JP2004049894A - 血液検査用有底管、血液検査用有底管の栓体及び血液検査用容器 - Google Patents

血液検査用有底管、血液検査用有底管の栓体及び血液検査用容器 Download PDF

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Abstract

【課題】血液検査において、血餅等の付着がなく検査値に影響を与えることのない血液検査用有底管、血液検査用有底管に容易に打栓することができ、血液検査において、血餅等の付着がなく検査値に影響を与えることがなく、血液検査用有底管のべたつきやラベル剥がれも引き起こさない血液検査用有底管の栓体、及び、該血液検査用有底管と該血液検査用有底管とからなる血液検査用容器を提供する
【解決手段】一端が開口され、他端が閉塞された管状部材と、前記管状部材上の少なくとも血液と接触する部分に形成されたコーティング層とからなる血液検査用有底管であって、前記コーティング層は、ポリオキシアルキレングリコール及び/又はポリオキシアルキレングリコール誘導体からなる血液検査用有底管、血液検査用有底管の栓体及び血液検査用容器。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、血液検査において、血餅等の付着がなく、検査値に影響を与えることのない血液検査用有底管、血液検査用有底管に容易に打栓することができ、血液検査において、血餅等の付着がなく、検査値に影響を与えることがなく、血液検査用有底管のべたつきやラベル剥がれも引き起こさない血液検査用有底管の栓体、及び、該血液検査用有底管と該血液検査用有底管の栓体とからなる血液検査用容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、検査技術の進歩に伴って、血清生化学検査、血清免疫学検査、血球検査等の血液検査が広く普及し、病気の予防や早期診断に大きく貢献するようになってきている。血液検査に使用される採血管、血液の保存容器、検査時の検体容器等としては、一端が開口し他端が閉塞する有底管状の血液検査用有底管と、血液検査用有底管の開口部を密封する血液検査用有底管の栓体とからなる血液検査用容器がよく使用されている。
【0003】
従来より血液検査用有底管としては、ガラス製のもの、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン等のプラスチック製のものが多く使用されているが、プラスチック製の血液検査用有底管は、血液検査の際に内壁面に血餅や血球が付着することにより、血液検査の検査値に重大な影響を及ぼすことがあった。とりわけ、遠心分離によっても付着した血餅や血球を剥離できない場合には、溶血を引き起こしたり、血液検査用有底管に残存した血餅や血球が検査前に剥離し、検査用の血清や血漿中に混入したりして正確な検査を行うことができないことがあった。
【0004】
そこで、血清や血漿の採取を目的とする血液検査用有底管では、付着した血液を遠心分離によりきれいに剥離することを目的として、通常、血液検査用有底管の壁面に表面処理剤が塗布されている。
このような血液検査用有底管に用いる表面処理剤としては、一般にポリジメチルシロキサン等の疎水性のシリコーンオイルや、親水性の変性シリコーンオイルが使用されている。
【0005】
しかしながら、疎水性のシリコーンオイルを用いた場合は、血液検査用有底管への血餅やフィブリンの付着が起りやすくなったり、生じた血液の泡立ちが長時間に渡って消泡されなかったりすることにより、血液検査の結果に重大な影響を及ぼすという問題があった。また、親水性の変性シリコーンオイルは、血液中に溶出したり、血液と相互作用を引き起こして検査項目によっては検査結果に影響を与えたりする場合があり問題となっていた。
【0006】
また、血液検査用有底管の開口を密封するための血液検査用有底管の栓体についても、通常、血液検査用有底管の場合と同様に表面処理剤が塗布されている。これは、栓体に付着した血液を遠心分離によりきれいに剥離することのほか、栓体を血液検査用有底管に打栓する際に潤滑剤としての役割を果たすことを目的として塗布されるものである。
このような栓体の表面処理剤としては、ポリジメチルシロキサン等の疎水性のシリコーンオイルが使用されている。また、特許文献1には、栓体の表面処理剤としてポリオキシアルキレン変性シリコーンオイルが開示されており、このような親水化された変性シリコーンオイルも使用されている。
【0007】
しかしながら、疎水性のシリコーンオイルでは栓体への血餅やフィブリンの付着が起りやすくなったり、生じた血液の泡立ちが長時間に渡って消泡されなかったりすることにより、血液検査の結果に重大な影響を及ぼすという問題があった。また、親水性の変性シリコーンオイルは、血液中に溶出したり、血液と相互作用を引き起こして検査項目によっては検査結果に影響を与えたりする場合があり問題となっていた。更に、これらのシリコーンオイルでは製造時や梱包輸送時、使用時において、血液検査用有底管と栓体とが接触したりすることで栓体のシリコーンが血液検査用有底管に移行して、血液検査用有底管がべたついたり、血液検査用有底管にラベル類を貼付することが困難になったりすることがあるという問題もあった。
【0008】
【特許文献1】
特公平5−73174号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑み、血液検査において、血餅等の付着がないとともに、血液の泡立ちもなく、また、血液の泡立ちが生じた場合であっても、速やかに消泡し、検査値に影響を与えることのない血液検査用有底管、血液検査用有底管に容易に打栓することができ、血液検査において、血餅等の付着がないとともに、血液の泡立ちもなく、また、血液の泡立ちが生じた場合であっても、速やかに消泡し、検査値に影響を与えることがなく、更に、血液検査用有底管のべたつきやラベル剥がれも引き起こさない血液検査用有底管の栓体、及び、上記血液検査用有底管と上記血液検査用有底管とからなる血液検査用容器を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明1は、一端が開口され、他端が閉塞された管状部材と、上記管状部材上の少なくとも血液と接触する部分に形成されたコーティング層とからなる血液検査用有底管であって、上記コーティング層は、ポリオキシアルキレングリコール及び/又はポリオキシアルキレングリコール誘導体からなる血液検査用有底管である。
【0011】
本発明2は、一端が開口され、他端が閉塞された管状部材と、上記管状部材上の少なくとも血液と接触する部分に形成されたコーティング層とからなる血液検査用有底管であって、上記コーティング層は、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及び、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物からなる群より選択される少なくとも1種からなる血液検査用有底管である。
【0012】
