成した。
【0045】
(2)金型製作及びその熱的特性
上記(1)で得られた金型部材を装着して、厚さ1mmの板状体空間部からなるキャビティ部を有する金型を製作した。
第3表に、転写用パターンを有する金型部材の材料の物性及びその厚さ並びに使用する透明樹脂[日本ゼオン(株)製「ZEONOR」]の物性及びその層の厚さを示す。
【0046】
【表3】
【0047】
第3表に示すデータを用い、実施例1(2)と同様にして温度分布の時間変化曲線を作成した。結果を図6にグラフで示す。
Thは300℃、T10は80℃であり、したがって、(Th−T10)/(Th−70)は0.96であった。
【0048】
(3)導光板の作製
上記(2)で得られた金型を用い、透明樹脂「ZEONOR」を、樹脂温度300℃、金型温度70℃の条件で射出成形して、厚さ1mmで、出射面側に図3に示す形状のパターンを有する導光板を作製した。
【0049】
比較例2
(1)金型部材の作製
実施例1(1)と同様にして、厚さ20mmのステンレス鋼板2枚のそれぞれに、厚さ100μmのポリイミド膜を形成し、さらにその上に真空蒸着によって厚さ100μmのニッケルメッキ層を形成した。そのうちの一枚を一方の金型部材とし、他方について、ニッケルメッキ層表面に、図3で示すパターンに対応する転写用パターンを、バイトを用いる切削加工により、形成し、転写用パターンを有する金型部材を作製した。
【0050】
(2)金型製作及びその熱的特性
上記(1)で得られた金型部材を装着して、厚さ1mmの板状体空間部からなるキャビティ部を有する金型を製作した。
第4表に、転写用パターンを有する金型部材を構成する各層の厚さ及びその材料の物性、並びに使用する透明樹脂[日本ゼオン(株)製「ZEONOR」]の物性及びその層の厚さを示す。
【0051】
【表4】
【0052】
第4表に示すデータを用い、実施例1(2)と同様にして温度分布の時間変化曲線を作成した。結果を図7にグラフで示す。
Thは300℃、T10は140℃であり、したがって、(Th−T10)/(Th−70)は0.70であった。
(3)導光板の作製
上記(2)で得られた金型を用い、透明樹脂「ZEONOR」を、樹脂温度300℃、金型温度70℃の条件で射出成形して、厚さ1mmで、出射面側に図3に示す形状のパターンを有する導光板を作製した。
【0053】
試験例1
実施例2及び比較例2で得られた導光板について、それぞれ任意の9個所における正面輝度を、トップコン社製の輝度計「BM−7」を用い、視野角1度及び暗所の条件で測定した。
結果を第5表に示す。
【0054】
【表5】
【0055】
第5表から分かるように、実施例2の導光板は、比較例2の導光板に比べて、平均輝度が約30%高い。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、金型を用いる転写法により、表裏面の少なくとも一方の面に所定形状の微細パターンが金型の転写用パターンに忠実に設けられた樹脂製成形体を効率よく成形することができる。また、本発明の成形体は、該成形体に要求される機能を良好に発揮することができ、特に導光板などの光学・電気・電子材料として好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、液晶表示装置のバックライトなどに用いられる照明装置の1例の構成を示す断面図である。
【図2】図2は、本発明の成形体の成形方法において用いられる金型についての温度分布の時間変化曲線の1例を示すグラフである。
【図3】図3は、実施例及び比較例で作製した導光板のパターン形状を示す斜視図である。
【図4】図4は、実施例1で用いた金型についての温度分布の時間変化曲線を示すグラフである。
【図5】図5は、実施例2で用いた金型についての温度分布の時間変化曲線を示すグラフである。
【図6】図6は、比較例1で用いた金型についての温度分布の時間変化曲線を示すグラフである。
【図7】図7は、比較例2で用いた金型についての温度分布の時間変化曲線を示すグラフである。
【符号の説明】
1 導光板
1a 微細パターン
1b 入射端面
2 反射シート
3 拡散シート
4 光源
【発明の属する技術分野】
本発明は、成形体の成形方法及び成形体に関する。さらに詳しくは、本発明は、金型を用いる転写法により、表裏面の少なくとも一方の面に所定形状の微細パターンが金型の転写用パターンに忠実に設けられた樹脂製成形体を効率よく成形する方法、及びその方法で得られた成形体であって、該成形体に要求される機能を良好に発揮することができ、特に導光板などの光学・電気・電子材料として好適な成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、光学・電気・電子分野においては、表面に微細パターンが設けられた樹脂製部材が様々な用途に用いられている。このような表面に微細パターンが設けられた樹脂製部材の一つとして、液晶表示装置のバックライト及びフロントライトなどに用いられる導光板が知られている。
【0003】
図1は、液晶表示装置のバックライトなどに用いられる照明装置の1例の構成を示す断面図である。図1に示すように、該照明装置は、冷陰極管などの光源4と、入射端面1bが光源4の近傍に位置するように配置した導光板1と、導光板1の出射側の面に配置された拡散シート3と、導光板1の拡散シート3とは反対側に配置した反射シート2とで構成されている。そして導光板1の反射シート2側の面には、均一な拡散光を得るために、所望形状の微細パターン1aが設けられている。
このような構成の照明装置においては、光源4からの光が入射端面1bより導光板1内に入射し、導光板1の拡散シート3側の面と反射シート2側の面で反射しながら、又は反射せずに直接的に入射端面1bの反対の方向へ伝送される。その間に一部の光が導光板1の出射面より導光板外へ出て、拡散シート3を通り、拡散光として照明装置の外部に出ることによって均一な輝度の照明光が得られる。
【0004】
なお、この図1においては、導光板の微細パターンは、反射シート側の面に設けられているが、これに限定されるものではなく、該パターンを出射側の面に設けることができる。
このような、いわゆるエッジライト方式の導光板を備えた照明装置(光拡散装置)は、例えばワードプロセッサー、パーソナルコンピューター、薄型テレビジョンなどに設けられる液晶表示装置などの背面照明装置として用いられている。そして、該導光板の一方の面に設けられる微細パターンは、均一な輝度を得るために、設計通りのパターン形状を有することが重要である。
