JP2005327687A - エレクトロルミネッセンス素子、並びにこれを用いた照明装置および表示装置 - Google Patents

エレクトロルミネッセンス素子、並びにこれを用いた照明装置および表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 エレクトロルミネッセンス素子の発光強度の増加や消費電力の低減の要求は大きく、発光層の射出光を有効に取り出すためのいろいろな工夫がなされているがさらなる光取出効率向上を課題としている。また、このような素子の開発により新しい、あるいは高性能の照明装置や表示装置の開発が課題である。
【解決手段】 本発明は、透明基板上に中間屈折率層、第一電極層、発光層、第二電極層を順次積層したエレクトロルミネッセンス素子であって、前記透明基板の屈折率をn、中間屈折率層の屈折率をn、第一電極層の屈折率をnとした時、n<n<nであることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子の提供である。また、このようなエレクトロルミネッセンス素子を用いた高性能の照明装置や表示装置の提供である。
【選択図】 図1

Description

本発明はエレクトロルミネッセンス素子、並びにこれを用いた照明装置および表示装置
に関する発明である。詳しくは、高輝度で電力消費の少ないエレクトロルミネッセンス素子、およびこれを用いた照明装置、あるいはこれを直接またはバックライトとして用いた表示装置に関する発明である。
一般的なエレクトロルミネッセンス素子は図5のような構造になっている。平面状の透明基板1と下部の陽極または透明電極とも呼ばれる第一電極層2、発光層3、陰極または金属電極とも呼ばれる第二電極層4からなっている。発光層3で発生した光は第一電極層2を介して上方に射出される。通常、発光層3で発生した光を、透明基板1からエレクトロルミネッセンス素子の外部すなわち通常大気中へ射出できる効率すなわち光取出効率は20%以下であり、この光取出効率向上はエレクトロルミネッセンス素子開発の大きな課題となっている。その解決手段としては、透明基板1とエレクトロルミネッセンス素子外部との界面、第一電極層2と透明基板1との界面における反射損失の低減などが考えられる。たとえば、特許文献1や、特許文献2には、透明基板1とエレクトロルミネッセンス素子外部との界面での反射損失低減法が報告されている。光が透明基板1から外部に射出される際、透明基板1とエレクトロルミネッセンス素子外部、通常大気中であるが、との屈折率の違いにより界面にて全反射してしまう光を界面形状を工夫して透過させる発明である。
特開平9−73983号公報 特開2003−59641号公報
特許文献2では、図6にしめしたように透明基板1の外部と接する表面に微小な凹凸群すなわち微小レンズアレイを形成することで光取出効率を高め得ることが報告されている。これは発光層3からのいろいろな方角への放射光が、平坦な透明基板1の表面で一部が反射して減光しながらエレクトロルミネッセンス素子外部へ射出される場合に比べ、透明基板1の表面に形成した微小レンズアレイの効果により入射角が変化するため、この界面での射出光の全反射による反射損失を抑えて光取出効率を向上させている。ただし、この発明は、透明基板1とエレクトロルミネッセンス素子外部との界面での反射損失は低減できるが、依然として充分な発光輝度が得られていない。
第一電極層2と透明基板1との界面における反射損失の低減法としては、特許文献3に開示された発明がある。この発明では、第一電極層2と透明基板1との界面に透明基板1より低屈折率の透明材料層を形成し、この透明材料層と透明基板1との界面での発光層3からの放射光の全反射を抑えている。しかし、この場合は、第一電極層2と透明材料層との界面では、第一電極層2と透明基板1との屈折率の差よりも大きな屈折率の差が生じ、この部分での全反射による発光層からの光の反射損失が大きくなってしまう問題がある。
特開2003−142262号公報
エレクトロルミネッセンス素子の発光強度の増加や消費電力の低減の要求は大きく、上述のように発光層からの射出光を有効に取り出すための色々な工夫がなされている。しかし、まだ十分な反射損失低減技術はなく、満足する光取出効率とはなっていない。第一電極層と透明基板との界面の光反射損失、透明基板中の反射損失などを改善し、エレクトロルミネッセンス素子全体としての更なる光取出効率の向上が望まれている。また、このような素子の開発により新しい、あるいは高性能の照明装置や表示装置の開発が待たれている。
上述の課題を解決するための第一の発明は、透明基板上に中間屈折率層、第一電極層、発光層、第二電極層を順次積層したエレクトロルミネッセンス素子であって、前記透明基板の屈折率をn、中間屈折率層の屈折率をn、第一電極層の屈折率をnとした時、n<n<nであることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子である。一般に屈折率の大きい媒体から小さい媒体へと散乱光が透過する場合、境界面での光の反射損失は屈折率の差に大きく依存する。それ故、これらの媒体の間に、両媒体の中間の屈折率を持つ媒体を挿入してやれば全体としての光の反射損失は減少する。本発明はこの効果を利用した発明である。