本発明3は、栓状部材と、上記栓状部材の表面に形成されたポリオキシアルキレングリコール及び/又はポリオキシアルキレングリコール誘導体からなるコーティング層とからなる血液検査用有底管の栓体である。
【0013】
本発明4は、栓状部材と、上記栓状部材の表面に形成されたポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及び、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物からなる群より選択される少なくとも1種からなるコーティング層とからなる血液検査用有底管の栓体である。
以下に本発明を詳述する。
【0014】
本発明の血液検査用有底管は、一端が開口され、他端が閉塞された管状部材と、上記管状部材上の少なくとも血液と接触する部分に形成されたコーティング層とからなる。
上記管状部材は、一端が開口され、他端が閉塞された管状のもので、血液検査用有底管として使用され得るものであれば特に限定されず、例えば、同一材料で連続的に形成されたもの、両端が開口した管の一端を栓体等で閉塞したもの等が挙げられる。なかでも、汎用性があり、かつ、取り扱い性に優れ、また、生産性にも優れることから、同一材料で連続的に形成されたものが好ましい。なお、両端が開口した管の一端を栓体等で閉塞したものに使用される栓体は、後述する本発明の血液検査用有底管の栓体であることが好ましい。
【0015】
上記管状部材の材質、又は、上記管状部材が両端が開口した管の一端を栓体等で閉塞したものである場合のその管の材質としては特に限定されないが、例えば、ガラスのほか、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の飽和ポリエステル系樹脂;ポリメチルメタクリレート系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂等の熱可塑性樹脂;不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、エポキシ−アクリレート系樹脂等の熱硬化性樹脂;酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、エチルセルロース、エチルキチン等の変性天然樹脂等が挙げられる。これらのなかでは、ガスバリア性に優れ、成形性も良好であることから、PETやPEN等の飽和ポリエステル系樹脂が好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0016】
上記コーティング層は、血液検査用有底管に付着した血液を遠心分離等の操作によって容易に除去できるようにする役割を有する。
上記コーティング層は、本発明1の血液検査用有底管にあってはポリオキシアルキレングリコール及び/又はポリオキシアルキレングリコール誘導体からなり、本発明2の血液検査用有底管にあっては、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及び、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物からなる群より選択される少なくとも1種からなる。
上記コーティング層としてこのような化合物からなるものを用いることにより、上述のコーティング層の役割を満たすと同時に、従来の血液検査用有底管の問題であった血液検査への影響や、血液の泡立ちが長時間に渡って消泡されない等の不具合を解決することができる。
【0017】
本発明1の血液検査用有底管において、上記ポリオキシアルキレングリコールとは、アルキレンオキサイドの重合体である。上記重合体は、ランダム共重合体やブロック共重合体であってもよい。
上記アルキレンオキサイドとしては特に限定されず、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等が挙げられる。なかでもプロピレンオキサイドの重合体、又は、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドからなる共重合体が好適であり、例えば、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンランダム共重合体等が挙げられる。
【0018】
上記ポリオキシアルキレングリコール誘導体としては特に限定されず、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレングリコールエーテル等が挙げられる。
上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルのアルキルエーテル成分としては、例えば、ブタノールやプロパノール等の1価のアルコールをエーテル化したものが挙げられる。上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、例えば、下記式(1)に示されるポリオキシプロピレンブチルエーテル、下記式(2)に示されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル等が挙げられる。
【0019】
【化1】
Figure 2004049894
【0020】
【化2】
Figure 2004049894
【0021】
式(1)及び式(2)中、m、nは整数を表す。
【0022】
上記ポリオキシアルキレングリコールエーテルのグリコールエーテル成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンをエーテル化したもの等が挙げられる。上記ポリオキシアルキルグリコールエーテルとしては、例えば、下記式(3)に示されるポリオキシプロピレングリセリルエーテル、下記式(4)に示されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル等が挙げられる。
【0023】
【化3】
Figure 2004049894
【0024】
【化4】
Figure 2004049894
【0025】
式(3)及び式(4)中、p、q、r、s、t、uは、整数を表す。
【0026】
これらのなかでは、ポリオキシプロピレンブチルエーテル及び/又はポリオキシプロピレングリセリルエーテルが好適である。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0027】
上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル及び/又はポリオキシアルキレングリコールエーテルの粘度としては特に限定されないが、好ましい下限は25℃において30mPs、上限は50000mPsである。30mPs未満であると、コーティング層としての安定性や血液剥離性が不充分となることがあり、50000mPsを超えると、栓体を打栓する際の潤滑性に劣ることがある。例えば、ポリオキシプロピレンブチルエーテルとしては40〜1000mPs程度、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテルとしては30〜2000mPs程度、ポリオキシプロピレングリセリルエーテルとしては200〜700mPs程度、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテルとしては300〜40000mPs程度のものが好適である。
