JP2004047761A - 発光ダイオードアレイ - Google Patents
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Abstract
【課題】中心電極型発光ドットの利点を活かしながら、低抵抗で、且つ高出力が得られる高密度発光ダイオードアレイの構造とする。
【解決手段】光取出し領域1の中央に電極コンタクト層3を介して中心電極2を設け、この中心電極2を配線金属4に接続して中心電極型発光ドットを構成し、この中心電極型発光ドットを複数個配列した発光ダイオードアレイにおいて、上記光取出し領域1の中心を縦断する形で発光ドット配列方向xと直角なy方向に電極コンタクト層3を延在し、この電極コンタクト層3上にその延在方向に沿って、且つ光取出し領域1を縦断する長さで中心電極2を配置する。
【選択図】 図1
【解決手段】光取出し領域1の中央に電極コンタクト層3を介して中心電極2を設け、この中心電極2を配線金属4に接続して中心電極型発光ドットを構成し、この中心電極型発光ドットを複数個配列した発光ダイオードアレイにおいて、上記光取出し領域1の中心を縦断する形で発光ドット配列方向xと直角なy方向に電極コンタクト層3を延在し、この電極コンタクト層3上にその延在方向に沿って、且つ光取出し領域1を縦断する長さで中心電極2を配置する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、LEDプリンタに使用するのに適した高密度の発光ダイオードアレイに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、高密度発光ダイオードアレイにおいては、平面図で見て、図4に示すように、その1つ1つの発光ダイオードつまり発光ドット40が、光取出し領域1の一辺(周辺部)に電極2を設けた構造である周辺電極型と、図5に示すように、発光ドット50が、光取出し領域1の中心部に電極2を設けた構造である中心電極型の2通りに分類される。いずれも光取出し領域1上に低抵抗電極コンタクト層3を介して電極2が取り出され、電極2が配線金属4に接続されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、1200DPIのように高密度発光ダイオードアレイの場合、その光取出し領域1のサイズは、縦横が約10μmに制限されてしまうことより、発光ドット自体が非常に小さくなる。その為、発光ドット内の光発生領域であるpn接合面積が小さくなり、結晶の抵抗が大となる。その結果、発光に必要な順方向電圧Vfが大となり、LEDプリンタヘッドの消費電力を上げてしまう、という問題があった。また、発光ドット自体の発熱量も大であり、光出力低下及び信頼性の低下につながっていた。
【0004】
そこで、従来、周辺電極型の発光ドット40の場合、図4に示すように、順方向電圧Vfを下げる為、光取出し領域1のサイズに関わらず発光ドット40自体のサイズを大として順方向電圧Vfの低減に努めていた。しかし、周辺電極型発光ドット40では、電極2が光取出し領域1の周辺部にあるため、注入した電流を光取出し領域の全域に均等に拡げることが困難となる。つまり、図4に示す周辺電極型の発光ドット40の場合、電流を流したとき、電流がほとんど電極2直下に集中することより、光取出し領域1内には拡がらず、大幅に光出力を低下させていた。かつ順方向電圧Vf自体も、光取出し領域1内に電流が拡がりにくいことにより、発光ドットサイズ大の効果が不充分となり、低減率が低かった。
【0005】
これに対し、図5に示す中心電極型の発光ドット50の場合、電極2が光取出し領域1の中央部にあるため、光出力については電極直下の発光成分を電極2の周りから取り出すことができる。このため、周辺電極型の発光ドット40よりは高出力が得られる。しかし、順方向電圧Vfの低減については、発光ドット50の縦幅がそのまま光取出し領域幅と一致する為、発光ドット50自体を大きくすることができない。このため、順方向電圧Vfの低減は、結晶自体の抵抗又は電極の接触抵抗を下げるしか策が無く、順方向電圧Vfを大幅に低減することが困難であった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、最も光出力の高い電極直下の発光成分を有効に取り出せる中心電極型発光ドットの利点を活かしながら、前記した従来技術の欠点を解消し、低抵抗で、且つ高出力の高密度発光ダイオードアレイを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、次のように構成したものである。
【0008】
