JP2004050483A - 画像露光装置および画像露光方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】レンズ光学系の歪曲収差による画像の歪みがなく高画質な画像を記録する、広がりを持った光源を用いて高解像度の画像記録を行なう画像露光装置および画像露光方法を提供する。
【解決手段】DMD12によって形成される画像を、DMD12に対して相対的に移動する記録媒体24上に結像させて記録媒体24を露光する際、前記画像を担持する光をコリメートレンズ光学系14、光偏向器16およびフォーカシングレンズ光学系18を用いて画像を移動させる。その際、コリメートレンズ光学系14とフォーカシングレンズ光学系18の歪曲収差の特性をf・tanθ特性とするとともに、歪曲収差特性による画像の歪みが生じないように、上記f・tanθ特性に応じて、DMD12によって形成される画像について、光偏向器16の偏向方向と直交する方向の画素列毎に、偏向方向と直交する方向の補正を行なう。
【選択図】図1
【解決手段】DMD12によって形成される画像を、DMD12に対して相対的に移動する記録媒体24上に結像させて記録媒体24を露光する際、前記画像を担持する光をコリメートレンズ光学系14、光偏向器16およびフォーカシングレンズ光学系18を用いて画像を移動させる。その際、コリメートレンズ光学系14とフォーカシングレンズ光学系18の歪曲収差の特性をf・tanθ特性とするとともに、歪曲収差特性による画像の歪みが生じないように、上記f・tanθ特性に応じて、DMD12によって形成される画像について、光偏向器16の偏向方向と直交する方向の画素列毎に、偏向方向と直交する方向の補正を行なう。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コリメートレンズ光学系とフォーカシングレンズ光学系と光偏向器とを用いて記録媒体上に画像を結像させて露光する画像露光装置および画像露光方法に関し、特に、マイクロミラーデバイス等の二次元空間光変調素子を用いた画像露光装置および画像露光方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種プリンタ等で利用されているデジタル露光光学系においては、レーザビームを主走査方向に偏向するとともに、記録媒体を光学系に対して主走査方向と直交する副走査方向に相対的に移動することにより、記録画像に応じて変調したレーザビームで記録媒体を二次元的に露光する、いわゆるレーザビーム走査露光(ラスタースキャン)が主流である。
【0003】
これに対して、近年、ディスプレイやモニタ等の表示手段として用いられる液晶ディスプレイ(以下、LCDとする)やデジタルマイクロミラーデバイス(以下、DMDとする)等の二次元空間光変調素子を用いたデジタル露光光学系が種々提案されている。このデジタル露光光学系では、二次元空間光変調素子により形成される画像をコリメートレンズ光学系とフォーカシングレンズ光学系を介して記録媒体上に結像することにより、記録媒体を露光する。
特に、DMDは、応答速度がLCDに比べて1000倍程度速く、光の利用効率も高いので、画像の高速露光に有利である。
【0004】
例えば、USP5049901号では、空間光変調素子で形成された像を記録媒体である感光材面上に結像するシステムが提案されている。それによると、平面状の感光材を搬送させながら、その搬送に同期させてDMDの像を走査させることにより、多重露光を行なっている。
【0005】
ここで、上記空間光変調素子を用いたシステムの原理を図7(a)〜(c)を参照して説明すると、まず、図7(a)に示すように、光が空間光変調素子90に当たり、ミラー90aによって反射され、反射された光はレンズ92等の光学系を介して記録媒体94上に結像する。いま、記録媒体94は、図中矢印で示すように一定の速度で移動しているとする。図7(a)においては、ミラー90aのみがオン状態となり、ミラー90b、90cはオフ状態となっており、ミラー90aによって反射された光のみが記録媒体94に画像を結像するようになっている。
【0006】
次に、図7(b)のように、記録媒体94が少し移動すると、それに合わせて空間光変調素子90の方も、ミラー90aがオフ状態になり、代わりにミラー90bのみがオン状態となって、ミラー90bによって反射された光が記録媒体94上の図7(a)と同一の点を露光する。
さらに、図7(c)のように、記録媒体94が移動すると、これに合わせて空間光変調素子90側は、ミラー90cのみをオン状態として、記録媒体94上の同一の位置に画像を結像する。
このように、図示例の場合、空間光変調素子90は、ミラー90a、90b、90cへと画像データを3回変更して、各ミラーにより3回露光するように制御し、記録媒体94の動きに同期させて、画像を移動させ、記録媒体94上で画像を静止させるようにする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したように、空間光変調素子上の画像を移動させることにより記録媒体上の画像を静止させる際、連続的に移動する記録媒体に対して、DMD等のアレイ状の、離散的な空間光変調素子を用いて画像を移動させているために、空間光変調素子上を移動する画像は不連続となり、記録媒体上で1画素ピッチ分引きずったものとなり、結果として、DMD1画素より大きな画像が結像されてしまい、記録画素サイズの増大という問題がある。
【0008】
また、上記システムは、空間光変調素子と記録媒体との間に配したコリメートレンズ光学系およびフォーカシングレンズ光学系等のレンズ光学系を配して感光材料上に空間光変調素子で形成された像を結像させ、しかも記録媒体94の動きに同期させて移動させるため、光学系の持つレンズの歪曲収差の収差特性によって結像された画像が歪み画素位置がずれるといった問題がある。
【0009】
一般に、光学系の歪曲収差による画像の歪みとは、例えば、図8(a)に示すように、露光される画像が矩形枠とその中のドットAで構成されている場合、歪曲収差が糸巻形の時、図8(b)に示すように、記録媒体に結像される矩形枠は糸巻形に歪み、ドットAはドットA’となり、ドットA’の位置は、歪曲収差がない場合のドットAの位置(破線のドットA)から外側方向に移動する。また、歪曲収差が樽形の時、図8(c)に示すように、記録媒体に結像される矩形枠は樽形に歪み、ドットAはドットA’’となり、ドットA’’の位置は、歪曲収差がない場合のドットAの位置(破線のドットA)から矩形枠の中心方向に移動する。
【0010】
図7(a)〜(c)に示すような多重露光の場合、多重露光中、露光すべき画像の画素が歪曲収差によって記録媒体上で変動するため、露光すべき画素のスポット径が大きくなって画像がぼけるといった問題が生じる。
【0011】
そこで、本発明は、上記記録画素サイズの増大という問題および、光学系の歪曲収差特性による画像のぼけの問題を解消し、広がりを持った光源を用いて高解像度の画像記録を行なうことができ、レンズ光学系の歪曲収差による画像の歪みがなく高画質な画像を露光記録することのできる画像露光装置および画像露光方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、画像を担持する光を生成して画像を形成する、二次元的に配列された光源群と、
前記光源群により生成された光を平行光とする、歪曲収差の特性がf・tanθ特性であるコリメートレンズ光学系と、
前記光源群に対して相対的に移動する記録媒体上に前記平行光の担持する画像を結像して記録媒体を露光する、歪曲収差の特性がf・tanθ特性であるフォーカシングレンズ光学系と、
前記コリメートレンズ光学系と前記フォーカシングレンズ光学系との間の前記平行光の光路中に配され、前記記録媒体の移動に応じて前記平行光を偏向することによって、前記記録媒体の移動に応じて前記記録媒体上に結像する画像を移動させる光偏向器と、
前記記録媒体上に結像される画像に前記歪曲収差による歪みが発生しないように、前記光源群により画像が形成される前に、この画像について、前記光偏向器の偏向方向と直交する方向の画素列毎に、この画素配列方向の歪みの補正を予め行なう補正手段とを有することを特徴とする画像露光装置を提供する。
【0013】