【0028】
本発明2の血液検査用有底管において、上記ポリプロピレングリコールの平均分子量の好ましい下限は300、好ましい上限は4000であり、より好ましい下限は1500である。また、上記ポリエチレングリコールの平均分子量の好ましい下限は400、好ましい上限は6000である。
【0029】
上記ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンの縮合物としては、例えば、ポリプロピレングリコールを疎水基としてエチレンオキシドを付加して親水性を付与したブロック共重合体等が挙げられる。
また、上記ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物は、エチレンオキシドを70重量%未満含有することが好ましい。エチレンオキシドの含有量が70重量%以上であると、固体状となりコーティング層がもろくなることがある。70重量%未満の含有量であると、コーティング層の強度、安定性に優れる。好ましい下限は5重量%、より好ましい下限は10重量%である。
【0030】
上記ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物の平均分子量の好ましい下限は1000、上限は20000であり、より好ましい上限は6000である。
また、上記コーティング層として、水に易溶性の材料を用いた場合、上記コーティング層に含まれる材料が血液に溶出し、血液検査の検査値に影響を及ぼす可能性があるため、上記コーティング層の材料としては、水に難溶性、不溶性の材料を用いることが好ましい。これにより、血液に溶出しにくくなり、幅広い検査領域への適用が可能となる。
【0031】
一方、上記コーティング層が、水に全く不溶性の材料からなる場合には、泡立った血液を消泡する作用が少なく、血液の泡立ちが長時間にわたって解消されないことが多い。例えば、血液に不溶性の架橋型の材料を用いることも好ましくない。血液の泡立ちが問題となる場合には、難溶性でありながら、わずかに血液中に溶解して消泡作用を発揮する材料を用いることが有効である。なお、性能のバランスをより高めるためには、難溶性の材料と不溶性の材料とをブレンドすることが更に有効である。
【0032】
上記コーティング層の単位面積当たりの重量は、特に限定されず、好ましい下限は、本発明の血液検査用有底管の表面積1cm当たり0.1μgであり、好ましい上限は1000μgである。0.1μg未満であると、コーティング層としての安定性や血液剥離性が不充分となることがあり、1000μgを超えると、コーティング層が厚くなりすぎ、コーティング層の一部が剥離してしまう等の問題が生じる可能性がある。より好ましくは1〜100μgである。
【0033】
本発明の血液検査用有底管を作製する方法としては特に限定されず、例えば、上記コーティング層の原料となる物質を適当な媒体に溶解又は分散したコーティング液を調製し、このコーティング液を管状部材の表面に塗布する方法、コーティング液中に管状部材を浸漬する方法、コーティング液を管状部材上にスプレーする方法、回転式攪拌容器等に管状部材とコーティング液とを添加して混合する方法等により、管状部材表面にコーティングした後、室温乾燥、加熱乾燥又は真空乾燥等の方法により乾燥する方法等が挙げられる。また、上記コーティング層の原料となる物質を、媒体を用いることなく、直接管状部材の表面にコーティングしてもよい。
なお、本発明の血液検査用有底管において、上記コーティング層は管状部材上の少なくとも血液と接触する部分に形成されていれば、その他の形成部分については特に限定されず、管状部材の表面全体に形成されていてもよい。
【0034】
上記コーティング液の媒体としては特に限定されず、例えば、水、メタノール,エタノール等のアルコール類、トルエン、キシレン、エチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。コーティング層の原料物質が均一に溶解又は分散し、管状部材に対するぬれ性に優れた媒体を選択することが好ましい。
上記コーティング液の濃度としては特に限定されないが好ましい下限は0.01重量%、上限は10重量%である。
【0035】
上記コーティング層の原料となる物質として、水に難溶性、不溶性の材料を用いる場合に、均一なコーティング液を調製する方法としては、例えば、このような材料が可溶な媒体を用いる方法の他に、乳化剤を用いてエマルジョンとする方法、水中での強制撹拌や超音波を利用することにより分散させる方法等が挙げられる。
上記乳化剤としては特に限定されないが、例えば、代表的な乳化剤として、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチン、サポニン、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
【0036】
上記乳化剤としては、可能な限り血液検査の検査値に影響しないものを選択し、用途範囲が限定されないようにすることが好ましい。
なお、ポリオキシエチレンのようにポリオキシアルキレン構造を有し、曇点が存在する材料を用いる場合は、常温で水に不溶な場合であっても、曇点以下に冷却することで水に均一に溶解させることができる。
【0037】
本発明の血液検査用有底管は、管状部材と、上記管状部材上の少なくとも血液と接触する部分に形成されたポリオキシアルキレングリコール及び/又はポリオキシアルキレングリコール誘導体からなるコーティング層、又は、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及び、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物からなる群より選択される少なくとも1種からなるコーティング層とからなることにより、血餅等の付着がなく、検査値に影響を与えることもない。また、血液の泡立ちが長時間に渡って消泡されなかったりすることもない。
また、本発明の血液検査用有底管を密封するために用いる栓体としては、天然ゴム、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、シリコーンゴム等のゴムや、スチレン系、塩化ビニル系、オレフィン系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系のエラストマーからなるものが好適である。
また、後述する本発明の血液検査用有底管の栓体を用いることがより好ましい。
【0038】
血液検査用有底管が採血管である場合には、血液検査用有底管内を減圧して真空採血管とすることができる。また、上記血液検査用有底管内には目的に合わせ各種薬剤を収容させることができる。上記薬剤としては特に限定されず、例えば、血清を採取するための血液凝固促進剤、血液を凝固させないための抗凝固剤等が挙げられ、血清分離剤、血漿分離剤等が収容されてもよい。