第二の発明は、前記中間屈折率層が2層以上積層されており、第一電極層から透明基板へ順次積層された中間屈折率層を構成する各層の屈折率を、第一電極層に近い層から順にnM1、nM2、・・・nMkとしたとき、n>nM1>nM2>・・>nMk>nであることを特徴とする第一の発明に記載したエレクトロルミネッセンス素子である。この発明も原理は第一の発明と同じであるが、第一電極層、隣り合う中間屈折率層同士および透明基板のそれぞれの界面における屈折率の差を小さくして、徐々に屈折率を変化させることにより光の反射損失をさらに減少させている。
第三の発明は、前記透明基板の少なくとも片方の表面、すなわち透明基板の少なくとも上面又は下面のどちらかに複数の凹凸構造を備えている上記第一または第二の発明に記載のエレクトロルミネッセンス素子である。上述のようにいろいろな方向からの光は高屈折率媒体から低屈折率媒体に透過していく際、平面状の境界面よりも光の入射角が変化するような凹凸構造の境界面の方が光の反射損失が少ないという原理を利用して、さらにいっそうの光の反射損失低減を図っている。
第四の発明は、前記透明基板と第一電極層との間に水蒸気透過速度が0.1g/m日以下のガスバリア層を有することを特徴とする上記第一から第三の発明のいずれかひとつに記載のエレクトロルミネッセンス素子である。通常、エレクトロルミネッセンス素子は、発光層材料として水蒸気、酸素等のガスに影響されやすい有機物が用いられている場合が多く、これらガスが発光層に侵入するのを防ぐための発明である。
第五の発明は、前記透明基板の吸水率が0.1%以下、熱線膨張係数が0〜80ppm/Kであることを特徴とする上記第一から第四の発明のいずれかひとつに記載のエレクトロルミネッセンス素子である。この発明はエレクトロルミネッセンス素子の発光層への水蒸気等の影響を抑え、エレクトロルミネッセンス素子の使用環境下での変形や破壊を防止している。
第六の発明は、前記透明基板が脂環式構造を有する樹脂からなる第一から第五の発明のいずれかひとつに記載のエレクトロルミネッセンス素子である。脂環式構造を有する樹脂が第五の発明の効果を好適に発揮することを利用している。
第七の発明は、上記の第一から第六の発明のいずれかひとつに記載のエレクトロルミネッセンス素子を備えた照明装置である。
第八の発明は、上記の第一から第六の発明のいずれかひとつに記載のエレクトロルミネッセンス素子を備えた表示装置である。上記第一から第六の発明のいずれかひとつに記載のエレクトロルミネッセンス素子はそれぞれ光取出効率等が優れており、上記第七、第八の発明は、これを利用して好適な照明装置、表示装置または表示装置用バックライト装置を提供している。
本発明のエレクトロルミネッセンス素子は透明基板と第一電極層との界面での光透過損失を抑制し、非常に光取出効率が優れている。さらに、第四から第六の発明においては優れた光取出効率のうえにその性能の安定した寿命の長いエレクトロルミネッセンス素子を提供している。また、第七、第八の発明ではこれらの高性能エレクトロルミネッセンス素子を用いた高機能の照明装置や表示装置を提供している。
本発明の好適な実施形態を、図1から4を参照としながら詳細に説明する。尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であり技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られない。
図1は、本発明によるエレクトロルミネセンス素子の、第一の実施形態の構成を示している。図1において、エレクトロルミネセンス素子は、透明基板1と、透明基板1の下面に順次形成された中間屈折率層5、第一電極層2、発光層3、第二電極層4とから構成されている。このエレクトロルミネセンス素子は、第一電極層2と第二電極層4との間に、図示していないが駆動電源から所定の駆動電圧を印加することにより、発光層3がエレクトロルミネセンス効果により発光し、その光が透明な第一電極層2、中間屈折率層5、透明基板1を通過して、透明基板1の上方、通常、大気中であるが、に出射する。この射出光を利用して各種の照明装置、表示装置を提供することが出来る。
上記透明基板1は、通常は正方形または長方形状の透光性平板である。中間屈折率層5は透明基板1の下表面に密着する形で形成された層である。この中間屈折率層5は透明基板1の屈折率と第一電極層2の屈折率との間の屈折率の材料で出来ている。屈折率の大きい媒体層を屈折率n=N1、屈折率の小さい媒体層を屈折率n=N2とすると、一般に屈折率n=N1の媒体層から屈折率n=N2の媒体層へといろいろな方角からの入射光が透過する際、平面状の境界面への入射光の反射損失は、式(N1−N2)2/(N1+N2)2として表される(非特許文献1)。
J.D.Rancourt著(小倉繁太郎訳)、日刊工業新聞社1996「光学薄膜ユーザーズハンドブック」