請求項1の発明に係る発光ダイオードアレイは、光取出し領域の中央に電極コンタクト層を介して中心電極を設け、この中心電極を配線金属に接続した構成の中心電極型発光ドットを複数個配列した発光ダイオードアレイにおいて、上記光取出し領域の中心を縦断する形で発光ドット配列方向と直角な方向に電極コンタクト層を延在し、この電極コンタクト層上にその延在方向に沿って、且つ光取出し領域を縦断する長さで中心電極を配置したことを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1記載の発光ダイオードアレイにおいて、上記中心電極に対する配線金属を、上記光取出し領域を避けて、発光ドット配列方向と直角な方向における上記光取出し領域の前後及び中心電極上に配設したことを特徴とする。これは、上記発光ドットの光取出し領域外の領域を配線金属により被覆した形態を特定したものである。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は2記載の発光ダイオードアレイにおいて、上記光取出し領域を発光ドットの中心に配置し、且つその中心に中心電極を配置し、その中心電極の発光ドット配列方向と直角な方向における電極長を光取出し領域の同一方向の幅の等倍〜2.5倍としたことを特徴とする。これは中心電極の電極長(縦幅)Y3を光取出し領域幅(縦幅)Y2の1.5倍とした形態を特定したものである。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発光ダイオードアレイにおいて、上記発光ドットがメサ分離型発光ダイオードから成り、発光ドット配列方向に対し平行方向の各発光ドットの幅が25μm以下であることを特徴とする。
【0012】
<発明の要点>
本発明の発光ダイオードアレイは、光取出し領域の中央に電極コンタクト層を介して中心電極を設け、この中心電極を配線金属に接続した構成の中心電極型発光ドットを複数個配列した発光ダイオードアレイにおいて、上記光取出し領域の中心を縦断する形で発光ドット配列方向と直角な方向に電極コンタクト層を延在し、この電極コンタクト層上にその延在方向に沿って、且つ光取出し領域を縦断する長さで中心電極を配置したものである。
【0013】
これは、見方を変えると、図5に示した従来の発光ダイオードアレイにおける中心電極型発光ドットの構造を基本として考えた場合、図1に示すように、その発光ドットの配列方向xに対し垂直なy方向の幅を拡げ、且つ低抵抗電極コンタクト層3のy方向の幅を同様に拡げ、その中心に電極を配置した構造である。また更に、その中心電極2の電極長Y3を光取出し領域幅Y2の等倍〜2.5倍とし、光取出し領域は発光ドットの中心に位置させ、且つ発光ドット中の光取出し領域以外の領域を配線金属4で被覆させたものである。このような構造にすることにより、光取出し領域幅Y2に比して発光ドット自体(Y1)を大きくすることができるため、発光ドットの順方向電圧Vfの低減及び高出力化が同時に達成できる高密度発光ダイオードアレイが得られる。
【0014】
すなわち、中心電極型発光ドットの配列方向xに対し垂直なy方向の幅を拡げることにより、pn接合面積を大とすることができ、また、低抵抗な電極コンタクト層も同様に拡がることになり、pn接合領域への電流分散を良好なものとすることができる。これにより発光ドットの順方向電圧Vfの低減を図ることができ、且つ光取出し領域を中心電極の中心に位置させることにより、中心電極型の利点を活かし高光出力を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施形態に基づいて説明する。
【0016】
図1〜図3は本発明の実施形態を説明するための図で、1200DPIの発光ダイオードアレイを構成する中心電極型発光ドット20のうちの一つを示す。この発光ドット20の構造は、メサ分離型ダブルヘテロ構造をもつ微細寸法のGaAlAs系発光ドットである。
【0017】
図1は平面図であり、発光ドット20の配列方向をx、これに垂直な方向をyとしている。光取出し領域1のx方向の横幅X、y方向の縦幅Y2は共に10μmで設計されている。発光ドット20の大きさは、x方向の横幅Xが10μm、y方向の縦幅Y1が354μmで設計され、電極コンタクト層3が横幅:3.5μm、縦幅:304μmで設計され、発光ドット20の中心に位置する。
【0018】
p側コンタクト電極としての中心電極2は、AuZn/Ni/Auで形成され、横幅が2.5μmで、縦幅(電極長Y3)が光取出し領域1の縦幅Y2の1.5倍の15μmで設計され、低抵抗電極コンタクト層3の中心及び光取出し領域1の中心に配置されている。
【0019】