【0039】
本発明3は、栓状部材と、上記栓状部材の表面に形成されたポリオキシアルキレングリコール及び/又はポリオキシアルキレングリコール誘導体からなるコーティング層とからなる血液検査用有底管の栓体である。
【0040】
本発明4は、栓状部材と、上記栓状部材の表面に形成されたポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及び、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物からなる群より選択される少なくとも1種からなるコーティング層とからなる血液検査用有底管の栓体である。
【0041】
本発明の血液検査用有底管の栓体は、栓状部材と、栓状部材の表面に形成されたコーティング層からなる。
上記栓状部材としては特に限定されず、例えば、ゴム、熱可塑性エラストマーその他プラスチック等が挙げられる。
【0042】
上記ゴムとしては特に限定されず、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。なかでも、真空採血管等の気密性を要する用途にはガスバリア性に優れたブチルゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴムが好適である。
上記熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン系、塩化ビニル系、オレフィン系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系のエラストマー等が挙げられる。
【0043】
上記コーティング層は、栓体を血液検査用有底管に打栓する際の潤滑剤として働くと同時に、栓体に付着した血液を遠心分離等の操作によって容易に除去できるようにする役割を有する。
上記コーティング層は、本発明3の血液検査用有底管の栓体にあってはポリオキシアルキレングリコール及び/又はポリオキシアルキレングリコール誘導体からなり、本発明4の血液検査用有底管の栓体にあっては、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及び、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物からなる群より選択される少なくとも1種からなる。
上記コーティング層としてこのような化合物からなるものを用いることにより、上述のコーティング層の役割を満たすと同時に、従来の栓体の問題であった血液検査への影響や血液検査用有底管のべたつきの発生等を解決することができる。本発明3の血液検査用有底管の栓体において、上記ポリオキシアルキレングリコールとは、アルキレンオキサイドの重合体である。上記重合体は、ランダム共重合体やブロック共重合体であってもよい。
【0044】
上記アルキレンオキサイドとしては特に限定されず、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等が挙げられる。なかでもプロピレンオキサイドの重合体、又は、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドからなる共重合体が好適であり、例えば、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンランダム共重合体等が挙げられる。
【0045】
上記ポリオキシアルキレングリコール誘導体としては特に限定されず、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレングリコールエーテル等が挙げられる。
上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルのアルキルエーテル成分としては、例えば、ブタノールやプロパノール等の1価のアルコールをエーテル化したもの等が挙げられる。上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、例えば、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル等が挙げられる。
【0046】
上記ポリオキシアルキレングリコールエーテルのグリコールエーテル成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンをエーテル化したもの等が挙げられる。上記ポリオキシアルキルグリコールエーテルとしては、例えば、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル等が挙げられる。
これらのなかでは、ポリオキシプロピレンブチルエーテル及び/又はポリオキシプロピレングリセリルエーテルが好適である。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0047】
上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル及び/又はポリオキシアルキレングリコールエーテルの粘度としては特に限定されないが、好ましい下限は25℃において30mPs、上限は50000mPsである。30mPs未満であると、コーティング層としての安定性や潤滑性、血液剥離性が不充分となることがあり、50000mPsを超えると、潤滑性が劣ったりすることがある。例えば、ポリオキシプロピレンブチルエーテルとしては40〜1000mPs程度、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテルとしては30〜2000mPs程度、ポリオキシプロピレングリセリルエーテルとしては200〜700mPs程度、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテルとしては300〜40000mPs程度のものが好適である。
【0048】
本発明4の血液検査用有底管の栓体において、上記ポリプロピレングリコールの平均分子量の好ましい下限は300、好ましい上限は4000であり、より好ましい下限は1500である。また、上記ポリエチレングリコールの平均分子量の好ましい下限は400、好ましい上限は6000である。
【0049】
上記ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンの縮合物としては、例えば、ポリプロピレングリコールを疎水基としてエチレンオキシドを付加して親水性を付与したブロック共重合体等が挙げられる。
また、上記ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物は、エチレンオキシドを70重量%未満含有することが好ましい。エチレンオキシドの含有量が70重量%以上であると、固体状となりコーティング層がもろくなることがある。70重量%未満の含有量であると、コーティング層の強度、安定性、血液検査用有底管に栓体を打栓する際の潤滑性に優れる。好ましい下限は5重量%、より好ましい下限は10重量%である。