ここで、前記二次元的に配列された光源群は、照明光束により照射される二次元空間光変調素子によって形成されるのが好ましく、前記二次元空間光変調素子は、デジタルマイクロミラーアレイであるデジタルマイクロミラーデバイスであるのがより好ましい。
【0014】
また、前記補正手段は、さらに、前記光偏向器によって前記平行光を偏向させながら前記記録媒体を露光する際、前記記録媒体上に結像する画像の画素配列が等ピッチとなるように、前記光源群により画像が形成される前にこの画像について、予め、前記光偏向器の偏向角度および前記f・tanθ特性に応じて補正するのが好ましい。
また、前記光偏向器は、前記記録媒体上で結像される画像が前記記録媒体に対して静止するように、前記平行光を前記記録媒体の移動に応じて偏向するのが好ましい。
【0015】
また、本発明は、二次元的に配列された光源群の生成する光によって形成される画像を、前記光源群に対して相対的に移動する記録媒体上に結像させて記録媒体を露光する際、前記画像を担持する光をコリメートレンズ光学系により平行光とし、この平行光を前記記録媒体の移動に応じて偏向し、この偏向した平行光の担持する画像をフォーカシングレンズ光学系により前記記録媒体上に結像させる画像露光方法であって、
前記コリメートレンズ光学系と前記フォーカシングレンズ光学系として歪曲収差の特性がf・tanθ特性である光学系を配し、
前記記録媒体上に結像される画像に前記歪曲収差による歪みが発生しないように、前記光源群が画像を形成する前に、この画像について、前記光偏向器の偏向方向と直交する方向の画素列毎に、この画素配列方向の歪みの補正を予め行なうことを特徴とする画像露光方法を提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の画像露光装置および画像露光方法について、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の画像露光方法を実施する、本発明の画像露光装置の一例である画像露光装置10の概略の斜視図であり、図2は、画像露光装置10の概略の構成を示すブロック図である。
画像露光装置10は、二次元的に配列された光源群として、照明光束によって照射される二次元空間光変調素子であるDMD(デジタルマイクロミラーデバイス)で生成された反射光点列と、いわゆるエクスターナルドラム(外面ドラム)を用いて記録媒体を二次元的に走査露光して画像を記録する装置である。
【0018】
図1において、画像露光装置10は、光源(図示省略)と、光源から射出される照明光束を受けるDMD12と、コリメートレンズ光学系14と、光偏向器(デフレクタ)16と、フォーカシングレンズ光学系18と、副走査駆動系20と、エクスターナルドラム(アウタードラム)22(以下、単にドラム22とする。)を有している。また、ドラム22の外面には記録媒体24が巻き付けられている。
【0019】
図示は省略したが、光源としては充分な光量の光を射出できるものであれば、対象となる記録媒体の分光感度に応じた各種の光源が利用可能である。例えば、記録媒体として可視光や紫外光に感度をもつ製版用フィルムやコンベショナルPS版であれば、超高圧水銀灯やメタルハライドランプ等を用いればよい。
また、赤外光に感度を持つヒートモードプレートに対しては、赤外のBroad area Laser Diode等を用いればよい。その他に、LED、ハロゲンランプ、キセノンランプ等も記録媒体にあわせて用いることができる。
【0020】
DMD12は、所定の回転軸を中心に所定角度回転(揺動)可能な矩形のマイクロミラーを、二次元的に配列してなる二次元空間光変調素子で、静電的にマイクロミラーを回転することにより、各マイクロミラー毎に露光をオン/オフして光を変調し、画像を担持する光を生成する光源群を形成する。つまり、DMD12の各マイクロミラーが、形成される画像の画素に対応し、各マイクロミラーの配置間隔が、光源群によって形成される画像の画素ピッチに対応する。従って、DMD12を構成するマイクロミラーはDMD12のミラー配列面上の画素ということができる。このようなDMD12は、半導体装置の製造プロセスを応用したマイクロマシン技術によってシリコンチップ上に作成される。
図示例の画像露光装置10においては、例えば、画素ピッチが17μmで、1024画素×1280画素のDMD12を用いる。また、後述するドラム22の回転方向(図中矢印Tで示す。)と記録媒体24上に結像する1024画素の画素列方向とが光学的に略一致し(以下、図中矢印Mで示すこの方向を主走査方向とする。)、かつ、ドラム22の回転軸方向と記録媒体24上に結像する1280画素の画素列方向とが光学的に略一致(図中矢印Sで示すこの方向を副走査方向とする。)するように、各部材が配置される。
【0021】
なお、本発明で用いられる二次元空間光変調素子としては、図示例のようなDMD12には限定されず、この他、液晶タイプ、PLZTタイプ、EOタイプ、AOタイプや反射−回折型素子(GLV(Grating Light Valve))タイプ等が各種利用可能である。ただし、中でも、変調速度や光の利用効率等の点で、DMDが最も好ましい。
また、二次元的に配列された光源群として、二次元的に発光点が並んだ面発光レーザやLEDアレイ等を用いることができる。
【0022】
コリメートレンズ光学系14は、DMD12によって反射された光を平行光として、光偏向器16に入射させるものである。
光偏向器16は、コリメートレンズ光学系14を介して入射された光を、ドラム22の回転に応じて主走査方向Mに偏向するものである。すなわち、光偏向器16は、図1では図示を省略した駆動手段(光偏向器ドライバ)によって駆動され、ドラム22の回転に応じて光の向きを変えるようにし、ドラム22が回転しても、画像が記録媒体24の同じ位置に結像されるようにするものである。光偏向器16としては、ガルバノスキャナ、ポリゴナルミラー、ピエゾシステム等様々なものが好適に例示される。
また、フォーカシングレンズ光学系18は、光偏向器16で偏向された光をドラム22に巻き付けられた記録媒体24上に結像させ、記録媒体24を露光させるものである。
【0023】
ここで、DMD12がコリメートレンズ光学系14の焦点位置に配されるように、コリメートレンズ光学系14が配され、記録媒体24の露光部分がフォーカシングレンズ光学系18の焦点位置に配されるように、フォーカシングレンズ光学系18が配されて、記録媒体24上に画像が結像するように構成されている。さらに、図3(a)に示すように、光偏向器16の偏向角がα=0°において、コリーメートレンズ光学系14の光軸Oを通過する光はフォーカシングレンズ光学系18の光軸O’を通過するように、コリメートレンズ光学系14、光偏向器16およびフォーカシングレンズ光学系18が配される。さらに、コリメートレンズ光学系14とフォーカシングレンズ光学系18は、ともにf・tanθ特性を有する。この点については後述する。
【0024】
DMD12によって反射された平行光は最終的にドラム22の表面に保持された記録媒体24上に結像する。記録媒体24としては、例えば、光モード感材や熱モード感材等が例示される。また、記録媒体には、特に限定はなく、フィルムやプレートでもよい。
(エクスターナル)ドラム22は、外側面に記録媒体24を保持して、ドラム回転軸を中心として、図に矢印Tで示す方向に回転する円筒状ドラムである。
光源からDMD12、コリメートレンズ光学系14、光偏向器16、フォーカシングレンズ光学系18に至る光学系は、一体的にユニット化されており、副走査駆動系20により、副走査方向(図中矢印S方向)に所定速度で移動するように構成されている。
【0025】
前述したように、光偏向器16は、DMD12によって反射(変調)された平行光を、ドラム22の回転に応じて、主走査方向Mに偏向するものであるが、この偏向のタイミングを制御するために、主走査位置検出器26(図2参照)がドラム22に設けられている。この主走査位置検出器26としては、例えば、ドラム22の回転位置を検出するロータリーエンコーダを用いることができる。
副走査駆動系20には、副走査位置を検出する副走査位置検出器28(図2参照)が設けられている。
【0026】