また配線金属4はTi/Auで形成され、図2に示すように、発光ドット20の領域中の光取出し領域1以外の領域及び順メサ段差部を被覆するように設計されている。また裏面には、共通電極として、n型電極5がAuGe/Ni/Auで形成されている。光取出し領域の前後に配設した配線金属4のうちの一方からは接続用のボンディング電極12が引き出される。
【0020】
図2は図1中に記入したA−A線に沿って発光ドットをへき開した断面図、同様に図3はB−B線に沿って発光ドットをへき開した断面図である。
【0021】
n型GaAs基板6上にバッファー層となるn型GaAs層7、クラッド層となるn型GaAlAs層8、活性層となるp型GaAlAs層9、クラッド層となるp型GaAlAs層10、及びp型電極コンタクト層となる低抵抗のp型GaAs層3が形成されている。この結晶構造は、前述したようにダブルヘテロ構造でメサ分離型構造となっている。
【0022】
そして表面には保護膜としてガラス膜11、p型電極2と接続した配線金属4、裏面にはn型電極5がそれぞれ形成されている。配線金属4は発光ドット上の光取出し領域1以外の領域を被覆するように形成され、且つ順メサによる段差部も被覆し、順メサ部から光が漏れない構造となっている。
【0023】
上記したように、この実施形態の発光ダイオードアレイは、発光ドットがメサ分離型発光ダイオードから成り、発光ドット配列方向に対し平行方向の各発光ドットの幅が25μm以下となっている高密度発光ダイオードアレイであり、光取出し領域1の中央に、光取り出し領域1を縦断する形で、電極コンタクト層3を介して中心電極2を設け、この中心電極2を配線金属4に接続して中心電極型発光ドットを構成し、この中心電極型発光ドットを複数個配列した発光ダイオードアレイを前提とし、上記光取出し領域1の中心を縦断する形で発光ドット配列方向xと直角なy方向に電極コンタクト層3を延在し、この電極コンタクト層3上にその延在方向に沿って、且つ光取出し領域1を縦断する長さで中心電極2を配置した構成を有する。そして、この中心電極2に対する配線金属4は、上記光取出し領域1を避けて発光ドット配列方向xと直角なy方向における上記光取出し領域1の前後の領域及び中心電極2上を被覆するように配設されている。また光取出し領域1は発光ドット20の中心に配置され、且つその中心に中心電極2を配置し且つその電極長(縦幅)Y3を光取出し領域のy方向幅(縦幅)Y2の1.5倍とした構成を有する。
【0024】
上記構成の図1〜3に示した発光ドットに通電すると、低抵抗な電極コンタクト層3が発光ドット中心を縦断している構造であることより、注入電流が発光ドット全体に拡がる。従って、発光ドット面積を拡げた効果が充分に得られ、大幅な順方向電圧Vfの低減が可能となる。
【0025】
また最も電流が集中し高光出力が得られる中心電極2を、光取出し領域1の中心に配置している構造であることより、発光ドットを拡げたことによる光出力の損失も低く抑えることができる。特に5mA以下での低電流領域での光出力損失を抑えることができる。
【0026】
実際に図5に示した従来の中心電極型発光ドットを、本実施形態の中心電極型発光ドットと同じ大きさで試作して特性を比較すると、発光波長が720nmの場合、順方向電圧Vf(5mA通電時の電圧)の値が従来型では2.5Vであるのに対し、本発明の発光ドットの場合には1.9Vとなり、−0.6Vの低減効果が得られた。
【0027】
また光出力についても、5mA以下の低電流領域で、従来型発光ドットにおける光出力の90〜95%であり、損失は少ないという結果が得られた。しかし、1200DPIにおいては発光ドットからの発熱量を抑えなくてはならない為に、通常5mA以下で使用されることを考えると、実際上全く問題のない特性である。
【0028】
なお、本発明と同じ発光ドット面積を持つ図4に示した従来の周辺電極型発光ドットの場合は、その順方向電圧Vfが2.0Vであり、この光出力は本発明の中心電極型発光ドットの場合の70%であった。
【0029】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施例では、中心電極長つまりp側コンタクト電極2の縦幅を光取出し領域1の幅(縦幅Y)の1.5倍の15μmで設計を行ったが、その中心電極長を光取出し領域幅の等倍〜2倍とすることができる。この中心電極長は、光出力の損失を考慮すると本来は等倍の10μmが望ましい。但し、電極の接触抵抗が増加する分だけ順方向電圧Vfが上昇する。また電極長を短くすると電流分散が悪くなり順方向電圧Vfへの影響が懸念されるが、電極コンタクト層3の抵抗が低ければほとんど影響は無い。