すなわち、屈折率差を小さくするような層構成とすれば反射損失は低減できる。また、これらの媒体層の間に両媒体層の中間の屈折率を持つ媒体層(屈折率N3とする)を挿入した場合、全体としての光の反射損失は、それぞれの境界面での反射損失の和とすれば、式{(N1−N3)2/(N1+N3)2}+{(N3−N2)2/(N3+N2)2}で表される。例えば透明基板1をN1=1.5のガラス、第一電極層をN2=2.0のインジウム錫酸化物(以下「ITO」と記すことがある。)とし、その間に中間屈折率層5としてN3=1.6の層を形成したとすると、ガラス−ITO界面での反射損失は約2%だが、ITO−中間屈折率層の界面及び中間屈折率層−ガラスの界面での屈折率から算出した単純な反射損失の和は約1%となり約半分に低減されたことがわかる。この二つの式を比較すればわかるように、両媒体層間を通過する光の反射損失は、両媒体層の中間の屈折率を持つ媒体層つまり中間屈折率層を挿入することにより、減少することになる。本発明はこの効果を利用している。
中間屈折率層5は、無機質材料でも、有機材料でも透明あるいは半透明であれば良い。通常、第一電極層としてはITO、IZO、ZnOなどの透明導電膜が用いられその屈折率は約2.0、透明基板1としてはガラス、透明樹脂が用いられその屈折率は約1.5程度であるのでその中間の屈折率すなわち約1.5〜2.0を持つ材料を選べばよい。なお、第一電極層2と中間屈折率層5との屈折率の差、および中間屈折率層5と透明基板1との屈折率の差はそれぞれ0.5以下であることが好ましい。さらに好ましくは、それぞれ0.3以下である。具体的な透明無機質材料としては、化学式で示せば例えば、n=1.7のSiO 、n=1.6のAl、n=1.9のY、n=1.9のNb、n=1.9のTa、組成によりn=1.6〜1.8のAlO、組成によりn=1.5〜1.9のSiOのような無機膜の単層、積層あるいは混合体層がある。透明樹脂としては、n=1.7のアクリル系樹脂, n=1.6の不飽和ポリエステル樹脂のような重合体があげられる。nは屈折率をあらわす。以下同じである。その他にもポリエチレン、ポリプロピレンような鎖状ポリオレフィン樹脂;ポリエーテルサルファイド;トリアセチルセルロース;ポリカーボネート樹脂;ポリスチレン樹脂;脂環式構造を有する樹脂;などがあげられる。また、空孔を形成して屈折率を制御している無機膜あるいは有機膜でもよい。これらの製法としては特に制限はないが蒸着法、スパッタリング法、CVD法が一般的に用いられる。
第二の発明の態様は、図2に示すように上記発明の態様のうち中間屈折率層が複数存在している。第一電極層2の屈折率をn、透明基板1の屈折率をnとし、第一電極層から透明基板へ順次積層された中間屈折率層を構成する各層の屈折率を、第一電極層に近い順からnM1、nM2、・・・nMkとする。ここで、それぞれの中間屈折率層の屈折率はn>nM1>nM2>・・>nMk>nの関係となっている。それぞれの中間屈折率層を挿入することにより、その中間屈折率層がない場合に比べ、より大きな反射損失低減効果が得られることがわかる。隣接する層の屈折率の差は好ましくは0.3以下、さらに好ましく0.2以下とする。なお、この中間屈折率層を無限に増やしてやれば屈折率の変化を連続的な変化に近づけることができるので、それにより反射損失を著しく抑制することができる。この極限状態が中間屈折率層の屈折率が第一電極層から透明基板に向かって、第一電極層の屈折率から透明基板の屈折率へと連続的に変化する材料で構成されている場合である。本発明はこのような場合も含んでいる。なお、この中間屈折率層は他の層、例えば第一電極層や透明基板の機能の一部を兼ねることも出来る。あるいはガスバリア層などの機能を兼ねても良い。それぞれの中間屈折率層は、上述した無機質材料、有機材料を適宜組合わせて使用すればよい。中間屈折率層は、例えばn=1.6のAl、n=1.7のSiO、n=1.9のY製の膜を順に透明基板上に積層して使用することが出来る。またこれらの材料の混合体でもかまわない。nは屈折率を表す。以後も同じである。あるいは、組成によりn=1.6〜1.8であるAlOや組成によりn=1.5〜1.9であるSiOのような無機膜の組成を変化させながら積層し、膜の屈折率を連続的または断続的に変化させた膜でも良い。
第三の態様は、中間屈折率層を備え、かつ透明基板表面に複数の凹凸構造をも備えたエレクトロルミネッセンス素子である。前述の中間屈折率層の光取出効率向上効果、および上述の特許文献2に記載されているような凹凸構造の界面の光取出効率向上効果を利用している。凹凸構造としては例えば六角錐、四角錐、三角錐、円錐、三角柱、レンズドームあるいは凹や凸のレンズ形状のように透明基板表面に対し凹凸の構造をもち、発光層3からの光が第一電極層2から透明基板1を通過し透明基板1の外部へと射出される際、入射角を変化させ全反射による損失を抑える構造であれば良い。具体的な例としては、図3に示す四角錐状の場合がある。凹凸構造は上方に頂点を持つ四角錐状であり、透明基板1と一体に形成されている。