上記ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物の平均分子量の好ましい下限は1000、上限は20000であり、より好ましい上限は6000である。
【0050】
また、上記コーティング層として、水に易溶性の材料を用いた場合、上記コーティング層に含まれる材料が血液に溶出し、血液検査の検査値に影響を及ぼす可能性があるため、上記コーティング層の材料としては、水に難溶性、不溶性の材料を用いることが好ましい。これにより、血液に溶出しにくくなり、幅広い検査領域への適用が可能となる。
【0051】
一方、上記コーティング層が、水に全く不溶性の材料からなる場合には、泡立った血液を消泡する作用が少なく、血液の泡立ちが長時間にわたって解消されないことが多い。例えば、血液に全く溶け出さない架橋型のコーティング材料は好ましくないといえる。血液の泡立ちが問題となる場合には、難溶性でありながら、わずかに血液中に溶解して消泡作用を発揮する材料を用いることが有効である。性能のバランスをより高めるためには、難溶性と不溶性の材料をブレンドすることが更に有効である。
【0052】
上記コーティング層の単位面積当たりの重量は、特に限定されず、好ましい下限は、本発明の血液検査用有底管の栓体の表面積1cm当たり1μgであり、好ましい上限は1000μgである。1μg未満であると、コーティング層としての安定性や血液剥離性が不充分となることがあり、1000μgを超えると、コーティング層が厚くなりすぎ、コーティング層の一部が剥離してしまう等の問題が生じる可能性がある。より好ましくは5〜100μgである。
【0053】
本発明の血液検査用有底管の栓体を作製する方法としては特に限定されず、例えば、上記コーティング層の原料となる物質を適当な媒体に溶解又は分散したコーティング液を調製し、このコーティング液を栓状部材の表面に塗布する方法、コーティング液中に栓状部材を浸漬する方法、コーティング液を栓状部材上にスプレーする方法、回転式攪拌容器等に栓状部材とコーティング液とを添加して混合する方法等により、栓状部材表面にコーティングした後、室温乾燥、加熱乾燥又は真空乾燥等の方法により乾燥する方法等が挙げられる。
また、上記コーティング層の原料となる物質を、媒体を用いることなく、直接栓体の表面にコーティングしてもよい。
【0054】
上記コーティング液の媒体としては特に限定されず、例えば、水、メタノール,エタノール等のアルコール類、トルエン、キシレン、エチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。コーティング層の原料物質が均一に溶解又は分散し、栓状部材に対するぬれ性に優れた媒体を選択することが好ましい。
上記コーティング液の濃度としては特に限定されないが好ましい下限は0.01重量%、上限は10重量%である。
【0055】
上記コーティング層の原料となる物質として、水に難溶性、不溶性の材料を用いる場合に、均一なコーティング液を調製する方法としては、例えば、このような材料が可溶な溶剤を用いる方法の他に、乳化剤を用いてエマルジョンとする方法、水中での強制撹拌や超音波を利用することにより分散させる方法等が挙げられる。
なお、本発明の血液検査用有底管の栓体において、上記コーティング層は、少なくとも、血液検査用有底管に収容された血液が接触する可能性のある部分に設けられ、更に、栓体の打栓時に血液検査用有底管の内面に接触する部分にも設けられることが好ましい。また、栓体の表面全体に形成されていてもよい。
上記乳化剤としては特に限定されないが、例えば、代表的な乳化剤として、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチン、サポニン、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
【0056】
上記乳化剤としては、可能な限り血液検査の検査値に影響しないものを選択し、用途範囲が限定されないようにすることが好ましい。
なお、ポリオキシエチレンのようにポリオキシアルキレン構造を有し、曇点が存在する材料を用いる場合は、常温で水に不溶な場合であっても、曇点以下に冷却することで水に均一に溶解させることができる。
【0057】
本発明の血液検査用有底管の栓体は、栓状部材と、栓状部材の表面に形成されたポリオキシアルキレングリコール及び/又はポリオキシアルキレングリコール誘導体からなるコーティング層、又は、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及び、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物からなる群より選択される少なくとも1種からなるコーティング層とからなることにより、血液検査用有底管に打栓でき、血液検査において、血餅等の付着がないとともに、血液の泡立ちもなく、また、血液の泡立ちが生じた場合であっても速やかに消泡し、更に、血液中に溶け出して検査値に影響を与えることもない。また、血液検査用有底管に移行して、血液検査用有底管がべたついたり、血液検査用有底管へラベル類を貼付することが困難になったりすることもない。
【0058】
また、本発明の血液検査用有底管の栓体は、ガラスやポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、硬質塩化ビニル、アクリル樹脂等のプラスチックからなる血液検査用有底管の栓体として用いることが好適である。とりわけ、本発明の血液検査用有底管と組み合わせることにより、より高い効果が得られる。
【0059】
本発明1又は2の血液検査用有底管と、本発明3又は4の血液検査用有底管の栓体とからなる血液検査用容器もまた本発明の一つである。
このように、本発明の血液検査用有底管と本発明の血液検査用有底管の栓体とを組み合わせて用いることにより、血液検査において、更に優れた効果を発揮することができる。
【0060】
本発明の血液検査用容器が採血管である場合には、血液検査用容器内を減圧して真空採血管とすることができる。また、本発明の血液検査用容器内には目的に合わせ各種薬剤を収容させることができる。上記薬剤としては特に限定されず、例えば、血清を採取するための血液凝固促進剤、管から血液を剥離させ易くするための血餅剥離剤、血液を凝固させないための抗凝固剤等が挙げられ、血清分離剤、血漿分離剤等が収容されてもよい。
【0061】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0062】
(実施例1)
エタノール中にポリオキシプロピレンブチルエーテル(粘度:49mPs/25℃)を5重量%となるように溶解してコーティング液を調製した。
得られたコーティング液20mgを外径16mm、長さ100mmのポリエチレンテレフタレート製の有底管にスプレーした後、35℃で真空乾燥することにより、栓体との嵌合部内径が14mmφである採血管を作製した。
【0063】
(実施例2)
エタノール中にポリオキシプロピレンブチルエーテル(粘度:527mPs/25℃)を3重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例1と同様にして採血管を作製した。