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の発光ダイオードアレイは、光取出し領域の中央に電極コンタクト層を介して中心電極を設け、この中心電極を配線金属に接続して中心電極型発光ドットを構成し、この中心電極型発光ドットを複数個配列した発光ダイオードアレイにおいて、上記光取出し領域の中心を縦断する形で発光ドット配列方向と直角な方向に電極コンタクト層を延在し、この電極コンタクト層上にその延在方向に沿って、且つ光取出し領域を縦断する長さで中心電極を配置したので、発光ドット配列方向と直角な方向に見て、光取出し領域幅に比して発光ドット自体を大きくすることができることから、pn接合面積を大とすることができ、また、低抵抗な電極コンタクト層も同様に拡がって、pn接合領域への電流分散を良好なものとすることができる。従って本発明によれば、発光ドットの順方向電圧Vfの低減を図ることができ、且つ光取出し領域を中心電極の中心に位置させることにより、中心電極型の利点を活かし高光出力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高密度発光ダイオードアレイの一実施形態に係る発光ドット部の構成を示した上面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図1のB−B線断面図である。
【図4】従来例の周辺電極型発光ドットの平面図である。
【図5】従来例の中心電極型発光ドットの平面図である。
【符号の説明】
1 光取出し領域
2 中心電極
3 電極コンタクト層
4 配線金属
5 n型電極(共通電極)
20 発光ドット
Y1 発光ドットの縦幅
Y2 光取出し領域の縦幅
Y3 中心電極の電極長(縦幅)
【発明の属する技術分野】
本発明は、LEDプリンタに使用するのに適した高密度の発光ダイオードアレイに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、高密度発光ダイオードアレイにおいては、平面図で見て、図4に示すように、その1つ1つの発光ダイオードつまり発光ドット40が、光取出し領域1の一辺(周辺部)に電極2を設けた構造である周辺電極型と、図5に示すように、発光ドット50が、光取出し領域1の中心部に電極2を設けた構造である中心電極型の2通りに分類される。いずれも光取出し領域1上に低抵抗電極コンタクト層3を介して電極2が取り出され、電極2が配線金属4に接続されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、1200DPIのように高密度発光ダイオードアレイの場合、その光取出し領域1のサイズは、縦横が約10μmに制限されてしまうことより、発光ドット自体が非常に小さくなる。その為、発光ドット内の光発生領域であるpn接合面積が小さくなり、結晶の抵抗が大となる。その結果、発光に必要な順方向電圧Vfが大となり、LEDプリンタヘッドの消費電力を上げてしまう、という問題があった。また、発光ドット自体の発熱量も大であり、光出力低下及び信頼性の低下につながっていた。
【0004】
そこで、従来、周辺電極型の発光ドット40の場合、図4に示すように、順方向電圧Vfを下げる為、光取出し領域1のサイズに関わらず発光ドット40自体のサイズを大として順方向電圧Vfの低減に努めていた。しかし、周辺電極型発光ドット40では、電極2が光取出し領域1の周辺部にあるため、注入した電流を光取出し領域の全域に均等に拡げることが困難となる。つまり、図4に示す周辺電極型の発光ドット40の場合、電流を流したとき、電流がほとんど電極2直下に集中することより、光取出し領域1内には拡がらず、大幅に光出力を低下させていた。かつ順方向電圧Vf自体も、光取出し領域1内に電流が拡がりにくいことにより、発光ドットサイズ大の効果が不充分となり、低減率が低かった。
【0005】
これに対し、図5に示す中心電極型の発光ドット50の場合、電極2が光取出し領域1の中央部にあるため、光出力については電極直下の発光成分を電極2の周りから取り出すことができる。このため、周辺電極型の発光ドット40よりは高出力が得られる。しかし、順方向電圧Vfの低減については、発光ドット50の縦幅がそのまま光取出し領域幅と一致する為、発光ドット50自体を大きくすることができない。このため、順方向電圧Vfの低減は、結晶自体の抵抗又は電極の接触抵抗を下げるしか策が無く、順方向電圧Vfを大幅に低減することが困難であった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、最も光出力の高い電極直下の発光成分を有効に取り出せる中心電極型発光ドットの利点を活かしながら、前記した従来技術の欠点を解消し、低抵抗で、且つ高出力の高密度発光ダイオードアレイを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、次のように構成したものである。
