JP2004049500A - 遊技機用制御基板ケースの封印装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】カバー45の右側面にカバー側封印部49aを形成し、ベース43の右側面の各カバー側封印部49a〜49fに対向する位置にベース側封印部51aを形成し、カバー側封印部49aに仮止めされたねじ53をベース側封印部51aに螺合し、これによりベース側封印部51aの前端部外周に形成された係止部55を、カバー側封印部49aの後端部内周に形成された被係止部57に形成させ、基板ケース41を封印する。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ベースとカバーとに分割され遊技機筐体に固定される基板ケースに設けられ、遊技機用の制御基板を基板ケース内に収容して封印する遊技機用制御基板ケースの封印装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、スロットマシンやパチンコ機等の遊技機は、マイクロコンピュータにより制御されるようになっており、このマイクロコンピュータは予め所定パターンのプリント配線が施された制御基板上に、CPUやROM、RAM等のチップ部品が実装されて構成され、この制御基板が、図7に示すような基板ケース100内に収容されて遊技機筐体内の所定位置に配設される。
【0003】
ところで、この基板ケース100は、図7に示すように、透明樹脂製のベース101とカバー102とに分割され、ケース100内に制御基板を収めた後、かしめ部103においてベース101とカバー102とをかしめて封印し、このかしめ部103を壊さない限りケース100を開けることができない構造になっている。ここで、図7には示されていないホルダが遊技機筐体内部の所定位置に固着され、ケース100のベース101はこのホルダを介して遊技機筐体に固定されている。
【0004】
そして、かしめ部103は、図7に示すように、例えばケース100の右側面に設けられた6個の封印部材104〜109を備え、更にこれら各封印部材104〜109は、カバー102の右側面に一体的に形成されたほぼ円筒状を成すカバー側封印部104a〜109aと、ベース101の右側面であって各カバー側封印部104a〜109aそれぞれとの対向位置に一体的に形成されたベース側封印部104b〜109bとを備え、ねじにより各カバー側封印部104a〜109aそれぞれと各ベース側封印部104b〜109bそれぞれとが締結されて封印されるようになっている。但し、図7において、110,111,112はカバー102に形成された透孔から導出されたピンヘッダであり、ケース100内の制御基板に配設されており、外部ケーブルに接続される。
【0005】
このとき、当初内蔵されている正規のROMを取り外して不正な変造ROMが取り付けられることを防止するために、まず1番目の封印部材104の両封印部104a,104bがねじ止めされてケース100が封印され、この封印状態のまま制御基板がケース100ごとパチンコホールに搬送される。更に、パチンコホールにおいて、2番目の両封印部105a,105bがねじ止めされて封印状態のケース100がホルダを介して遊技機筐体に固定される。
【0006】
そして、監督機関が変造ROMを取り締まるために、パチンコホールにおいてチェックする際に、ねじ止めされている1番目及び2番目の封印部材104,105が切断されて封印解除され、チェック終了後に3番目の封印部材106の両封印部106a,106bがねじ止めされ、このような監督機関による変造ROMの取り締まりごとに4番目、5番目の封印部材107,108が順次ねじ止めされて封印され、合計3回の監督機関によるチェックまで許容される構造になっている。
【0007】
尚、制御基板をケース100ごと回収する際に、5番目の封印部材108が切断されてケース100が遊技機筐体から取り外し可能な状態にされると共に、6番目の封印部材109がねじ止めされてケース100が封印状態のまま搬送可能な状態にされ、制御基板がケース100ごと回収される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記したような従来のかしめ部103は、ねじ止めによって封印するものであるため、ねじ頭に形成されているマイナスドライバの係合溝を、逆動できないような傾斜構造にしてあるものの、円筒状のカバー側封印部104a〜109aに外部から特殊工具を挿入して締結状態のねじを逆動操作して緩めることが可能であり、制御基板に対して何らかの不正行為を施すことができ、いわゆるゴト行為を防止することができないおそれがあった。
【0009】