この四角錐状凹凸構造は透明基板1の長辺方向及び短辺方向に沿って所定の配列ピッチ11、例えば0.01〜1mmで並んで、高さが0.01μm〜100μmの範囲内に選定されていると好適な光取出効率向上効果が得られる。また、円錐状の凹凸構造の場合には、各配置枠毎に上方に向かって突出した円錐状の凹凸を形成している。その円錐の底面が、上記配置枠の外接円となるように形成されている。円錐の底面近傍の、上記配置枠から上記長辺方向及び短辺方向に突出する部分が切除されることにより、互いに隣接する円錐同士が干渉しないようになっている。さらに、これらの円錐は、透明基板1の長辺方向及び短辺方向に沿って所定の配列ピッチ例えば0.01〜1mmで並んで、高さが0.01〜100μmの範囲内に選定されていることが好適である。
凹凸構造が高屈折率層と相対的に低屈折率層との界面に存在すると高屈折率層から低屈折率層へいろいろな方角から入射して一部反射しながら透過していく光の反射損失を抑え、透過効率を上げ、また散乱光に指向性を持たせて低屈折率層側に射出することが出来る。このような観点から、凹凸構造の位置は透明基板1の上面でも下面でもまた上下両面でも、層界面の屈折率に差がありさえすれば効果が発揮できる。なお、凹凸構造は同じ形状の凹凸を透明基板1の表面に隙間なく配置しても良いが、とくにその必要はない。異なった形状、例えば角錐と円錐、さらには大きさの異なる角錐、円錐などが密にまたはまばらに配置されていても問題はない。製造上は、例えば同形の四角錐を隙間なく縦横に連続的に配置した凹凸構造などが便利である。
凹凸構造の機能について説明する。高屈折率の媒体層から相対的に低屈折率の媒体層へと両層の界面を光が透過する際、高屈折率媒体層側の全方向からの光線の透過効率は、平面的な界面に比べその界面に四角錐のような凹凸構造があることにより向上する事が知られている。さらに、これらの凹凸構造にはこれらの全方向からの光すなわち散乱光の指向性付与効果があることが知られている(特許文献1、特許文献2)。透明基板表面のひとつ一つの凹凸をとってみると、エレクトロルミネセンス発光層3から出射する光は、第一電極層2、中間屈折率層5を介して下部全方向から均等に凹凸に入射する。凹凸が、例えば上に頂点を持つ四角錐状に形成されていることにより反射、特に全反射による下方への光の損失が少なくなり、全方向からの光の大部分を確実に上方に向かって導くことができる。すなわち、発光層3から出射する光の反射損失が減少し、光取出効率が向上することになる。一般に、中間屈折率層5、透明基板1、大気の順に屈折率が小さくなっている。それゆえ、凹凸構造による光取出効率向上効果は、中間屈折率層5と透明基板1との間でも、透明基板1と大気との間でも発揮できる。
つぎに、中間屈折率層5と透明基板1との界面に凹凸構造を設けた場合の、もうひとつの光取出効率向上機能を説明する。上述のように凹凸構造をもった界面は、高屈折率媒体から低屈折媒体へ光が透過する際に好適な光の指向性付与効果を持っている。一方、高屈折率の透明基板1から相対的に低屈折率の大気中へ光を効率よく透過させるには、透明基板1の界面での反射による反射損失、特に全反射による損失を抑えなければならない。そのためには透明基板1の上部表面に透明基板側から入射してくる光を、透明基板1の表面通常は平面状なので、この平面に対し入射角が小さくなる方向の光に変えてやればよい。すなわち、発光層3から放射されてくるいろいろな方角の光を、中間屈折率層5と透明基板1との界面で、透明基板1の上側表面に対し入射角が大きくなる方向に変えることである。これは中間屈折率層5と透明基板1との界面に凹凸構造を形成することで実現できる。このように中間屈折率層5と透明基板1との界面に凹凸構造を設けた場合は、さらなる光取出効率向上効果が期待できる。
本発明における凹凸構造は、高さが0.01〜100μm、さらに好ましくは1〜100μm、であり透明基板1の縦横方向にピッチ10μm〜1mm、さらに好ましくは10μm〜0.1mm、の範囲で凹凸構造すなわちマイクロレンズ素子が複数配置されていることが望ましい。凹凸構造は、エレクトロルミネッセンス素子の一部に配置されていてもよいが、エレクトロルミネッセンス素子全体としての機能発揮には透明基板表面全体に配置されていることが好ましい。凹凸構造はどのような方法で製造しようと上述の機能を発揮する凹凸構造になっていれば良い。通常の製造法としては、溶融成型法、射出成型法、キャスティング法、エンボス加工法、電子線微細加工法、ロール成型法、インフレーション法などを利用すればよい。