【0008】
請求項1の発明に係る発光ダイオードアレイは、光取出し領域の中央に電極コンタクト層を介して中心電極を設け、この中心電極を配線金属に接続した構成の中心電極型発光ドットを複数個配列した発光ダイオードアレイにおいて、上記光取出し領域の中心を縦断する形で発光ドット配列方向と直角な方向に電極コンタクト層を延在し、この電極コンタクト層上にその延在方向に沿って、且つ光取出し領域を縦断する長さで中心電極を配置したことを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1記載の発光ダイオードアレイにおいて、上記中心電極に対する配線金属を、上記光取出し領域を避けて、発光ドット配列方向と直角な方向における上記光取出し領域の前後及び中心電極上に配設したことを特徴とする。これは、上記発光ドットの光取出し領域外の領域を配線金属により被覆した形態を特定したものである。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は2記載の発光ダイオードアレイにおいて、上記光取出し領域を発光ドットの中心に配置し、且つその中心に中心電極を配置し、その中心電極の発光ドット配列方向と直角な方向における電極長を光取出し領域の同一方向の幅の等倍〜2.5倍としたことを特徴とする。これは中心電極の電極長(縦幅)Y3を光取出し領域幅(縦幅)Y2の1.5倍とした形態を特定したものである。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発光ダイオードアレイにおいて、上記発光ドットがメサ分離型発光ダイオードから成り、発光ドット配列方向に対し平行方向の各発光ドットの幅が25μm以下であることを特徴とする。
【0012】
<発明の要点>
本発明の発光ダイオードアレイは、光取出し領域の中央に電極コンタクト層を介して中心電極を設け、この中心電極を配線金属に接続した構成の中心電極型発光ドットを複数個配列した発光ダイオードアレイにおいて、上記光取出し領域の中心を縦断する形で発光ドット配列方向と直角な方向に電極コンタクト層を延在し、この電極コンタクト層上にその延在方向に沿って、且つ光取出し領域を縦断する長さで中心電極を配置したものである。
【0013】
これは、見方を変えると、図5に示した従来の発光ダイオードアレイにおける中心電極型発光ドットの構造を基本として考えた場合、図1に示すように、その発光ドットの配列方向xに対し垂直なy方向の幅を拡げ、且つ低抵抗電極コンタクト層3のy方向の幅を同様に拡げ、その中心に電極を配置した構造である。また更に、その中心電極2の電極長Y3を光取出し領域幅Y2の等倍〜2.5倍とし、光取出し領域は発光ドットの中心に位置させ、且つ発光ドット中の光取出し領域以外の領域を配線金属4で被覆させたものである。このような構造にすることにより、光取出し領域幅Y2に比して発光ドット自体(Y1)を大きくすることができるため、発光ドットの順方向電圧Vfの低減及び高出力化が同時に達成できる高密度発光ダイオードアレイが得られる。
【0014】
すなわち、中心電極型発光ドットの配列方向xに対し垂直なy方向の幅を拡げることにより、pn接合面積を大とすることができ、また、低抵抗な電極コンタクト層も同様に拡がることになり、pn接合領域への電流分散を良好なものとすることができる。これにより発光ドットの順方向電圧Vfの低減を図ることができ、且つ光取出し領域を中心電極の中心に位置させることにより、中心電極型の利点を活かし高光出力を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施形態に基づいて説明する。
【0016】
図1〜図3は本発明の実施形態を説明するための図で、1200DPIの発光ダイオードアレイを構成する中心電極型発光ドット20のうちの一つを示す。この発光ドット20の構造は、メサ分離型ダブルヘテロ構造をもつ微細寸法のGaAlAs系発光ドットである。
【0017】
図1は平面図であり、発光ドット20の配列方向をx、これに垂直な方向をyとしている。光取出し領域1のx方向の横幅X、y方向の縦幅Y2は共に10μmで設計されている。発光ドット20の大きさは、x方向の横幅Xが10μm、y方向の縦幅Y1が354μmで設計され、電極コンタクト層3が横幅:3.5μm、縦幅:304μmで設計され、発光ドット20の中心に位置する。
【0018】
p側コンタクト電極としての中心電極2は、AuZn/Ni/Auで形成され、横幅が2.5μmで、縦幅(電極長Y3)が光取出し領域1の縦幅Y2の1.5倍の15μmで設計され、低抵抗電極コンタクト層3の中心及び光取出し領域1の中心に配置されている。