そこで、本発明は、制御基板を収容する基板ケースを確実に封印し、外部からの不正行為を防止できるようにすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明は、ベースとカバーとに分割され遊技機筐体に固定される基板ケースに設けられ、遊技機用の制御基板を前記基板ケース内に収容して前記基板ケースを封印する遊技機用制御基板ケースの封印装置において、前記ベースまたは前記カバーの一方に形成された一方側封印部と、前記ベースまたは前記カバーの他方の前記一方側封印部との対向位置に形成された他方側封印部と、前記一方側封印部または前記他方側封印部の片方から挿通されてもう片方に螺合するねじと、前記一方側封印部または前記他方側封印部の片方に形成された係止部と、前記一方側封印部または前記他方側封印部のもう片方に形成された被係止部とを備え、前記ねじの螺合により前記係止部が前記被係止部に係止することを特徴としている(請求項1)。
【0011】
このような構成によれば、ねじを一方側封印部または他方側封印部の片方から挿通してもう片方に螺合することにより、係止部が被係止部に係止するため、ねじの螺合及び係止部・被係止部の係止の双方によって基板ケースを確実に封印することができ、外部からの不正行為をより確実に防止できる。
【0012】
また、本発明は、前記一方側封印部または前記他方側封印部の少なくとも片方が、可撓性を有する支持部を介して形成されていることを特徴としている(請求項2)。このような構成によれば、ねじの螺合に伴って、一方側封印部または他方側封印部を支持する支持部が撓むため、係止部を被係止部に確実に係止させることができる。
【0013】
また、本発明は、前記一方側封印部が前記カバーに形成され、前記他方側封印部が前記ベースに形成されていることを特徴としている(請求項3)。このような構成によれば、ねじの螺合及び係止部・被係止部の係止の双方により、ベースとカバーとの間を強固に閉塞して基板ケースを封印することができる。
【0014】
また、本発明は、前記カバーに形成された一方側封印部と、前記ベースの前記一方側封印部との対向位置に形成された他方側封印部と、前記筐体に取り付けられた保持部と、前記一方側封印部側から挿通され前記他方側封印部に遊通されて前記保持部に螺合するねじと、前記一方側封印部または前記他方側封印部の片方に形成された係止部と、前記一方側封印部または前記他方側封印部のもう片方に形成された被係止部とを備え、前記ねじの螺合により前記係止部が前記被係止部に係止することを特徴としている(請求項4)。
【0015】
このような構成によれば、ねじを一方側封印部に挿通すると共に他方側封印部に遊通して保持部に螺合することにより、係止部が被係止部に係止するため、ねじの螺合及び係止部・被係止部の係止の双方により、ベースとカバーとを強固に閉塞すると同時に保持部に固定することができ、基板ケースを確実に封印して外部からの不正行為をより確実に防止できる。
【0016】
また、本発明は、前記一方側封印部が、前記カバーに可撓性を有する支持部を介して形成されていることを特徴としている(請求項5)。このような構成によれば、ねじの螺合に伴って、一方側封印部をカバーに支持する支持部が撓むため、係止部を被係止部に確実に係止させることができる。
【0017】
また、本発明は、前記一方側封印部及び前記他方側封印部がそれぞれ、相互に係合する筒状体から成り、前記係止部及び前記被係止部が、前記一方側封印部を成す前記筒状体と前記他方側封印部を成す前記筒状体との係合部分に形成されて、外部からアクセスできないように片方の前記筒状体の内側に配置されていることを特徴としている(請求項6)。
【0018】
このような構成によれば、係止部及び被係止部が片方の筒状体の内側に配置されるていため、ねじの螺合により係止部及び被係止部を確実に係止することができ、しかも外部から係止状態の係止部及び被係止部に対して細工することを防止でき、不正行為をより確実に防止できる。
【0019】
また、本発明は、前記ねじの表面に、螺合時の摩擦により接着力を発揮する接着剤が塗布されていることを特徴としている(請求項7)。このような構成によれば、ねじの螺合、係止部・被係止部の係止及び接着剤の接着力により、ベースとカバーとをより強固に閉塞でき、基板ケースをいっそう確実に封印することができる。ここで、接着剤としてマイクロカプセル状の接着剤を用いるのが望ましく、マイクロカプセル状の接着剤であれば、螺合時の摩擦により接着力を発揮することが可能である。
【0020】
【発明の実施の形態】
この発明を遊技機であるスロットマシンに適用した場合における一実施形態について図1ないし図6を参照して説明する。但し、図1はスロットマシンの正面図、図2及び図3はそれぞれケースの一部の正面図及び右側断面図、図4は他の一部の切断斜視図、図5及び図6は図3のA−A’、C−C’での断面図である。