前記導光板のように、表面に微細パターンが設けられた樹脂製部材の製造方法としては、種々の方法が知られているが、その中で高い歩留りで生産性がよいなどの点から、キャビティ面に転写用パターンを有する金型のキャビティ部に溶融された成形用樹脂材料を射出注入して、表面に所定形状の微細パターンが設けられた成形体を製造する方法が、一般に採用されている。
【0005】
このような金型を用いる転写法によって、所定形状の微細パターンが設けられた樹脂製成形体を製造する場合、キャビティ面の金型部材に設けられた転写用パターンに忠実なパターンを得るためには、高い充填率で、溶融樹脂材料をキャビティ内に射出注入することが重要である。しかしながら、転写用パターンが設けられた金型部材として、例えばステンレス鋼などの金属材料を用いた場合、該金型部材の温度が射出注入される樹脂温度よりもかなり低く、かつ熱容量が大きいことから、キャビティ部において、該樹脂の金型部材との接触面での温度低下による粘度上昇が生じ、キャビティ部の微細パターンの奥の方まで十分に充填ができず、その結果転写用パターンに忠実なパターンが得られにくいという問題が生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、金型を用いる転写法により作製されてなる、表裏面の少なくとも一方の面に所定形状の微細パターンが金型の転写用パターンに忠実に設けられた樹脂製成形体であって、該成形体に要求される機能を良好に発揮することができ、特に導光板などの光学・電気・電子材料として好適な成形体を提供することを目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、金型として、キャビティ部を構成し、かつ転写用パターンが設けられた特定の熱的特性を有する金型部材を備えたものを用いることにより、また、キャビティ部を構成し、かつ表面が転写用パターンを形成した耐熱樹脂面で形成されている金型部材を備えたものを用いることにより、その目的を達成し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)溶融した成形用樹脂材料を金型のキャビティ部に射出注入することにより、表裏面の少なくとも一方の面に所定形状の微細パターンが設けられた成形体を成形するに際し、金型として
(a)キャビティ部を構成し、かつ前記パターンに対応する転写用パターンが設けられた金型部材を有し、
(b)各境界面での熱の受け渡しを、1次元の伝導伝熱のみを考慮した非定常熱伝導解析プログラムに、(イ)前記金型部材を構成する材料及び成形用樹脂材料の定圧熱容量Cp(cal/g・℃)、熱伝導度k(cal/cm・℃・s)及び密度ρ(g/cm3)を入力すると共に、(ロ)前記金型部材の各層を構成する材料それぞれの温度70℃及び成形用樹脂材料の温度300℃を初期値とし、かつ該金型部材の各層それぞれの厚さ(mm)及び1mm以上の成形用樹脂材料層の厚さ(mm)を変数として入力し、(ハ)前記転写用パターンが設けられた金型部材の表面から、該成形用樹脂材料層の厚さ方向の距離をx(μm)、その点における温度をT(℃)として作成された温度分布の時間変化曲線において、0.1秒経過後におけるxが10μmのときの温度をT10℃、xが該成形用樹脂材料層の厚さの1/2の距離であるときの温度をTh℃とした場合、(Th−T10)/(Th−70)の値が0.6以下になるもの、(以下、この金型を金型Iと称す。)
を用いることを特徴とする成形体の成形方法、
(2)非定常熱伝導解析プログラムが、エムエスシーソフトウエア(株)製のソフト「MSC Marc 2001」(登録商標名)である第1項記載の成形体の成形方法、
(3)転写用パターンが設けられた金型部材の表面が、該パターンを形成した耐熱樹脂面で形成されている第1項又は第2項記載の成形方法、
(4)溶融した成形用樹脂材料を金型のキャビティ部に射出注入することにより、表裏面の少なくとも一方の面に所定形状の微細パターンが設けられた成形体を成形するに際し、金型として、キャビティ部を構成し、かつ表面が前記パターンに対応する転写用パターンを形成した耐熱樹脂面で形成されている金型部材を有するもの(以下、この金型を金型IIと称す。)を用いることを特徴とする成形体の成形方法、
(5)転写用パターンが設けられた金型部材において、該パターンが形成された耐熱樹脂部の厚さが30μm以上である第3項又は第4項記載の成形方法、
(6)転写用パターンが設けられた金型部材が、該パターンを形成した耐熱樹脂面に、50μm以下のメッキ層を形成したものである第3項、第4項又は第5項記載の成形方法、
(7)メッキ層の厚さが5μm以下である第6項記載の成形方法、
(8)転写用パターンが設けられた金型部材における耐熱樹脂が、ポリイミド樹脂である第3項ないし第7項のいずれかに記載の成形方法、
(9)成形体の少なくとも一方の面に設けられた微細パターンにおいて、隣接する凸部と凹部における凸部の最高位置から凹部の底までの垂直方向の距離が50μm以下である第1項ないし第8項のいずれかに記載の成形方法、
(10)成形体の厚さが、0.1〜30mmである第1項ないし第9項のいずれかに記載の成形方法、
(11)成形体が光学・電気・電子材料用である第1項ないし第10項のいずれかに記載の成形方法、
(12)成形体が、成形用樹脂材料として透明樹脂材料を用いた導光板である第11項記載の成形方法、
(13)透明樹脂材料が、脂環式構造含有重合体樹脂を含むものである第12項記載の成形方法、及び
(14)第1項ないし第13項のいずれかに記載の成形方法で得られたことを特徴とする成形体、
を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の成形体の成形方法は、溶融した成形用樹脂材料を金型のキャビティ部に射出注入することにより、表裏面の少なくとも一方の面に所定形状の微細パターンが設けられた成形体を成形する方法である。当該成形体の形状は特に限定されないが、板状のものが好ましい。前記微細パターンの形状及び大きさとしては特に制限はなく、当該成形体の用途に応じて適宜選択することができる。また、該微細パターンは、例えば成形体が板状である場合、板状成形体の一方の側の面に設けられていてもよいし、両面に設けられていてもよいが、導光板として用いる場合には、通常一方の側の面に設けられる。前記微細パターンの形状及び大きさなどについては後で詳述する。
本発明の成形体の成形方法には、以下に示す金型I及び金型IIをそれぞれ用いて成形する場合の2つの態様がある。
【0009】
まず、金型Iについて板状成形体を例にとり説明する。