【0019】
また配線金属4はTi/Auで形成され、図2に示すように、発光ドット20の領域中の光取出し領域1以外の領域及び順メサ段差部を被覆するように設計されている。また裏面には、共通電極として、n型電極5がAuGe/Ni/Auで形成されている。光取出し領域の前後に配設した配線金属4のうちの一方からは接続用のボンディング電極12が引き出される。
【0020】
図2は図1中に記入したA−A線に沿って発光ドットをへき開した断面図、同様に図3はB−B線に沿って発光ドットをへき開した断面図である。
【0021】
n型GaAs基板6上にバッファー層となるn型GaAs層7、クラッド層となるn型GaAlAs層8、活性層となるp型GaAlAs層9、クラッド層となるp型GaAlAs層10、及びp型電極コンタクト層となる低抵抗のp型GaAs層3が形成されている。この結晶構造は、前述したようにダブルヘテロ構造でメサ分離型構造となっている。
【0022】
そして表面には保護膜としてガラス膜11、p型電極2と接続した配線金属4、裏面にはn型電極5がそれぞれ形成されている。配線金属4は発光ドット上の光取出し領域1以外の領域を被覆するように形成され、且つ順メサによる段差部も被覆し、順メサ部から光が漏れない構造となっている。
【0023】
上記したように、この実施形態の発光ダイオードアレイは、発光ドットがメサ分離型発光ダイオードから成り、発光ドット配列方向に対し平行方向の各発光ドットの幅が25μm以下となっている高密度発光ダイオードアレイであり、光取出し領域1の中央に、光取り出し領域1を縦断する形で、電極コンタクト層3を介して中心電極2を設け、この中心電極2を配線金属4に接続して中心電極型発光ドットを構成し、この中心電極型発光ドットを複数個配列した発光ダイオードアレイを前提とし、上記光取出し領域1の中心を縦断する形で発光ドット配列方向xと直角なy方向に電極コンタクト層3を延在し、この電極コンタクト層3上にその延在方向に沿って、且つ光取出し領域1を縦断する長さで中心電極2を配置した構成を有する。そして、この中心電極2に対する配線金属4は、上記光取出し領域1を避けて発光ドット配列方向xと直角なy方向における上記光取出し領域1の前後の領域及び中心電極2上を被覆するように配設されている。また光取出し領域1は発光ドット20の中心に配置され、且つその中心に中心電極2を配置し且つその電極長(縦幅)Y3を光取出し領域のy方向幅(縦幅)Y2の1.5倍とした構成を有する。
【0024】
上記構成の図1〜3に示した発光ドットに通電すると、低抵抗な電極コンタクト層3が発光ドット中心を縦断している構造であることより、注入電流が発光ドット全体に拡がる。従って、発光ドット面積を拡げた効果が充分に得られ、大幅な順方向電圧Vfの低減が可能となる。
【0025】
また最も電流が集中し高光出力が得られる中心電極2を、光取出し領域1の中心に配置している構造であることより、発光ドットを拡げたことによる光出力の損失も低く抑えることができる。特に5mA以下での低電流領域での光出力損失を抑えることができる。
【0026】
実際に図5に示した従来の中心電極型発光ドットを、本実施形態の中心電極型発光ドットと同じ大きさで試作して特性を比較すると、発光波長が720nmの場合、順方向電圧Vf(5mA通電時の電圧)の値が従来型では2.5Vであるのに対し、本発明の発光ドットの場合には1.9Vとなり、−0.6Vの低減効果が得られた。
【0027】
また光出力についても、5mA以下の低電流領域で、従来型発光ドットにおける光出力の90〜95%であり、損失は少ないという結果が得られた。しかし、1200DPIにおいては発光ドットからの発熱量を抑えなくてはならない為に、通常5mA以下で使用されることを考えると、実際上全く問題のない特性である。
【0028】
なお、本発明と同じ発光ドット面積を持つ図4に示した従来の周辺電極型発光ドットの場合は、その順方向電圧Vfが2.0Vであり、この光出力は本発明の中心電極型発光ドットの場合の70%であった。