【0021】
本実施形態におけるスロットマシンは、例えば図1に示すように構成されている。即ち、図1に示すように、スロットマシン1では、筐体3の前面が前面パネル5により開閉自在に閉塞され、この前面パネル5のほぼ中央高さの位置に操作板7が配設されると共に、この操作板7の上方に正面板9が配設されている。
【0022】
そして、この正面板9には3個のリール窓11が並設され、各リール窓11の内側には左、中、右の各回転リールが配置され、右端のリール窓11の横には、ゲームの演出用画面を表示する液晶ディスプレイ13が配設されており、各リール窓11からは、各リールの図柄が各々3個ずつ見えるように設定されている。
【0023】
更に、この操作板7には、クレジットされているメダルから投入を行うクレジットメダルボタン15、各リールの回転を開始させるためのスタートレバー17、第1ないし第3ストップボタン19,21,23、及び、メダル投入口25や払出しボタン27が設けられている。また、正面板9には入賞ラインが描かれると共に、入賞ライン中の有効ラインを表示する有効表示ランプ31、ボーナスゲームの状態などを表示する種々の演出表示ランプ33、クレジットメダルの枚数を表示するメダル枚数表示器35が正面板9に配設され、操作板7の下方にはメダル払出口37やメダル受け39が設けられている。
【0024】
ところで、筐体3内部の上側には、CPUやROM、RAM等のチップ部品が実装された制御基板を収容した基板ケースが配設される。図2及び図3に示すように、この基板ケース41は、透明樹脂製のベース43とカバー45とに分割され、基板ケース41内に制御基板(図示せず)が収められた後、右側のかしめ部47においてベース43とカバー45とがかしめられて封印され、筐体3内部に固着されたホルダに基板ケース41が固定され、かしめ部47を壊さない限り基板ケース41を開けることができない構造になっている。尚、ベース43及びカバー45の左側には、凹凸の組み合わせから成る係合部及び被係合部が形成され、これら係合部及び被係合部によりベース43及びカバー45の左側が係脱自在に係合されている。
【0025】
ところで、かしめ部47は、図2ないし図6に示すように、カバー45の右側面に形成された複数個(ここでは、6個)の一方側封印部としてのカバー側封印部49a〜49fと、ベース43の右側面の各カバー側封印部49a〜49fに対向する位置に形成された複数個(ここでは、6個)の他方側封印部としてのベース側封印部51a〜51fと、各カバー側封印部49a〜49fに仮止めされて各ベース側封印部51a〜51fに螺合されるねじ53と、各ベース側封印部51a〜51fの前端部外周に形成された係止部55と、各カバー側封印部49a〜49fの後端部内周に形成された被係止部57とを備えている。
【0026】
そして、図2ないし図6に示すように、各カバー側封印部49a〜49fはそれぞれ、可撓性を有する1個の切断可能な支持片59を介してカバー45の右側面に一体形成された円筒状体61から成り、特に図4に示されるように、ねじ53が仮止めされる円筒状の仮止め部63が、複数個の保持片65を介して円筒状体61の内側ほぼ中央部に保持されるように一体形成されている。
【0027】
更に、仮止め部63に、ねじ53の先端が円筒状体61から突出しない状態にねじ53が仮止めされている。ここで、ねじ53は通常のマイナスねじ、プラスねじのどちらでもよいが、不正行為をより確実に防止するためには、図4に示すように、マイナスねじであってマイナスドライバの係合溝が逆動できないように傾斜構造になっているものが望ましい。また、図4に示すように、円筒状体61の内周後端部には、内方に突出した複数個(ここでは、3個)ずつの鈎状体から成る被係止部57が一体形成されている。
【0028】
ところで、図2ないし図6に示すように、1番目と6番目のベース側封印部51a,51fはそれぞれ、可撓性を有する切断可能な2個の支持片67を介してベース43の右側面に一体形成された円筒状体69から成り、残りの2番目〜5番目のベース側封印部51b〜51eもそれぞれ、切断可能な2個の支持片67を介してベース43の右側面に一体形成された円筒状体71から成る。このとき、カバー側封印部49a〜49f側の支持片59と、ベース側封印部51a〜51f側の支持片67とが正面視重複しないようにずれて形成され(図1参照)、各支持片59,67の破損状況が外部から見て目視できる位置に各支持片59,67が配設されている。
【0029】