この金型Iは、キャビティ部を構成し、かつ板状成形体の表面に設けられる所定形状の微細パターンに対応する転写用パターンが形成された金型部材を有し、かつ以下に示す熱的特性を有するものである。
すなわち、当該金型Iは、各境界面での熱の受け渡しを、1次元の伝導伝熱のみを考慮した非定常熱伝導解析プログラムに、(イ)前記転写用パターンが形成された金型部材を構成する材料及び成形用樹脂材料の定圧熱容量Cp(cal/g・℃)、熱伝導度k(cal/cm・℃・s)及び密度ρ(g/cm3)を入力すると共に、(ロ)前記金型部材の各層を構成する材料それぞれの温度70℃及び成形用樹脂材料の温度300℃を初期値とし、かつ該金型部材の各層それぞれの厚さ(mm)及び1mm以上の成形用樹脂材料層の厚さ(mm)を変数として入力し、(ハ)前記転写用パターンが設けられた金型部材の表面から、該成形用樹脂材料層の厚さ方向の距離をx(μm)、その点における温度をT(℃)として作成された温度分布の時間変化曲線において、0.1秒経過後におけるxが10μmのときの温度をT10℃、xが該成形用樹脂材料層の厚さの1/2の距離であるときの温度をTh℃とした場合、(Th−T10)/(Th−70)の値が0.6以下になるような金型である。
【0010】
前記(Th−T10)/(Th−70)の値が0.6を超えると、キャビティ部において、成形用樹脂材料の金型部材との接触面での温度低下による粘度上昇が生じ、キャビティ部の微細パターンの奥の方まで十分に充填できず、その結果転写用パターンに忠実なパターンが得られない。この(Th−T10)/(Th−70)の好ましい値は0.5以下である。
なお、前記の非定常熱伝導解析プログラムは、各境界面での熱の受け渡しを、1次元の伝導伝熱のみを考慮している。したがって、x方向(キャビティの厚さ方向)のみに温度分布が生じ、xに対して垂直方向(y方向)については全て均一な温度として計算する。(金型は計算上はy方向には無限の長さを有する。)また、金型部材を構成する各層の材料及び成形用樹脂材料の定圧熱容量Cp、熱伝導度k及び密度ρは初期値のままで一定であり、温度のみ変化するという条件で計算を行う。さらに、幅射による伝熱、対流による伝熱及び各層境界面での伝熱抵抗はないものとして取り扱う。
【0011】
数値計算は、非定常解析における時間刻みを0.001sに固定して計算を行う。金型部材を構成する各層及び成形用樹脂材料層をx方向に1μm刻みで分割し、各分割した領域内は、全て同じ温度として取り扱う。
またこの計算に用いる成形用樹脂材料の温度及び金型部材を構成するそれぞれの材料の温度は、現実の成形条件にかかわらず、それぞれ300℃及び70℃と仮定して計算を行う。また、成形用樹脂材料層の厚みについては、該樹脂材料層の厚みが1mm以上の場合は現実の該樹脂材料層の厚みを入力し、該樹脂材料層の厚みが1mmより小さい場合は、該樹脂材料層の厚みが1mmと仮定して計算を行う。さらに金型部材のうち、成形用樹脂材料層と接触する転写用パターンが形成されている面と反対側の面を構成する層の温度は70℃で一定として取り扱う。
前記非定常熱伝導解析プログラムとしては、例えば、エムエスシーソフトウエア(株)製のソフト「MSC Marc 2001」(登録商標名)を用いることができる。
なお、図2は、xが10μm及び成形用樹脂材料層の厚さの1/2における温度分布の時間変化曲線の1例を示すグラフである。この図においては、Th=300℃、T10=200℃であり、したがって、(Th−T10)/(Th−70)は(300−200)/(300−70)=0.43となる。
【0012】
また、この場合、入力する成形用樹脂材料層の厚さが小さすぎると、Thの値が金型部材との接触面温度の影響を受け低くなるおそれがあるので、入力する樹脂材料層の厚さは、本発明が適用されるには、該Thが金型部材との接触面温度に、実質上影響されない厚さ(1mm以上)であることが必要である。
このようにして、前記の熱的特性を有する金型Iを用い、成形用樹脂材料を成形することにより、前記金型部材に形成された転写用パターンに忠実な形状を有する微細パターンが表面に設けられた樹脂製板状成形体が得られる。
【0013】
当該金型Iにおいて、キャビティ部を構成し、かつ転写用パターンが形成された金型部材は、前記の熱的特性を有する金型が得られるのであれば、その構成については特に制限はなく、様々な構成のものを用いることができるが、中でも表面が転写用パターンを形成した耐熱樹脂面で形成されている金型部材が好適である。このような金型部材としては、次に示す金型IIにおける転写用パターンが設けられた金型部材と同じものを挙げることができる。
なお、本発明で得られる成形体が、例えば両面に微細パターンが設けられた樹脂製板状成形体である場合、それぞれの面に設けられた微細パターンの形状や大きさは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0014】
この場合、金型Iとしては、キャビティ部を構成し、かつ板状成形体のそれぞれの面に設けられる微細パターンに対応する転写用パターンが形成された2つの金型部材が対向して配置され、しかも両方の金型部材について、いずれも前述の熱的特性を満たす金型が用いられる。2つの金型部材は、該熱的特性が得られるのであれば、同一又は異なる様々な構成のものを用いることができるが、中でも前記したように、表面が転写用パターンを形成した耐熱樹脂面で形成されている金型部材が好適である。
また、キャビティ部を構成し、かつ対向する2つの金型部材において、一方の側の金型部材のみに転写用パターンが設けられる場合、他方の側の金型部材の構成については特に制限はないが、溶融樹脂材料の流れを良くし、得られる板状成形体のパターンが設けられていない側の面性状を良好なものとするために、キャビティ面が耐熱樹脂面で形成されている金型部材が好ましい。
【0015】
次に、金型IIについて板状成形体を例にとり説明する。
この金型IIとしては、キャビティ部を構成し、かつ板状成形体の表面に設けられる所定形状の微細パターンに対応する転写用パターンが形成された金型部材を有し、かつ該金型部材の表面が転写用パターンを形成した耐熱樹脂面で形成されている金型が用いられる。
当該金型IIにおいては、キャビティ面の転写用パターンが設けられた金型部材の表面が耐熱樹脂面で形成されているため、キャビティ部において、成形用樹脂材料の金型部材との接触面での温度低下が少なく、粘度上昇が抑制されるので、キャビティの微細パターンの奥まで十分に充填することができ、その結果転写用パターンに忠実なパターンを得ることができる。