また、DMD12には、画像の変調信号をDMD12に送る変調信号発生器30が接続され、変調信号発生器30には、記録媒体24上に結像された画像に、コリメートレンズ光学系14およびフォーカシングレンズ光学系18の歪曲収差によって歪みが生じないように、DMD12により形成される画像に前もって補正する(前補正する)画像補正処理装置31が接続されている。
変調信号発生器30には、画像補正処理装置31で前補正された画像の画像データが入力され、主走査位置検出器26及び副走査位置検出器28からの検出信号に基づいて、DMD12に送る変調信号が生成される。
また、光偏向器16には、光偏向器16を駆動する光偏向器ドライバ32が設けられている。光偏向器ドライバ32は、主走査位置検出器26の検出信号に基づいて、光偏向器16を駆動し、DMD12によって反射された光を、ドラム22の回転に合わせて、主走査方向に偏向する。
【0027】
上述したように、コリメートレンズ光学系14の光軸Oを通る平行光は、偏向角度α=0°において光偏向器16によって反射されてフォーカシングレンズ光学系18の光軸O’を通る。しかも、コリメートレンズ光学系14とフォーカシングレンズ光学系18はともにf・tanθ特性を有している。
従って、偏向角度α=0°の場合、DMD12によって形成される画像は、コリメートレンズ光学系14の焦点距離f1 とフォーカシングレンズ光学系18の焦点距離f2 との比率によって光学倍率が定まり、DMD12によって形成される画像に相似の画像が記録媒体24上に結像される。
【0028】
すなわち、図3(b)に示すように、光軸Oから距離y1 離れた位置に主光線を有する光は、コリメートレンズ光学系14によって光軸Oと角度θ1 で傾斜するように屈折し、偏向角度α=0°にある光偏向器16で反射され、フォーカシングレンズ光学系18を通過して、光軸O’から距離y1 ’(=f2 /f1 ×y1 )離れた記録媒体24上の位置に集束する。従って、DMD12によって形成される画像は、光学倍率f2 /f1 によって一様に拡縮されて記録媒体24上に、DMD12で形成された画像に相似の画像が結像される。
【0029】
しかし、光偏向器16の偏向角度αがα≠0°の場合、光軸Oから距離y1 離れた位置に主光線を有する光はコリメートレンズ光学系14を通過して光偏向器16に入射する際、光軸Oに対して角度θ1 を有する平行光となるものの、光偏向器16で反射された平行光は、光軸O’に対して角度(θ1 +2・α)の傾斜角度を持つので、フォーカシングレンズ光学系18を通過した光は光学O’から距離f2 tan(θ1 +2・α)離れた記録媒体24上の位置に集束し、もはや、距離y1 に光学倍率を掛けた位置に集束しない。従って、記録媒体24上には、DMD12で形成される画像に相似の画像が結像されない。
【0030】
しかし、コリメートレンズ光学系14およびフォーカシングレンズ光学系18がf・tanθ特性を有する場合、図4に示すように、光偏向器16の偏向角度αがα≠0°であっても、光偏向器16の偏向方向と直交する方向(図4中x方向)の直線は、歪曲収差による歪みを受けても直線を維持する。すなわち、図4に示すように、偏向角度α=0°において偏向方向と直交する方向の直線Lは、直線L+ ’あるいは直線L− ’となる。
一方、図5に示すように、コリメートレンズ光学系14およびフォーカシングレンズ光学系18がf・θ特性を有する場合、直線Lは、偏向角度αによって曲線L+ ’’あるいは曲線L− ’’となり、直線Lは歪む。
【0031】
本発明は、コリメートレンズ光学系14およびフォーカシングレンズ光学系18がf・tanθ特性を有することから上記特徴を利用して、歪曲収差による画像の歪みの前補正を効率よく行なうものである。
すなわち、画像補正処理装置31は、記録媒体24の露光記録すべき画像の画像データから、偏向方向と直交する方向の画素列毎の画像データを取り出して、偏向方向と直交する方向の歪曲収差による画像の歪みの前補正を行なう。例えば、図6に示すように画像Bを記録媒体24上に結像させて露光すべき画像とする場合、偏向角度αに対するf・tanθ特性の歪曲収差による画像の歪みが予め判っているので、光偏向器16で偏向した時に記録媒体24に結像する画像に歪曲収差による画像の歪みが生じないように、歪曲収差による画像の歪みと逆の歪みを持った画像B’を、画像Bの前補正された画像として作成し、この画像B’をDMD12の光により担持される画像とする。
【0032】
ここで、画像補正処理装置31において行なわれる、画像Bの画像データから画像B’の画像データを作成する前補正は、偏向方向と直交する方向(x方向)の直線を維持するので、x方向の画素配列の画像データをラインメモリーから1ラインずつ読み出して、画素配列毎に画素配列方向であるx方向の補正を行なうだけでよい。すなわち、x方向の画素配列の画像データを読み出して、f・tanθ特性に基づく歪曲収差による歪み考慮して、x方向の拡縮を行なうことで前補正を行なう。勿論、この場合の拡縮は、画素位置によって拡縮倍率が異なる。そして、前処理後の画像データは、ラインメモリーの1ラインに書き込まれる。すなわち、前補正の処理は、x方向の画素配列の画像データの書き換えで済む。
【0033】
一方、コリメートレンズ光学系14およびフォーカシングレンズ光学系18がf・θ特性等、f・tanθ特性でない場合、図5に示すように、偏向方向と直交する方向(x方向)の直線が偏向角度と歪曲収差特性との作用によって曲線となるので、画像の前補正を行なう場合、x方向の画素配列の画像データをラインメモリから1ラインずつ読み出して、処理後の画像データを、曲線に対応する複数のラインメモリーに書き込まなければならない。しかも、書き込むべきラインメモリーは、前補正した曲線の変形の程度、さらには、偏向角度αによって様々に変わる。従って、前補正により作成された画像データのラインメモリーへの書き込みは、きわめて複雑かつ困難となる。また、画像補正処理装置31を回路で構成する際の回路構成も複雑となる。
【0034】
このように、コリメートレンズ光学系14とフォーカシングレンズ光学系18はf・tanθ特性を有するので、画像の前補正で作成された画像データのラインメモリーへの書き込みはライン毎に行なわれ、すなわち、ライン毎の書き換えだけで済むので、前補正の処理効率は向上する。
【0035】
また、画像補正処理装置31は、光偏向器16によって平行光を偏向させながら記録媒体24を露光する際、記録媒体24上に結像する画像の画素配列が等ピッチとなるように、光偏向器16の偏向角度αに応じて、DMD12によって形成する画像の等ピッチ補正をf・tanθ特性に従って行なう。
f・tanθ特性は、図3(b)に示されるように、光軸O’に対する傾斜角度θに対して非線形の特性(tanθ)を有するので、露光中、光偏向器16の偏向角度αの変化に対して、画像の結像位置は非線形的に変化する。従って、光偏向器16の偏向によって結像される画像の画素位置は微妙に変動する。そのため、画像補正処理装置31は、予め、この結像位置の変化を考慮して、DMD12によって形成する画像の補正を偏向角度αおよびf・tanθ特性に従って行なう。すなわち、光偏向器16で偏向させながら画像を記録媒体24にあわせて移動させて露光する際に、例えば、偏向角度α=0°等のような所定の偏向角度で結像された画像の記録媒体24上の等ピッチの画素位置が、偏向角度によってずれないように、光偏向器16の偏向角度αに応じて、DMD12によって形成する画像をわずかに縮小して露光する。これによって、光の集束位置が傾斜角度θに対して非線形の特性であるf・tanθ特性であっても、記録媒体24上に結像される画像の画素配列を等ピッチとすることができる。勿論この場合の補正も、偏向方向と直交する方向の画素配列の画像データ毎に、すなわち、ライン毎のラインメモリーの書き換えを行なうことができる。
【0036】
画像露光装置10は以上のように構成される。
なお、画像露光装置10の光偏向器16は、記録媒体24の移動に応じて平行光を偏向することによって、記録媒体24の移動に画像を追随させて、記録媒体24上で結像される画像を記録媒体24に対して静止させる、いわゆる、画像の追随走査方式であるが、本発明においては、記録媒体24上で結像される画像を記録媒体24に対して、記録媒体24の移動速度より小さな一定速度で記録媒体24上を移動させながら、露光記録を行なう走査方式であってもよい。この場合、光偏向器16の偏向角度αに応じてf・tanθ特性に従って行なう上記等ピッチ補正を併用することで、高精度の画像露光を行なうことができる。