また、円筒状体69はねじ53を螺合したときに、その先端が円筒状体69から突出しないように、2〜5番目の円筒状体71にこれよりも小径の円筒を継ぎ足した形状を有している。一方、円筒状体71にはねじ53が遊通可能な孔が形成されている。尚、筐体3内の上部の所定位置に固着されたホルダ(図示せず)に基板ケース41を固定するために、2〜5番目のベース側封印部51b〜51eを成す円筒状体71は、ホルダ側のねじ穴に連通するようにホルダに当接して配設され、ねじ53の螺合時には、カバー側封印部49b〜49eの円筒状体61側からベース側封印部51b〜51eの円筒状体71の孔に遊通されたねじ53がホルダのねじ穴に螺合するようになっている。
【0030】
更に、図2ないし図6に示すように、各ベース側封印部51a〜51fの円筒状体69,71の前端それぞれには、被係止部57を成す各鈎状体に係止する複数個(ここでは、3個)ずつの外向きの爪を備えた係止部55が一体形成されている。ここで、各ベース側封印部51a〜51fの円筒状体69,71の外径は、各カバー側封印部49a〜49fの円筒状体61の内径よりも小さく設定され、円筒状体61内に円筒状体69,71が進入可能になっている。
【0031】
そして、1番目と6番目のカバー側封印部49a,49f及びベース側封印部51a,51fでは、ねじ53をベース側封印部51a,51fの円筒状体69に螺合したときに、支持片59が撓んでカバー側封印部49a,49fがベース側封印部51a,51f方向に移動する。その際、支持片67も若干撓んでベース側封印部51a,51fも移動するが、1個の支持片59の撓み量の方が2個の支持片67の撓み量よりも大きく、ほとんどカバー側封印部49a,49fの移動量のみが移動するように見える。
【0032】
こうして、カバー側封印部49a,49fのベース側封印部51a,51f方向への移動により、ベース側封印部51a,51fの円筒状体69の前端部がカバー側封印部49a,49fの円筒状体61の後端部内側に入り込んで、係止部55が被係止部57に係止する。
【0033】
一方、2番目ないし5番目のカバー側封印部49b〜49e及びベース側封印部51b〜51eでは、円筒状体71に遊通してホルダのねじ穴にねじ53を螺合したときに、支持片59が撓んでカバー側封印部49b〜49eがベース側封印部51b〜51e方向に大きく移動し、その際にベース側封印部51b〜51eの円筒状体71の前端部がカバー側封印部49b〜49eの円筒状体61の後端部内側に入り込んで、係止部55が被係止部57に係止する。
【0034】
ところで、従来の場合と同様に、当初内蔵されている制御基板上の正規のROMを取り外して不正な変造ROMが取り付けられることを防止するために、まず1番目のカバー側封印部49aとベース側封印部51aとがねじ53の螺合よって接合され、これにより基板ケース41が封印され、この封印状態のまま制御基板が基板ケース41ごとパチンコホールに搬送される。
【0035】
更に、パチンコホールにおいて、2番目のカバー側封印部49b側からベース側封印部51bに遊通されたねじ53によりカバー側封印部49bとホルダとが螺合されて接合され、封印状態の基板ケース41がホルダを介して筐体3内部の所定位置に固定される。
【0036】
そして、監督機関が変造ROMを取り締まるために、パチンコホールにおいてチェックする際には、封印されている1番目及び2番目のカバー側封印部49a,49b,ベース側封印部51a,51bが、それらを支持する各支持部59,67において切断されて封印解除され、カバー45が開放可能な状態とされ、チェック終了後に3番目のカバー側封印部49c側からベース側封印部51cに遊通されたねじ53によりカバー側封印部49cとホルダとが螺合されて接合され、このような監督機関による変造ROMの取り締まりごとに、4番目、5番目のカバー側封印部49d,49eがねじ53によりホルダに接合されて基板ケース41が封印され、合計3回の監督機関によるチェックまで許容される構造が確保されている。
【0037】
尚、制御基板を基板ケース41ごと回収する際に、ホルダ側封印部に接合されている5番目のカバー側封印部49e,ベース側封印部51eが、それらを支持する各支持部59,67において切断されて封印解除され、基板ケース41が筐体3内部から取り外し可能な状態にされると共に、6番目のカバー側封印部49fとベース側封印部51fとがねじ53の螺合より接合されて基板ケース41が再び封印され、基板ケース41が封印状態のまま搬送可能な状態にされ、制御基板が基板ケース41ごと回収される。
【0038】
従って、上記した実施形態によれば、ねじ53を螺合することにより、係止部55が被係止部57に係止するため、ねじ53の螺合及び係止部55・被係止部57の係止の両方によって、基板ケース41を確実に封印することができ、外部からの不正行為をより確実に防止できる。
【0039】