さらに好ましい発明の態様を図4に示す。前記透明基板1と第一電極層2との間に、水蒸気透過速度が0.1 g・m/日以下のガスバリア層5’を有するエレクトロルミネッセンス素子がある。透明基板1は、通常、強度やガスバリア性からガラス等の透明な無機材料を用いている。しかし、薄くしかも柔軟性に優れたエレクトロルミネッセンス素子を得るには、透明基板としても薄く、柔軟性に優れた樹脂製が適している。透明基板1として樹脂製のものを用いる場合には、ガスバリア層5’を有することが好ましいことになる。ガスバリア層5’は前記透明基板1と第一電極層2との間に設置し、水蒸気透過速度が0.1 g・m/日以下であるような材料が好適である。なお、水蒸気透過速度の測定はJISK7129 B法の赤外センサー法に準拠して、市販の水蒸気透過速度測定器、例えば、MOCON社製の「PERMATRAN−W」を用いて温度40℃、湿度90%RHの雰囲気下で行う。中間屈折率層5との位置関係は、特にこだわる必要はない。なお、図4では中間屈折率層5を上部としている。ただし、ガスバリア層5’の屈折率が、隣接する透明基板1、第一電極層2および中間屈折率層5の、並びに中間屈折率層が複数ある場合はそれぞれの中間屈折率層の、屈折率のあいだの値となるようにすることが好ましい。このようにすればガスバリア層5’は中間屈折率層の機能も果たすからである。
ガスバリア層5’の機能は、発光層3あるいは電極層の劣化することを防ぐことである。発光層3が有機材料であったり、電極層が金属材料であったりすると、これらが大気雰囲気中の水蒸気により劣化するおそれがあるからである。透明基板1の水蒸気透過性が低い場合、透明基板1と第一電極層2との間に高いガスバリア性を有するガスバリア層を挿入することが有効となる。この場合、一般には酸素透過性も低い。ガスバリア層は0.1 g・m/day以下、好ましくは0.08 g・m/日以下とする必要がある。このガスバリア層5’の材質は、例えばSiOx, Al、AlO, SiO、SiNxなどがある。このガスバリア層5’の屈折率は透明基板1と第一電極層2との間の屈折率であることが好ましい。ガスバリア層5’の製法としては蒸着法、スパッタリング法、CVD法が一般的である。なお、ガスバリア層5’は上述のように中間屈折率層5と兼ねることもできる。ガスバリア層5’の厚さは、通常0.02〜1μmであり、好ましくは0.05〜0.2μmである。
本発明においては、透明基板の吸水率が0.1%以下、熱線膨張係数が0〜80ppm/Kであることが望ましい。さらに好ましくは吸水率が0.05%以下、熱線膨張係数が0〜70ppm/Kである。これにより、エレクトロルミネッセンス素子の通常の使用環境下での変形による性能劣化はほとんどなくなる。また、吸水率が低くなればそれにしたがって基板の水蒸気透過性も低下することが予想さる。透明基板1は、通常、強度やガスバリア性からガラス等の透明な無機材料を用いている。しかし、薄くしかも柔軟性に優れたエレクトロルミネッセンス素子を得るには、透明基板としても薄く、柔軟性に優れた樹脂製が適している。透明基板としては、n=1.7のアクリル系樹脂, n=1.6の不飽和ポリエステル樹脂のような重合体があげられる。その他にもポリエチレン、ポリプロピレンような鎖状ポリオレフィン樹脂;ポリエーテルサルファイド;ポリカーボネート樹脂;ポリスチレン樹脂;脂環式構造を有する樹脂;などがあげられる。その中でも脂環式構造を有する樹脂は光透過性、熱安定性、吸水特性、機械特性などに優れ好適である。
脂環式構造を有する樹脂としては、脂環式構造は主鎖及び側鎖のいずれにあっても良い。脂環式構造を有する樹脂としては、シクロアルカン構造、シクロアルケン構造などが挙げられるが、熱安定性の観点からシクロアルカン構造が好ましい。脂環式構造を形成する炭素原子数は通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個である。脂環式構造を構成する炭素原子数がこの範囲にあると、耐熱性及び柔軟性に優れている。脂環式構造を有する樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択すればよい。
脂環式構造を有する樹脂の具体例としては、ノルボルネン系重合体、単環の環状オレフィンの重合体、環状共役ジエンの重合体、ビニル脂環式炭化水素重合体、これらの水素化物、及びこれらの混合物などが挙げられる。これらの中でも、光透過性、熱安定性、吸水特性、耐熱性、機械的強度の観点から、ノルボルネン系重合体及びその水素化物、ビニル脂環式炭化水素重合体及びその水素化物などが好ましい。
(1)ノルボルネン系重合体
本発明に用いるノルボルネン系重合体としては、ノルボルネン系モノマーの開環重合体、ノルボルネン系モノマーとこれを開環共重合可能なその他のモノマーとの開環共重合体、これらの水素化物、ノルボルネン系モノマーの付加重合体、ノルボルネン系モノマーとこれと共重合可能なその他のモノマーとの付加共重合体などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性、機械的強度の観点から、ノルボルネン系モノマーの開環重合体水素化物が最も好ましい。ノルボルネン系モノマーとしては、ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)及び環に置換基を有する誘導体、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)及びその誘導体、7,8−ベンゾトリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−(慣用名:メタノテトラヒドロフルオレン)及びその誘導体、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン)及びその誘導体などが挙げられる。