【0037】
次に、画像露光装置10の作用を説明する。
本実施形態では、1枚の記録媒体に記録される画像全体を露光して記録するのに、この画像全体を小部分に分割し、この小部分をここでは1コマの画像ということにする。この1コマの画像の大きさは、DMD12の有するマイクロミラーの配列数、すなわち、DMD12によって形成される画像の画素数によって決まる。前述したように、本実施形態のDMD12は、1024画素×1280画素であり、この場合、これが1コマの画像のサイズとなる。
【0038】
露光記録にあたり、まず、画像補正処理装置31において、光偏向器ドライバ32で生成される光偏向器16の駆動信号から求められる光偏向角度αを用いて、記録媒体24を露光記録すべき1コマの画像の前補正を行い、さらに、等ピッチ補正を行ない、補正後の画像データを生成する。生成された1コマの画像データが変調信号発生器30からDMD12に送られ、このデータに応じてDMD12の各マイクロミラーのオン/オフが制御される。ここに光源11からの照明光束が当たると、上記画像データによって表される1コマの画像を担持する記録光が得られる。
この光を、コリメートレンズ光学系14、光偏向器16、フォーカシングレンズ光学系18を介して、回転するドラム22の表面に保持された記録媒体24上に結像させる。
なお、DMD12には、偏向角度αに応じて補正された画像データに基づいた変調信号が変調信号発生器30から常時入力される。
【0039】
ドラム22は、図中矢印Tで示した方向に一定の速度で回転している。この回転速度に合わせて、光偏向器ドライバ32により光偏向器16を駆動して、光を主走査方向Mとは逆方向に偏向して、記録媒体24上に結像している1コマの画像が流れることなく、記録媒体24上で静止するようにする。そして、ドラム22が、1コマ分すなわち主走査方向とは逆方向に1024画素分、あるいはそれ未満の画素数分回転する間、この1コマの画像の記録(露光)を行う。
このように、本実施形態の画像記録装置10による画像露光方法は、ドラム22の動きと同期を取りながら、記録媒体24上に結像されるべき画像を移動して、記録媒体24上において画像を静止させて画像露光を行うので、従来の多重露光による記録画素サイズの増大という問題を解決することができる。
【0040】
ここで、フォーカシングレンズ光学系14とコリメートレンズ光学系18は、ともにf・tanθ特性を有するので、光偏向器16の偏向角度αが0°の場合、フォーカシングレンズ光学系14とコリメートレンズ光学系18のf・tanθ特性によって、歪曲収差による画像の歪みは解消する。
一方、MDM12で形成される画像には、予め、図4に示すような、偏向角度αによって変形する画像の歪みを考慮して前補正が施されているので、フォーカシングレンズ光学系20によって記録媒体24上に結像された画像が歪むことはない。さらに、等ピッチ補正を行なうので、記録媒体24上に結像される画像の画素配列が等ピッチを維持し、画素位置が変動することはなく、より精度の高い画像を露光記録することができる。
【0041】
主走査位置検出器26が、ドラム22が1コマ分あるいはそれ未満回転したことを検出したら、光偏向器16を元の位置に戻し、この間DMD12をオフにして次の1コマの補正された画像データの変調信号を、逐次、変調信号発生器30からDMD12に送る。そして、最初の1コマと同様に、ドラム22が1コマ分あるいはそれ未満回転する間、この1コマの画像の記録を行い、以下同様に繰り返す。そして、ドラム一周分画像の記録が終了したら、副走査駆動系20により、副走査方向に1コマ分移動し、同様に露光記録を行う。
このように、本実施形態の画像露光方法においては、連続的に移動する(回転する)記録媒体24に対して、結像する画像も、この動きに同期して連続的に移動させるため、画像が流れることにより記録画素サイズが増大するという従来の問題が発生することはない。
【0042】
なお、本実施形態では、DMD(二次元的に配列された空間光変調素子)と記録媒体とが相対的に移動するための方式として、エクスターナルドラムを用いた外面走査方式としたが、本発明はこの方式に限定されるものではなく、この他、ドラムの内面側に記録媒体を保持して画像記録を行う内面走査方式や平面状の記録媒体に記録する平面走査方式でもよい。
【0043】
また、上述した本実施形態では、照明光源から射出された照明光束を、二次元的に配列された、例えばDMD等の二次元空間光変調素子により変調したが、この組み合わせの代わりに、二次元アレイ状光源、面発光レーザあるいはLEDアレイ等を用いるようにしてもよい。また、これらの他に、ハロゲンランプ等の白色光源とカラーフィルタを組み合わせたものを照明光源としてこれと二次元空間光変調素子とを組み合わせてもよい。
また、1画素内で濃度を変えるようにして、1画素内を変調し、階調を出したり、あるいは記録媒体上の1コマの画像の濃度を均一化する様にしてもよい。
【0044】
以上、本発明の画像露光装置及び画像露光方法について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのはもちろんである。
【0045】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明は、コリメートレンズ光学系とフォーカシングレンズ光学系の間に光偏向器を配して、移動する記録媒体に応じて結像する画像を移動させて露光する方式であるので、従来の多重露光による記録画素サイズの増大という問題を解決するとともに、コリメートレンズ光学系とフォーカシングレンズ光学系等の光学系による歪曲収差による画像の歪みを解消するために画像に前補正を予め行なう補正手段を有するので、記録媒体に結像される画像は歪みを持たず従来のぼけの問題を解消することができる。また、コリメートレンズ光学系とフォーカシングレンズ光学系の歪曲収差特性をf・tanθ特性とするので、偏向角度による歪曲収差の歪みは偏向方向と直交方向の直線を維持することができ、1ラインのラインメモリーから画像データを呼び出し前補正を行なった後1ラインのラインメモリーに書き込むことで前補正の処理を行なうことができ、補正処理が簡素化され、補正手段の構成も簡便となり、画像露光全体の処理速度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像露光装置の一例を示す画像露光装置の概略の斜視図である。
【図2】図1に示す画像露光装置の概略の構成を示すブロック図である。
【図3】(a)は、図1に示す画像露光装置の光学系の作用を説明する図であり、(b)は、図1に示す画像露光装置の光学系の歪曲収差特性を説明する図である。
【図4】光学系がf・tanθ特性の場合に記録媒体上に結像される画像の歪みの一例を説明する図である。
【図5】光学系がf・θ特性の場合に記録媒体上に結像される画像の歪みの一例を説明する図である。
【図6】図1に示す画像露光装置における画像の補正の一例を説明する図である。
【図7】(a)〜(c)は、従来の空間光変調素子を用いた画像記録の原理を説明する図である。
【図8】歪曲収差による画像の歪みを説明する図である。
【符号の説明】
10 画像記録装置
11 光源
12 DMD
14 コリメートレンズ光学系
16 光偏向器
18 フォーカシングレンズ光学系
20 副走査駆動系
22 エクスターナルドラム
24 記録媒体
26 主走査位置検出器
28 副走査位置検出器
30 変調信号発生器
31 画像補正処理装置
32 光偏向器ドライバ
【発明の属する技術分野】
本発明は、コリメートレンズ光学系とフォーカシングレンズ光学系と光偏向器とを用いて記録媒体上に画像を結像させて露光する画像露光装置および画像露光方法に関し、特に、マイクロミラーデバイス等の二次元空間光変調素子を用いた画像露光装置および画像露光方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種プリンタ等で利用されているデジタル露光光学系においては、レーザビームを主走査方向に偏向するとともに、記録媒体を光学系に対して主走査方向と直交する副走査方向に相対的に移動することにより、記録画像に応じて変調したレーザビームで記録媒体を二次元的に露光する、いわゆるレーザビーム走査露光(ラスタースキャン)が主流である。