また、係止部55及び被係止部57がカバー側封印部49a〜49fの円筒状体61の内側に配置されているため、外部から係止状態の係止部55及び被係止部57をアクセスすることができず、係止状態の係止部55及び被係止部57に対して細工することを防止でき、不正行為をより確実に防止できる。
【0040】
なお、上記した実施形態において、ねじ53のねじ頭以外の表面に、既存のマイクロカプセル状の接着剤を塗布しておき、螺合時の摩擦によりカプセルを破壊して接着剤の接着力を発揮させ、ねじ53の螺合及び係止部55・被係止部57の係止に加えて、接着剤の接着力により、ベース43とカバー45とをより強固に閉塞するようにしても構わない。こうすれば、基板ケース41をいっそう確実に封印することができる。ここで、接着剤には、エポキシ系のものを使用することができる。
【0041】
また、上記した実施形態では、各カバー側封印部49a〜49fを成す円筒状体61の内径を、各ベース側封印部51a〜51fを成す円筒状体69,71の外径よりも大きくし、各カバー側封印部49a〜49fに被係止部57を、各ベース側封印部51a〜51fに係止部55を形成した場合について説明したが、これとは逆に、各カバー側封印部49a〜49fを成す円筒状体61の外径を、各ベース側封印部51a〜51fを成す円筒状体69,71の内径よりも小さくし、小径の円筒状体61の後端部外周にフックから成る係止部を形成し、大径の円筒状体69,71の前端部内周に鈎状体から成る被係止部を形成してもよいのは勿論である。このとき、係止部を成すフックの個数、及び、被係止部を成す鈎状体の個数も上記した3個に限るものではなく、1個、2個或いは4個以上であってもよい。また、係止部、被係止部は、それぞれ上記したフック、鈎状体から成るものに限定されるものではなく、要するに係止可能な構造であればよい。
【0042】
更に、上記した実施形態では、各ベース側封印部51a〜51fを支持する支持片67は可撓性を有していなくてもよく、少なくとも切断可能であれば剛性を有する支持片により各ベース側封印部51a〜51fを支持する構造としても構わない。
【0043】
また、上記した実施形態では、各カバー側封印部49a〜49fを支持する支持片59と各ベース側封印部51a〜51fを支持する支持片67の位置を正面視重複しないようにずらしているが、必ずしもこれらをずらす必要はない。具体的には、各カバー側封印部49a〜49f及び各ベース側封印部51a〜51fを支持する各々の支持片の個数を同じにして、カバー側封印部49a〜49fの支持片とベース側封印部51a〜51fの支持片が正面視重複するように配設してもよい。
【0044】
更に、上記した実施形態では、各カバー側封印部49a〜49fを円筒状体61により、各ベース側封印部51a〜51fを円筒状体69,71によりそれぞれ構成した例を示したが、これら円筒状体61,69,71に代えて角筒状体により構成してもよい。
【0045】
また、上記した実施形態では、カバー側封印部49a〜49f、ベース側封印部51a〜51f及びねじ53をそれぞれ6個としているが、これらの個数は特に6個に限定されるものではない。
【0046】
更に、上記した実施形態では、本発明をスロットマシンに適用した場合について説明したが、パチンコ機といった他の遊技機にも本発明を適用することができ、その場合にも上記した各実施形態と同等の効果を得ることができる。
【0047】
また、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
【0048】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に記載の発明によれば、ねじを一方側封印部または他方側封印部の片方から挿通してもう片方に螺合することにより、係止部が被係止部に係止するため、ねじの螺合及び係止部・被係止部の係止の双方によって基板ケースを確実に封印することができ、外部からの不正行為をより確実に防止することが可能になる。
【0049】
また、請求項2に記載の発明によれば、ねじの螺合に伴って、一方側封印部または他方側封印部を支持する支持部が撓むため、係止部を被係止部に確実に係止させることが可能になる。
【0050】
また、請求項3に記載の発明によれば、ねじの螺合及び係止部・被係止部の係止の双方により、ベースとカバーとの間を強固に閉塞して基板ケースを封印することが可能になる。
【0051】
また、請求項4に記載の発明によれば、ねじを一方側封印部に挿通すると共に他方側封印部に遊通して保持部に螺合することにより、係止部が被係止部に係止するため、ねじの螺合及び係止部・被係止部の係止の双方により、ベースとカバーとを強固に閉塞すると同時に保持部に固定することができ、基板ケースを確実に封印して外部からの不正行為をより確実に防止することが可能になる。