【0016】
前記の表面が転写用パターンを形成した耐熱樹脂面で形成されている金型部材としては、耐熱樹脂のみから構成されたものであってもよいが、機械的性質などの面から、一般に金属材料上に耐熱樹脂層を設けたものが、好ましく用いられる。ここで、金属材料としては、一般の合成樹脂成形用金型に使用される金属材料の中から適宜選択することができる。例えば鉄又はステンレス鋼などの鉄合金、アルミニウム又はアルミニウム合金、亜鉛合金、銅又はベリリウム銅などの銅合金等が用いられる。
一方、耐熱樹脂層を構成する耐熱樹脂としては特に制限はなく、例えばポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリールスルホン、ポリアリレート、ポリフェニレンエーテルなどの熱可塑性樹脂、あるいは熱硬化性ポリイミド樹脂などが挙げられるが、耐熱性及び耐久性などの面から、熱硬化性ポリイミド樹脂が好ましく、特に直鎖型熱硬化性ポリイミド樹脂が好適である。
【0017】
この直鎖型熱硬化性ポリイミド樹脂は、例えば芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸二無水物を開環重合付加反応させることにより、製造することができる。これらの直鎖型熱硬化性ポリイミド樹脂の前駆体は、加熱して脱水環化反応させることにより、直鎖型熱硬化性ポリイミド樹脂を形成する。好ましい直鎖型熱硬化性ポリイミド樹脂の前駆体はポリアミド酸である。この直鎖型熱硬化性ポリイミド樹脂層を金属材料上に設けるには、例えばその前駆体溶液を塗布し、加熱する方法、あるいは芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸二無水物を蒸着重合させる方法などを用いることができる。
本発明においては、転写用パターンが設けられた金型部材において、該パターンが形成された耐熱樹脂部の厚さは30μm以上であることが好ましい。なお、金属材料上に耐熱樹脂層を設けた部材では、耐熱樹脂部の厚さは、好ましくは30μm以上、より好ましくは50μm以上、特に好ましくは80μm以上である。耐熱樹脂部の厚さが30μm未満では、断熱層としての機能が十分に発揮されにくく、本発明の目的が達せられない場合がある。
【0018】
本発明においては、前記の耐熱樹脂面に転写用パターンを形成するが、その形成方法については特に制限はなく、様々な方法、例えばレーザー加工、放電加工、サンドブラスト加工、切削やフライスカットなどの機械加工、フォトリソグラフィー技術を用いたドライエッチング加工やウエットエッチング加工などを用いることができる。
なお、本発明で得られる成形体が、例えば両面に微細パターンが設けられた樹脂製板状成形体である場合、金型IIとしては、キャビティ部を構成し、かつ板状成形体のそれぞれの面に設けられた微細パターンに対応する転写用パターンが形成された2つの金型部材が対向して配置され、しかも両方の金型部材において、前記したように、表面が転写用パターンを形成した耐熱樹脂面で形成されている金型が用いられる。
【0019】
また、当該金型IIおいては、対向して配置されたキャビティ部を構成する2つの金型部材の一方の側のみに転写用パターンが設けられる場合、他方の側の金型部材の構成については特に制限はないが、溶融樹脂材料の流れを良くし、得られる板状成形体のパターンが設けられていない側の面性状を良好なものとするために、キャビティ面が耐熱樹脂面で形成されている金型部材が好ましい。
本発明においては、前記の表面が転写用パターンを形成した耐熱樹脂面で形成されている金型部材としては、耐久性を向上させるなどの目的で、該耐熱樹脂面に、金属又は無機、好ましくは金属、特に好ましくはニッケルやクロムのメッキを施し、メッキ層を形成したものが好適に用いられる。この金属メッキ層の厚さは、通常50μm以下、好ましくは5μm以下、より好ましくは0.2〜2μmの範囲で選定される。該金属メッキ層の厚さが、0.2μm未満では耐久性などの向上効果が十分に発揮されないおそれがあるし、50μmを超えると熱容量が大きくなって、本発明の目的が達せられない場合がある。
【0020】
耐熱樹脂層上にメッキを施す方法としては特に制限はなく、従来プラスチック上にメッキを施す場合に使用されている方法、例えば真空蒸着法や無電解メッキ法などを採用することができる。
本発明で得られる成形体の厚さは、用途に応じて適宜選定されるが、通常0.1〜30mm、好ましくは0.3〜10mm、より好ましくは0.5〜3mmの範囲である。また、該成形体の少なくとも一方の面に設けられる微細パターンの形状や大きさは、用途に応じて適宜選定されるが、大きさとしては、隣接する凸部と凹部における凸部の最高位置から凹部の底までの垂直方向の距離が、通常50μm以下、好ましくは20μm以下である。なお、ここで凸部とは凹部に対して相対的に高い部分のことである。同様に、凹部とは凸部に対して相対的に低い部分のことであり、したがって平坦部をも包含する。
また、パターン形状としては、本発明で得られる成形体が光学・電気・電子材料の導光板として用いられる場合、例えばV型の溝形状、のこぎり刃形状、頂上がフラットに近い山形形状、ドット形状、あるいは、一定方向に沿って前記パターンの大きさが逐次変化する形状、ゆるやかな傾斜構造のパターンが繰り返す形状など、様々な形状を挙げることができる。
【0021】
本発明の成形方法において用いられる成形用樹脂材料としては、特に制限はなく、用途に応じて適宜選択される。
例えばポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、脂環式構造含有重合体樹脂、これらの共重合体樹脂及びこれら樹脂の混合物などの熱可塑性樹脂を含むものを挙げることができる。
本発明はまた、前述の本発明の成形方法で得られた成形体をも提供する。
本発明の成形体としては、光学・電気・電子材料用が好ましく、特に成形用樹脂材料として、透明樹脂材料を用いた導光板が好適である。この透明樹脂材料としては、透明性、耐熱性、加工性などに優れることから、前記熱可塑性樹脂の中で、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート及び脂環式構造含有重合体樹脂を含むものが好ましく、特に脂環式構造含有重合体樹脂を含むものが好適である。
【0022】
次に脂環式構造含有重合体樹脂を含む成形用樹脂材料について説明する。