【0064】
(実施例3)
エタノール中にポリオキシプロピレンブチルエーテル(粘度:1400mPs/25℃)を1重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例1と同様にして採血管を作製した。
【0065】
(実施例4)
エタノール中にポリオキシプロピレングリセリルエーテル(粘度:652mPs/25℃)を0.5重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例1と同様にして採血管を作製した。
【0066】
(実施例5)
エタノール中にポリオキシプロピレングリセリルエーテル(粘度:652mPs/25℃)を5重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例1と同様にして採血管を作製した。
【0067】
(実施例6)
エタノール中にポリオキシプロピレンブチルエーテル(粘度:527mPs/25℃)とポリオキシプロピレングリセリルエーテル(粘度:652mPs/25℃)をそれぞれ1重量%、0.5重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例1と同様にして採血管を作製した。
【0068】
(実施例7)
エタノール中にポリオキシプロピレンブチルエーテル(粘度:527mPs/25℃)とポリオキシプロピレングリセリルエーテル(粘度:652mPs/25℃)をそれぞれ0.5重量%、0.5重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例1と同様にして採血管を作製した。
【0069】
(実施例8)
エタノール中にポリオキシプロピレンブチルエーテル(粘度:527mPs/25℃)とポリオキシプロピレングリセリルエーテル(粘度:652mPs/25℃)をそれぞれ2重量%、1重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例1と同様にして採血管を作製した。
【0070】
(実施例9)
エタノール中にポリオキシプロピレンブチルエーテル(粘度:199mPs/25℃)とポリオキシプロピレングリセリルエーテル(粘度:250mPs/25℃)をそれぞれ1重量%、1重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例1と同様にして採血管を作製した。
【0071】
(実施例10)
エタノール中にポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル(粘度:285mPs/25℃)を2重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例1と同様にして採血管を作製した。
【0072】
(実施例11)
エタノール中にポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル(粘度:374mPs/25℃)を2重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例1と同様にして採血管を作製した。
【0073】
(実施例12)
エタノール中にポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物(エチレンオキシド含量10重量%、平均分子量1100)を3重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例1と同様にして採血管を作製した。
【0074】
(実施例13)
エタノール中にポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物(エチレンオキシド含量50重量%、平均分子量4600)を5重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例1と同様にして採血管を作製した。
【0075】
(実施例14)
エタノール中にポリエチレングリコール(平均分子量400)を1重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例1と同様にして採血管を作製した。
【0076】
(実施例15)
エタノール中にポリプロピレングリコール(平均分子量1500)を1重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例1と同様にして採血管を作製した。
【0077】
(比較例1)
エタノール中にポリエーテル変性シリコーンオイル(動粘度:1200cSt/25℃)を3重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例1と同様にして採血管を作製した。
【0078】
(比較例2)
エタノール中にポリジメチルシロキサン(疎水性シリコーンオイル、動粘度:5000cSt/25℃)を3重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例1と同様にして採血管を作製した。
【0079】
(比較例3)
コーティングを行わない実施例1で使用した有底管を採血管とした。
【0080】
実施例1〜15及び比較例1〜3で作製した採血管に、血液凝固促進剤として、シリカ0.5mgを収容した後、図1に示した嵌合部外径が15mmφである臭素化ブチルゴム製の栓体12を減圧打栓し、採血量5mLの真空採血管を作製し、得られた真空採血管について、以下の評価を行った。
結果を表1に示した。
【0081】
(血餅剥離性)
真空採血管を用いて、採血量が5mLとなるように真空採血を行った。凝固、遠心後に目視により管内壁面を調べ、血餅が全く残っていなかった場合を◎、血餅が残っているが問題のない範囲であった場合を〇、血餅が明らかに残っていた場合を×と評価した。
【0082】
(検査値)
真空採血管を用いて、採血量が5mLとなるように真空採血を行った。凝固、遠心後に分離された血清を用いて検査を行い、コントロールの検査値と比較して検査値に全く影響がなかった場合を◎、検査値に影響があるが問題のない範囲であった場合を〇、検査値に大きく影響した場合を×と評価した。
【0083】
(血液の泡立ち解消)
上記の真空採血管の作製において、血液凝固促進剤のかわりに抗凝固剤を収容した以外は同様にして真空採血管を作製し、得られた真空採血管を用いて、採血量が5mLとなるように真空採血を行った後、5回転倒混和を行ったとき、血液の泡立ちが1分以内に消失した場合を◎、2分以内に消失した場合を○、2分経っても消失しなかった場合を×とした。
【0084】
【表1】
Figure 2004049894
【0085】
表1から、実施例1〜15で作製した採血管については、血餅剥離性、検査値への影響のなさに優れていることがわかった。また、血液の泡立ちも生じておらず、また生じた場合であっても速やかに消泡した。