【0052】
また、請求項5に記載の発明によれば、ねじの螺合に伴って、一方側封印部をカバーに支持する支持部が撓むため、係止部を被係止部に確実に係止させることが可能になる。
【0053】
また、請求項6に記載の発明によれば、係止部及び被係止部が片方の筒状体の内側に配置されるていため、ねじの螺合により係止部及び被係止部を確実に係止することができ、しかも外部から係止状態の係止部及び被係止部に対して細工することを防止でき、不正行為をより確実に防止することが可能になる。
【0054】
また、請求項7に記載の発明によれば、ねじの螺合、係止部・被係止部の係止及び接着剤の接着力により、ベースとカバーとをより強固に閉塞でき、基板ケースをいっそう確実に封印することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態におけるスロットマシンの正面図である。
【図2】この発明の一実施形態におけるケースの一部の正面図である。
【図3】この発明の一実施形態におけるケースの一部の右側断面図である。
【図4】この発明の一実施形態における他の一部の切断斜視図である。
【図5】図3のA−A’における断面図である。
【図6】図3のC−C’における断面図である。
【図7】従来例の斜視図である。
【符号の説明】
1 スロットマシン(遊技機)
3 筐体(遊技機筐体)
41 基板ケース
43 ベース
45 カバー
49a〜49f カバー側封印部
51a〜51f ベース側封印部
53 ねじ
55 係止部
57 被係止部
59,67 支持片
61 円筒状体
69,71 円筒状体
Claims (7)
- ベースとカバーとに分割され遊技機筐体に固定される基板ケースに設けられ、遊技機用の制御基板を前記基板ケース内に収容して前記基板ケースを封印する遊技機用制御基板ケースの封印装置において、
前記ベースまたは前記カバーの一方に形成された一方側封印部と、
前記ベースまたは前記カバーの他方の前記一方側封印部との対向位置に形成された他方側封印部と、
前記一方側封印部または前記他方側封印部の片方から挿通されてもう片方に螺合するねじと、
前記一方側封印部または前記他方側封印部の片方に形成された係止部と、
前記一方側封印部または前記他方側封印部のもう片方に形成された被係止部とを備え、
前記ねじの螺合により前記係止部が前記被係止部に係止することを特徴とする遊技機用制御基板ケースの封印装置。 - 前記一方側封印部または前記他方側封印部の少なくとも片方が、可撓性を有する支持部を介して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機用制御基板ケースの封印装置。
- 前記一方側封印部が前記カバーに形成され、前記他方側封印部が前記ベースに形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機用制御基板ケースの封印装置。
- ベースとカバーとに分割され遊技機筐体に固定される基板ケースに設けられ、遊技機用の制御基板を前記基板ケース内に収容して前記基板ケースを封印する遊技機用制御基板ケースの封印装置において、
前記カバーに形成された一方側封印部と、
前記ベースの前記一方側封印部との対向位置に形成された他方側封印部と、
前記筐体に取り付けられた保持部と、
前記一方側封印部側から挿通され前記他方側封印部に遊通されて前記保持部に螺合するねじと、
前記一方側封印部または前記他方側封印部の片方に形成された係止部と、
前記一方側封印部または前記他方側封印部のもう片方に形成された被係止部とを備え、
前記ねじの螺合により前記係止部が前記被係止部に係止することを特徴とする遊技機用制御基板ケースの封印装置。 - 前記一方側封印部が、前記カバーに可撓性を有する支持部を介して形成されていることを特徴とする請求項4に記載の遊技機用制御基板ケースの封印装置。
- 前記一方側封印部及び前記他方側封印部がそれぞれ、相互に係合する筒状体から成り、前記係止部及び前記被係止部が、前記一方側封印部を成す前記筒状体と前記他方側封印部を成す前記筒状体との係合部分に形成されて、外部からアクセスできないように片方の前記筒状体の内側に配置されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の遊技機用制御基板ケースの封印装置。
- 前記ねじの表面に、螺合時の摩擦により接着力を発揮する接着剤が塗布されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の遊技機用制御基板ケースの封印装置。
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