該脂環式構造含有重合体樹脂は、重合体の繰り返し単位中に脂環式構造を含有するものであり、脂環式構造を主鎖及び側鎖のいずれに有していてもよい。脂環式構造としては、シクロアルカン構造、シクロアルケン構造などが挙げられるが、熱安定性等の観点からシクロアルカン構造が好ましい。脂環式構造を構成する炭素原子数は、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲であると、耐熱性及び透明性に優れた成形体が得られる。
脂環式構造含有重合体樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上である。脂環式構造含有重合体樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合が過度に少ないと耐熱性が低下し好ましくない。なお、脂環式構造含有重合体樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位以外の残部は、使用目的に応じて適宜選択される。
【0023】
脂環式構造含有重合体樹脂の具体例としては、(1)ノルボルネン系重合体、(2)単環の環状オレフィン系重合体、(3)環状共役ジエン系重合体、(4)ビニル脂環式炭化水素重合体、及びこれらの水素化物などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性、機械的強度等の観点から、ノルボルネン系重合体水素化物、ビニル脂環式炭化水素重合体及びその水素化物などが好ましい。
【0024】
(1)ノルボルネン系重合体
このノルボルネン系重合体としては、ノルボルネン系モノマーの開環重合体、ノルボルネン系モノマーとこれと開環共重合可能なその他のモノマーとの開環共重合体、これらの水素化物、ノルボルネン系モノマーの付加重合体、ノルボルネン系モノマーとこれと共重合可能なその他のモノマーとの付加共重合体などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性、機械的強度等の観点から、ノルボルネン系モノマーの開環重合体水素化物が最も好ましい。
【0025】
ノルボルネン系モノマーとしては、ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)及びその誘導体(環に置換基を有するもの)、トリシクロ〔4.3.12,5.01,6〕−デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)及びその誘導体、テトラシクロ〔7.4.110,13.01,9.02,7〕−トリデカ−2,4,6,11−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう、慣用名:メタノテトラヒドロフルオレン)及びその誘導体、テトラシクロ〔4.4.12,5.17,10.0〕−ドデカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン)及びその誘導体などが挙げられる。
置換基としては、アルキル基、アルキレン基、ビニル基、アルコキシカルボニル基などが例示でき、上記ノルボルネン系モノマーは、これらを2種以上有していてもよい。具体的には、8−メトキシカルボニル基−テトラシクロ〔4.4.12,5.17,10.0〕−ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ〔4.4.12,5.17,10.0〕−ドデカ−3−エンなどが挙げられる。
これらのノルボルネン系モノマーは、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
【0026】
これらノルボルネン系モノマーの開環重合体、またはノルボルネン系モノマーとこれと開環共重合可能なその他のモノマーとの開環共重合体は、モノマー成分を、公知の開環重合触媒の存在下で重合して得ることができる。開環重合触媒としては、例えば、ルテニウム、オスミウムなどの金属のハロゲン化物と、硝酸塩またはアセチルアセトン化合物、及び還元剤とからなる触媒、あるいは、チタン、ジルコニウム、タングステン、モリブデンなどの金属のハロゲン化物またはアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合物とからなる触媒を用いることができる。
ノルボルネン系モノマーと開環共重合可能なその他のモノマーとしては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の環状オレフィン系単量体などを挙げることができる。
【0027】
ノルボルネン系モノマーの開環重合体水素化物は、通常、上記開環重合体の重合溶液に、ニッケル、パラジウムなどの遷移金属を含む公知の水素化触媒を添加し、炭素−炭素不飽和結合を水素化することにより得ることができる。
【0028】
ノルボルネン系モノマーの付加重合体、またはノルボルネン系モノマーとこれと共重合可能なその他のモノマーとの付加(共)重合体は、これらのモノマーを、公知の付加重合触媒、例えば、チタン、ジルコニウム又はバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒を用いて(共)重合させて得ることができる。
【0029】
ノルボルネン系モノマーと共重合可能なその他のモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素数2〜20のα−オレフィン、及びこれらの誘導体;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデンなどのシクロオレフィン、及びこれらの誘導体;1、4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどの非共役ジエンなどが用いられる。これらの中でも、α−オレフィン、特にエチレンが好ましい。
【0030】
これらの、ノルボルネン系モノマーと共重合可能なその他のモノマーは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。ノルボルネン系モノマーとこれと共重合可能なその他のモノマーとを付加共重合する場合は、付加共重合体中のノルボルネン系モノマー由来の構造単位と共重合可能なその他のモノマー由来の構造単位との割合が、重量比で通常30:70〜99:1、好ましくは50:50〜97:3、より好ましくは70:30〜95:5の範囲となるように適宜選択される。
【0031】
(2)単環の環状オレフィン系重合体