比較例1で作製した従来から使用されている変性シリコーンオイルをコートした採血管では、血餅剥離性には優れるものの、検査値へ影響を与えていた。比較例2で作製した従来から使用されているポリジメチルシロキサン(疎水性シリコーンオイル)をコートした採血管では検査値、血液の泡立ち解消で不具合があった。更に、表面処理を行わない比較例3で作製した採血管では、検査値への影響に加えて血餅剥離性でも劣り、比較例1〜3の採血管は、血液検査用有底管としては適さないものであった。
【0086】
(実施例16)
エタノール中にポリオキシプロピレンブチルエーテル(粘度:49mPs/25℃)を5重量%となるように溶解してコーティング液を調製した。
得られたコーティング液中に臭素化ブチルゴムからなる栓状部材を浸漬した後、35℃で真空乾燥することにより、管体との嵌合部外径15mmφである採血管用の栓体を作製した。
【0087】
(実施例17)
エタノール中にポリオキシプロピレンブチルエーテル(粘度:527mPs/25℃)を3重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例16と同様にして採血管用の栓体を作製した。
【0088】
(実施例18)
エタノール中にポリオキシプロピレンブチルエーテル(粘度:1400mPs/25℃)を1重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例16と同様にして採血管用の栓体を作製した。
【0089】
(実施例19)
エタノール中にポリオキシプロピレングリセリルエーテル(粘度:652mPs/25℃)を0.5重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例16と同様にして採血管用の栓体を作製した。
【0090】
(実施例20)
エタノール中にポリオキシプロピレングリセリルエーテル(粘度:652mPs/25℃)を5重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例16と同様にして採血管用の栓体を作製した。
【0091】
(実施例21)
エタノール中にポリオキシプロピレンブチルエーテル(粘度:527mPs/25℃)とポリオキシプロピレングリセリルエーテル(粘度:652mPs/25℃)をそれぞれ1重量%、0.5重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例16と同様にして採血管用の栓体を作製した。
【0092】
(実施例22)
エタノール中にポリオキシプロピレンブチルエーテル(粘度:527mPs/25℃)とポリオキシプロピレングリセリルエーテル(粘度:652mPs/25℃)をそれぞれ0.5重量%、0.5重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例16と同様にして採血管用の栓体を作製した。
【0093】
(実施例23)
エタノール中にポリオキシプロピレンブチルエーテル(粘度:527mPs/25℃)とポリオキシプロピレングリセリルエーテル(粘度:652mPs/25℃)をそれぞれ2重量%、1重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例16と同様にして採血管用の栓体を作製した。
【0094】
(実施例24)
エタノール中にポリオキシプロピレンブチルエーテル(粘度:199mPs/25℃)とポリオキシプロピレングリセリルエーテル(粘度:250mPs/25℃)をそれぞれ1重量%、1重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例16と同様にして採血管用の栓体を作製した。
【0095】
(実施例25)
エタノール中にポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル(粘度:285mPs/25℃)を2重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例16と同様にして採血管用の栓体を作製した。
【0096】
(実施例26)
エタノール中にポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル(粘度:374mPs/25℃)を2重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例16と同様にして採血管用の栓体を作製した。
【0097】
(実施例27)
エタノール中にポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物(エチレンオキシド含量10重量%、平均分子量1100)を3重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例16と同様にして採血管用の栓体を作製した。
【0098】
(実施例28)
エタノール中にポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物(エチレンオキシド含量50重量%、平均分子量4600)を5重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例16と同様にして採血管用の栓体を作製した。
【0099】
(実施例29)
エタノール中にポリエチレングリコール(平均分子量400)を1重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例16と同様にして採血管用の栓体を作製した。
【0100】
(実施例30)
エタノール中にポリプロピレングリコール(平均分子量1500)を1重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例16と同様にして採血管用の栓体を作製した。
【0101】
(比較例4)
エタノール中にポリエーテル変性シリコーンオイル(動粘度:1200cSt/25℃)を3重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例16と同様にして採血管用の栓体を作製した。
【0102】
(比較例5)
エタノール中にポリジメチルシロキサン(疎水性シリコーンオイル、動粘度:5000cSt/25℃)を3重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例16と同様にして採血管用の栓体を作製した。
【0103】
(比較例6)
コーティングを行わない実施例16で使用した栓状部材を採血管用の栓体とした。
【0104】
実施例16〜30及び比較例4〜6で作製した採血管用の栓体について、図1に示した内径14mm、外径16mm、長さ100mmのポリエチレンテレフタレート製の有底管11を採血管として用いて以下の評価を行った。
結果を表2に示した。
【0105】
(潤滑性)
栓体を採血管に手で打栓できるかどうかを調べ、非常に容易に打栓できた場合を◎、容易に打栓できた場合を〇、容易には打栓できなかった場合を×と評価した。
【0106】
(血餅剥離性)