置換基としては、アルキル基、アルキレン基、ビニル基、アルコキシカルボニル基などが例示でき、上記ノルボルネン系モノマーはこれらを2種以上有してもよい。これらのノルボルネン系モノマーはそれぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
これらノルボルネン系モノマーの開環重合体、またはノルボルネン系モノマーとその他のモノマーとの開環共重合体は公知の開環重合触媒の存在下で重合して得ることができる。その他のモノマーとしては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の環状オレフィン系単量体などを挙げることができる。
ノルボルネン系モノマーの開環重合体水素化物は、通常上記開環重合体の重合溶液に、ニッケル、パラジウムなどの遷移金属を含む公知の水素化触媒を添加し、炭素−炭素不飽和結合を水素化することにより得ることができる。ノルボルネン系モノマーの付加重合体、またはノルボルネン系モノマーとその他のモノマーとの付加重合体または共重合体は、これらのモノマーを公知の重合触媒を用いて重合させて得ることができる。ノルボルネン系モノマーと付加共重合可能なその他のモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素数2〜20のα−オレフィン、及びこれらの誘導体;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデンなどのシクロオレフィン、及びこれらの誘導体;1,4−へキサンジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどの非共役ジエン;などが用いられる。これらの中でも、α−オレフィン、特にエチレンが好ましい。
これらのノルボルネン系モノマーと共重合可能なその他のモノマーは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。ノルボルネン系モノマーとこれと共重合可能なその他のモノマーとを付加共重合する場合は、付加共重合体中のノルボルネン系モノマー由来の構造単位と共重合可能なその他のモノマー由来の構造単位との割合が、重量比で30:70〜99:1の範囲となるように適宜選択される。
(2)ビニル脂環式炭化水素重合体
ビニル脂環式炭化水素重合体としては、例えば、ビニルシクロヘキセン、ビニルシクロヘキサンなどのビニル脂環式炭化水素系単量体及びその水素化物;スチレン、α−メチルスチレンなどのビニル芳香族系単量体の重合体の芳香族環部分の水素化物;などが挙げられ、ビニル脂環式炭化水素単量体やビニル芳香族系単量体と、これら単量体と共重合可能な他の単量体とのランダム共重合体、ブロック共重合体などの共重合体及びその水素化物などが挙げられる。ブロック共重合体としては、ジブロック、トリブロック、またはそれ以上のマルチブロックや傾斜ブロック共重合体などが挙げられるが特に制限はない。
(3)単環の環状オレフィンの重合体、環状共役ジエン系重合体
単環の環状オレフィン系重合体としては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなど単環環状オレフィン系単量体の付加重合体を用いることができる。
環状共役ジエン系重合体としては、例えば、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエンなどの環状共役ジエン系単量体を1,2−または1,4−付加重合した重合体及びその水素化物などを用いることができる。
本発明で好適に使用される脂環式構造を有する樹脂の分子量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、シクロヘキサン溶液、トルエン溶液のゲル・パーミエーション・クロマトグラフ法により測定することができる。前記脂環式構造を有する樹脂の分子量は、ポリスチレン換算の重量平均分子量で、通常5,000〜500,000、好ましくは8,000〜200,000、より好ましくは10,000〜100,000の範囲である。分子量を前記範囲にすることにより、樹脂の機械的強度、及び成形加工性が良好となる。
本発明で好適に使用される脂環式構造を有する樹脂のガラス転移温度は、使用目的に応じて適宜選択されるが、好ましくは80℃〜350℃、より好ましくは130〜250℃の範囲である。ガラス転移温度を前記範囲にすることにより、高温下の使用においても変形や応力集中が生じる事がなく耐久性が良好となる。
本発明で用いる透明基板1の厚さは、好ましくは0.03〜10mmであり、さらに好ましくは0.1〜3mmである。