【0003】
これに対して、近年、ディスプレイやモニタ等の表示手段として用いられる液晶ディスプレイ(以下、LCDとする)やデジタルマイクロミラーデバイス(以下、DMDとする)等の二次元空間光変調素子を用いたデジタル露光光学系が種々提案されている。このデジタル露光光学系では、二次元空間光変調素子により形成される画像をコリメートレンズ光学系とフォーカシングレンズ光学系を介して記録媒体上に結像することにより、記録媒体を露光する。
特に、DMDは、応答速度がLCDに比べて1000倍程度速く、光の利用効率も高いので、画像の高速露光に有利である。
【0004】
例えば、USP5049901号では、空間光変調素子で形成された像を記録媒体である感光材面上に結像するシステムが提案されている。それによると、平面状の感光材を搬送させながら、その搬送に同期させてDMDの像を走査させることにより、多重露光を行なっている。
【0005】
ここで、上記空間光変調素子を用いたシステムの原理を図7(a)〜(c)を参照して説明すると、まず、図7(a)に示すように、光が空間光変調素子90に当たり、ミラー90aによって反射され、反射された光はレンズ92等の光学系を介して記録媒体94上に結像する。いま、記録媒体94は、図中矢印で示すように一定の速度で移動しているとする。図7(a)においては、ミラー90aのみがオン状態となり、ミラー90b、90cはオフ状態となっており、ミラー90aによって反射された光のみが記録媒体94に画像を結像するようになっている。
【0006】
次に、図7(b)のように、記録媒体94が少し移動すると、それに合わせて空間光変調素子90の方も、ミラー90aがオフ状態になり、代わりにミラー90bのみがオン状態となって、ミラー90bによって反射された光が記録媒体94上の図7(a)と同一の点を露光する。
さらに、図7(c)のように、記録媒体94が移動すると、これに合わせて空間光変調素子90側は、ミラー90cのみをオン状態として、記録媒体94上の同一の位置に画像を結像する。
このように、図示例の場合、空間光変調素子90は、ミラー90a、90b、90cへと画像データを3回変更して、各ミラーにより3回露光するように制御し、記録媒体94の動きに同期させて、画像を移動させ、記録媒体94上で画像を静止させるようにする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したように、空間光変調素子上の画像を移動させることにより記録媒体上の画像を静止させる際、連続的に移動する記録媒体に対して、DMD等のアレイ状の、離散的な空間光変調素子を用いて画像を移動させているために、空間光変調素子上を移動する画像は不連続となり、記録媒体上で1画素ピッチ分引きずったものとなり、結果として、DMD1画素より大きな画像が結像されてしまい、記録画素サイズの増大という問題がある。
【0008】
また、上記システムは、空間光変調素子と記録媒体との間に配したコリメートレンズ光学系およびフォーカシングレンズ光学系等のレンズ光学系を配して感光材料上に空間光変調素子で形成された像を結像させ、しかも記録媒体94の動きに同期させて移動させるため、光学系の持つレンズの歪曲収差の収差特性によって結像された画像が歪み画素位置がずれるといった問題がある。
【0009】
一般に、光学系の歪曲収差による画像の歪みとは、例えば、図8(a)に示すように、露光される画像が矩形枠とその中のドットAで構成されている場合、歪曲収差が糸巻形の時、図8(b)に示すように、記録媒体に結像される矩形枠は糸巻形に歪み、ドットAはドットA’となり、ドットA’の位置は、歪曲収差がない場合のドットAの位置(破線のドットA)から外側方向に移動する。また、歪曲収差が樽形の時、図8(c)に示すように、記録媒体に結像される矩形枠は樽形に歪み、ドットAはドットA’’となり、ドットA’’の位置は、歪曲収差がない場合のドットAの位置(破線のドットA)から矩形枠の中心方向に移動する。
【0010】
図7(a)〜(c)に示すような多重露光の場合、多重露光中、露光すべき画像の画素が歪曲収差によって記録媒体上で変動するため、露光すべき画素のスポット径が大きくなって画像がぼけるといった問題が生じる。
【0011】
そこで、本発明は、上記記録画素サイズの増大という問題および、光学系の歪曲収差特性による画像のぼけの問題を解消し、広がりを持った光源を用いて高解像度の画像記録を行なうことができ、レンズ光学系の歪曲収差による画像の歪みがなく高画質な画像を露光記録することのできる画像露光装置および画像露光方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、画像を担持する光を生成して画像を形成する、二次元的に配列された光源群と、
前記光源群により生成された光を平行光とする、歪曲収差の特性がf・tanθ特性であるコリメートレンズ光学系と、
前記光源群に対して相対的に移動する記録媒体上に前記平行光の担持する画像を結像して記録媒体を露光する、歪曲収差の特性がf・tanθ特性であるフォーカシングレンズ光学系と、
前記コリメートレンズ光学系と前記フォーカシングレンズ光学系との間の前記平行光の光路中に配され、前記記録媒体の移動に応じて前記平行光を偏向することによって、前記記録媒体の移動に応じて前記記録媒体上に結像する画像を移動させる光偏向器と、
前記記録媒体上に結像される画像に前記歪曲収差による歪みが発生しないように、前記光源群により画像が形成される前に、この画像について、前記光偏向器の偏向方向と直交する方向の画素列毎に、この画素配列方向の歪みの補正を予め行なう補正手段とを有することを特徴とする画像露光装置を提供する。
【0013】
ここで、前記二次元的に配列された光源群は、照明光束により照射される二次元空間光変調素子によって形成されるのが好ましく、前記二次元空間光変調素子は、デジタルマイクロミラーアレイであるデジタルマイクロミラーデバイスであるのがより好ましい。
【0014】
また、前記補正手段は、さらに、前記光偏向器によって前記平行光を偏向させながら前記記録媒体を露光する際、前記記録媒体上に結像する画像の画素配列が等ピッチとなるように、前記光源群により画像が形成される前にこの画像について、予め、前記光偏向器の偏向角度および前記f・tanθ特性に応じて補正するのが好ましい。
また、前記光偏向器は、前記記録媒体上で結像される画像が前記記録媒体に対して静止するように、前記平行光を前記記録媒体の移動に応じて偏向するのが好ましい。
【0015】
また、本発明は、二次元的に配列された光源群の生成する光によって形成される画像を、前記光源群に対して相対的に移動する記録媒体上に結像させて記録媒体を露光する際、前記画像を担持する光をコリメートレンズ光学系により平行光とし、この平行光を前記記録媒体の移動に応じて偏向し、この偏向した平行光の担持する画像をフォーカシングレンズ光学系により前記記録媒体上に結像させる画像露光方法であって、
前記コリメートレンズ光学系と前記フォーカシングレンズ光学系として歪曲収差の特性がf・tanθ特性である光学系を配し、
前記記録媒体上に結像される画像に前記歪曲収差による歪みが発生しないように、前記光源群が画像を形成する前に、この画像について、前記光偏向器の偏向方向と直交する方向の画素列毎に、この画素配列方向の歪みの補正を予め行なうことを特徴とする画像露光方法を提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の画像露光装置および画像露光方法について、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の画像露光方法を実施する、本発明の画像露光装置の一例である画像露光装置10の概略の斜視図であり、図2は、画像露光装置10の概略の構成を示すブロック図である。
画像露光装置10は、二次元的に配列された光源群として、照明光束によって照射される二次元空間光変調素子であるDMD(デジタルマイクロミラーデバイス)で生成された反射光点列と、いわゆるエクスターナルドラム(外面ドラム)を用いて記録媒体を二次元的に走査露光して画像を記録する装置である。