単環の環状オレフィン系重合体としては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の環状オレフィン系単量体の付加重合体を用いることができる。
【0032】
(3)環状共役ジエン系重合体
環状共役ジエン系重合体としては、例えば、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエンなどの環状共役ジエン系単量体を1,2−または1,4−付加重合した重合体及びその水素化物などを用いることができる。
【0033】
これらのノルボルネン系重合体、単環の環状オレフィン系重合体又は環状共役ジエン系重合体の分子量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、シクロヘキサン溶液(重合体樹脂が溶解しない場合はトルエン溶液)のゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーで測定したポリイソプレンまたはポリスチレン換算の重量平均分子量で、通常5,000〜500,000、好ましくは8,000〜200,000、より好ましくは10,000〜100,000の範囲であるときに、成形体の機械的強度、及び成形加工性とが高度にバランスされて好適である。
【0034】
(4)ビニル脂環式炭化水素重合体
ビニル脂環式炭化水素重合体としては、例えば、ビニルシクロヘキセン、ビニルシクロヘキサンなどのビニル脂環式炭化水素系単量体の重合体及びその水素化物;スチレン、α−メチルスチレンなどのビニル芳香族系単量体の重合体の芳香環部分の水素化物などが挙げられ、ビニル脂環式炭化水素重合体やビニル芳香族系単量体と、これらの単量体と共重合可能な他の単量体とのランダム共重合体、ブロック共重合体などの共重合体及びその水素化物など、いずれでもよい。ブロック共重合体としては、ジブロック、トリブロック、またはそれ以上のマルチブロックや傾斜ブロック共重合体などが挙げられ、特に制限はない。
【0035】
上記ビニル脂環式炭化水素重合体の分子量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、シクロヘキサン溶液(重合体樹脂が溶解しない場合はトルエン溶液)のゲル・パーミエーション・クロマトグラフ法で測定したポリイソプレンまたはポリスチレン換算の重量平均分子量で、通常10,000〜300,000、好ましくは15,000〜250,000、より好ましくは20,000〜200,000の範囲であるときに、成形体の機械的強度及び成形加工性とが高度にバランスされて好適である。
【0036】
この脂環式構造含有重合体樹脂のガラス転移温度(Tg)は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、通常、80℃以上、好ましくは100℃〜250℃、より好ましくは120℃〜200℃の範囲である。この範囲において、耐熱性と成形加工性とが高度にバランスされ好適である。
成形用樹脂材料として、該脂環式構造含有重合体樹脂を用いる場合には、他の種類の重合体(ゴムや樹脂)を併用することができる。併用する他の種類の重合体としては、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系重合体;ポリイソブチレン、イソブチレン・イソプレンゴムなどのイソブチレン系重合体;ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン・スチレンランダム共重合体、イソプレン・スチレンランダム共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、ブタジエン・スチレン・ブロック共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレン・ブロック共重合体、イソプレン・スチレン・ブロック共重合体、スチレン・イソプレン・スチレン・ブロック共重合体などのジエン系重合体;ポリブチルアクリレート、ポリヒドロキシエチルメタクリレートなどのアクリル系重合体;ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル・スチレン共重合体などのビニル化合物の重合体;ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エピクロルヒドリンゴムなどのエポキシ系重合体;フッ化ビニリデン系ゴム、四フッ化エチレン−プロピレンゴムなどのフッ素系重合体などが挙げられる。これらの軟質重合体は、架橋構造を有したものであってもよく、また、変性反応により官能基を導入したものでもよい。
上記重合体の中でもジエン系重合体が好ましく、特に該重合体の炭素−炭素不飽和結合を水素化した水素化物が、ゴム弾性、機械強度、柔軟性、分散性の点で優れる。
【0037】
また、この成形用樹脂材料には、必要に応じて、各種配合剤を配合することができる。配合剤としては、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、近赤外線吸収剤等の安定剤;滑剤、可塑剤等の樹脂改質剤;染料や顔料等の着色剤;帯電防止剤等が挙げられる。これらの配合剤は、単独で、あるいは2種以上を組み合せて用いることができ、その配合量は本発明の目的を損ねない範囲で適宜選択される。
酸化防止剤としては、たとえばフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が挙げられ、これらの中でもフェノール系酸化防止剤、特にアルキル置換フェノール系酸化防止剤が好ましい。これらの酸化防止剤を配合することにより、透明性等を低下させることなく、成形時の酸化劣化等による成形体の着色や強度低下を防止できる。
これらの酸化防止剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、あるいは2種以上を組み合わせて用いることもできる。酸化防止剤の配合量は、本発明の目的を損なわない範囲で適宜選択されるが、脂環式構造含有重合体樹脂100重量部に対して通常0.001〜5重量部、好ましくは0.01〜1重量部である。
【0038】
本発明の成形体は、表裏面の少なくとも一方の面に所定形状の微細パターンが、金型の転写用パターンに忠実に設けられた樹脂製成形体であって、例えば光学・電気・電子分野において好ましく用いられ、該成形体に要求される機能を良好に発揮することができる。