栓体を、血液凝固促進剤、血餅剥離剤により処理された採血管に減圧打栓した真空採血管を用いて、採血量が5mLとなるように真空採血を行った。凝固、遠心後に目視により栓体を調べ、血餅が全く残っていなかった場合を◎、血餅が残っているが問題のない範囲であった場合を〇、血餅が明らかに残っていた場合を×と評価した。
【0107】
(検査値)
栓体を、血液凝固促進剤、血餅剥離剤により処理された採血管に減圧打栓した真空採血管を用いて、採血量が5mLとなるように真空採血を行った。凝固、遠心後に分離された血清を用いて検査を行い、コントロールの検査値と比較して、検査値に全く影響がなかった場合を◎、検査値に影響があるが問題のない範囲であった場合を〇、検査値に大きく影響した場合を×と評価した。
【0108】
(ラベル貼付性)
栓体20個と採血管5本とをポリ袋中で充分に振とうした後、採血管を取り出して外周曲面に検体ラベルを貼付した。24時間放置後に目視によりラベルの状態を調べ、全く剥がれがなかった場合を◎、一部が剥がれかけであった場合を〇、ほとんど剥がれてしまった場合を×と評価した。
【0109】
(血液の泡立ち解消)
栓体を抗凝固剤入りの採血管に減圧打栓し、得られた真空採血管を用いて、採血量が5mLとなるように真空採血を行った後、5回転倒混和を行ったとき、血液の泡立ちが1分以内に消失した場合を◎、2分以内に消失した場合を○、2分経っても消失しなかった場合を×とした。
【0110】
【表2】
Figure 2004049894
【0111】
表2から、実施例16〜30で作製した栓体については、潤滑性、血餅剥離性、検査値への影響のなさ、ラベル貼付性に優れていることがわかった。また、血液の泡立ちも生じておらず、また生じた場合であっても速やかに消泡した。
比較例4で作製した従来から使用されている変性シリコーンオイルをコートした栓体では、潤滑性、血餅剥離性には優れるものの、検査値へ影響を与え、また、ラベル貼付性に劣っていた。比較例5で作製した従来から使用されているポリジメチルシロキサン(疎水性シリコーンオイル)をコートした栓体では検査値、ラベル剥がれ、血液の泡立ち解消で不具合があった。更に、表面処理を行わない比較例6で作製した栓体では、検査値への影響に加えて潤滑性、血餅剥離性及び血液の泡立ち解消でも劣り、比較例4〜6の栓体は、血液検査用有底管の栓体としては適さないものであった。
【0112】
【発明の効果】
本発明によれば、血液検査において、血餅等の付着がないとともに、血液の泡立ちもなく、また、血液の泡立ちが生じた場合であっても、速やかに消泡し、検査値に影響を与えることのない血液検査用有底管、血液検査用有底管に容易に打栓することができ、血液検査において、血餅等の付着がないとともに、血液の泡立ちもなく、また、血液の泡立ちが生じた場合であっても、速やかに消泡し、検査値に影響を与えることがなく、更に、血液検査用有底管のべたつきやラベル剥がれも引き起こさない血液検査用有底管の栓体、及び、上記血液検査用有底管と上記血液検査用有底管の栓体とからなる血液検査用容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例で作製した真空採血管を示す模式図である。
【符号の説明】
11 有底管
12 栓体

Claims (14)

  1. 一端が開口され、他端が閉塞された管状部材と、前記管状部材上の少なくとも血液と接触する部分に形成されたコーティング層とからなる血液検査用有底管であって、
    前記コーティング層は、ポリオキシアルキレングリコール及び/又はポリオキシアルキレングリコール誘導体からなる
    ことを特徴とする血液検査用有底管。
  2. ポリオキシアルキレングリコール誘導体は、25℃における粘度が30〜50000mPsであるポリオキシアルキレンアルキルエーテル及び/又は25℃における粘度が30〜50000mPsであるポリオキシアルキレングリコールエーテルであることを特徴とする請求項1記載の血液検査用有底管。
  3. ポリオキシアルキレングリコール誘導体は、ポリオキシプロピレンブチルエーテル及び/又はポリオキシプロピレングリセリルエーテルであることを特徴とする請求項1記載の血液検査用有底管。
  4. 一端が開口され、他端が閉塞された管状部材と、前記管状部材上の少なくとも血液と接触する部分に形成されたコーティング層とからなる血液検査用有底管であって、
    前記コーティング層は、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及び、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物からなる群より選択される少なくとも1種からなる
    ことを特徴とする血液検査用有底管。
  5. 栓状部材と、前記栓状部材の表面に形成されたポリオキシアルキレングリコール及び/又はポリオキシアルキレングリコール誘導体からなるコーティング層とからなることを特徴とする血液検査用有底管の栓体。
  6. ポリオキシアルキレングリコール誘導体は、25℃における粘度が30〜50000mPsであるポリオキシアルキレンアルキルエーテル及び/又は25℃における粘度が30〜50000mPsであるポリオキシアルキレングリコールエーテルであることを特徴とする請求項5記載の血液検査用有底管の栓体。
  7. ポリオキシアルキレングリコール誘導体は、ポリオキシプロピレンブチルエーテル及び/又はポリオキシプロピレングリセリルエーテルであることを特徴とする請求項5記載の血液検査用有底管の栓体。
  8. 栓状部材と、前記栓状部材の表面に形成されたポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及び、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物からなる群より選択される少なくとも1種からなるコーティング層とからなることを特徴とする血液検査用有底管の栓体。
  9. 栓状部材は、ゴム又は熱可塑性エラストマーからなることを特徴とする請求項5、6、7又は8記載の血液検査用有底管の栓体。
  10. ゴムは、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム又は臭素化ブチルゴムであることを特徴とする請求項9記載の血液検査用有底管の栓体。
  11. 請求項1、2又は3記載の血液検査用有底管と、請求項5、6、7、9又は10記載の血液検査用有底管の栓体とからなることを特徴とする血液検査用容器。
  12. 請求項1、2又は3記載の血液検査用有底管と、請求項8、9又は10記載の血液検査用有底管の栓体とからなることを特徴とする血液検査用容器。
  13. 請求項4記載の血液検査用有底管と、請求項5、6、7、9又は10記載の血液検査用有底管の栓体とからなることを特徴とする血液検査用容器。
  14. 請求項4記載の血液検査用有底管と、請求項8、9又は10記載の血液検査用有底管の栓体とからなることを特徴とする血液検査用容器。
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