【0018】
図1において、画像露光装置10は、光源(図示省略)と、光源から射出される照明光束を受けるDMD12と、コリメートレンズ光学系14と、光偏向器(デフレクタ)16と、フォーカシングレンズ光学系18と、副走査駆動系20と、エクスターナルドラム(アウタードラム)22(以下、単にドラム22とする。)を有している。また、ドラム22の外面には記録媒体24が巻き付けられている。
【0019】
図示は省略したが、光源としては充分な光量の光を射出できるものであれば、対象となる記録媒体の分光感度に応じた各種の光源が利用可能である。例えば、記録媒体として可視光や紫外光に感度をもつ製版用フィルムやコンベショナルPS版であれば、超高圧水銀灯やメタルハライドランプ等を用いればよい。
また、赤外光に感度を持つヒートモードプレートに対しては、赤外のBroad area Laser Diode等を用いればよい。その他に、LED、ハロゲンランプ、キセノンランプ等も記録媒体にあわせて用いることができる。
【0020】
DMD12は、所定の回転軸を中心に所定角度回転(揺動)可能な矩形のマイクロミラーを、二次元的に配列してなる二次元空間光変調素子で、静電的にマイクロミラーを回転することにより、各マイクロミラー毎に露光をオン/オフして光を変調し、画像を担持する光を生成する光源群を形成する。つまり、DMD12の各マイクロミラーが、形成される画像の画素に対応し、各マイクロミラーの配置間隔が、光源群によって形成される画像の画素ピッチに対応する。従って、DMD12を構成するマイクロミラーはDMD12のミラー配列面上の画素ということができる。このようなDMD12は、半導体装置の製造プロセスを応用したマイクロマシン技術によってシリコンチップ上に作成される。
図示例の画像露光装置10においては、例えば、画素ピッチが17μmで、1024画素×1280画素のDMD12を用いる。また、後述するドラム22の回転方向(図中矢印Tで示す。)と記録媒体24上に結像する1024画素の画素列方向とが光学的に略一致し(以下、図中矢印Mで示すこの方向を主走査方向とする。)、かつ、ドラム22の回転軸方向と記録媒体24上に結像する1280画素の画素列方向とが光学的に略一致(図中矢印Sで示すこの方向を副走査方向とする。)するように、各部材が配置される。
【0021】
なお、本発明で用いられる二次元空間光変調素子としては、図示例のようなDMD12には限定されず、この他、液晶タイプ、PLZTタイプ、EOタイプ、AOタイプや反射−回折型素子(GLV(Grating Light Valve))タイプ等が各種利用可能である。ただし、中でも、変調速度や光の利用効率等の点で、DMDが最も好ましい。
また、二次元的に配列された光源群として、二次元的に発光点が並んだ面発光レーザやLEDアレイ等を用いることができる。
【0022】
コリメートレンズ光学系14は、DMD12によって反射された光を平行光として、光偏向器16に入射させるものである。
光偏向器16は、コリメートレンズ光学系14を介して入射された光を、ドラム22の回転に応じて主走査方向Mに偏向するものである。すなわち、光偏向器16は、図1では図示を省略した駆動手段(光偏向器ドライバ)によって駆動され、ドラム22の回転に応じて光の向きを変えるようにし、ドラム22が回転しても、画像が記録媒体24の同じ位置に結像されるようにするものである。光偏向器16としては、ガルバノスキャナ、ポリゴナルミラー、ピエゾシステム等様々なものが好適に例示される。
また、フォーカシングレンズ光学系18は、光偏向器16で偏向された光をドラム22に巻き付けられた記録媒体24上に結像させ、記録媒体24を露光させるものである。
【0023】
ここで、DMD12がコリメートレンズ光学系14の焦点位置に配されるように、コリメートレンズ光学系14が配され、記録媒体24の露光部分がフォーカシングレンズ光学系18の焦点位置に配されるように、フォーカシングレンズ光学系18が配されて、記録媒体24上に画像が結像するように構成されている。さらに、図3(a)に示すように、光偏向器16の偏向角がα=0°において、コリーメートレンズ光学系14の光軸Oを通過する光はフォーカシングレンズ光学系18の光軸O’を通過するように、コリメートレンズ光学系14、光偏向器16およびフォーカシングレンズ光学系18が配される。さらに、コリメートレンズ光学系14とフォーカシングレンズ光学系18は、ともにf・tanθ特性を有する。この点については後述する。
【0024】
DMD12によって反射された平行光は最終的にドラム22の表面に保持された記録媒体24上に結像する。記録媒体24としては、例えば、光モード感材や熱モード感材等が例示される。また、記録媒体には、特に限定はなく、フィルムやプレートでもよい。
(エクスターナル)ドラム22は、外側面に記録媒体24を保持して、ドラム回転軸を中心として、図に矢印Tで示す方向に回転する円筒状ドラムである。
光源からDMD12、コリメートレンズ光学系14、光偏向器16、フォーカシングレンズ光学系18に至る光学系は、一体的にユニット化されており、副走査駆動系20により、副走査方向(図中矢印S方向)に所定速度で移動するように構成されている。
【0025】
前述したように、光偏向器16は、DMD12によって反射(変調)された平行光を、ドラム22の回転に応じて、主走査方向Mに偏向するものであるが、この偏向のタイミングを制御するために、主走査位置検出器26(図2参照)がドラム22に設けられている。この主走査位置検出器26としては、例えば、ドラム22の回転位置を検出するロータリーエンコーダを用いることができる。
副走査駆動系20には、副走査位置を検出する副走査位置検出器28(図2参照)が設けられている。
【0026】
また、DMD12には、画像の変調信号をDMD12に送る変調信号発生器30が接続され、変調信号発生器30には、記録媒体24上に結像された画像に、コリメートレンズ光学系14およびフォーカシングレンズ光学系18の歪曲収差によって歪みが生じないように、DMD12により形成される画像に前もって補正する(前補正する)画像補正処理装置31が接続されている。
変調信号発生器30には、画像補正処理装置31で前補正された画像の画像データが入力され、主走査位置検出器26及び副走査位置検出器28からの検出信号に基づいて、DMD12に送る変調信号が生成される。
また、光偏向器16には、光偏向器16を駆動する光偏向器ドライバ32が設けられている。光偏向器ドライバ32は、主走査位置検出器26の検出信号に基づいて、光偏向器16を駆動し、DMD12によって反射された光を、ドラム22の回転に合わせて、主走査方向に偏向する。
【0027】
上述したように、コリメートレンズ光学系14の光軸Oを通る平行光は、偏向角度α=0°において光偏向器16によって反射されてフォーカシングレンズ光学系18の光軸O’を通る。しかも、コリメートレンズ光学系14とフォーカシングレンズ光学系18はともにf・tanθ特性を有している。
従って、偏向角度α=0°の場合、DMD12によって形成される画像は、コリメートレンズ光学系14の焦点距離f1 とフォーカシングレンズ光学系18の焦点距離f2 との比率によって光学倍率が定まり、DMD12によって形成される画像に相似の画像が記録媒体24上に結像される。
【0028】
すなわち、図3(b)に示すように、光軸Oから距離y1 離れた位置に主光線を有する光は、コリメートレンズ光学系14によって光軸Oと角度θ1 で傾斜するように屈折し、偏向角度α=0°にある光偏向器16で反射され、フォーカシングレンズ光学系18を通過して、光軸O’から距離y1 ’(=f2 /f1 ×y1 )離れた記録媒体24上の位置に集束する。従って、DMD12によって形成される画像は、光学倍率f2 /f1 によって一様に拡縮されて記録媒体24上に、DMD12で形成された画像に相似の画像が結像される。
【0029】
しかし、光偏向器16の偏向角度αがα≠0°の場合、光軸Oから距離y1 離れた位置に主光線を有する光はコリメートレンズ光学系14を通過して光偏向器16に入射する際、光軸Oに対して角度θ1 を有する平行光となるものの、光偏向器16で反射された平行光は、光軸O’に対して角度(θ1 +2・α)の傾斜角度を持つので、フォーカシングレンズ光学系18を通過した光は光学O’から距離f2 tan(θ1 +2・α)離れた記録媒体24上の位置に集束し、もはや、距離y1 に光学倍率を掛けた位置に集束しない。従って、記録媒体24上には、DMD12で形成される画像に相似の画像が結像されない。