特に、エッジライト方式の導光板として、例えばワードプロセッサー、パーソナルコンピューター、薄型テレビジョンなどに設けられる液晶表示装置のバックライト及びフロントライトなどに好適に用いられる。
【0039】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
(1)金型部材の作製
対向して配置されることにより、キャビティ部を構成する2枚の金型部材を、下記のようにして作製した。
厚さ20mmのステンレス鋼板2枚のそれぞれに、全方向同時蒸着重合装置[日本真空技術株式会社、VEP3040]を用い、ピロメリット酸無水物と4,4−ジアミノジフェニルエーテルとを蒸着重合させて、厚さ100μmのポリイミド膜を形成させた。そのうちの1枚を一方の金型部材とし、他方について、ポリイミド膜表面に、図3で示すパターンに対応する転写用パターンを、バイトを用いる切削加工により形成し、転写用パターンを有する金型部材を作製した。
図3は、目的の板状成形体の一方の表面に設けられるパターンの形状を示す斜視図である。このパターンは、図で示すように、150μmピッチの山の繰り返しであり、そして該山は非常に緩い斜面を有すると共に、約45度の傾斜の組合わせから構成されている。
(2)金型製作及びその熱的特性
上記(1)で得られた金型部材を装着して、厚さ1mmの板状体空間部からなるキャビティ部を有する金型を製作した。
第1表に、転写用パターンを有する金型部材を構成する各層の厚さ及びその材料の物性、並びに使用する透明樹脂[日本ゼオン(株)製「ZEONOR」]の物性及びその層の厚さを示す。
【0040】
【表1】
【0041】
なお、「ZEONOR」はノルボルネン系の重合体樹脂である。
非定常熱伝導解析プログラム[エムエスシーソフトウエア(株)製のソフト「MSC Marc 2001」]に、第1表に示すデータを入力すると共に、初期値として、該金型部材を構成する各層の温度70℃及び樹脂の温度300℃を入力した。また、金型部材を構成する各層を1μm刻みで分割し、各分割した領域内は全て同じ温度として取り扱った。さらに厚さ20mmのステンレス層は、常に70℃で温度変化は起こらないとし、また非定常解析の時間刻みは0.001sに固定して計算を行った。次に、前記転写用パターンを有する金型部材の表面から、樹脂層の厚さ方向の距離をx(μm)、その点における温度T(℃)として、温度分布の時間変化曲線を作成した。結果を図4にグラフで示す。
Thは300℃、T10は210℃であり、したがって、(Th−T10)/(Th−70)は0.39であった。
(3)導光板の作製
上記(2)で得られた金型を用い、透明樹脂「ZEONOR」を、樹脂温度300℃、金型温度70℃の条件で射出成形して、厚さ1mmで、出射面側に図3に示す形状のパターンを有する導光板を作製した。
実施例2
(1)金型部材の作製
実施例1(1)において、転写用パターンを有する金型部材の表面に、さらに真空蒸着によって厚さ1μmのニッケルメッキ層を設けた以外は、実施例1(1)と同様にて金型部材を作製した。
(2)金型製作及びその熱的特性
上記(1)で得られた金型部材を装着して、厚さ1mmの板状体空間部からなるキャビティ部を有する金型を製作した。
第2表に、転写用パターンを有する金型部材を構成する各層の厚さ及びその材料の物性、並び使用する透明樹脂[日本ゼオン(株)製「ZEONOR」]の物性及びその層の厚さを示す。
【0042】
【表2】
【0043】
第2表に示すデータを用い、実施例1(2)と同様にして温度分布の時間変化曲線を作成した。結果を図5にグラフで示す。
Thは300℃、T10は200℃であり、したがって、(Th−T10)/(Th−70)は0.43であった。
(3)導光板の作製
上記(2)で得られた金型を用い、透明樹脂「ZEONOR」を、樹脂温度300℃、金型温度70℃の条件で射出成形して、厚さ1mmで、出射面側に図3に示す形状のパターンを有する導光板を作製した。
【0044】
比較例1
(1)金型部材の作製
厚さ20mmのステンレス鋼板2枚を用い、そのうちの1枚を一方の金型部材とし、他方のステンレス鋼板の表面に、図3で示すパターンに対応する転写用パターンを、バイトを用いる切削加工により形成した。
【0045】
(2)金型製作及びその熱的特性
上記(1)で得られた金型部材を装着して、厚さ1mmの板状体空間部からなるキャビティ部を有する金型を製作した。
第3表に、転写用パターンを有する金型部材の材料の物性及びその厚さ並びに使用する透明樹脂[日本ゼオン(株)製「ZEONOR」]の物性及びその層の厚さを示す。
【0046】
【表3】
【0047】
第3表に示すデータを用い、実施例1(2)と同様にして温度分布の時間変化曲線を作成した。結果を図6にグラフで示す。
Thは300℃、T10は80℃であり、したがって、(Th−T10)/(Th−70)は0.96であった。
【0048】
(3)導光板の作製
上記(2)で得られた金型を用い、透明樹脂「ZEONOR」を、樹脂温度300℃、金型温度70℃の条件で射出成形して、厚さ1mmで、出射面側に図3に示す形状のパターンを有する導光板を作製した。
【0049】
比較例2
(1)金型部材の作製
実施例1(1)と同様にして、厚さ20mmのステンレス鋼板2枚のそれぞれに、厚さ100μmのポリイミド膜を形成し、さらにその上に真空蒸着によって厚さ100μmのニッケルメッキ層を形成した。そのうちの一枚を一方の金型部材とし、他方について、ニッケルメッキ層表面に、図3で示すパターンに対応する転写用パターンを、バイトを用いる切削加工により、形成し、転写用パターンを有する金型部材を作製した。
【0050】
(2)金型製作及びその熱的特性
上記(1)で得られた金型部材を装着して、厚さ1mmの板状体空間部からなるキャビティ部を有する金型を製作した。
第4表に、転写用パターンを有する金型部材を構成する各層の厚さ及びその材料の物性、並びに使用する透明樹脂[日本ゼオン(株)製「ZEONOR」]の物性及びその層の厚さを示す。
【0051】
【表4】
【0052】
第4表に示すデータを用い、実施例1(2)と同様にして温度分布の時間変化曲線を作成した。結果を図7にグラフで示す。
Thは300℃、T10は140℃であり、したがって、(Th−T10)/(Th−70)は0.70であった。
(3)導光板の作製
上記(2)で得られた金型を用い、透明樹脂「ZEONOR」を、樹脂温度300℃、金型温度70℃の条件で射出成形して、厚さ1mmで、出射面側に図3に示す形状のパターンを有する導光板を作製した。
【0053】
試験例1