【0029】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施例では、中心電極長つまりp側コンタクト電極2の縦幅を光取出し領域1の幅(縦幅Y)の1.5倍の15μmで設計を行ったが、その中心電極長を光取出し領域幅の等倍〜2倍とすることができる。この中心電極長は、光出力の損失を考慮すると本来は等倍の10μmが望ましい。但し、電極の接触抵抗が増加する分だけ順方向電圧Vfが上昇する。また電極長を短くすると電流分散が悪くなり順方向電圧Vfへの影響が懸念されるが、電極コンタクト層3の抵抗が低ければほとんど影響は無い。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の発光ダイオードアレイは、光取出し領域の中央に電極コンタクト層を介して中心電極を設け、この中心電極を配線金属に接続して中心電極型発光ドットを構成し、この中心電極型発光ドットを複数個配列した発光ダイオードアレイにおいて、上記光取出し領域の中心を縦断する形で発光ドット配列方向と直角な方向に電極コンタクト層を延在し、この電極コンタクト層上にその延在方向に沿って、且つ光取出し領域を縦断する長さで中心電極を配置したので、発光ドット配列方向と直角な方向に見て、光取出し領域幅に比して発光ドット自体を大きくすることができることから、pn接合面積を大とすることができ、また、低抵抗な電極コンタクト層も同様に拡がって、pn接合領域への電流分散を良好なものとすることができる。従って本発明によれば、発光ドットの順方向電圧Vfの低減を図ることができ、且つ光取出し領域を中心電極の中心に位置させることにより、中心電極型の利点を活かし高光出力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高密度発光ダイオードアレイの一実施形態に係る発光ドット部の構成を示した上面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図1のB−B線断面図である。
【図4】従来例の周辺電極型発光ドットの平面図である。
【図5】従来例の中心電極型発光ドットの平面図である。
【符号の説明】
1 光取出し領域
2 中心電極
3 電極コンタクト層
4 配線金属
5 n型電極(共通電極)
20 発光ドット
Y1 発光ドットの縦幅
Y2 光取出し領域の縦幅
Y3 中心電極の電極長(縦幅)
Claims (4)
- 光取出し領域の中央に電極コンタクト層を介して中心電極を設け、この中心電極を配線金属に接続した構成の中心電極型発光ドットを複数個配列した発光ダイオードアレイにおいて、
上記光取出し領域の中心を縦断する形で発光ドット配列方向と直角な方向に電極コンタクト層を延在し、
この電極コンタクト層上にその延在方向に沿って、且つ光取出し領域を縦断する長さで中心電極を配置したことを特徴とする発光ダイオードアレイ。 - 請求項1記載の発光ダイオードアレイにおいて、
上記中心電極に対する配線金属を、上記光取出し領域を避けて、発光ドット配列方向と直角な方向における上記光取出し領域の前後及び中心電極上に配設したことを特徴とする発光ダイオードアレイ。 - 請求項1又は2記載の発光ダイオードアレイにおいて、
上記光取出し領域を発光ドットの中心に配置し、且つその中心に中心電極を配置し、その中心電極の発光ドット配列方向と直角な方向における電極長を光取出し領域の同一方向の幅の等倍〜2.5倍としたことを特徴とする発光ダイオードアレイ。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の発光ダイオードアレイにおいて、
上記発光ドットがメサ分離型発光ダイオードから成り、発光ドット配列方向に対し平行方向の各発光ドットの幅が25μm以下であることを特徴とする発光ダイオードアレイ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002203673A JP2004047761A (ja) | 2002-07-12 | 2002-07-12 | 発光ダイオードアレイ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002203673A JP2004047761A (ja) | 2002-07-12 | 2002-07-12 | 発光ダイオードアレイ |
Publications (1)
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ID=31709481
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JP2002203673A Withdrawn JP2004047761A (ja) | 2002-07-12 | 2002-07-12 | 発光ダイオードアレイ |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004047761A (ja) |
-
2002
- 2002-07-12 JP JP2002203673A patent/JP2004047761A/ja not_active Withdrawn
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