【0030】
しかし、コリメートレンズ光学系14およびフォーカシングレンズ光学系18がf・tanθ特性を有する場合、図4に示すように、光偏向器16の偏向角度αがα≠0°であっても、光偏向器16の偏向方向と直交する方向(図4中x方向)の直線は、歪曲収差による歪みを受けても直線を維持する。すなわち、図4に示すように、偏向角度α=0°において偏向方向と直交する方向の直線Lは、直線L+ ’あるいは直線L− ’となる。
一方、図5に示すように、コリメートレンズ光学系14およびフォーカシングレンズ光学系18がf・θ特性を有する場合、直線Lは、偏向角度αによって曲線L+ ’’あるいは曲線L− ’’となり、直線Lは歪む。
【0031】
本発明は、コリメートレンズ光学系14およびフォーカシングレンズ光学系18がf・tanθ特性を有することから上記特徴を利用して、歪曲収差による画像の歪みの前補正を効率よく行なうものである。
すなわち、画像補正処理装置31は、記録媒体24の露光記録すべき画像の画像データから、偏向方向と直交する方向の画素列毎の画像データを取り出して、偏向方向と直交する方向の歪曲収差による画像の歪みの前補正を行なう。例えば、図6に示すように画像Bを記録媒体24上に結像させて露光すべき画像とする場合、偏向角度αに対するf・tanθ特性の歪曲収差による画像の歪みが予め判っているので、光偏向器16で偏向した時に記録媒体24に結像する画像に歪曲収差による画像の歪みが生じないように、歪曲収差による画像の歪みと逆の歪みを持った画像B’を、画像Bの前補正された画像として作成し、この画像B’をDMD12の光により担持される画像とする。
【0032】
ここで、画像補正処理装置31において行なわれる、画像Bの画像データから画像B’の画像データを作成する前補正は、偏向方向と直交する方向(x方向)の直線を維持するので、x方向の画素配列の画像データをラインメモリーから1ラインずつ読み出して、画素配列毎に画素配列方向であるx方向の補正を行なうだけでよい。すなわち、x方向の画素配列の画像データを読み出して、f・tanθ特性に基づく歪曲収差による歪み考慮して、x方向の拡縮を行なうことで前補正を行なう。勿論、この場合の拡縮は、画素位置によって拡縮倍率が異なる。そして、前処理後の画像データは、ラインメモリーの1ラインに書き込まれる。すなわち、前補正の処理は、x方向の画素配列の画像データの書き換えで済む。
【0033】
一方、コリメートレンズ光学系14およびフォーカシングレンズ光学系18がf・θ特性等、f・tanθ特性でない場合、図5に示すように、偏向方向と直交する方向(x方向)の直線が偏向角度と歪曲収差特性との作用によって曲線となるので、画像の前補正を行なう場合、x方向の画素配列の画像データをラインメモリから1ラインずつ読み出して、処理後の画像データを、曲線に対応する複数のラインメモリーに書き込まなければならない。しかも、書き込むべきラインメモリーは、前補正した曲線の変形の程度、さらには、偏向角度αによって様々に変わる。従って、前補正により作成された画像データのラインメモリーへの書き込みは、きわめて複雑かつ困難となる。また、画像補正処理装置31を回路で構成する際の回路構成も複雑となる。
【0034】
このように、コリメートレンズ光学系14とフォーカシングレンズ光学系18はf・tanθ特性を有するので、画像の前補正で作成された画像データのラインメモリーへの書き込みはライン毎に行なわれ、すなわち、ライン毎の書き換えだけで済むので、前補正の処理効率は向上する。
【0035】
また、画像補正処理装置31は、光偏向器16によって平行光を偏向させながら記録媒体24を露光する際、記録媒体24上に結像する画像の画素配列が等ピッチとなるように、光偏向器16の偏向角度αに応じて、DMD12によって形成する画像の等ピッチ補正をf・tanθ特性に従って行なう。
f・tanθ特性は、図3(b)に示されるように、光軸O’に対する傾斜角度θに対して非線形の特性(tanθ)を有するので、露光中、光偏向器16の偏向角度αの変化に対して、画像の結像位置は非線形的に変化する。従って、光偏向器16の偏向によって結像される画像の画素位置は微妙に変動する。そのため、画像補正処理装置31は、予め、この結像位置の変化を考慮して、DMD12によって形成する画像の補正を偏向角度αおよびf・tanθ特性に従って行なう。すなわち、光偏向器16で偏向させながら画像を記録媒体24にあわせて移動させて露光する際に、例えば、偏向角度α=0°等のような所定の偏向角度で結像された画像の記録媒体24上の等ピッチの画素位置が、偏向角度によってずれないように、光偏向器16の偏向角度αに応じて、DMD12によって形成する画像をわずかに縮小して露光する。これによって、光の集束位置が傾斜角度θに対して非線形の特性であるf・tanθ特性であっても、記録媒体24上に結像される画像の画素配列を等ピッチとすることができる。勿論この場合の補正も、偏向方向と直交する方向の画素配列の画像データ毎に、すなわち、ライン毎のラインメモリーの書き換えを行なうことができる。
【0036】
画像露光装置10は以上のように構成される。
なお、画像露光装置10の光偏向器16は、記録媒体24の移動に応じて平行光を偏向することによって、記録媒体24の移動に画像を追随させて、記録媒体24上で結像される画像を記録媒体24に対して静止させる、いわゆる、画像の追随走査方式であるが、本発明においては、記録媒体24上で結像される画像を記録媒体24に対して、記録媒体24の移動速度より小さな一定速度で記録媒体24上を移動させながら、露光記録を行なう走査方式であってもよい。この場合、光偏向器16の偏向角度αに応じてf・tanθ特性に従って行なう上記等ピッチ補正を併用することで、高精度の画像露光を行なうことができる。
【0037】
次に、画像露光装置10の作用を説明する。
本実施形態では、1枚の記録媒体に記録される画像全体を露光して記録するのに、この画像全体を小部分に分割し、この小部分をここでは1コマの画像ということにする。この1コマの画像の大きさは、DMD12の有するマイクロミラーの配列数、すなわち、DMD12によって形成される画像の画素数によって決まる。前述したように、本実施形態のDMD12は、1024画素×1280画素であり、この場合、これが1コマの画像のサイズとなる。
【0038】
露光記録にあたり、まず、画像補正処理装置31において、光偏向器ドライバ32で生成される光偏向器16の駆動信号から求められる光偏向角度αを用いて、記録媒体24を露光記録すべき1コマの画像の前補正を行い、さらに、等ピッチ補正を行ない、補正後の画像データを生成する。生成された1コマの画像データが変調信号発生器30からDMD12に送られ、このデータに応じてDMD12の各マイクロミラーのオン/オフが制御される。ここに光源11からの照明光束が当たると、上記画像データによって表される1コマの画像を担持する記録光が得られる。
この光を、コリメートレンズ光学系14、光偏向器16、フォーカシングレンズ光学系18を介して、回転するドラム22の表面に保持された記録媒体24上に結像させる。
なお、DMD12には、偏向角度αに応じて補正された画像データに基づいた変調信号が変調信号発生器30から常時入力される。
【0039】
ドラム22は、図中矢印Tで示した方向に一定の速度で回転している。この回転速度に合わせて、光偏向器ドライバ32により光偏向器16を駆動して、光を主走査方向Mとは逆方向に偏向して、記録媒体24上に結像している1コマの画像が流れることなく、記録媒体24上で静止するようにする。そして、ドラム22が、1コマ分すなわち主走査方向とは逆方向に1024画素分、あるいはそれ未満の画素数分回転する間、この1コマの画像の記録(露光)を行う。
このように、本実施形態の画像記録装置10による画像露光方法は、ドラム22の動きと同期を取りながら、記録媒体24上に結像されるべき画像を移動して、記録媒体24上において画像を静止させて画像露光を行うので、従来の多重露光による記録画素サイズの増大という問題を解決することができる。