実施例2及び比較例2で得られた導光板について、それぞれ任意の9個所における正面輝度を、トップコン社製の輝度計「BM−7」を用い、視野角1度及び暗所の条件で測定した。
結果を第5表に示す。
【0054】
【表5】
【0055】
第5表から分かるように、実施例2の導光板は、比較例2の導光板に比べて、平均輝度が約30%高い。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、金型を用いる転写法により、表裏面の少なくとも一方の面に所定形状の微細パターンが金型の転写用パターンに忠実に設けられた樹脂製成形体を効率よく成形することができる。また、本発明の成形体は、該成形体に要求される機能を良好に発揮することができ、特に導光板などの光学・電気・電子材料として好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、液晶表示装置のバックライトなどに用いられる照明装置の1例の構成を示す断面図である。
【図2】図2は、本発明の成形体の成形方法において用いられる金型についての温度分布の時間変化曲線の1例を示すグラフである。
【図3】図3は、実施例及び比較例で作製した導光板のパターン形状を示す斜視図である。
【図4】図4は、実施例1で用いた金型についての温度分布の時間変化曲線を示すグラフである。
【図5】図5は、実施例2で用いた金型についての温度分布の時間変化曲線を示すグラフである。
【図6】図6は、比較例1で用いた金型についての温度分布の時間変化曲線を示すグラフである。
【図7】図7は、比較例2で用いた金型についての温度分布の時間変化曲線を示すグラフである。
【符号の説明】
1 導光板
1a 微細パターン
1b 入射端面
2 反射シート
3 拡散シート
4 光源
Claims (14)
- 溶融した成形用樹脂材料を金型のキャビティ部に射出注入することにより、表裏面の少なくとも一方の面に所定形状の微細パターンが設けられた成形体を成形するに際し、金型として
(a)キャビティ部を構成し、かつ前記パターンに対応する転写用パターンが設けられた金型部材を有し、
(b)各境界面での熱の受け渡しを、1次元の伝導伝熱のみを考慮した非定常熱伝導解析プログラムに、(イ)前記金型部材を構成する材料及び成形用樹脂材料の定圧熱容量Cp(cal/g・℃)、熱伝導度k(cal/cm・℃・s)及び密度ρ(g/cm3)を入力すると共に、(ロ)前記金型部材の各層を構成する材料それぞれの温度70℃及び成形用樹脂材料の温度300℃を初期値とし、かつ該金型部材の各層それぞれの厚さ(mm)及び1mm以上の成形用樹脂材料層の厚さ(mm)を変数として入力し、(ハ)前記転写用パターンが設けられた金型部材の表面から、該成形用樹脂材料層の厚さ方向の距離をx(μm)、その点における温度をT(℃)として作成された温度分布の時間変化曲線において、0.1秒経過後におけるxが10μmのときの温度をT10℃、xが該成形用樹脂材料層の厚さの1/2の距離であるときの温度をTh℃とした場合、(Th−T10)/(Th−70)の値が0.6以下になるもの、
を用いることを特徴とする成形体の成形方法。 - 非定常熱伝導解析プログラムが、エムエスシーソフトウエア(株)製のソフト「MSC Marc 2001」(登録商標名)である請求項1記載の成形体の成形方法。
- 転写用パターンが設けられた金型部材の表面が、該パターンを形成した耐熱樹脂面で形成されている請求項1又は2記載の成形方法。
- 溶融した成形用樹脂材料を金型のキャビティ部に射出注入することにより、表裏面の少なくとも一方の面に所定形状の微細パターンが設けられた成形体を成形するに際し、金型として、キャビティ部を構成し、かつ表面が前記パターンに対応する転写用パターンを形成した耐熱樹脂面で形成されている金型部材を有するものを用いることを特徴とする成形体の成形方法。
- 転写用パターンが設けられた金型部材において、該パターンが形成された耐熱樹脂部の厚さが30μm以上である請求項3又は4記載の成形方法。
- 転写用パターンが設けられた金型部材が、該パターンを形成した耐熱樹脂面に、50μm以下のメッキ層を形成したものである請求項3、4又は5記載の成形方法。
- メッキ層の厚さが5μm以下である請求項6記載の成形方法。
- 転写用パターンが設けられた金型部材における耐熱樹脂が、ポリイミド樹脂である請求項3ないし7のいずれかに記載の成形方法。
- 成形体の少なくとも一方の面に設けられた微細パターンにおいて、隣接する凸部と凹部における凸部の最高位置から凹部の底までの垂直方向の距離が50μm以下である請求項1ないし8のいずれかに記載の成形方法。
- 成形体の厚さが、0.1〜30mmである請求項1ないし9のいずれかに記載の成形方法。
- 成形体が光学・電気・電子材料用である請求項1ないし10のいずれかに記載の成形方法。
- 成形体が、成形用樹脂材料として透明樹脂材料を用いた導光板である請求項11記載の成形方法。
- 透明樹脂材料が、脂環式構造含有重合体樹脂を含むものである請求項12記載の成形方法。
- 請求項1ないし13のいずれかに記載の成形方法で得られたことを特徴とする成形体。
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Cited By (4)
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JP2006116759A (ja) * | 2004-10-20 | 2006-05-11 | Nippon Zeon Co Ltd | 光学材料射出成形用金型及び光学材料の製造方法 |
WO2012173356A3 (ko) * | 2011-06-13 | 2013-04-04 | (주)엘지하우시스 | 몰드 캐스팅을 이용한 디스플레이 패널용 베젤의 제조 방법 및 이를 통해 제조되는 디스플레이 패널용 베젤 |
JP5559320B2 (ja) * | 2010-06-14 | 2014-07-23 | ポリプラスチックス株式会社 | 金型の製造方法 |
WO2018092255A1 (ja) * | 2016-11-17 | 2018-05-24 | コニカミノルタ株式会社 | 樹脂成形品の断熱金型 |
-
2003
- 2003-05-23 JP JP2003145855A patent/JP2004050819A/ja active Pending
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