第一電極層2、発光層3および第二電極層4は通常のエレクトロルミネッセンス素子と同様の構成となっておればよい。すなわち、第一電極層2、発光層3、第二電極層4が図1では下方に、順次積層されている。第一電極層2は通常のエレクトロルミネッセンス素子用の透明電極を用いればよいが、隣接する中間屈折率層5またはガスバリア層5’との密着性を持つ必要がある。例えば、中間屈折率層5の表面が平坦でない場合は第一電極層2と中間屈折率層5との接合には注意を要する。通常用いられる第一電極層2はIZOと称される亜鉛添加酸化インジウムやITOと称されるインジウム・スズ酸化物などをスパッタリング法などで中間屈折率層側に付着させている。第一電極層2の厚さは、通常0.01〜10μmであり、好ましくは0.1〜0.5μmである。
発光層3は、例えばTPDなどのアリルアミン系材料とAlq3などのアルミニウム錯体の積層や硫化亜鉛等の無機化合物やAlq3等の有機化合物の単層もしくは複数の層を積層して構成される。通常、発光層は真空蒸着法を用いれば形成できる。発光層3の厚さは、通常0.01〜2μmであり、好ましくは0.1〜0.5μmである。第二電極層4は発光した光を透明基板側へ反射させる役割を有することがあるため、裏面電極とも言われ、例えばアルミニウム蒸着膜等から構成されている。第二電極層4は蒸着法を用いれば形成できる。第二電極層4の厚さは、通常0.01〜10μmであり、好ましくは0.1〜0.5μmである。第一電極層2と第二電極層4との間に電圧を印加することにより、発光層3がエレクトロルミネセンスにより発光し、その光が第一電極層2、中間屈折率層5、透明基板1を通って、あるいは第二電極層4で反射した光が第一電極層2、中間屈折率層5、透明基板1を通ってエレクトロルミネッセンス素子外部すなわち通常、大気中へ射出される仕組みである。
本発明のエレクトロルミネッセンス素子においては、透明基板、第一電極層、発光層、第二電極層の他に、他の層を有していてもよい。他の層としては、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、封止層が挙げられる。これらの層を構成する材料は、従来エレクトロルミネッセンス素子における各層を構成する材料として公知の素材を用いることができる。
本発明の実施形態によるエレクトロルミネセンス素子は、上述のように構成されており、例えば図4では、第一電極層2と第二電極層4との間に、図示していないが駆動電源から所定の駆動電圧を印加することにより、発光層3がエレクトロルミネセンス効果により発光し、その光が透明な第一電極層2、ガスバリア層5’、中間屈折率層5、透明基板1を通過して、透明基板1の上方に射出する。この射出光を利用して各種の照明装置を提供することが出来る。エレクトロルミネッセンス素子の特性として、面発光体としての照明装置としても利用できる。また、直接表示装置として使用することも可能であり、液晶に変わる好適な各種表示機器とすることも出来る。さらに、このエレクトロルミネセンス素子は液晶等のバックライト装置としても好適な機能を備え、液晶表示装置と組み合わせることにより好適な表示装置を提供出来る。
(実施例1)
図1に示す構成のエレクトロルミネッセンス素子を作製した。透明基板1の材質は屈折率n=1.5,吸水率0.05%,熱線膨張係数70ppm/Kのノルボルネン系樹脂を用いた。透明基板1は縦40mm、横40mm、厚さは1mmである。中間屈折率層5は屈折率n=1.6のアルミナであり、DCスパッタリング法により膜厚が100nmとなるようにに製膜した。このアルミナの中間屈折率層5の水蒸気透過速度は0.1g/m日であり、ガスバリア層としての機能も兼ねることが出来た。第一電極層2は屈折率n=2の亜鉛添加酸化インジウム(IZO)をDCスパッタリング法により膜厚が100nmとなるように製膜した。発光層3はアリルアミン系材料であるTPDとアルミニウム錯体Alq3の積層体を用い、真空蒸着法により膜厚が約100nmとなるように製膜した。第二電極層4はアルミニウムを真空蒸着法により膜厚が100nmとなるように製膜した。このエレクトロルミネッセンス素子の第一電極層2と第二電極層4の間に5Vの電圧をかけエレクトロルミネッセンス発光をさせた。このエレクトロルミネッセンス素子上面側表面から射出される光をPrometric社製輝度計にて測定した。なお、光取出効率は後述の比較例1を基準としてそれに対する比率で表した。また、半減期は輝度計による輝度の測定値が半減するまでの発光時間を日で表した。測定結果は表1に示した。
(実施例2)
図3に示す構成のエレクトロルミネッセンス素子を作製した。実施例1との違いは透明基板1の上面が縦横に連続した四角錐状の凹凸構造となっている点である。各々の凹凸はそれぞれ上方すなわち発光層と反対側に頂点を持つ四角錐で底辺は50μm、高さ25μmとした。なお、四角錐の底辺はマイクロレンズアレイのマイクロレンズのピッチ7に相当する。透明基板1の製法は樹脂の凹凸構造を持つ金型への射出成型によった。他の部分の構成や製造方法は実施例1と同様である。光取出効率、半減期の測定等も同様に実施し、測定結果も表1に示した。
(実施例3)