【0040】
ここで、フォーカシングレンズ光学系14とコリメートレンズ光学系18は、ともにf・tanθ特性を有するので、光偏向器16の偏向角度αが0°の場合、フォーカシングレンズ光学系14とコリメートレンズ光学系18のf・tanθ特性によって、歪曲収差による画像の歪みは解消する。
一方、MDM12で形成される画像には、予め、図4に示すような、偏向角度αによって変形する画像の歪みを考慮して前補正が施されているので、フォーカシングレンズ光学系20によって記録媒体24上に結像された画像が歪むことはない。さらに、等ピッチ補正を行なうので、記録媒体24上に結像される画像の画素配列が等ピッチを維持し、画素位置が変動することはなく、より精度の高い画像を露光記録することができる。
【0041】
主走査位置検出器26が、ドラム22が1コマ分あるいはそれ未満回転したことを検出したら、光偏向器16を元の位置に戻し、この間DMD12をオフにして次の1コマの補正された画像データの変調信号を、逐次、変調信号発生器30からDMD12に送る。そして、最初の1コマと同様に、ドラム22が1コマ分あるいはそれ未満回転する間、この1コマの画像の記録を行い、以下同様に繰り返す。そして、ドラム一周分画像の記録が終了したら、副走査駆動系20により、副走査方向に1コマ分移動し、同様に露光記録を行う。
このように、本実施形態の画像露光方法においては、連続的に移動する(回転する)記録媒体24に対して、結像する画像も、この動きに同期して連続的に移動させるため、画像が流れることにより記録画素サイズが増大するという従来の問題が発生することはない。
【0042】
なお、本実施形態では、DMD(二次元的に配列された空間光変調素子)と記録媒体とが相対的に移動するための方式として、エクスターナルドラムを用いた外面走査方式としたが、本発明はこの方式に限定されるものではなく、この他、ドラムの内面側に記録媒体を保持して画像記録を行う内面走査方式や平面状の記録媒体に記録する平面走査方式でもよい。
【0043】
また、上述した本実施形態では、照明光源から射出された照明光束を、二次元的に配列された、例えばDMD等の二次元空間光変調素子により変調したが、この組み合わせの代わりに、二次元アレイ状光源、面発光レーザあるいはLEDアレイ等を用いるようにしてもよい。また、これらの他に、ハロゲンランプ等の白色光源とカラーフィルタを組み合わせたものを照明光源としてこれと二次元空間光変調素子とを組み合わせてもよい。
また、1画素内で濃度を変えるようにして、1画素内を変調し、階調を出したり、あるいは記録媒体上の1コマの画像の濃度を均一化する様にしてもよい。
【0044】
以上、本発明の画像露光装置及び画像露光方法について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのはもちろんである。
【0045】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明は、コリメートレンズ光学系とフォーカシングレンズ光学系の間に光偏向器を配して、移動する記録媒体に応じて結像する画像を移動させて露光する方式であるので、従来の多重露光による記録画素サイズの増大という問題を解決するとともに、コリメートレンズ光学系とフォーカシングレンズ光学系等の光学系による歪曲収差による画像の歪みを解消するために画像に前補正を予め行なう補正手段を有するので、記録媒体に結像される画像は歪みを持たず従来のぼけの問題を解消することができる。また、コリメートレンズ光学系とフォーカシングレンズ光学系の歪曲収差特性をf・tanθ特性とするので、偏向角度による歪曲収差の歪みは偏向方向と直交方向の直線を維持することができ、1ラインのラインメモリーから画像データを呼び出し前補正を行なった後1ラインのラインメモリーに書き込むことで前補正の処理を行なうことができ、補正処理が簡素化され、補正手段の構成も簡便となり、画像露光全体の処理速度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像露光装置の一例を示す画像露光装置の概略の斜視図である。
【図2】図1に示す画像露光装置の概略の構成を示すブロック図である。
【図3】(a)は、図1に示す画像露光装置の光学系の作用を説明する図であり、(b)は、図1に示す画像露光装置の光学系の歪曲収差特性を説明する図である。
【図4】光学系がf・tanθ特性の場合に記録媒体上に結像される画像の歪みの一例を説明する図である。
【図5】光学系がf・θ特性の場合に記録媒体上に結像される画像の歪みの一例を説明する図である。
【図6】図1に示す画像露光装置における画像の補正の一例を説明する図である。
【図7】(a)〜(c)は、従来の空間光変調素子を用いた画像記録の原理を説明する図である。
【図8】歪曲収差による画像の歪みを説明する図である。
【符号の説明】
10 画像記録装置
11 光源
12 DMD
14 コリメートレンズ光学系
16 光偏向器
18 フォーカシングレンズ光学系
20 副走査駆動系
22 エクスターナルドラム
24 記録媒体
26 主走査位置検出器
28 副走査位置検出器
30 変調信号発生器
31 画像補正処理装置
32 光偏向器ドライバ
Claims (6)
- 画像を担持する光を生成して画像を形成する、二次元的に配列された光源群と、
前記光源群により生成された光を平行光とする、歪曲収差の特性がf・tanθ特性であるコリメートレンズ光学系と、
前記光源群に対して相対的に移動する記録媒体上に前記平行光の担持する画像を結像して記録媒体を露光する、歪曲収差の特性がf・tanθ特性であるフォーカシングレンズ光学系と、
前記コリメートレンズ光学系と前記フォーカシングレンズ光学系との間の前記平行光の光路中に配され、前記記録媒体の移動に応じて前記平行光を偏向することによって、前記記録媒体の移動に応じて前記記録媒体上に結像する画像を移動させる光偏向器と、
前記記録媒体上に結像される画像に前記歪曲収差による歪みが発生しないように、前記光源群により画像が形成される前に、この画像について、前記光偏向器の偏向方向と直交する方向の画素列毎に、この画素配列方向の前記歪みの補正を予め行なう補正手段とを有することを特徴とする画像露光装置。 - 前記二次元的に配列された光源群は、照明光束により照射される二次元空間光変調素子によって形成されることを特徴とする請求項1に記載の画像露光装置。
- 前記二次元空間光変調素子は、デジタルマイクロミラーデバイスであることを特徴とする請求項2に記載の画像露光装置。
- 前記補正手段は、さらに、前記光偏向器によって前記平行光を偏向させながら前記記録媒体を露光する際、前記記録媒体上に結像する画像の画素配列が等ピッチとなるように、前記光源群により画像が形成される前にこの画像について、予め、前記光偏向器の偏向角度および前記f・tanθ特性に応じて補正することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像露光装置。
- 前記光偏向器は、前記記録媒体上で結像される画像が前記記録媒体に対して静止するように、前記平行光を前記記録媒体の移動に応じて偏向することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像露光装置。
- 二次元的に配列された光源群の生成する光によって形成される画像を、前記光源群に対して相対的に移動する記録媒体上に結像させて記録媒体を露光する際、前記画像を担持する光をコリメートレンズ光学系により平行光とし、この平行光を前記記録媒体の移動に応じて偏向し、この偏向した平行光の担持する画像をフォーカシングレンズ光学系により前記記録媒体上に結像させる画像露光方法であって、
前記コリメートレンズ光学系と前記フォーカシングレンズ光学系として歪曲収差の特性がf・tanθ特性である光学系を配し、
前記記録媒体上に結像される画像に前記歪曲収差による歪みが発生しないように、前記光源群が画像を形成する前に、この画像について、前記光偏向器の偏向方向と直交する方向の画素列毎に、この画素配列方向の前記歪みの補正を予め行なうことを特徴とする画像露光方法。
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