図4に示す構成のエレクトロルミネッセンス素子を作製した。実施例2との違いは、透明基板1と第一電極層2との間に、nM2=1.6のAl2O3層である中間屈折率層5、nM1=1.9のY層である中間屈折率層5’を透明基板側から順次積層した2層構造体である点である。それぞれの中間屈折率層の厚さは50nmである。中間屈折率層の水蒸気透過速度は2層合わせて0.08g/m日である。他の部分の構成や製造方法は実施例2と同様である。光取出効率、半減期の測定等も同様に実施し、測定結果も表1に示した。
(比較例1)
図5に示す構成のエレクトロルミネッセンス素子を作製した。実施例1との違いは中間屈折率層5がないだけで、他の部分の構成や製造方法は実施例1と同様である。すなわち通常のエレクトロルミネッセンス素子と同じ構造である。光取出効率、半減期の測定等も実施例1と同様に実施し、測定結果も表1に示した。
(比較例2)
図6に示す構成のエレクトロルミネッセンス素子を作製した。実施例2との違いは中間屈折率層5がないだけで、他の部分の構成や製造方法は実施例2と同様である。取出効率、半減期の測定等も実施例1と同様に実施し、測定結果も表1に示した。
(比較例3)
図7に示す構成のエレクトロルミネッセンス素子を作製した。実施例2との違いは、アルミナの中間屈折率層5でなく、屈折率n=1.45のシリカのガスバリア層6をDCスパッタリング法により膜厚が100nmとなるように製膜しただけで、他の部分の構成や製造方法は実施例2と同様である。中間屈折率層5の水蒸気透過速度は0.1g/m日である。取出効率、半減期の測定等も実施例1と同様に実施し、測定結果も表1に示した。
Figure 2005327687
表1の結果から以下のことがわかる。本発明のエレクトロルミネッセンス素子は、実施例1〜3に示すように、発光輝度及び光取出効率が高く、半減期も大きい。
一方、比較例のエレクトロルミネッセンス素子は、発光効率及び光取出効率が低く、半減期が小さい場合もある。
本発明により、高輝度、省電力のエレクトロルミネッセンス素子を提供できる。また、本発明のエレクトロルミネッセンス素子は、光の取出効率が向上するので、エレクトロルミネセンス素子を各種の高輝度の照明装置や表示装置として利用するのに適している。また、液晶等の表示装置のバックライトとして使用する場合に、表示装置の高輝度化や省電力化に容易に対応することができる。
図1は、本発明の実施例1のエレクトロルミネッセンス素子を示す構成図である。 図2は、本発明のエレクトロルミネッセンス素子の構成図を示す例である。 図3は、本発明の実施例2のエレクトロルミネッセンス素子を示す構成図である。 図4は、本発明の実施例3のエレクトロルミネッセンス素子を示す構成図である。 図5は、比較例1のエレクトロルミネッセンス素子を示す構成図である。 図6は、比較例2のエレクトロルミネッセンス素子を示す構成図である。 図7は、比較例3のエレクトロルミネッセンス素子を示す構成図である。
符号の説明
1 透明基板
2 第一電極層
3 発光層
4 第二電極層
5 中間屈折率層
5’中間屈折率層
6 ガスバリア層
7 マイクロレンズアレイのマイクロレンズのピッチ

Claims (8)

  1. 透明基板上に中間屈折率層、第一電極層、発光層、第二電極層を順次積層したエレクトロルミネッセンス素子であって、前記透明基板の屈折率をn、中間屈折率層の屈折率をn、第一電極層の屈折率をnとした時、n<n<nであることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記中間屈折率層が2層以上積層されており、第一電極層から透明基板へ順次積層された中間屈折率層を構成する各層の屈折率を、第一電極層に近い層から順にnM1、nM2、・・・nMkとしたとき、n>nM1>nM2>・・>nMk>nであることを特徴とする請求項1記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記透明基板の少なくとも片方の表面に複数の凹凸構造を備えている請求項1または2に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記透明基板と第一電極層との間に、水蒸気透過速度が0.1g/m日以下のガスバリア層を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記透明基板の吸水率が0.1%以下、熱線膨張係数が0〜80ppm/K以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  6. 前記透明基板が脂環式構造を有する樹脂からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のエレクトロルミネッセンス素子を備えた照明装置。
  8. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のエレクトロルミネッセンス素子を備えた表示装置。


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